炎のド名作邦画ベスト333

  101位〜200位   

1〜100位  201〜333位  ※邦画総合ランク

101.茶の味('03)143分
個性爆発の登場人物たちが織り成す人生模様が楽しい。空一面の夕焼けや雨の田園、桜の木など、劇中にたっぷり挿入される自然の映像に癒された。超シュールな曲「山よ」が頭から離れない(笑)。
※っていうか、3分間しかない『山よ』が単体でDVD化されていることに仰天!

 
102.破戒('62)119分
島崎藤村原作。差別を恐れて部落出身ということをひたすら隠し、自分を偽り生きる青年教師・丑松の苦悩を描く。教壇に立ち生徒の前で慟哭する場面は観ていて胸が詰まった。市川雷蔵と三國連太郎の迫真の演技に心を鷲掴みにされた。

 
103.十三人の刺客('63)125分
時代劇ファンはぜひ観て欲しいッ!暴虐の限りを尽くす将軍の弟を葬る為に集まった13人の暗殺部隊が、数に勝る相手を出口のない迷路に改造した宿場へ誘い込み、様々なトラップを駆使して立ち向かうんだ。緊迫した大殺陣に手に汗握ること必至の集団抗争時代劇ッス!

 
104.ツィゴイネルワイゼン('80)145分
サラサーテ(スペインのバイオリン奏者・作曲家)の1枚のレコードをめぐる男女の奇妙な縁。これほど匂いたつような、妖しく異様なムードが作品全体に漂っている邦画はない。「皮膚の下にある骨を愛している」という感覚を、これ以降自分も心の隅で意識するようになった。それにしても、あの原田芳雄の強烈な存在感!監督は奇才・鈴木清順。

 
105.機動戦士ガンダム II 哀・戦士編('81)134分
うおお!ガルマの散る第1作やア・バオア・クー戦のある第3作も素晴らしいけど、僕はランバ・ラルや水陸両用モビルスーツ、黒い三連星が活躍し、ジャブロー攻防戦のある第2作が一番好きだ!とはいえ、TV版のダイジェスト&第3作への中継ぎということで、単体の映画としては全く成り立っていない。だがそんなことは関係ない。クライマックスのジャブローで「哀・戦士」がBGMで流れた瞬間に、全細胞60兆個にアドレナリンが供給され激興奮!テンションがマックスでスパークするのだーッ!
※だがしかし!DVDは版権の問題(?)で「哀・戦士」がジャブローで流れず、カスみたいなBGMが入ってる。EDになってようやく流れるが、EDではダメなのだ。ジャブローで流さないと意味がない!怒り狂ってDVDを叩き割ったファンも多いときく。劇場オリジナル版の発売を切に願う!

  ←アマゾンのレビューはファンの怒りと悲しみが渦巻いている。バンダイは猛省すべし!
106.バトル・ロワイアル特別編('01)122分
国家が中学生に無人島で殺し合いをさせるというトンデモ設定なので、観る前は命をゲームに使う酷い映画という先入観を持っていた。国会で問題になりPTAからも批判された。しかし、実際に観てみると、命を粗末にするどころか、命の大切さを訴ってくる感動作だった!生徒の大半は決して人殺しを楽しむような殺人狂ではなく、“どうすれば戦わずに皆で生き延びられるか”を懸命に模索していた。昨日までの友人を簡単に殺せるわけがない。国家に命じられて人を殺すくらいなら死んだ方がマシと、自ら命を絶つ者も出てくる。この映画では殺し方ではなく、戦わなくてすむ方法を子ども達が考えてるんだ。最も胸が締め付けられたのは灯台組の運命。仲良しグループがささいな誤解から一瞬にして全滅するのは衝撃的だった。相手を信頼しきれなかったことが引き起こした悲劇だった。バッハのG線上のアリアに乗せて死亡者名が読み上げられる定時放送のシーンは本当に悲しかった…。これから観るという人は、ぜひこの追加撮影が加わった特別篇を観て欲しい。登場人物の重要な過去が描かれ、グッと物語が深くなっている。
国家がある日突然武器を渡して殺人を命じるなんて荒唐無稽な話と思うけど、半世紀前は召集令状という形で現実にあったことだ。問答無用で人殺しにさせられる。監督の深作欣二は第7位「軍旗はためく下に」を撮った人物であり、作品に込められたメッセージは重い。
※R-15指定を受けた為、中学生以下は鑑賞できない。

 
107.書を捨てよ町へ出よう('71)138分
これほどオープニングで面食らう映画は、邦画に限らず洋画を含めても他にないんじゃないかな。映画が始まると同時に、スクリーンの中から一人の青年が観客に向かって「やい!外は明るいのになんでこんな暗闇にいるんだ!?」「映画館で現実逃避しやがって!」「映画なんか観ずに世間の中で生きろ!」などと、まくしたてられるんだ。なんで金を払ってスクリーンの人間から怒られなくてはならんのか(笑)。映画の最後にもその青年が出てきて、「これ全部架空の話なんだぜ。役者が演じてるんだぞ」とツッコミを入れてきた。観客に何か恨みでもあるのかッ?でもそこが大好き。(劇中に何度も出てきた落書き“中途半端はやめて!”が脳裏に残る)
※30年前の若者はよく読書してたからこのタイトルが付いたんだろうなぁ。今は書を捨てて町に出すぎッス。

 
108.エヴァンゲリオン/まごころを君に('97)87分
「もうイヤだ。死にたい。何もしたくない」
「何甘ったれたこと言ってんのよ。立ちなさい。あんたまだ生きてるんでしょ。だったらしっかり生きて、それから死になさい!」

この作品は唾棄すべき最悪の前作『シト新生』を補う形で、わずか4ヶ月後に公開された。圧倒的な画力、たたみかけるような演出、クラシック中心のBGM、どの点でも充分期待に応えていた。ネルフ本部襲撃シーンは実写以上の緊迫感。

時は2015年。“使徒”と名付けられた複数の生物が、国連の特務機関ネルフの管理下にある生物“アダム”と接触するために、ネルフを襲撃し始める。使徒がアダムと接触すると世界が滅ぶと言われており、人類は“アダム”の細胞から巨大人造人間エヴァンゲリオン(エヴァ=イヴ)を作り出し、使徒を迎撃する。エヴァンゲリオンは一見ロボットに見えるが、それは装甲板(拘束具)を着けているからであり、中身は生物である。主人公はこのエヴァの体内に入り、精神をシンクロ(調和)させて意のままに動かす少年だ。少年はこの世に自分の存在価値を探し求めており、全編が彼の魂の成長記録と言って過言ではない。
キャラクターの内面描写が最重要視される、従来のSFアニメの範疇には入らない渾身の力作だ。

聖書に関する予備知識があれば様々な複線を楽しむことが出来る。エヴァ研究の第一人者yasuaki氏によるサイト「エヴァを理解する為に最低限必要なキリスト教の知識」がお勧め!

【ネタバレ文字反転】
…と、まぁこれだけ伏線を張り脚本を練った作品だが、後半に実写で観客が映し出される部分、あれは何とも気まずい最低の演出だった。皆、映画館へ架空世界を楽しみに来てるんだから、そんなエグイやり方で強引に現実へ引き戻さなくてもいいじゃないか。それが監督の狙いでも、映画でこれをやるのは反則。
ラストの「気持ち悪い」については、あれは“現実世界は厳しいが頑張って生きていけ!”という、監督の前向きなメッセージだと僕は受け取った。良いメッセージじゃないか。だからこの映画をベスト100圏内に入れた。

【ネット掲示板より〜たぶん正しい・エヴァの基本設定】
宇宙のどこかに第一始祖民族という神に近しい生命体がいた。それらが宇宙さびしくね?もっと生命を増やそうぜ!って月の中に生命の元と、生命を消す物(ロンギヌスの槍)をワンセットにして宇宙に沢山飛ばした。地球にはまず白き月の生命の元(アダム)が到着したが南極さみーって寝てるうちに黒き月の生命の元(リリス)も地球に落ちた(ファーストインパクト)。リリスより生まれた生命が栄え、人間が生まれ南極のアダムを発見。すげーって、いじって遊んでたらセカンドインパクト起きちゃった。その衝撃でアダムは離散しそこから使徒が生まれた。使徒は一つの星に栄える生命は一つでいい!サードインパクトで人類滅ぼす!ってせめてくるとかそんな感じ。


 

109.サマータイムマシン・ブルース('05)107分

怪作SFコメディ。真夏、四国のとある大学・SF研究会の部室。クーラーのリモコンにコーラがこぼれて壊れてしまった為、タイムマシンで昨日に戻って“壊れる前のリモコン”を取ってこようという、それだけの話。シュール!タイムトラベルによって生まれた矛盾を修正するために、必死こいて奮闘する部員たちが可笑しい。2度目に見ると、冒頭の数々の伏線に目からウロコ!

