このランキングは絵本に優劣をつけたものではなく(そんな事は不可能)、あくまでも管理人が人生に影響を受けた 作品順です。いろんな絵本と出合う為のきっかけ、入門用として書いています。(*^v^*) (注)皆さんがお気に入りの絵本が入ってない場合、僕が“未読”と思って頂いて間違いないです。 |
1位.フレデリック(’67・蘭)〜レオ=レオニ
秋。野ネズミのフレデリックは、仲間が冬越えの準備で忙しく食料を集めている時にジ〜ッとしている。皆が少し腹を立てて「なぜ働かないのか」と問いかけると「こう見えても働いてるんだ」。やがて冬になり、外界が雪に閉ざされ巣穴で身動きがとれなくなった時、皆は彼が“どう働き、何を集めていたのか”理解した。フレデリックは、美しい大地や大気から、言葉を集め、色を集め、音を集めていたんだ。外は寒く灰色の世界。だけど巣穴の中では、フレデリックが「言葉」で皆を温かくさせ、心の中に花を咲かせ、太陽の光を差し込ませた--。僕はこの絵本を読んで、人が生きるのにパン(食料やそれを買うお金)は絶対に必要だけど、それだけでは幸せにはなれない、心には芸術や自然といった別のパンがいることを、心底から実感した。とてもとても大事な事が書かれている絵本ッス!※訳は谷川俊太郎! |
2位.14ひきのおつきみ(’88)〜いわむらかずお
ネズミの一家が木の上でお月見をするというただそれだけの話。でも、月を始めとした自然界の美しさ、巧みに描き分けられた14匹それぞれの個性、木の高さを感じる迫力ある構図、何もかもが素晴らしい!ネズミが吹いているタテ笛の音色が聴こえてきそう。子ネズミが持っているぬいぐるみが小さなネズミという、そんな細部へのこだわりも楽しい。 |
3位.さむがりやのサンタ(’73・英)〜レイモンド・ブリッグズ
いやはや、なんとユニークな作品なのか!通常、絵本に出てくるサンタといえば聖人君子ばかりだが、このサンタが冒頭に言うセリフは「やれやれ、またクリスマスか!」であり、最後は読者に向かって「ま、おまえさんも楽しいクリスマスを迎えるこったね」。そんな破天荒な絵本なのだ。サンタの日常生活が克明に描かれており、何度読み返しても飽きない。それはまさに独身者の生活である。一人暮らしの諸君、本屋へGOだ。 |
4位.続ぼくを探しに / ビッグ・オーとの出会い(’81・米)〜シルヴァスタイン
7位の『ぼくをさがしに』が完成された名作だったので続編など描く必要ない、と自分は実際に読むまでこの本に否定的だった。それだけに、1ページ目をめくって仰天した。「…独りで座っていた、誰かがやって来て何処かへ連れていってくれないかと待ちながら」なるほど、このてがあったか!確かに人間には能動的な人と受動的な人の2通りのタイプがいるもんね! ラストに描かれた主人公と他者との関係は、理想の極みだ。自分が誰かの一部になるのではなく、また誰かを自分の中に取り込むわけでもない。しかし進んでいる方向は同じ…なんて素晴らしい関係なんだろう! ※この作品を読んで“星の王子様”の作家サン=テグジュベリの「愛するということは、お互いの顔を見つめる事ではなく、一緒に同じ方向を見つめる事だ」を思い出した。 ※巻末の倉橋由美子の後書きは的外れも甚だしいので読むべからず。失笑するのみ。 |
5位.よあけ(’74・ポーランド)〜ユリー・シュルヴィッツ
湖のほとりに野宿していたおじいさんと孫が体験する“よあけ”。日の出前のまだ暗い時間帯から、日の出直後の輝く大気を見事一冊の絵本で描写し尽くした奇跡のような作品。視覚だけでなく聴覚や触覚までリアルに夜明けを感じられた。 |
6位.こんとあき(’89)〜林明子
涙たらたら系のベストワンだ。絵本は子供に朗読されたときにその神髄を発揮するが、これは大人は朗読できんじゃろ。読む声がかすれてしまい、子供が茫然とすると思う。小さな優しい女の子“あきちゃん”と、彼女を愛し見守り続けてきたキツネのぬいぐるみ“こん”の旅物語。こんはどんなに辛いコトがあっても、あきちゃんを心配させない為に、いつも堂々としているんだ…。こん最高! ※かわいい子どもを描かせたら、林明子さんの右に出る者はいない!赤い膝こぞうが林キッズの特徴! |
