最新文芸情報


2011.9〜10

 10月31日…(シネマレビューその3)
●猿の惑星:創世記…93点。ブラボー!たくさんあった伏線をすべて回収した脚本に出合ったのは久々!どうして人類の文明が滅んで猿が地球の支配者となったのかを、エンディングまで使って見事に描ききった。映画が始まってすぐ分かることなので書くけど、アルツハイマー治療用の脳を活性化する新薬を注射された実験用チンパンジーたちに確変が起きる。とんでもなく頭脳が進化しちゃう。そして、チンパンジーの“シーザー”は人間の傲慢さに失望し、自由を求めてある行動を起こす。チンパンジー、ゴリラ、オランウータンと種別に見せ場があるのが面白い。サンフランシスコ名物の路面電車の上で“四天王”がキメるカットにシビれた!「ノー!」もね。それにしても、あのエンディング・ロール、ただの世界地図と光の筋だけで、あんなに恐ろしい光景になってしまうとは。続編が公開されたら初日に観に行きたい!
※観ている間、“この小者、どこかで観たことあるぞ…”とモヤモヤしてたら、パンフでハリー・ポッターのライバル、ドラコと判明。奴か!
※CGを多様しているため膨大な人数のスタッフが参加しており、5列のスタッフロールというのを初めて見た。それくらいキツキツにしないと長すぎちゃうんだろう。
※予告編がハイライトを殆ど見せていて驚愕。ぶっちゃけ、観に行く予定がない人は、この予告編を見るだけで観てしまったも同然かと。こんなにネタバレしまくってる予告編は久しぶりに観た。
●ヒトラーの贋札(にせさつ)…83点。ナチスが英国経済の混乱を狙った史上最大の贋札事件「ベルンハルト作戦」を描いた実話。ユダヤ人強制収容所(ザクセンハウゼン)に極秘裏に設置された贋札工房に、ベテランのユダヤ人印刷工や彫金師が集められ、ポンドやドルの贋札造りを命じられる。完璧な贋札の偽造に失敗すれば処刑、成功すれば敵に協力することになる…この矛盾を抱え、極限状態で苦悩するユダヤ人たち。本作がユニークなのは聖人君子を主人公にするのではなく、戦前から贋札造りを生業にしていた犯罪者にしたこと。悪党なりに美学と良心を持ち、頭の回転も速く不敵。この小悪党を演じたカール・マルコヴィックスの渋い演技に引き込まれた。素晴らしい役者。2007年制作、アカデミー外国語映画賞。※実際に1億3200万ポンドが印刷され、これは英国の外貨準備高の4倍に相当した。
●コクリコ坂から…70点。高校の文化部・部室館「カルチェラタン」の保存運動をめぐるドラマ。時代は学生運動たけなわの1963年5月。ぶっちゃけ、小さな子どもは置いてけぼりだ。なぜジブリや宮崎さんは数多くの題材から、約50年も前の高校生活・学園闘争を選んだのか。僕的には“今の学生は大人しいけど、昔はこんなに熱くエネルギッシュだった”“もっと元気出せ”というメッセージを受け取った。というか、あえてこの題材を選んだ理由が他に見当たらない。主人公の出生の秘密とか、チビッコには訳が分からないだろうし…。信号旗の意味や“メル”の由来など、色々放置してたなぁ。日々の朝食をはじめ食事シーンはさすがジブリ、どれも美味しそうだった。
●太平洋の奇跡-フォックスと呼ばれた男…65点。激戦地サイパン島で45000人の米軍をたった47人の兵で翻弄した大場栄・陸軍大尉ら日本兵の戦いを描く(実話)。前半のバンザイ突撃の総攻撃シーンは圧巻。知略を尽くす大場大尉のことを米兵らは「フォックス」と呼んで畏怖した。“天皇陛下”という言葉が出た瞬間に、全兵士が姿勢を正すなど細かな演出に評価。ただし、日米の架け橋になろうとしていた通訳が日本兵に射殺されたシーンでの大尉の予測の甘さ、B29が本土爆撃に向かうのを見ているのに日本敗戦を信じようとしない態度に“あれれ?何か違う”と点数が下がった。
●サマータイムマシン・ブルース…80点。怪作SFコメディ。真夏、四国のとある大学・SF研究会の部室。クーラーのリモコンにコーラがこぼれて壊れてしまった為、タイムマシンで昨日に戻って“壊れる前のリモコン”を取ってこようという、それだけの話。シュール!タイムトラベルによって生まれた矛盾を修正するために、必死こいて奮闘する部員たちが可笑しい。2度目に見ると、冒頭の数々の伏線に目からウロコ!
//ジョジョのフィギュア、「カーズ様」(Ama)が楽しみすぎる。画像を見るとかなりハイクオリティな出来映え!発売日は12/31。大晦日をカーズ様が締めくくるとは(笑)。
 10月30日…(シネマレビューその2)
●塔の上のラプンツェル…70点。ディズニー長編50作品目。昔のディズニーなら白馬の王子がお姫様を助けてくれるけど、ケチなドロボーが現れるという設定が面白い。初対面でいきなり姫にフライパンで成敗されるし(笑)。夜の湖上に無数のランプが飛び交うシーンがとても美しく、“DVDじゃなく銀幕&3Dで鑑賞したかった”と後悔。ラプンツェルの吹替えは中川翔子さん。“うまい声優だな”と思っていたので仰天した。『美女と野獣』は30作目。いつの間にかもう20作品も作られてるのか。※ドロボーが塔に幽閉されたお姫様を助け出す話はルパン『カリオストロの城』っすね。
●カーズ2…63点。前作ではレースで1位になることより大切なものを学ぶなど精神的な成長がメインに描かれてたけど、今回はアクションばかりでドラマ性に欠けた。メーターのドジっぷりは、笑えないネタもありイマイチ。でも、ハリウッド映画では、動きがのろかったり、頭の回転が速くないキャラは、やたらと子ども達にイジメられているので、スタッフはメーターの純粋さを前面に出すことで、他人を見下すことの愚かさを伝えようとしているのかも。
●英国王のスピーチ…75点。「英国史上、もっとも内気な王」というキャッチコピーに惹かれて鑑賞。ジョージ6世役のコリン・ファースはオスカーに相応しい演技だった。国王がNGワードで悪態をつくシーンは、日本の皇室を扱った映画ではあり得ないっすね。史上最年長のアカデミー脚本賞受賞者となったデヴィッド・サイドラー(74歳)は授賞式で「お前は“大器晩成型”だと昔よく父に言われました」とスピーチ。ドッと笑いが起こり、満足げに会場を見渡した氏が「早く、そして何度も記録が更新されますように」と締めたのが印象的だった。
●ツリー・オブ・ライフ…95点。敬愛するテレンス・マリック監督の作品であり、公開初日の初回に鑑賞!主人公の自分史が、宇宙や地球の誕生から語られる壮大さに度肝を抜かれた。哲学性、芸術性が全面に出ていて、エンターテインメント性はほぼ皆無。評論家の賛否が分かれているけど僕は断固“賛”!宇宙・地球の歴史と家族問題(父子の確執)という、マクロとミクロを並行してして語る神業に圧倒された!「愛することでしか幸せになれない。愛がなければ人生は瞬(またた)く間に過ぎ去る」が凄い説得力。スメタナの『モルダウ』に乗せて描かれる幸福な幼児期のシーンだけでも映画代のモトはとれた。“成功して重要人物になりたい”と強迫観念を抱く父は見てるだけでしんどく、次男が父に「静かにして」って言うシーンはインパクトがあった。恐竜まで登場するテレンス・マリック版『2001年宇宙の旅』。カンヌ映画祭パルム・ドール受賞。※ストーリーに起伏がないうえ、壮大な宇宙の映像は巨大スクリーンで観て初めて感動を与えられるため、DVDで観た人には「退屈」と叩く人が多いと思う(汗)。
●ヒア アフター…80点。監督イーストウッド、製作スピルバーグという豪華な顔合わせ。10万人を超える犠牲者を出した2004年のスマトラ沖地震や翌年のロンドン地下鉄爆破テロなど、実際の出来事を絡めながら“来世”を語った作品。リアリズム指向のイーストウッド監督が、主人公が霊媒師のオカルト・ファンタジーを撮るとは想像もしなかった。とはいえ、宗教色は極力排され、あくまでも霊界との通信は“いかに生きるべきか”を描くための一つの切り口として登場する。作品全体から感じるものは監督の優しさ。【以下ネタバレ文字反転】→
形見の品(帽子)を肌身離さず持っている弟に、あの世の兄が「いい加減にその帽子を脱いで自分の人生を歩め」と諭すシーンはグッと来た。また、他人の過去ばかり見てきた主人公が、最後に自分の未来を考えることが出来る相手と巡り会えたのも良い。泣ける。イーストウッド監督はもう80歳なので、現実問題としてもう何本も撮る時間が残っていない。慎重に脚本を選んでいるはず。「死後の世界があるかどうか、真実は誰にも分からない。ただ、人は与えられた人生を精一杯生きるべきだと、僕は常に信じている」(イーストウッド)。
※ちょうど東日本大震災と上映時期が重なり、劇中の津波シーン(バリ島)があまりにリアル過ぎたことから本作は公開打ち切りになった。地上波でオンエアされることはないだろう。もし、津波にのまれるということが全く想像できないために、被災地のことが遠くの他人事になっているのであれば、この映画の該当映像(2分51秒)を見る意味はあると思う。
//アニメ『Fate/Zero』第5話の、黒鎧のバーサーカー(雁夜の相棒)の驚異的な動きにぶっ飛んだ。なんちゅう素早い動き!担当アニメーターは神の手の持ち主。永久保存版っす。
 10月29日…日経ビジネスの特集「次代を創る100人」に荒木飛呂彦先生の名前が載ってますね!
//鑑賞したけどまだレビューを書いてなかった映画が溜まってきたので数回にわたってアップします!今日はハリー・ポッター特集。第4作から最終章まで一気にレビュー。原作未読ゆえ僕には映画版の情報が全てデス。※もう完結しているのでネタバレありでいきます。
●ハリー・ポッターと炎のゴブレット…第4作。70点。3大魔法学校対抗試合はドラゴンとの空中戦、湖の水中戦と面白かった。だけど、相手を殺害する必殺呪文「アバダケダブラ(息絶えよ!)」が簡単に出過ぎるのは何とかならないのか。せめて呪文発動まで2時間くらいかかるとか、制約を設けた方が理不尽さが減って良いと思うんだけどな。しかも、ヴォルデモートだけの呪文じゃなく、ワームテールのような腰巾着連中まで自由に「アバダケダブラ」を使えるなんて。これではセドリックが浮かばれない。彼は良い奴だったのに…。あと、絶句したのがクィディッチ・ワールドカップの決勝戦の丸ごとカット!原作には試合シーンもあるらしいのに、映画では入場シーンだけ。わーん!大人達のクィディッチがどれほど迫力あるのか映像で観たかったよ〜!2005年制作。※ハーマイオニーが呆れて叫んだ「男の子って…!」(ボーイズ!)がツボッた。
●ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団…シリーズ第5作。70点。“不思議ちゃん”最高!彼女の日本語字幕には「違うもン」とかカタカナが混じるのが新鮮。ベラトリックス・レストレンジ役のヘレナ・ボナム=カーター、役どころを楽しみすぎ(笑)。そして、シリウスの件でも「アバダケダブラ(息絶えよ!)」を禁止にすべきと改めて確信。即死呪文は悲しむ時間もない。あっけなさ過ぎるぜ…。ピンク服のアンブリッジ、極めて不快なり。
●ハリー・ポッターと謎のプリンス…シリーズ第6作。80点。ロンの惚れ薬騒動とハーマイオニーの嫉妬などコミカルな話と、ヴォルデモートとダンブルドア校長の過去話や、最後に校長が大変なことになるシリアスな話など盛り沢山。ドラコの苦悩にもスポットが当たった。ドラコ役の子は一気に老けたけど何があった?ハリーとハーマイオニーがついに恋愛関係にならないのが、ありきたりじゃなくてグッド。彼女はなんでロンがいいんだろうね。原作を読んだら分かるのかな。
●ハリー・ポッターと死の秘宝 パート1…シリーズ第7作。75点。魔法省もホグワーツ魔法学校も死喰い人の支配下に置かれ暗黒時代到来。“分霊箱”を破壊する旅に出るため、ハーマイオニーが両親の記憶から自分を消すシーンが切ない。ハリーが7人に増えるシーンは笑ったけど問題はその後。どうしてマッドアイやヘドウィグの死がサラリと終わるんだろう。前後編に分けて時間的には余裕があるのに。ドビーの死はまだちゃんと描かれてたのでマシ。途中でロンが抜けた後、ハリーとハーマイオニーが2人で行動するんだけど、この状況でも2人には恋愛感情が芽生えないんだよねぇ。ほんと最高の友。6個の分霊箱のうち3個まで破壊したけど、ニワトコの杖をヴォルデモートが手に入れたのが心配。
●ハリー・ポッターと死の秘宝 パート2…第8作にして最終章。2001年の第1作『賢者の石』から10年目にして、すべての謎が解き明かされた。めさめさ良かった!もう主人公はスネイプ先生で良い。スネイプ先生の切ない過去に激しく共感し、97点を献上。それにしても、ハリーが背負っている宿命がここまで重く非情なものだったとは。最後の分霊箱の秘密が分かった時に絶句した。これまでの意味深なハリーとヴォルデモートの共鳴に辻褄が合った。映画ならではのアクション場面も大充実。魔法銀行でのジェットコースター&ドラゴン飛行から始まり、魔法界最強の“ニワトコの杖”を手に入れたヴォルデモートによるホグワーツ魔法学校襲撃、そして弱虫ネビルの大奮戦!特に城塞のようなホグワーツを先生軍団がバリアーで防御し、それをこじあけた敵との大決戦は、クィディッチ競技場の炎上、大回廊の崩壊、巨人兵の出陣、次々と戦死していく先生や仲間など、最終章に相応しい死力を尽くした激戦だった。子どもにとって魔法学校の先生というのは信頼・尊敬できる大きな存在であり、その先生方が戦死していく衝撃は大きい。全面対決のバトルが終わり、ニワトコの杖を折って投げ捨てるラストから19年後にハリーたちの子どもが入学するエピローグまで、お疲れ様と思うと同時に、物語が終わってしまう寂しさを感じながら観ていた。『ロード・オブ・ザ・リング』や『スター・ウォーズ』の最後の作品でも感じたけど、好きなシリーズの最後は、「これでもう新作が観られないのか」って物悲しい気持ちになる。とにもかくにも、最終章がこれまで見続けてきたことを後悔させない、見応えのある内容で本当に良かった!
※スネイプ先生のリリーへの純愛にシンクロしまくり、“チクショー、ハリーの親父許せん!”ってなった。あと、親が死んでベビーベッドで泣いている“赤ん坊ハリー”が可哀相で、あの赤ちゃんの涙目に思わずもらい泣き…。
※DVDは今月16日発売。未公開映像のオマケがいっぱい。(Ama
 10月28日…TOHOシネマズが映画料金を1800円から1500円に(一部劇場で)試験的に値下げしたものの、レイトショーを廃止したためにかえって客が減り、再び1800円に戻すという。いやいやそれは違うだろう。“1500円程度じゃ効果がないからもっと下げる”となってくれないと。アメリカなんて6ドル前後なんだから、円高の今なら450円くらいで観られる。TOHOシネマズが“1000円まで下げたけど効果がない”と判断するならともかく、1500円くらいじゃ意味がない。米国の4倍という世界一高い日本の映画料金、なんとかならないものかねぇ。映画ファンには過酷な環境ッス。
//マクドナルドのCMで子どもがハッチャケてる(30秒)のを見て、このテンションは尋常ではないと思ってたら、ジョジョ・キャラでパロディCM(1分25秒)になってて噴いた。登場している顔ぶれが豪華すぎる(笑)。
/ジョジョといえば、パリコレがジョジョ化していて笑った。ほんとにこんなコスチュームのキャラが登場しそう。コメントにユーモアが溢れている。「天狗と山伏からインスピレーションを得たんだろうな」と感想があったこの衣装、なんでスピーカーを頭に乗せようと思ったんだろね。(*^o^*)
 10月27日…条約締結の是非をめぐって議論が白熱しているTPP(環太平洋経済連携協定)問題。先日僕は食糧自給率の低さを理由に“やや反対”と書いたけど、話題になっている京大・中野剛志准教授(40歳、経産省出)の動画を2本見て、より積極的にTPP反対へ舵を切った。動画の1本目はNHKで早朝の「4時20分」にオンエアされた『論点視点』出演時の解説(9分52秒)。いかにTPPがアメリカの危険な罠か様々な例をあげて力説している。10分弱しかないので、是非視聴をお薦めします。これを見ると“交渉に参加すべき”といってる政治家・財界があまりに自己の利益しか考えてないことが分かる。もう1本の動画は“放送事故”と評判の『とくダネ!』出演時の解説(13分、どんどん動画が削除されてる!)。こちらでは中野さんはヒヤヒヤする悪態をつきながら解説している。先にNHKを見ていなければ、常にこういう人かと思ってしまう(汗)。もし中野さんが確信犯的に、生中継だから可能ともいえるこの悪態によって話題を集めようと狙っていたのなら大成功だ。先の『論点視点』は10/20にアップロードされたものだけど、それほど注目されてなかった。『とくダネ!』の強烈キャラがアップされた途端、一挙にネット界の話題をさらった。結果的にTPPがどれだけヤバイか多くの人が知ることになり、中野さんの本来の目的である“交渉のテーブルにすら着くな”というメッセージを伝えることに成功している。Webニュースの『ニュース・スパイラル』TPP反対の国会請願を行った356人の議員の名前を公開している。つまり、ここに名前のない議員は賛成、もしくは賛成寄りということだ。ぜひ、何を根拠に賛成し、中野准教授にどう反論するつもりなのか聞いてみたいものだ。
//ジョジョ立ちページを開設したのは2003年。それ以来、様々な芸能人、ミュージシャンがレベル1ポージングにトライする様子が雑誌やテレビで紹介された。いつも「うおお!」と思って見てたけど、“皇室ジョジョ立ち”秋篠宮眞子様のジョナサン立ちを見た時の衝撃は最大級のものだった!リンク先は所属スキー部サイトで120%本人。やんごとなき身分の方にとっては、確かに顔が隠れるレベル1ポージングはうってつけかも。ジョジョリオン第1巻の帯に「皇室御用達」と入るかな?(笑)※たくさんの方からこの情報を頂きました。有難うございました!
/秋篠宮ファミリーについては、妹の佳子様が学習院の文化祭でK-POP“少女時代”やAKBのダンスを披露したことも話題に。皇室がK-POP!いやはや、すごい時代になったものだ。
//このヤフオクのシャア専用バイク、欲しいかも!(☆o☆)
//またあらためてレビューを書きますが、公開中の『猿の惑星 創世記』、めさめさ良かったデス!劇場でこの満足感は久しぶり!