 
110.地雷を踏んだらサヨウナラ('99)111分
1973年に26歳の若さでカンボジアに散った戦場カメラマン、一ノ瀬泰造の生き様を描く。彼は内戦状態のカンボジアで、傷ついた子どもや弱者の現状を世界に伝えようとしていた。映画の撮影はカンボジアの現地ロケで行なわれたので非常にリアリティがある。アンコールワットの古代遺跡が眼前に広がった時、主人公と同様、僕もスクリーンの前で息を呑んで固まった。浅野忠信はボクトツとした話し方&抑え気味の演技なのに、とても大きな存在感がある。彼は今の日本映画界の宝だね。

 
111.利休('89)123分
秀吉(山崎努)と利休(三國連太郎)の精神戦は息詰まる対決だった。長次郎の作陶シーンが出てきたのは茶碗ファンとして涙そうそう。黄金の茶室での茶会、朝顔を切り取った茶会、歴史上の名場面が登場するたびに「おお〜!」と見入ってしまった。信長には黒人の従者がいるなど、よく史実を調べてあると感心。朝鮮出兵にハッキリと異を唱える利休がカッコイイ!

 
同111.それでもボクはやってない('07)143分
『Shall we ダンス?』『シコふんじゃった』など人気娯楽映画を生み出してきた周防正行監督の10年ぶりの新作。今回は日本の裁判制度の欠陥をとりあげたド硬派シリアス作品。主人公は痴漢犯として逮捕された無実の青年。逮捕から裁判所での判決に至るプロセスを、2時間23分をかけて徹底的にリアルに描く。彼は留置場でも司法の場でも「やってない!」と訴え続けるが、警官も、検察官も、裁判官も聞く耳を持ってくれず、「疑わしきは有罪」としてベルトコンベアに乗せられたまま事態が進んでいく。無実を証明したくても保釈してもらえず、否認を続けると「反省の態度が見えない」として、印象が悪くなってしまう矛盾。公判の途中で裁判官が突然交代することがあるなど、本作では一般人がなかなか知る機会のない“司法の常識”が多く登場する。無罪判決の出る確率が千件に一件しかなく(つまり99.9%が有罪)、無罪は検察の顔に泥を塗る行為であり裁判官は出世を諦めないと無罪を出せない、なんて実態も。地味な映画だけど、普通の人は一生経験することがないであろう、逮捕→勾留→起訴→裁判という体験を味わうことで、「初めに有罪ありき」という司法制度の問題を知る貴重な機会になると思う。長編だけど、緊張感が持続しラストまで飽きさせないのは、さすが周防監督。「日本の裁判は真実を追究する場ではない。とりあえず有罪か無罪かを決める場にすぎない」という言葉が重い。

 
112.続・男はつらいよ('69)93分

シリーズ第2作。マドンナは佐藤オリエ。寅は実母が生きていることを知り、再会したくて京都へ。寅もタジタジのキョーレツなおっかさん!山崎努が若くハンサム。ハナマルキのCM「おかーさーん」を絡めたギャグに爆笑!

 
113.華の乱('88)139分

歌人・与謝野晶子の視点で大正時代の人々を描いた大作。吉永小百合が晶子、緒形拳が与謝野鉄幹、松田優作が有島武郎、風間杜夫が大杉栄、松坂慶子が松井須磨子、蟹江敬三が島村抱月に扮するという、あまりに豪華すぎるキャスト。大正文壇だけでなく、大杉栄らアナーキストに対する憲兵の弾圧も描かれていることで深みが出た。フィクションの嵐ではあったが(汗)。

 
114.パプリカ('06)90分

今敏監督の訃報を聞いて、その日の夜にツタヤで借りた。あの美しくも悪夢のような映像世界は今敏監督しか創り出せないもの。享年46歳はあまりに短い。10年後、20年後の作品をもう見られないのは残念過ぎる。

 
115.力道山('04)137分※韓・日
朝鮮名・金信洛(キム・シルラク)、日本名・百田光浩、リングネーム・力道山。朝鮮に生まれ、日本の国民的ヒーローとなり、最後はヤクザに腹を刺されて39歳で他界した。その波乱万丈の生涯を『シルミド』のソル・ギョングが熱演。圧倒的な演技力で2時間17分を見せきった。体重30キロ増の肉体改造は凄すぎ。八百長の約束を無視して大暴れするなど、吹替えなしの試合シーンはめっさ迫力。武藤や船木ら本物のレスラーも俳優として良い演技をしており、撮影翌年に急逝した橋本選手が映った時は熱いものが込み上げてきた。マネージャー役の荻原聖人、妻役の中谷美紀も好演!

 
116.戦場のメリー・クリスマス('83)123分
インドネシアの日本軍の捕虜収容所が舞台。英兵捕虜のデビッド・ボウイが花を食べるシーン、そして処刑の場で収容所長(坂本龍一)を抱き寄せるシーンは、実に官能的で美しい。坂本のエモーショナルな音楽は、全編を通して効果的に使われていた。たけしが鬼軍曹を演じ、役者として開花。戦犯として処罰されるたけしのラストシーンはあまりに有名。

 
117.ドラえもん・のび太と雲の王国('92)100分
藤子・F・不二雄の晩年の作品。このハードなシナリオには驚いた。雲の上に住む天上界の人々が大気汚染に苦しみ、地上の人類の世界を滅ぼそうというんだから(その名も“ノア計画”)。地上人代表のジャイアン、しずか、スネ夫の3人が、天上界の裁判で突きつけられる人類の罪状がリアル。「これ以上人類にオゾン層を破壊されては困る」「核戦争が起きれば天上界も吹っ飛ぶ」。人類の残虐性を主張する証言者として、象牙狩りにあった象、熱帯雨林を伐採され住みかを失った猿などが証言台に立った(酸性雨の問題まで指摘されていた)。巷の映画評には“説教臭い”という意見もあるけど、僕はむしろ娯楽作品のドラえもんにさえ、こうしたメッセージを盛り込まずにはいられなかったF・不二雄氏の、現状への切実な焦りを感じた。(ドラえもんが武器による抑止力の危険性を悟り、その後にとった行動にビックリ)
【ネタバレ文字反転】
ドラえもんは敵を脅かすために強力な兵器をポケットから出す。彼にはその兵器を使うつもりは毛頭なく、あくまでも“武器による抑止力”を和平交渉の材料にするつもりだった。ところが彼は悪党に捕らえられ、兵器の発射ボタンが押されてしまう。兵器というものは所持する者に使う意思がなくても、何が原因で使用されるか分からないということだ。最終的にドラえもんは責任を感じて、その兵器に単身特攻をかけ破壊した。
 
118.おもひでぽろぽろ('91)118分
公開当時、「顔のシワがリアル過ぎ」「実写で撮れるじゃん」と叩かれたけど、絵のことはどうでもいい。要は作品メッセージだ!僕は登場人物の農業に対する真摯な姿勢と、「有機農業とは、勇気のいる農業、勇気の出る農業!」というセリフにグッときた。それに、この映画は有機農業を手放しで賛美するだけでなく、それがどれだけ過酷で大変な農業なのかをきっちり描いていた。劇場ではエンディングが流れると同時に「イマイチだった」と言って席を立つ者が何人かいたけど、彼らは大タワケだ。この映画はエンディングの最中にクライマックスが用意されている!ちゃんと最後まで見るべし。(主人公が27才のOLというのも、ジブリでは異例)
※余談だけど、僕がこの映画を観たのは仙台駅前の映画館。青春18切符を使って大阪から北海道の石川啄木の墓参に行く途中、終電になった仙台で宿泊代を浮かす為にオールナイトでこの映画を観た。おそらく睡眠学習をしてしまったのだろう。“有機農業にたずさわりたいッ”というスイッチが入り、10年くらい農業関係の仕事に就いていたんだ。

 
119.泥の河('81)105分

子ども達には辛すぎる現実…貧困の悲しみ。「お姉ちゃんが笑っとる」の台詞や友人との別れが切ない。田村高廣も子役も演技が実に上手い。燃える蟹、印象に残るね…。

 
120.男はつらいよ 寅次郎忘れな草('73)

シリーズ第11作。マドンナは浅丘ルリ子。リリー初登場!寅との会話に味がある。「あたしたちの生活ってさ、普通の人とは違うのよね。それも良い方に違うんじゃなくて、なんて言うのかな、あってもなくてもどうでも良いみたいな…つまりさ、“あぶく”みたいなもんだね」「うん。あぶくだよ。それも上等なあぶくじゃねぇやな。風呂の中でこいた屁じゃねぇけども、背中の方に回ってパチンだ」。BGMのクラシック=「G線上のアリア」「シェヘラザード」と共に映し出される北海道の雄大な景色もいい。

 
121.戦国自衛隊('79)138分
タイムスリップした自衛隊と戦国大名が戦うという奇想天外な物語。400年前に飛ばされた自衛隊員は21名。彼らは上杉謙信に協力して天下取りを共に目指す。クライマックスは川中島での武田信玄との決戦。当初は圧倒的な火力を誇った自衛隊だが、やがて燃料が尽き、弾薬が尽き…。薬師丸ひろ子、真田広之らも若武者として参戦。

 
122.ドラえもん・のび太の大魔境('82)92分
劇場版ドラえもんシリーズで、冒険活劇の要素が最も濃い大人気作品。登場するひみつ道具も楽しいものばかり。秘境の探検に憧れて“どこでもドア”でアフリカ・コンゴに向かった一行は、どこでもドアがアクシデントで粉々になり帰れなくなってしまう。しかも、ジャイアンが強引に探検を進めた結果、皆がジャングルで迷ってしまう。腹も減り、彼を批判する視線を仲間から感じたジャイアンは、「俺のせいだ。俺はどうすればいいんだ」と人知れず涙する。そして彼は遭難の責任を取る為に、どんな危険な道でも真っ先に歩いて安全を確認するようになった。やがて古代都市にたどり着いた一行は、想像もしなかった事件に身を投じることに。ジャイアンは映画版になると良いヤツになるけど、中でもこの作品は彼が主役と言っていいくらいに大活躍する。

