●カジポン・タイムズNO.169から…ポール・マッカートニーLIVEルポ
夢にまで見たP・マッカートニーのライブ(公演最終日)に、ついに行って来た!19時開演が15分遅れたうえ、さらに15分間意味不明のサーカスがステージで行なわれ、正直最低のテンションから始まった。しかも一曲目の“ハロー・グッバイ”でポールは音程が外れまくり、誰かそっくりさんが代役で歌ってるのかと本気で思った。しかし!声の調子は徐々に良くなり、3曲目の“オール・マイ・ラヴィング”で完全復活、10曲目の弾き語り“ブラックバード”では熱い涙が頬をつたった!
ビートルズは活動中期にコンサート中止宣言をしたので、ライブ映像で残っているのは初期の曲ばかり。だが今回は23曲もビートルズ・ナンバーが歌われ、一生ナマで聴けないと諦めていた後期の名曲も数多く登場した!
“シーズ・リービング・ホーム”“エリナ・リグビー”“ミッシェル”“ロング・アンド・ワインディング・ロード”“サージェント・ペパーズ”“レット・イット・ビー”…もう失神寸前。生きてるうちにポールと一緒にハモれる日が来るとは思っていなかった!そして、嗚呼、5万人の“ヘイ・ジュード”!!
ラストのナンバー(その名も“ジ・エンド”)が始まると、“これが終わると、もうポールの声は聴けなくなる”と、悲愴な気持ちで聴いていたが、曲の最後でスクリーンに巨大な太陽が昇ってくる映像が映った。それは“ジ・エンドこそ始まりなんだ”というメッセージに聴こえ、僕は激しくド感動した!完璧だった。これ以上考えられないほど見事なコンサートのフィナーレだった!ありがとう、ポール!!
2度目のアンコールが終わった時、すでに時計は22時15分。生涯忘れられない夜となった。
(ポールは水も飲まずに3時間歌いっぱなし。なんちゅう元気な60歳なのか!また、第一声「もうかりまっか」にブッ飛んだ。以後も「おおきに」「まいど」を連呼また連呼。ハッピ着て歌ったり、バンドがちょんまげカツラで演奏したりそのサービス精神に脱帽。客層の幅広さがまたいい。あんなに通勤帰りの背広姿の男性客がいるロック・コンサートは他にないだろう。スクリーンに若い頃の4人が映る度に、“もう、半分のメンバーがこの世にいないんだよな…”と、切ない気持ちで胸が詰まったよ)
●アキ・カウリスマキ監督に惚れた!
先月開催された第40回ニューヨーク映画祭に関して。味のある作品を撮り続けているフィンランドのアキ・カウリスマキ監督が参加を拒否した。
なぜか。『友だちのうちはどこ?』『桜桃の味』など、ヒューマンな作品を生み出してきたイラン人のアッバス・キアロスタミ監督に、米国への入国ビザが発給されなかったことへの抗議だった。キアロスタミ監督はカンヌ映画祭で最高賞を受賞している名匠。アキ・カウリスマキ監督が出した声明文は怒りとブラック・ユーモアの混じった素晴らしいものだった---
「世界中で最も平和を希求する人物の一人、キアロスタミ監督にイラン人だからビザが出ないとは何たることか!米国がイラン人に用がないなら、フィンランド人も無用だろう。我々は石油すら持ってない。米国防長官を我が国に招くから、キノコ狩りでもして気を静めてもらいたい。世界の文化の交歓が妨害されたら何が残る?武器の交換か?」
●“障害”が障害でなくなるとき
以前から“障害者”という言葉に違和感を感じていた。“障害者”に対して“健常者”という言葉があるが、僕にはその“障害”と“健常”の境界が分からない。
“健常”とは一体何なのか?僕は視力が悪く、メガネやコンタクトなしでは信号がハッキリ見えないし、電車に乗っても駅名が見えないし、映画やテレビの字幕も読めない。でも、僕は世間では障害者とは呼ばれない。それはメガネなどケア用品が充実しているのと、社会全体に“人間には視力の良い人も良くない人もいて、そしてそれが普通”という考え方が浸透しているからだ。だから、メガネをかけている人の多くは自分を障害者だと思ってはいない。信号が見えない以上、車の運転など本来は出来ないはずなのに、メガネのおかげで免許をとれるし、就職で差別されることもない。
俗に言う“障害”は髪の色や身長と同じでその人が持つ個性のひとつ。しかもその“障害”はケアさえ充実していれば“障害”ではなくなる。“障害”を障害とするのもしないのも、すべて社会環境と人々の意識次第だと僕は思う。
●カジポン・タイムズNO.171…自殺率世界一という日本の現実
ウーム、この国は想像以上に、もう取り返しがつかぬほど崩壊しているのかも知れない。
次々に起きる凶悪事件や政治家の汚職、企業の腐敗というものに感覚が麻痺しつつあるところへ、先ごろ世界精神医学会が『日本は自殺率世界一』という衝撃的統計を発表した。
’98年以来、我が国の自殺者は3万人を超えたままだ。昨年の自殺者は31042人、つまり1日85人、1時間に3〜4人が自殺している。交通事故死が1万人を超えると“交通戦争”と呼ばれ社会的に大問題になるのだが、実はその裏で3倍もの人が自ら命を絶っている(大半が40歳以上)。
不況とはいえ日本はGDP(国内総生産)世界第2位、しかもそれは3位以下の英仏独の合計額よりも多いという超経済大国だ(日本のGDPだけで全世界の約2割を占めている)。個人金融資産は約1400兆円という天文学的数字。だが、いくら総資産が諸外国より多くても、どんどん国民が自殺してゆく国家がまともと呼べるだろうか?未曾有の生き地獄ではないか。
この“自殺率世界一”は明らかに異常事態だ。しかし、これを問題視する動きが行政の主導で始まったという気配はない。なぜ、この国の為政者たちは国民をここまで追い込み、そして思い詰めさせるのか?