//29日のお薦め番組、同時間に集中しすぎっす。
 10月26日…私事だけど、今日で子どもが2歳になった。実父の葬式と、息子の誕生が同日に重なったあの日から早2年。普段、子育ての話題は育児ブログに書いてるんだけど、毎年この日だけは文芸ジャンキーの日記に所感を述べようと思う。人間の受精卵は、最初はわずか「0.2ミリ」。肉眼で見えるか見えないかだ。生まれてしばらくは「泣く、飲む、寝る」しかなかった。ところが、たった2年のうちに自我を持ち、電車を見ては「でっちゃ!でっちゃ!」、犬を見ては「わんわん!」とエキサイトし、食べ物を分けてくれたり、かけっこも出来たりと、“脂肪・水・タンパク質の固まり”から“人間”に変化していった。この過程を間近で目撃し、世の中にはいろんな奇跡があるけれど、「0.2ミリ」が2年で豊かな感情を持つことに心底驚嘆せざるを得ない。以前に紹介した傑作アメコミ『ウォッチメン』のセリフ「数億分の1の確率の受精を経て、今の君が誕生した。唯一無二の君が。地球上のあらゆる人間が奇跡だ。ただ、人間の数がとても多く、奇跡があまりにもありふれているため、誰もがそれを忘れてしまう」を、日毎に実感している。
/とはいえ、子育ては本当に大変だ。片時も目が離せないゆえ神経がすり減る。ハイハイの頃は何でも口に持って行くし、歩き始めると一瞬のうちに車道に向かって行ったりする。イスに立つのが大好きだし、風呂場でスッ転ぶし、イヤイヤののけ反りで腕から落ちそうになるし、何度肝を冷やしたことか。「早く会話が出来るようになって、何が危険か言葉で説明させてくれ〜!」と思わぬ日はない。妻が不在で仕事に追われている時に限って、お熱を出したり、ご飯を全部ひっくり返したり…子どもがむずかって泣いてるときは思考がまとまらず何も書けない。締切り直前に抱っこでアヤしてる時はこっちが泣きなくなる。“やっと寝付いた”と思って風呂に入り、出てくると彼がパソコンのキーボードを乱打して「Delete」ボタンで原稿の半分が消えていた時は卒倒しかけた。大事な本をビリビリに破いたり、あまりに緊張感がありすぎる…(汗)。
/冗談抜きで、親が見ていないと、子どもは命が幾つあっても足りない。僕の命も親から相当救われてるはず。今この文章を読んでいる貴殿、貴女に心から語りたいのは、どれほど皆さんが親に守られてきたかということデス(特に現在、親と関係がギクシャクしている人に伝えたい)。かつて、あなたの親は毎日離乳食や幼児向けのご飯を作ってくれ、寝付くまで添い寝してくれ、落とさないよう&ぶつけないよう慎重に抱っこしてくれ、溺れないようお風呂に入れてくれ、ヤケドにめっさ注意を払い、車道に飛び出さないようずっと守ってくれ、お熱の時は大慌てで病院に連れて行ってくれた。これらのことを24時間365日続けてくれたからこそ、今こうして生き続けてこの文章を読んだりしている。“自分は愛されなかった”とか、あまり思わないでね。だって「愛がなければ育て上げることは絶対に無理!」なんです、マジで。
/本当にダーウィンもビックリというか、2年という短期間でこうも人間は変化するのだなぁと実感した動画を項目別に7本紹介。個別に時系列に編集されていて、ブログ未発表のものも一部追加されてます(名前は“風”一文字でふうデス。動画が見られない時はIEで開いて下さいませ)
誕生直後(43秒)…この世に生まれてまだ30分のころ。出来ることは“あくび”だけ。
二足歩行への道(50秒)…頑張って寝返り→ハイハイ→二足歩行成功!ようこそ人類の夜明け→かけっこ。
絵本とゴッホ(2分49秒)…成長と共に絵本のキャラクターに感情移入していき、最後はゴッホの画集へ。“ひまわり”の名前を「ゴッホ」で覚えてしまった。
音楽大好き(1分19秒)…お腹にいた頃から胎教で聴いてたバッハは今も好き→ドラムに開眼→ピアノ確変→吹奏楽を指揮。
悲しみと恐怖(1分18秒)…悲しみや恐怖といった負の感情も、内面が発達した証。妻が買い物に行き玄関で号泣→DVDの熊とカバ怖い→初めての海→飛行場
言葉かな?(1分27秒)…パパ→保育園の親友と1歳児同士の宇宙語会話→単語を少しだけ話せるように。
喜びの表現(54秒)…睡眠時の新生児微笑(乳児は親に愛される為に本能で笑うようにインプットされている)→まだ拍手できず手足をバタバタさせて喜びを表現→人生で初めてハンバーグを食べて(ずっと卵白アレルギーだったけどマシになった)、その美味しさに歓喜!
//意見が二分されているTPP問題。この経済協定に参加すべきかどうか、メリットとデメリットを比べても判断が難しい。食糧の輸入が困難になった場合に備えて、もっと自給率を上げてから締結すべきじゃないかな…。個人的には、アメリカが自分の損になる話を、わざわざふってくるとは思えないんだけど(汗)。
 10月25日…先日の『プロフェッショナル仕事の流儀 SMAPスペシャル』が実に良かった。東北に数度にわたって足を運び、被災地の子ども達のために小学校の体育館で歌ったり、長い時間をかけて全校生徒と握手し、一人一人に声をかけているシーンにグッときた。この活動はメディアに公開しておらず(つまり売名のためじゃない)、取材したのは『仕事の流儀』のスタッフだけ。初めての海外ステージとなった中国公演では、雨のために一度もリハーサルが出来なかったのに、ぶっつけ本番で完成度の高いパフォーマンスを披露しオーディエンスを熱狂させた。これらは日頃の練習のたまもの。彼らはドラマやバラエティで多忙なのに、どんな状況でも質の高いステージで魅了しており、まさに「プロフェッショナル」だと思った。※日中間はときにギクシャクするけど、「キムタクダイスキ!」と日本語で叫んでいるたくさんの若い中国人女性を見ると、何かこう突き抜けた希望のようなものを感じる。
/『嵐にしやがれ』では三谷幸喜がゲストになった回が面白かった。大野君が映画『大脱走』の魅力を話して、三谷さんが立ち上がって無言で握手を求めたシーンが良かった。嵐のメンバーは自分で自分を笑うことができるのがいいよね。仲の良さが伝わってきてなごむ。
//長崎県沖の海底で約730年前の“元寇船”が見つかった。原形をとどめており、良好な形の元寇船が見つかったのは初めてという。どんなことが分かるのか、今後の調査(引き揚げできるのかな?)が楽しみ。
//近年発見されたものといえば、「旧日本軍と戦った米軍ハローキティ」に笑った。中国の抗戦博物館に展示されていた米軍バッジに、キティちゃんが使われており、「Kitty」という文字まで刻印されている(爆)。リンク先の記事に「ハローキティは1974年にデザインされたもの。それから30年以上前の時代にタイムスリップして日本と戦っていたことになる」と解説があり噴いた。
//「どくとるマンボウ」や「楡家の人びと」で知られる作家・北杜夫さんが24日に他界。享年84歳。数年前、青山霊園に薩摩藩士・大久保利通の墓参をした際、斜め前に眠っている斎藤茂吉さんの墓前に北杜夫さんが墓参に来られていた(北さんは茂吉さんの息子)。ビックリして声をかけられなかったけど、北さんが芥川賞に輝いた小説『夜と霧の隅で』の感想を言えば良かった。同作はナチスと戦う精神科医の内面を描いたもの。「本院(病棟)には六名ほどの総統がおられます」は啓示的な台詞だった。
//サッカーで四国勢初のJ1入りを目指している徳島ヴォルティス、昇格できるといいな。
//イッキに肌寒くなりましたねぇ。
 10月24日…新番組ドラマ『妖怪人間ベム』、キャストを見た時にイメージと異なるのが不安だったけど、実際に観てみるとコレはコレでありかと!作品の核となる、差別を受ける者の悲しみが描かれてたし、オープニング曲(1分9秒)も頑張ってた。ベムたちは“人間になりたい”と憧れている分、命を無駄にしている人間を見ると「せっかく人間に生まれてきたのに…!」と胸中で叫ばずにいられない。3人で「辛い時ほど楽しいこと」(チョコが美味しいとか)を語り合うシーンも良かった。こりゃ、最終回が神脚本になれば伝説のドラマになるかも。
//たった半年で、ここまで加害者意識って無くなるものか。年商約6兆の東電が社員にボーナスを出しながら国に1兆円の支援要請(しかも“今年度分”)をしてることに唖然。清水前社長に5億円の退職金を出し、冬のボーナスも出す予定。その一方で電気代を値上げし、“1兆円くれ”。東電は税金(他人の金)だから感覚がおかしくなっているのでは。1兆円といえば、すべての日本国民--寝たきり老人から生まれたての赤ちゃんまで--が約1万円ずつ出し合った金額だ。直接近所を1件1件まわって、4人家族の世帯に「4万円寄付してくれ」「我々のボーナスのためだ」と言ったらどうなんだ。国庫に要請するからイージーに考えてしまう。/各方面から「まず送電線を売れ、話はそれからだ」と何度も指摘されているのに知らん顔。放射能汚染のような大災害を引き起こしてないJALでさえボーナスを数回ゼロにし、年金と退職金を取り崩し、大リストラを行った。東電は全国民に迷惑をかけてるんだから、国に支援求める前に、10兆ともいわれる有りったけの資産を売却し、過去に遡って歴代役員は退職金返還、企業年金大幅カット(現在、年金そのまま)、社員の給料は数年間は法定最低賃金とか(現在給料5%カットしただけ)、山ほどやることはあるのに、ボーナスを増額した上で「○%カット」と宣伝したり、東電は人を怒らすことの天才だ。国から1兆円貰って自分たちの給料は年収1000万以下にはしたくないってことか。コストカットばかりで安全策を怠った結果、大事故を起こして農家に自殺者が出ているのに、誰も逮捕も起訴もされない不条理。※どうしても1兆円が必要なら、原発推進に関わってきた歴代の閣僚、安全対策を見逃してきた官僚、関係団体の天下り連中、歴代東電経営陣、彼らが自らの私財を処分し、補填するくらいの誠意を見せて欲しい。
/九州電力の「やらせメール問題調査報告書」もある意味圧巻だ。何が凄いって全く反省してないのが凄い。第三者委員会が調査報告で「古川康・佐賀県知事の“再稼働賛成派の意見もある方がいい”という発言がやらせの発端だった」と知事の責任を認定したのに、九電は国へ提出した最終報告書にこのことを盛り込まなかった。そればかりか、九電社長は完全に開き直り「もう第三者委員会も調査が終わったわけですし、(郷原さんも)もう委員長でもないわけですから。私どもは私どもの見解があるわけですから、今後は関わって欲しくない」と会見。古川知事は「(やらせに関わる)私の発言が表に出たら辞任は避けられない」とこぼすほど、発言の責任を“一時は”感じていたという。それが、知事留任、社長留任、責任はうやむやに。九電は客観性を求めて外部の第三者委員会に調査を依頼しておいて、不都合な結果が出ると「我々と見解が違う」「もう今後は関わるな」って。どんなに原発の安全技術が進歩しようが、管理している人間がこんなに無責任だと人災への懸念が深まるばかり。脱力。
 10月23日…いろんな読者の方からお薦めされていた『魔法少女まどか☆マギカ』、先日のニコニコ生放送で全話鑑賞。いやはや、ハードなストーリーもさることながら、敵である魔女たちの造形や魔女空間(3分13秒)におったまげました。このアートと化したハイクオリティーな魔法バトルを、毎週地上波で流してたという事実にびっくり。動画には出て来ないけど、本編ではピカソのゲルニカ(!)を背景に戦う演出なんかもあった!一般的な少女アニメ=普通の女の子が魔法少女に変身して悪党を成敗するというような作品とは別次元のものになっていた。ニコ動で見始めたら第2話から人数規制で視聴遮断となったため、続きを見るためにその場でプレミアム会員に登録、見事に術中にハマッた感があります(笑)。仮に全48話とかだと、時間的に厳しいので手が出ないけど、この作品は全12話なので、集中すれば一晩で鑑賞可能。妻には「今から魔法少女モノを観るけど、大人向けの深いストーリーらしい」と説明し、子どもの寝かしつけを頼み、モニター前に軽食を置き完走した。
/もう本放送が終わって半年が経っているので、以降、ネタバレありで感想を書きます。
(1)タイトルに“魔法少女”と冠しているのに、主人公が実際に魔法少女になるのは最終回というのがまず斬新。14歳の少女が、魔法使いになるべきか、それとも普通の人間のままでいるべきか、悩んでいる姿を描くという切り口は新鮮だった。魔法使いになれば人間の身体を失う上、魔女との戦いで死亡することもある。第3話のマミさんの酷い死に方は、可愛いキャラ・デザインとのギャップもあって衝撃的だった。魔女が魔法少女のなれの果てとか、かつての親友が魔女化してしまうとか、魔女化する前に介錯するとか、容赦のないハードボイルド設定にブッ飛んだ。そしてあまりに壮大な最終回。それまで作品内に登場しなかった、世界各地で戦っている魔法少女の絶望を、まどかが一人ずつ浄化していくシーンは鳥肌モノだった(あれは本当に良いシーン!)。ハッピーエンドなのに心の隅に哀しみのカケラがあるのはジョジョ第6部の読後感に通じるものがあった。ダラダラと話数を重ねるのではなく、“12話”という短さの中で「あきらめないことの大切さ」を伝えきった作品はそうないのでは。
(2)冒頭にも書いてるけど魔女とのバトルシーンが毎回素晴らしすぎる!それぞれの魔女が個性的な異空間に身を置き、音楽地獄(3分6秒)のようなフィールドを持っている魔女もいる。演出にコラージュを多用しており、僕は第1話のバトルから「これはただごとじゃない」と身を乗り出して鑑賞した。しかも戦闘アクションもスローモーションで観て初めて何をやっているか分かる(1分32秒)という、マクロス第1作で板野サーカスに触れた時の興奮を思い出した。
(3)梶浦由記さんの万華鏡のような音楽も良い。劇中音楽はそれ単体としても美しい悪夢感が出ている。エンディング曲(1分半)は映像も良いね。まるでまどかが銀河の彼方、因果地平に溶けて宇宙そのものと同化していくようだ。メインキャラの5人だけのシルエットというのも実にクールで、このEDだけでも僕が持っている魔法少女アニメのイメージを木っ葉微塵に吹き飛ばす。
※杏子のシルエット、立ってるだけなのに、得も言われぬ物悲しさがある。登場回はムカツいたシルエットなのにいつ間にか印象が激変。彼女に同情しまくり。
/地上波アニメを全話観たのは、この10年間で『地球へ…』『攻殻機動隊』『サムライチャンプルー』の3本しかなくめっさ久しぶり。“まどマギ”はキャラクターがいわゆる萌え系だし、魔法少女モノということで、薦められなかったら自分から観ることはなかったと思う(萌え系や魔法少女が苦手という訳じゃなく、基本的に自分を重ねて物語を楽しむ性格なので、「カウボーイビバップ」「銀英伝」のように登場人物の年齢が高い作品を好むということデス)。見逃さずに済んで良かった。薦めて下さった方、有難うございました!
※本作のキュウべえと『ぼくらの』のコエムシの邪悪マスコット同士でバトルって欲しい(笑)。
※こちらの“まどマギ”考察、分かりやすかったデス。
 10月22日…スケールがデカすぎてピンと来ないけど、宇宙航空研究開発機構などの研究チームが「宇宙誕生(137億年前)から3億年後、134億年前の宇宙最初の星の光を、世界で初めて観測に成功」したという。赤外線天文衛星「あかり」で「りゅう座」の方向の空の明るさを半年間詳しく観測。銀河や星の影響をすべて取り除いても、空の明るさにはまだ大きなむらがあることに着目し、宇宙が生まれて間もない頃の星の明かりを見つけた。光の特徴から、「宇宙第1世代の星」の集団の光だと断定されたとのこと!
 10月21日…春先から約8ヶ月も内戦状態あったリビア。昨日ついに、“中東の狂犬”と呼ばれたリビアの最高指導者カダフィ大佐が死亡した。42年間に及ぶ独裁政治が終焉し、海外のTVカメラに向かって国民が歓喜している。「(大佐を倒した)兵士らはイスラム世界では最大級の侮辱を表す靴底で大佐の遺体をたたくなどして勝利を祝った」とあり、独裁者への積年の恨みが報道から伝わってきた。英メディアは大佐にトドメを刺したのは少年だったと記している。肉親がカダフィ軍に殺害されたことへの復讐なのかも。/“アラブの春”以前、カダフィが外国人傭兵を雇って自国民を虐殺させるほど、ガチの暴君とは思っていなかった。外交ではアフリカの貧しい国に膨大な援助を行い、半ばアフリカの盟主のようだった。日本人に対しては「広島と長崎に原爆を落とした米国に日本人がなぜ好意を持てるのか理解できない」「国連で日本は米国に追随してばかり。もっと自由な意思を持たないといけない」等と呼びかけていた。サウジの前国王の顔に葉巻の煙を吹きかけるほど大の王室嫌い。国内では教育・医療の無償化、女性の権利保護、物価を安価に統制するなど、僕が2003年にリビアを訪れた時は善政を敷いているように見えた。しかし、実際は1996年に約1300人もの政治犯をわずか3時間で虐殺し、今回の内戦では女性や子どもを人間の盾として使い、市民に対して軍に無差別発砲させるなど、権力保持のために平気で人命を奪っており、到底擁護など出来ない(政権側に拘束された5万人の行方が分かっていない)。/リビアではカダフィが絶対的な権力を持っていたことから、「チュニジア、エジプトがどうなろうと、リビアだけは何も起きない」「究極の独裁体制」と国際メディアも各国指導者も見ていた。だが、そのリビアでさえ独裁者は倒された。現在進行形で民主化運動を武力弾圧している他のアラブ諸国(シリア、イエメン等)では、抑圧された市民が勇気を奮い起こしているはず。世界中の独裁者が、カダフィの死から「武力ではもう市民の心の自由を奪えない」ことを学び、民主化の道を進む決断をして欲しい。
※この内戦期間中に、リビアの政府施設から米CIA(ブッシュ時代)とカダフィ政権が密接な関係であったことを示す機密文書が発見された。それはリビアが「テロリスト拷問の下請け」をしていたという衝撃的なものだった。「CIAは捕らえたテロ容疑者をリビアに移送し、尋問の代行を依頼していたという。リビアは拷問が行われていることで知られ、ニューヨーク・タイムズ紙は「米情報当局は少なくとも8回にわたってテロ容疑者をリビアに送り込んだ」と伝えている。この文書ファイルは、カダフィ大佐派が放棄した後のリビア対外情報局本部を調査した人権団体「ヒューマン・ライツ・ウオッチ」のメンバーが発見した。ファイルには2004年、当時のCIAのカッペス作戦担当副長官がリビア対外情報局のムーサ・クーサ局長(後の外相、3月末に英国に亡命)に送った書簡も含まれていた。書簡は「親愛なるムーサ」で始まり、2人の親しい間柄を示唆している。CIAが当時、リビアへの「恒常的な拠点」設営に動いていたことも分かった」(時事通信2011.9.4)
 10月20日…(つづき・その3/ラスト)
●独断と偏見による2010年度番組ベスト20「1〜5位」
(1)『アフガニスタン 永久支援のために〜中村哲・次世代へのプロジェクト』…医師の中村さんは「水がなければ農業が続けられず、日々の糧を得ることができない、しかも綺麗な水がなければ伝染病の蔓延を防ぐこともできない」とアフガン各地で井戸を掘り、また大規模用水路の建設を始めた。その結果、約5000ヘクタールの農地を復興させ、氏の発案で完成した用水路1本で数十万人が食べられるようになった。中村さんは、故伊藤和也さんの恩師。事件後、日本に若者たちを帰国させ、現地に一人残って今も活動している。僕は国民栄誉賞に相応しい人と思ってるんだけど、政府もメディアも全くその動きなし。
(2)『龍馬伝』…毎週日曜がどれほど楽しみだったか!録画しているのに、衛星で見て地上波で見て再放送まで見ていた。龍馬、以蔵、高杉、武市先生、中岡、弥太郎、後藤さま、天才東洋、容堂公、今でも名前を見ただけでテンションがあがる。幕末のしびれるような緊張感、熱き時代のうねりが生む高揚。役者、音楽、映像美、何もかも素晴らしく突き抜けていた。個人的には「?」と感じるエピソード(薩長同盟直前に新選組屯所に行こうとする)も時にはあったけど、それらを差し引いても余裕の第2位。今でも仕事しながらサントラ聴いてる。※幕末人物画像動画
(3)『日曜美術館 夢の北斎・傑作10選』…作品のチョイスが最高に良いし、解説もユーモアがあって分かりやすく、北斎の超人ぶりがよく伝わった。なんちゅう生命エネルギー。至福の1時間だった。
(4)『封印された原爆報告書』…NHKの本気を見た。原爆(放射線)が人体に与えるダメージをデータとして欲しがっていた米国。終戦時、日本医学界の権力者たちは、自分の地位を守るためゴマすりで被曝者のデータを渡す。“サンプル”にされていたのは小学校の子ども達だった。各小学校の爆心地からの距離・死亡率など色々な情報がまとめられていた。原爆で死んだ女の子の小さな皮膚が、医療サンプルとして米国の研究所に保管されている映像に涙が出た。※被曝者は皮膚を医学発展のためにと提供したのに、より強力な核兵器開発の資料とされていた。非情。
(5)『新春TV放談2010』…正月番組にして1年で最も楽しみにしているトーク番組。著名な放送作家やディレクターが集まり、NHK・民放の関係なく、前年度の傑作ドラマ、バラエティー、ドキュメンタリーについて、見どころを語り合う。まさかNHKでアメトークの魅力が語られる日が来ようとは!
