駅前から遠くに見えていた垂れ幕。彼女(ユディト)は 恍惚とした表情を浮かべているが、その手には、なんと 彼女に殺された男性の首が…。 ※下図参照 |
「ヒーッ!」美術館に近づくにつれ「殺しの微笑」が頭上 へ不気味に降り注ぎ、足が前へ進まなくなった。こんな にビビリながら美術館に向かったのは初めて。タジタジ。 さすがはクリムト、恐るべし。 |
最初に神戸の兵庫県立美術館で『クリムト展』を鑑賞。お目当ての「ユディト」は出口手前にあり、開館と同時に最終コーナーに直行。全く他の客がいない中で狂気の一作と正面からサシで向き合った。強烈。敵将を血祭りに上げた彼女の恍惚フェイスに鳥肌が立ちまくった。しかし、最強インパクトは巨大壁画を複製した「ベートーヴェン・フリーズ」!これは第九交響曲をクリムトが絵画で表現した全長35m(!)の大作で、鑑賞者は壁の三方から迫る作品に包み込まれる。複製といっても実物大かつ色彩的にも本物と全く変わらない。昨年ウィーンで実物を見てきたが、正直、天井近くの高い場所に描かれた本物より、目線のすぐ上に配置された今展の方が、人物の繊細な表情が良く分かり感動も大きかった!しかもッ!今展では何とスピーカーから第九をガンガン流していた!なんちゅうイキな計らいだ。目と耳から人間賛歌が流れ込んできて、めまいがするほど感動に襲われた!(ただし第九は全曲1時間強あり、有名な合唱の第4楽章が流れているとは限らない。自分は係員にリクエストして、他の楽章をかっ飛ばしてもらった!)。会場を出る前に、特に素晴らしかった作品を数点ピックアップし、全員で見納めの為に一周した。※ここぞと第九の魅力を力説! |
「ファイトーッ!」(拙者) | 「イッパーツ!」(皆の衆) |
襲いかかる吹雪と濃霧。一歩足を踏み外せば命はない危険な登山ルートだ。足を滑らし転落しないよう、最後尾の 男性が腰にロープを巻きつけ支える中、全員がしっかりとロープを握り締め登った。自然に口を突くリポビタンDコール! |
山頂から見える雄大なパノラマを楽しむ登山者たち |
海遊館の前から美術館を望む。 ミッフィーの大きな垂れ幕が見えた。 |
チビッコよりもママさんが興奮のルツボに陥った巨大ミッフィー &ブラック・ベア。この記念写真コーナーは大人気だった。 |
館内は至る所がミッフィーだらけ。 ただの通路の壁もホレこのとおり。 |
天保山山頂で昼飯を食べたあと、サントリー・ミュージアムの『ブルーナ展』へ。今年はブルーナが絵本を描き始めてちょうど50年。会場には約1500点の作品がひしめき合っていた。第1室の見渡す限りのミッフィーは圧巻!ブルーナは赤、青、黄、緑、茶、グレーのわずか6色しか使ってないのに、なんてカラフルな世界を創り上げるのか。第2室にはミッフィー以外のイラストも数多くあり、子どもたちの人権保護を訴えた作品は、絵柄がかわいいだけに内容の悲劇性が浮かび上がり胸を打たれた。今年76才のブルーナは、本当に素晴らしい仕事をしている! |
大阪港から一気に京都へ北上し、国立博物館の『スター・ウォーズ展』へ!しょっぱなから銀河帝国軍の超巨大戦艦スター・デストロイヤーが鎮座し、興奮はいきなり沸点に!第2室には巨大なファルコン号、R2D2、C3POが控え、次のコーナーでは全野郎感涙の巨大Xウイング!10m以上あるアナキンの実物大スピード・ポッドに目が点になり、ラスト間際の実物大スピーダーバイク(空中バイク)を見たときは、エキサイトし過ぎて頭の血管が2,3本ブチッと切れ、アホになって呆然と立ちすくんだ。あまりのリアルさに架空の乗り物には見えず、エンジンを点火すればホントに浮上&爆走しそうだった。ヨーダの前では、固唾を呑んで見守る監視員を尻目に、全員で「ハハーッ」「ヨーダ様ァ〜!」と土下座を敢行!(どの展示品もアート度が高かったが、劇中に登場した冷凍ハリソン・フォードだけはいただけない。唇が分厚すぎだし、頭にパーマ当たってるし、どう好意的に見てもハン・ソロではなく「ばんばひろふみ」だった)。また、この特別展とは別に、常設展の方で浄瑠璃寺の国宝「多聞天立像」がちょうどお出ましになっていて、迫力満点のカッコ良い立ち姿にシビレまくった。こちらも必見ッス! |
墓前で全員が彼女の歌を詠みあげるスペシャル・ラスト・イベント!選んだ歌は次の2首! 「あらざらんこのよの外の思ひ出に今一たびのあふこともがな」 訳/嗚呼、もう死んじゃいそう…あの世への思い出にあと一度だけ貴方に会いたい 「なく虫のひとつ声にも聞こえぬは心々に物やかなしき」 訳/鳴く虫の声がひとつも同じに聞こえないのは、それぞれの心に違う悲しみを持っているからなのでしょう これにて全プログラムが終了。9時半〜19時半という10時間の激ハード・ツアーとあいなった。クリムト、ブルーナ、スター・ウォーズと全く接点のない三展だったけど、どれも想像を遥かに上回る内容だったので、こんなことならもっと積極的&大々的に参加を呼びかければ良かったと、激しく後悔…。 |
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