最新文芸情報


2023.1〜2

●2月28日…(今日の良かった)記憶や深層心理をテーマにした超傑作サスペンス映画『インセプション』(2010)の中で、“目覚めの音楽”として使用されていたシャンソンの女王エディット・ピアフの名歌《水に流して》。1960年の古い曲だけど、歌詞がめっちゃ映画に合ってるし、これを使うことを考えたノーラン監督はやっぱ天才だわ。こんなに良い歌詞なら、日本の映画配給会社は歌にも字幕をつけるべきだった(仏語だし)。たった2分ちょいの歌なのに物語がいっそう深くなる。

《水に流して》(2分22秒) "Non, je ne regrette rien"

いいえ、後悔してないわ
私は何一つ後悔してない
私に起きた良いことも悪いことも
私には同じこと
いいえ、後悔してないわ
私は何一つ後悔してない
代償を払って過去は清算した
もう忘れ去ったわ
私には過去なんてどうでもいいこと
いろいろな思い出
火をつけて燃やした
悲しみも喜びも、今はもう必要ない
過去の恋は清算した、震える想いと共に
永遠に追い払った、またゼロからやり直そう
いいえ、後悔してないわ
私は何一つ後悔してない
私に起きた良いことも悪いことも
私には同じこと
いいえ、後悔してないわ
私の人生、私の喜びは、今日から始まる
あなたと共に始まるのよ


/そしてネット配信時代のいまにあっても、レンタルDVD店は必要と実感。ピアフの伝記映画『エディット・ピアフ 愛の讃歌』(2007)は、ピアフ役のマリオン・コティヤールが本作でアカデミー主演女優賞に輝いているのに、アマゾン・プライムにもNetflixにもU-NEXTにもない!正確にはアマゾンはかつてあったみたいだけど現在は見られず痕跡だけ残っている。アマゾンの映画あるあるだ。近所のツタヤは昨年撤退してしまい、藁にもすがる思いで訪れた、駅から離れたGEOでついにこのDVDを見つけた。どんなに嬉しかったか!ありがとう、GEO!
●2月27日…(今日の良かった)最近、毎日フーファイターズの『Everlong』(4分)を聴いている。疾走感がなんとも心地良くクセになる。冒頭の歌詞も「Hello, I’ve waited here for you(やぁ、君を待っていたんだ)」とつかみバッチリ。

/統一教会(政界汚染、高額寄付、養子縁組)、エホバの証人(児童へのムチ打ち、輸血拒否)、幸福の科学(教祖の他界)、そのすべてに激震中。家族愛をうたう教祖が、別れた妻や子どもたちを、手の平を返して罵(ののし)る言動を見て、信者は疑問に感じないのかといつも思う。文鮮明氏にしろ、没後に後継者争いが起きたり、家族間で訴訟沙汰になるとか、それを見通せなかった教祖に僕ならついていけない。

/あまりに花粉がきつくて、3/13にマスク解除になってもしばらく手放せないな…。
●2月26日…(今日の良かった)『鬼滅の刃 刀鍛冶の里編』の放送開始日が4月9日に決定!中断している『ゴールデンカムイ』も4月3日に再スタート。
『進撃の巨人』のラストエピソードはシーズン方式ではなく、前後編のたった2話と知り驚く。あと2話であの壮大な物語が完結するというのか。前編は3月3日の夜!

/毎週末、ジョジョアニメがオンエアされる度に、ツイッターのトレンドにジョジョが上がってくるのが嬉しい。先週はウェザーが3日間ほどトレンドに入りっぱなしだった。今でさえこの盛り上がり、いったい最終回の放送後はどうなることか!原作第6部が完結したのは2003年。それから20年後にウェザーやアナスイの名前がトレンドにあがるなんて、当時は想像もできなかった。めっちゃ感慨深い。マジで時代がジョジョに追いついた感ある。
●2月25日…(今日の良かった)大阪地裁が『アベノマスク』の単価や数量などを国に開示するよう命じた!あの布マスクは、製造業者の選定過程が極めて不透明で、品質も虫の混入やカビ発生など酷いものだった。神戸学院大学の上脇博之教授らが、国に対し業者との契約に関する文書を情報公開請求したところ、国は「今後の価格交渉に支障が生じる」などとして、発注した単価と枚数を黒塗りにし非開示に。これではらちがあかないと、教授らは情報開示を求めて国を提訴した。
28日の判決で、大阪地裁は「単価や数量を開示することは今後の価格交渉などに支障を与えるものとは認められず、国が不開示としたのは不当である」として、情報を開示するよう命じる判決を出した。原告の上脇教授「約500億円もの巨額の税金が使用されたアベノマスク配布事業について、司法が政権や中央省庁の隠ぺい体質を断罪し、情報を国民に明らかにすることを命じたものであり、重要な意義がある」。
※まともな判決が出て良かったし、そもそも税金を使った事業の内容を国民に開示できないのがおかしい。

//ぐああ、スギ花粉の量が過去10年で最大だと!?
●2月24日…(今日の良かった)全世界の墓マイラー・歴史・文化人類学ファンにおくる『地球の歩き方・世界のすごい墓』が刊行されました!インドのタージ・マハル、中国の始皇帝陵、エジプトのピラミッドなど巨大墳墓から、ゴッホ、ベートーヴェンなど芸術家の墓所まで「194」もの墓と霊廟を、たくさんの美しい写真と旅の雑学とともに案内しています。 本書でメインライター3人のひとりとして、主にヨーロッパ・米国の墓とアジアの一部を担当させていただき、また写真80点を提供しました。

紀元前3千年から現代まで網羅しており、この本は世界の様々なお墓文化にめぐり会う“扉”になるかと思います!僕自身、アフリカ・セネガルの貝殻の墓、中央アジア・ウズベキスタンの青タイルの巨大廟、中東イランの古代の墓、フィリピンやインドネシアの崖の墓など、この本で新たに訪れたいお墓をたくさん見つけました。多様な弔い方があり、豊かに広がる墓文化(ハカルチャー)に驚きました。
本書のサブコーナーのコラムには「心に響く墓碑銘の言葉」「お墓を訪ねて知る平和の尊さ」「世界にも“お盆”がある?」などもあります。

ときに、この本を作るにあたって、感動的なことがありました。34年前の1989年、初めて欧州一周の墓巡礼を敢行した際に持参した「地球の歩き方」には、パリの偉人のお墓マップや、郊外のゴッホの墓への詳しい行き方が掲載されていました。まだネットがない時代、これらの地図がどれほど重宝したことか!それを作成したのが、今回の本で編集担当だったSさんその人でした。もう驚いたのなんのです。本格的に墓マイラーとなっていくきっかけを作った方と、30年の時を経て一緒に本を作る日が来ようとは!人間の縁はまっこと不思議ですね。

1987年に誰と共有するでもなく、ひとりで始めた墓巡礼。おそらく、インターネットが発明されなかったら、ごく身近な人をのぞいて、僕の墓巡礼の体験は誰に伝わるでもなく、人知れずこの世から消えるだけでした。こうして、「地球の歩き方」という、お世話になった旅行本の作成にたずさわることができ感無量です。

※約220ページ、オールカラー、1980円です。よろしければ下記のアマゾン・リンクをご利用くださいませ。
(短縮URL) https://amzn.to/3kEO0Y9

  

  194箇所掲載!

★収録された国と地域…インド、ベトナム、中国、イラン、サウジアラビア、トルコ、イスラエル、エジプト、ヴァチカン、イタリア、フランス、モナコ、イギリス、アイルランド、スペイン、ドイツ、オーストリア、スイス、デンマーク、ノルウェー、フィンランド、スウェーデン、ルーマニア、クロアチア、チェコ、ブルガリア、ハンガリー、ポーランド、ギリシア、リトアニア、ロシア、アメリカ、プエルト・リコ、カナダ、グアテマラ、エクアドル、グアドループ、メキシコ、アルゼンチン、チリ、ペルー、キューバ、ジャマイカ、モロッコ、チュニジア、セネガル、アルジェリア、ガーナ、ヨルダン、パレスチナ、パキスタン、タイ、カザフスタン、ウズベキスタン、韓国、台湾、フィリピン、インドネシア、タヒチ、サモア、オーストラリア、日本。
●2月23日…(今日の良かった)ヤフーニュースのコメント欄は誹謗中傷や根拠のない推測、誤読による不適切なコメントが長く問題となっていた。そこで昨年11月にID登録時の携帯番号の設定を必須化したところ、コメント投稿停止措置を受ける悪質なユーザーが56%も減少し、不適切なコメント(投稿時の注意メッセージの表示回数)も22%減少したという。また、24時間体制の専門チームによる人的パトロールやAIによる監視を駆使し、不適切なコメントの削除にも注力しているとのこと。差別主義者の無法地帯だったヤフコメ欄。もっと早く対策をしてほしかったけど(20年遅い)、二次加害や悪質デマが減っているならホント嬉しい。
●2月22日…(今日の良かった)24日25時Eテレ『浦沢直樹の漫勉neo(18)』は漫画家・浦沢直樹先生が「超熱血マンガ家」島本和彦先生の仕事場を訪ね、作品誕生の瞬間を目撃します!島本先生の道具(特別な鉛筆・Gペン)へのこだわり、驚きの表現術などを紹介。漫画家が漫画家に密着する異色のドキュメント!漫画愛爆発、激アツの島本先生がどんなことを語られるのか、めちゃ楽しみです!
●2月21日…(今日の良かった)これまで少なくない日本企業が外国人技能実習制度を悪用し、最低賃金以下の給料で長時間労働をさせ、米国務省や国連から、制度が「人身取引」と名指しで批判されてきた。特に縫製業で賃金不払いが横行し、業界はイメージダウン。そこで、岐阜県で監理団体「MSI協同組合」が結成された。加入できるのは、不正のないクリーンな企業だけ。事前に加入希望社の「身体検査」を徹底し、加入後の監査は、実習生に待遇や労働環境を直接聞き取る。企業に給与明細発行を義務づけ、実習生を支援してきた労働組合出身者が監査。そうすることで技能実習生は「MSI協同組合」傘下の会社を選んで働くことができる。
岐阜の縫製会社ヴェルデュールの近藤知之社長いわく「外国人実習生は、安価な単純労働者ではない」。同社で働く実習生の賃金は岐阜県の最低賃金時給910円を上回り、長時間残業は認めない。宿舎は工場近くの、日本人も暮らすアパート。エアコンなど家電付きの2LDKに4人一組で暮らす。「適正な賃金を払い、宿舎費などを含めれば、人件費は日本人の1.5倍。それでも雇うのは、即戦力の彼女たちがいなければ仕事が回らないから」。全都道府県に同様の監理団体が結成されますように!