 
123.アルプスの少女ハイジ('79)107分
火にあぶられてトロけていくチーズ!新鮮な山羊のミルク!指でつまんだベーコン!ペーターやハイジの食生活を、子供時代に羨望の眼差しで見つめてた(いや、今もかも)。夕陽に照らされたアルプスを見たハイジが「山が燃えてる!」と叫んだ場面は、子供心に自然の雄大さを感じたものデス。

  DVDのジャケットそのものがクララのネタバレに(笑)
124.赤ひげ('65)185分※クロサワ
江戸時代、極貧の病人を無料で治療する医療施設があった。この映画は、所長の“赤ひげ”や若い助手と患者たちの交流を通して命の尊厳を描く。赤ひげの口癖は「病気の原因は社会の貧困と無知から来るものでこれに治療法はない」。富や名誉とは無縁の、理想の医者の生き様を黒澤が映し出した。撮影時、カメラには映らなくてもタンスの中にモノをいれ、お茶は茶柱を立てる等、そのこだわりは徹底していたという。原作は山本周五郎の“赤ひげ診療譚”。

 
125.大誘拐 RAINBOW KIDS('91)120分
誘拐された資産家の婆さんが身代金の金額を聞いて「ワタシの値打ちはたったそれだけかい!」と激怒。誘拐犯に値を上げさせるんだから面白い。その後も頼りない犯人グループをしきっていき、被害者なのに警察側と頭脳合戦を繰り広げるという、意表をつくストーリーが高ポイント!

 
126.雄呂血('25)75分
“バンツマ”こと阪東妻三郎の戦前の代表作。根は善人なのに、誤解が誤解を呼んで人々から忌み嫌われる主人公。偏見を取り払おうとしても全てが裏目となり、どんどん転落していく。クライマックスは世の中への怒りが爆発して町中で大暴れ。気がつけば彼に縄をかけようとした多くの役人を斬っていた…。本作は、世渡りの上手い悪党と、それが下手な善人がたどった運命をクールに描く。「世に悪人と言われている者が正義の人であったり、正義に見える人が悪党の場合もある」、このメッセージに怒ったのは政治家や警察当局。元々の題名は『無頼漢』だったが、権力に反抗する主人公に民衆が感情移入すると『無頼漢』が誉め言葉になってしまう為、それを恐れた当局は題名を『雄呂血』(おろち)という意味不明のものに変更してしまった。

 
127.日本鉄道員物語('87)92分
国鉄がJRになったとき、民営化に反対していた労働組合(国労)に入っている人間が集中的に解雇された。働き盛りの男性は国労を辞めてJRに残るか、解雇の対象とされても労働組合でがんばるのか二者択一を迫られ、結果的に約200人というとてつもない数の自殺者を生んだ。エンディングで次々と映し出される死者の名前に絶句。


128.スワロウテイル('96)149分
超ド級無国籍映画。この作品を邦画のジャンルに入れるのか迷った。日本語以外に色んな言葉(実在しない造語も多い)が入り交じっていて、邦画なのに字幕が必要なんだもの。岩井監督は独自の世界観で近未来の一都市を作りあげ、僕はまるで何年もそこで暮らしてるような錯覚を味わった。画面から吸い込んだ空気のリアルなこと。Charaの主題歌がまたいい。もうちょっと暗殺部隊の説明があれば順位がさらに上がった。

 
129.世界大戦争('61)110分
政治家ではなく庶民の目から見た第3次世界大戦を描く。この映画は東西冷戦の真っ只中で製作された。当時、米ソは何度も大規模な核実験を繰り返していた。映画が公開された'61年は一発で長崎の原爆3千個分に匹敵するという“ツァーリ・ボンバ”をソ連が使用し、これは史上最大の水爆実験となった。翌年にはキューバ危機が勃発。人為的ミスであれ機械の故障であれ、何がきっかけで核戦争に突入するか分からない、そんな差し迫った状況の中で誕生した作品だ。

もう映画のタイトル自体がネタバレなので書いてしまうけど、この映画で世界は滅亡する。各国首脳の和平交渉は決裂し、核ミサイルを撃ち合うという最悪の選択に至る。主人公はフランキー堺扮する中年運転手。東京の下町に住み、真面目に仕事に励んで家族を養ってきた。しかし、ラジオは無情にも核戦争の勃発を告げる。日本は核を持っていないが、他国の基地がある為に標的となってしまう。
水爆が投下されることを知った主人公は、明日はもう見ることが出来ない夕日を前に大泣きし、こう吠える「カアちゃんには別荘を建ててやんだい!冴子にはすごい婚礼させてやんだい!春江はスチュワーデスになんだし、一郎は大学に入れてやんだよ!お…俺の行けなかった…オメェ…大学によぉぉおお!」。娘の冴子のもとに婚約者で船乗りの高野から無電が入り彼女も答える「コウフクダツタネ…サエコ…サエコ…コウフクダツタネ…コウフクダツタネ」「タカノサン…アリガトウ…アリガトウ」。
ラストにはマグマの中でドロドロに溶けた国会議事堂が映る。戦慄の映像だ。そしてこの言葉で締めくくられる「この物語はすべて架空のものであるが、明日起きる現実かも知れない。しかしそれを押しとめよう!我らすべてが手をつないで!まだそれが起こらないうちに」。

※キューブリックの水爆炸裂映画『博士の異常な愛情』より、こっちの方が3年も早く作られた。しかも本作はカラー!ちなみにキューバ危機は世界大戦争の公開の翌年。

 
130.東京物語('53)136分
尾道に暮らす老夫婦と、都会で暮らす息子や娘との目に見えない溝を描く。血の繋がっていない次男の嫁が誰よりも老夫婦を大切にしてくれた…。丁寧な人物描写で世界的に評価が高く、小津監督の代表作にあげる人も多い。笠智衆と原節子が好演。

 
131.機動戦士ガンダム('81)137分
アニメで戦争と人間の死を正面から描いた名作。異星人の侵略者VS人類という戦いではなく、同じ人類同士の戦争を描いた点で画期的だった。公開時はまだレンタル店どころか、家庭用ビデオもない時代(大金持ちの家にはあったらしい)。公開初日の第1回の上映を観るために徹夜で並ぶのは当たり前だった。

★っていうか!本気で語りだせば、この枠には到底収まりきらないので、もっと詳しい解説は「ガンダムはなぜ名作なのか」へGO!

 
132.ガチ☆ボーイ('08)120分

佐藤隆太主演。ネットでの高評価につられこの青春映画をレンタルして大正解!マジで借りて良かった!毎朝主人公の目に最初に映るのは、天井に貼られた「日記を見ろ」という張り紙。そして机の上には「明日の僕へ」という題の分厚い日記がある。彼は大学の帰りに事故で記憶障害(新しいことが覚えられない)になったことから、毎日、事故後の自分の人生を日記で確認してから1日が始まる。ある日、そんな彼が意を決して入ったのが学生プロレス。選手やマネージャーが楽しそうだったし、1日たてば脳の記憶はなくなるけれど、練習で作った青アザや傷など、体の方はしっかり「記憶している」のが嬉しかったからだ。試合運び(段取り)や技の繋ぎ方が覚えらず、試合は必然的に「ガチ」(真剣勝負)。大変だけど、不屈の精神力で戦い続ける。やがて迎える大舞台。果たして彼は観客の心を捉えることが出来るのか--。映画のジャンルは“青春コメディ”だけど、「思い出を作れないのに生きているといえるのか」というシリアスな悩みも正面から描かれ、爆笑したり涙ぐんだり、2時間がアッという間の良作だった。

 
133.東京裁判('83)277分
米国防省が撮影していた秘蔵フィルムがドキュメンタリーにまとめられた。被告席で発狂した右翼の大川周明が、前席の東條英機の頭を突然背後から叩くシーンがモロに映ってるので驚いた。

 
134.∀(ターンA)ガンダム 地球光/月光蝶('01)共に128分
何度も戦争を繰り返してきた人類が、兵器に結びつく発展しすぎた科学技術を全て封印し、生活レベルを中世まで戻した未来世界が舞台。とても良い作品なんだけど、ガンダム専門用語の嵐で、予備知識がなければ2割すら会話を理解出来ないと思う。あまりの敷居の高さに世間受けを心配したけど、そこに60歳になった監督の“媚びないぞ”というプライドを感じた(監督は会見で「ディズニーと宮崎だけがアニメじゃない」と吠えていた)。とにかく60歳で長編ロボットアニメを創っちゃう豊かな想像力に圧倒された!それと菅野よう子の音楽が最高!

