最新文芸情報


2001.7〜9


9月30日〜萩尾望都のマンガ『残酷な神が支配する』最終巻を読む。全17巻、約9年をかけた大作だった(ただし後半5年間はほとんどストーリーが進まなかったけど…)。傷だらけの主人公ジェルミの「愛することを試してみてもいいだろうか」というセリフが痛々しい。
9月29日〜現在ロック・ファンの誰もが世界最高のバンドと認める『レディオヘッド』の初日LIVEを聴いてきた(当初の公演予定は明日のみだった)。一度はチケット争奪戦に敗れたが、追加公演が決まった時にわざわざ“ぴあ”の会員になり、先行予約でついにゲットしたチケットだ。米国テロの余波で来日ミュージシャンのLIVEが次々と延期&中止になっているだけに、ステージに彼らが現れた時はまるで奇跡を目の当たりにする気持だった(英のバンドだから実現したのかな)。前座のバンドがショボい曲を半時間もやりゲンナリした後だけに、レディオヘッドが登場した時の客席の爆発加減はハンパじゃなかった。観客の大半が男性だったので、地鳴りに近い歓声が起こった。
演奏はこれ以上は望めないほど素晴らしく、何度この世に生まれてきて良かったと天を仰いだことか!6時間経った今も繊細さと情けなさの間を縫うようなトム・ヨークのヴォーカルが耳の奥に響いている。限りなくダークでヘビーな歌詞をあんなにも美しく歌い上げるトム様には、神がかり的なものを感じた。名曲エグジット・ミュージック(レオ君のロミオ&ジュリエットのED曲)では野郎どもがあちこちでハラハラと泣き濡れ、嗚咽していた…。僕は今夜のLIVEを一生忘れない!
9月28日〜メガヒット作『もののけ姫』が樹立した観客動員数の新記録を超メガヒット作『タイタニック』が更新した時、映画ファンの間では“もうこの先半世紀は記録の更新がないだろう”と言われていた。なのに『千と千尋』はタイタニックが62週間かけて作った大記録を、ナントたったの10週間でサクッと追い抜いてしまった!これには「もう映画は作らん」と言ってた宮崎御大も仰天。鼻息荒く「次回はぜひ冒険アクションをやりたい」と嬉しい発言。ラピュタみたいなんが観れるなら、何年かかろうとも待ってるよ〜っ!
9月27日〜先日深夜にCoccoの特番をやってるのを偶然見た。番組の最後にもはや伝説化しているMステ・ラスト出演の映像が流れた。僕は彼女がたった4年で活動停止に入るのを残念だと思ってたけど、あの追いつめられた様な目や両手首を見たら、よくぞこんなボロボロになるまで4年間もがんばったと、胸が詰まって息が苦しくなった。最後に歌った『焼け野が原』の“もう歩けないよ”という歌詞がたまらない。メッキで出来たニセモノのアーティストが多い中で、彼女は数少ない本物の魂の表現者だった!
9月26日〜今夜、テロの犠牲者の追悼及び報復攻撃反対の気持を込めて、イマジンを歌いながら花やペンライトを手に大阪中心街を歩くピースウォークに参加してきた。個人参加者(母子、学生が多かった)、市民団体、労働組合、なぜか過激派まで加わっての大混成行進だった。前後は警察の装甲車。米国領事館の前に花を一人ずつ置いた。急遽決まった行進にも関わらず東京から参加した人もいた。命を奪うテロに対し、同じく命を奪うやり方(武力報復)を選んでしまったら、それこそ精神的にテロに敗北したのも同然じゃん!?(“文明国”を標榜するなら、なおさら。)
9月25日〜僕のような無名の文芸研究家の貧困生活、その実態や如何に?自虐エッセイの金字塔と言われた“平成貧窮問答歌”をメルマガのバックナンバーにア〜ップ!ペンで生きていこうと思う若い君、こんな大人になるんじゃないよ。

9月24日〜
久々に雪印の北海道牛乳を飲んでビックリ。事件後、メチャ美味しくなってる(味が濃い!)。僕はかつて自然派食品の業界にいたから、牛乳の味に関してはうるさい。やればできるじゃん、雪印!って感じだ。もう以前の味に戻らないでね。
9月22日〜今朝の朝日にあの坂本龍一(NY在住)が『報復しないのが真の勇気』という報復反対声明を出していた。彼は“日本国民はなぜ総理の決断に疑問の声をあげないのか?”と訴える。ほんと、新しい殺人行為に自分も加わるのかどうかの大問題なんだよね。
9月21日〜今回の米国テロ事件に関する僕の主張は、反テロだけでなく、軍事報復にも断固反対!その“武力報復反対声明”をこのコーナーのすぐ下にまとめました。

9月20日〜メルマガのバックナンバーに暗殺された聖職者、オスカル・ロメロの巡礼ルポをアップ!