//今月でテレビ放送開始70年。僕の世代はテレビとともに育ったし、お金のない学生時代は映画をたくさんテレビで見た。一方、NHKの調査によると、今の10代は平日にテレビを平均1時間も見ていないという。それどころか、半数はまったく見ないというから隔世の感がある。もちろん、とってかわったのはネット動画の視聴。YouTubeが誕生した2005年に、20年も経たないうちにこんなに激変すると誰が想像したろう。
でも“テレビは終わった”なんて思わない。毎日このサイトに「お薦め番組情報」をアップしているからわかる。あの番組情報はNHKとEテレだけであんなにたくさんある。民放を含まないのに。そのことをもっと伝えたいな。
●2月20日…(今日の良かった)同性婚の法制化やLGBTQ差別禁止法が定められていないのは、先進7ヵ国で日本だけ。5月にG7広島サミットを控える中、国際社会から厳しい意見も出ている。そこで講談社ViViが同性婚について若い世代のリアルな意見をアンケート調査した結果、10代20代を中心に「認められるべきだと思う」という回答が91.7%(726人)もあり、「認められるべきではない」という回答は4.8%(38人)に留まった。素晴らしい、さすが若い人は柔軟です。同性婚を法制化すれば「社会が変わってしまう」という首相や、「(同性カップルを)見るのも嫌だ。隣に住んでいたら嫌だ」という元首相秘書官とは大違い。寄せられた賛成意見も説得力のあるものが多かった。→

・幸せになる権利はみんな平等に与えられるべきだから。(18〜24才・福岡県)
・個人の幸福追求を阻害する権利はないし、他人が同性と結婚したところで特に自分に害があるわけではない。(18〜24才・神奈川県)
・結婚という制度を当たり前のようにある国の中に、できない人たちがいるというのは社会的な不平等でその人の人権がないことが問題。(18〜24才・石川県)
・異性間でも子供を産めない・産まない夫婦もある。子を持つという点に対しては特別養子縁組という制度で血縁関係なく実子として認められる制度もある。それならば子を産めないという点では同性間でも一緒なので、養子等の制度の拡充も含めて婚姻が認められない理由にはならないと思う。(35才以上・愛知県)
・海外を例に見ても同性婚が認められたからといって不利益になったことは無いと思うし、何より幸せな国民が増えるだけだと思う。(25〜29才・大阪府)
・当事者にとってはさまざまな制度が利用できてメリットが大きく、当事者でない人たちにとっては何ら変わらない生活が続くだけなので、社会への悪影響は全くないと考えるから。(18〜24才・東京都)
・婚姻と出産を紐づけて少子化的な観点から反対する人が多いが、それらに相関性はなにもない。(35才以上・東京都)
・同性婚が認められていない今でさえ、出生率は年々下がり虐待は増え続けている。ならば同性婚を認めて養子制度を改め代理出産についても良い方に考えていく方が今後の日本の為になると思う。同性婚を認めたら国を出て行く人が増えるのではなく、同性婚が認められていないから、今までもこれからも日本での生活を諦め海外に出て行く人が増え続けるんだと思う。(35才以上・広島県)

//『宇宙戦艦ヤマト』『銀河鉄道999』『キャプテン・ハーロック』などで知られるSF漫画の巨匠、松本零士先生が2月13日に85歳で他界されたことが、1週間後の今日(20日)発表された。宇宙を舞台にした冒険ロマンだけでなく、第二次世界大戦を描いた『ザ・コクピット』シリーズにも名作が多い。特に日米双方から特攻作戦を見つめた《音速雷撃隊》は戦争の虚しさがにじみ出た大傑作。哀悼の意を表します。※アニメ版『音速雷撃隊』(24分)
●2月19日…(今日の良かった)年末に放送されて話題を呼んだ傑作ドキュメンタリー、NHK『映像の世紀バタフライエフェクト:ロックが壊した冷戦の壁』が25日(土)15時5分からアンコール放送されます!東ドイツで監視社会への怒りを歌った女性歌手ニナ・ハーゲン、ドラッグや同性愛を赤裸々に歌い、チェコスロバキアで大ブームとなった、ルー・リード率いるベルベットアンダーグラウンド。そして西ベルリンから壁の反対側(東独)に向けてコンサートを行ったデビッド・ボウイ。「音楽が世界を変える」、と書くと“綺麗事”に聞こえるかもですが、東西冷戦の象徴「ベルリンの壁」を崩壊に導いた、3人のロックシンガーの実話は、音楽がいかに人の心を動かすか雄弁に語りかけます。メルケルさんのエピソードもめちゃくちゃ良かった!この番組は毎回良い内容ですが、当回はガチで永久保存版です。
●2月18日…(今日の良かった)憲法学者の蟻川恒正教授(日大法科大学院)が首相銃撃事件以降の政治の流れについて寄稿、よくまとまっていたので抜粋。言葉を慎重に選びながら統一教会と政治家の癒着を問いただしていた(1/24朝日)。

『(暗殺という)凶行を正当化しうる一片の理由もない。だが、教団友好団体のイベントに安倍氏がビデオメッセージを寄せていたことを知った上で、犯行当日の警察での取り調べに、「もともと統一教会を日本に引き込んだのは、岸信介元首相だ。ただ、すでに死んでいるので、その孫の安倍元首相を狙った」と供述した被告人は、自らの上に降りかかった不遇が政治の動きと無関係でないことを嗅ぎつけていた。
 教団から選挙支援を受けた政治家たちが、支援を受ける代わりに、教団による各種被害の拡大抑止を間接的に阻む役割を果たしたか否かを問い質(ただ)されたのは、自然の成り行きであった。
 自民党が野党時代の2012年4月に発表した憲法改正草案は、政教分離を定めた憲法20条1項後段を改正し、宗教団体は「政治上の権力を行使してはならない」という文言を削除する案を規定していた。このことは、反共産主義や男性支配型の家族観を掲げて政治権力の掌握を志向する旧統一教会と自民党との浅からぬ因縁に徴するとき、これまでとは異なる角度からの照明を必要としよう。

 教団との関係の弁明に追われた政治家たちの主張は、判で押したようなものであった。安倍氏の実弟で当時防衛相の岸信夫氏の例で見よう。「選挙だから支援者を多く集めることは必要なことだと思っている」。「次の選挙でどうなるかは軽々にお答えできない」
 これは、選挙至上主義である。選挙至上主義とは、第一に選挙のためとあれば大抵のことが許される政治家の「内輪」の感覚であり、第二にその感覚がそのまま政治家以外の人にも通じて当然だとする、「外部」感覚の欠損である。
 教団から被害を受けている者やその家族よりも自分たちの選挙を優先する岸氏ら多くの政治家のそうした態度の根底にあるのは、つまるところ想像力の貧困である。
 先の弁明のなかで岸氏は、教団信者による選挙支援の内容を問われて、「電話作戦などボランティアでお手伝いいただいたケースはあると思う」と述べ、「次の選挙で」支援を受けるかは「軽々に」答えられないとした理由を、「あくまでもボランティアベースなので」と説明している。
 ボランティアだから問題はないというのが、その言い分であろう。けれども、あえていえば、ボランティアだからこそ問題なのである。なぜなら、信者は、「ボランティアベース」で政治家の選挙事務所に入り込むよう教団側から言い含められており、無償の勤労奉仕を提供することで、教団が政治家とのパイプを作る手段に使われているからである。
 これは、高額献金とは形は違うが、教団による広義の搾取である可能性がある。政治家側は、その可能性にこそ思いを致すべきであった。それができなかったのは、国民たる教団信者の苦境への想像力が欠如していたからである。
 教団と自民党の関係について、安倍派の福田達夫氏が、「正直言う。何が問題かよく分からない」と述べたことは、事態を象徴して余すところがない。のちに発言の修正を図ったものの、当初の発言が「正直」なところであったろう。国民への想像力を働かすどころか、国民の心情に共感するふりをすることさえできなくなっているのである。
 戦後の日本政治において、ここまで明け透けな国民軽視を、政権与党の有力政治家がこぞって示したことがあっただろうか。

 かくも無残な政治の劣化は、「安倍一強」といわれた恵まれた政治環境に胡座(あぐら)をかいて、10年間、衆参あわせて6度にわたる国政選挙での勝利に酔った安倍氏「配下」の政治家たちが、我慢強い国民に高を括(くく)って、空騒ぎに興じた結果というよりほかに、説明のしようがない。
 政治権力の掌握を志向する旧統一教会と日本政界、とりわけ自民党・現最大派閥(安倍派)との関係を自己点検しようとする政治の動きは、すっかり沙汰やみになったかに見える。「敵基地攻撃能力」の保有の必要性を力強く語ったこの国の首相は、「戦争放棄」を定める憲法9条との関係には言及することがない一方、「継戦能力」という言葉を当然のように使った。
 空騒ぎの神輿(みこし)に担がれ続けた元首相が横死してもなお、この国の政治は、けじめをつけるどころか、新たな亡国の遊戯を始めようとしているかのごとくである。
 この悲劇からすら学びえないとしたら、この国には、一体どれだけの悲劇が必要だというのか。』
●2月17日…(今日の良かった)児童手当のモヤモヤが解決。僕は「裕福な家庭に児童手当は不要」と思っていたけど、先進国の中で高所得世帯を完全に不支給にする国はないといい、以下の3つの理由から所得の関係なく支給することに納得した。
(1)誰が対象で誰が対象でないかを調査するとなれば、そのために新たに膨大な費用(人件費)が必要となる。
(2)線引きされる所得は前年や前々年のデータであり、現状とタイムラグが発生する。支給時点で解雇されている可能性がある。
(3)欧州では、児童手当は生活保護のような収入が低いことの補完ではなく、子育てのための基本的な支出額の一定割合を国が負担する「社会手当」と考えられている。
それに加え、日本では少子化による子ども数の自然減によって、児童手当の給付額が2018年度からの3年で760億円も減っており、その浮いた予算を財源にあてれば国庫への負担も少ない。

//この時期、お年寄りは激しい温度変化で血圧が急激に変動する「ヒートショック」で命を落とすケースがあるので、自宅でも注意が必要。暖房の利いた居室から冷えた脱衣所に移動し、すぐに浴槽で温かいお湯につかると、血圧が繰り返し変動して心筋梗塞(こうそく)や脳梗塞を引き起こす恐れがある。日本医師会は、脱衣所を事前に暖めたり、風呂の温度を低めに設定したりすることなどを対策として勧めている。
●2月16日…(今日の良かった)新右翼団体「一水会」をつくり、君が代を1万回以上歌い、日の丸も1万回以上掲揚したという鈴木邦男氏の次の言葉をメモ。「自由のない自主憲法よりは、自由のある押しつけ憲法を」。氏は先月79歳で他界。エセ保守の統一教会ビジネス右翼とは無関係の、反米独立をうたう本物の右翼、異色の言論人でした。合掌。
※一水会結成当初の鈴木氏の有名なエピソードで、リベラル派の井上ひさし宅に脅迫電話を入れた話がある。井上から逆に「君は愛国者だというが、ならば天皇全員の名を言えるか、私は出来るぞ」と全125代を暗誦されて「返り討ち」に遭い、謝罪したところ許しを得ることができたという。
この話を聞いて、僕は初代神武天皇から124代昭和天皇まで全天皇の陵墓を墓参りしているけど、そんな右翼はいるのかな、と思ったり。
●2月15日…(今日の良かった)厚労省が13日に発表した情報によると、7カ月ぶりに全国のコロナ新規感染者が1万人を下回ったとのこと!サッカーの応援で声出しが解禁されるなど、人々の動きが活発になってきているのに、全体で減っているのが嬉しい。
●2月14日…(今日の良かった)発生から1週間が経ったトルコ・シリア地震(死者3万5千人)、夜間は氷点下になるのに182時間ぶりに12歳の少年が救出された。希望はまだある。
●2月13日…(今日の良かった)うお〜、渋谷駅と原宿駅の巨大ジョジョ壁画が凄すぎる!渋谷のモノクロ壁画、いったい何メートルあるのだろう?東京に住んでいたら絶対に見に行くのに!2月17日、ウルトラジャンプにて“ザ・ジョジョランズ”連載開始!

