最新文芸情報


2011.3〜4

 4月30日…(つづき・ラスト)秀作ドキュメンタリーのまとめ。
●『チェルノブイリ 連鎖爆発阻止の闘い』(2006年アメリカ)
・事故から20年目に制作。米国の有名なドキュメンタリー専門チャンネル(ディスカバリー)で放映。事故当時の最高指導者ゴルバチョフへの直接インタビューを実現。放映時間も約90分あり、超重要なチェルノブイリ検証動画。
・当時、原子炉の核燃料がもし消火作業で溜まった水と反応したり、地下水脈と接触すれば二次爆発の恐れがあった。2度目の爆発が起きれば3〜5メガトン(広島の原爆は0.016メガトン)に相当し、欧州全域が人間の住めない環境になっていた。事故後7ヶ月間に民間労働者、医療関係者、技術者が40万人、そして兵士10万人の総勢50万人がチェルノブイリに動員され、彼らの奮闘のおかげで二次爆発は避けられた。
・20代の若者ばかり1万人の炭鉱労働者が集められ原発の下にトンネルを掘った(原子炉を覆う石棺建設の基礎工事)。健康を害さないのは年間2レントゲン(当時の単位はレントゲン)、トンネル内は毎時1レントゲン。土が口に入った者はすぐに死んだ。気温は50度、酸素も薄く、水を飲めばそれも汚染されていた。彼らの被曝量は30〜60レントゲンとされてるが実際はその5倍のおそれ。集められた1万人のうち2500人が40歳までに死んでいる。
・建設された巨大石棺は長さ170m高さ66m。原発付近の土壌は2千レントゲンで、これは15分で死ぬ線量。最悪なのは付近の建物の屋上で、毎時7000レントゲン(400レントゲンで死亡)。屋上の瓦礫を撤去せねば石棺が造れず、ロボットを投入したが強力な放射線で故障。結局20代の兵士たち(番組では“バイオロボット”と呼んでいた)が投入された。数分しか作業できないため、普通は1人が1時間で行える作業に60人必要だった。
・事故の4ヶ月後、事故処理の責任者レガソフがIAEAに「今後4万人が癌で死ぬ」と予測を報告。だが、IAEAは“4千人”に減らしてレポートを作成。2年後、レガソフは自殺した。
・当初、現場から「火災だけで爆発はない」と聞かされ事故を過小評価していたソ連政府は、スウェーデンで放射能が検出されて事態の深刻さに気づいた。
・事故現場上空を飛んだヘリコプターパイロット600人は、被曝によって20年後には全員死亡。
・消防士の犠牲者は当日夜に2名。数ヶ月で28名死亡。※首相官邸のHPに「チェルノブイリ事故の犠牲者は28人」とあるのは、おそらくこの数字が根拠。
・事故処理にソ連政府は最終的に約2兆円を投入。
・ミンスクの病院では2002年までに1152人の子どもが甲状腺癌の手術を受けた。
・放射能と疾患の関連性を研究し、1996年に健康被害の論文を発表したY・バンダジェフスキー博士は別件で逮捕され5年間の懲役刑。
・原発内にはまだ致死量1億人分のプルトニウム100kgが残っている。プルトニウムは放射能の半減期まで2万4千年かかる。石棺が崩壊すれば大変な事に。
・石棺は30年後に建て直す計画で設計された。その頃には放射線量が下がると考えられたが、今も線量は高いまま。
・ゴルバチョフは原発事故で“核をコントロールすることは極めて困難”と痛感。いわく「ソ連の弾道ミサイルSS-18はチェルノブイリの爆発の100倍の破壊力、この恐るべき兵器を2700基持っていた」。そして事故の1年半後にゴルバチョフは中距離核ミサイル全廃を決意し、10年後に国連で包括的核実験禁止条約が採決された。
軍が把握しているだけで、50万人の除染作業者のうち2万人が死亡、20万人が身体に障害を負った。だが、今日まで公式に認められた死者は59人だけ。除染作業者50万人と避難民13万人に対して追跡調査が行われたことは一度もない。汚染地区を立ち退かなかった住民の統計もなく、住民の被曝量は明らかにされていない。今も汚染地域に居住する住民は600万人以上。
※カジポン感想…身を犠牲にして事故処理にあたった“英雄”たちが、その後、健康被害で働くことが出来なくなっているのに、ろくな医療保障も受けられない理不尽さ。彼らが貧困の中、癌や白血病で死んでいくのは全くやりきれない。様々なデータが放射線被害を物語っているのに、政府もIAEAも「因果関係はない」と突っぱねているその非情さ。不安を煽る気はないけど、放射線の後遺症を過小評価したレポートをもとに、日本政府が対策を講じているのが心配。「これくらいなら安全だ」という“善意”から出た言葉が、20年後に取り返しの付かない結果を招かないことを祈っている。本当に、心から祈っている。
動画リンク(全7本)。
 4月29日…(つづき・その4)秀作ドキュメンタリーのまとめ。
●『汚された大地で 〜チェルノブイリ 20年後の真実』(2006年NHK)
・事故から20年目に制作。以降、NHKはチェルノブイリの特番を制作していないのでこれが最新の情報となる。
・原発事故と関係者の癌には本当に因果関係が見つからないのか深く切り込む内容。
・事故の6年後(1992年)から始まった原発作業員の健康の追跡調査は、ソビエト経済が崩壊して資金不足となり9年後に終了。だがその短期間でも、原発作業員の癌による死亡率は年々増えていき、2000年には一般市民の3倍に達していることが判明。
・チェルノブイリの作業員には約20年後に癌が急増。これは広島の被爆者が約20年を経て癌を発病していることと一致。