国も役所も「財政難だから医療費の補助も、失業者や低所得者の援助も出来ない」と弁明するが、もっと財政が苦しく失業率の高い国はいくらでもある。それは自殺率世界一の言い訳にはならない。
「もう生きることに疲れた」と国民が次々と自殺するような社会環境を、早急に変えていかねば。それにはどう考えても社会保障の充実しかない。政府がズサンで無駄な財政支出をなくし、税金を120%有効に活用しているのが目に見えるなら、国民は高い税にも納得出来るだろう。
※人口は女性の方が多いが、自殺者の過半数(7割)は男性。それだけ男は打たれ弱いということか。
日本人の平均寿命は世界最長。24時間営業のコンビニがこれだけ各地方にある便利な国なんか他にない。国土の75%が山地という世界有数の森林国家(その分他国の森林を伐採しているが…)で、近年開発が進んでいるといっても諸外国に比べると自然は豊か。美しい四季があり、宗教の対立が暴動に発展することもない。仏像や浮世絵など美しい文化遺産も大量にある。そこだけを見れば、世界の人にはユートピアに映るんだろうけど…。
●カジポン・タイムズNO.183…ジョン・レノンの大傑作『ハッピー・クリスマス』
クリスマスにメルマガを配信するのは初めて!そこで今回はジョン・レノンの名曲『ハッピー・クリスマス』の歌詞を激紹介!今からちょうど30年前、1972年の作品。3分30秒の世紀の大傑作!!
♪「ハッピー・クリスマス」(不肖カジポン訳)
ハッピー・クリスマス、キョーコ!※ヨーコの声。キョーコは前夫との娘。 ハッピー・クリスマス、ジュリアン!※ジョンの声。ジュリアンは前妻との息子。
さあ、今宵はクリスマス 一年が過ぎ去って また新しい年が始まるね
君にとって今年はどんな一年だった? 今宵はクリスマス みんな 楽しんでるかな 親しい人たち 愛しい人たち 老いた人たち 若い人たち
ベリー・メリー・クリスマス そしてハッピー・ニュー・イヤー 来年が何の不安もない 良い年になるよう祈ろうじゃないか
今宵はクリスマス 弱い人たち 強い人たち 金持ちの人たち 貧しい人たち 世界はこれでいいとは思わないが ともかくハッピー・クリスマス 肌の黒い人たち 白い人たち 黄色い人たち 赤い人たち さあ この辺で争いをやめようじゃないか
ベリー・メリー・クリスマス そしてハッピー・ニュー・イヤー 来年が何の不安もない 良い年になるよう祈ろうじゃないか
今宵はクリスマス 一年が過ぎ去り また新しい年が始まるんだ 僕らにとって今年はどんな一年だったろう? ともかくハッピー・クリスマス みんなが楽しい時を過ごせたらいいな
親しい人たち 愛しい人たち 老いた人たち 若い人たち
ベリー・メリー・クリスマス そしてハッピー・ニュー・イヤー 来年が何の不安もない 素晴らしい年になるよう祈ろうじゃないか
もし君がそう望めば、戦争は終わるんだ 今すぐに戦争は終わるんだ!
ウォー・イズ・オーバー、イフ・ユー・ウォント・イット ウォー・イズ・オーバー、ナウ!
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