  

原宿駅の階段にポルナレフの後ろ姿。これ一番上でDIOごっこができるやん!(笑)
●2月12日…(今日の良かった)統一教会による被害を「競馬ですったようなもの」と言って被害者を侮辱するなど、あらゆる媒体で数々の問題発言をしながらも、保守論客としてテレビで引っ張りだこだった三浦瑠麗氏がメディアから消えて、少しホッとしている。氏の夫が代表を務める会社が太陽光発電事業に関する10億円の投資トラブルで1月19日に東京地検特捜部から家宅捜索を受けたこと、そして氏が政府の成長戦略会議のメンバーという「みなし公務員」という立場にありながら、夫の事業に利益誘導をしていた疑惑が問題になっている。

三浦瑠麗氏の暴言で忘れられないのは、財務省の故・赤木俊夫さんが森友問題で官邸を有利にする公文書改ざんに関わったことを後悔し「国民に対して責任をとる」と自死された際、氏は「本当にこの問題っていうのは人が死ぬほどの問題じゃないんですよ」と半笑いで言い放ったこと。その後、三浦氏から遺族の赤木雅子さんに謝罪はなく、この言葉を撤回することもなくテレビに出続けていた。 『朝まで生テレビ』のレギュラーにしていたテレビ朝日、『めざまし8』に抜擢したフジテレビのモラルを疑う。

ときに、三浦氏は安倍元首相と会食するなど官邸とも近かった。安倍氏の応援団にもかかわらず、国葬儀に参列した際に、場違いなシースルー喪服姿だったことに仰天したし、葬儀後にSNSへ「竹中平蔵さんと『朝生』よりも長い時間、一緒にいたの初めてで楽しかった」と投稿したことに目を疑った。葬儀で「楽しかった」はないだろう。氏は夫の弁護士が、統一教会の顧問弁護士であったことも発覚している。
●2月11日…(今日の良かった)23日21時半からNHK『100カメ』でアニメ制作スタジオ・MAPPAの特集があります!息を呑む圧倒的な作画力で視聴者の度肝を抜き、『この世界の片隅に』『進撃の巨人』『ヴィンランド・サガ』『チェンソーマン』などで超絶ハイクオリティの“神作画”を連発しているアニメ界の特異点に潜入取材!
●2月10日…(今日の良かった)ドイツ政治外交史の研究者・岩間陽子氏の言葉をメモ。
「(アウシュヴィッツ収容所記念館に現存する)悪魔がしたのかと思うような残虐行為の山の証拠。それを目の前にして、人間の善を信じる力が私の中に残るだろうか、という疑問があった。だが、このような残虐行為の跡が残っていることこそ、人間の中の「善」への希望なのだ。より恐ろしいのは、忘れ去ることだ。記憶から消えてしまい、誰もアウシュヴィッツを残そうとさえ思わない世界の方が、ずっと恐ろしい」。
●2月9日…(今日の良かった)東京都が少子化対策として国に先んじて1.6兆円を投じることを発表。2017年に都内の待機児童は全国最多の8586人だったが、保育施設を増やして2022年に300人まで激減したが、出生率は全国最下位の1.08(全国は1.30)。保育所を増やしても、経済的に苦しければ子どもを持てないことが明確になった。そのため、小池知事は「0〜18歳全員に月5千円給付」案を公表、第2子保育料無償化なども打ち出した。今の児童手当は中学生以下に年代が限られ、所得制限もあることから、知事いわく「都が切れ目なく子育てを支えるというメッセージは出生率を大きく反転させるきっかけになる」「国はこの後、確実に追っかけてくる」。

/一方、こんな意見も。東大の山口慎太郎教授(家族経済学)
「子どもが1人いる家庭が現金給付を受けた場合、そのお金は今いる子の教育費などに使われることが多いです。つまり現金だと、子どもの「数」よりも「質」のために使われる。所得が増えても、それに伴い教育支出も増えるため、負担感はなかなか下がりません。そのため、さらに子どもを持つ動機にはなりにくいのです。夫は「子どもを持ちたい」と思っていても、妻が「子どもを持ちたくない」と思っている夫婦も意外と多いことが明らかになりました。妻がそう思うのは、「自分に育児の負担がくる」と認識しているからです。夫婦のギャップを埋めるには、男性が育休を取ったり、子育て負担を担ったりすることが重要です。男性の家事育児負担の割合が高い国ほど、出生率が高いというデータもあります。」
残業をなくし休暇を増やすなど、国レベルで労働環境の改善が必須です。
※日本の場合、国内総生産(GDP)に占める教育機関への公的負担が非常に少なく、経済協力開発機構(OECD)加盟国で下から2番目の低さ。
●2月8日…(今日の良かった)「世界最強の主力戦車」と評価されるドイツ製の「レオパルト2」を、欧州各国の軍は計約2千両保有している。米国の主力戦車「エイブラムス」、イギリスの「チャレンジャー」の性能を上回るこの戦車を、ウクライナ政府は各国に提供を求めてきた。ドイツのショルツ首相は、レオパルト2の投入がNATOとロシアとの直接対決に繋がりかねないと懸念、自国からの提供に慎重だった。ポーランドやフィンランドなどは保有するレオパルト2の提供に前向きだが、ドイツは再輸出を認めなかった。だが、いまだにロシアからの無差別に近いミサイル攻撃が繰り返され、市民の犠牲者が増え続けているため、ついにドイツはレオパルト2の提供を決めた。ウクライナは大喜びしており、郷土奪還の士気もあがっている。
ただ、操縦には十分な訓練が必要なため、実際に配備されるのは最短でも3カ月先。ロシア側は配備前に勝利を決めるべく攻撃を激化するとが予想され、予断を許さない状況だ。
●2月7日…(今日の良かった)来年放送の大河ドラマ『光る君へ』の出演者が発表された。主役の紫式部が吉高由里子さん、彼女が心を寄せる藤原道長が柄本佑さん、ライバルの清少納言がファーストサマーウイカさん、紫式部の父藤原為時が岸谷五朗さん、母ちやはが国仲涼子さん、弟藤原惟規が高杉真宙さん、陰陽師の安倍晴明がユースケ・サンタマリアさんとなった。キャスティングを聞いただけで夢が膨らむ。
●2月6日…(今日の良かった)中国・上海市の医療機関に勤める日本人医師いわく「農村部も含めてコロナ感染のピークは去った」。一時は国家が麻痺するのではと思うほど、凄まじい感染爆発が起きていた中国。あの状態が続けば、そこから最悪の変異ウイルスが生まれるのも時間の問題だったし、ウイルスが侵入しやすい環境にある隣国の人間としては、大いに懸念していた。第二波の心配は残るが、とにもかくにもピークが過ぎて良かった。

//トルコ・シリア大地震、続報が入るにつれ死者の数が急速に増えていき7千人に。しかもまだ全貌が分かっていないという。内戦と凍えるような寒さで救助は難航。これはつらい…。
●2月5日…(今日の良かった)日曜夜のドラマ『ブラッシュアップライフ』が面白すぎる!記憶を持ったまま3周目の人生を生きるという荒唐無稽なストーリーながら、安藤サクラさんの神がかったナチュラル演技で、まったく違和感なく没入。主人公は来世がオオアリクイやサバと知り、人間に生まれ変わるために人助けをするなど“徳を積む”。ボヤいたり皮肉を言いながらも、他人を助けるために奔走する姿が超好感。1周目の人生では苦手だった人物に、2周目の人生では良い面を発見し、人の見え方が変わるとか、なんて良い脚本なんだろう。まだ第4話、この先いったいどうなっていくのだろう!

//大河『どうする家康』は歴史SFとして楽しむことにした。この大河で史実がどうのこうのと突っ込むのはナンセンスというか、もうトコトン過剰演出で振り切ってほしい。そういう異色の大河があってもいい。山田孝之の服部半蔵が幸せになれますように。
●2月4日…(今日の良かった))2月16日22時からNHK『高橋幸宏 創造の軌跡』放送!YMOなど世界で活躍した高橋さんの肉声や貴重な演奏の映像で創造に満ちた人生を振り返るとのこと。名曲「ライディーン」もオンエア。

//ミャンマー国軍がクーデターで実権を握ってから2月1日で2年。欧米は国軍系企業などに経済制裁を科しているが、中国などとの取引には大きな影響を与えておらず、軍事政権が強硬姿勢を変えざるを得ないほどのダメージにはなっていない。市民への弾圧を続ける国軍に対し、国際社会は一致した対応を取れていない。特に日本は最悪で、亡命ミャンマー人の反対の声を押し切って、安倍元首相の国葬儀にミャンマー国軍の幹部を招待してしまった。これは軍事政権を正統な政権と認めたのも同じ。当然、国軍はすぐさまネットで国葬儀参列を報告し、日本がクーデター政権にお墨付きを与えたことを世界に宣伝した。国軍は民主派に対して死刑を執行しており、マジで岸田政権は責任を感じてほしい。
●2月3日…(今日の良かった)岸田首相の荒井首相秘書官が、「(同性婚の人を)見るのも嫌だ。隣に住んでいるのもちょっと嫌だ」「同性婚を導入したら国を捨てる人もいると思う」などと、性的少数者や同性婚に対する差別発言で更迭されたことについて、上智大の三浦まり教授(政治学)は、首相を支える幹部官僚に女性がいないことが「首相秘書官の発言と無関係ではない」と指摘。
更迭された荒井秘書官は、性的少数者への差別的な内容のほか、同性婚などについて「秘書官室もみんな反対する」という趣旨の発言をしている。その後、「同世代だからという趣旨で言ったが、実際に聞いているわけではないので、撤回する」と説明。
この発言について三浦教授は「同質的な感覚の人だけで普段から活動していると感じた」と指摘。意思決定の場に多様性がなければ、政策の細部に多様性の視点が入ってこない。岸田政権の秘書官には、財務、経済産業、外務省、警察庁など主要省庁出身の7人と首相の長男翔太郎氏の計8人が起用され、全員が男性。政府は「2020年代の可能な限り早期」に、管理職や政治家など指導的地位に占める女性の割合を30%程度にする目標を掲げ、首相も「岸田政権は持続可能で多様性を認め合う包摂的な社会をめざす」と強調するが、政策の意思決定に関わる首相側近は「男性一色」だ。
三浦教授は、多数派の立場に立った政策ばかりが打ち出される可能性があるとして、「中枢に中高年の男性しかいないのは、国家運営のリスクを高めてしまう」と指摘。5月に主要7カ国(G7)広島サミット(首脳会議)が開かれることを念頭に、「今回の秘書官の発言は、日本の後進性を世界に印象づけてしまった。『官邸に女性がいないこと』の恐ろしさに、首相は気づくべきだ」と話す。まったくもって同感だ。

/「同性婚を導入したら国を捨てる人もいると思う」とのことだが、それでは国を捨ててどこへ?アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、カナダ、日本以外のG7はすべて同性婚が認められているし、選択式夫婦別姓が導入されている。逆に、周辺国で同性愛を違法としているのは、ロシア、中国、北朝鮮。どうぞお好きな国を選んで、自由に出て行ってくださいとしか。

