第90回全国高等学校野球選手権・決勝戦フォト&ムービー 2008.8.18

試合前に応援団の正面で整列する大阪桐蔭の選手たち

90回という記念大会の今夏は、例年より6校多い55代表が出場した。17日間の死闘をくぐり抜けて決勝戦に
たどり着いたのは、北大阪代表の大阪桐蔭高校と静岡代表の常葉菊川高校!

 

試合の開始2時間前。チケット売り場には長い列ができ、試合前にすべて完売した。大阪桐蔭は三塁側、
常葉菊川は一塁側だ。僕は地元の大阪桐蔭を応援するために三塁側へ。


 

試合開始の40分前。ギッシリと4万8千人がすし詰めだ。空には雲ひとつなく、灼熱の炎天下!
カンカン照りの太陽と人々の熱気で、3塁側アルプス・スタンドは早くも燃え上がっていた。

大阪桐蔭は07年の中田選手のようなスター選手がおらず、大会前はスポーツ紙でも殆ど話題になってなかった。コツコツと全員野球で来た決勝。2回戦の金沢高校戦では延長戦にもつれこんだり、準々決勝や準決勝でも後半に猛追撃されるなど、ヤバイ場面も何度かあった。決勝の相手は強打を誇る静岡の常葉菊川。周囲に座っているおじさん達と、乱打戦になるだろうと試合を予想した。



午後1時、試合開始!

  

1回表の大阪桐蔭の攻撃で満塁ホームランが出て、スタンドは驚喜乱舞!しかし相手は全試合を逆転勝ちで進んできた菊川。
準々決勝で菊川はたった1イニングで10点を入れており油断できない。「引き締めていけ!」の声がスタンドから飛ぶ。

  

僕が座ったのはブラスバンドのすぐ近く。この演奏がド迫力!なんかもう、音楽だけでも感動したッス。(☆o☆)

     

バッターが変わる度に、演奏曲もどんどん変わっていく。ちなみに相手の攻撃中は演奏しない。

※動画その1〜地鳴りのような応援が響く興奮のスタンド(47秒)




 

初めて買った甲子園名物の“かちわり”。氷のブロックがどっさり入って200円。袋の端っこからストローを入れて飲む。
でも、溶けるのが待てなくて、氷のままガリガリ食べてしまった。「添加物=なし」という表記が妙にカッコイイ。


  

ブラスバンドの演奏にあわせて、いろんな種類の声援をみんなでおくる。

  

ピッチャーの福島由登(ゆうと)選手や1&2回戦の猛打賞・清水選手への声援。猛暑の中、チアリーダーも頑張った。


●試合終了



15時10分、試合終了。フタを開けてみれば、17対0という大差で決着がついた。まさかの展開。菊川のエース・戸狩君は肘を痛めており、球にスピードが出ず、内野手も決勝戦で緊張したのかカチコチだった。
試合後に菊川の選手は泣いていたけど、悔し涙は全力で戦ったから出せるものであり、それだけ充実した夏であった証拠。努力してきた自負がなければ涙も出ない。両校とも、全国4059校の中を最後まで勝ち抜いてきたのは本当にスゴイ。
大阪桐蔭が夏の覇者となったのは17年ぶり。毎年期待されながらも前半で敗れたり、出場できなかったりを繰り返し(昨年の秋季大会ではPL学園に屈辱のコールド負け)、ようやく手に入れた真紅の大優勝旗。本当におめでとう!!





大阪桐蔭の校歌斉唱 マウンドで喜びを分かち合った 最後に両チームがグランドを一周

優勝旗&メダルの授与の後に、役員による大会の総括(講評)。そして大会旗と国旗が降ろされ、
大会ソング『栄冠は君に輝く』の合唱にあわせて選手がグランドを行進。『蛍の光』をみんなで歌って全てが終わった。

大阪桐蔭・有山選手「マウンドにみんなが集まったあと、自然に涙が出た。秋にコールド負けしたこと、しんどい練習、いろんなことを思い出した」
大阪桐蔭・奥村翔馬選手「勝った瞬間、ライトから走ってくるときに涙が止まらなくなった。このチームで良かった」
大阪桐蔭・西谷監督「甲子園で1試合やるたびに、100日、200日の練習に勝る成長があった。いつも怒ってばかりなので今日は思い切り褒めてやりたい」
大阪桐蔭・(4番)萩原選手「(今大会は)自分でも信じられないくらい打てたので、甲子園は上手くなれる場所だなって思いました」
常葉菊川・戸狩投手「(集中打を浴び降板した時に笑顔だった理由)エースが変な顔してちゃダメなんで、(交代の時も)絶対笑顔でいこうと思いました」
常葉菊川・前川主将「相手投手の力が一枚上だった。ここまで来られたのはみんなのおかげ。充実感でいっぱいです」
常葉菊川・佐野監督「選手には勝ち負けにこだわらず、思い切ってプレーする姿を見せてもらった。ありがとうと言いたい」



せっかくの機会なので、最後の一人になるまでスタンドに残っていた。驚いたのは、あんなにたくさんの人がいたアルプス・スタンドなのに、
アッという間にこんなにキレイになったこと。特に清掃員が掃除をしたわけじゃない。応援団がゴミを全部片付けて帰って行ったからだ。


※動画その2〜優勝の瞬間→校歌→礼→場内行進→蛍の光→閉門(1分39秒)


●おまけ



甲子園〜大阪間にある阪神電鉄の武庫川駅は、プラットホームが川の上にある!
足下に川が流れている駅なんて全国でも珍しいのではッ!?


●おまけ2

閉会式の総括で出た「今大会は見送りの三振が多かった。見送りからは何も生まれません」は名言。バットを振らない限りは何も始まらないもんね。


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