/今年は何が1位になるだろう。『JIN』の第2部は間違いなくトップ10入り。
 10月19日…(つづき・その2)
●独断と偏見による2010年度番組ベスト20「6〜10位」
(6)『オペラ座の怪人(吹替え・劇団四季)』…これまでミュージカル映画(吹替版)をテレビ放送する際は、歌の部分だけが英語になっていたけど、なんと劇団四季の豪華キャストがドラマパートも歌パートも全部日本語で吹き替えてくれた!しかも、3重唱では歌詞を画面の左・右・下に3人分同時に出してくれた!こんなスペシャル字幕は見たことない。おそらくテレビ史上初。録画したものはカジポン家末代までの家宝!
(7)『よみがえる戦場の記憶〜新発見・沖縄戦600本のフィルム』…米軍が非公開にしていた、沖縄戦の新たな戦場映像を発掘。凄かった。“正義の味方”の米兵が“やるはずのない”行為が映されていた(日本兵の遺体に対する侮辱行為など)。また、沖縄戦で最初に捕虜になった県民が解放された際、「無事に解放されたのは、敵のスパイになったから」という“推測”で日本軍に殺害されたことを初めて知った。重い。
(8)『戦場の漫才師たち〜わらわし隊の戦争』…戦時中に吉本興業が中国大陸に派遣した兵士慰問団のドキュメンタリー。勝ち戦が続いている時は軍隊生活をネタにしたブラックジョークが爆笑を呼んだけど、負け始めると「軍をネタに笑うのは非国民」と、軍部讃歌の戦意高揚モノしか出来なくなった。慰問先が戦場になり戦火の中で命を落とす漫才師もいた。
(9)『ゲゲゲの女房』…サイト開設以来、日々のお薦め番組情報で初めてピックアップしたNHKの朝ドラ。南方戦線で片腕を失った漫画家(水木先生)が、漫画家や戦傷者への社会の偏見や極貧と戦いながら、家族や心の友の出版人のサポートを受け、ついに成功するまでを妻目線で描く。水木先生がニューギニアで玉砕突撃を生き残ったおかげで、鬼太郎や愛すべき妖怪たちが生み出された。あの戦争で、どれほどの才能が開花する前に摘まれたのだろう。電気を止められるほど貧乏でも、自分が作り出す作品を信じ、周囲に何を言われてもペンを握り続ける姿は崇高だった。
(10)『タイムスクープハンター われら時の番人&石つぶて・紛争調停人&“算額”頭脳バトル』…未来の時空ジャーナリストがタイムスリップして戦国時代や江戸の町を訪れ、庶民の生活を取材するという斬新な番組。信長や家康は登場せず、商人や下級武士の暮らしに起きる小さな事件を見つめる。地味ネタながら毎回のように感動があり、ホロリとなることもしばしば。中でも、職務への誇りと友情を描いた「われら時の番人」、不毛な争いを止めさせるため奔走する「紛争調停人」、手に汗握る頭脳対決を描いた「算額バトル」は最高傑作かと!(明日につづく)
//妻が肺炎。うーむ。
 10月18日…2011年になって10ヶ月が経ち、ちょっと発表するのが遅すぎるけど『2010年の番組ベスト20』を選んだので以下に紹介!お薦め番組情報を連日書いている自分としては、「ろくなテレビ番組がない」という声を聞く度に、“それ、見逃しているだけッス!”とツッコミたくなりマス。r(^_^;)
●独断と偏見による2010年度番組ベスト20「11〜20位」
(11)『歴史秘話ヒストリア 宮沢賢治最期の2年半』…「雨ニモマケズ」を記した時の賢治(享年37歳)は布団から出られないほど衰弱してた。詩の後半で何度も「行ッテ」と連呼しているのは、体が動かぬ無念さを反映している。涙。
(12)『坂の上の雲(7)子規、逝く』…結核が悪化し命の炎が消えていく正岡子規。子規を演じた香川照之の鬼気迫る演技にぶっ飛んだ!
(13)『無縁社会〜無縁死3万2千人の衝撃』…様々なケースの孤独死を追い、現代社会の人間関係の希薄さ、行政の問題点などを浮き彫りに。親の愛を受けて育てられ、真面目に勤続していた人が…。
(14)『スコラ・坂本龍一 音楽の学校』…坂本龍一がクラシック音楽やジャズの魅力を分かりやすく解説。家にいながらにして講座を聞ける贅沢!
(15)『アルクメデス』…NHK史上、最もシュールでお馬鹿なクイズ番組。DVDの案内動画は、抜粋だけどカオスっぷりが分かると思う。
(16)『美の巨人たち 歌川広重“東海道五十三次”』…江戸時代版の“るるぶ”になった五十三次絵。広重の風景版画にかける情熱が伝わった。
(17)『戦国鍋TV』…戦国武将によるアイドル・ユニットや、人生相談コーナーなど、マニアックなネタが炸裂。よくこんな企画が通ったもの。七本槍LIVE
(18)『空から日本を見てみよう』…児童公園のナゾ動物を捕獲したり、好奇心旺盛な“くもじい”が楽しい。立入禁止の場所でも空から丸見え!
(19)『2010FIFAワールドカップ・E組日本VSデンマーク』…強豪デンマークを破った試合は激興奮。南アの応援ラッパ・ブブゼラの音も凄かった。
(20)『ハーバード白熱教室』…話題を呼んだハーバード大の哲学授業。結論を決めつけないサンデル教授の進行は参考になった。
(次点その1)『色つきの悪夢〜カラーでよみがえる第二次世界大戦』…戦時中の映像をカラー化。白黒フィルムだと“遠い記録”に見えたものが、カラーになると現在進行中の紛争と重なる。都市を焼く炎の恐ろしさ。
(次点その2)『そうだったのか!池上彰の学べるニュース』…ニュース解説番組にしてエンターテインメント。番組レギュラーの劇団ひとりと土田晃之は芸能界トップクラスの国際情勢の情報通に。
(残念賞)『新・三銃士』…毎週楽しみにしていたNHK人形劇。最終回直前まで、僕は何度も絶賛レビューを日記に書いていた。そう、最終回までは。全話録画していたのに、最終回のあと消してしまった。“終わりよければすべてよし”という言葉があるけど、まさにその真逆。ラスト数分で何もかもブチ壊し、立つ鳥跡を濁しまくり…あまりの脱力感に目まいがした。これからボナシューは妻コンスタンス一筋になるかと思っていのに、またしてもミレディーを追っかけるって何?あまりにコンスタンスが可哀相すぎる。「ステキ」って言ってたじゃん(涙)。王妃だって、仮に史実で実際に新しい愛人がいたとしても、『新・三銃士』の中では国王の真実の愛に触れたんだから国王を愛して欲しかった。トレヴィル、お婆さん、リュミエール(太田)の死は、命の大切さを語る重要エピソードだっただけに、バッキン卿の復活はギャグでも笑えなかったし、サルとネコの子作り(異種っす…)には目が点に。ロシュフォールは覗き魔やってるし。っていうか、最終回の最後の5分間に主人公ダルタニアンが登場しないっておかしいぜよ!わーん、ラストは全員でミュージカル風に主題歌を歌って「みんなは一人のために!一人はみんなのために!」のグランドフィナーレが見たかったよ〜!※人形たちの素晴らしい造形、気合いの入った背景セットや小道具、ハリウッド映画のような映像表現、40週にわたって楽しんだので現場スタッフには心から敬意を感じてます。
(トップ10は明日にアップ!)
 10月17日…日本人の名字(姓)の数は30万件弱もある。この『名字由来net』には日本の全人口の95%以上の名字が網羅されているというから凄い。類似サイトの中では最大規模だろう。名字を検索ボックスに打ち込むだけで、“由来”が出てくる。僕の本名(梶本)は「全国1803位」「全国人数約9100人」と出た。岡山県北東部の美作国吉野郡の庄屋に多いらしい。なるほど、曾祖父が岡山に近い兵庫の山奥に住んでいる事実と合致する。ちなみに“梶谷”だと「愛媛県の伊予国喜多郡梶屋が起源(ルーツ)」と地名まで判明しており、“梶田”だと約2万人に倍増し、「清和天皇の子孫で源姓を賜った氏(清和源氏)満季流」とまで出てきた。これが“梶井”だと一気に3200人まで激減。作家の梶井基次郎がいるのになぁ。アクセスランキングのトップ3は、佐藤、鈴木、田中。佐藤さんって200万人以上もいるのか!山田さんは上位かと思ったらトップテン圏外の12位で意外だった(それでも85万人だけど)。
//ここ最近、仕事の合間を縫って、ずっと東南アジア各国の歴史教科書の翻訳本を読んでいる。インドネシア、マレーシア、シンガポール、フィリピン、ベトナム、ミャンマー、タイ、ベトナム、随分読み込んだ。どの国の教科書にも、“日本のおかげで白人から解放されました”“独立できたのは日本軍のおかげです”なんて一言も書いてない。逆に占領下の苦難が詳細に書かれている。日本の保守論客との温度差がでかすぎる。執筆中の近代史年表シリーズは、太平洋戦争でくくるとページが巨大すぎるので、アメリカ編と東南アジア編に分けてアップする予定。
//久々に吉野家に行くと新メニューにカレーがあったので、興味がわいて注文。出てきたカレーを見て、思わず店員さんに“これって野菜カレーですか”とツッコミかけた。マジでひとかけらも肉が入ってなかった!(溶けちゃった?)帰宅後ネットで検索すると「カレー牛(ギュウ)を注文すると肉が食える」と個人ブログにあった。うーむ。ただでさえ牛丼は松屋の方が味噌汁サービスがあってトクなのに、この野菜カレーでまたイメージが…。
//ネットで話題になってる極道ネコ一家の画像に噴いた。それぞれのネコの肩書きが、めっちゃうまくハマッてる。キャラ設定を考えた人は天才的。
//まだウチの子は小さいからプラレールを買ってないんだけど、少ないレールで長距離運転をしている動画(1分38秒)を見て、この面積でこれだけ楽しめるのならと、すっごい欲しくなった。
//公開中の『猿の惑星:創世記』、周囲の評判が良いので、自分も早く観に行きたいッス。
 10月16日…発売中の時計雑誌『クロノス 日本版11月号』に連載の映画レビューを書いています。今号で取り上げたのは、トム・クルーズ&渡辺謙の『ラストサムライ』!一昔前のハリウッド映画は、日本人をどこか小馬鹿にし、不可解な民族として描いたものが多かったけれど、本作は全編にわたって日本人に対する敬意に満ちており偏見の欠片もない。E・ズウィック監督は日本人にさえ忘れられつつあるサムライの美学、武士道を見事に描きあげた。日本を舞台にしたハリウッド作品では最高レベル(戦闘場面はニュージーランド・ロケなので南国の木が映ったりするけど、そこはご愛敬)。
/今回、レビューを書くに当たって気付いたんだけど、アメリカ先住民を虐殺した騎兵隊カスター将軍がリトルビッグホーンの戦いで死んだ翌年に、日本では西郷らの西南戦争が起きてるんだよね。トム・クルーズ演じるネイサン・オールグレン大尉は、第7騎兵隊の生き残りで、戦死したカスターの報復戦で何の罪もない部族を虐殺した過去を持つ。自らの行為に苦悩し、酒浸りになっている彼が、明治新政府に招かれて来日し、またしても体制側としてマイノリティ(サムライたち)を武力討伐する側に立たされる。この導入部分が上手すぎる。ネイサンには自己嫌悪に陥る過去があるからこそ、サムライを率いる勝元盛次(渡辺謙)と対峙した時に、明治政府を裏切ってサムライ側にまわるという行為に説得力が増す。よくぞ原作者は日米の歴史年表を比べて、ネイサンという人物を造形したもの。彼の存在が一気に物語を深めている。
/劇中には色々と象徴的なシーンが出てくる。明治政府は廃刀令を出して武士から刀を取り上げる。勝元は法令違反を承知で帯刀したまま政府閣議に出席し、他の元老から帯刀を非難されるが、その刀は400年前に祖先が天皇家から下賜(かし)されたもので、維新の時もこの刀で明治政府樹立に貢献した。それを“廃刀せよ”と糾弾される。勝元が直面している不条理が一本の刀からよく伝わるシーンだ。道端で髷(まげ)を切られる青年武士の「やめろーッ!」の絶叫は、問答無用で異なる文化を押し付けられるマイノリティの真の慟哭に聞こえた。ネイサンが明治政府軍時代に命を奪ったサムライの甲冑を、後半で身につけて出陣する演出も胸熱。
/この映画のレビューは結末をどう感じたか語る必要があり、以下でラストに触れます。
/最後の合戦を生き延びたネイサンは、明治天皇に拝謁し、勝元から託された皇室の遺刀を天皇に返却する。刀を受け取った天皇は西欧文明を盲信するのではなく、勝元がこの刀で守ろうとした日本人の心に想いを馳せる。「彼の死に様を聞かせて欲しい」。ネイサンは天皇の目を見て静かに応える--「生き様をお話ししましょう」
同じ戦場にあって、サムライは誇りを守る為に死に、ネイサンは誇りを取り戻して生き続ける。“どのように死ぬか”を重視するサムライと、“どう生きるか”にこだわるアメリカ人が、互いを尊敬し合い、言葉を超えた深い友情で結ばれる。なんとよく出来た話なのだろう。劇場で初めて見た時は、渡辺謙の強烈な存在感に圧倒され、サムライたちにばかり目が行った。でも、2度目、3度目と見ているうちに、ネイサンの魂が再生されていく過程に胸を打たれるようになった。先住民虐殺に荷担し、毎夜のようにうなされていた男が、異国の地で歴史から消えんとするサムライたちのために戦い、最後の一人となったサムライから「お前は名誉を取り戻した」と救済される。ラストの明治天皇との謁見で、ネイサンの軍服には両肩に数字の“7”が縫われていた。これは第7騎兵隊のものだ。単なる正装というより、自分の過去を真正面から受け入れ、すべてを背負って生きていく決意表明に見えた。彼は自分の恥と向き合い克服したんだ。
/それにしても、ズウィック監督の日本人に対する理解力に驚かされる。まさが、死んでいく勝元に桜を見せるとは。滅びの美学が完成し、「パーフェクト…何もかも、パーフェクトだ」と締める。たまげた。日本人の精神性をテーマにしながら、外国人が喜ぶサムライ、ニンジャ、ハラキリ、フジヤマが全部入っており、エンターテインメント性も充分。ラブシーンでは、「脱がす」ラブシーンではなく「着せる」ラブシーンという離れ業をやってのけた。
俳優陣の素晴らしい演技、四季折々の美しい映像、緊張の中に時々ユーモアを挟むバランス感覚、この映画そのものが「パーフェクト」!
※監督によるDVDの音声解説では「ソンノージョーイ(尊皇攘夷)」という言葉を使って時代背景を説明していた。ソンノージョーイなんて言葉を知ってる外国人なんてごく僅かだろう。
※サムライの勝元がよどみなく英語を話すことが当初は奇異に思えたけど、監督いわく「明治維新から10年が経っており、外国勢力と渡り合うための基礎教養として上に立つ者は英語を学んでいる」。なるほど、ガッテン。(Ama ブルーレイが990円とは!レビューはマイナス評もあるけど、僕には映画の本質と関係ないとこにこだわっているように感じるなぁ)
//タイの記録的な豪雨・洪水、早く水が引くといいですね…。ワニ100匹が逃げ出したのは怖すぎ。
 10月15日…グハッ!スポーツ紙に「紳助の天敵が引退」とあり、何事かと思ったら、警察庁・安藤隆春長官の突然の引退だった…!安藤長官は全身全霊をかけて暴力団撲滅を目指しており、今月初めの日記でその勇気を讃えたばかり(ファンページまで作ったのに!)。歴代長官の就任期間を調べると、4年間務めた人もいた。でも、安藤長官は2年で交代!こんなに功績をあげているんだから、せめて3年は人事を凍結して欲しかった。この人事は閣議で了承されたというから、閣僚は本気で暴力団を撲滅する気があるのかと脱力してしまう。メディアでは“紳助を引退まで追い込んだことで圧力があったのでは”と憶測が飛んでいる(今年の紅白には演歌歌手が多数出演不可になるとも)。周囲にどれだけ敵が増えるか分かっていながら、暴排条例施行を推進した安藤長官。並大抵の覚悟じゃできない。もし後任の片桐裕次長がヌルければ、前例がなかろうと安藤長官に再登場して欲しい!※今日の報道から→山口組系元組長が“高級ワイン600万円分が割れていた”と宅配業者を恐喝し逮捕(しかもワインはインチキだった)。こんな古典的な方法がまだ通じると思ってる暴力団員がまだまだいるのだろう。安藤長官〜!