・だが、事故20年の節目にIAEA(国際原子力機関)などからなる委員会がまとめた報告書では、事故で放射線を浴びたことによる死者は全部で60人足らずと記述。そして「事故の死亡者が何万人何十万人にのぼるという主張は誇張である」「多くは放射線の影響というより貧困や医療の不備によるもので、酒の飲み過ぎ、煙草の吸いすぎの方が問題である」とし、健康被害の多くを「被曝の影響とは言えない」として退けた。
・汚染地域の実態。チェルノブイリから400km(東京〜大阪の距離)も離れたウクライナの隣国、ベラルーシのブレスト州でも甲状腺癌が増えている。
・広島長崎では殆どなかった小児甲状腺癌が多発。事故の10年後には事故前の100倍になった。これは子どもが放射性ヨウ素をたくさん吸収したから。事故から20年が経つと小児甲状腺癌は激減したが、今度は大人(46歳以上)の甲状腺癌が急増。つまり、大人は吸収した放射性ヨウ素が少なかったので発病が遅かっただけで、吸収量が少ないから大人が安全というわけではない。
・IAEAは「大人に甲状腺癌が増加しているという証拠はない。検査技術の向上で癌の発見が増えているだけ」と結論。
・現地に15年通い続けている広島の甲状腺の専門医・武市宣雄医師は癌の早期発見を促すためにも事態を直視すべきと訴えている。
・広島大名誉教授の佐藤幸男医師は遺伝的影響の調査のため50回以上もベラルーシを訪れ、現地で40年にわたって遺伝の研究をしているゲンナジー・ラジューク博士と低線量被曝者の染色体を共同調査。その結果、汚染の多いゴメリ州で生まれてくる子どもの染色体異常は、隣州ミンスクの子どもの10倍。また、先天的な病気を持った子どもの数は事故前の約2倍だった。IAEAの見解は「発見と報告の制度が整い先天性異常の子どもの登録数が増えただけで因果関係なし」。
※カジポン感想…僕はチェルノブイリ事故の翌年に、当番組に出てきたベラルーシのブレストやミンスクを訪れているので、非常にリアリティを感じながら見ていた。広島では被曝による遺伝的影響は確認されていないため、チェルノブイリで漏れた放射線がどう異なるのかなど、低線量長期被曝の影響はこれから解明されていくだろう。番組後半では、19年間健康だったベラルーシの男性が、35歳で突然白血病になり、同様の市民が増加していることが取り上げられている。20年後の発病であり、患者はみんな“ただちに”健康被害がなかった人々。ベラルーシの医者の言葉「私にも分からないことが今起きている」が印象的だった。
動画リンク(全5本)。削除された場合、番組名で検索するとヒットすると思います。
(明日に続く。あと一回でレビュー完結)
//3日前から左耳がよく聞こえないと思っていたら、まさかの中耳炎。どうりで夜中にズキズキしたはず。中耳炎なんて小学校以来ッス。
 4月28日…(つづき・その3)デンマークとスイスの番組。
●『チェルノブイリ原発 隠されていた事実』(1997年デンマーク)
・事故から11年目に制作。
・チェルノブイリ原発事故の原因は公的には出力調整テストの失敗とされているが、真相は直下型の地震であり人災ではない。
・多くの現場職員が地震のことを証言しているのに当局は無視。なぜなら、地震説を認めると、国内の他の原子炉にも高額な免震工事が必要になるし、活断層など地盤調査をしなかった政府が非難されるから。
・この事実を公表した地球物理学者は行方不明になった。
※カジポン感想…デンマークの取材班が様々な地震データを出しているにもかかわらず、IAEAも含めていまだに国際機関はスルー。あくまでもソ連当局の公式報告を重視。おそらく、公式報告を疑うことは、犠牲者の人数など他の全ての数値の信憑性が失われれ、原発推進の為に被害が小さくあって欲しいIAEAには都合が悪いからだろう。動画リンク(全3本)
書き起こしサイトもあり。
●『チェルノブイリ いやされぬ傷あと』(1998年制作 スイス)
・事故から12年目に制作。
・汚染地に暮らす人々を中心に取材。みんな貧しくて引っ越しができない。危険と分かっていても土地の作物を食べるしかない。
・事故当時の記録映像が登場するが、これを撮影したカメラマンは後に病死。
・ソビエト政府は治療費を節約するため、作業員の病気と原発事故の因果関係を否定してきた。
・原発から約200kmのある村では23%の子どもが白内障や失明になり、80%の子どもが胃炎や潰瘍を患っている。そして84%もの子どもが不整脈で心筋梗塞の予備軍。
・ペクチンの錠剤が放射性物質を体外に出すので効果的。薬代は1人につき年間28ドルにすぎないが、ベラルーシには薬を必要とする子どもが50万人いるため予算が足りない。
※カジポン感想…冒頭から美しい田園風景が映し出され、スイスの撮影チームは一見平和な農村が、実は放射能汚染で苦しんでいるというギャップで悲劇性を伝えている。映像の語り口が静かな分、“なぜこの素朴な人々がこんな苦しみを”という悲しみに包まれる。詩情を感じさせながら同時に汚染を鋭く告発した傑作ドキュメンタリー。良心的な原子物理学者ワシーリー・ネステレンコ博士の存在に救われる。動画リンク(全3本)
(明日に続く。あと2番組)
 4月27日…(つづき・その2)/チェルノブイリ関連のネット動画は次々と削除される一方で、有志が頑張ってアップしており、僕は国内外の次の5本のドキュメンタリーを見ることが出来た。→
『チェルノブイリ原発事故 終わりなき人体汚染』(1996年NHK)
『チェルノブイリ原発 隠されていた事実』(1997年デンマーク)
『チェルノブイリ  いやされぬ傷あと』(1998年スイス)
『チェルノブイリ 連鎖爆発阻止の闘い』(2006年アメリカ)