9月19日〜総理の緊急会見にブッ飛ぶ。まだラディン氏が犯人だという確実な証拠もないのに“自衛隊艦船を後方支援に派遣させる”って、本気なのか?テロを撲滅する手段は対話しかなく、軍事行動はその正反対じゃんか!?
9月17日〜劇場版『カウボーイ・ビバップ』を見る。大阪のド真ン中、平日午前のアニメ映画に何人の客が集まるのか?果たして客層は?答えは51人(そのうち男性が46人!)、客層は20〜40代位か。これほど野郎だらけの劇場も珍しい。お互い月曜の朝に劇場にいる後ろめたさが見え隠れし、どの客も心なしか目を伏せがちで、誰一人視線が合うことはない(もちろん僕もその一人、哀)。そうした、どんよりとしたムサ苦しい空気の中で、映画は上映された。で、感想なんだけど…確かに映像は圧倒的クオリティーだし人物の動きも超リアルなんだが、あまりに物語の展開が遅い!ビバップの魅力はスピーディな展開ではなかったのか!?敵役も書き込み不足で存在感に乏しすぎ!他のエピソードを削ってもっと敵役に肉付けせんか〜。“犯人の哀愁”を感じさせるのがビバップだろう!?っていうか、そもそもなんであのTV版の超名作OP曲を使用せんのだ〜っ!(ゼェ、ゼェ…)OP曲が違うので殆どの客が冒頭からストレスの塊と化していたんとちゃうか!?ま、色々ケチをつけたがそれでも80点。大人向けのシリアスな骨太アニメが見たい人は劇場にGO!大スクリーンで見たい作品っす。
9月16日〜昨夜の『国宝探訪』は本当に素晴らしかった!あの三月堂の堂内は普段かなり薄暗く、仏像たちの姿をハッキリ見ることが出来ない。嬉しい事にNHKは撮影の為に照明をガンガンつけてくれたので、仏像の表情はもちろん、頭上の小さな装飾品まで存分に鑑賞する事が出来た。もう、テレビの前で驚嘆の声を上げっぱなし!ウ〜ン、有難う教育テレビ!(応挙の氷図屏風も鳥肌モノだったね)
9月12日〜あの、飛行機がビルに突っ込む映像はあまりに凄惨で、恐怖に身体が震えた。天をつく巨大建築が300人の消防士と100余名の警官を飲み込みながら崩壊する様に、テレビの前で絶句した。一方、パレスチナでは人々が通りに出て大喜びしている(一部かもしれないが)。ブッシュが叫ぶ“目には目を”では問題の解決にはならない。憎しみの連鎖は新たな惨劇を招く近道だ。全犠牲者の冥福を祈る。
9月11日〜学生時代から15年使ってきた洗濯機が突然昇天する。洗いもすすぎも30秒で止まってしまうんだ。仕方なくスイッチのオン・オフを30秒ごとに手動で繰り返し、5時間かけて洗濯。うぐぐ、何とか修理費を稼がねば

9月10日〜帰還!また今日からバリバリ更新します。朝鮮半島から東京へ着いた後、大阪へはすぐ戻らずに、2日間かけて東京の墓を16人ほど巡礼したので(台風接近の中)、さっそく報告レポートに取り掛かります。
8月26日〜例によって突然ですが、明日からまだこれまで一度も足を運んでなかった隣国、韓国&北朝鮮の墓参(李成桂など)に行ってまいります。約2週間ほどHPの更新がストップしますので、その間は完成済みの各コーナーでおくつろぎ下さいませ!
8月24日〜ウヒョーッ!芸術を愛する皆さん、大大大ニュースです!『美の巨人たち』のオフィシャルHPを発見したので覗いてみたら、何とこれまでに番組で紹介された70枚の絵が全てアップされてました!(それも放送時の台本までついて!)嬉しさのあまりパソコンの前に泣き伏しました。嗚呼、ありがとうテレビ東京のHP係さん!
http://www.tv-tokyo.co.jp/kyojin/lineup/
(画質はイマイチだけど、ここまでしてくれれば文句は言えないッス)
8月23日〜メルマガのバックナンバーにジャマイカで敢行したボブ・マーリィの墓への巡礼記をアップしました!
8月22日〜お墓ベスト365がこの夏の墓参を反映した最新版に更新されました!まだ御覧になってない方はぜひクリックしてみて下さい。おそらく世界唯一の珍ベストだと思います…。