/今日世界各地で催された反格差社会デモは、計82カ国、951都市に広がる見通しとのこと。数万人が参加したローマに比べ、東京は計3カ所で約500人と小規模だけど、霞ヶ関にデモが入ったことは特筆したい。参加したサイト読者の方から次のような情報を頂きました。
・今回のデモはあくまで「99%の人々のための社会(1%の超富裕層のためでなく)」というテーマで考えていて、多様な意見を受け入れようとしていた。
・主催者側いわく「脱原発デモの意図は無い」。デモのコースが東電、通産省など脱原発的なのは「国会議事堂でデモをするには特別な手続きが必要」「デモ可能なルートを警察などと話し、挙がった候補から選んだ」とのこと。
・デモでは「原発止めろ」「子どもを守れ」といった類のかけ声の他に、「TPP反対」「農業守れ」も多かった。
--第2回、第3回と続くうちに、スウェーデンの3倍もある日本の相対的貧困率が改善されますように。労働者1千万人以上が年収200万以下で生活しており、既に1億総中流ではなくなっている。
/本家の“ウォール街デモ”には人気ロックバンド「レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン」のメンバーが加わったりしている。日本でも“様子見”をしているミュージシャン、芸能人、文化人が参加してくれたら、もうちょい敷居が低くなるのになぁ。
//名優仲代達矢さんが語る、黒澤監督の名作『乱』の撮影裏話。CG全盛の昨今と違って、合戦シーンでは本物の城を築城して炎上させていた。一発撮りで絶対に失敗は許されない。演じる俳優も命がけ。読んでて手に汗を握った!
 10月14日…明日15日はウォール街から始まった反格差社会デモを世界規模でやるとのこと。日本では正午から東京で催され、コースは「日比谷公園→東京電力本社前→経済産業省→日比谷公園」。強烈ルート。東京に住んでたら絶対に行ってた。ただ、“東電-経産省”だと脱原発デモになりかねず、本家の“反格差社会”とは主旨が変わりそうな気が(汗)。目指すべき本丸は大手町の『経団連会館』なのでは。おそらく、東電と経産省が日比谷公園から300mという近所にあるのに対し、経団連まで約3キロあるため、初めてのデモ主催ということで近場を選んだのだろう。急遽決定したので告知期間が短く、天気も雨っぽいので小規模になりそうだけど、日本で海外と連動したデモが行われる意義は大きい(告知サイト)。幅広い層が参加できるよう、特定の政治色があまり前に出ないものになって欲しいな。僕がもしプラカードに2行だけ主張を書くとしたら、今の日本はあまりに派遣社員の立場が弱いのと、欧米ではあり得ないサービス残業という奴隷システムの蔓延、これらの理不尽を放置させないため、「同一労働同一賃金!サービス残業全面禁止!」と刻みたい(欧米は残業そのものが珍しいし、もしあれば高額な残業手当が100%つく。っていうか払わない経営者は裁判所行き)。読者で参加される方がおられましたら、デモ参加の感想をメールで送って頂けると有難いです。m(_ _)m
 10月13日…ロック歌手の柳ジョージさんが12日に急逝。享年63歳。糖尿病が悪化したとのこと。乾いた声がバラードにぴったりだった柳さん。僕のひと世代上の人に熱烈なファンが多いです。最近ではボトムズ(ペールゼン・ファイルズ)の主題歌を歌っていましたね。/追悼で名曲『青い瞳のステラ, 1962夏…』を紹介。先に旅立ってしまった彼女を想う歌。切なさ、達観、様々な感情が入り交じり、この内容を歌って決まる人はそういないかと。→
「赤いキャンディ包んでくれたのは古いニュースペーパー/白いペンキ何度も塗りかえす 夏の風の中で…/今頃故郷(くに)のテネシーあたり 刈り入れ時さとカタコト交じりで/バルコニーから覗くあんたはブロンドさえも色褪せてた/派手な化粧 振り撒くオー・デ・コロン/自慢の胸のペンダント 俺の髪を撫でまわしながら開けてみせた写真/もう一度 船に乗る夢ばかり 風邪をひいた日にうわ言のように 好きなブルースかけてた夜は/きまって夜明けにすすり泣いてた/After midnight 哀しみは 永遠(とわ)の眠りについたかい/After midnight 哀しみは 海を渡って行ったかい/沖を通る 貨物船ながめテネシー・ワルツ歌おう/上手いもんさ あんたに教わった ちょっとイカしたステップ/ほめてくれよ しゃがれた声で 芝生の下で眠っていずに/ほめてくれよ Blue eyes細めて 芝生の下で眠っていずに」。
5分49秒の曲なのに、2時間の映画を1本見終わったような感覚。この“うわ言のように好きなブルースかけてた”“上手いもんさ あんたに教わった ちょっとイカしたステップ”という歌詞がジンワリくる。ご冥福をお祈りします。
●YouTube「青い瞳のステラ, 1962年夏…」(5分49秒)
 10月12日…ニューズウィーク誌WEB版に「アメリカの若者がデモをしても就職できる3つの理由」という記事があり、日米の違いが色々分かって参考になったので、以下に要約して紹介。
→日本の場合、いくら社会への不満を抱えていても、デモをすることのメリットはあまりない一方で、例えば逮捕歴などがつくと、不利になることの方が多い。どうしてアメリカの若者は平気でデモをするのか?答えは簡単。デモに参加したからといって就職が遠のくことはないからだ。
(1)逮捕歴の問題。ブルックリン橋の「無許可デモ」で700人も逮捕されて平気なのは、基本的に犯歴が就職に影響しないから。プライバシー保護の観点から、犯歴情報の照会が制限されているし、「デモ参加による逮捕歴」があることを雇用主が知ったとして、これを理由に採用を断ることもできません。麻薬や凶悪犯など「職務遂行に支障のある犯歴」以外の理由で不採用にしたことが分かると、雇用主は法廷で懲罰的な賠償を取られる。
(2)社会的な価値観の問題。米国人はデモやお祭り騒ぎが大好き。そうした「イベント」で「ハメを外す」ことは社会的に許容される文化がある。ある程度までは「逸脱も勲章」とする感覚がある。まして、そうした行動をした人間を批判するのは大人気ないとされている。
(3)企業の採用姿勢の問題。米国には「新卒一括採用」とか「年齢制限」などはない。大卒後数年を経過したからといって、もう正規雇用はムリだと思い詰める必要はない。景気による「氷河期」があっても、そこでチャンスを逃したからといって、一生ずっと氷に閉じ込められるわけではない。企業の面接でも、ボーッと家で過ごしていたというよりは、デモで組織的な活動に熱心に取り組んだという方が評価される。そんなわけで、「占拠デモ」の若者たちは、決してデモに参加したからといって就職が遠のくわけではない。
--なんでも欧米風が良いわけじゃないけど、こういう社会全体の寛容さは羨ましいっすね。
//今日報道された世田谷区の一角の放射線量、飯舘村超えって、ちょっと信じられない高さですね…。飯舘村は1時間に2.1マイクロSv、世田谷の問題の場所2.7マイクロSv(ちなみに福岡は平均0.036マイクロSv)。しかも小学校の通学路。こういう雨水の集まるところは、行政が率先して調査すべき。そして横浜ではストロンチウムを初検出。原発がずっと遠いだけに不気味。
(追記)世田谷の高線量問題はどうやら原発とは関係ないみたいですね。いくらホットスポットの可能性があるといっても、世田谷が飯舘村より高いのはさすがにないかと…。あのビンの中身、一体なんなのでしょうね。
//昨日のW杯アジア3次予選・日本VSタジキスタンは8-0という野球のような点差に…。試合後、敗北したタジキスタンのアリムジョン・ラフィコフ監督のインタビューがグッと来た「今日、日本がほぼベストメンバーで戦ってくれたことに感謝している。私たちは勉強しにきた身分だ。苦い経験ではあるが、私も選手も、今日の結果を受け止めて将来に活かしていきたい。何よりも日本に感心したのは、無駄な動きが一切なかったことだ。最後の3分間も全力で走っていた。これには感銘を受けた」「(終始フェアプレーだったことについて)クリーンなプレーを心がけるというのを選手たちは理解している。私たちは日本の選手をケガさせるために来たわけではない。日本はもっと高い目標を置いているチームなので、こんなところでけがをさせては申し訳ない。それに、偶発的に手や足が出ることはあるが、日本の動きが速くてそれもできなかったのもある」「今日は守りに徹する。そのつもりでプレーしたが、完全な守備というのは芸術に等しい。我々はその域には達することができなかった」「ただし、我々の選手たちは最後まであきらめずに走った。日本を抑えることはできなかったが、あきらめなかった選手たちに心から感謝したい」。素晴らしい監督ですね。
 10月11日…全米に広がりつつある「反格差社会デモ」。YouTubeには様々なデモ動画がアップされており、NYウォール街が騒然としている(41秒/警官がデモ隊やジャーナリストに警棒を振り下ろしてる)のがよく分かる。特に絶句したのがこの動画(1分36秒)。1人の警官が女性たちに向かっていきなりペッパースプレー(催涙ガスのようなもの)を目の前で噴射している。阿鼻叫喚だ。周囲の他の警官は“やりすぎだ”と驚いているのでは。この反格差社会デモは、内容が警官と対立するものではないし、警官の中にだって共感を覚えている人が少なくないはず。こういう一部の乱暴な警官がいるために、動画を見た正義感の強い若者たちが警官に反発を覚え、元々平和的に始まったデモなのに暴徒騒ぎになってしまう。庶民同士が分断されるような、不毛な空気がこれ以上広がりませんように。
//9月26日の日記で、パレスチナが国家として認められるよう国連に加盟申請を出したことを書いた。これに対して、イスラエル寄りのアメリカが安保理で拒否権をチラつかせて邪魔しているんだけど、パレスチナも負けてはいない。今度はユネスコ(国連教育科学文化機関)への加盟を申請し、10/5に執行委員会58カ国の採決にかけられ(ここを突破後に総会)、賛成40、反対4、棄権14で可決された。圧倒的多数で決まった瞬間、議場で賛成票を投じた各国代表は総立ちとなり、歓喜の声を上げたという(日本は棄権。情けない。民主党政権になったから賛成に回るかと思ったけどダメか…)。執行委員会を通過したことで、次は今月25日から始まるユネスコ総会(193カ国)にかけられ、3分の2の賛成でパレスチナの正式加盟が決まる。過去、国連加盟国でなくても同様の多数決で太平洋クック諸島などが加盟している。問題はここでも米国が猛反対していること!米国はこの件で拒否権を持っていないけど、ユネスコ予算中最大の22%を拠出している。さっそく米政府は「早まったことをする組織へ米国は資金拠出をしない。ユネスコに再検討を求める」と声明を出し、拠出凍結の揺さぶりをかけている。僕としては、パレスチナにはユネスコ加盟をバネに国連本体への正式加盟を実現して欲しく、オバマにリベラルの本領を発揮して欲しいんだけどな(来年は大統領選挙だからユダヤ資金を狙ってイスラエルべったりを続けるか…うーむ)。
 10月10日…先月27日に韓国で行われたサッカーアジア・チャンピオンズリーグ準々決勝「セレッソ大阪×全北現代モータース(韓国)」で、全北のサポーターが東北大震災をからかう横断幕を掲げたことについて、韓国ではメディアもネット世論の過半数も、「日本人の怒り、悲しみを思うと言葉が出ない」「同じ韓国国民として恥ずかしい」「非道徳的な行為によって、韓国の国家価値を下げている」「これは人間のする行動ではない」と、一斉に当該サポーターを糾弾した。僕は件のサポーターに憤慨する一方、“人口が約4800万人もいれば中にはこういうアホな奴もいる”とも思ってた。でも、保守系ニュースサイトが“韓国人はああいうヤツら”的な論調一色になったので、“なんでひとくくりにして憎ませようとするかな…”と脱力してたら、すぐ翌日に全北現代が公式HPに、「今回の一件で失意にくれる日本の国民とサッカーファンに深々とお詫びの言葉を述べさせて頂くと共に、今後はこのようなことが再発しないように努力していきます」と謝罪文を掲載し、2日後には騒動を起こしたサポーター本人が全北現代を訪れ、「大人げない行為だった。傷ついた日本国民と韓国のサッカーファンに心から謝りたい」と謝罪した。この素早い韓国側の動きを反映して、日本のネット上でも「極端に偏向した愛国主義者を、その国の代表のように見るのはヤバイ」「多くの人はまともなバランス感覚を持っていると分かった」という意見を散見し、僕は胸を撫で下ろした。この問題で過度に憎しみが広がらずに済んで良かった。※ネットは匿名性もあってキツイ言葉が飛び交いやすい。その中にあって事件直後から冷静な意見が多かったのがホント嬉しい(リンク先で“韓国で大事故があると日本のネットも酷いことを書く”とあり、こういう感情を呼び起こすから嘲笑や揶揄は勘弁して欲しい。プルコギとか最悪)。常に文芸ジャンキーで訴えている「憎しみを煽る言論に乗せられちゃいけない」は、僕がこれまでに仕事や墓巡礼で出会った外国人(アジアも欧米も)の大半が、今回の良識派のような人ばかりだったからだ。
 10月9日…国連が世界各国の殺人事件の発生率等に関する報告書をまとめた。世界規模の殺人統計から人類社会の現状が見えてくる。昨年、全世界で起きた殺人事件の総数は推定46万8000件。このうち36%がアフリカ大陸、31%が北米や中南米諸国、27%がアジア諸国で発生。アフリカは治安が悪いとよく報道されているけれど、数値上では、米大陸やアジアに比べて極端に突出しているわけではないようだ。ただし、欧州やオセアニア諸国は6%以下(少なッ!)で、こちらとはあまりにも発生率に違いがある。うーむ、アフリカ・米大陸・アジアと欧州・オセアニアにここまで差があるとは思わなかった。こうまで差が開くと、アフリカ・米大陸・アジアは社会的構造に、大いに改善の余地があると考えぬわけにはいかない。欧州とオセアニアの共通点を考察し、学ぶべき点を見出さなければ。/全世界平均では、殺人事件10件のうち、4件以上で拳銃など火器が用いられていた。欧州・オセアニアは火器があまり出回っていないので、それも大きいだろう。/国連の統計はまた、殺人事件の犠牲者や実行犯の約80%が男性だったとも。このあたり、戦時じゃなくても男性が世の治安を乱してる訳で、特にアフリカ、米大陸、アジアの男性は猛省する必要がある。(参考CNN
//厚生労働省が年金の支給開始年齢を最大70歳へ引き上げることを視野に検討を進めるという。70歳!そんなのヘタすりゃ3年か5年しか受給できない人も出てくる訳で、ますます納入しない人が増えてくるんじゃ…。厚労省は「年金支給が早いと働く意欲を阻害することになる」って言ってるんだけど、日本人は世界的に見ても異常に長時間働いているのに、このうえさらに70歳まで働かせようってあまりに酷。定年後、趣味や海外旅行の時間を楽しみにしている人も多いはず。70歳過ぎると体力が落ちるのに、それからやっと旅行に行けるとか非情すぎる。世界第三位の経済大国なのに、何の実感も湧かない。
//東電による組織的な国会議員パーティー券購入や、役員の個人献金が判明したけど、新たに主要電力9社が政界工作で連携し、担当議員を決めて選挙時の資金協力や飲食接待を行っていたことが発覚。ズブズブ、果てしなし。こういうことに使われるカネも経費として電気料金に上乗せされ、それでいて原発をやめれば電気代がもっと高くなるとか言ってるんだから、ほんと呆れる。
//以前、等身大ボトムスを制作して話題になった倉田光吾郎さんが、一般人が乗れるオリジナル・ロボット「クラタス」を制作中!全長4メートル、ボトムズワールドの匂いがここでも漂っている。完成が楽しみ!
//宝石とは縁がないので知識も乏しいけど、このイエローダイヤは実物を見たいって思った。綺麗なイエローだねぇ。
//ガンダムAGE第1話、子ども向けガンダムとは言え、とりあえず絵は丁寧だった。
 10月8日…今年のノーベル平和賞は3人の女性に決まった。うち2人が西アフリカのリベリア出身。リベリアでは14年に及ぶ内戦で約27万人が犠牲になった。女性への平和賞授賞は先日他界したケニアの環境保護活動家ワンガリ・マータイさん以来7年ぶり。女性、イスラム教徒、中東アフリカの平和賞受賞者が少ないという声を反映させた形となった。
(1)アフリカ初の女性大統領エレン・サーリーフ/リベリア大統領(72歳)…女性の権利向上を目指す“非暴力の闘い”に貢献。政権批判で自宅軟禁されたり、軍事クーデターで米国に亡命を余儀なくされた時期もあった。
(2)リベリアの平和活動家リーマ・ボウイー(39歳)…アフリカのNGO「平和と安全の女性ネットワーク」代表。参政権を訴え、また戦争を終わらせるために民族や宗教の壁を越えて女性を組織。いわく「私は何も大きなことはしていない。ただ、私の中の小さなあかりを、ずっと大切にともし続けてきた」。
(3)イエメンの民主活動家タワックル・カルマン氏(32歳、若い!)…イエメンの人権団体「束縛なき女性ジャーナリスト」代表。まだ32歳だけど、今年の“アラブの春”以前からイエメンの反体制運動で指導的な役割を果たしてきた。イスラム社会では地域によって女性が外に仕事を持つことに否定的な空気がある。そういう偏見の中で、人前に出て活動するだけでも勇気があるし、相手が独裁政権というのがさらに凄い。
//番組情報にも書いていますが、10日13時からBSプレミアムでオンエアされる映画『トンマッコルにようこそ』は超お薦めデス!ユーモアいっぱいでありながら、真摯な反戦ヒューマニズム作品。俳優陣の演技も素晴らしく、個人的には韓国映画の中で最高傑作!!※握りコブシを天に突き上げて反戦を叫ぶのではなく、笑いを取り入れながら反戦を伝える映画って意外と少ないんだよね。そういう意味でも貴重な映画。音楽は久石譲。
 10月7日…米アップル社の創業者スティーブ・ジョブズ氏(享年56歳)の訃報を伝えるNHKニュースの中で、氏の名言を紹介していたので思わずメモった。
・「33年間、毎朝自問自答してきた。今日が人生最後の日なら、今日やろうとしていることが、本当にやりたいことなのかと。その答えが何日も“ノー”なら何かを変える時だ」
・「時間は有限だ。他人の生き方を気にして無駄にしてはならない。最も大切なのは、他人の意見に影響されず、自分の本心と直感に従うこと。自分が本当にありたい姿は自分の心が知っているものだ」
・「自分の死期が近いと心に刻めば、人生における重要な決断が出来る。死を前にプライドや失敗への不安は消え、本当に大切なものしか残らない。丸裸のままに行動するのだ。ハングリーであれ、愚かであれ」
・「アップルが本当に評価されるのは、次の商品が世の出るときだ」
1984年、ジョブズ氏はそれまで技術的には実現していた“マウス”を初めて一般向け商品に乗せた(発明者は別)。またデスクトップの“ゴミ箱”の表現など、パソコン操作を直感的なものに進化させた。サイトを運営している者として、マウスを使わない日はなく、冥福を祈ると共に感謝したい。/フェイスブックの設立者マーク・ザッカーバーグ氏は次の追悼文を捧げた--「あなたは自分の作ったもので世界が変えられることを見せてくれた。寂しくなるよ」。
//以前、絵画をジオラマ風に再現しているサイトを紹介したけど、こちらのサイトはより立体度が増しているのでおったまげた。題材はすべてゴッホ作品。農場の奥行きや、囚人監房の立体感は、裸眼なのに3Dメガネをかけてるような錯覚に陥った!
