2005年衆議院選挙に思う
2005.9.17

僕がこのサイトを立ち上げたのは、芸術や文学の傑作を残してくれた恩人への御礼、つまり作品の
素晴らしさを一人でも多くの人に伝える為であり、政治的コメントをすることで違う意見を持つ人が
去ってしまう事態は避けたい。でも、政治は生活と直結しており、芸術を味わうには暮らしの安定が
必要なのも事実。
最初に断っておくけど僕は特定の政党支持者ではなく、どの党にも長所もあれば短所もあると思って
いる。また、長期政権は利権が絡んで腐敗しやすく、だからこそ、政権交代があることが健全な民主
主義を発展させると信じている。

●小泉政治の光と影
国民に向かって自らの信念を熱弁する小泉さんは、従来になかったタイプの指導者であり、とても頼もしく見える。『改革にYESかNOか!』この二者択一を出されたら、誰だってYESと答えるだろう。選挙のポスター『改革を止めるな』を見た時、そのシンプルで強烈なメッセージはカッコイイと思ったし、実際に小泉さんが派閥を弱体化させ、国民の目を政治に向けさせた点は評価に値すると思う。
しかし、だ。経済を立て直すためとはいえ、小泉さんの構造改革はあまりに財界中心で弱者に過酷だ。労働者派遣法や産業再生法の改正で、経営者は正社員を採用せず人件費が安く簡単に解雇できる派遣社員ばかり雇い、リストラに継ぐリストラを断行。法人税の減税もあって今年春の決算で大企業の3分の1が過去最高の収益をあげ、空前の大増収になった。高額所得者も所得税が減税されハッピー。政府に累進課税を強化する気配はなく、官僚の天下りは依然として横行し、大企業や金持ちは
優遇されまくりだ。
一方、庶民の台所は火の車。サラリーマンの医療費は値上がり(健保3割負担)、老人医療費定額制も廃止、雇用保険など社会保障費は削減され、年金システムは崩壊、失業率は高いままで、庶民は
ヘトヘトに苦しんでいる。大企業は公的資金で救うけれど、「改革に“痛み”はつきもの」と中小企業が銀行の貸し渋りで倒産に追い込まれても黙認し、構造改革のあおりを受けて小泉政権の4年間に
約15万人が自殺。日本は世界192ヶ国の中で自殺率第1位の国になってしまったのは見過ごせない。
小泉改革がもたらしたのは「富める者はさらに富み、貧しい者はさらに貧しく」という無情な格差社会。世間では“勝ち組“”負け組”という最低に下品な言葉が公然と使われるようになった。また、靖国参拝はモロに政教分離の原則を侵害してるし、郵政を国民投票にするなら、世論が割れたイラク派兵を
なぜ国民投票で問わなかったのか。

もちろん、野党にだって問題はある。選挙後の総括もできない民主党の指導部は現状の分析能力に欠け、社民党は秘書手当問題で自浄能力がない事が露呈し、共産党は候補者を乱立し野党間で票を奪い合って共倒れになり、結果的に自民を勝たせている…。
それでも、だ。小泉政権の4年が庶民に与えた悲惨な状況は、政権交代に値すると僕は思っている。野党に政権が移って問題があれば、また選挙で審判を下せばいい。とにかく今のままでは、人生の幸、不幸を年収や資産で判断する狂った風潮は止まらず、4年後にさらにイビツな社会になってるのは火を見るより明らかだ。列島を包む拝金主義の流れを早急に方向転換しないと、目も当てられないほど人心が荒廃していまう。(これを選挙前にサイトに書きたかったけど、中立を守る為に書かなかった)

●そして迎えた投票日

結果はご存知の通り、新聞には『自民党圧勝』の文字が踊った。衆議院では自民党単独でも法案を
可決できるようになり、参議院で否決された法案も自公連携で成立可能になった。
人それぞれに考えの違いはあるから、野党が頼りなく見えたり、信念を持って自民党に投票した人
批判するつもりはない。でも、街頭インタビューで若者が「政治の事はよく解らないけど、小泉さんのカリスマに惹かれた」「皆が総理に入れるので自分も。エヘヘ」なんて答えてたり、ワイドショーで「純ちゃ〜ん」と黄色い声をあげる人々を見てると、「郵政が民営化されれば全てがバラ色になる」いうフレーズを
信じ、他の争点を知ろうとしないのかと不安になり、ヒトラーの不気味な警句「支配者にとって人々が
思考しないということは、なんたる幸運であろうか」を思わずにはいられなかった(これはもちろん僕
自身への警句でもある)。

●最後に〜“圧勝”ではなかった自民党
僕は自分が少数派だと思っていない。確かに自民党は296議席と歴史的大勝をし、民主党113議席の2.6倍もあるけれど、それはあくまでも「議席数」に限った話。比例区の得票数に目を向ければ、
自公が3488万票(全体の51%)、野党側の合計が3294万票(49%)と、この選挙は国民の2人に1人が小泉政権の4年にNOを突きつけた大接戦だった。小選挙区はもっと意外な結果だ。与党側の3350万票(49%)に対し、野党側は3133万(46%)、ここに入っていない残りの5%は郵政に
反対して「無所属」で戦った候補者のもの。なんと野党と無所属を足せば与党を上回るんだ。マスコミ
が連呼するような「圧勝」では断じてない。この選挙結果を総理は真摯に受け取り、決して数に驕ることなく頑張って欲しい。小泉さんの唱えた「改革」に、幸福に暮らしたいという国民の期待が託されたの
ですから!




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