『汚された大地で〜チェルノブイリ 20年後の真実』(2006年NHK)
これらのドキュメンタリーで明かされた深刻な被害を信じるのか、それともIAEAや日本政府の“チェルノブイリ事故の被害者は少ない”の声明を信じるのか。放射線被害の後遺症はまだハッキリと分かっていない。ならば、「最悪」を想定して対策を練ることが大切ではないか。事態を軽く見過ぎることで、被害に遭わなくて済むはずの人が後に苦しまないか心配だ。今後問題が起きた時に(起きて欲しくないけど)、日本政府は「だってIAEAが安全って言ったし…」、IAEAは「だってソ連政府が…」、ロシアは「チェルノブイリはウクライナにあるし、旧ソ連時代のことは分からない」と、責任をなすりつけ合うのが目に見えている。以下、番組を全部視聴する時間がない方のために、メモした内容を箇条書きで載せておきマス。制作年の古いものから紹介。
●『チェルノブイリ原発事故 終わりなき人体汚染』(1996年NHK)
・事故から10年。毎週のように避難民が放射能の癌で亡くなっている。
・広島型原爆500個分以上の放射能がまき散らされた。
・甲状腺癌は事故の4年後から急激に増え続けている。
・ロシア保健省・放射線生物物理学研究所「事故処理員1886人の健康を8年間追跡した結果、癌患者は一般の3倍。30代で50代のような身体に」
・子どもは1kgあたり37ベクレル以上のものを食べてはいけないのに、汚染地では70ベクレルのものを食べている。
・ミンスク遺伝性疾患研究所調査「放射能の高濃度汚染地域では先天性の異常を持った新生児の数が事故前の1.8倍に増加」
・汚染地域の妊婦に死産、早産が多い。「(被害を小さく見た)IAEAの予想と大きく異なってきているのが心配。妊婦や胎児に染色体の異常が見られる」(キエフ小児産婦人科研究所・産婦人科部長)
・濃縮も深刻。土壌は1068ベクレルでも牧草は1万5544ベクレルであり、土の15倍。
・キエフ脳神経外科研究所のアレクサンドル・ビニツキー教授「死亡した事故処理員の脳を解剖すると放射性物質が蓄積していた。脳は放射能に対する抵抗力が強いという定説はくつがえった。脳の破壊が様々な精神障害や身体の病気の原因だった。放射性物質が脳に入り込みミクロの爆弾のように神経細胞を破壊していった」。
・体内に吸い込んだ放射性物質が血液によって脳に運び込まれ、神経細胞を破壊していく。視床下部や脳幹にダメージを受けた時の症状は、事故処理員の倦怠感、内臓の働きが悪い、手足を上手く動かせない等の証言と重なる。
リンク〜YouTube版(全4本) / 別の動画サイト
※カジポン感想…“事故処理員の脳には神経細胞が死んでいるエリアがある”という検査結果に衝撃を受けた。「脳萎縮」のくだりは他のドキュメンタリーにはなく、またとても重要な情報であるので、動画3(15分)は見ておく方が良いと思う。
※動画3の書き起こしサイト
(他の番組は明日以降の日記で紹介)
//世界フィギュア、小塚選手のフリー演技に感動。なんという流麗かつ優美な動き。銀メダルおめでとう!
 4月26日…今日で1986年に起きたチェルノブイリ原発事故からちょうど25年。放射能の人体への影響は時間経過と共に現れるため、最新情報が知りたくてNHKの特集番組が放送されるのを待った。否、そういう放送があると思い込んでいた。ところが、実際には1時間枠の21時のニュースで3分触れただけ。石棺の老朽化問題以外、情報は何もないに等しかった。
/先日、首相官邸の公式WEBに『チェルノブイリ事故との比較』というページがアップされた。そこに書かれた被害は、「事故3週間以内に28名が亡くなった。その後19名が亡くなっているが放射線被ばくとの関係は認められない」「除染作業を行った24万人の被ばく線量は平均100ミリシーベルトで健康影響はなし」「汚染地の住民の健康に影響は認められない。例外は小児の甲状腺癌で、汚染された牛乳を無制限に飲用した子供の中で6千人が手術を受け、現在までに15名が亡くなっている」というもの。放射性物質が600km(東京を中心に三重から仙台まで入る距離)まで飛び散り500万人が被曝したにもかかわらず、首相官邸は放射線で明確に死亡したのは大人28名、子ども15名の43名のみと主張しているんだ。東電の原発事故に対する政府の評価は、スリーマイル以下→スリーマイル並→チェルノブイリ以下→チェルノブイリはたいしたことない、このように変遷している。しかし、実際には後年癌が多発し、事故現場上空を飛んだヘリコプターパイロット600人は20年後までに全員死亡、原発地下でトンネルを掘った1万人の炭鉱労働者(20代の若者ばかり)も20年後には2500人が死亡している。汚染地の住民に白血病や癌が急増しているが、当時のソ連政府も、民主化後のウクライナやベラルーシ政府も、医療費を低く抑えるために“因果関係がハッキリしない”と切り捨てている。また、IAEA(国際原子力機関)も癌患者の増加を「医学の進歩で癌の早期発見ケースが増えているだけ」と、放射線の影響と認めていない。
/先述した首相官邸は嘘をついているのか?イエスでありノーだ。つまり、ソ連政府が被害を過小評価した嘘のデータをIAEAや国際機関に提出し、それを公式な数字とした国連のレポートを使った点で日本政府は嘘をついてないし、ソ連政府のデータには様々な科学者やジャーナリストが捏造と断定しているのに、数字のウラをとらずにいる点で嘘をついている。(明日に続く)
 4月25日…今日の更新は、おそらくここ1ヶ月ほどで一番明るい話題。風力、太陽光、地熱エネルギーの新技術(一部は既に実用化)の話!
