〜2007年9月7日〜
祝!米科学誌『Cell』表紙を荒木先生が飾る!
★若い人には“世の中にはこんな事もあるんだ”と、人生の可能性を感じて貰えたらと思いエピソードを紹介します。 07年6月下旬、ある科学者の方から「相談があります」と一通のメールが届いた。研究論文が米科学誌『Cell(セル)』に載ることになり、しかも一番の評価を得た筆頭論文という。 「セル!」思わずモニターの前で叫んだ。生物学の分野で世界最高権威の雑誌であり、ネイチャー誌、サイエンス誌に次いで3大科学誌にあげられる米学術誌!生物系では一番掲載されるのが難しく、“3回論文が載ればノーベル賞が見える”とも言われている。そして相談というのは“表紙を飾る絵を大好きな荒木先生にお願いしたい”とのことだった! 話を伺うと、研究チームを主導する瀬藤准教授がコアなジョジョファンで、他の主要メンバーにも昨年の荒木先生の名古屋講演や第1部ゲーの限定企画に足を運んだツワモノがいた!同チームはジョジョ好きが集うサンクチュアリ状態とのことだった(笑)。 そして数年前から当サイトのジョジョ立ち・コーナーを楽しんでいて、「表紙の件をここに相談しよう」ということになったという。僕は昨秋の荒木先生のパーティーで生まれた繋がりを紹介&集英社に持ち込む資料を素人の立場から検討。そこから話はどんどん良い方向に展開して、ついに07年9月7日!荒木先生のイラストがセルの表紙に登場ォォオーッ! ネット版のCell Yahooニュースのトップを飾った! 近距離パワー型スタンド「スクラッパー(壊し屋)」 今回イラストで描かれているのは、スクラッパーが体内のRIM(絵の赤い円盤、これが増えると神経伝達物質の放出が増える)の量を調整するため、RIMを捉えて「オラオラオラ!」ってユビキチン(青い小さなハートマーク)を鎖状に貼り付けているところ。ハートを貼られたRIMは、この後プロテアソーム(分解工場)でバラバラにされる。研究チームは、適度に神経伝達物質が放出されるようスクラッパーが調節していることを発見。脳内にスクラッパーがいなければ情報伝達異常を引き起こし、神経細胞死を引き起こすことから、この研究を進めていくことでアルツハイマーや統合失調症など、脳神経系変性疾患の治療法の解明に役立つと期待されている。 科学雑誌の中でもセルは硬派で知られており、通常、表紙には細胞の顕微鏡写真などが載っている。マンガ・アートが表紙を飾るのは極めて異例(っていうか、これが初めて!)。しかも『Cell』のロゴの上にスクラッパーの腕が重なってることに仰天。普通はタイトル・ロゴが絵の前面にくる。これはセル編集者がアート作品として敬意を払ってる証! なんというか、依頼を快諾された荒木先生、セル編集部、瀬藤准教授チーム、みんながみんな器が大きくて、この3ヶ月間、事態の経緯を感動と共に見つめてきた。考えてみれば、瀬藤准教授チームからの連絡も、荒木先生のパーティーに声がかかったのも、全部ジョジョ立ちページがきっかけ。人生には辛いことや悲しいことが突然起きたりするけど、同じように楽しいことも予期せずやって来る。つくづく、生きてみないと何があるか分からないし、そこが面白い。p(^^)q ●表紙を比較するといかに今回が特殊な状況か分かると思う!
※左2冊はロゴでイラストが隠れているけど、今回はイラストがロゴの上ッス!ちなみに、セルは年間購読のみでバラ売りしてないそうです。残念!(要確認) |
★07年9月19日、ボストン在住の方から「図書館の定期購読コーナーにCellが陳列されていましたッ!」と画像を送って頂きました!“Cellのサイトで事前に見ていましたが、実際に製本された表紙を見るのは格別!他の科学雑誌とは違うオーラを放っており、イラストの説明もきちんとあって嬉しくなりました”とのことです!(撮影S.Kさん) 屋内の照明で見るとまた少し印象が異なり、背景は落ち着いた渋いワインレッドに見えますね。 |
〔追記〕2008年4月4日、読売新聞夕刊トップに荒木先生×Cellの記事が紹介されたーッ!! 世界一の購読者数を誇る読売のトップ記事で、しかも画像付きで取り上げられたのはスゴイ!! |