7位.ぼくを探しに(’76・米)〜シルヴァスタイン
“人間は不完全だからこそ素晴らしい!”“欠けているからって不幸じゃない”…そんな、哲学者が50冊かけて実証するようなテーマを、たった一冊の絵本で証明した恩人的絵本。誰でも自分を好きになれる、まさに大人のための絵本! |
8位.戦火のなかの子どもたち(’73)〜いわさきちひろ
いわさきちひろが“どうしてもこの作品を世に残したかった”と絵筆を握り、死の直前に描き上げた反戦絵本の傑作。絵本の主役は戦争に巻き込まれた子どもたち。ちひろさんの絵は優しいタッチだけど、“大人がこの子たちの命を奪う権利はない”という、心からの叫びが作品に満ちている。文字を読まず、絵だけを見てても、ちひろさんのラストメッセージが体の芯まで伝わってくる! ●いわさきちひろのお墓 |
9位.ほら いしころがおっこちたよ ね、わすれようよ(’80)〜田島征三
大々々々々爆笑絵本!こんなに笑い転げた絵本を他に知らない!何か失敗をする度に「ね、忘れようよ」と声をかけあう老夫婦が物語の主役。皆の衆、読んでミソ!日頃の悩みなんか、雲の彼方にすっ飛びます |
10位.やっぱりおおかみ(’77)〜佐々木マキ
どこに行っても他の動物に避けられてしまう一匹のおおかみ。友達は誰もおらず、完全に孤立している。では孤独イコール不幸なのか?これが作品のテーマだ。誰もがラストの展開に絶句することウケアイだ。この絵本をバイブルとして、「独りで強く生きていくぞ!」と腹をくくった人は多いだろう。とにかく最高にクールにキマッたラストなんだ! |
11.葉っぱのフレディ(’82・米)〜レオ・バスカーリア
散っていく落ち葉が最後に見た世界の真実とは?--絵や写真と平易な文章で、生きること、そして死ぬことを語った文句なしの傑作。自分が世界と繋がっていることを実感する。ベストセラーだから名作なのではなく、名作だから80万部のベストセラーになったと納得! |
12.クリスマスのおくりもの(英)〜ジョン・バーニンガム
クリスマスのプレゼントを配り終え北極に帰ってきたら、なんと袋の底にまだひとつ残っていた!というのが物語の発端。トナカイは既に疲れ果て小屋で休んでおり、今さらソリをつけるわけにはいかない。結局サンタはパジャマの上にコートを羽織り“ヒッチハイク”を敢行する。ところがこのヒッチハイク、とんでもない七難八苦が待っていた--大雪原を背景に展開されるサンタのハードな旅に、読み手は笑いながらも心を鷲掴みにされるだろう。自然の描写も美しく、超おすすめデス! |
13.あおくんときいろちゃん(’67・蘭)〜レオ=レオニ
ク〜ッ、やられたって感じ!ただの青い円や黄色い円なのに、なんと表情豊かに見えてくることか!ある意味、シンプルさを追求した“究極の絵本”だ。 |
14.わたしとあそんで(’55・米)〜マリー・ホール・エッツ
小鳥、うさぎ、リスといった小動物は、すごくかわいいけど、警戒心が強くて人間が近づくとスグに逃げてしまう。主人公の少女は彼らに心から願う…“わたしとあそんで”と。後半、ページをめくるたびに拍手しました! |
15.いもうとのにゅういん(’83)〜筒井頼子&林明子
冒頭、お姉ちゃん(といっても幼稚園児)が宝物にしている人形の“ほっぺこちゃん”に、妹が勝手に触ったことでプリプリ怒ってるんだけど、妹が盲腸で入院することになり態度が豹変。姉妹愛にエグエグなること間違いなし!※表紙から裏表紙まで、すべてがひとつの物語で繋がってマス!各ページに色んな小道具がきいてて、つい隅々まで見てしまうよ。 |
16.アンガスとあひる(’30・米)〜マージョリー・フラック
好奇心旺盛な小さなスコッチ・テリア“アンガス”と、血気盛んな2羽のあひるが巻き起こすひと騒動。この作品は、読み聞かせ絵本のベストワン!文章が場面展開のスピードと完全にピッタンコ。特にラスト3ページの絶妙な間の取り方は、この絵本がなぜこれほど息が長く支持されているのか、読者の誰もがガッテンするだろう! ※日本にこの本が入ってきたのは1974年だけど、アメリカ本国で発売されたのは1930年、じつに70年前だ。文字通り、時を超えて読み継がれてきた名作だ! |