●風力…風力発電には低周波、騒音、台風、落雷、鳥の激突など多くの課題があるけど、低周波・騒音については人里離れた海上に風車を設置する洋上風力発電が有効という。日本風力発電協会は洋上風力の導入で原子炉30〜40基相当の発電が可能と試算している。これは決して夢物語ではなく、既に英国、デンマーク、オランダ、ベルギー、スウェーデン、ドイツ、アイルランド、フィンランド、ノルウェーが導入しており、昨年の段階で約300万kWを供給。建設中のものが同じく300万kW分あり、最終的には欧州全体で1900万kW(東電の全原発より多い)を風力で賄う計画という。従来の地上用風力発電については、鳥の激突や騒音を防ぐため、回転が遅いスパイラルマグナスを開発完了。台風と落雷に関しては三菱重工が新技術を開発したと発表している。/4日前に環境省が発表したデータでも、風力発電は最大で原発40基分の発電量が見込めると試算。あくまでも“最大”ではあるけれど、先述した日本風力発電協会も最大40基としており、環境省がわざわざ具体的な数字を出している以上、根拠があってのことだろう。国内の原発は54基だから、本当に40基分に近づけるなら、火力・水力と合わせて余裕で脱原発社会を実現出来る。
※ちなみに、国際エネルギー機関(IEA)は「日本は09年、石油火力発電能力の30%しか使用していない」と報告している。
※「風力発電はいらない」というサイトもある。低周波の健康被害は相当キツいようだ。僕としては「いらない」ではなく、「欧州のように洋上で」という流れに持って行きたい。
●太陽光…太陽光でネックになっていた発電コストは年々安くなっており、大きな課題は発電効率の悪さ(広い面積が必要)、そして雨天や夜間に使えないこと。これも朗報がある。発電効率に関しては、従来のシリコン系太陽パネルに変わる次世代パネル=太陽光の50%を占める赤外線も変換する「量子ドット型」太陽光パネルが革命を起こしそう。シリコン系の効率23%に対し、量子ドット型は07年は7%に留まっていたけど、09年には16%まで接近。今後は60%まで伸びる公算が大きく(シャープは75%とも)、仮に40%を実現出来れば、レンズを使って太陽光を集めればたった10cm角の太陽電池で家庭1軒分の電気が賄えるという。わずか10cm!実用化は4年後といい、原発の莫大な宣伝費を全部この太陽光研究に回して欲しい。
そして、雨天や夜間の発電についても、酸化鉄化合物の太陽電池「グリーンフェライト」を使えば、太陽が出ていなくても降り注ぐ赤外線を捉えて発電が可能になるとのこと。量子ドット型と同じく4年後の実用化を目指しているというが、こちらも政府主導で頭脳と資金を結集し、もっと早く実用化して欲しい。どちらも世紀のエネルギー革命となりそうな夢の太陽電池!
●地熱…火山国のアイスランドは電力の3割を地熱発電で賄っている。そのアイスランドの人々からすれば、日本は羨むようなエネルギー大国という。なぜなら、日本は地熱エネルギーの分野では、世界第3位のエネルギー資源保有国だからッス!活火山の多い日本は圧倒的な地熱資源大国であり、推定地熱資源量は、米国の3000万kW、インドネシアの2779万kWに続く2347万kW(東電の全原発は1700万kW)。現在、日本ではその2347万kWのうち53万5000kWしか利用しておらず、総発電設備容量のたった0.2%にすぎない。温泉街と話し合いながら、地熱エネルギーをどんどん活用していこう!※アイスランドの地熱発電所は日本製@三菱重工。そして世界シェアトップもまた、日本の富士電機システムズ!後者は世界最大規模の地熱発電所をニュージーランドに建設している。09年にNHKでも特集
結論。エネルギーの未来は明るい!
 4月24日…これは驚いた。昨年度の世界全体の発電容量は、原発が3億7500万kWであるのに対し、風力、太陽光、小規模水力などの再生可能エネルギーの合計が3億8100万kWとなり、原発を初めて逆転したとのこと!世界で運転中の原発は30国で437基。このうち145基は2020年までに原発の運用期限とされる40年を迎え、福島原発の事故の影響もあり、多くが廃炉に向かうと予測されているという。
//これまでに何度か「原発は本当に必要なのか」と疑念を書いてきた。それは電力会社叩きで溜飲を下げることが目的ではなく、安全な脱原発社会が実現可能であればそこに希望が感じられるからだ。震災以降、いろんな原発問題の記事に目を通して分かってきたことは、電力会社は原発の不測のトラブルに備えるため、基本的には原発ナシでも電力を賄える力があるということ。特にそれが顕著だったのは8年前に起きた“東電の原発全停止”だ。
/経緯はこう。2003年4月、福島第一原発の1号機の定期検査において原子炉格納容器の気密漏えい率検査データの改ざんが発覚。他にもヒビ割れの存在を隠すなど東電側の不正行為が明らかになった。これらのトラブル隠しを原子力安全・保安院は「悪質な違法行為」と判断し、東電所有の17基の原子炉すべてを一年間の運転停止処分にした。つまり原子力安全・保安院はその処分でも電力は賄えると判断したんだ。結局、夏場の需要増大を控え、7月末までに4基が再稼働となったものの、13基は停止したまま。東電は火力発電所をフル稼働させ、産業界に節電を求めることで乗り切った。同年は冷夏とはいえ、東電保有原発の約4分の3が停止しても計画停電ナシでなんとかなった(03年度の日本の原発の設備利用率は世界最低レベルの50%台にまで落ちている)。当時の佐藤福島県知事は、問題発覚のきっかけとなったGE社の内部告発の情報を、小泉政権が2年前に入手しながら明らかにしなかったとを強く批判した。
/僕は東電が過半数の原発が停止していても、火力・水力を駆使することで夏を乗り切れたことに、脱原発社会への可能性を感じる。現在は03年の段階よりも家電の省電力化が進んでいるし、自家発電している企業が増えている。自然エネルギーの研究も進んでいるし脱原発社会は夢ではないと思う。
 4月23日…ウルトラマンシリーズ45周年記念として、往年の特撮ドラマ『ウルトラQ』(1966年放映)が“総天然色”(カラー化)されて大復活。予告動画(1分11秒)にめっさテンションがあがった。モノクロの着色には一部に批判もあるけど、僕はどんな世界になるのか楽しみッス!
//歴史ドラマ・ファンにとって、これからしばらく日曜は至福タイムになりそう。18時45分から『新選組血風録』、20時から『江』、21時から『JIN』の3本立て!