 10月6日…(つづき・その3※10/4が初回
ドキュメンタリー映画の雄、マイケル・ムーア監督は『ボウリング・フォー・コロンバイン』(2002)で銃社会のアメリカの暗部を描き、『華氏911』(2004/カンヌ映画祭最高賞)で大義なき戦争へと突き進むブッシュ政権を批判し、『シッコ』(2007)で米に国民健康保険が存在しない悲劇を描き、『キャピタリズム』(2009)でマネーゲームをしながら多額の公的資金で救済される金融業界に激怒した。ムーア監督は常々訴えてきた--「私のどの映画でも結局は、今の経済の仕組みが不公平で、民主主義に反しているという問題に行き着きます。医療制度、銃の問題、石油利権のための戦争、こうした問題の核心にあるのは、一握りの人が豊かになり、残りの人はパンくずを奪い合うという経済のあり方なのです。アメリカではわずか1%の人に富が集中し、95%の人々の富を全て合わせても適いません。これはもはや民主主義ではありません」「資本主義というシステムはもはや機能していません。我々の社会は崩壊状態なのに、資本主義は助けてくれません。好きなだけ金儲けして、他人の不幸は知らんぷり、これが今の資本主義なのです」「米国最大手の保険会社AIGはリーマン・ショックで約8兆円(850億ドル)の公的資金注入をFRB(連邦準備銀行)から受ける一方で、幹部社員に対して約160億円ものボーナスを支給しました。倫理観のかけらもありません」。一昨年、NHK『クローズアップ現代』でムーア監督は次の質問を受けた。「多くの人が、あなたの映画は時として善悪がはっきりし過ぎている、物事を単純化し過ぎている、と見ています。でも実際には物事はそんなに白黒はっきりはしてませんよね」。これに対しての氏の答え。「おっしゃることはよく分かります。でも、物によっては白黒がはっきりしていることもあると思います。奴隷制度に関するドキュメンタリーを作って、“なぜ奴隷制度の良い面に触れないんだ”というようなことはあり得ないでしょう?ドイツのユダヤ人虐殺について取り上げて“どうしてアウシュヴィッツの良い面は取り上げないんだ?”ということもないと思います。白黒きっちりつくことだってちゃんとあるんです」。
/ムーア監督との対談で英国の元国会議員T・ベンはこう語っていた。「労働者の借金苦は体制側に有利。借金漬けの者は希望を失い疲れ果て、“誰が議員でも同じ”と選挙に行かない。もし本当に労働者が自分の代弁者に投票したら真の民主主義革命が起こる。それは困るから体制側は希望を奪う。国民を支配する方法は2つある。まず恐怖を与え、次に気力を失わせること。教育があり健康な国民は統治が難しい。世界の人口の1%が80%の富を独占していることによく皆は耐えていると思うが、それは貧しく気力もなく、権力を恐れているからだ。命令を聞いて最善を祈るのが一番安全だと思い込まされてるんだよ」。
/「反ウォール街」抗議運動の拠点となっているズコッティ公園は世界貿易センタービル跡地近くの公園で、昨年まで同時多発テロの追悼式典会場だった。このテロをきっかけに、米国が“民主主義を中東に伝えるため”に戦争を仕掛けた。同じ公園からアメリカに民主主義を求める運動が始まったのは何かの隠喩のようだ。参加者の1人が「この国には問題が多くあると皆に気づいて欲しい。アラブの人々も立ち上がった」と話しているのをニュースで見て、アラブの民衆が民主主義運動の先駆けになっている現象に、時代の大きな変化を感じた。
「反ウォール街」デモは行き過ぎた格差社会への抗議であり、中東のように独裁者の退陣といった明確なゴールがない。反体制でもあり、オバマ氏への支援デモの側面も持つ。大きな敵は草の根超保守の“茶会運動”(ウィキ)。このまま大統領選挙まで続くのだろうか?民衆パワーが何を成し遂げるのか見届けたい。
 10月5日…(つづき・その2)
/米ウォール街デモの経過をまとめよう。
7/13 カナダの非営利・環境問題雑誌「アドバスターズ」がブログで「9月17日」の抗議デモ決行を呼びかけ。ツイッターやフェイスブックといったソーシャルメディアで若者に広がる。
9/17 デモ開始、約1500人が参加。ウォール街の北200mのズコッティ公園で座り込みが始まる。高い家賃や学費、失業問題、年金問題など訴える内容は様々。抗議集団の若者は組織化されおり、「医療班」「食料班」「メディア班」も存在。一日に2回「ゼネラル・アッセンブリー(総会)」と呼ばれる会合を開き活動方針が決められる。
(この間、参加者はいったん減り、500人前後で推移)
9/24 警察との衝突が増えデモ参加者約80人が公務執行妨害などで逮捕される。この模様が動画サイトに投稿され、若者の反発が広がり参加者が急激に増える。シカゴやサンフランシスコ、シアトルでもデモや座り込みが始まった。
10/1 5000人以上がブルックリン橋へ行進、車道にあふれ出た700人以上が逮捕される。デモはボストンやロサンゼルスに飛び火し、ボストンではバンク・オブ・アメリカ前で約1000人が抗議、24人が逮捕された。ロスでは数百人が市庁舎近くに集まり、経済政策の恩恵を受けているのは人口の1%にすぎないとして「我々が99%だ」と書かれたポスターを手に大通りを練り歩いた。
10/2 デモ計画は全米50州のうち44州の計115都市で進行中。東京やロンドンなど海外にも同様の抗議行動を呼びかけ開始。拠点のズコッティ公園は警官に包囲され、参加者は「たとえ1人が逮捕されても、2人が(運動に)参加する」と書かれたプラカードを掲げて抗議。運動にカンパが500万円集まり、それを使ってミニ新聞「オキュパイド・ウォールストリート(占拠されたウォール街)・ジャーナル」を発行・配布。“2500万人以上が無職で、5000万人以上が健康保険に入っていない”“我々のシステムは壊れている”と訴え、大企業や富裕層による富の独占を批判。
10/3 「金の臭いがする」とウォール街にゾンビの群れが現れ、偽札を握りしめながら徘徊。こういうユーモアがあると参加者の裾野が広がる。ズコッティ公園では何台も並んだパソコンに向かった若者らが情報の更新を続け、「大手メディアがデモを取材するかどうかは関係ない」と息巻く。フェイスブックでは延べ7万人以上がデモに賛同の意思を示している。
  「カネの臭いがする」ウォール街のゾンビ
10/5 抗議運動に約15の労組(教職員、小売店員、看護師ら)が合流、ホームレス支援団体など20以上の市民団体のメンバー、教育ローンの返済に苦しむ学生団体も参加し、デモは1万人規模となる。9/17の運動開始以来最大。デモ隊は「銀行は公的資金を受けたのに、我々は見放された」「戦争をやめろ、金持ちに課税しろ」などとシュプレヒコールをあげた。参加者はプラカードなどで「我々99%が声を上げる時だ」「25歳、大卒、無職、健康保険無し、そして私の一票は企業活動のカネに消されていく」「5%の金持ちから、残りの95%に年6000億ドル(50兆円)を配ろう」「我々は(保守勢力の)『茶会』への対抗勢力となる」「もし私が1セントでも盗みを働いたら捕まるのに、企業は搾取しても何の咎めもないのはおかしい」と主張し、社会システムを大きく変えるよう訴えた。ウォール街には深夜まで格差拡大に対する参加者の声「イナフ・イズ・イナフ(もうたくさんだ)!」がこだました。
10/6 ワシントンD.C.にデモ拡大。国際ハッカー集団「アノニマス」が世界最大のニューヨーク証券取引所のサイトを10/10に攻撃すると予告。(つづく)
//米アップル社を創業したスティーブ・ジョブズ氏がすい臓癌で他界。享年56歳とは若すぎる。
 10月4日…映画監督マイケル・ムーアいわく、「アメリカではわずか1%の人に極端に富が集中し、95%の人々の富を全部足してもかないません。これはもはや民主主義ではありません」。今、NYのウォール街が若者たちの怒りで沸騰している。デモは1万人以上の規模になり、うねりは拡大し続けている。これはもしかすると、歴史的な社会改革に繋がっていくかも知れないと、僕はめっさ注目している。元々のきっかけは“アラブの春”、年始のチュニジア革命だ。独裁政治への抗議の声がツイッターやフェイスブックを通して広がり政権をひっくり返した。民主化の波は、エジプト、リビアへと押し寄せていき、中東一帯を揺さぶり続け、そしてこの秋、アメリカ経済の中心地ウォール街へと波及した。チュニジア同様、ここでもネットを通して若者が集結している。
/民主主義国のアメリカで民主化運動というのは変に聞こえるけど、マイケル・ムーアは次のように主張する「テーブルに10切れのパイがあって、1人の人間がその9切れを自分のものだと言い、残りの9人が残った1切れを奪い合う、それは間違いだ。民主主義じゃない。そこには(民主主義の理念である)倫理的基盤が全くない」「400人のアメリカ最富裕層、そう、“たったの400人”が底辺の1億5千万人を全部合わせた以上の財産を持っている。ブッシュ政権の8年間に彼らの富は7千億ドル(60兆円)近く膨らんだ。7千億ドルはちょうど金融機関への公的救済と同額だ。彼ら(富裕層)はなぜブッシュの下で蓄えた金で自ら救済しないのか」「1980年に米国の平均的なCEO(最高経営責任者)は従業員の平均賃金の45倍を得ていた。2003年には従業員の254倍を稼いだ。8年間のブッシュ時代が過ぎて、今では従業員の平均給与の400倍を得ている(社員の年収500万ならCEOは20億円!)。公的な会社でこのようなことが出来る仕掛けは正気の沙汰ではない。英国では平均的なCEOは28倍に過ぎない」。(つづく)
//5日22時55分からのNHK『SONGS』のゲストがエリック・クラプトンと判明し、急遽番組情報に追加しました!「いとしのレイラ」「ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス」「アイ・ショット・ザ・シェリフ」「ティアーズ・イン・ヘブン」「チェンジ・ザ・ワールド」など名曲揃い!すごいラインナップ!(☆o☆)
 10月3日…ジョジョ&荒木先生の話題特集!
/昨日の荒木先生がゲスト出演された『日曜美術館』、ファンには至福のひとときでしたね!司会者から話をふられる前に、自分から嬉々としてモーリス・ドニの魅力を話されている姿を見ているだけで、こちらも幸せな気持ちになった。ドニの家族絵と、ジョジョの共通点(血統で精神を受け継ぐことや、水色とピンクの配色を好む点)を先生の言葉で聞けるめっさ貴重な時間だった。番組ラストが荒木先生の優しい笑顔のカットで終わり、そういった編集からも先生へのリスペクトが伝わってきた。再放送は10/9(日)夜8時デス!
※ちょっち脱線。『日曜美術館』は春先まで司会が東大教授で在日2世の姜尚中(かん・さんじゅん)氏だった。姜氏は保守右派からよく叩かれているけど、荒木先生は姜氏の著作『悩む力』について「生きることは悲しみだ。本書はその呪いを解く祝福の入門書だと感じた」と寄せ、書店ポップ用に似顔絵まで描かれている。僕は似顔絵にめっさ驚いた。なぜなら、荒木先生が実在する人物の似顔絵を描いたのって他に記憶がないからだ。両津やナルトを荒木タッチで描かれたことはあっても、公式な似顔絵ってもしや唯一では?姜氏の司会時代に荒木先生がゲストだったら、どんな話をしていたのか見てみたかったな。
/ジョジョ第5部の舞台となったイタリアにて、2003年に敢行した第5部再現ロンリー行脚。このイタリア・ジョジョ立ちレポのアップ以来、様々なジョジョラーの方から「拙者も“立って”来ました!」「私もトライしました!」と熱血画像を送って頂きました。今回、新たに17人目と18人目の投稿画像を追加するにあたって、ページのボリュームが随分出てきたので、イタリア投稿ジョジョ立ち画像の特化ページを作成しました!新規のお二人はリンク先のラストに追加されています。これで2004年から7年連続で誰かが現地でチャレンジしていることに。芸術のレベルにまで昇華された美しいポージングも多く、ここに最大限のリスペクトを込めて、投稿コーナーを開設した所存!ご堪能あれッ!
/ジョジョグッズの公式WEBにある第4部杜王町の模型『ジョジョラマ』、発売がすっごい楽しみ!マイナーキャラも立体化されてるし、こりゃたまらん!(リンク先は人物紹介。左側の“商品を見る”をクリックすると模型写真)
/ジョジョ第6部“ストーンオーシャン”は、主人公が女性であり、舞台が刑務所という閉鎖空間である点で異色だった。僕はクライマックスで激感動したので大好きな話なんだけど、ゲーム化された3部や5部ほどの人気はない。そこで、前から女性読者から見た6部観を読んでみたいと思っていたところ、先日ライブドアブログに『ジョ女子考・ストーン・オーシャン』なるものを発見!男性読者とは異なる視点・考察がとても新鮮だった。以下に抜粋。「主人公たちの日常生活はスリリングではありますが、冒険ではありません。敵キャラがその輪郭を明らかにするまで、日常生活の描写がダラダラと展開されます。そして私に言わせれば、第6部(刑務所)における「ダラダラした日常」の描かれ方は白眉です」「物語の舞台は監獄です。異性の視線が無い「女子校的環境」の住人らしさを大爆発させています。他愛ないおしゃべり、陰湿な嫌がらせ、グループ間での牽制、そしてたまに、胸のすく復讐。第6部での日常生活の描写を白眉たらしめているのは、この「女子校的環境」のリアルさです。そのリアルさは恐らく、男性ファンが「引いて」しまうほどのもので、これもまた第6部の評価を下げている一因なのでしょう」「“そうそう、女子ってこういう顔するよ…”という表情ばかり。徐倫と仲間たちの絆・友情は強く純粋ですが、強すぎて純粋すぎるがゆえのレズビアンぽさもまた、「女子校的環境」を再現しています」「荒木先生の観察眼の鋭さが窺い知れます。卑下もせず、神聖化もせず、偏見を以て女性を見ず、ただありのままを受け入れるその目線。男性的視線に応え、身を飾り化粧をする私たち。ですが女子校的環境に身を置いて一皮剥けば、血と内臓と喜怒哀楽の詰まった皮袋。他の男性諸氏は騙せても、荒木先生はお見通しです。それでもその現実を優しく受け入れ、ユーモアたっぷりに描き出してくれました。そういう男性も世の中にはいる。ジョジョ第6部を読んでそのことを知り、安堵し、戦慄してみませんか」。
こんな角度からジョジョ6部を語ったコラムは初めて。全文はコチラです。
※そうそう、記事では荒木先生の娘さんが“2人”ってなってるけど、正しくは1人なんですよね。前から気になってたこの誤情報、妹が2人いる事とごっちゃになってネットに広まってるみたい(汗)。
※僕が感じる第6部クライマックスの素晴らしさについては、こちらのコーナー(ジョジョ名場面50選)で熱く吠えています!(注)リンク先の画像は単行本と同様に右→左読みデス!文章とは逆方向。
 10月2日…ギャース!9/28の日記に書いたニュートリノや“時間”についての話で、赤面するほど壮大な間違いを書いていました。「光速に近づくほど時間の流れが速くなる」と書いたのはまったく逆で「時間の流れが遅くなる」が正解!恥ずかしい!実は僕も書いてて違和感があったんです。SF映画では宇宙船が地球に帰還すると、“数百年後の地球だった”という描写がよくあるので…。ではなぜ間違えたかというと、(1)GPS衛星は地上に対して時速3300km(自転は時速1674km)という猛スピードで飛んでいる(2)GPS衛星の内蔵時計は毎日10億分の3秒早く進む、この2点だけを念頭に置いてしまったから。
実際にはもうひとつ、「重力」という重要な要素があった。重力は時間を遅らせるため、地球上の方がゆっくり時間が流れている。逆に言えば重力の弱い衛星軌道の方が速く時間が経つ。つまり、GPS衛星の高速飛行が「遅らせた時間」と、重力の“弱さ”が「速めた時間」をプラスマイナスした時に、“毎日10億分の3秒早く進む”という結果になったわけ。他にも細かな間違いがあったので、文章を全面的に書き換え(過去記事は削除)、以下に再アップします。スミマセン。
→カーナビに不可欠なGPS衛星(全地球測位システム)は非常に精巧な原子時計を内蔵して宇宙を飛んでいる。運用を開始して科学者たちを驚かせたのは、その原子時計が毎日10億分の3秒早く進むことだった。GPS衛星は地上に対して時速3300km(自転の約2倍)という猛スピードで飛んでいるため、その点だけ見れば地上より時間の流れ方が遅くなる(光速に近づくほど時間の流れが遅くなる)。一方、重力は時間を遅らせるために地球上の方が時間経過が遅い。つまり高度約2万キロを飛んでいるGPS衛星は重力が弱い=時間経過が速い、ということになり、プラスマイナスを相殺した結果、GPS衛星の原子時計は地上の時計よりも毎秒100億分の4.45秒遅く進むよう1秒ごとに補正されている。この処理をしないと、位置情報が毎日12kmずつズレていき、すぐに使い物にならなくなるとのこと。こうした意味では厳密に言えば、既にタイムマシンが存在しているといえる。仮に光速移動できる乗り物に1週間乗って地上に戻ると、100年後の未来になっているという。
※欧州合同原子核研究所が発表した「光よりニュートリノの方が速い」という実験結果にはリンク先のように疑問の声もあがっています。
※読者の方の話では、アインシュタインは“光が最速”とは言っておらず、「質量を持った物体が光速で動くには無限大のエネルギーが必要」と言ってるだけとのことでした。情報を有難うございました。
 10月1日…(昨日の続き〜暴力団について/安藤長官スゴ過ぎ)
/安藤長官は「芸能界浄化作戦」を完遂するべく捜査組織・丸の内特捜班を発足させた。大相撲力士の野球賭博も、暴力団が背後にいたため、壊滅作戦の一環として徹底して厳しい処置がとられた。資金源の遮断計画は、地道ではあるけどボディーブローのようにジワジワと組織を弱体化できるはず。一方、暴力団側もみすみす潰されるつもりはなく、知略を尽くし偽装工作を進め、わざと破門状を出して企業活動に特化させる「偽装破門」、社名や商業登記地の場所を変える「企業舎弟隠し」などで対抗している。
/「日本の治安の風景を変える覚悟でやりたい」と意気込む安藤長官。任期は来年3月までと言われており、残りあと5ヶ月。暴排条例は万能ではなく、国民、企業が反社会的集団と訣別する覚悟をきめ、警察と連携していかなくちゃならない。暴排条例の基本理念は「暴力団を恐れない」「暴力団に金を出さない」「暴力団を利用しない」「暴力団と交際しない」の4点。安藤長官が切り開いた道をこのまま歩み続け、理不尽な暴力に苦しむ人がいない明るい社会を築きましょう!(後継長官が志を受け継ぐ人物になりますように!)