17.八郎(’67)〜斎藤隆介&滝平二郎
「泣ぐなわらしこ。おめえの泣ぐの見れば、おらも泣ぎたぐなる。しんぺえすんな見てれ!」この八郎のセリフ(秋田弁)に、その昔、チビッコだった僕は鳴咽を上げて泣いた。今だってむせび泣くけど…。 |
18.ますだくんの1ねんせい日記(’96)〜武田美穂
小学1年生の児童心理をみずみずしく描いた痛快な一冊。31位の『となりのせきのますだくん』と合わせて読むと、ひとつひとつの出来事について、“ことごとく”違う見方をしている子どもたちに爆笑することウケアイ。 |
19.はるにれ(’81)〜姉崎一馬
ジャンルは絵本なんだが、どちらかというと写真集に近い。一本の楡の木を主人公にして、季節の移っていくさまを写真で綴った、美しく、また、力強い生命力に満ち溢れた感動の作品だ。画面いっぱいに広がり、光を浴びて生い茂る木の葉がまぶし〜いッ!! |
20.アンナの赤いオーバー(’86・米&ポーランド) 〜ハリエット・ジィーフェルト&アニタ・ローベル 静かなたたずまいの美しい絵本だ。一着の赤いオーバーが完成するまでの気が遠くなるような2年半を、たんねんに描写した作品。けっして教訓的な匂いを前面に押し出すことなく、それでいて「もっとモノを大切にしなきゃ!」と自分の生活をかえりみさせる珠玉の一冊。 |
21.風が吹くとき(’82・英)〜レイモンド・ブリッグズ
第2位のユーモラスな絵本『さむがりやのサンタ』を描いた同じ作者とは思えない、超ヘビーな作品。内容はズバリ核戦争とその後の放射能汚染だ。主役の老夫婦はイギリスの片田舎に住んでおり、爆心地のロンドンから遠かったため即死はまぬがれたものの、読み進むうちに、髪の毛は抜け、歯茎から出血し始めて、徐々に衰弱していくのだ。のんきでひとの良いこの2人を待ち受けている運命を、読者は分かっているだけにツライ作品だった。(設定は重いけど、それでもあちこちにユーモアが散りばめられているのは、さすがブリッグズ!) |
22.きょうはなんのひ?(’79)瀬田貞二&林明子
小学生の女の子が、両親に愛のこもったかわいいイタズラをする話(読む人の楽しみが減るのでこれ以上書けない!でも、チョ〜書きたい!後味最高のイタズラっす!)。これまた表紙からすでに物語が始まっている。林明子さんの絵本はホントに隅々まで楽しめるなぁ。 |
23.ウィリーとともだち(’91・英)〜アンソニー・ブラウン
1ページ目のウィリーのしょげ込んだ顔ときたらもう…読者を2秒で遥かな陰気地平へと連れ去ってくれる。そんなウィリーに果たして友達はできるのか?登場するのは全員ゴリラ。人間も一応出てくるが、なんと動物園の檻の中でゴリラに飼われている。※クモを見てパニックを起こす図書館のシーンが最高だった。 |
24.じごくのそうべえ(’78)〜田島征彦
生前の悪行がたたって地獄へ落とされたそうべえたち4人は、ゴキブリ並みのタフな生命力でことごとく地獄の刑罰をクリアしてゆく。最後は嫌気が差した閻魔大王から地獄を追放されて生き返るという豪快な作品だッ! |
25.100万回生きたねこ(’77)〜佐野洋子
最初、猫はずっと自分だけが大好きで、自分しか見ていなかった。他者を愛することを知らないのだ…。だから死ねない。っていうか、他者を愛することを知らない状態では、まだ“生きている”といえないのだ。他者を愛する=生きることそのもの=生きたから死ねる、こんなテーマを絵本で描き出すことができるなんて…脱帽ッス! |
26.ぼちぼちいこか(’75・米)〜マイク・セイラー&ロバート・グロスマン
邦訳がなぜか大阪弁(笑)。主人公のカバは消防士や船乗り、パイロットなど10数種の仕事に挑戦するが、すべてものの見事に玉砕する。最後に読者に向かって言うセリフが、そのまま絵本のタイトルになっている。ハローワークで無料配布して欲しい(笑)。 |
27.おじいちゃん(’84・英)〜ジョン・バーニンガム