  
135.さらば宇宙戦艦ヤマト〜愛の戦士たち('78)151分
強大な軍事力を誇る白色彗星帝国が太陽系に侵攻。地球防衛軍は総力をあげて決戦を挑むが、波動砲すら通用しない敵の前に全滅。敵は地球側に「奴隷か、死か」の選択を迫る。しかし地球にはまだ一隻、戦艦が残っていた。ヤマトだ。彗星帝国の弱点を掴んだヤマトは単身戦いを挑み、互角の勝負を繰り広げる。だが、戦闘が続くにつれ、土方艦長、真田さん、佐渡先生&アナライザー、徳川機関長、コスモタイガー隊の面々、そして主人公古代の恋人・雪までが絶命していく。そして満身創痍になったヤマトの中で、新艦長となった古代は最期の決断をする…。

中学1年の時、この映画を観に行ったら、上映後に高校生のお姉さん方が、次々とスクリーンの前に花束を置いて行く光景を目の当たりにした。僕は、アニメの登場人物なのに死を悼んで花を置くという行動に感動を覚えた。あれは、生まれて初めて命の重さを感じた、強烈な原体験となった。
※ひとつだけツッコミ。この物語はイスカンダルから帰還した翌年という設定。ガミラスの攻撃で壊滅した地上に、たった1年で大都会ができるなんて、いくらなんでも無茶すぎるぜーッ!

 
136.ルパン三世/ルパンVS複製人間('78)102分
ルパンの劇場版第1作。ハード・ボイルドなルパンを楽しみたいならこの作品!敵のドクター・マモーは自らを“神”と呼び、1万年も生きているクローン人間。70年代のアニメで既にクローンと戦っている先進性に唸った。次元とルパンの友情も渋い。後期TVシリーズのお茶らけた善人ルパンとは違う、ダークで非情な一面ものぞかせる(っていうかこちらが本当の顔)。

 
137.ドラえもん・のび太と鉄人兵団('86)100分
傷ついた敵がしずかちゃんに介抱され“なぜ敵である自分を助けるのか”と尋ねた時の彼女の答えが良い--「ときどき理屈に合わないことするのが人間なのよ」。小学生にして悟りを得た禅僧のような彼女に脱帽。泣かせるクライマックス&エンディングではシリーズ随一か。

 
138.男はつらいよ 寅次郎夢枕('72)98分

シリーズ第10作。幼なじみのマドンナ役は八千草薫。寅の方がプロポーズされるという珍しい状況に(笑)。旅先で秋の寒村を独り行く寅が、仲間の死を知り弔うシーンが素晴らし過ぎる!BGMのビバルディもあって非常に叙情的。

 
139.ガキ帝国('81)115分
舞台は大阪。どこの組織にも属さない3人の若者が、暴力団の息がかかった不良グループに立ち向かう。一見よくある抗争モノだが、無常感の漂うシナリオが非常に高く評価されている。主人公の親友は在日の青年だった(この親友がクール&誠実で最高にカッコ良い!)。青春時代の挫折を描いた秀作だ。

 
140.砂の器('74)143分
悲しみに満ちた暗い過去を隠して活動する天才音楽家が、自分の生いたちを知る人間を…。彼の全人生を叩きつけた大交響曲「宿命」は悲劇度MAX。刑事が小さな手掛りを集めて執念で事件を捜査していく過程は実に見応えがあった。音楽を担当したのは芥川也寸志(龍之介の息子)。

 
141.HOUSE('77)88分
今までに観た映画の中で“生理的に”最も怖かったホラー映画。7人の少女が呪われた“家”に食べられていく。彼女たちを襲うのはピアノ、柱時計、電灯など。文章で書くとギャグ作品のようだが、映像で観るとその不気味さは言語を絶している。僕は夜中に見始めてエライ目にあった。観終わって風呂に入ろうとしたが、フタがどうしても開けられない。中に何かが潜んでいそうなんだ。次に布団を敷こうとしたが、押入れの襖も怖くて開けられない。結局、電気はつけっ放しで、陽気なアニメソングを流しながら夜明けを待った。どんなに嫌いな相手でも、この映画を見せようとは思わない。網膜に焼きついた映像が一生消えずトラウマになるから。でも、それほどまでに作品がエネルギーを持っている以上、矛盾しているようだけどこのベストに載せぬ訳にはいかなかった。大林監督の劇場映画第一作。主題歌はゴダイゴ!

 
142.ウォーターボーイズ('01)91分
男子高校生がシンクロナイズドスイミングに挑戦するという設定が実に新鮮。物語の基本はスポ根コメディだけど、ただのお笑い映画じゃあなく、クライマックスのシンクロ場面は目を見張るほど素晴らしかった!あれはもう芸術作品。オリンピックに正式に男子シンクロを加えて欲しいと思った!

 
143.うる星やつら2/ビューティフル・ドリーマー('84)98分
もし毎日が学園祭の前日という同じ1日を、永遠に繰り返していたら?この映画版第2作はただのラブコメではない。“時間”というキーワードから人間の精神世界に分け入っていく、高品質のSFドラマだ。監督は後に「パトレイバー」「攻殻機動隊」で名を馳せる押井守。

 
144.ぼのぼの('93)103分
映画版の『ぼのぼの』は、知る人ぞ知る哲学アニメの傑作。生きていくヒントになる名セリフがテンコ盛り。ぼのぼのがスナドリネコに“どうして楽しいことは、そのうち楽しくなくなっちゃうんだろう”と尋ねた時の答えが良い--「苦しいことも終わるためさ。楽しいことは必ず終わるし、苦しいことも必ず終わる。この世にあるのは全部必ず終わってしまうことばかりだ」。

●森の大将のヒグマが、スナドリネコを森から追い出す為に戦った時の対話が深い!

(大将)「オメェ、まだやるつもりだな。俺はな命を賭けるくらいなら負けてやるぜよ。目の一つぐらいはどうってことねぇが、テメェのその傷はもう少しばかり上だったら、死んでいるところだぜよ」
(スナ)「ああ、知ってるよ。お前がわざと少し下に外したのもな」
「なら、なぜやめねぇ。死にてぇのか」
「我慢ばかりしながら生きているとな、我慢することで物事を解決したくなるもんだよ」
「いいや、我慢じゃねぇな。オメェは何かに命を賭けることで物事を解決できると思ってる野郎だぜよ。俺はな、そういう野郎は絶対許しちゃおかんのよ」
「なぜ、命を賭けたりしてはいけないんだ?」
「生き物はな、生きてることが全てよ。生きていることが全てだからこそ、大きいも小さいも関係ねぇんだ。それを誰かが、何かの目的に命を賭け始めたらどうなる?俺たちはそのうち、何か目的がないと生きられねぇ馬鹿な生き物になっちまうだろうよ」
「そう、きっとそうだろう」
「ならばオメェはなぜ、命なんか賭ける!」
「俺は命を賭けたりはしていないよ。お前さんより、我慢するのが得意なだけなんだろう」
「嘘をつけ!テメェは何かの目的がないと生きていけねえ馬鹿野郎だよ!目的の為に生きるヤツはな、嫌でも我慢強くなるもんさ。そういうヤツがこの森に一匹でも現れたら、他の生き物はどうあがいてもそいつには勝てねぇよ。なぜなら、そいつは死ぬまで“参った”とは言わねぇんだからな。その先はどうなる?この森にいるヤツらは皆、自分と自分の家族を守る為に、オメェと同じ様に命を賭け始めるのよ。それがどんな世界の始まりか、オメェには分かるか!?」
(これって、“命より大切なものがある”といって戦争を行なってきた人間の歴史について考えさせられる会話だと思う)

 
145.三匹の侍('64)94分
それぞれ全くタイプの違う3人の侍が、様々な経緯から悪代官の圧政に苦しむ農民たちの為に一肌を脱ぐ。テンポ良く進む爽快時代劇。

 
146.CASSHERN('04)141分
“自分と違う価値観を受け入れろ”というのは、どれだけ吠えても足りないくらい一番大事なメッセージ。平和とか反戦を正面から語ることが“陳腐”とされる風潮の中、監督が伝えずにはいられなかったことに悲愴な焦燥感を感じた。その感覚はいたってマトモだと思う。兵士が民間人を処刑するシーンが出てきた時は「反戦を主張するのに残酷な描写でしか表現できないのか」とウンザリしたけど、研究所の“復活”の際の虐殺など、映画の前半に語られた各々のエピソードには全部意味があって、それがクライマックスで一気に繋がっていく展開に引き込まれた。そして未来世界の映像美!最初から最後まで全く手抜きのない緻密な映像は圧倒的。マジな話、邦画であそこまでひとつのバーチャル世界を作り上げた作品は他に記憶が無い。

新造細胞が発動した時に広がる幾何学模様も、一度だけのキャシャーン大暴れも、スタイリッシュでカッコ良かった。唐沢のブランは存在感アリアリ、麻生久美子のルナは極限まで美しく、及川ミッチーは「私たち下層階級に生れた人間は…!」の悲痛な叫びでベスト演技を見せてくれた(ミッチーを見直した)。寺尾聡、宮迫も名演だし、色んな有名俳優(鶴田真由、りょう他)がチョイ役で出てくる贅沢さもあった。稲妻型モノリス、偶然手に入るロボット工場、時計型起爆スイッチ、その他、説明不足&ご都合主義な部分はたくさんある。だが、10年経てばこの作品に対する低い評価も必ず変わっていると思う。