/なぜ同性婚が待ったなしの人権問題なのか。以下に同性婚が実現できれば可能になることを整理。

〔法的な権利の一例〕
医療保険の被扶養者になれる
パートナーと実子や養子の共同親権を持てる
パートナーの遺産を相続できる
パートナーが死亡した際に遺族年金がもらえる
所得税の配偶者控除・配偶者特別控除が受けられる
パートナーが外国人の場合、日本への帰化ができる
離婚時の慰藉料請求ができる
離婚時の財産分与請求ができる
公営住宅に2人で入居できる

〔民間サービスの一例〕
入院中のパートナーに「親族」として面会できる
パートナーに対する医療行為に「同意」できる
パートナーの葬儀に参列できる
民間生命保険の死亡保険金受取人になれる
企業の慶弔休暇、慶弔見舞金、扶養手当・家族手当を利用できる
自動車保険の「運転者家族限定特約」を利用できる
携帯電話の「家族割引」を利用できる
クレジットカードの「家族カード」を利用できる
交通機関の「夫婦割引」「家族割引」等を利用できる

例をあげればキリがなく、2023年になっても同性婚に反対している政治家は、「日本には差別される側の人間が必要」と言っているのと同じです。
●2月2日…(今日の良かった)保守的な南部サウスカロライナ州で女性として初めて知事を務め、今「新しい世代の出番だ」と米大統領選挙に立候補したニッキー・ヘイリー氏(51)。両親はインドからの移民で、共和党では初のアジア系の大統領候補者。トランプ政権では国連大使を務めた。保守的な政策目標はトランプ氏と同じだけど、トランプ氏が主張する数々の陰謀論とは距離を置いており、また人種問題でも一線を画している。州知事時代には、白人至上主義者による銃の乱射事件で多くの黒人が犠牲になったことに涙を流し、差別の象徴と言われた(南北戦争時の)“南軍旗”を州庁舎から撤去したこともあった。彼女は新人時代から選挙に負けたことがなく、既に大統領選の出馬を宣言しているトランプ氏にとっては脅威となる。トランプ氏はかつての部下が対立候補となったことに当然激怒しており、さっそく彼女を罵り始めた。僕は共和党の支持者ではないけど、連邦議事堂襲撃事件を引き起こし、いまだに統一教会のイベントに祝電を贈り続けているトランプ氏になるくらいなら絶対にヘイリー氏がいい。トランプ氏は76歳、「世代交代」を訴える彼女の声が、共和党の支持者の心に届きますように。
※民主党も、バイデンは若い世代に未来を託し、若手女性議員アレクサンドリア・オカシオ=コルテス氏(33)が立候補できるくらいの変化がほしい。

  女性初の大統領を目指すヘイリー氏
●2月1日…(今日の良かった)昨日、NHKラジオで話した『ラジオ深夜便 世界偉人伝(第18回)』がNHKサイトにアップされました!(リンク先の開始4分頃から17分間。2/7の24時まで)。
今回はアメリカ東海岸に眠る人物から、野口英世(日米に2つの墓)、ペリー提督(今年は黒船来航170年)、そしてアメリカ文学最高傑作『白鯨(はくげい)』の著者ハーマン・メルビルの人生とお墓を紹介しています。
『白鯨』は素晴らしい小説ですが、メルビルの生前は評価されず、彼の以降の作品は世間から“黙殺”されました(没後に高評価)。私の人生に強い影響を与えた超重要作品であり、メルビルに恩返しがしたくて、(1)感謝のお墓参り(2)『白鯨』の良さを世間に伝える、この2つを続けています。今回、全国放送のNHKラジオで『白鯨』のことを語ることができ、「恩返しのチャンス!」と嬉しさに胸を高鳴らせました。

『白鯨』は長編かつ外国文学ということで、ハードルを高く感じてしまう方もおられるかと思います。ですが、大長編ゆえに長い航海を肌身で感じ、読んだことが、かけがえのない貴重な人生体験となり得る小説です。機会があれば是非!
ちなみに、『白鯨』の一等航海士スターバックはシアトルでコーヒー店の名前になりました。3人で創業したのでスターバックスと複数形に。店の看板が海をイメージしてるのは『白鯨』の乗組員だからです。航海士スターバックは皆を無事に帰そうとする優しい男。このエピソードは、NHKなので企業名を出せず、話すことができませんでした。(^^;)
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※ラジオを聴く時間がない方のために、放送分から『白鯨』の部分を、以下に文字起こししました。
〔メルビルと『白鯨』の世界について〕
(私)19世紀の作家で、アメリカ文学の最高傑作と讃えられる『白鯨』の著者ハーマン・メルビルを紹介します。メルビルは人生そのものも小説かというくらい波乱に富んでいます。彼は1819年にニューヨークの名家の子として生まれたのですが、12歳のときに父親が莫大(ばくだい)な借金を残して亡くなります。家計を支える為に学校をやめ、農家の手伝い、銀行員、教師など仕事を転々としますが、やがて一家は夜逃げに追い込まれました。その後、船乗りに憧れていた彼は、22歳のときに捕鯨船に乗り、ガラパゴス諸島などを訪れます。
(高橋アナ)実際に、捕鯨船に乗っていたんですか。
(私)はい。船に乗って1年半が経ったとき、船の生活の辛さに耐えかねて脱走し、南太平洋の島で人食い族の村に迷い込みます。オーストラリアの捕鯨船に救われますが、横暴な船長に対する乗組員の暴動に巻き込まれ、タヒチで牢屋に入れられました。脱走して別の島に隠れているところをアメリカの捕鯨船に救われ、ハワイで働いた後、アメリカ海軍に志願して軍艦に乗り込み、南米をまわって帰国しました。
彼はこの放浪によって、所が変わればモノの見方も異なり、西洋の価値観だけが真理でないことを知ったのです。
(高橋アナ)なんだか、小説や映画ができそうな人生ですね。
(私)ええ。まさにその通りで、帰国後に彼は、体験をもとにした海洋冒険小説を書き始め、27歳でデビューするとたちまち人気作家となりました。そして32歳の時に発表した作品が、白い巨大クジラとの死闘を描いた『白鯨』です。これは本当に素晴らしい小説です。おおまかなあらすじは、捕鯨船ピークォド号の船長エイハブが、かつて自分の片脚を咬み切った白鯨に復讐するために、大海原を捜し回り命を賭けて戦いを挑むというものです。映画にもなっていますし、人間とクジラの戦いというイメージを持たれている方が多いと思います。ですが、それだけではありません。
(高橋アナ)さらに何か深いものがあるのでしょうか。
(私)はい。白い蛇や白い鹿など、突然変異で現れた白い動物は、昔から神の使いなど聖なる存在として崇められてきました。白鯨は、ただ白いだけでなく、鯨という世界最大の動物であり、神や運命の象徴といえます。一方、エイハブが指揮する捕鯨船の船乗りたちの出身国は、オランダ、インド、中国、フランス、アイスランド、アフリカ諸国そのほかと実に多様で、船は世界の縮図、船乗りは全人類の代表に見えます。つまり、この作品を、神や運命と戦う人類という構図で読むと、何度も胸を鷲づかみにされる強烈なシーンがでてきます。エイハブは一度白鯨と戦って深手を負っており、いわば運命に敗北した経験を持つ人物なので、いやが上にも感情移入してしまいます。船乗りたちは、航海の目的が捕鯨ではなく白鯨との一騎打ちと知って「勝ち目はない」「自殺行為だ」と絶句するのですが、エイハブが鬼気迫る演説で「貴様らは皆エイハブだ!」と煽ると「確かにそうだ!やってやる!」と熱狂モードになり、読者もまるで自分がピークォド号の甲板にいるような感覚になるのです。
(高橋アナ)そのように聞くと何だか読みたくなってきますね。
(私)はい。ええ、ぜひお薦めします!ただこの小説、前半はなかなか話が進みません。鯨のうんちくが延々とあり、エイハブ船長は200頁を過ぎてやっと登場します。しかし、そこが作者の狙いなんです。海の上は基本、退屈です。何日も何日も鯨に出会えない日があります。メルビルは流れていく「時間」を体感させて、読者を「船の一員」にしてしまうんです。
(高橋アナ)展開の遅さが良い効果を出していると。
(私)読者は登場人物と長い時間を過ごします。一緒に夜の甲板(かんぱん)で星を眺めたり、ふるさとの話を聞いたり。ですから、白鯨との戦いで誰かが死ぬと、喪失感に胸を締め付けられます。この感覚は長編小説なればこそです。白鯨では末端の船乗りや雑用係の少年の内面まで描き出され、親近感を抱く船乗りがたくさんでてきます。私のお気に入りは、スタブという名前の二等航海士です。明るい性格のスタブは「ぐっすり眠れるだけでも、この世に生まれてきた甲斐があるってもんだ!」と辛い人生をユーモアで笑い飛ばし、理不尽な運命を前にしても、陽気であり続けることで戦っています。彼がクライマックスで白鯨に向かって叫んだ言葉が私は忘れられません。この小説は、人生を左右するような言葉が多く、ぜひ沢山の人に読んでいただきたいです。
(高橋アナ)『白鯨』を出版したあとのメルビルはどういう人生を送ったのですか。
(私)残念ながら『白鯨』はあまり売れず、その後も、作風が重くなるにつれて人気は低迷し、批評家には「狂人が書いたもの」とからかわれます。40代後半になると作家活動だけでは食べていけなくなり、約20年間、税関で勤務します。プライベートでは長男がピストル自殺をし、次男が家出をして病死、家が火事になるなど不幸が続き、失意のうちに72歳で人生を終えました。死亡記事を載せた新聞は少なく、ニューヨーク・タイムズに訃報が載ったのですが『白鯨』の原題である『モビー・ディック』の綴りが間違っていました。死後30年が経って作品の真価が認められるようになり、今は世界文学史上の巨人としてトルストイやドストエフスキー、スタンダールと名を連ねています。
(高橋アナ)メルビルのお墓はどのようなものでしょうか。
(私)いかにも作家というお墓で、前面には紙の巻物をかたどったレリーフがあり、お墓の上にはお供えのペンや鉛筆がたくさんありました。私はメルビルのお墓に、『白鯨』のスタブのことがどれだけ好きかを語りかけました。(文字起こし、終わり)
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※『白鯨』で印象に残った会話。
「おぬしは気が狂うが当然じゃ、何でまだ狂わぬ?どうして狂わずに堪えてゆける?おぬしが狂えぬのは、天がまだおぬしを憎んどるからか?」
「わしは火傷をし抜きましたで、傷痕一つでも焼くのは容易じゃござんせん」
※白鯨との闘いを前に、遺書を書き終わった船乗りの言葉。
「今から以後、何ヶ月か何週か分からぬが、いずれにせよみんな私の丸儲けだ。私は自分の寿命よりも生きるわけだから。これでばっちり死と破滅の穴へ飛び込む用意は出来た、さあ、矢でも鉄砲でも持って来い!」
※船の舵を取るのはバルキントン。彼は4年間の危険な航海を終えて帰港した別の船から、すぐにピークォド号に移って来ました。バルキントンは“陸地に足の裏を焼かれる気がする”男。港には慈悲が、安全が、憩いが、暖炉と温かい毛布があります。ところがバルキントンには港の優しさが危害であり、それにちょっと触れるだけで全身に戦慄がはしるのです。「真理は絶海の孤独にある。陸地で生きる屈辱より、怒涛さかまく海の底に滅びた方がマシだ。地にすがり地を這うもの、おお、つまりそれは虫けらではないか!」。
これら魅力的な船乗り達が、総勢30名以上。読者は彼らと共に航海をします!
メルビルの墓(NY) 作家の墓ゆえ多量のペンがお供えに
野口英世の墓(NY) ペリー家の墓所(ロードアイランド州)