各ページはつながっているわけではなく、エッセイ風におじいちゃんと女の子の生活上の様々な一場面が展開してゆく。おじいちゃん愛用のイスを見つめる、最後のカットがせつない。 |
28.あな(’83)〜谷川俊太郎&和田誠
ある日、主人公の少年は思い立って地面に穴を掘り始める。家族や友人は「そんなことをして何になるのか」と彼に問い掛ける。彼は「まあね」だとか「うん、ちょっと」と心の中を見せない。穴が完成した後、彼は底に座り土の匂いをかぎ、頭上に見える丸い青空を見てこう呟く「これはぼくの穴だ」。谷川俊太郎の詩心が炸裂した名作だ。 |
29.あさえとちいさいいもうと(’79)〜筒井頼子&林明子
15位の『いもうとのにゅういん』と同じ姉妹。2人が家の前で遊んでる時、目を放した隙に妹がどっかへフラフラと行ってしまう。パニくった姉は、妹を探して近所を駆けずり回るが見つからない。かなり横長サイズの絵本で、住宅街を走る姉と、遠くをヒョコヒョコ歩く妹が、読者には見開きで同時に見え、リアルタイムでハグれているのが分かり緊張感を出している。クライマックスはジ〜ン。かわいい一冊っす。 |
30.たのしいホッキーファミリー(’93・米)〜レイン・スミス
子どもというのは自分の宝物を他人に見せびらかしたり自慢したがるよね。この絵本はそんな子どもの特質を描いた大爆笑絵本だ。 |
31.となりのせきのますだくん(’91)〜武田美穂
主人公の女の子は一挙手一投足がとにかくリアルで、本から飛び出してそこにいるかのようだった。読んでて、どんどん作品に吸い込まれた。ますだくんは怪獣の姿で描かれている、気の毒な男の子(笑)。 |
32.しずくのぼうけん(’65・ポーランド) 〜マリア・テルリコフスカ&ボフダン・ブテンコ 少年の日の自分は、この壮大なしずくの冒険にクラクラしまくった。 |
33.やこうれっしゃ(’80)〜西村繁男
東京から金沢へ向かう夜行列車の人物模様を、言葉を使わず情景だけでつづった傑作。時間の流れと共に変化していく車内風景に何時間でも見とれてしまう。 |
34.ちいさいおうち(’42・米)〜バージニア・リー・バートン
小さな家が、ページをめくる度に輪をかけて小さくなっていく展開が見事。バージニア・リー・バートンの絵は、温度があって僕は好きだ。 |
35.三コ(’69)〜斎藤隆介&滝平二郎
前出の『八郎』が海を目指したのに対し、三コは山を目指した。“おんちゃ”と呼ばれる農家の次男坊、三男坊たちの逃げ場のない絶望感がひしひしと伝わってきた。 |
36.イバラードの旅(’95)〜井上直久
幻想都市の淡い色彩が、うっとりするほど美しい。列車のデザインをはじめ、すごくイマジネーション豊かな作者だと思った! |
37.こぶたのABC(’86・米)〜アーサー・ガイサート
こぶたがアルファベットを人文字よろしく豚文字で作っているのだが、隠し文字を当てるクイズの要素も含んでおり、画面の隅々まで遊び心が漂う力作だった。 |
38.ラチとらいおん(’61・ハンガリー)〜マレーク・ベロニカ
らいおんが書き残した手紙を読むラチの涙は、子供心に強烈なインパクトがあった。良いシーンなんだよ〜。 |
39.かもさんおとおり(’41・米)〜ロバート・マックロスキー
子連れのかもがボストンの街中を行進して大騒ぎになっていくクライマックスは、大人の自分でも興奮しまくった! |
40.ふたりはともだち(’70・米)〜アーノルド・ローベル
最初に日本語版が出たのは1972年。僕が購入したものは2000年2月18日発行のものだ。それはなんと空前の第124刷だった!どっしぇ〜って感じだ。28年で124刷…こんな増刷聞いたことない。ドラえもんでさえ50刷ということを考えると、どれだけ天文学的な数字かお分かり頂けるだろう。一冊に5つのエピソードが入っているが、最後の「おてがみ」という話は、立読みでもなんでもいいから、ぜひ読んでみて欲しい。124刷の理由が納得できるから! |
41.いない いない ばあ(’67)〜瀬川康男
ネコ、クマ、ネズミ、、キツネ、のんちゃんが“いないいないばあ”をやるんだけど、クマはクスリでもやったのか、完全に目がイッててヤバイ!インパクト最強! |
