世界巡礼烈風伝74〜裏ワザ編・旅の言葉

皆さんから寄せられる質問で一番多いのが『英語が通じない土地で言葉(コミュニケーション)の問題はど〜してたの?』。キューバのゲバラ編以来、ここのところアルゼンチン、チリなどずっとスペイン語圏をルポってたので、スペイン語を例にとって説明しませう。

以前にも書いたように、僕の英語力は中1の2学期程度。ましてスペイン語など分かる訳がない…。せいぜいセニョール、セニョリータくらいだ。あ、それとUNO“1”ね(笑)。
しかし旅に出ればそうも言ってられないので、挨拶で使う“オラ!”(ハローの意味。悟空じゃないよ)の他、ごくわずかだが僕の内蔵ハードディスクの容量限界まで言葉をがんばって覚えた(5個)。

・ありがとう…グラシアス
・素晴らしい…ビエン
・幸せ…フェリース
・美味しい…デリスィオーソ
・美しい…風景にはボニート、女性にはボニータ

旅の間はこの5つの褒め言葉にムーチョ(Very、ムイの時もある)をつけて、目の前の景色、人、食べ物などをとにかく褒めちぎった。

誤解を恐れずに言うならば、海外旅行で覚えるのはこの5つの単語と“ポルファボール(Please)”だけでいい。これでなんとかなる。逆にいえば、この“ヨイショ”言葉を知らなければ、ことごとく旅に行き詰まると言っても過言ではない。地方へ行けば行くほど、人々は自分の土地に強い愛着を感じている人が多いので、ヨイショ言葉の“効果”はてきめんだ。「メッチャおおきに」は「ムーチャス・グラシアス」だけど、心底から感謝しまくってる時は
「ムーチャス、ムーチャス、ムーチャス、ムーチャス・グラシアス!!」
とムーチャスを連呼、絶叫すれば、120%こちらの熱い思いが伝わる。田舎の食堂でこれの“デリスィオーソ”版をやれば、気を良くした店のオヤジがこれを食え、あれも食えと色々サービスしてくれることウケアイだ。
バスで乗り合わせた人やタクシーの運ちゃんに、眼前の景観を
「(グッスン)ムイ、ムイ、ムイ、ム〜イ・ビエ〜ン!」
と涙ながらに言えば、御機嫌になった相手が“もっと素晴らしい所があるぞ”と、ガイドブックには載ってない貴重な情報をくれたりするし、土産物屋で店主のオバサンに
「オ〜ウ!ムイ・ボニータ!」
とシュプレヒコールすれば、こっちが“オイオイ”って思うくらいまけてくれる。

この法則は万国共通だ。世界中どこに行っても、真っ先にその土地で使われる上記の5つの殺し文句を、英語の通じる観光局の職員や大学生から聞き出してメモり、その後は念仏のように繰り返して欲しい。

あと、忘れてはならないのが前述したポルファボール(Please)。人にものを頼んだり、何かを尋ねたりする時は、この短い一言を付けるだけで相手に与える印象が全然違ってくるから、重要度MAXの言葉だ。ポルファボールは、相手もすごく丁寧になってくれる魔法の言葉なのさ!

別れの言葉は通常“アディオス(さいなら)”だが、心の交流をした相手には“アスタラ・ビスタ(また会いましょう!)”の言葉を添えるとグー。その時に握手なんかしてたりすると、ちょっと涙腺が緩むかも。
そして、本当の一番最後。
相手の笑顔を見ながら立ち去りたいなら、その土地の名を讃えよう(国名ではなく)。例えばバルセロナなら“ビバ(万歳)、スペイン!”と言わずに
「ビバ、バルセローナ!」
と。白い歯と両手を振る姿が見えるはずだ。

※世界中どこでも通じる史上最強のジェスチャーは、トイレの場所を聞く時に使う、股間を抑えてピョンピョン跳ねるやつだ。これほど相手の国籍、年齢、時代を問わず通じるジェスチャーは他にない。まさに世界共通の肉体言語!ただこの場合、目の前の相手だけではなく周囲の全員に質問内容がバレてしまうのがたまに傷だが…(とはいえ初対面の相手にもウケるので、場の緊張を解く効果もあるユースフルなジェスチャーだ!)。




      


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