8月21日〜昨日の反動か、どうしても骨太の映画が観たくなり、ビデオでサスペンスの傑作『ジャッカルの日』を観る。大統領を狙う殺し屋VS中年警官の息詰まる心理戦は圧巻だった。続いて戦場の敵兵士との友情を描いた名画『眼下の敵』も観る。戦争映画といっても登場するのは軍艦と潜水艦が各一隻のみで、他には何も出てこない。また、僕の知る限り最初から最後まで女性がただの一人も登場しない、全キャストがむさ苦しいオッサンだけというのはこの作品のみ。戦いの中で敵を命をかけて救うという台本に感嘆した!

8月20日〜ジュラシック・パーク3を観た。“千と千尋”に押されて客席はガラガラ。実際映画の内容はお世辞にも必見とはいえなかった。ただ翼竜プテラノドンの動きはスゴイので、かつて恐竜ファンだった人は観て損はないっす(90分しかないし、暇つぶしにもってこい)。
8月18日〜今日の『国宝探訪』の裏でやっていた『美の巨人たち』はフランスの画家ボナールの特集で、なかなか良かった。僕は彼の事を知らなかったので番組を宣伝しなかったけど、今はおすすめすればよかったと激しく後悔しています…。
8月17日〜明晩22時からNHK教育の『国宝探訪』であの“松林図屏風”が紹介されます!多くの美術研究家が、水墨画のみならず日本絵画史上の全作品の中で最高傑作と大絶賛している長谷川等伯の作品です。国宝の中の国宝をひとめ御覧あれ!