1.トム・ティット・トット(’92)〜岩倉千春&飯野和好
悪の勝利で終わるなんて信じられない!確かに絵本によっては同じ悪役でも“魅力的”な悪役がおり、作品に深みを与える場合がある。しかし、この悪役には“憎めなさ”や“いじらしさ”がカケラもなく、純粋にイヤミなサイテーの悪役。こんな悪の勝利は現実だけで十分。子どもに読ませる作品くらい、夢を見させてあげようさ。 |
2.よかったね ネッドくん(’64・米)〜レミー・チャーリップ
何かハプニングに巻き込まれると、いつも巧みに危機を克服するネッドくん。しかし、ピンチを脱出する彼を見る度に、自分はズドーンと落ち込んだ。理由は簡単だ。それは、かけっこが速かったり、水泳が得意なネッドくんだから“助かった”のだ。とてもじゃないがネッドくんのような運動神経を持ちあわせていない自分は、昔から「ああ、ボクならここで死んでるんだろうな…」って、いつも思っていた。(ひがみッス) |
3.いじわるブッチー(’92・米)〜バーバラ・ボットナー&ペギー・ラスマン
人相がもう、これでもかと言うほどいじわるそうな女の子ブッチー。彼女はラストに心を入れ替える訳でもなく、何の精神的発展も見出せぬまま、物語は終わる。いじめられる側も、ブッチーの心の闇を覗こうとは思わない。こんな閉鎖的な本はワーストじゃ〜っ! |
4.いえでだ ブヒブヒ(’97)〜柳生まち子
行儀の悪さをお母さんブタに叱られ、イジけて家出をする3匹のコブタ。このコブタたちがどうしようもないほどアホ。それも“かわいい”アホではなく、“イライラ”するアホ。しかも家出に対する何の覚悟もない為、お腹が空いたという理由で家に“そそくさと”舞い戻るブタども。読了後、はらわたが煮え繰り返り、本を心の中で叩き付けた。 |
5.きかんしゃやえもん(’59)〜阿川弘之&岡部冬彦
やえもんよ、お前はそんなオチでいいのか!?それで本当に満足なのか!?幸せなのか!?旧式のお前をバカにした最新列車たちは、結局お前をあざ笑ったままなんだぞ! |
6.ぞうのババール(’31・仏)〜ジャン・ド・ブリュノフ
ババールがみなし児になるくだり。象牙の密猟者に母親を撃ち殺されるという冒頭のリアルな展開に、文字通り釘付けになった。“これは傑作に違いない!”と。しかるに、その後のストーリー、ありゃなんだい。幸福はお金で買えるとでもいいたげな単純な中間部分。大金持ちのマダムの価値観を何の抵抗もなく受入れるババールは、あろうことか親の仇であるはずの人間どもの服を着て有頂天になる始末。そんな俗物ババールを象の王様として盲従する他の象たち。これはひどい、ひどすぎる。 |
7.おこちゃん(’96)〜山本容子
味のある個性的な絵だとは到底思えない。手書きの字体も生理的に受付けない。嫌いだ。お風呂の中でウンコするな〜っ!(確かに、浮くのは自分も幼児体験で知っちょるが) |
8.みずまき(’94)〜木葉井悦子
上に同じ。一見ぬくもり系の絵柄だが、まったく愛しさを感じる絵ではなかった。これはもう自分の好みの問題だが。 |
9.せんろはつづくよ(’49・米)〜マーガレット・W・ブラウン&ジャン・シャロー
なんの絵か分からん。いや、誤解しないで欲しい、分からないからワーストではないのだ。分からなくても面白い絵は事実山ほどある。なんて言ったらいいか、とにかく絵にまったく好奇心が刺激されないのだ。絵が死んでいる。 |
10.イカはいかようにしてもイカだ(’99)〜ジョン・シェスカ&レイン・スミス
醜さをああいう絵柄で表現することに嫌悪感を覚えた。 |
1.レイモンド・ブリッグズ |
2.マリー・ホール・エッツ |
3.斎藤隆介&滝平二郎 |
4.ジョン・バーニンガム |
5.ロバート・マックロスキー |
6.ディック・ブルーナ |
7.スズキコージ |
8.アニタ・ローベル |
9.レイン・スミス |
10.安野光雅 |
※サイト読者の方から、アンソニー・ブラウンの「どうだ いかすだろ!」を熱くお薦め頂きました。 |
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