●『新選組血風録』…司馬遼太郎の原作小説を昭和テイスト全開、小細工なし、王道時代劇としてオンエア。もうね、この武骨な番宣ポスター画像だけで、ご飯3杯お替わりいけそう。第1話では近藤勇が“名刀・虎鉄(こてつ)”を安く購入できて喜ぶが、沖田や隊士たちは「ニセモノなのに」と同情。しかし近藤はあくまでも虎鉄と信じ込み、また使い込むことで真の名刀に成長させる。大商人から本物の虎鉄を贈られても、「もう虎鉄は持っている」と辞退するシーンが良い。第2話では新人隊士が悪徳高利貸しに苦しめられる女性(幼馴染み)を救うために、抜刀。借金の担保で売られそうになったところを救ったものの、丸腰の人間相手に刀を抜いたことが「士道不覚悟」となり彼は切腹。自刃前に高利貸しが町奉行に連行されたことを知り、また切腹は武士の名誉であることから、「有難うございます」という言葉と共に腹を切った。先週の第3話は素行の悪かった初代筆頭局長の芹沢鴨の粛清を近藤が決意。夜道を暗殺に向かう土方、沖田たちの姿とBGMの静かなピアノが渋すぎる。芹沢配下の新見を取り囲み、“士道不覚悟”で切腹させるシーンにはビビった。
●『江』…本能寺の変でいったん落ちた視聴率が盛り返しているとのこと。実際、第12回『茶々の反乱』で秀吉が浅井三姉妹にプレゼント攻撃する回は、ごちそう(伊勢のハマグリや脂ののったキジ他)を前にした“江”や“初”のコントが面白くて、今大河になって初めて再放送も見てしまった(「あり、えま、せん」の言い方もウケた)。生理的嫌悪炸裂の今大河の秀吉@エロ親父だけど、石田三成との「オヌシやるではないか」のコミカルなやりとりに噴き出し、笑わされると不思議と抵抗感も薄まる。しかし、またしても先週の『離縁せよ』で秀吉はMAXの鬼畜ぶりを発揮。今後は秀吉の人間的魅力も描くつもりみたいだけど、ここまで悪化したイメージをどう回復させるのか脚本に期待。
●『JIN』…第1話は視聴率23.7%というロケット・スタート!前作を上回る数字という。実際、龍馬と夢を語るだけじゃなく、西郷隆盛の盲腸を手術したり、佐久間象山を治療したり、久坂玄瑞と会話するなど、幕末オールスターと絡んでいく破天荒なストーリーはグイグイ引き込む。“医者なのに命を救えば歴史が変わってしまう”という苦悩・葛藤を、どう乗り越えて行くのか楽しみ。※「餡ドーナツ」が食べたくなった!(笑)
 4月22日…24日(日曜)夜10時からBSでオンエアされる邦画『若者たち』を、全力でお薦めします!若き田中邦衛や山本圭の熱演が光る1967年制作のこの作品は、87分という短い上映時間内に、学生運動、学歴差別、被爆者差別、農村問題などが続々と描き出される青春映画。もともとTVドラマとして人気を集めていたけど、あまりにも痛烈な社会批判を毎週展開した為、恐れをなした局上層部によって打ち切られ、ならばとスタッフが執念で映画化したいわくつきの作品ッス(在日外国人差別を描いた回で放送打ち切り処分となった)。僕が初めてこの映画を見たのは高2の夏。地元の自主上映会だった。映画の中で「人間はこんなモノより偉いんだ!」とお金を燃やすシーンがあり、それを見た田中邦衛の反応も含め、若い僕にはめっさ衝撃的だった。それ以来、ずっとこの映画をテレビでやるのを待っていたけど(ビデオは絶版、DVDはBOXのみ)、毎日番組表をチェックしているにもかかわらず、僕の知る限り、この27年間一度もオンエアされたことがない!そしてついに24日、約四半世紀ぶりに観ることが出来る!しかもこの放送が決まったのは奇跡みたいなもの。BSの『山田洋次監督が選ぶ名作100本』企画の一環として、山田監督がチョイスしたからこそ、こうして日の目を見た。テレビ局側としてはわざわざこの作品を放送することはなかっただろう。歌い始めが“♪君の〜行く〜道は〜果てし〜なく〜遠い〜”という主題歌(1分50秒)は非常に有名なのに、肝心の本編が60歳以下の人には殆ど知られていないという幻の作品、それが『若者たち』だ。見逃すと次のオンエアまで30年以上かかるかも。※なにぶん、青春時代に鑑賞して以来、一度も再見する機会がなかったので、僕の中でかなり「脳内名作補正」が入っている可能性がありマス。もし皆さんが観てイマイチだったらスミマセン(汗)。上記の主題歌動画は映像付きゆえ作品の雰囲気が分かるかと!(番組公式WEB
//元キャンディーズの田中好子さんが昨日乳癌のため他界。僕はピンクレディー世代だけど、キャンディーズのファンも周囲にはたくさんいた。55歳はまだまだ若い。田中さんは女優としても『黒い雨』『ちゅらさん(母)』で好演されていたので残念ですね…。
//NTTドコモが森林で撮影した「森の木琴」(3分5秒)、転がる木のボールが奏でるバッハ“主よ、人の望みの喜びよ”に聴き入った。木々の間に響く透明感のある音色にホッコリ。よくこんな長〜い木琴を製作したもの!(原曲・ピアノ版
 4月21日…本日でサイトのアクセスが累計2000万件ヒット!いつも訪問して下さる皆さん、本当に、本当に、有難うございます!!当日記にはアートの話題だけでなく、少しでもこの世界が良い方向へ向かえばと時事問題も取り上げています。自分ではなるべく中立性を保ち、複数の視点から書くよう心がけているつもりですが、それでも偏った情報源だけで意見を組み立てたり、言葉の調子がキツくなり過ぎるなど、違和感や時には憤りを感じられることもあるかと思います(ホント申し訳ありません)。それにもかかわらず、来訪して読んで頂けることに心から感謝しています。
/異なる考え方であったとしても、直接会ったり、電話で話せば、声のイントネーションなどで、決して対立を望んでおらず、妥協点を模索しているのだと比較的容易に伝わるのですが(ソースは過去体験)、文章だけで誤解を解くのは至難の業です。それどころか、かえってこじれて問題が複雑化することも…。物書きの端くれなのに、こんなことを書くのは情けないですが、サイト開設から12年、文章を書くことに恐怖を感じない日は一日もありません。むしろ、アクセスが増えるにつれて言葉の扱いに一層の慎重さが求められ、常に手のひらに汗を滲ませて、「サイト転送(更新)」ボタンをクリックしています。
/最も自己嫌悪になるのは、言葉の選択を誤ったばかりに、意図しない部分で誰かを傷つけてしまった時や、文章の稚拙さから真意とは真逆のメッセージが伝わってしまった時。読者の方から「失望しました」「ショックでした」という声を頂いた時は、なんで僕はその痛みを想像出来なかったのか、もっときめ細かな配慮が出来なかったのだろうかと、後悔、後悔、また後悔…のたうち回るばかり。
/なんだか、2000万ヒットなのに暗い内容になってしまいましたが、最近文章だけの意思疎通の難しさを感じることが色々あり、胸中の不安感を書いておかねばちょっと更新がしんどくなってきたので、この機会に吐露させて頂きました。自分語りをしてスミマセン。とはいえ、言葉が持つ力は信じています。“救命ロープ”にもなり得ると(僕が上手く活かせないだけで)。こんなふうに悩みながら更新しているのに、何度も足を運んで下さっている皆さんに(否、皆さんというよりはあなたに、そう、一人一人のあなたに!)、全身全霊にて御礼申し上げます!m(_ _)m
//本日、JR東北線、全線復旧。これで仙台と盛岡の貨物輸送が可能になった!