 
147.アギ・鬼神の怒り('84)80分
原作は今昔物語。平安時代末期、近江国(滋賀)・安義の橋に出没する鬼を退治に向かう侍たちの物語。鬼に憑かれた人間の暴走シーンが凄絶。映画のジャンルはオカルトになると思うけど、優れた美術と、クラシック音楽によって、幽玄な世界が生まれている。ワーグナーの音楽と中世日本の空気感がこれほど合おうとは。

 
148.THE 有頂天ホテル('05)136分
複雑に絡み合った伏線を全部繋ぎ合わせて行く脚本の力に唸った。特にベルボーイ香取君の、バンダナ、お守り、ギターの小道具を生かしたエピソードは、“こうきたか!”と思わずTVにツッコミを入れずにいられなかった。三谷幸喜、恐るべし。高い演技力を持つ役者が揃う中で、カッコイイのにトホホ男を演じられる役所広司、凛として頼り甲斐バツグンの戸田恵子、唐沢寿明のプッツンっぷりが特に光ってた。大晦日に絶望して思いつめてる人に語りかけた言葉「何のために大晦日があると思うの?明日から新しい年になるの。年が変わればいいこともあるわ」が、たとえそこに何の根拠が無くても、元気が出てくる良いセリフでグッときた。人間以外の動物には、12月31日と1月1日は同じように続いているのに、なぜか僕らには世界が新しくスタートして見えるから不思議だよねぇ。

 
149.ビリィ・ザ・キッドの新しい夜明け('86)109分
アメリカ西部の一軒の酒屋をギャングの襲撃から守る為に集められた6人の用心棒。この構成メンバーがビリィ・ザ・キッド、宮本武蔵、サンダース軍曹、中島みゆき、マルクス、超能力者104など奇妙奇天烈!“もうどうでもいいや”的なバカバカしさが楽しい。

 
150.素晴らしき日曜日('47)108分※クロサワ
敗戦直後。あるカップルが街へデートに出たものの、貧しい為に色々と不幸な事件が起こり、さんざんな気持ちになってしまう。この作品は、2人が徐々に明るい気分を取り戻していく過程を追った“それだけ”の話。だけど、ヒーローや侍でもない、等身大の人間を描いた黒澤作品は感情移入しやすかった。誰もいない夜の音楽堂で、昼にチケットを買えなかったシューベルトの交響曲「未完成」を、“頭の中で”聴きながら指揮棒を振るシーンがたまらない。

 
151.ファンシィダンス('89)101分
お坊さんライフを描いた異色の青春コメディ。寺の住職を継ぐために大学生(本木雅弘)が奮闘。修行の世界をコミカルに、でも大真面目に描く。お坊さんの世界が良く分かり、笑いながらも勉強になる良い作品!監督は人気の周防正行。

 
152.千と千尋の神隠し('01)125分
古来の神々の住む異界に迷い込んだ10歳の少女が、現実世界ではひ弱だったのに、彼女自身が気づかなかった生きる力(適応力)を発揮して大活躍。他人の為に何かをすることができる人間に成長していく--。宮崎監督は劇場に異界を創り上げた。僕は4時間でも5時間でも、あの奇妙で楽しい世界に浸っていたかった。興行収入史上最高の300億円は神隠しではなく、まさに神がかり。邦画で初めてベルリン国際映画祭の最高賞(金熊賞)を受賞し、さらには第75回アカデミー最優秀長編アニメ賞の栄冠に輝いた。

宮崎監督のコメント〜「支配者であり権力者である湯婆婆を、ただ懲らしめれば話が終わるようなものを作りたくなかったんです。誰かを槍玉にあげて、アイツは悪人だからアイツをやっつければ世界が平和になるって映画はね、それだけは作りたくない。それは最低だと思うね。エンターテイメントだから“そうしなければいけない”っていう壁を、何とかして破りたいと思ってジブリはやってきたつもりなんです。悪人をやっつけてカタルシスをうるっていうのはね、その時代が問題の把握の仕方を誤らせるんじゃないかと。そういう映画を見たり、そういうモノを見て育った人間たちは、そんな風に世界を考えると思うんです」。

※アカデミー賞の授賞式がアフガン戦争と重なった為、「多くの人が死んでおり、うかれている状況ではない」と、渡米を断り授賞式への参加を断った。

 
153.超時空要塞マクロス 愛・おぼえてますか('84)115分
歌や文化が軍事力に勝利するというコンセプトが素晴らしい。西暦1万2009年というスケールの大きな設定、母艦の中に5万4千人も人間が住んでいたり、敵の戦闘民族が男女に分かれて50万年も戦っていたり、地球があっけなく滅亡したりと、何もかも規模のデカい物語だった。戦闘シーンはメカやミサイルが複雑かつ美しい軌道をとって乱れ飛び、作画監督の名をとって“板野サーカス”と絶賛された。メカ・フェチにとって、冒頭の15分は鼻血大流血の至福のひととき。どこまで描き込むんだと呆れるくらい無数のメカが動き回った。他にも、普通のデザインの戦闘機がロボットに変形する斬新さ、変形途中のガウォーク形態の革命的デザイン、主題曲「愛・おぼえていますか」に乗って展開する壮大な最終決戦などに、日本中の野郎の魂が震えまくった。
※クライマックスではミサイルに混じって缶チューハイが飛んでいるなど、小さな遊び心が楽しかった!

 
154.KT('02)138分
権力に真っ向から反旗を翻していた金大中氏が、東京滞在中に拉致され暗殺の危機に直面した実話を描いた政治サスペンス(事件が起きた'73年当時の韓国は軍事独裁政権)。猿ぐつわを咬まされ、ボコボコに殴られている人物が、事件の25年後に大統領に登りつめ、さらにノーベル平和賞まで受賞するなんて、歴史というのは本当に分からないものだ。(劇中で氏が足を引きずっているのは韓国政府の拷問の後遺症)

 
155.それから('85)130分
漱石原作で松田優作?と最初はイメージの違いから斜に構えていたけど、見始めるとこれがなかなか様になっていた。森田監督は原作の雰囲気を壊さずうまく映像化しており、ここまで漱石に肉迫すればたいしたもの。三角関係を清算すべく腹をくくった三千代が言う「仕様がない、覚悟を決めましょう」に、行き詰った恋愛地獄の中では、女性の方が男性より強い(いさぎ良い)こと示したドキリとするセリフだ。

 
156.クレヨンしんちゃん/嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲('01)89分
古きよき20世紀へ時間を戻そうとする秘密結社イエスタディワンスモアとしんちゃんが戦う。「昭和の匂い」で洗脳された大人たちが“大人であることを放棄”して童心に返っていくなか、しんちゃんの両親も子どもに戻ってしまう…。'60年代生まれの人間には、このむせ返るようなノスタルジーがたまらない。“あの時代”の空気を、よくここまで再現したものだと感心した。BGMのギターの音色が、やけに胸に染みる。(高所恐怖症の人はアニメとはいえ画面を正視出来ないシーンがあるよ〜)

 
157.殯の森(もがりのもり)('07)

07年のカンヌ映画祭でグランプリに輝いた河瀬直美監督の作品。妻に早く先立たれた認知症の老人と、幼い息子が事故死した女性介護士の交流を描きながら、愛する者が旅立った喪失感を抱えて、なおも生き続けていく残された人間の姿、その命を見つめる。奈良の茶畑をはじめ、山里の自然が非常に美しい。映画の前半はあまりにテンポが遅く、役者も小声でボソボソ言ってるので台詞が聞きづらく、特に冒頭30分は修行に近いものがあった。手持ちカメラの撮影は文化祭の映画のよう。しかし!中盤の2人が山奥に迷い込んでからのストーリーがいい。老人が何の目的で山に入り、そして目的地で何を行ったのか…あれは泣く。「ありがとう」もたまらない。人が1人死ぬと言うことは、その人を愛していた周囲の人間にとって、こんなにも切ないことなんだとあらためて実感した。
※殯(もがり)とは、“愛する人の死を惜しみ偲ぶ時間や場所”。喪上がり、とも。
【ネタバレ文字反転】
奈良の山間部では今も土葬の風習があるという。老人は愛妻の墓を訪れ、そこに死別後も書き続けてきた日記を埋めることで、一人で生きてきた時間が妻と共有されていく…。介護士は愛児が水死したことへの責任と悲しみ、喪失感に深く心が傷ついていたが、老人が亡き妻と時を共有する姿を見て、愛する者の肉体が失われても、心の中で一緒に生きていくことができることを知る。死んだからって終わりじゃない。最後に彼女は老人に言う「ありがとう」と。あれほど泣かせる「ありがとう」はない。

 
158.男はつらいよ・第1作('69)91分
この後'95年の48作目まで、26年間も続くことになる超ロング・シリーズの記念すべき第一作。妹・さくらの為に奔走する兄・寅次郎。やることなすこと全て裏目に出るが、これが憎めない。さくらの結婚式で寅が語った一世一代のスピーチは涙モノ。

 
159.機動戦士ガンダム0083・ジオンの残光('92)119分
1年戦争の終戦から3年後、地球連邦の圧政に抵抗したジオンの残党が立つ!彼らは連邦軍が極秘裏に開発した“核弾頭搭載ガンダム”を強奪し、その核を連邦艦隊に叩き込む。敵将のガトーの雄叫び「ソロモンよ私は帰って来た!」がアツイ。主人公は連邦軍兵士のコウ・ウラキ。
【ネタバレ文字反転】
コウは惚れた女性が宿敵ガトーの元カノと判明したり、連邦内部の腐敗に直面するなど、精神的にトコトン追い詰められ、クライマックスでは同じ連邦軍に対して銃口を向ける。そして軍法会議へ。「ガンダム」シリーズでは連邦側を絶対的な善とすることはないが、アニメ版でビームライフルまで撃ち込んだ主人公はコウ・ウラキだけ!