※1989年の警察白書では暴力団全体の年間収入を、約1兆3千億円と推定している。この内、覚醒剤の収入は5千億円。約8万人の暴力団に年間1兆円以上の資金が流れている。これらは無課税だ。ウィキに載っている山口組の“主な活動”は「みかじめ料、恐喝、麻薬取引、売春、賭博、高利貸し、総会屋」。麻薬取引というのは大半が覚醒剤のこと。北朝鮮不審船=覚醒剤密輸船が撃沈された時も、乗組員のケータイに登録されていたのは日本の暴力団だった。オレオレ詐欺の被害額は今年1〜8月の時点で「80億円」と、相変わらず莫大な金額になっており、暴力団幹部が詐欺集団のリーダーとして逮捕されるケースも多い。生活保護を不正受給しているヤクザのこともしょっちゅう報道されている。暴力団は各地で発砲事件を起こしてきたが、九州では最近手榴弾まで登場している。
※人間は誰もが聖者のように生きられる訳じゃないし、色んな価値観の人間がいる方が面白い。僕は社会にアウトローがいてもいいと思っているし、その方が多様性があって健全だ。でもそれは、あくまでも他人に迷惑をかけない範囲の話だ。任侠・仁義を重んじ、弱きを助け強きをくじき、筋を通した生き様であれば素直にカッコイイと思う。だけど、現実は上納金を集めるために、「騙されたヤツが悪い」「弱者は強者に利用されて当然」と善良な市民を食いものにしている。2008年は振り込め詐欺の年間被害額が約300億円に達し、老後の蓄えを失った被害者の年配者が自殺するような悲劇が起きている。普通の会社は、社長が社員に給料を渡すシステムだけど、暴力団は社員が社長に給料(上納金)を渡す特殊な構造だ。下っ端は死にもの狂いで金をかき集めるしかなく、結果的に犯罪に手を染めざるを得なくなる。“人情に厚い立派な親分”も中にはいるだろう。しかしその生活を支えているのは多額の上納金であり、末端にいくほど資金集めに苦しんでいる。組長が昔気質の任侠の徒でも、下部組織の構成員はキレイごとを言ってられないという、構造そのものが大問題なんだ。
 9月30日…“山口組壊滅作戦”を猛敢行している警察庁・安藤隆春長官(62歳)。僕はこれまで暴力団撲滅を訴え、反社会的集団のアジト(組事務所)の場所がハッキリと分かっているのに手をこまねく政府・警察を、何度もサイトで批判をしてきた。だけど、今は安藤長官の“本気”に脱帽し、心からリスペクトしている。全国の暴力団関係者は約8万人。実にその半数の約4万人が山口組の構成員だ。安藤長官は愛知県生まれで、山口組の最大派閥・弘道会(約4000人)の拠点も愛知県。山口組6代目篠田建市(通称・司忍)組長は弘道会出身。愛知出身者として心に決するものを抱く安藤長官は、全国の警察本部長を集めて「弘道会の弱体化なくして山口組の弱体化はなく、山口組の弱体化なくして暴力団全体の弱体化はない」と力説し、昨年11月、恐喝容疑で山口組のナンバー2・高山清司若頭、ナンバー3(共に弘道会)を相次いで逮捕した。
愛知県警は高山若頭を逮捕するため、証拠を押さえるべく昨年1年間で約1000人の弘道会関係者を逮捕している。関係者の逮捕理由は、道交法違反、文書偽造、不実記載、宅建業法違反、みかじめ料要求、あらゆる法規を総動員して行われ、起訴できなくても拘留中に何かしら情報を得ようとした(取り締まりの実動部隊・弘道会特別対策室の内部資料の題名は「弘道会壊滅戦略」)。安藤長官は高山若頭逮捕後の会見で「山口組に多大な打撃を与える。これを突破口にして資金源(5千億円規模)である関係企業や共生者の摘発を図る」とさらなる対決を宣言した。全国規模で見ると、長官主導の山口組壊滅作戦によって、昨年1年で21名もの“直参”(直系組長)が逮捕されている。
/「安藤長官の凄さは、国家への使命感を愚直に実行したところにある。警察もまた暴力団、相撲界、芸能界となれあい、大抵の長官は“ほどほどでいいじゃないか”と、ここまで追い詰めなかった」(伊藤博敏・ジャーナリスト)。今までの警察庁長官のぬるさが、結果として弘道会の組事務所から暴力団担当刑事と弘道会幹部が一緒に酒を飲んでいる“なあなあ”写真が出てくる事態を生んだ。安藤長官は長年の愛知県警と弘道会との関係に愕然とし、郷土愛と正義感により弘道会に戦いを挑んでいる。反発する弘道会は県警捜査員の顔写真、家族構成、自宅住所を調べあげ、家に小動物の死骸を送りつけたり、家族に脅迫まがいの電話をかけているという。
/2009年6月に就任した安藤長官は暴力団撲滅に闘志を燃やし、1992年施行の暴対法が抜け道だらけで企業マフィア化に繋がったことから、新たに全国の自治体へ『暴力団排除条例』の制定を働きかけた。この条例は暴力団関係者へのあらゆる利益供与を禁止したもので、暴力団と付き合いのある個人や企業は名前を公表され、社会的制裁を受けるというもの。言い方を変えると、これまで暴力団との付き合いをやめたくても怖くてやめれなかった個人や企業に、「条例が出たので」と関係を断ち切る“口実”を与えてあげるもの。暴力団関連企業との商取引、みかじめ料(用心棒代)の支払い、事務所の内装工事の請け負い、襲名披露パーティーへの会場貸し出し、暴力団員との食事や旅行はすべて違反行為となる。細かい例で言えば、お寿司やピザの宅配業者が商品を届けることまで利益供与とみなされるという。そして、組員じゃない一般人でも、協力者と認定されれば、銀行融資や口座開設の禁止、新車購入の禁止、自宅・事務所が借りられない、等々のペナルティーが科せられる。
この暴排条例は09年に佐賀県で制定されたのを皮切りに、安藤長官の熱意もあって急速に各地で制定され、先月の段階で残すところ未施行は東京と沖縄だけになっていた。そして本日10月1日、両都県で施行!8月下旬に島田紳助が突然“引退会見”を不自然に行ったのは、10月に施行される暴排条例で山口組協力者として“認定”されることを吉本興業が恐れてのことだった。紳助は2年間で106通もの大量メールを山口組実質ナンバー3の最高幹部に送ったことが引退会見後に発覚し、“芸能人なのか、組の関係者なのか”とメディアが呆れ返っている。(つづく)
 9月29日…なでしこの活躍で女子サッカーが注目を浴びるなか、ロンドン五輪予選でイランの代表チームが出場資格停止になったニュースに胸が痛んだ。イスラムの女性は宗教上の理由でヒジャブ(髪を隠す布)を着用する。スッポリと顔を隠すブルカではなく、あくまでも頭髪を隠すだけなんだけど、FIFA(国際サッカー連盟)は「接触プレー時に首が絞まる危険がある」と禁止。でも、選手の写真を見ると、ヒジャブの端っこを襟の中に入れていて、これなら許してあげようよって思った。本当に危険なら、何ヶ月も練習してきた彼女たち自身が、サッカーは無理って感じるはず。ニューズウィーク誌の記事を要約→「彼女たちは8カ月にわたり過酷なトレーニングを積んできた。ユニホームは長袖シャツに長ズボン、そしてヒジャブ。イスラム教の伝統に従った保守的な服装だ。国歌演奏が終わると、審判が突然宣言した“ユニホームが違反しており出場資格がない”と。この瞬間、オリンピックの夢が断たれた。数人の選手は茫然とピッチに膝をつき、泣き始めた。イランの女子サッカー選手は、これまでも十分過ぎるほどの障害にぶつかってきた。この国の女性は、公の場で髪の毛と首、腕、脚を露出することが法律上許されておらず、保守派は公衆の面前で女性がスポーツをすることすら認めてこなかった。長年の働き掛けの結果、05年にようやく女子サッカー代表チームが結成されたが、女性スポーツ選手への逆風はやんでいない。イランの高位の宗教指導者は、スポーツで女子選手がメダルを取るのはある種の“恥”とまで言っている」。このような厳しい偏見の中で、「それでもサッカーをやりたい」という熱い魂を持って練習してきた選手たち。その勇気を汲めないものか。世界のイスラム教徒は約12億人。つまり5〜6人に1人がムスリムだ。イスラム系の女子選手は国際試合に参加することが不可能という状況は理不尽なので、上着と一体化しているフードのようなデザインのヒジャブならOKとか、救済策が必要と思う。リンク先にあるピッチで泣く彼女たちの画像を見て、強くそう感じた。
//毎日のように電力会社の腐敗を伝えるニュースがあるけど、九電社員が農家のフリをして公開討論会に参加し、原発推進の発言をしていた記事は目まいすら覚える。報道によると『6ブロックに分けられた会場で“仕込み質問者”を分散させ、それぞれに支援部隊を20人ずつ配置。プルサーマル発電の安全性を印象づけるため、最後は「推進の質問」で終わるようなシナリオを作成し、県に渡していた。討論会では、18人が質問に立ち、賛成派8人のうち7人が九電関係者だった。ほとんどが九電が用意した原稿を読み上げる形で発言。最初に質問した社員は手帳を見ながら、「危ない、危ないと言われて、玄海1号機が運転を開始して30年近くたつが、私の家で作っている米とか野菜が放射能の影響で売れなくなったことはない」と農家を装った』というやり口。ここまで仕込んでいると、あらゆる住民説明会に何らかのやらせがあったのではと疑ってしまう(リンク)。/東電の“電気料金詐欺”の記事も相当酷い。電気料金は必要経費に上乗せされて決まるから、電力会社としてはなるべく経費を高く設定したい。東電の場合、過去10年間で約6千億円も上乗せされていたことが発覚した。日本の電気料金は世界でトップレベルだけど、必要以上に高く設定されていたことになる。東電の闇、どこまで深いのか…。/ロンブー田村淳さんが「僕は脱原発派です」とツイッターで自らの立場を明らかに。電力会社はメディアの巨大スポンサー。リンク先にも書かれているけど、“脱原発”と語るそれだけのことが「ニュース」になっているのが、今の芸能界の状況を象徴しており(少数派だからニュースになる)、こうした発言がニュースにならないほど一般化する時代に早くなって欲しいものデス。
 9月28日…この世で最速のものは“光”と僕は考えていたんだけど、欧州合同原子核研究所の実験でニュートリノの方が速かったと判明し、科学界はてんやわんやの大騒ぎ。最初は僕もガセネタじゃないの?って疑ってたけど、欧州と日本の研究者160人が実験を検証し、「衝撃的な結果であり、人為的なエラーも徹底的に排除している」とのこと。1万5千回も同じ実験を繰り返したが結果は変わらなかったという。なんか、色々と想像力を刺激される話だね。
//久々に室町時代の能楽師・世阿弥元清の能楽論書『風姿花伝(花伝書)』を読み返し、以前より深く感動した一節を紹介。→
『能役者が観客に与える感動の根源は「花」である。「花」は能の命であり、これをどう咲かすべきか、「花」を知ることは能の奥義を極めることである。桜や梅が一年中咲いていれば、誰が心を動かされるだろうか。花は一年中咲いておらず、咲くべき時を知って咲いている。能役者も時と場を心得て、観客が最も「花」を求めている時に咲かせねばならない。花は散り、花は咲き、常に変化している。十八番の役ばかり演じることなく、変化していく姿を「花」として感じさせねばならない。「花」が咲くには種が必要だ。花は心、種は態(わざ、技)。観客がどんな「花」を好むのか、人の好みは様々だ。だからこそ、能役者は稽古を積み技を磨いて、何種類もの種を持っていなければならない。牡丹、朝顔、桔梗、椿、全ての四季の「花」の種を心に持ち、時分(じぶん)にあった種を取り出し咲かせるのだ』。
//10/2のEテレ『日曜美術館』(朝9時)に荒木先生がゲストで登場!!フランスの画家モーリス・ドニの魅力を語られるとのこと!!最近の先生の活動は、もう完全に従来の漫画家の枠を超えており、突き抜けたところに行っていますね。(☆o☆)
 9月27日…先月、時計雑誌『クロノス 9月号』に宮崎アニメ「紅の豚」のレビューを書きました。あの映画への溢れる想いは決められた字数に収まらず、今日はこの日記で思う存分に語ろうと思う。『紅の豚』は、決してただの派手な空中アクション娯楽映画ではない。何の為に舞台設定をあえてファシストが台頭する時代(1929年)と場所(イタリア)にしたのかを考えると、一気に作品世界が深化していく。
宮崎監督は額に青筋を立てて政治的メッセージを映画に込める人ではないけれど、「子どもたちをナショナリズムから解放したい」と公言している。ポルコは日増しに独裁者ムッソリーニの力が大きくなっていく祖国に嫌気が差し、海を挟んだ隣国クロアチアの島に暮らし、ファシズムの狂気に参加することを拒否している。主人公が「ファシストになるより豚の方がマシさ」と言い放ち、“反国家非協力罪”で秘密警察に追われているアニメなど他に聞いたことがない。“ポルコ・ロッソ”の意味は、ポルコが“豚野郎”、ロッソが“赤”。つまり「アカの豚野郎」。ファシズムの時代、イタリアでは共産主義者を罵倒する言葉でこう呼んでいた(卑猥なスラングの意味もあるという)。
/ジーナ役の加藤登紀子さんは、収監中の学生運動の指導者と獄中結婚したことで知られ、ジーナが劇中で歌う『さくらんぼの実る頃』は、1871年にパリで民衆が蜂起して革命政府(パリ=コミューン)を樹立した頃の民衆歌だ。
エンディングでは加藤さんの歌『時には昔の話を』に乗せて、22枚のイラストが映し出される。設定資料によると各々の絵の題名は、「労働者万歳」(4枚目)、「プロレタリアート(労働者階級)」(5枚目)、「連帯」(13枚目)等々。バリケードを作ってストライキをしているものある。歌詞は「揺れていた時代の熱い風に吹かれて体中で瞬間(とき)を感じた」「お金はなくても何とか生きてた。貧しさが明日を運んだ。小さな下宿屋に幾人も押しかけ朝まで騒いで眠った。嵐のように毎日が燃えていた。息が切れるまで走った」 と、学生運動や青春の挫折を彷彿させる内容になっている。宮崎監督は60年安保世代で、若い頃は東映動画労働組合の書記長だった。心情左翼を自認し、明確な反戦思想を持っており、『紅の豚』公開前年の湾岸戦争に際して、「それでも戦争は正しくない」という反戦メッセージの意見広告をニューヨーク・タイムズに掲載した文化人の1人に名を連ねた。『紅の豚』ではポルコが誰も殺さないことをセリフでも強調していた。これは湾岸戦争の「空爆」と際立つ対比になっている。反権力を象徴する歌姫の加藤さんと“ポルコ・ロッソ”の仲の良さも背景を知ると興味深い。本作について「30歳以下の男には分からない作品」と監督が語ったのは、公開30年前は監督の大学時代とピッタリ重なり、後に学生運動が死語になっていたからではないだろうか。
こうしたことは、一定の世代にはピンとくるけど、メッセージ性を持つセリフがサラッと語られており、左翼的なものを強く連想させる演出が無いため、公開時は“少年の心を持った大人達”の冒険活劇として受け止められた。
/劇中で最も心に残ったのは、ポルコが第一次世界大戦で目撃したという、戦死した無数のパイロットたちが作る飛行機雲。“雲”の一部になろうとするベルリーニ(2日前にジーナと結婚したばかり)に向かって「ベルリーニ、行くな!ジーナをどうする気だ!俺が代わりに行く!」と叫ぶが彼は行ってしまう。それを“神様に召された”と考えるフィオに対し、「あそこは地獄かも知れねえ」と答えるポルコ。美しくも恐ろしいシーンだ。
/カーチスとの一騎打ち後、ミラノに帰されるフィオがポルコに別れのキスをすると、ポルコが人間の姿に戻ったような描写がある。宮崎監督いわく「人間に戻ってもまたすぐに豚に戻り、10日くらい経つと飯を食いにジーナの前に現れる」。普通のアニメ作家なら、子どもに夢を与えるため、ウソでも“キスで魔法が解けました。めでたしめでたし”とするだろう。“すぐに豚に戻る”というところに、豊かな想像力を持っていながら世の中をシビアに捉えている監督の視点が垣間見える。ただし、宮崎監督はドライに突き放してはいない。食べるという行為は生きている証。“10日もすれば飯を食いに現れる”ことに、人間(豚)の生命力の強さ、ポジティブなタフさを感じさせる。安易にハッピーエンドを語る大人よりよほど信用できる。
リアルな演出は些細な会話にも出てくる。例えば、機体をリニューアルした後の給油シーン。イタリアの3倍もする燃料代に“ボラレてる”と怒るフィオをポルコはこう諭す。「ボッてるんじゃねえ。持ちつ持たれつなんだよ。海も陸(おか)も見かけはいいがな、この辺りはスッカラカンなのさ」。この短い会話に、不況の中を生きる人々、“古き良き時代”という言葉だけで形容できない、現実の重みがある
/公開時に劇場で見ていて感じたのは、大人の男のダンディズムやファシストの時代を描いているのに、随所で子ども達が楽しそうに笑っていたこと。監督と同世代の人が楽しめて、チビッコも楽しめる奇跡のような映画。
本作からは“大好きな飛行艇を描かせてくれ!”という情熱、描きたいものを描いたという作り手の幸福感が画面の隅々から伝わってきた。宮崎監督には続編『ポルコ・ロッソ:最後の出撃』の構想があり、愛機まで決まっているが、「これを作るのは道楽になるので周囲が許さない」とのこと。それくらいの自由は日本国民として与えたいし、国費からまわしても僕的には全く問題ない。宮崎監督は70歳になった。映画が制作できるのは健康なうちだ。晩年の黒澤監督が制作費不足で映画を撮れなかったことを思い出し、金銭的な問題で優れたアーティストが創作活動できないという状況は避けたい。嗚呼、ぜひ観てみたい!
※ストーリーや名セリフ集なども含んだ完全版レビューは邦画コーナーで。
※ポルコのアジトのモデルは、豪州グレート・オーシャン・ロードのロック・アード・ゴージ(Loch Ard Gorge)。行きたい!