 4月20日…震災以来、連日のように救援活動を続けている自衛官。今月初旬に被災地で陸自の男性陸曹長(50歳代)が脳出血で死亡したのに続き、先日40歳代の男性1等陸曹が脳出血で死亡。2人目の殉職。宿営用テントで意識不明の状態で倒れていたという。/何万人もの自衛官が現場で過酷な作業に携わっているけど、実態はほとんどメディアで伝えられていない。そんな中、現役自衛官の方が書かれたコラム『なぜ政府は現場が活動しやすいように手を打たないのか』(リンク)では、隊内で何が不足しどんな問題が起きているのかが詳しく記されていた。以下、一部を要略。
・警察や消防は約1週間で交代しているが、自衛隊は10万人体制維持のため交代要員が確保しづらい状態。災害派遣中に多数の遺体を見て、いたたまれなくなって自殺した陸自隊員もおり、殉職と言ってもいい。民間鉄道や民航機を(特令がなく)使用させてもらえないため、例えば、宮城県に展開している西日本の陸自は2日かけてトラックや高機動車で九州の原隊に戻り、6日ほど休んで、また2日かけて陸路被災地へ向かっている。
・自衛隊が戦う組織だからといって、自衛隊が良い装備を持っていると思うのは幻想。放射線防護服や除染車、無人機などの装備は、警察、消防の方が充実している。
・部隊間の連絡は野外通信用の携帯無線機を使用するが、小隊に1台、分隊にはなしというのが当たり前。肝心の携帯無線機の周波数帯も、警察、消防、国交省が良いところを押さえているため、防衛省の割り当て区域は、伝播(でんぱ)能力の低い周波数帯。ちょっとした障害物で電波が届かなくなる。その結果、隊員は個人の携帯電話で連絡を取っており、通信費は各自の自腹。
・ケガをしても抗生物質がない。また、自衛隊の化学防護衣は100人当たり10着程度しか配分されていない。
・懐中電灯は約30人の小隊で5個程度、ヘッドライトの支給はなし。LEDライトは、100人以上いる各中隊で5個程度。仕方なく隊員が個人で購入し電池の官品補給はなし。
・窃盗等の不法行為への抑止力として、空からの無人機巡回や、74式戦車の投光器活用(3km先でも新聞がはっきり読める)を行うべき。
・自衛官は大型自動車、トラック・クレーン、フォークリフトなどの免許を持っている隊員が多数いる。現場に必要な築城建設器材を民間から借り上げてもらえれば、迅速に救援物資を運ぶことができる。
等々、問題山積。すぐに改善可能なことは政府が積極的に行動に移すべきかと!※原文は8ページ。多忙な方は最後のページだけでも是非。「感謝してほしいのではなく、理解して、活動を支援して頂きたい」とメッセージが書かれています。このコラムを書かれた隊員さんは、某中隊長の次の言葉で疲労を忘れたとのこと→「被災者や行方不明家族のおられる方々が、固唾をのんで見守る中での作業は辛いものがある。しかし、崇高な使命を達成できるのは我々しかいない」。
 4月19日…本日発売のウルトラジャンプ5月号(Ama)にてジョジョ第7部『スティール・ボール・ラン』が完結!レースの回想ページにジーンときたなぁ。単行本派の人がいるので、本格的な感想は6/3に最終巻が出た時に書くつもり。驚いたのは来月号の予告。7年間のSBR連載が終わったので、しばらく充填期間で休載になると思っていたら、間髪を入れずに次号から第8部『ジョジョリオン』の連載が開始!舞台は1992年連載の第4部と同じく杜王町!19年ぶりに舞台は日本へ!4部の後日談なのか、パラレルワールドかは不明だけど、も〜めちゃくちゃ楽しみ!!※うお!このことが毎日新聞デジタルで記事になっていたッ!マンガが完結しただけでニュースになってるのがスゴイ!