※添付画像はメルビルのお墓、野口英世のお墓、ペリー提督のお墓です。
●1月31日…(今日の良かった)本日23時7分ごろから、NHKラジオ『ラジオ深夜便:世界偉人伝(第18回)』に出演し、15分ほど墓マイラートークをします。野口英世やペリー提督、そしてアメリカ文学の最高傑作『白鯨』の著者、メルビルの墓所がアメリカ東海岸にあります。全力で『白鯨』を語ります!
※NHKラジオはネット“らじるらじる”で聴取できます。
●1月30日…(今日の良かった)フィリピンから強盗や特殊詐欺を指揮していた悪党たちが摘発されたのは良かった。だけど、これで終わりじゃあない。あの連中が騙し取ったお金は「60億」。昨年の全国の振り込め詐欺の被害総額は「360億円」なので、他にも同様のグループがいくつもあるということ。黒幕は暴力団とも。
詐欺罪についての刑法第246条「人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する」に抑止効果がほとんどないのは、「十年以下の懲役」が軽すぎるのだろう。被害者の中には、老後の貯えを騙し取られて心が折れ、自死する人もいる。「二十年以下」にすべきだし、もっと重くてもいい。甘い処分にしているのは、政治家が誰よりもこの刑法を恐れているから、というようなブラックジョークは勘弁。
●1月29日…(今日の良かった)3月13日(月)からマスクの着用は屋内・屋外どちらも個人の判断に任されるとのこと。卒業式を考慮したもの。
●1月28日…(今日の良かった)2月6日の深夜に待望の歴史スマホドラマ最新作、『信長のスマホ』オンエア!光秀、歳三、義経に続く伝説の番組になること間違いなし!今回も5分×全8話。
●1月27日…(今日の良かった) 一緒に欧州を旅したこともある友人“まげメガネ”君が、髪型をガチでチョンマゲに。その過程がブログにまとめられ、チョンマゲの歴史などトリビア盛りだくさんで面白かったのでリンクを紹介します!
※8分間の動画もあります。

  画像は上記ブログから
●1月26日…(今日の良かった) 2月4日(土)の番組表を見て思わず叫びそうに!すべての映画ファン必見、『映画大好きポンポさん』を地上波Eテレで15時からオンエア!キターッ!!
●1月25日…(今日の良かった)今朝の新聞第一面は超重要。細田衆院議長が「統一教会と安倍総理は大昔から関係が深い」と証言。「(教団が)安倍総理と近い団体と知っていた」とも。新人議員の伝聞記事とかではなく、古株の議長クラスがはっきりと語ったことは大きい。まして細田衆院議長は安倍派前会長であり、内情に精通している。
事件直後、警察は「容疑者は安倍氏と教団に繋がりがあると“思い込み”(勘違いで)犯行に及んだ」と発表し、メディアは追随した。それが明らかな誤報であったことが明確になった。真実がわかってよかった。

 

※既に前参院議長の伊達忠一氏も「安倍元総理に旧統一教会票を依頼した」と証言しており、これで衆参両院の議長が安倍氏と統一教会の蜜月ぶりを告白したことに。
●1月24日…(今日の良かった)新しい史実が判明すると書き換えられていく歴史の教科書。ネットのアンケートによると、いまの教科書は以下のようになってるらしく参考になった。

〔今と昔でちがう「歴史の教科書」びっくりランキング〕
1位 鎌倉幕府成立が「1192年」から「1185年」に変更された (1,840票)
2位 江戸時代の身分制度「士農工商」は存在しないことが明らかになった (1,610票)
3位 関ヶ原の戦いの西軍の大将は石田三成ではなく毛利輝元だった (986票)
4位 大化の改新が「645年」から「646年」に変更された (712票)
5位 「リンカーン」が「リンカン」に変更された (708票)
6位 日本最古の貨幣が「和同開珎」から「富本銭」に変更された (645票)
7位 日本最大の前方後円墳は「仁徳天皇陵」から「大仙古墳」に変更された (589票)
8位 徒然草の著者が「吉田兼好」から「兼好法師」「卜部兼好」に変更された (498票)
9位 「ルーズベルト」から「ローズベルト」に変更された (488票)
10位 「大和朝廷」から「ヤマト政権」もしくは「ヤマト王権」に変更された (382票)

吉田兼好が卜部(うらべ)兼好になったことは不覚にも初耳。これまで京都・吉田神社の神官の家系である吉田流卜部(うらべ)氏の系譜に連なると考えられてきたが、資料の見直しにより、その根拠となる家系図が吉田兼倶(かねとも/1435-1511)による捏造の疑いがあり、本名の卜部兼好と表記されるようになったとのこと。
鎌倉幕府成立の1185年は、壇ノ浦で平家が滅亡し、頼朝が全国の守護地頭の任命権を持ち、治安(軍事)・経済(税収)を握った年。
●1月23日…(今日の良かった)昨年から話題になっているインド映画『RRR』が、近隣のIMAXシアターにやってきたので先日ついに鑑賞、噂通りの圧倒的な面白さだった!カツカレーにステーキとウナギが載っているような、考え得る娯楽要素すべてをブチ込んだテンコ盛りのごちそうだった!
舞台は1920年の植民地時代のインド。実在した2人の独立運動指導者コムラム・ビームとA・ラーマ・ラージュが、アベンジャーズのようにスーパー大活躍、“悪の支配者”大英帝国に戦いを挑む姿を描いている。「史上最強の肩車」という煽り文句は、まことでござった!
※公式予告編がとにかくアツイ。ただしネタバレ・シーンも盛りだくさん(笑)

  インド映画史上最大のヒット!
●1月22日…(今日の良かった)岸田政権が目指す防衛費倍増について、参考になる意見が2つあったのでメモ。中国・北朝鮮の軍事的脅威が増す一方で、庶民はこれ以上の重税はキツすぎる現実もある。

(1)元自衛隊現場トップ、防衛費43兆円「身の丈を超えている」と警鐘
海上自衛隊現場トップの自衛艦隊司令官を務めた香田洋二氏。防衛費の大幅アップは防衛省・自衛隊にとって歓迎のはずだが、「身の丈を超えている」と警鐘を鳴らす。

「私は防衛費が足りないとずっと言ってきた人間です。10年ほど予算も担当しましたが、GDP比1%という枠に抑えられ、必要な艦船や航空機をそろえると、とても弾薬まで十分には買えませんでした。老朽化する隊舎の耐震工事でさえ、目をつぶらざるを得なかった。台湾情勢、北朝鮮のミサイル発射、ロシアのウクライナ侵攻という中で、弾薬など継戦能力の大幅な拡充や、他国に遅れないための装備品の開発・調達には相当のお金が必要です」

「(だが政府案43兆円は)身の丈を超えていると思えてならないのです。反撃能力(敵基地攻撃能力)の確保に向けた12式ミサイル(地対艦誘導弾)の改良、マッハ5以上で飛ぶ極超音速ミサイルの開発・量産、次期戦闘機の開発、サイバー部隊2万人、多数の小型人工衛星で情報を集める衛星コンステレーション(衛星間リンク)など、子どもの思いつきかと疑うほどあれもこれもとなっています。絵に描いた餅にならないか心配です。例えば、(敵基地を狙う)12式ミサイルは射程を200キロから1千キロに伸ばしますが、搭載燃料を5倍にしてエンジンを含めて再設計することが不可欠です。新たな運用体制も必要で、簡単にできるとは思えません。極超音速ミサイルは米国が2兆円かけても配備計画にいたらず、サイバー部隊も、人員確保に悩む自衛隊で他の部隊の能力を維持したまま2万人も集められるのか疑問です」

「(なぜ、こんな案になっているのかは)自衛隊の積み上げではないからだと考えます。私の経験では、新しい計画を作る場合、各自衛隊は5年程度の時間をかけます。世界中の事例を見ながら、導入する装備品や量を決め、各自衛隊の積み上げの結晶として、何兆円という規模になるのです。当時はGDP比1%の枠があり、ほとんど増えない中でもそうだったのです。ところが、今回はいきなりGDP比2%という数字があり、砂糖の山が現れたわけです。当時の私だったら、いきなりそんなに増やせと言われても新たな事業を短期間で出せなかったんじゃないかと思う規模感です。
予算に無駄があれば、防衛力にとってもマイナスです。新しい研究を始めると、途中でやめることはなかなかできず、人も張り付きます。多くの装備品は実はローン払いで後年度負担があり、維持費も相当にかかります。これらの選択肢を誤ると、将来本当に必要な防衛力にお金や人材を投入できないことにさえなるのです。
今回の計画からは、自衛隊の現場の匂いがしません。本当に日本を守るために、現場が最も必要で有効なものを積み上げたものなのだろうか。言い方は極端ですが、43兆円という砂糖の山にたかるアリみたいになっているんじゃないでしょうか」

「国民負担という痛みがあるからこそ、本当に必要な防衛力が積み上がります。国債という麻薬のようなものを平時に使えという主張があることは信じられません。歴史的にも、いまのウクライナやロシアもそうですが、本当の有事では政府は嫌でも大量の借金をしなければいけません。平時は歳出改革以上の分は、税金で支えて頂くしかないのです。でも、だからこそ1円たりとも無駄にしてはいけないし、後ろ指をさされることがないように、国民への説明責任を果たさないといけません。
戦前、海軍の平時予算が日露戦争時の予算より大きくなったことに危機感を高めた加藤友三郎・海軍大将(後に首相)は『国防は軍人の専有物にあらず』と言ってまわりの反対を押し切り、1922年にワシントン海軍軍縮条約に調印しました。昨夏にある地方の自衛隊幹部が、社会保障費なども必要な中で防衛費だけが特別扱いされるのは無条件では喜べない、という発言をしてたたかれました。国の財政や経済という広い視野から発言をした幹部がいることを誇りに思います

「(防衛費増額に)賛成も、反対もある。それが正常な民主主義社会です。防衛省が世論誘導工作の研究を始めるという一部報道がありました。心理戦や情報戦への対抗手段はあっていいと思いますが、国民の意識を一定方向に持っていくようなことは絶対にやってはいけませんし、戦後生まれの自衛隊がそのようなことを企てることは断じてないはずです。自衛隊が守っているのは民主主義なのですから

(2)兵器偏重ではなく、実のある予算投入を(山田朗(あきら)・明治大教授)