※『紅の豚』(Ama※なんでブルーレイを出さないんだろね)
 9月26日…いま国連が熱い。パレスチナ暫定政府が23日に国連へ加盟申請し、正式に加盟が認められるのか世界中が注目している。パレスチナ代表としてアッバス議長が国連総会に登場した時の、あの会場が割れんばかりの拍手!世界は明らかにパレスチナの国連加盟を支持している。これに猛反対しているのはイスラエルと米国。オバマ氏とイスラエルのネタニヤフ首相は「和平は交渉によって実現されるべき」というが、その交渉が何十年も停滞してラチがあかないから今回の加盟申請になってるのに、何を言ってるのだろう。米国がイスラエル寄りなのは分かっていたけど、オバマ氏ならもう少しパレスチナの気持ちを汲んでくれると期待してるんだけどな…。今後の展開は、まず安保理が加盟申請を審理し、安保理15カ国中、9カ国以上の賛成があれば総会に加盟認可を勧告。総会では加盟193カ国の3分の2以上の賛成で、新規加盟が認められる。最大のネックは米国が安保理で拒否権を使うこと。既に米国は拒否権発動をチラつかせている。仏サルコジ大統領は米国をけん制し、「拒否権の発動によって、中東で暴力の連鎖が生じるリスクを考えない者がいるだろうか」と警告している。拒否権を使えばイスラム世界の米国への反発がマックスになるのは目に見えており、これ以上世界情勢の混乱を避けるためにも、もうイスラエルへの一方的な肩入れはやめて欲しいッス。
//2004年にアフリカ人女性として初めてノーベル平和賞を受賞した、ケニア出身のワンガリ・マータイさんが昨日癌のため他界。享年71歳。環境保護活動家のマータイさんは、訪日の際に“もったいない”という日本語と出合い、“この言葉は持続可能社会を実現するキーワードになる”と感銘を受け、『MOTTAINAI』を世界共通語として広めるべく国連でスピーチするなど奮闘していた。マータイさんによると、世界にはコストカットやSaving(節減)という言葉はあっても、「もったいない」のように自然や物に対する敬意(リスペクト)が込められた言葉が見あたらないとのこと。今の時代、71歳はまだ若い。これから益々マータイさんのような人物が必要となる時代が来るので、逝去がとても残念。ご冥福をお祈りします。
//昨日の大相撲千秋楽、5年ぶりの日本人力士の優勝なるかと期待したけど、やっぱり白鵬は強かった…!終わってみれば白鵬が単独2敗を守りきり、20回目の優勝。最後は日馬富士を空中一回転させていた。琴奨菊も稀勢の里も1敗差に迫っていたので、来場所が実に楽しみ。八百長問題とか色々あったけど、今場所のように力の入った勝負が続けばファンも戻ってくると思う。
//今週のジャンプ、『HUNTER×HUNTER』がめっさ良かった(涙)。「この瞬間のために生まれて来たのだ…!!」、ジョジョ・ワムウの最期といい、こういう台詞は胸が熱くなる。巻末の冨樫先生のコメント「(表紙の元気なゴンと連載内容のギャップについて)温度差が激しすぎる」に共感。ヘビーな表紙に出来ないもんねぇ。/『ナルト』も、今のゾンビバトルは新章スタート時に“これは反則だろ”“新キャラ考える努力を捨てたか”とか思ってたけど、今となってみればS級の強さを持つ敵を毎回違和感なく登場させられる点で画期的な演出かも。普通のバトル漫画は、「同時代にどれだけ“最強の敵”がいるんだよ」ってなるけど、過去の伝説の忍を出してくる分には、「あの大物と戦うのか」って緊張感も高まる。しかも、人格をもって復活したゾンビなので、先人たちの子孫に対する想いを知って感動も出来る。岸本先生は「ラストはもう決まっている」と公言しており、総力戦を描きながら最終回に向けて一本道を突き進んでる感じ。/そして『ワンピース』。海軍本部の大決戦後だから、新章が見劣りするのは仕方ないとして…敵方をキャラ立てさせる前に総力戦に突入したせいか、「コイツ誰だったっけ?」の連続で感情移入しにくい(汗)。あまりにルフィ・チームが最強すぎて緊迫感がゼロなのもロー・テンションの原因だけど、これくらい強くなってないと2年間の修行の意味がないし、演出って難しいね。
 9月25日…昨日に続きジョジョの話題特集。集英社新書のサイトに『荒木飛呂彦の奇妙なホラー映画論』(Ama)の刊行に寄せた、荒木先生のインタビュー動画が公開されている。先生は益々お若く、まったく51歳に見えず、冗談抜きで30代前半くらいに見える。2分間の短い動画だけど、とても印象に残ったのが“編集者にこの本の帯のために新しいホラー・キャラを作って描けと言われて大変苦労した”という話。先生いわく、「ストーリーから書かないとキャラができない」。荒木先生が造形するキャラは、全員にバックボーン(背負っている人生)があり、ストーリーの中に必然性があって登場しており、どのキャラもストーリーから離れて独立していない。だから“帯用に新キャラを作れ”と言われても描きようがなく、5回もダメ出しをくらい、悩みまくったという。こういう話を聞くと、ジョジョに登場するキャラクターは、一人一人が作者に愛されていて幸せだなって思うし、読者としても、作者が思い入れを込めて造形しているキャラの物語を読めて幸福だなって感じた。(*^v^*)
//荒木先生が愛聴盤CDなど音楽をめぐって一問一答しているアマゾン×荒木飛呂彦の特設ページを興味津々で拝読。先生が初めて買ったアルバムがイエスの『危機』と知り、学生時代に『危機』を購入したプログレ・ファンの端くれとしてめっさ嬉しかった。先生が好きな映画音楽はぶっちぎりで『夕日のガンマン』、次点に『大脱走』のテーマ(明晩BSでやりますね)。先生の生涯ベストアルバム5作品は『危機』(イエス)、『レイト・フォー・ザ・スカイ』(ジャクソン・ブラウン)、『ヒステリア』(デフ・レパート)、『フィジカル・グラフィティ』(レッド・ツェッペリン)、『ビヨンド・ザ・ミズリースカイ』(チャーリー・ヘイデン&パッド・メセニー)。好きなジャケットデザインの5作品は『危機』(イエス)、『不死蝶』(サンタナ)、『ブラインド・フェイス』(ブラインド・フェイス)、『ブレックファスト・イン・アメリカ』(スーパートランプ)、『アンダーカレント』(ビル・エヴァンス&ジム・ホール)で、『危機』をチョイスした理由は「とにかくロゴのデザインとそして手描きの(CGじゃない)緑色のグラデーション」とのことだった。リンク先には各々の選択理由、若手のお薦めアーティスト、“もし音楽祭を主催できたら誰をブッキングするか”なども書かれています。
//アメリカ人のジョジョラーによる「ジョジョ立ち教室 in USA」のレポートを初夏にアップしましたが、その後、7月末にボルチモアで“Otakon”(オタコン=オタク&コンベンション)が開催され、参加した複数のジョジョファンで荒木先生のアニバーサリー・イヤー(デビュー30周年)を祝し、人文字の“30”を制作したとのこと!このイベントは日本からアニメ監督の石黒昇さんや新海誠さんがゲストで参加するなど、とても大規模なものだった模様!



見事な「30」!左がジョリーンA、ダービー兄、
ダービー弟、ジョリーンB。右がジョニィ、スピ
ードワゴン、ジャイロ、承太郎、ジョセフ、シュ
ガー。ジョジョ立ちUSAのラストに色々追加!
ジャイロの彼は当企画の為1600km(日本なら鹿児
島〜札幌)も長旅をしてき
たそうですッ!(☆o☆)
 9月24日…久々にジョジョの話題特集!8月下旬から3週間ほど日記が止まっていた間に、ジョジョに関する様々な動きがあった。まずは8月23日に朝日新聞の第4面にオールカラーで登場し、ファンの度肝を抜いたファッション誌『SPUR(シュプール) 10月号』の広告!ファッション誌とマンガという組み合わせは斬新。でも、まったく違和感がない!これは荒木先生が描くジョジョ・キャラが、普段から非常にファッション・センスに富んでいるためだろう(配色も実にビビッド)。この10月号には特別付録としてオールカラー16P読み切りの「岸辺露伴グッチへ行く」がついており、ファンには涙モノ。SPURの一般読者はジョジョ未読の人も多いだろうから、どんな風にジョジョ世界が描かれるのか興味深く読んだ。読後の一言は…「上手い!」。グッチのカバンにスタンドを絡め、謎を探りに露伴がフィレンツェのグッチ工場へ行く。グッチとのコラボだからといって露伴がCMを直球でやるわけじゃなく、ミステリー調のストーリーの中に、さりげなくグッチ社の工房職人の誇りや、ジョジョ的な「ゴゴゴ音」が流れるサスペンスが入っている。荒木先生はルーブル美術館で作品が展示されるなど、“マンガ・アート”のアーティストとして海外にもファンが多い。こういう形でジャンプ(UJ)読者以外にも認知されていくのはすごく嬉しいな。/今回、露伴とグッチがリンクしたのは1996年に刊行されたジョジョ第45巻が関係しているのかも。同巻では宿敵・吉良吉影との息詰まる攻防戦の中で、露伴が「グッチの腕時計」を見て時間を確認するシーンが出てくる。その時計は荒木先生が私物をモデルに描いたとのこと。その意味でSUPRは15年前ぶりとなる露伴&グッチのコラボとなった。
文字盤に「GUCCI」
ロゴが見える(45巻)
ドドーンと朝日新聞に登場した岸辺露伴!中央
が「SUPR」10月号、左が読切付録!Ama
/そして!荒木先生×グッチのスペシャル・イベントとして、リニューアル・オープンされたグッチ新宿店の3階にて、9月17日〜10月6日まで荒木先生の個展が開催中ッ!レポート記事を見ると、ショーウィンドウがジョジョ世界にデザインされており、めちゃくちゃカッコイイ!内部は撮影禁止とのことだけど、こちらのWEBにけっこう詳しく内容が掲載されてます(先生も行ったみたい)。あと10日ほどで終わるので、関東圏の人は是非足を運ばれては。大阪にもグッチが5店舗あるので、同企画をどこかで開催して欲しいッス!(>_<)
 9月23日…『キングオブコント2011』、楽しかったデス!“M-1”は上位3組だけが2本目を演れるけど、この大会は8組全部が2本目を演れるので、実力が公平に分かってグッド。今大会の公式結果は1位からロバート、2700、モンスターエンジン、インパルス、鬼ヶ島、TKO、ラブレターズ、トップリードという結果に。/笑いのセンスは各人で大きく異なるので、以下はあくまでも僕の超個人的な感想。自分の中では、TKO、モンスターエンジン、インパルス2本目、2700、鬼ヶ島1本目、ロバート1本目、トップリード1本目、ラブレターズ1本目という順番だった。TKO、モンエン、2700は1本目・2本目両方とも良かった。/TKOの1本目、照明を暗転させて回想シーンでコントをやるのが面白かったし、2本目のポーランド旅行希望の卑劣な爺さんは思い出しても笑ってしまう。モンスターエンジン1本目の“ミスターメタリック”の前口上がいちいち笑え、2本目の遊園地のベテラン・ガイドも動作が面白かった。ただ相手が怒って竹刀で叩きまくるだけのオチは弱く感じた。インパルス2本目の町工場の親父さんは、キャラがめっさ立ちまくり。ああいう真面目な人、好きだなぁ(インパルスは1本目でヨハン・リーベルトのネタをやれば優勝できたのに!)。2700の1本目「右肘左肘」は数年前からのネタだけど、動きのキレ味がアップしていて噴いた。2本目の象のギャンブル「キリン・スマッシュ」は、最初は突拍子もない設定に面食らっていたけど、途中からジワジワきて、完全に2700の世界観に取り込まれてしまった(笑)。当たって喜んでる象も見てみたかったな。鬼ヶ島1本目の腹話術は「助けてくれェエエ!」のところで確変!あれで一気に引き込まれた。鬼ヶ島は芸人の間でも評価が高いとのこと、今後の活動に期待。ロバートは1本目の“接しやす〜い”がツボった。2本目のネタはちょっと複雑。トップリード1本目のタクシーは、台本がよく練られていて、演技レベルも高く、もっと何本もネタを見たくなった。構成力だけを見ればこの日一番なのでは。ラブレターズ1本目の西岡中学校の校歌は面白かったけど、あのまま最後まで同じネタでいくとは思わなかった。/総括としては、どの芸人さんも頑張っていたし、充分に楽しめた。ただ、途中まですっごく面白いのに、最後の1分間に何も新展開がなかったり、オチが予想範囲だったり、“もうひと展開あれば…”と惜しく感じるネタが幾つかあった。あと、ロバートが1本目&登場3番目にして「942点」というトンデモない銀河点を叩き出し、コンテストがある意味あそこで終わってしまったのは残念だった。/「キングオブコント」なんだから、TKO、インパルス、トップリードといった、正統派のコントにもうちょい点が入って欲しかったけど、採点者が全員プロの芸人だから、視点が僕と違うんだろね。来年、またどんな新しいコンビが出てくるのか楽しみ。心情的にはM-1の笑い飯状態になりつつあるTKOに、4度目の正直で王者になって欲しいッス。※ダイノジ大谷さん、あのノーコメントはトップリードが可哀相…。
//琴奨菊が白鵬を破って2敗で並んだ!平成18年の栃東以来、5年ぶりの日本人力士優勝なるか。今場所は緊張感のある取り組みが多く、とても面白い。それにしても白人力士が増えたなぁ。白鵬はアジア代表っていう雰囲気になってきた。
 9月22日…構想10年、サイト開設初期からずっと作成したかった“愛国リベラル史観・近代史年表〜日本と中国編”がついに完成!明治維新〜日清戦争〜日露戦争〜満州事変〜日中戦争という流れを全て網羅。大陸派遣軍の動きだけなく、日本政府、昭和天皇、軍中央の動向も詳しく載せ、文芸ジャンキーならではというか、当時の作家の言葉も入れました。また、従来の左派のように日本軍の戦争犯罪をと糾弾するのではなく、最前線の軍医(精神科)の分析などから、“兵士の心が壊れていく過程”を描き出し、人間全体の体験として捉えようとしています。
/この年表を見てると、日本には勇気を出して軍部の暴走に反対していた政治家や要人が、けっして少なくなかったことが分かります。いわゆる「あの戦争はしかたなかった論」「当時はああいう時代だった論」を真っ向から否定する人々。しかし彼らは「弱腰」「売国奴」とされ、五・一五事件や二・二六事件など、数々のテロで殺害されていきました。軍の中でさえ、永田鉄山のように穏健派は暗殺されてしまった。
/日本はどこでボタンを掛け違えてしまったのか。この近代史年表・日中編の導入部分にして、異なる歴史の可能性があったことを教えてくれる、勝海舟の談話『オレは日清戦争には反対だったよ』を紹介したい。勝海舟は欧米列強のアジア進出に対抗する為に、日本、清、韓国がガッチリとスクラムを組むべきと考えていた。海舟は日本と清がアジアで戦えば欧米が喜ぶだけと思っていたんだ。
「日清戦争はオレは大反対だったよ。なぜかって、兄弟喧嘩だもの犬も食わないじゃないか。たとえ日本が勝ってもどーなる。支那はやはり(謎の)スフィンクスと して外国の奴らが分らぬに限る。支那の実力がわかったら最後、欧米からドシドシ押しかけてくる。つまり欧米人が分らないうちに、日本は支那と組んで商業なり工業なり鉄道なりやるに限るよ。いったい支那五億の民衆は日本にとって最大の顧客さ。また支那は昔から日本の師ではないか。それで東洋の事は東洋だけでやるに限るよ。おれなどは維新前から日清韓三国合従(がっしょう)の策を主張して、支那朝鮮の海軍は日本で引受くる事を計画したものさ」(海舟の談話を収録した『氷川清話』より)
※坂本龍馬は勝海舟の弟子。龍馬が平和的に幕府からの政権委譲(大政奉還)を実現させようとしたのは、西洋列強がアジアに進出してくるなか、国内で日本人同士が戦っている場合じゃなく、一致団結して対抗する必要性を感じていたから。その大局的な視野は海舟の影響が大きい。上記の“日清戦争反対論”も実に海舟らしい発言。欧米諸国の強大な力に対抗するにはアジアが一丸となる必要があり、アジア同士で戦って消耗している場合で はない。つけ込む隙を与えるだけだ。当時の欧米白人中心主義・植民地主義との戦いは、日本だけでは苦しいものだった。だからこそ、日中韓が互いに協力して Win-Winで国力をあげて、西洋列強から権利・独立を守るべきだった。(日清戦争は龍馬暗殺の27年後)
/とにもかくにも、先日アップした「日本と韓国編」と合わせて、これでサイト開設から12年間、保守の若い読者の人がずっと疑問に感じていたであろう「どうしてこの管理人は反戦リベラルなのか」「君が代不起立教師に同情的なのか」という謎が解明されたかと思います。自分の歴史観を説明するのに、12年もかかってしまいスミマセンでした。※引き続き、「日本とアメリカ・東南アジア編」の作成開始!
 9月21日…米国が20年前に打ち上げた大気観測衛星「UARS」が間もなく地球へ落下するため、NASAが「落下注意報」を発表。大気圏に突入すると26個の金属破片に分解され、日本を含む北緯57度〜南緯57度の間に落ち、世界の誰かに当たる確率が3200分の1(約0.031%)とのこと。宝くじで2億円が当たる確率は1千万分の1らしいから、それに比べると3200分の1はかなり高い気がするけど、あるいは宝くじの方があまりにも当たる可能性が低すぎるということのなのかも(汗)。落下時期は9月下旬〜10月上旬。
//俳優の山本太郎さんらが、原発再稼働反対の嘆願書を渡すために佐賀県庁に入ったことを「建造物侵入容疑」で告発された。酷い話だ。僕はその時の動画(3分38秒)を見たけれど、山本さんは現場が熱くなり過ぎるのを、「暴力はなし!」「暴力は誰にもプラスにならない」と必死で自制するよう呼びかけていた。佐賀県知事が九電のやらせメールに関わってたことが発覚しているのに、告発する相手が違うだろう。※ただ、脱原発派が太鼓を鳴らしながら県庁に入るのは個人的にNG。普通に業務中の県職員もいるわけで、ドンチャカ音に引く人も多いかと…。
〔追記〕サイト読者の方から、(1)告訴ではなく告発(2)山本さんピンポイントではなく団体数人が告発された、と教えて頂き上記文章を「告訴→告発」「山本太郎さん→山本太郎さんら」に訂正しました。情報有難うございました。※参考・告発者のブログ(魚拓/「在特会」が同じ事をやれば摘発されるのにと憤ってる…)
//22日に近代史年表・日中編をアップ決定。現在、最後の校正中。ある意味、橋下知事&大阪維新の会に感謝。彼らが良心・表現の自由を圧迫しなければ、僕もここまで頑張らなかった。
//22日夜のイグノーベル賞特集、すっごい楽しみ!世界の知の巨人たちがユーモアを競う。
 9月20日…反原発デモとしては過去最大規模となる6万人のデモが昨日都心で行われた。ノーベル文学賞の大江健三郎さんも参加。ついに5万人を超える規模の反原発デモが実現。一方、野田新首相は来夏までに原発を再稼働させる気マンマンとのこと。原発の現実的な代替エネルギーとして、「液化天然ガス(LNG)発電」を導入すれば電力不足をクリアーできると、様々な学者が提言しているのに、なんで再稼働にこだわるかな。記事には「今夏の電力不足が回避できたことから再稼働は必要ないとする見方については“あり得ない”と否定した」とある。なぜ“稼働中止も含めて選択肢を吟味する”“LNG発電の導入を急ぐ”ではなく、「あり得ない」という一択で断言するのか。野田首相、頼むわ…。
 9月19日…台風15号のコースがえげつないので皆さん御注意を。今年は一体どうなってるんでしょうね。//日中近代史年表をアップする前に、講談社学術文庫の『昭和天皇語録』をさらに読み込み中。詔書と本音は異なり、宮中ではかなり反軍的な言葉が多く、「陸軍が馬鹿なことをするから、こんな面倒な結果になったのだ」「(二・二六事件の反乱将校に怒り)私が最も信頼する老臣をことごとく殺すことは、真綿(まわた)で私の首を締めるに等しい行為だ」など、冗談抜きで一般人なら反戦思想が治安維持法違反となり憲兵に連行されるレベル。日米開戦にも理路整然と一貫して反対してる。いろいろ目からウロコ。

 9月18日…大河ドラマの江、“関ヶ原の合戦”がまさかのナレーション(15秒)で終わり、なんと小早川秀秋の“こ”の字も出ず!主人公は徳川家に嫁いだ人間であり、他の大河ドラマ以上にじっくり展開すると思ったのに…!まとめブログにも書かれてたけど、まるまる一話分を見逃したかと思った。(涙)
//2011年12月23日、大阪で第15回サイト・オフ会を開催します!詳細後日。
 9月17日…シリア軍の市民への無差別発砲。滅茶苦茶な指令が出ている。「軍の内部では、デモの参加者は全員テロリストで、女性や子どもも爆弾を隠し持っている恐れがあるので、ためらいなく発砲するよう、命令されている」。こういう状況になると政権はもう終わり。以前ダマスカスに行った時に、いろんな人に親切にしてもらったので、市民の被害が心配。リビアのように軍が寝返ってくれないのは、アサド政権がカダフィ以上に軍を洗脳しているということか。国連をはじめ国際社会は、内政介入へのためらいで動けないけど、人道的介入を早くしないと犠牲者が増え続けるだけで解決しないと思う。
//インドでは続発する政治家の汚職に抗議して、社会運動家アンナ・ハザレ氏がハンストで政権と対決。政権が折れた。「現代のガンジー」といわれるハザレ氏。地味に見えるハンストが、今の時代でも有効なインド社会にグッと来た。国によっては、ハンストでさえ軍や秘密警察に拉致されてそのまま消息不明になってしまう。
//今年の当サイトのオフ会は会場の抽選の結果、12/23になりました。去年と同じで、年末の一番ドタバタしている時期(汗)。ただ翌日が土曜なので遠方の人も大阪へ来やすいかも。近日、詳細ページをアップします。
 9月16日…ゲーテいわく「建築とは氷結した音楽なり」。土曜夜の『美の巨人たち』は個人的に世界最高の建築物と思っている、スペイン・バルセロナのサグラダ・ファミリア聖堂!人間の想像力の極限というか、まさにゲーテの言う音楽がそこにある。設計者のアントニオ・ガウディが交通事故で急死してからも、弟子たちが造り続けている。必見デス!(グーグル画像
//『ヤッターマン』の“ドクロベエ”など特徴のある声で知られる滝口順平さんが先月29日に他界。享年80歳。様々なロケ番組のナレーターとしても親しまれてきた。ご冥福を祈ります。
//僕の視点から見た日本と韓国(朝鮮)の近代史年表を11日の日記に、そして日本と台湾の近代史年表を12日の日記にアップしています。前向きな空気がもっと生まれるといいな。
 9月15日…今夜のNHKを見てサイトにアクセスして下さった方、訪問して頂き有難うございます!世界のお墓巡礼のページは、名前別の目次、地域別の目次、詩人や音楽家などジャンル別の目次に入口が分かれています。どうぞ、ごゆっくり!