//昨日の日記について「復旧中の火力発電所があるのに2009年の数字と比較するのはおかしい」と指摘があり、新情報も含めて大きく書き直しました。とはいえ、結論は変わらず、むしろさらに今夏の最大電力需要に原発抜きで対応できるという確信が持てた感じです。
//ツイッターのフォローが900人を突破。登録して下さった方、有難うございます。
 4月18日…さらに発覚した、震災前は「原発がなくても東電の電力は足りていた」という決定的な証拠。…といっても、その重要資料を東電がサイトから削除したので現在は確認不能なんだけど、詳細はこうだ。いま「ページが見つかりません」と表示されているこのページには、4/6まで東電エリア内の原発、火力、水力など各発電所の発電能力と、東電が企業の自家発電などから買う“他社受電”を含んだ“真の発電実績”が記載されていた。それによると→
・2009年度の発電実績は7769万kW。
・このうち原子力による発電は1819万kW。
・つまり7769万-1819万で、5950万kWが東電所有の原発“以外”の発電能力
・2009年度の最大電力需要は7月の5450万kW。なんと2009年は先述の発電量を500万kW下回っている。このように09年に関しては夏でさえ“原発抜き”で余裕対応可能だった。(ただし、昨夏は観測史上最高の酷暑であった為、最大電力需要5998kW。でも、不足分はわずかに48kWであり1%に満たない節電で対応できる)
/では、今夏についてはどうだろうか。
・東電が“電力不足になる!”と主張している今夏の最大需要見込みは、公式WEBによると5500万kW
・先の09年の“原発抜き”発電量は5950万kWだけど、現在震災被害を受けた3カ所の火力発電所、具体的には常陸那珂火力発電所1号機、鹿島火力発電所6号機、広野火力発電所2号機&4号機が復旧中で、合計360万kWのダメージ。だが、5950万ー360万で
5590万kWは確保できている。やっぱり余裕がある!
・しかも東電は7月末までに常陸那珂1号機と鹿島6号機は復旧可能と見込んでおり、そうなると広野2号&4号の160万kWだけが減少するだけ。復旧後は5790万kW確保でますます発電能力は余裕。
・さらにさらに。西日本の電力会社から周波数変換送電100万kWや、北海道・東北電力から80kWを送電してもらえば、計180kWの追加電力に
・さらに×3。
長期休止中の横須賀火力発電所が7月から稼働再開。これで227万4千kWが加わる。
/東電はこうした過去の発電実績を載せたページをこっそり削除した2日後「今後は計画停電をやめます」と声明を出している。一連の計画停電騒ぎは「原発を必要悪と思わせるため、わざと計画停電をやって電力不足を感じさせた」という黒い噂もさもありなんって感じだ。リンク先の記者が東電広報部に削除理由を聞いたところ、「お答えできない」という非協力的な回答。これだけ国民に迷惑をかけ、まだ情報開示に誠意を見せない東電。発電能力は重要な資料ゆえ復活を求む。いい加減に隠蔽体質から脱皮して欲しい。
※ 「フル稼働していたらいつ点検するのか」という質問もあった。これについては、そもそもピーク時にだけフル稼働すればいいわけで、需要の少ない時期に従来通り点検していけばいいだけの話かと。
//そしてさらにまたひとつ、「原発なしでも無問題」という情報。
東電は世界最大の揚水(ようすい)発電「神流川発電所」をはじめ、多くの大型揚水発電所を持っている。揚水発電とは夜間に余っている電力を使って水を汲み上げ、昼間に流して発電するシステム(ウィキには原発の夜間電力を融通してもらって動かすような記述になってるけど、別にどんな電力でも揚水は稼働する。現に東電は原発停止中の今も揚水発電を使っている)。
東電所有の揚水発電所の総出力は1050万kWもあるが、東電はこの数字を発電実績から“除外”している。「貯水池の水量は変化するので確実な電力だけしか計算しない」というのが理由。それはおかしい。水量の変化を問題にするなら、一般ダムだって同じじゃないか。東電は水力発電として一般ダムをカウントしてるんだから、揚水発電も計算に入れないと矛盾する。
1050万kWは最大値であり、実際にその半分しか発電できなかったとしても、現在稼働中の東電・柏崎刈羽の出力491.2万kWよりも多い。日記冒頭の09年の発電実績にこの揚水発電所の出力を足せば、福島と柏崎刈羽の全炉を停止しても停電ナシでいける。僕らは東電にオチョクられているのか?この企業はどこまで闇が深いのか。悪い夢でも見ているようだ。※揚水発電所スルーについて伝える記事
 4月17日…『ガンバの冒険』『あしたのジョー』『エースをねらえ!』『ベルサイユのばら』『はじめ人間ギャートルズ』『宝島』『元祖天才バカボン』など、1970年代を代表する多くの名作アニメの監督や演出を担当した出崎統(でざき・おさむ)さんが肺癌で他界。享年67歳。新技術の開発にも積極的に取り組み、止め絵の繰り返しショットを多用したドラマチックな演出、入射光や透過光など光を効果的に使った美しい映像、画面分割を導入したスタイリッシュな見せ方など、開拓精神を持った出崎統さん。僕の世代には非常に縁が深い、少年時代と密接に繋がっている名監督だった。ご冥福を祈ります。
//東京電力が原発事故の収束に向けた作業の工程表を発表。安定化まで6〜9カ月かかり、最初の3カ月で原子炉とプールを冷却し、その後3〜6カ月をかけて放射性物質の放出を抑制するとのこと。初めて収束期日の目安が出たわけで、9カ月は長いとはいえ、これだけの大事故を本当に1年以内に収束できるならどんなに嬉しいか。行程通りになるかどうかは、再び水素爆発が起きないこと、高濃度汚染水の排出が止まることがカギ。