「近年は中国が軍事大国化し、北朝鮮も派手な動きを見せている。日本を取り巻く国際環境が厳しさを増しているのは間違いない。ただ、日本の防衛費は既に過去10年間で大幅に増えている。今回さらに増額しても自衛隊の現場からの積み上げが追いつかず、金額に見合わない無駄遣いに陥りそうだ。
歴史的に見て気になるのは、戦前の旧日本軍以来の「正面装備の偏重(へんちょう)」だ。目玉とされる新型ミサイルは攻撃用の正面装備に近い。正面装備とは最前線で相手に打撃を与える戦車や火器、護衛艦、戦闘機など直接戦闘用の装備を指す。これに対して弾薬や燃料、通信機器、輸送・補給のための装備、関連施設などを「後方装備」と呼ぶ。装備体系全体を見渡して弱点を補い、総合力を高める必要があるのに、旧日本軍は燃料や兵士の食料などの兵站(へいたん)を軽視し、第2次大戦中は餓死者や病死者が続出した。
本当に強化すべきは情報収集・分析能力だ。旧日本軍は、中国の抗戦意欲の高さや米国の動向を軽視して泥沼の戦争に足を踏み入れた。自力で周辺諸国の動向を見極めなければ、どんな戦略や装備が必要かも分からず、反撃能力を保持しても反撃しようがない。
最新鋭兵器の更新サイクルは早く、時間をかけて開発・配備してもすぐに陳腐化、旧式化する。平時は無用な軍拡をせずに経済力や技術力などの国力を養い、いざ必要になったら短期間で最新鋭兵器を開発するのが賢いやり方だ。実のある予算投入を目指すべきだ。」
●1月21日…(今日の良かった)先日他界されたYMO高橋幸宏さんを惜しむ声が国内外からあがるなか、同じYMOメンバーの細野晴臣さんの次の言葉が心に残った。
「喉に引っ掛かってのみ込めない違和感とともに、自分の生死に向き合うことになる。それが友の死だ。感情は死を拒絶し理性は受け入れる。この悲痛な葛藤から逃げることはできない。人の一生は一冊の本のようだ。いま「高橋幸宏」という本を読み終え、多くのファンがあとがきを書こうとしている。物語は終わったが本は消えず、ずっとそこにある。」
●1月20日…(今日の良かった)トミカとジブリがコラボした“トミカジブリ”のラインナップが嬉しすぎる。こよなく愛する『紅の豚』、ポルコ・ロッソの愛機「サボイア S.21F」(飛行艇)が入っているじゃあないか!発売される5種類の中にサボイアを入れた担当者さん、超グッジョブです。3月下旬から発売とのこと。

※下の画像を見て作品と乗り物の名前を全部言えたらジブリ博士です(^_^)v

 

左から「紅の豚/サボイア S.21F」「ポニョ/宗介のポンポン船」「となりのトトロ/ネコバス」「ラピュタ/タイガーモス号」「千と千尋/海原電鉄」


//27歳で早逝した魂のヴォーカリスト、ジャニス・ジョプリン。昨日1月19日は彼女の誕生日、存命ならちょうど「80歳」だ。
20代で既に全細胞に染み入る歌声だったジャニス、年を重ねた80歳の声も聴きたかったな。

僕は学生時代に初めて聴いたジャニスの歌声が、いきなり壮絶なブルース『サマータイム』。それはもう、腰を抜かさんばかりだった。リンク先の動画は、ジャニスが亡くなる前年の『サマータイム』の熱唱。約45秒の長めの前奏の後に、天地を揺るがすような“歌”がくる。

1969年『サマータイム』 https://youtu.be/bn5TNqjuHiU

※この歌は1900年代前半の貧しい黒人女性が、赤ん坊に歌う子守歌で、ガーシュウィンが黒人オペラ『ポーギーとベス』のために作曲したもの。歌の内容は、悲惨な境遇でも前を向いて強く生きんとするようにもとれるし、自分たちはお金持ちだと嘘を歌うことで、より悲劇性が増すとも。

「♪夏になったわ…豊かになれる、(漁師の)魚は跳ねて、(農民の)綿花はよく育つ。父さんは金持ち、母さんはきれい。だから坊や、泣くのはおよし。 やがてある朝、お前は歌いながら立ち上がる、そして翼を広げて飛んでいく。その日が来るまではお前は心配ないんだよ、父さん母さんがついてるからね」

Summertime
And the livin' is easy
Fish are jumpin'
And the cotton is high
Your daddy's rich
And your mamma's good lookin'
So hush little baby
Don't you cry
One of these mornings
You're going to rise up singing
Then you'll spread your wings
And you'll take to the sky
But till that morning
There's a'nothing can harm you
With daddy and mamma standing by
●1月19日…(今日の良かった)世界三大映画祭のひとつ、ベルリン国際映画祭の金熊賞(最高賞)に『すずめの戸締まり』(新海誠監督)がノミネートされた!カンヌ、ヴェネツィアと並ぶこの映画祭、日本のアニメがノミネートされるのは、2002年に同賞に輝いた『千と千尋の神隠し』以来、実に21年ぶり。

//22日夜8時からのEテレ『日曜美術館 ウォーホルの遺言〜分断と格差へのまなざし』(再)、お薦めです。本放送、とても良かったです。これまでポップアートの神様として語られてきたウォーホルですが、近年、人種差別をテーマにした作品など、ウォーホルが持つ弱者へのまなざしに光が当てられています。
●1月18日…(今日の良かった)対コロナの行動制限を解除した結果、新規感染者は増加傾向にあったが、それがついに減り始めた。厚労省は本日、都内のコロナ新規感染者が1週間前より7585人減少したと発表。全国でも、大きく増加していた先週から一転し、16日までの1週間の新規感染者数は前週と比べて0.75倍と、すべての都道府県で前の週より感染者数が減っている。
まだまだ油断できないとはいえ、こんなに早く減っていくとは思わなかったので、ちょっとホッとした。

/一方、中国は北京大学の研究チームが「感染者の累計は既に9億人に達している」と推計を発表。この通りなら人口14億人のうち6割あまりが感染したことになる。すごい人数だ。
●1月17日…(今日の良かった)NHKラジオから連絡があり、『ラジオ深夜便』の出演が1年延長に!2018年5月に同番組で「世界偉人伝」をスタートしたとき、当初は1年間(年4回)という条件でした。お陰さまで好評をいただき、新年度ごとに契約を更新。でも、NHKの慣習で「講師の出演は最長5年」と聞いていたので、2023年5月が最終回とばかり。ありがたいことに来春まで契約が伸び、「世界偉人伝」は6年目に突入します!まだ話し足りないことがいっぱいあり、本当によかったです。まずは今月31日(火)の出演に向け、準備を万全に整えます。メルビルの墓と『白鯨』について、うまくまとめないと。
●1月16日…(今日の良かった)近年、上映時間が3時間近い映画が多くなってきたと感じていたら、俳優の池松壮亮さんがそのことについて語っていた。なるほど、と思ってメモ。

「最近、3時間を超えるような長編映画がすごく増えましたよね。TikTok(ティックトック)など短い時間の動画がブームになり始めたとき、その分、劇場での映画が長くなるだろうなと思ったんですよ。なんでも効率を求める時代への、人間の体感的な反動だと思うんですよ。人間は、そうやって必ずしわ寄せのようにバランスをとるものだと思うんですね」

TikTokだけでなく、YouTubeでも最初の15秒で勝負をかけているものは多い。映画はその必要がないコンテンツであり、長さを活かす方向に行くのはもっともだと思う。

//20日(金)のテレビ番組がとても充実。
●1月15日…(今日の良かった)ハリウッドはコロナ禍を乗り越えて再び元気になり、続々と新作映画の「予告編」が公開されている。
予告編を見て楽しみにしている作品は以下の8本+α。

『フォール』(2/3公開)
※高所恐怖症の人は予告編だけで半泣きになると思う!!
『ミッション:インポッシブル デッド・レコニング』(2023)
※アクションの嵐、トムはまだまだ元気。
『バビロン』(2/10公開)
ハリウッドの内幕を描く。ブラピ&マーゴット・ロビーの怪演。
『ボーンズ・アンド・オール』(2/17公開)
ホラー映画かつロマンス。ヴェネチア映画祭で絶賛。
『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』(3/3)
ワケがわからんすぎる(笑)
『ダンジョンズ&ドラゴンズ』(2023)
SFコメディ。予告編の音楽がツェッペリン!
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー3』(5/3公開)
アベンジャーズが終わってもシリーズが続いて良かった。
『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』(6/30公開)
待望のシリーズ第5作。ハリソン・フォードはなんと80歳!

リバイバルでは『タイタニック:25周年リマスター』(2/10公開)が嬉しい。本作を大スクリーンで観たことがない人は、この貴重な機会を逃さぬよう。
●1月14日…(今日の良かった)先日、週刊誌『AERA』の取材を受け、明後日16日発売の新年3号に掲載されるとのこと。今号は戦国武将特集。推し武将・推し姫のコメントを求められたので、僕は大谷吉継、藤堂高虎、お市の3人を挙げました。妄想の垂れ流しOKということなので安心して取材を受けました(笑)。語ったのは「浅井長政と悲劇的な別れを体験したお市が、柴田勝家に深く愛され、束の間でも救われていたらと、そう願ってやみません」等々。

//今月11日、YMOのドラマー、高橋幸宏さんが70歳で病没。名曲『ライディーン』(4分35秒)を書いたのは高橋さん。テクノカットや赤い人民服も高橋さんのアイデア。哀悼の意を表します。
※高橋幸宏さん(1952-2023)は大学在学中の1972年、20歳の年に加藤和彦さんらが結成したサディスティック・ミカ・バンドにドラマーとして参加。1978年(26歳)、細野晴臣さん、坂本龍一さんとYMOを結成し、電子楽器による「テクノ・ポップ」を世界に先駆けて展開。「ライディーン」などを作曲したほか、「君に、胸キュン。」などでボーカルも担当した。2020年に脳腫瘍となり闘病生活が続いていた。
●1月13日…(今日の良かった)「ユニクロ」を運営するファーストリテイリングが大幅な賃上げを発表、年収を最大「4割」も引き上げるとのこと。アベノミクスの不発で日本の平均賃金は先進国最低クラス、韓国にも抜かれてしまった。ユニクロはアパレル業界・世界3位で、国内では同業者より給与は良かったものの、それでも海外のグローバル企業と比べると見劣りしたため、人材獲得競争に負けない給与水準が必要だと判断したという。また、正社員の賃金を国内外で統一し、国際水準に近づけることで、国境をまたいでの人材異動をスムーズにするメリットがあるとした。
最大「4割」という思い切った賃上げは、なかなかのインパクト。業界を超えて良い影響を与えて欲しい。

 主な企業の動き
何年も何年も、ひらすら内部留保にまわされていた企業のお金が、ようやく労働者に還元され始めた。むろん、原材料費の高騰で経営が厳しかったり、コロナ禍からの回復が十分でない業界もあり、すぐには賃上げできぬ企業も多いだろう。とにかく、できる業界から賃上げしていかないと、先進国最低クラスの賃金はずっとこのままで、国内消費(内需)も終わってしまう。
●1月12日…(今日の良かった)どの国のパスポートが、パスポートさえあればビザがなくても訪問できる都市が多いかを競う、毎年恒例の“世界最強のパスポート”を英コンサルタント会社が発表、日本は5年連続で1位に。これは199カ国・地域のパスポートを比較したもの。日本のパスポートを持っていれば、事前にビザを取得しなくても、世界227都市のうち193都市に行けるという。平和外交で信頼を得た成果だ。

ただ、2位のシンガポール、韓国とは1都市差という超僅差なので、いつ並んでもおかしくない。また、労働者に約1か月の夏休み(バカンス)があるフランスやドイツと異なり、有給休暇を取りづらい労働環境の日本ではパスポートの保有率が低く、人口の2割程度(2440万冊)にとどまっており、“最強”ぶりを活かせていない。
フランスでは従業員に有給を取らせない会社は違法となるため、労働者全員が年間5週間の有給休暇を100%取得している。日本もそうなれば心に余裕が生まれるのに。

〔パスポートがあればビザなしで訪問できる都市の数BEST5〕
1位 日本(193都市)
2位 シンガポール、韓国(192都市)
3位 ドイツ、スペイン(190都市)
4位 フィンランド、イタリア、ルクセンブルク(189都市)
5位 オーストリア、デンマーク、オランダ、スウェーデン(188都市)
ワースト アフガニスタン(27都市)

//グラミー賞を8度受賞するなど、ジミー・ペイジ、エリック・クラプトンと並ぶ3大ギタリストとして讃えられたジェフ・ベックが今月10日に78歳で他界。1944年にイギリスで生まれ、10代でギターを自作し、1965年にクラプトンさんが脱退したロックバンド、ヤードバーズに21歳で参加、注目を集めた。昨年もツアーを行うなど精力的に活動を続けてきたが、細菌性髄膜炎で急逝したとのこと。プラスチック製のピックを使わず、指先を巧みに操る独特のスタイルで人気を博した。哀悼の意を表します。
※ジェフ・ベックのライブに足を運ぶほど大ファンだった友人が教えてくれた『What Mama Said』(3分半)が本当にカッコよく、聴く度にしびれる。
●1月11日…(今日の良かった)一昨年、この日記で、国内外の出来事の“良かった”と感じたことを、元旦からつけ始めた〔今日の良かった〕コーナー。コロナ禍にあっても、日記で1年を振り返ると、世界は良い1年だったと感じられるのではないか、そういう作戦だった。その時は、仕事が重なり8月に更新が一時的に止まるまで続いた。昨年は多忙で見送り。今年こそ大晦日まで続けるという意思のもと、元旦にさかのぼって日記を更新、完走を目指したい。なので、“今日の良かった”の復活が、今日の良かった!