8月16日〜メルマガのバックナンバーに91号の山特集をアップ!
8月13日〜な、な、なんと本日深夜から教育テレビで英国の超トンマ・おげれつコメディー『宇宙船レッド・ドワーフ号』の放送が始まる!それも連日の集中放送で!コレ、絶対に見るべし。爆笑、爆笑、また爆笑で、宇宙物理学者のホーキング博士や、スタートレックのスタッフも大絶賛しているんだ。「ドワーフ号」に出会った人生と、「ドワーフ号」を見ぬまま終える人生では雲泥の差があるよ〜っ!!
8月15日〜メルマガ購読者が600人を突破!良いものを書く為にさらに精進せねば!//96年のフィンランド映画『浮き雲』を見る。評判通り良い作品だった。夫婦揃って失業し、がんばってレストランを出店させる物語。オープン初日、映画であるにも関わらず、お客さんが入って来た時に僕まで画面の前で小躍りしたよ。
8月14日〜今日はBBSで教えてもらった国内の墓情報サイトを、10時間以上かけて8733人すべて総チェックした(グハーッ)。今までどれだけ調べても分からなかった柿本人麻呂や清少納言の墓が判明してすっごい嬉しかった!信長の墓は10ヶ所もあって笑ってしまったなぁ。それにしても、キリストばかりかモーゼの墓まで日本にあったとは…。浦島太郎や河童の墓もあったよ(笑)
8月12日〜中南米から無事帰国!ボブ・マーリィもロメロ大司教も墓を根性で巡礼を完遂してきました!
7月23日〜いきなりですが、明日から8月中旬まで中南米方面の墓参へ行きます。その海域の客船で船内講座をすることになったので、それに便乗して各地を巡礼して来るつもりです。ルートはジャマイカ〜パナマ運河〜エルサルバドル〜メキシコ〜カナダ。目指す墓はジャマイカのレゲエの神様ボブ・マーリィと、エルサルバドルで民衆運動を指揮して軍部に暗殺されたロメロ大司教の2人!
7月22日〜広辞苑は完成に30年を要し、初版本の編集者は、完成後も死ぬ前に病院のベッドで「“点滴”という言葉は辞典にちゃんと入っているか?」と見舞いに来た家族に訊いたという。その結果の20万語。脱帽!
7月21日〜昨日宮崎監督の最新作『千と千尋の神隠し』を観た。初日でしかも第1回の上映。朝8時というのに既に立見席しかないという、ものすごい状況だった。で、感想!手放しで大絶賛…とまではいかなくても、作品の中で完全にひとつの異世界を創り上げていたのはスゴイの一言に尽きる!架空の話であることを途中で忘れてしまったくらいだ。表情豊かな人物描写、個性的で観ていて飽きない神々、実写に迫るリアルな背景。さすがというしかない。一方、物語的には全てのエピソードが中途半端で、クライマックスも全く盛り上がらなかったが、これは確信犯で宮崎さんがワザとそうしてるので仕方がない。っていうか、まさにそこがこの作品の魅力になってるんだよね。監督は「この作品は千尋の成長物語ではない。成長と恋愛があれば良い映画だっていう下らない観念をひっくり返したかった」と公言しているのに、一般にいう“感動”を求めることがそもそも間違い。宮崎さんの「大丈夫、あなたはちゃんとやっていける」という温かいメッセージはしっかり伝わった。(観客の子供たちは“まっくろくろすけ”に大喜びだった)
7月19日〜お茶漬け食いながらCM見ててブハッと吹き出した。クール宅急便のBGMがチャイコフスキーの遺作『悲愴』なのだ!この曲は彼が自殺をする直前に遺書の代わりに作曲したもの。よくこんな不吉な曲を…。おそらくメロディーが美しいから、何も考えずBGMに使ったんだろう。CM担当者は始末書ものだね。
7月16日〜話題の『パール・ハーバー』を観る。真珠湾の40分にわたる爆撃シーンが非常にリアルで思わず息を呑んだ。奇襲前のハワイがとてものどかだっただけに、空爆開始後の地獄絵巻が強いコントラストを放っていた。史実として“真珠湾攻撃”という“言葉”は知っていたが、映像化されたものを見ると言葉だけだと伝わらなかった凄惨な現実が身体で理解出来た…。 しかし、映画の柱となってるラブストーリーがあまりにお粗末だった為に3時間という上映時間が禅修行のように忍耐力を鍛える鍛錬の場となったことは否めない。日本軍指令部に戦国時代の様なのぼり旗がはためき、その周囲で子供が凧揚げをワーイってやってる構図も目を点にした。ただ、最初に書いたようにそういったマイナス面を補ってお釣りがくるほど奇襲シーンが凄まじいので、迷ってるなら観て欲しい。
7月15日〜新コーナー『びっくり宇宙豆知識』を開設!僕が趣味で研究してきた星座や天文学のオモシロ情報を大紹介します(メルマガ配信分にさらに加筆!)。尋常ではない特大スケールの豆知識に呆れ果てちゃって下さい。あまりの宇宙のデカさに、思わず笑いがこみ上げてくること必至!
7月13日〜最近、毎晩火星がとても美しい。南の空に真っ赤に輝いているので、星に詳しくない人でもすぐ分かる。火星の右隣には、これまたサソリ座の1等星アンタレスが赤々と燃えている。火星は13年ぶりの大接近でかなり明るく、見た瞬間ビックリするかも!?夜にこのコーナーを読んでる方、今ちょっと外に出て見上げてみそ!
7月10日〜話題作『A.I』について。かなりあちこちから叩かれてるけど、僕はそんなにひどくはないと思う。愛の辛さも正面から描いていたし、未来世界を表現する為に美術チームもがんばってたもの/メルマガのバックナンバーに、自らピストルの弾丸を撃ち込んだ歌手ビオレータの巡礼記をアップ。
7月8日〜今年のアカデミー賞を獲った台湾映画『グリーン・ディステニー』を観た。確かにアクションは良い。風景も美しかった。しかし…あまりに脚本が弱い!弱すぎる!もっとストーリーを練れ〜っ!
7月5日〜このHPによく来る人でまだ僕のメルマガ“カジポン・タイムズ”を受信してない方。メルアド非公開で受信できる便利な『まぐまぐ』の配信フォームを新たに開設したので、よければそこからお申込み下さいませ。





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