 
160.あしたのジョー2('81)110分
過酷な練習に明け暮れるジョーに紀子が問う「矢吹君は苦しくないの?同じ年頃の若者が青春を謳歌しているのに」。彼はこう答えた--
「俺は俺なりに今まで燃えるような充実感をリングの上で何度も味わってきたよ。ブスブスとそこらにある見てくれだけの不完全燃焼とはワケが違うんだ。ほんの一瞬にせよ、眩しいほど真っ赤に燃え上がるんだ!そして後には真っ白な灰だけが残る。燃えカスなんか残りやしねぇ。真っ白な灰だけだ。力石だって、カーロスだってきっとそうだったんだ!」
ラストでジョーが真っ白に燃え尽きる、あまりにも有名な名作。

 
161.パッチギ! LOVE&PEACE('07)127分
前作と主要キャストがごっそり変わって別の映画になっていた。“在日2世の女性キョンジャが日本名で芸能界入りし、大和撫子の鑑として特攻隊を描いた映画に出演、愛する男性を「お国のために」と送り出す”…この難しいシチュエーションを井筒監督はよく描いたと思う。キョンジャに芸能活動をやめろという兄の「だっておまえ無理してるやないか!」はジーンときた。また回想シーンでは、徴兵されて日本軍に組込まれた朝鮮人が、日本兵として散っていく悲劇も描いており、たくさんのギャグ・シーンを入れながらも、今回もシリアスなテーマを語っていた。だがしかし!“パッチギ”の名を冠するなら、前作の主人公・康介君をどこかで出して欲しかった。名前すら一度も出てこないってどういうこと?前作のエンディングで僕が流したあの涙は何だったんだ…。それに子どもの難病をもって来るのって、脚本としてあまりに安易すぎるというか、僕は好きじゃなかった。最後の乱闘も不必要。ただ、この作品を一部の批評家のように反日映画として切り捨てたくない。藤井隆が演じた日本人は「古い奴とお思いでしょうが…」と口上を言って在日の友人を助ける為に身を犠牲にするし、「徴兵逃れをして生き延びた父を卑怯とは思えない、父が生き延びたから、今こうして自分が生まれここにいる」という重い台詞など、語るべき部分がある。前作が青春映画の傑作だった分、高い期待から続編が厳しい評価になるのは仕方ない。※劇中でラサール石井が撮った別の映画『西郷どんの犬』が観たい(笑)。

 
162.風、スローダウン('91)107分
観終ってこれほど胸を締め付けられた映画はあまりない。この作品は若者の挫折感を見事に表現していた。若者、といっても彼らは10代ではなく20代半ばだ。20代半ばの人間の挫折を描いた映画は少なく、脚本を書き自らメガホンをとった島田伸助を“分かっている奴”だと見直した。人物を見つめる視点がとても優しく、挿入されたBOROの音楽は、劇中の若者と同様に、人生に打ちのめされた人間の琴線を揺さぶるだろう。

 
163.息子('91)121分
岩手の寒村に暮らす老いた父親と、東京の片隅でフリーター生活を送る息子の、対立と和解を描いた物語。価値観の違いを超えた繋がりを丁寧に綴った良作。心に沁みるセリフも多く、見終わった後は温かい感動がいつまでも残った。三國連太郎、永瀬正敏、和久井映見の3人の好演が光る。監督は山田洋次。

 
164.日本一のホラ吹き男('64)93分
日本一の大会社への就職試験に落ちた主人公は、あの手この手の作戦で正社員に採用される。その後も大ホラにつぐ大ホラで次々と出世を重ね、脳天気に人生を謳歌しまくる。植木等のお調子者ぶりは嫌味がなく、色んなハッタリは見ているだけで面白い。

 
165.ハウルの動く城('04)119分
霧の中から徐々に城が巨大な姿を現す冒頭シーンはツカミOK!大半の観客は、あれでいきなり宮崎ワールドにトリップしたと思う。続いてハウルとの空中散歩で心地よい浮遊感を味わい、ソフィーがお婆さんになってウロウロする場面に笑い、街を出た彼女が夕暮れの丘を登っていくところで、背景の美しさや風の音の臨場感に驚嘆。城に入る場面では未知なる世界への得も言われぬ緊張感を味わった。“新しい家族”と出会った後は、ベーコンエッグにヨダレを垂らし、「どこでもドア」にワクワクし、マルクルとの「私なら大事なものを隠しておく」という自然な会話や演出に、頭の中には“宮崎さんはスゴイ!”と感嘆符の山が築かれていった。ところが、サリマンと会ったあたりから、この山が疑問符の山に変わっていく…。「なぜソフィーに魔法をかけたの?」「何で別の城を作ったの?」「黒い鳥やら魔王って何?」「なんでタイムスリップ?」etc。なかでも最大の疑問は「どうしてハウルは魔法を解かないの?」「なんで戦争してるの?」。この2つの大きな謎については以下のネタバレで。
【ネタバレ文字反転】
好きなハウルのことをサリマンの前で話すソフィーは若返っていたし、高原をデートしている時も若かった。ソフィーがかけられた魔法は“本当に90歳の老婆になる魔法”ではなく、ソフィーの内面が容姿にあらわれる魔法だった。だから荒地の魔女は「私には解けない魔法。ハウルに解いてもらえ」と言っていた。最後までハウルがソフィーの魔法を解くシーンが出てこなかったのは、“彼が魔法を解く”のではなく、ハウルを愛して心を開放することで“自ら解かれる”から。その意味でハウルに「解いてもらえ」と魔女は言っていた。
戦争について印象に残ったのは「あれは敵?味方?」「どちらでも同じことさ…人殺し共め」というやり取り。これは従来のアニメの戦争描写を突き抜けており、特筆すべきもの。宮崎さんは、最後まで戦いの理由を書かなかったことや、「じゃあ馬鹿げた戦争を終わらせましょう」とあっけなく終わらせることで、この世の全ての戦いがそれくらい取るに足らないロクデモナイ理由のものと語っているんだと思う。
※さらに詳しく〜『ハウルの動く城』はなぜ素晴らしいのか

 
166.寝とられ宗介('92)106分
妻を寝取られても旅芸人の一座存続の為に受け入れる座長。「俺のような男は、まずおらん」が切なくもあり、滑稽でもあり…。原田芳雄だからあのキャラが生きた。

 
167.人情紙風船('37)86分
江戸時代の長屋を舞台に、最底辺の貧しい浪人や庶民の生活を描く。監督の山中貞雄は繊細な人物描写で将来を待望される若手監督だったけど、本作品の完成後に戦争に徴兵され、中国の野戦病院にて28歳の若さで亡くなった。
※「すごい才能なんだヨ。本当に早く亡くなっちゃって日本映画の大きな損失だね」(黒澤明。山中監督よりひとつ年下)

 
168.GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊('95)80分
近未来サイバー・サスペンス。“人形遣い”という名の天才ハッカーと戦う、警視庁公安9課の活躍を描く。電脳化された人間が、首背後からのケーブルでPCにアクセスするなど、後に公開された『マトリックス』に多大な影響を与えた。さぁ、これからクライマックスがくるぞと思った瞬間にエンドマークが出て、カキーンと硬直してしまった。丁寧に作ってたのに、もったいない!

 
169.NANA2('06)130分
主要キャストが2人も変わったのは残念だけど、『1』で感情移入しまくったナナ(中島美嘉)が同じならOK。そして『2』でもナナは期待通り、繊細な心を持ちながらも自分の足でしっかりと地面に立って生きていた。相変わらずカッコイイ!一方、相方のハチときたら…。ハチの優しさは凶器。もっとナナやノブの気持を考えたれよ〜。
※新宿駅前のゲリラLIVEには驚いた。よく撮影許可がとれたなぁ。ただ、ナナには申し訳ないけど、ブラストの曲って普通かも…トラネスの曲の方が数段上って気が…。

 
170.ヌードの夜('93)110分
なんちゅうせつない映画。惚れた女性が起こした殺人事件に巻き込まれていく中年男。彼女を救おうと懸命に努力するが、彼女の心は自らの命を絶つことを選ぼうとしていた…。竹中直人はそれまでの大袈裟な演技を完全に封印し、底なしの闇のような孤独感を見事に表現していた。未だに主人公の慟哭が耳に残っている。

 
171.蒲田行進曲('82)109分
京都の撮影所を舞台に、銀幕のスター“銀ちゃん”と無名の大部屋俳優“ヤス”の友情と、2人の間に立った女優“小夏”の物語。ヤスは人気に蔭りが出てきた銀ちゃんに華を持たせる為に、「新選組」の撮影中、銀ちゃんに斬られた後に十数メートルの長い階段を背中から転げ落ちる超危険な「階段落ち」に挑む。銀ちゃんに惚れていた小夏は、腰が低くうだつのあがらないヤスを馬鹿にしていたが、真の男はヤスだと気づいていく。風間杜夫、平田満、松坂慶子が息の合った演技を見せ、本作品は各界から絶賛された。監督は深作欣二。