//2月24日に刊行予定の『地球の歩き方・世界のすごい墓』amazon)にメインライターの1人として参加、すべての原稿を入稿し、3度の校正を終え、あとは編集部の校了と、表紙の決定を待つのみ。乞う御期待!
●1月10日…(今日の良かった)宮崎駿監督の新作アニメ『君たちはどう生きるか』の公開日が7月14日と発表されたこともあり、1937年に吉野源三郎が刊行した同名の小説を読み終えた。太平洋戦争の4年前、日中戦争が泥沼化していくなかで発表された作品。作者の吉野源三郎は平和主義者で、治安維持法に引っかかり逮捕されたこともある人物。宮崎さんが、引退宣言を撤回してまでアニメ化したいという本作。2つの台詞が刺さったのでメモ。

「人間は、どんな人だって、ひとりの人間として経験することに限りがある。しかし、人間は言葉というものを持っている。だから、自分の経験を人に伝えることもできるし、人の経験を聞いて知ることもできる。そのうえに、文字というものを発明したから、書物を通じて、お互いの経験を伝えあうこともできる。(略)こうしてできるだけ広い経験を、それぞれの方面から、間違いのないようにまとめあげていったものが、学問というものなんだ」

「冷たい水の味がどんなものかということになると、もう、君自身が水を飲んでみない限り、どうしたって君に分からせることはできない。誰がどんなに説明してみたところで、その本当の味は、飲んだことのある人でなければ分かりっこないだろう。(略)たとえば、絵や彫刻や音楽の面白さなども、味わって初めて知ることで、優れた芸術に接したことのない人に、いくら説明したって、分からせることは到底できはしない。ことに、こういうものになると、ただ目や耳が普通に備わっているというだけでは足りなくて、それを味わうだけの、心の目、心の耳が、ひらけなくてはならないんだ。しかも、そういう心の目や心の耳がひらけるということも、実際に、優れた作品に接し、しみじみと心を打たれて、初めてそうなるのだ」

  ジブリ宮崎版のビジュアル
先日発表された宮崎駿版のキービジュアル。えっ!?主人公は人間じゃなく、鳥の世界に置き換えて描くの?っていうか、このイラスト、鳥の着ぐるみを鳥が着ているようにも見えるんだけど…ワケがわかんないよ〜!
●1月9日…(今日の良かった)3月8日に開幕する第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本代表のメンバーが発表され、大谷翔平選手(エンゼルス)をはじめ、ダルビッシュ有選手(パドレス)、鈴木誠也選手(カブス)ら3人のメジャーリーガーの参加が決定!さらには最年少三冠王・村上宗隆選手(ヤクルト)も出場、めっちゃ豪華なラインナップに興奮。毎試合、見逃せない。
ちなみに今年はラグビーワールドカップも9月にフランスで開催予定。

//たった3日の間にテレビで3つの衝撃。

朝ドラ『舞いあがれ!』主人公の優しいお父さんに悲劇が。「靴、あんのにお父ちゃんもうおらん」は刺さる…。お父ちゃん役の高橋克典さん、素晴らしい演技なので、あの父ちゃんが年を取っていくところをみたかった。

『ガンダム水星の魔女』の第1シーズン最終回は、“これテレビで放送していいの!?”と絶句する展開に。実はツイッターに次の投稿をする直前だった。「誰も死なない新しいガンダム!新境地の「学園もの」で、ジェンダーも扱った画期的作品!先端技術を兵器ではなく医療のために使おうとする若者たちの奮闘記。ガンダムに興味がなかった人におすすめ!」。…それが突如として修羅場に!

『どうする家康』第一話、野村萬斎の今川義元はとても存在感があり、この“野村版義元”なら大河史に残るような「桶狭間の戦い」になると、固唾を呑んで展開を見守っていたら、まさかの桶狭間戦闘シーン・カット!“ナレ死”(ナレーションの死亡報告)ですらなかった!野村義元が刀を握って、最期の瞬間まで奮戦する姿が見たかったでござるよ…。今回の大河は、回想シーンを巧みに使って登場人物の過去を描くとのこと、第2話以降に信長の今川本陣急襲と義元の討死を描写してくれると期待して待ってる。

//2年前、米の連邦議会議事堂にトランプ支持派が乱入し、たくさん死傷者が出た事件の再来だ。昨日、ブラジルの首都ブラジリアで、選挙の「不正」を訴えた右派のボルソナーロ前大統領の支持者5千人が暴徒化し、大統領府に突入した。警察は400人を拘束(容疑者は1500人)。暴徒の主張は「昨年の大統領選挙には不正があった。電子投票が操作され、左派の新大統領ルラ氏に盗まれた」。落選したボルソナーロ前大統領が主張している内容と同じだ。敗れた大統領が「不正で負けた」と支持者を煽り、政府中枢が襲撃される構図は、トランプの事件とそっくり。
ボルソナーロは在任中から激しい左派攻撃で社会分断をあおった上、根拠なく選挙不正を訴え、今も敗北を認めていない。左右に分断が進むブラジル社会はこの先どうなってしまうのか。
世界にはミャンマー、エジプト、タイのように軍部が選挙を支配している国もあり、また、安全かつ自由に投票できるのに国民の多くが選挙に行かない国もある。
●1月8日…(今日の良かった)当サイトは文字が多く、広告を入れると読み難くなるため、アマゾン検索を除いて全ページ広告ゼロで運営しています。
当サイトのアマゾン検索ボックスは「一度目は文字化けし、再び打ち込むと成功する」という、原因不明のトホホ仕様なのですが、それにもかかわらず、当サイトからアマゾンを利用して下さっているすべての方に、心から御礼を申し上げます。本当に有難うございます。
昨年度の利用結果が出たため以下に報告します。サイト維持費の“約6割”をアマゾン還元金に助けられており、購入者のお名前が分からないため、せめて高額の商品名だけでも感謝を込めて報告させて頂きます!

(2022年1/1〜12/31分)

★定価2万円以上
HPノートパソコン
DORISソファ 3人掛け
セイコー腕時計
ブラザー プリンター
ガーデンシュレッダ
ヘアドライヤー ナノケア
インパクトドライバTD111
アンドロイド10スマホ
久遠救世の真理
一ノ蔵 無鑑査本醸造超辛口※トータル
星製薬ホシ隈笹エキス※トータル
おしりナップ※トータル
ニトロテックリップド※トータル
優肌パーミロール※トータル
−−−−
★定価1万円台
フィットネスバイク
セラミックファンヒーター
合体竜人 DXダイナゼノン
火の鳥【全12巻セット】
夢野久作全集 (第8巻)
モーレツ宇宙海賊 Blu-ray BOX
真空管グラフィック・イコライザー・キット
O2センサー
首マッサージャー もみたいむ
オーディオグレード インラインフィルター
2WAYバリカンU
クローゼットハンガー
マスクにつけるアイガード※トータル
美容液化粧水※トータル
スピルリナ※トータル
ステム クリーム※トータル
アルコール 消毒液
Amazonギフト券※トータル

非力ながらも、世界を1ミリでも良い方向に進ませるバタフライエフェクトを起こせたらと、そう願って今年も更新を続けます。文芸ジャンキー・パラダイスをよろしくお願いします!
●1月7日…(今日の良かった) 今月5日、統一教会の高額寄付金問題がきっかけとなった「不当寄付勧誘防止法」(被害者救済新法)が施行された。被害者や支援弁護団からは法にマインドコントロール(洗脳)が明記されなかったことに対し「実態に合っていない」との批判が出ているが、とにもかくにも、長年放置されてきた問題への救済第一歩ではある。
新法は宗教団体への寄付に限らず、個人から法人・団体への寄付全般が対象となる。取り消しの対象となる禁止行為は次の6つ。

(1)家や会社にとどまって勧誘を続ける
(2)その場から帰らせないで勧誘を続ける
(3)霊感など実証困難な知見を用いて告知する
(4)恋愛感情に乗じて関係破綻(はたん)を告知する
(5)勧誘目的を告げず退去困難な場所へ同行する※6/1施行
(6)威迫する言動を交えて、相談の連絡を妨害する※6/1施行

「先祖が地獄で苦しんでいる」と不安をあおる霊感商法のやり方は、今後もうできない。また、借金や財産(土地など)を処分して寄付するよう求めることも禁じ、違反には1年以下の懲役や100万円以下の罰金を科す。
ほかに、マインドコントロール下で自ら進んで行うような寄付を念頭に、寄付を受ける側は「個人の自由な意思を抑圧し、適切な判断が困難な状況にさせない」などの配慮義務を設け、違反の場合は法人・団体名を公表する。
一方で、以下の問題が指摘され、ザル法にならぬよう注視が必要だ。

・施行後の寄付が対象→これまでの被害者が救われない。
・取り消し権は本人しか行使できない→本人は洗脳されており取り消さない
・寄付によって家計への影響を受けた配偶者や子どもが本来受け取れるはずの養育費などの範囲内で返金請求できる→山上容疑者の母親のように1億円も寄付する信者がいるのに、「養育費などの範囲内で返金請求」では一部しか取り返せず、教団側に有利すぎる。
・違反の場合は法人・団体名を公表→既に悪名が知られている法人・団体にとっては痛くもかゆくもない。
・今後、違反団体に行政処分を担う11人態勢の新組織を立ち上げる予定→全国には無数のカルト団体があり11人は少なすぎる。