〔追記〕放送を見たら、ゴッホの墓がなぜ1位なのか力説したとこが半分以上カーット!ギャース!あれは不遇な生涯を送ったゴッホ兄弟が、死後も離ればなれならないようにと、弟の妻ヨハンナがツタを植え、それが成長して兄弟の墓をひとつにしているところに胸を打たれたのデス。彼女は兄弟の墓に次の言葉を捧げました「二人は生くるにも死ぬるにも離れざりき」(サムエル記)。コチラに巡礼レポをアップしています!r(^_^;)
※ノートPCの上にイギーが、そして背後にジャイロがいたのですが分かりましたか?(笑)
 9月14日…(つづき・最初は9/7分)日記を再開!3週間も止まっていたので、大量更新になるのは確実なので、9月7日付近に遡って書き始めます!

 9月13日… “愛国リベラル史観・近代史年表シリーズ”の第3弾「日本と中国編」、最後の校正に時間がかかっており、20日前後にアップします!
 9月12日…(つづき・その6)
“愛国リベラル史観・近代史年表シリーズ”の第2弾「日本と台湾編」をアップ。東日本大震災に際して、200億円を超える莫大な義援金が集まったように、台湾はアジアの中でも親日ぶりが際立っている国だ。日本のアイドルも大人気だし、植民地時代(1895〜1945)に巨大なダムを造った八田與一(はった・よいち)さんは今でも慕われている。ただ、今の親日感情だけを見て、「日本の統治が成功した証拠」「台湾人は日本の植民地政策に感謝している」と結びつけるのは、あまりに短絡的。いま台湾が親日なのは、日本が50年統治した後に大陸からやって来た、蒋介石と国府軍の統治があまりに酷すぎたからだ。台湾には「犬(日本)が去って豚(国民党)が来た」という言葉がある。犬はうるさくても役に立つが、豚はただ貪り食うのみという意味だ。僕らは台湾の人々の好意に甘えるだけじゃなく、抗日運動の弾圧、産業の乗っ取りなど、日本が台湾を統治した50年間にやったことも事実として記憶しておかねばならない(卑屈になれと言ってるんじゃなく、良心の問題として)。こうした複雑な過去があるだけに、温かい心で接してくれる台湾の人々の、その深い優しさがいっそう胸を熱くさせる。
※明日は“本丸”の中国編。日清戦争〜満州事変〜日中戦争の過程を、日本軍部の派閥抗争、政党政治が崩壊した五・一五事件、二・二六事件、国家総動員法など、国内情勢も詳細に解説しながら描き出す所存。明治維新から真珠湾までを網羅した戦前史の集大成。
 9月11日…(つづき・その5)
サイト開設から12年。以前から作成しようと思いつつ、執筆に膨大な時間がかかることが分かっていたので、ずっと先延ばしにしてきたもの、それが愛国リベラル史観の“アジア地域の近代史年表”。「日本と韓国・朝鮮編」「日本と台湾編」「日本と中国編」「日本とアメリカ・東南アジア編」の4つで構成され、明治維新後の日清戦争から1945年の終戦(韓国編は朝鮮戦争)までを、年表に解説コラムをつける形で作成してます。僕はいかなる政党、政治的市民団体、宗教団体にも属しておらず、単純に「何があったか」、事実を知りたいだけ。保守、リベラル、双方の研究者の本を読み、可能な限り数字のウラをとりながら書きました。
最初にアップするのは「日本と韓国(朝鮮)編」。日韓併合、創氏改名,、強制連行、関東大震災、植民地経営の数字のまやかし、イザベラ・バード「朝鮮紀行」のデマ、福沢諭吉「脱亜論」のデマ、いろんなトピックに触れています。以前、僕はソウルの刑務所歴史館を訪問した。そこは多数の政治犯が日本の官憲に処刑された場所。その歴史館でもらった小冊子には、一言も「日本は謝罪せよ!」なる文言はなかった。また、独立記念館の入口にある言葉は『過去の不幸な歴史の加害者を許すことは出来ますが、これらは決して忘れてはならないことです。日帝占領期の歴史を展示することは、過去の苦痛を記憶することだけが目的ではなく、共に発展的な未来を目指そうという意思の表れなのです』とある。韓国の一般の人々は、半世紀も前のことを謝罪して欲しいというよりも、日本人が過去の歴史を学ぶことを第一に望んでいる。被害者数や法律の上での「正しさ」にこだわるあまりに、相手を嘘つき呼ばわりする態度は、過去を忘れ去ろうとする姿勢に映ってしまう。奪ったものの大きさを理解することなく、「〜してやった」という発言の傲慢さが、どれほど相手を侮辱し失望させることか。日本人の美徳である謙虚さを忘れてはならない。超気合いを入れて書いた序文「この近代史年表シリーズを作った目的」から年表本体、あとがきまで、かなりの長さだけど、これより短いと不完全年表になるので削れないデス。年表のトピックから“こんな日本人もいた”ということを紹介してくて、以下のトピックを抜粋しますね。
〔民芸学者、柳宗悦(やなぎ・むねよし)の戦い〕
日本人の中にも独立運動への弾圧を批判する者がいた。東京出身、民芸学者の柳宗悦だ。父親は海軍少将。僕らが普通に使っている“民芸品”という言葉は柳の造語だ。雑誌『白樺』の創刊にかかわり、ゴッホの“ひまわり”を日本人に紹介した。柳は日韓併合から5年後、朝鮮旅行をきっかけに李朝の磁器など朝鮮工芸に魅了された。30歳の時に「三・一独立運動」が勃発。すぐさま「反抗する彼らよりも一層愚かなのは、圧迫する我々である」と武力に頼った植民地政策を強く批判し、日本の新聞に論文『朝鮮人を思う』を寄せた。「余は朝鮮について知識のある日本の識者の思想が、深みもなく温か味もないのを知り、隣人の為にしばし涙ぐんだ。日本の古美術は朝鮮に恩を受けたのである。法隆寺や奈良の博物館を訪れた人はその事実を熟知している。我々が今国宝として海外に誇るものは、殆ど大陸の恩恵を受けないものはないだろう。しかし今日の日本は報いるのに朝鮮芸術の破壊をもってしたのである。余は世界芸術に立派な位置を占める朝鮮の名誉を保留するのが日本の行なうべき正当な人道であると思う」。これは日本国内のみならず半島でも大きな反響を呼んだ。柳は民芸学者の立場から文化の多様性を重んじ、戦時中は日本が行った強引な同化政策を批判し、勇気を込めて軍国主義の放棄を説いた。民芸品に対する愛は、朝鮮や沖縄の独自文化への敬意に昇華され、各地域の生活様式を尊重せよと生涯にわたって訴えた。40歳の時には京城(ソウル)に朝鮮民族美術館を開設している。
※現在日本で国宝に指定されている飛鳥仏の大半が朝鮮半島からの渡来人によって彫られたものであり、法隆寺の百済観音のように直接海を渡ってきた名仏も多い。
※明日は「台湾編」をアップしますね。
 9月10日…(つづき・その4)
僕がこれほどコミュニケーションにこだわるのは、人間が身を犠牲にして他人を救うような英雄的行為をする一方で、簡単に差別主義(レイシズム)に刺激されてしまう弱い部分があるから。ネットでも、誰かを賞賛するトピックより、糾弾するトピックの方が爆発的に伸びる。アウシュヴィッツ、ルワンダなど、人類は何度も他者と自分との“違い”を強調する勢力に踊らされ、愚かな虐殺を行ってきた。スターリン、ポル・ポト、文化大革命などの粛清は、支配者個人の力だけでは不可能な規模であり、民衆が密告するなど抑圧者に荷担したから虐殺が起きた。飛び交う言葉は「売国奴」「スパイ」「非国民」「劣等民族」。1980年代、分裂前の旧ユーゴスラビアでは、セルビア人、クロアチア人、ボスニア人が良き隣人として共存し、民族の関係なしに結婚も行われていた。それが民族主義者の台頭で、東欧革命からたった1年で泥沼の内戦に突入し虐殺が起きた。ルワンダでもツチ族とフツ族が普通に隣接して暮らしていたのに、メディアから流れる差別主義者の煽りを受けて3ヶ月で100万人が虐殺されてしまった(この惨劇は大昔の話じゃない。1994年、つい最近の話だ)。パレスチナでさえ、ユダヤ人とアラブ人が平和的に暮らしていた時期(20世紀初頭)があった。
我が家の本棚には9.11事件の翌年に敢行された『世界戦争犯罪辞典』という、黒塗りの装丁のズシリとした本がある。750ページにわたって、19世紀末から21世紀初頭にかけての、世界中のありとあらゆる戦争犯罪が記録された地獄の一冊。黄金期のジャンプに連載されていた『幽☆遊☆白書』で人類を護り続けた男(仙水)を、一発でダークサイドに堕としたビデオテープ“黒の章”のある意味リアル書籍版だ。読んでも読んでも、延々と集団虐殺、戦争犯罪が続き絶句してしまう。それも、人権意識が未発達な中世ではなく、ここ100年間に。僕は人間が好きだし(弱さを含めて)、数々の芸術作品を創造してきた素晴らしい生物だと思っている。でも、負の感情を執拗に刺激されると、憎悪と憎悪がぶつかるまでアッという間だ。そのモロさを恐れている。
僕は墓巡礼がライフワークなので色んな国の墓地を訪れている。世界大戦の激戦地やかつて軍政だった国では、墓地の片隅で同じ死亡日の墓が一面に並んでいる光景に出合う。本当に居たたまれない。アウシュビッツやアンネ・フランクが死んだベルゲン・ベルゼン収容所の跡地に行くと、これだけの悲劇が起きたのに、その後も人類はまだ排外主義やレイシズムと訣別できず、死者の教訓を生かしていないことに慄然とする。日本、韓国、中国、どの国にも良い奴もいれば悪い奴もいる。ネットの大型掲示板では韓国人や中国人をひとくくりにして差別用語で罵っている光景が日常的に展開されており(10年前はそういう言葉を使う人がいたら「やめときな」と声をかける人も多かった)、そんなこんなで僕は危機感を捨てきれないでいるのです。(つづく。あと3回!)
 9月9日…(つづき・その3)
「フジTVのゴリ押しが台湾流なら問題なかった」という意見にコメントを書く前に、反韓流派の読者の方は、“管理人はここまでフジの強引な韓流押しを把握しながら、どうして反韓流の立場をとらないのか”と、もどかしく思っている人もいると思うので、そこを先に書きたい。簡単に説明できる。「国家の衝突はコミュニケーション不足が原因で起きることが多い」からデス。人間は本能的に未知なるものを恐れ、排除する傾向がある。人類の歴史を紐解くと、排他的な行動を双方がとった末に悲惨な戦争になったケースばかり。もっと普段から交流していれば、相違点より共通点の方が多いことに気付き、多少の意見の違いがあっても尊重できたはずなのに。1990年代まで、韓国は“近くて遠い国”と言われ続けてきた。実際、一般市民がどんな暮らしを送っているのか情報がなかった。でも、03年以降、“近くて遠い国”という言葉を聞かなくなった。その年、『冬ソナ』が韓流ブームを巻き起こし、同時期に次々と入って来た韓流ドラマで、彼らの生活スタイルや大切にしているもの(家族、友人、趣味など)が僕らと殆ど変わりないことが分かったからだ。芸術(ドラマ)が長年両国の間にあった見えない壁を、いともたやすく取り除いた劇的なムーブメントだった。そういう意味で、韓流ブームそのものは歓迎している。韓国においても、一昔前は日本文化は徹底して排除されていたのが、若者の間で日本の漫画やアニメが人気を集め、村上春樹の小説が大ベストセラーになるなど、政治がギクシャクしても“良いモノは良い”と認められるようになった。ここでも芸術が持つ「突破力」がいかんなく発揮されている。フジがサブリミナル演出や調査方法不明のアンケートを駆使して利益をあげているのは非難されて当然、一方、韓流そのものは相互理解に役立つし気楽に楽しめば良い(視聴率が下がれば自然と消えていく)、そんなふうに考えている。映画館に行けばハリウッド映画=“米流”だらけだけど、日本映画は滅んでないし良作が毎年生まれている。ドラマもそれと同じだ。(つづく)
 9月8日…(つづき・その2)
(5)関西の人間には韓流押し=日テレ。毎日おすすめ番組情報を更新していて気付いたんだけど、先月末のテレビ番組表を見ると、大阪では主要地上波4局は韓流ドラマを1本もオンエアしていない。東京の人には信じられないかも知れないけど、フジテレビ系列の関西テレビを含めて“ゼロ”だ。一方、全国共通のBS民放を調べてみると、オンエアされる韓流ドラマの数(のべ)は、朝日が16本、フジが11本、日テレが「24本」、TBSがわずか5本で、日テレがフジに倍以上の差を付けて大量オンエアしている。事業収入を見ても、日テレは民放トップの2777億円で、フジの1717億円を大きく引き離している。だから、反韓流というならフジだけでなく日テレも問題では。※関東の番組表をネットで見たら、地上波フジは平日の14時から17時まで韓流ドラマを連日3時間もオンエアしていた!毎日毎日、午後に3時間。俳優の高岡蒼甫さんがツイッターで「韓国のTV局かと思う事も」と呟いたのも納得。
(6)「JAP18」や浅田真央選手に対する非礼について、フジを擁護する気はまったくない。この問題についてフジは誠意のある回答を早急にすべき。
(7)それでは、実際に韓流に文化侵略を感じるかといえば、日本文化は強力な個性とオリジナリティーがあるので、危機感を持つほど韓流を脅威に感じたことは一度もない。この程度で傷つくほど日本文化はヤワじゃない。それに保守系のフジ・サンケイ・グループは原則「親米・親韓」であり、連日の韓流3時間は番組制作費を安くでき(日本の3分の1)、そこそこ視聴率もとれるという、商売人の非情な現実路線を反映しているのだろう。※だからといって、「JAP18」など悪意のある演出や、コストカットを重視して番組制作力が低下することを問題にしなくていいわけじゃない。こんなことを続けていては、企業として早晩黄昏れていくだろう。
(8)デモの主催者は、「デモはあくまでフジの『偏向報道』や韓流のごり押しに対する抗議。『反韓』『嫌韓』という主張ではありません」と念を押し、動画(2分10秒・ニコ動)でも右派メディア『チャンネル桜』と戦っていることから、「偏向報道」を何とかしたいという思いが伝わってきた。
(9)一方、山野車輪氏が「台湾流であればこのようなデモは起きなかったと思います」と指摘するように、デモ参加者の中には「建前は“偏向報道”反対、本音は、反韓・嫌韓」という公言してはばからない人もいる。実は、これらの言葉が、今回のフジ・デモで一番印象に残った。このことを切り口に、胸の内をさらに語りたいと思う。(つづく)
 9月7日…フジテレビに対する「韓流押し反対デモ」について、僕は9つの角度からコメントしてみようと思う。マスコミ界の問題点がいろいろ浮き彫りにされたことは積極的に評価したい。
(1)「クロスオーナーシップ」の弊害…新聞社と放送局が系列化するクロスオーナーシップ。日本では新聞社がテレビ局を系列化している(読売新聞→日テレ、朝日新聞→テレ朝など)。これでは新聞とテレビで相互批判ができない。欧米の先進国の多くでは、メディア間の相互チェックや言論の多様性を重視して新聞社と放送局を切り離す制度や法律が設けられている。今回、フジ前にデモ隊が溢れていたことを、系列の産経新聞はもちろんのこと、大手メディアは申し合わせたように報道を見送った。これは健全とはいえない。
(2)濡れ手に粟(あわ)の電波ビジネス…テレビ局は公共の電波を利用しているため毎年利用料を払っているけど、それが格安すぎる。例えば日テレの場合、売上高2777億円に対して、年間に支払う電波利用料は738分の1である3億7600万円。全国のテレビ局の売上総計約3兆円に対し、電波使用料は42億4641万円だけ。自局番組の中で出資映画の告知や番宣が繰り返され(宣伝費無料)、番組内で番組DVDを宣伝し、テレビ通販をひっきりなしに流すなど、テレビ局各社は売上げに比べればタダ同然の金額で電波を好き放題使っている。フジ社員の平均年収1457万円というのも浮世離れしている。電波オークションを導入して、実態に見合った電波利用料を設定すべき。
(3)企業倫理への疑念…フジは関連会社がK-POPの日本での音楽著作権をごっそり握っているので、K-POPがブームになると万々歳。でも、テレビ局が意図的に流行を作り上げることは一種の「やらせ」で視聴者を欺いているし、作り上げた流行で金儲けをするのは公共の電波の私物化だ。リンク先ではフジの不自然な韓流押しの実例をあげている。
(4)現場はどうなっているのか…今年、ヒロシマ原爆投下日の翌日(8/7)のドラマで、出演者が「リトルボーイ」(原爆の名前)と書かれたTシャツを着ていたことから、後日広島県が抗議をしたと報道。フジは“他意はない”とのことだけど、現場にはカメラ、音声、照明、たくさんのスタッフがいたはずなのに誰一人気付かなかったのも問題かと。また、ドラマ『それでも、生きていく』では番組に登場した架空の週刊誌に「JAP18」という文字があり、韓国語で発音すると「ジャップの馬鹿野郎」になるらしい。また、架空雑誌の発行日がフジ・デモのあった“8/21”になってるとか、何を考えてこんなくだらない事するんだろね。(つづく)






【最新ランク】 DVDトップ100 本のベストセラー100 音楽CDトップ100 玩具のトップ100/(GAME)


愛と狂気のメインページにGO!!