 
172.独立愚連隊西へ('60)107分
戦場で遭遇した日本軍と中国軍が、“戦争をしたふり”をして無傷で別れる展開に、“こんな邦画もあったのか!”と感動せずにはおれんかった。

 
173.がんばれ!ジャイアン!!('01)25分
シリーズ初、ついにジャイアンが主人公に!妹ジャイ子の片想いを成就させようと奮闘する兄の姿を描く。本作はストーリーが良いのはもちろんのこと、映画版ドラえもんの中でもっとも背景映像が美しい秀作。それは、詩的ですらある。夕暮れ時の町並みの美しさ、夜の雪、風景を見てるだけでも泣けてくる。漫画家を目指すジャイ子のペンネームは“クリスチーネ剛田”。ジャイアンは恋の応援だけでなく、彼女が作品「愛・フォルティシモ」を描きあげるまで必死で支えてあげるんだ。マジで良い話!
【ネタバレ文字反転】
強風で飛ばされたジャイ子の原稿を、雪降るなか根性で探し続けるジャイアン。一緒に探してくれようとした、のび太やスネ夫、しずかちゃんには、心配させない為に「ありがとう!もう全部見つかった!」と笑顔で嘘をつく。そして夜更けまでずっと一人で探し続けるんだ。ジーン。

この映画のエンディングはよく見よう!スタッフ・ロールが流れている時の映像は、
1.本編中で撮ったジャイアンの写真が古くなってる
2.カレンダーの日付が未来
3.ジャイ子の薬指に指輪が!
となっていた!この展開には超感動した。ジャイ子が幸せになって本当に良かった!オロロ〜ン。

 
174.デルス・ウザーラ('75)161分※クロサワ
地誌調査の為にシベリアを探検したロシア人と、シベリアの森で自然と一体になって暮らす孤独な老猟師との友情物語。ソ連政府が黒澤明に監督を依頼した大作だ。

 
175.幕末太陽傳(たいようでん)('57)110分
高杉晋作らが登場する幕末コメディ。主人公は肺を患いながらも“くたばってたまるか!”と常に陽気であり続ける風来坊。一文無しだった彼は「こち亀」の両さん並に、あっちで小金を稼ぎ、こっちでまた稼ぐ。相手が誰であろうと知恵を使ってソロバンを弾き、そのしたたかさが見ていて可笑しい。フランキー堺のバイタイリティーあふれる名演が絶賛された。喜劇だけど笑うばかりでなく、ラストの鐘の音には深い無常感が漂っている。

 
176.二百三高地('80)181分
日露戦争において、戦死者3150名、負傷者6850名という多大な犠牲者を生んだ旅順・二百三高地攻防戦を描く。ロシア軍が築いた当時世界最強といわれた要塞への無謀な突撃は見ていられない。死体累々の戦場にさだまさしの「防人の歌」が流れる…。

 
177.ラヂオの時間('97)103分
ラジオ・ドラマの生放送中に起きる様々な爆笑アクシデントを描く。俳優のわがままでドンドン設定が変わっていき(舞台が熱海→NYに!)、辻褄を合わせようと脚本家は奮闘するも、ますます物語はあらぬ方向へ。ストーリーが破綻しかける度に機転でピンチを乗り切り、何とか台本通りのラストシーンにしようと努力する裏方たち。抱腹絶倒のコメディっす。三谷幸喜の初監督作品。(ただ、僕的にはラストの運ちゃんのエピソードがくどかった)

 
178.仁義なき戦い・広島死闘編('73)100分
“仁義なき戦い”シリーズの第2作。組織に利用され裏切られる男の末路を描く。信じていたものが全て偽りと分かり、仁義が消えた世界でボロボロになっていく男を北大路欣也が熱演。警察に包囲されて銃口をくわえ…悲惨すぎる。

 
179.道頓堀川('82)130分
大阪・道頓堀川に面した喫茶店を舞台にしたヒューマン・ドラマ。画家志望の学生を演じた若き真田広之が実に良い演技を見せてる。登場人物の誰もが深刻な悩みを抱えており、閉塞感もここまで行くと快楽。ラストは切な過ぎて言葉も出ない…。監督・深作欣二。原作は宮本輝。

 
180.座頭市('89)116分
主演・監督は勝新太郎。クライマックスの大立ち回りはかなりのスケール。座頭市が超人的な強さで悪党一味をメッタ斬りにして壊滅させる。
※本作は撮影時に真剣を使い死者が出るという悲惨な事故があった…。

  アマゾンの説明とレビューが、「たけし版座頭市」と混同してカオス状態に(爆)
181.時をかける少女('06)98分※アニメ版
主人公・真琴は偶然タイムリープの能力を身につけた高校生。時間を戻すことが出来るので、何度でもプリンは食べられるし(笑)、テストも100点。人生の失敗は何度でもやり直せる。しかし、やり直して幸せになった分だけ誰かが不幸になったら…。切なくも爽やかな青春ドラマ。近年のアニメ映画はやたら難解だったり、映像や伏線に力を入れるのは良いけど肝心の本筋はイマイチ。そんな作品が多い中、この映画は小細工なしの直球型の青春映画。主人公は実によく泣きよく笑う。しかも舞台は夏。青空が目に沁み、スクリーンの中をイキイキ&パワフルに動き回る姿は、観てて気持ち良かった。過ぎ去った青春の日々、出合うもの全てが新鮮だった高校時代の夏がそこにはあった。
【ネタバレ文字反転】
劇中でアートが重要なキーワードになっているのが嬉しかった。生態系が変わりタイムマシンが発明されるほど遠い未来から来た千昭。最後の「未来で待ってる」は真琴の寿命では会えない以上、永遠の別れの悲しい言葉なのに、彼女へのエールになっているのがスゴイ。肉体は滅んでも芸術を通して未来で再会できるという、文芸ジャンキーとしては実にシビれる演出だった!(なぜ千昭があの絵にこだわっていたのか、もう少し語ってくれたらさらに良かった)
 
182.学校('93)128分
下町の夜間中学校に集う、様々な境遇・年齢の生徒たちと先生の心の交流を描く。生徒役の田中邦衛が素晴らし過ぎる。監督は山田洋次。最後の幸福についてのディスカッションはもっと掘り下げてほしかったな。

 

183.MEMORIES('95)113分
『彼女の想いで』『最臭兵器』『大砲の街』という3話構成のオムニバス・アニメ。製作総指揮は『AKIRA』の大友克洋。第1話で登場したセリフ「思い出は…逃げ込む場所じゃない!」が心に残る。第3話はオール・ワンショット。圧倒されたのは第2話。防衛庁の依頼で極秘裏に細菌兵器を研究していた山梨・甲府の製薬会社から、事故で人間兵器となった主人公が東京を目指すもの。彼の身体が出すガスで、半径数キロの全生物は仮死状態になってしまう。本人は自分が原因と気づいておらず、周囲に動くものがいないのでパニックになる。政府は彼の抹殺を決定、自衛隊が出動し、陸海空から総攻撃を加える。しかし彼のガスは電子機器を狂わせ、ミサイルが当たらないばかりか戦車も戦闘機も勝手に暴走して壊滅する。ついに米軍の特殊部隊まで出動する事態に…。
【ネタバレ文字反転】
ゴジラは何度東京を火の海にしても、けっして皇居だけは襲わなかった。それはタブーだからだ。しかしこの作品では最後にこんな描写がある。米軍の活躍で事件が解決したかに見え、政府は皇居と連絡をとり、これでもう避難することはないと伝えた。ところが主人公は米軍兵の中に紛れ込んで東京のド真ン中に来ていた。時、既に遅し。自衛隊作戦本部の「ギャー」という叫びで物語は終わる。ひょえ〜。

 
184.どん底('57)137分※クロサワ
「俺が貴様にどんな悪いことをしたというのか?」
「じゃあ、どんないいことをしてくれたね?」
「……」
「人にいいことをしなかったのは、悪いことをしたと同じだ」

このセリフに出会えただけで、自分はこの映画のモトをとった!江戸の長屋に暮らす民衆の姿を描いた作品。原作はゴーリキーの戯曲。

 
185.さよなら銀河鉄道999('81)130分
前作後、星野鉄郎は機械化人間に支配されつつあった地球で、わずかに生き残った人間と共に抵抗運動に身を投じていた。そこにメーテルから再び999に乗れというメッセージが届く。メーテルには機械化帝国の新女王になったという噂があり、鉄郎は彼女の真意が理解できない。やがて、終着駅で鉄郎が見たものは、機械化人が各惑星で捕らえた人間の体から魂を抜き取り、それをもとに食事カプセルを作っているという身の毛もよだつ光景だった…。どこまでも暗い物語。再会した鉄郎の父も敵。ジョークや笑える場面はほぼ皆無。沈痛な気分になりたい人へ。