被害者や弁護士から「実効性に疑問がある」と見直しを求める声が相次ぎ、施行後2年をめどに見直されることになったが、2年といわず半年で見直すべき。現在進行形で被害が続いているのに、2年も待たせるのは酷い。消費者庁は「使命感によって寄付を行っているように見えても、後から冷静になって考えてみると、洗脳された状態で不安に乗じて勧誘されたと気付いたのであれば、取り消し権の行使は可能だ」と説明しているが、だったら条文にそれをはっきりと書くべきだ。
いずれにせよ、ないよりはあった方が良い法令なので、“今日の良かった”としたい。
●1月6日…(今日の良かった)欧米は物価が上がっているが、同時に給与も上がっている。5日、経団連、経済同友会、日本商工会議所の経済3団体や業界団体が新年祝賀会を開き、日本でも企業トップから前向きな発言が出始めた。 この流れが加速することを願ってコメントを記録。

企業トップなどの主な発言→
〔大和証券グループ本社 中田誠司社長〕生活コストが上がっているのは間違いない。賃上げをするのではなく、すべきである。企業の責任だ
〔ローソン 竹増貞信社長〕値上げをお願いしている小売業として、値上げした分は賃金が上がらないと消費につながらない。賃上げをぜひ実行していきたい。ひとつ目安になるのが3%。
〔サントリーHD 新浪剛史社長〕6%の賃上げ方針。社員の生活を支えることを経営としてやっていかないといけない。
〔すかいらーくホールディングス 谷真・会長兼社長〕2〜3%のベアに応じる可能性は十分ある。
〔三井不動産 菰田正信社長〕いろいろな企業で賃上げが実施されると価格転嫁ができるので、年後半から経済の好循環が回り始める。
〔大和ハウス工業 芳井敬一社長〕世の中に応じた上げ方をしっかりやっていきたい。右肩上がりにならないと国の元気が出ない。
〔経団連 十倉雅和会長〕ベースアップを中心に、物価高に負けない賃上げをぜひお願いしたい。それは企業の責務だ。
●1月5日…(今日の良かった)東大名誉教授で政治学者の姜尚中さんが、「希望」と「幸せ」は別とする視点をメディアに語っていたのでメモ。

「欧米では、自分はプロテスタントだ、カトリックだ、無神論だ、イスラムだと若者でも公言します。韓国に行けば自分は野党支持だ、いや与党だと日常会話でも出てきます。これほどまでに宗教と政治が話題にならない、話題にしてはならないのは日本だけです。110年あまり前、大逆事件が起きたころ、日露戦争後の国運が高まった時代に石川啄木は、日本の希望のなさをいっている。今、僕も感じるんです。世界3位の経済大国だけれども、希望がない。メディアからも日常会話からも、希望という言葉を聞かず、死語になるのではないかと思うほどです。
学生たちに、幸せと希望はどう違うのかと聞くと、一瞬、「へっ」という顔をする。僕だって家族とおいしいものを食べていれば、幸せだなあと思う。でも、おいしいものを食べたから、希望があるとは言いません。希望なき幸せはある。」

何かに幸せを感じているときは、何だか希望があるように感じるけど、それは一時的、刹那的なもの。希望に裏打ちされた確固たる幸せを感じられる社会を目指したいもの。

//村上春樹さんの小説はロシアでも人気だけど、発禁になるおそれがあるという。理由は先月にロシアで成立した「同性愛宣伝禁止法」。同法は性的少数者を小児性愛などとまとめて「非伝統的な性的関係」だとし、メディアや書籍を含めて情報発信をほぼ禁止するもので、違反した場合、個人は最高40万ルーブル(約80万円)の罰金、法人は最高500万ルーブルの罰金か90日間の活動停止となる。
モスクワの図書館には、性的少数者(LGBTQなど)が登場する作品として「処分リスト」が通達され、村上さんの「スプートニクの恋人」、米作家マイケル・カニンガムさんやアイルランドの作家ジョン・ボインさんらの本を名指し。処分対象の本は貸し出し禁止のうえ、古紙にするよう命令されており、最終的には焼却されるという。
ロシアにはこれとは別に、未成年に同性愛などの宣伝を禁止する「反同性愛法」を既にプーチン政権が施行しており、性的少数者への差別感情を助長している。戦時下では、政権をマッチョに見せるためなのか、世界の潮流に逆行するような人権を無視した法案が乱発される。
●1月4日…(今日の良かった)うおおおお!全ジョジョラー歓喜、スタンドが月までブッ飛ぶビッグニュースきた!『岸辺露伴ルーブルへ行く』、5月26日に劇場公開!ルーブルが撮影許可をくれたのは、2009年に荒木先生の原画が展示されたことが大きいと思う。感涙!既に予告編(特報)もアップされている!

  主演は高橋一生さん
●1月3日…(今日の良かった)ベラルーシ人のノーベル作家スベトラーナ・アレクシエービッチさん(74)のインタビュー第3回(最終回)からメモ。対話の重要性や孤独について。

「憎しみという狂気が世界であふれています。それは、伝染するようになりました。どこの国でも、紛争が起きていない国でさえも、似たようなことが起こっています。
地下鉄の車両に乗ってきた人がいるとします。その人が何を考えているのかは分かりませんよね。外見では(危険な)人を見分けることは絶対にできません。私たちは人々の考えを知らなくてはいけない。必要なのは対話です。
私たちが生きているのは孤独の時代と言えるでしょう。私たちの誰もが、とても孤独です。文化や芸術の中に、人間性を失わないためのよりどころを探さなくてはなりません。詩や哲学を知らなくてはなりません。
孤独は今、最も恐ろしい問題の一つです。ベラルーシで近年、生徒が同級生や教師を殺害した事件が起きました。彼は孤独でした。学校の人たちは、彼について何も知らなかった。悪くも言えなければ、良くも言えない。この生徒について知っていることは何かと問われ、「ええ、まあ、いい子ですよ」。それ以上何も出てこない。ということは、(その生徒は)本当に孤独だったということです。誰も彼のコンプレックスや憎しみがたまっていくのを知らなかったのです。
教師や親は子どもとできる限り話をするべきです。自分について本当のことを伝えるのは、自分が愛されているとわかったときに可能なことなのです。ただ物や車を買い与えるのではなく、子どもたちとの時間をつくってあげてください。
そして、もうひとつの問題は、学校や大学における人文科目が非常に少ないことです。人間性についての思索や宗教的知識、心の問題……。こうしたものが足りない。人文科目は減る一方で、これは人間にとって非常に危険です。人間は常に立ち止まって考えなければなりません。
人間は実用性を重んじる文明をつくってしまいましたが、私たちを救うのは人道的な人間、人文的な知識に他なりません。人を殺してはならない、それは人間の仕事ではないということを、話し合わなくてはなりません。」
●1月2日…(今日の良かった)元旦に新海誠監督の『すずめの戸締まり』を鑑賞。『君の名は』で隕石落下を、『天気の子』で洪水を、本作で震災という災害を取り上げた新海監督。ロードムービーに外れなし、登場キャラの背景に説明不足な点はあったけど、作品には前向きなエネルギーがあり、細かな疑問点はこの際もういいかなと。震災を題材として扱う場合に必要な配慮は、なされていたと思う。

//昨年のショパンコンクールで同時入賞した反田恭平さん(28)と小林愛実さん(27)が結婚。2人は幼なじみで、反田さんいわくと「ランドセルを背負っているころから、同じ音楽教室に通い、家族ぐるみで付き合っていました」。小学生の頃から友達で、ピアノ界最高峰のコンクールで同時にファイナリストになって結婚するとか、映画でもそんなストーリーはない。

//昨日に続きノーベル賞作家スベトラーナ・アレクシエービッチさんのインタビュー(第二回)が朝日に。記者からの「なぜロシアはプーチンというモンスターを生み出してしまったのか」という質問にこう答えていた。
「私(ベラルーシ人)が話した大勢のロシア人は、ロシアはペレストロイカの後、自国が辱められ、貧しくなった、尊敬されていないと感じていました。(ソ連崩壊後の混乱期は)食べ物も仕事もなかったのです。この貧困が行き着く先はファシズムです。貧しければ、良い教育を受けることはできません。私の取材で、複数の人が、二度と戦争も収容所も戻ってこない、みんな過去のことだと思っていたと言っていました。残念ながら今日でも、こういったことはまだ歴史ではないのです。「我々は敬われていない」「偉大なロシア」。恐ろしいことです。過去に「偉大なドイツ」や「偉大なセルビア」が何をもたらしたかと振り返れば、流血だけです」。
貧困が行き着く先がファシズム、日本を含めて世界全体が右傾化しているいま、傾聴すべき言葉。
●1月1日…明けましておめでとうございます。本年が皆さまにとって充実した1年になりますように。コロナの収束、平均賃金アップ、ウクライナ戦争の終結、円安の是正、物価値下げ、カルト宗教の解散、庶民の暮らしに直結する様々な問題が解決に向かいますように。

/(今日の良かった)昨年はできなかった“今日の良かった”コーナーを復活。基本的に国内外のニュースやアート情報を取り上げます。

2015年にノーベル文学賞を受賞したベラルーシの作家、スベトラーナ・アレクシエービッチさん(74)のインタビュー第1弾が元旦の朝日に掲載され、心に響いた。アレクシエービッチさんは独ソ戦で戦ったソ連の女性兵500人に取材した代表作『戦争は女の顔をしていない』などで知られる。母がウクライナ人、父がベラルーシ人。彼女はウクライナでの悲惨な戦争を前にして、作家のあるべき姿をこう語った。

「作家は人々を育むために働いています。ドストエフスキーが示したように、私たちは「人の中にできるだけ人の部分があるようにするため」に働くのです。ウクライナ侵攻では人間から獣がはい出しています。私も「本当に、言葉には意味があるのだろうか。なぜ人間が獣に変わってしまうのか」と絶望する瞬間があります。それでも私たち作家の使命は変わりません。文学は人間を育み、人々の心を強くしなければなりません。残虐な運命に身を置かれた時、人間をのみ込む孤独に打ち勝てるように。現代は恐ろしい時代ですが、歴史上のどの時代にも作家は存在しました。全てが破壊された時ですら、年代記は残ったのです。」

また、アレクシエービッチさんは「テレビの力を私たちは甘く見ていた」とも。ロシアではプーチンの手で政府によるメディア掌握が進み、ウクライナ侵攻でも政府の主張に沿ったプロパガンダが展開されている。

「なぜ、こうもすぐに人間の文化的な部分が失われてしまうのでしょうか。ドストエフスキーやトルストイは、人間がなぜ獣に変貌するのか理解しようとしてきました。私はロシア人を獣にしたのはテレビだと思います。プーチンはこの数年、戦争の準備をしてきた。テレビはウクライナを敵として描き、人々を、ウクライナを憎む獣にするために働きかけてきました。私はこれまでロシア中を旅しました。今ロシア人はウクライナに強い憎しみを抱いていますが、かつてはそうではありませんでした。一方で、彼らは何が起こっているのか理解していません。多くの人々がテレビの言うことを信じているのです。あるウクライナ兵が、(侵攻後に)捕虜にしたロシア兵に「母親に電話して実情を伝えれば解放してやる」と言いました。電話で「ママ、ここにはナチはいない」と話したロシア兵に、母親は「何を言ってるの。誰に吹き込まれたの」と叫んだ。母親が口にしたのはテレビが流す内容でした。」

//元旦夜11時5分NHKでオンエアされる『あたらしいテレビ 2023』では、テレビ局の垣根を越えて「silent」脚本家など若手制作者が集結、昨年のドラマやバラエティを大いに語り合い、テレビ制作の悪習に切り込むとのこと。映像業界を支えたキーマンが本音を語る60分、めっちゃ楽しみです。







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