  ミヤウダーが好きだった
186.ヱヴァンゲリヲン 新劇場版:序('07)90分
“10年前のTV版第1話〜6話を1時間45分に再編集”“今度は4部作”、これを聞いて「またエヴァで金儲けする気か」と呆れ果て、“もう貢ぐ気はない”と観に行くつもりはナッシングだった。しかし、公開直後からあまりに評判が良いので、こうなってくるとかつてのファンとしては居ても立ってもおられず気がつけば劇場に。土日を避けて月曜夜の上映30分前に行ったら「立ち見になります」。グハッ!エヴァ人気をなめていた。ブームから10年経って、しかもリメイクなのに超満員とはさすがだ(客層は大半が20〜30代の野郎たち)。映画の感想は、大・満・足!サキエル戦はNEWカラーの蛍光グリーンが美しく、シャムシェル戦は懸命な彼にやっぱり涙がポロリ、ラミエル戦(ヤシマ作戦)はあまりの美しい作画に瞬きするのも惜しく見入ってしまった。で、「笑えばいいと思うよ」に今回もズギュン。知っているストーリーなのに、14歳の少年に感情移入させ、涙を誘う演出力に唸った。架空の世界にもかかわらず、鬼の如く描き込まれた絵(超リアル背景)で、作品中に完全にひとつの世界を作り上げ、観客に現実を忘れさせるんだから大したものだ。幾度か登場した戦自&ネルフの使徒への一斉射撃は圧巻の迫力。

エンディング後の予告編の後、場内に照明が付いた時の「うおー!」という野郎どものザワザワと熱気が(ああいう雰囲気は久しぶり)、10年前の旧劇場版ではお通夜のように静まりかえっていたのと対照的で、“これならリメイクする価値はある”“あと3回も楽しめるなんて幸せ”と、製作陣への当初の先入観を謝りたくなった。シンジ君のウジウジは相変わらず苛々なんだけど、考えてみれば僕も14歳の頃はああだったわけで(他のアニメの少年少女が英雄の如く戦いすぎ)、そういう意味ではリアル演出なんだと思う。

【ネタバレ文字反転】
つくづく使徒のデザインが良い。特に変形ラミエルの美しさにはブッ飛んだ!崇高さすら感じてしまった。そして一発目の射撃がそれて反撃が来る時の恐怖!変形の瞬間「まずい!」ってマジで怖くなったもんなぁ。カヲル君がもう出てきたり、使徒の設定が変わっていたりで、ファンには今後の展開が楽しみだね。あと、UCCコーヒー描きすぎ(笑)。


 
187.蛍川('87)115分
昭和37年。富山の14歳の少年を主人公に、友情や恋、父との葛藤を描く。クライマックスの蛍の海が美しい。原作は宮本輝。

 
188.ビルマの竪琴('56)144分
ビルマのオウムが日本兵の声を記憶し、「アア、ジブンハカへルワケニハイカナイ」と繰り返すシーンに激涙。日本に帰国せず、僧侶となった兵士の物語。

 
189.独立愚連隊('59)109分
岡本喜八監督作品。この反骨部隊による軍隊オチョクリ映画は、ラストの戦いさえなければ間違いなくTOP10に入っていたのに…もったいない。

 
190.鉄道員('99)112分

仕事を優先して子どもの死を看取れなかったら一生悔やむと思う。ドラマと分かっていながらも、心境を考えると超辛かった。普通のヒューマン・ドラマと思ってたら、途中からまさかのホラー・ファンタジー。こんな展開の映画だったのか!意外すぎる。※しっかし、この頃の広末は天使ですなぁ。

 
191.生きものの記録('55)113分※クロサワ
大国が核兵器の軍拡競争をする中で、主人公は極度の恐怖に囚われ、「日本にいては核戦争に巻き込まれてしまう」と海外への移住を計画する。家族や近親者は主人公の頭がおかしくなったと思い裁判所に準禁治産者とする申立てを申請した。黒澤は問う。精神病院に収容された主人公が異常なのか、それとも大量の核ミサイルの中で平気に暮らしている我々が異常なのかを。

 
192.男はつらいよ ハイビスカスの花('80)104分

シリーズ第25作。マドンナは浅丘ルリ子(3度目)。初の沖縄ロケ。本土復帰からまだ8年しか経っておらず、山田監督は飛び交う米軍機と寅を同じフレームに収めた。「リリー、俺と所帯持つか」の名シーンあり!

 
193.幸福の黄色いハンカチ('77)108分
傷害事件を起こして6年を網走刑務所で服役した主人公(高倉健)は、刑期を終える直前に夕張で暮らす妻へ手紙を書く--「俺は、お前が良い男と再婚して、幸せになっていることを望んでいる。もしも、お前が今でも独りで暮しているなら、庭先の鯉のぼりの竿の先に黄色いハンカチをつけておいてくれ。そのハンカチを見たら俺は家に帰る。でもハンカチがなかったら、俺はそのまま夕張を去っていく」と。出所した彼は旅行中の2人の若者と共に夕張へ向かう。果たして黄色いハンカチは出ているのか…。監督は山田洋次。

 
194.時をかける少女('83)104分

原田知世主演、大林宣彦監督の実写版。クライマックスのタイム・ワープの場面は、太陽の降り注ぐ尾道の古い町並みをカメラが駆け巡り、BGMの美しいピアノ曲とあいまって、理由も無く涙が出てくる不思議な映像体験だった。原田知世もういういしい。ラベンダーの香りを嗅ぐとこの映画を思い出すんだよね。

 
195.地球交響曲・第2番('95)130分
「地球(ガイア)はそれ自体が大きな生命体であり、全ての生命、空気、水、土などが有機的につながって生きている」という“ガイア理論”を主軸に、世界各国で同じメッセージを発信している人々を紹介するドキュメンタリー。この第2番では映画『グラン・ブルー』の主人公のモデルとなったフリー・ダイビング選手のジャック・マイヨール、地球外生命の探索を続ける天文学者フランク・ドレイク、心のリハビリ施設を運営する佐藤初女、チベット仏教の14世ダライ・ラマら4人が登場。ダライ・ラマが「人類の未来は明るい」とスーパー・ポジティブ思想で嬉々と話す姿に感動。

 
196.もののけ姫('97)135分
室町時代を舞台に、ヒトと自然との共生について描く。宮崎監督のコメント「世界全体の問題を解決しようというのではない。荒ぶる神々と人間との戦いにハッピーエンドはあり得ないからだ。しかし、憎悪と殺戮のさ中にあっても、生きるに値する事はある。素晴らしい出会いや美しいものは存在し得る。憎悪を描くが、それはもっと大切なものがある事を描くためである。呪縛を描くのは、解放の喜びを描くためである。描くべきは、少年の少女への理解であり、少女が少年に心を開いていく過程である。少女は、最後に少年に言うだろう。『アシタカは好きだ。でも人間を許すことはできない』と。少年は微笑みながら言うはずだ。『それでもいい。私と共に生きてくれ』と。そういう映画を作りたいのである」。

宮崎監督は“こんな暗い話がヒットするわけがない”と腹をくくり、公開前に引退宣言を出した。いわく「引退させられる前にこっちから宣言すればいい」。ところが予想に反して大ヒット。それも歴代興行収入を塗り替える第1位の記録となった(この記録は4年後に千と千尋が更新する)。アニメとして初めて日本アカデミー賞作品賞に輝く。
※あの〜、モリシゲさんのセリフ、全く聞き取れなかったんですけど…。日本語字幕版を公開してください(涙)。あと、パンフで4ページも監督自ら解説する羽目に陥ってるのは、単体の作品としてどうなんだろう。ナウシカとの比較はナンセンスだと思うけど、やっぱ比べちゃうよね。

 
197.兵隊やくざ('65)103分
勝新太郎が横暴な上官に反抗する無頼漢の兵士に。最後は軍隊に愛想をつかして脱走する。上官の言葉は天皇の言葉と言われるほど上下関係が厳しかった時代にあって、我が道を行く主人公は喝采を浴び、この後“兵隊やくざ”シリーズが9作目まで作られることになった。

 
198.陰陽師('01)116分
同名人気マンガの実写化。平安京に潜む怨霊と戦う主人公の安倍晴明を、狂言師の野村萬斎が優雅に演じた。エンディングで見せた舞の美しさはさすがに本職。真田広之の怪演も話題に。

 
199.夫婦善哉('55)121分
駈落ちから始まる人情恋愛映画。金銭感覚がルーズでボンボン気質の主人公は、女性に対して「頼りにしてまっせ」と平気で言いのける男。普通ならサイテー男なんだけど、森繁久彌がこれをヒョウヒョウと演じて憎めないキャラに仕上げている。彼のことを相手が好きってんなら、外野がどうこう言う問題じゃないって思ってしまう。原作は織田作之助の小説。劇中に登場する“卵カレー”が無性に食べたくなった(笑)。

 
200.ピンポン('02)114分
「史上最速の球技」卓球を通して若者の成長を見つめた松本大洋原作の大傑作マンガ。コミカルなシーンと平行して描かれる、ライバル対決、自分との戦い、挫折と努力。映画は原作を知らなくても、十分に楽しめる良質な作品になっていた。しか〜し!原作で自分が感動した数々の名セリフがカットされており、“何ともったいないことを!”と悶絶しまくった。
それにしても、コーチ役の竹中直人は似た様なキャラばかりやりすぎ。あまりに原作とイメージが違うので、どうして彼が起用されたのか理解出来ない。

 


★1位〜100位
★201位〜333位


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オヌシは 番目の旅人でござる