 4月16日…昨日の日記で触れた高円寺・反原発デモの出来事をこちらのブログは“菜の花革命”(菜の花は脱原発の象徴。チェルノブイリで放射能汚染された土壌の浄化に栽培された)と呼び、次のように分析していた「ドイツなどで25万人規模の反原発デモが行われていることに比べれば、ここ東京では、原発推進派の首長の再選を阻止することもできず、動員できたのも、たかだか1万5千人。東電や電事連、当局にとっては、痛くもかゆくも無いレベルの反対デモかもしれない。しかし、これまでの日本の「市民運動」の歴史からすれば、何の組織も存在していない状況下、ツイッターやフェイスブックを介して、縁もゆかりもないこれだけの「素人」たちが自然発生的に集結し、乱を引き起こしていることは、正に「革命」の名に値する。4.10は、フクシマ以降の永きにわたる脱原発運動の起点になった記念日として人々に記憶され語り継がれていくことは間違いない」。
//反原発デモがある一方で、超保守派の在特会がまさかの原発推進デモ『日本の電力を守ろう!原発の火を消させないデモ行進!』を17日に東京で行うとのこと。スローガンに「国家破壊を目論む反日左翼を福島沖に叩き込め!」とあり目が点に。国家破壊?僕は日本を愛しているからこそ、原発がなくてもやっていけるなら脱原発でいこうとデータを示して訴えている(主に4/9、4/13の日記)。炉心の格納容器が爆発すれば、現在とは比較にならないほど広範囲で人が住めなくなり、無人の山河だけが残る。“もんじゅ”や浜岡原発の危険も叫ばれている今、安全軽視の推進派こそが国家破壊を目論んでいるように見える。/右翼の襲撃を受けたこともあるジャーナリストの川端幹人氏いわく「原子力団体に丸のりして、その言い分をまんま掲載したのが花田紀凱率いる保守論壇誌「WiLL」。「WiLL」には電力会社や電事連の広告、数ページにわたる原子力のPR記事が頻繁に掲載されている。また、同誌の発行元は関連会社で東電のHPや展示物制作を受注。産経の「正論」、読売系の「中央公論」も電力会社のPRを毎号のようにのっけてるし、もしかして、この国の保守って電気の力で動いてる?「高円寺のデモの正体は左翼」と騒いでる連中がいるけど、左翼で何が悪いの?というか、(主催の)“素人の乱”って左翼なのか。少なくとも彼らは自前の“アシ”で参加してるが、君らの好きな保守論壇は電力会社に金もらって原発批判つぶしをやってるんだよ」(川端氏のツイッターより)。
※日本の電力会社は自民党に献金しているけど一社だけが献金していない。それは原発を持たない沖縄電力。
 4月15日…“仕事を干されても言うべきことは言う”、そんな覚悟で反原発をカミングアウトする芸能人が増えてきた。
●俳優のいしだ壱成さんは、11歳の時に母親と一緒に四国電力本社前で、原発の出力調整実験反対運動に参加した。当初は座り込みだったが、やがて機動隊と衝突。その体験が生々しくブログに書かれている。
・「そのときの機動隊員の方の表情をよく覚えている。冷徹な目だけで、僕を見下ろしている。勿論ニコリともしない。そして微動だにしない。表情一つ変えず。実験そのものも怖かったが、その顔も、怖かった。少なくとも、自分がそれまで関わってきた大人のなかにはそんな表情をする人はいなかった」
・(衝突が始まり)「機動隊員の膝蹴りを喰らった。冷たいアスファルトの地面に顔面から叩きつけられた。顔を上げると、子供になんてことするんだ!!と僕を助けようと手を伸ばして叫んでいる西荻窪で無農薬野菜の八百屋を営む親(一括してそう呼びたいと思う、僕には沢山の親がいると思っている)がいた。一瞬だが、知った顔を見つけて安心した。その矢先、機動隊の警棒が彼に叩きつけられ、彼は苦痛に顔を歪めてその場に倒れ込んだ。あんなに優しい笑顔しか見たことのなかった人間が見知らぬ人間に殴られて、苦痛に顔を歪めている。全部がスローモーションだった」
・「(母親を警棒から助けに行こうとして)今度は自分が警棒で右肩あたりを殴られてまた倒れた。このくそがきが!!と聞こえた。地面に丸くなって防御体制に入っていた僕の横腹を何人かの隊員に蹴られた。息が出来なかった。そうか、僕はくそがきなのか。そんなこと、初めて言われた。安全靴のつま先の鉄板があんなに重くて威力のあるものだとは思わなかった。左頬に鉄の冷たさを感じた。後頭部を厚いブーツの底で踏んずけられた。何人の隊員に踏みつけられただろう」
・「誰も望んでいない負のパワーの連鎖。機動隊員だって、本来であれば、冷静であれば、子供を殴る蹴るなど、したくもない筈だ。負のパワーは人をおかしくさせる」(この文章は大切。機動隊をフォローする一文があるだけで全体の印象が全く違う)
これらのことを、いしだ壱成さんがブログにアップしたのは震災“前”の3/4。その1週間後に大震災が起きた。
俳優の
山本太郎さんもツイッターで発言。
・「反対。って言うと、芸能界で仕事干されるんです、御存知でした? でも言ってやります」
・「原発発言やリツイートはCHECKされ必ず仕事干される、お前がその事に触れられぬ事は皆判ってくれる。二週以上前から母は僕に釘をさし続けた。日雇い労働役者稼業明日から干されてどう生きてく? だからって黙ってテロ国家日本の片棒担げぬ。親不孝許せ、日曜高円寺行くのも許してチョ」
・「非国民、日本から出て行けなど熱い呟きありがとう。僕に何か言いたい方は是非日曜に高円寺へ。御話聞きますよ、募金するとこ見せて貰ってからね♪そして都知事選必ず投票してからお越し下さい。棄権、白票はやめてね。おやすみなさい」
・「初デモ。何があるかわからぬ為、一緒に参加すると言う母を説き伏せ1人高円寺へ。すでに行進は始まっており目の前の列に入り込み楽団や仮装の人達に交じり声をあげる。心配した緊張感は全くない。一緒に歩いた方々も他の歩行者に気を使う優しさの大パレード。次回は母も連れてってあげよ」
この“日曜”“高円寺”が関西人の僕には何のことか分からなかったんだけど、4/10(日曜)に杉並区の若者文化発信の街・高円寺で催された『4.10 原発やめろデモ』に山本さんは参加したようだ。この企画には1万5千人が集まったという。
 4月14日…タイ在住の読者の方から、ウクライナ出身の歌姫ナターシャ・グジーさんが、チェルノブイリ原発からわずか数キロの家で育った話(父が原発労働者)をし、『千と千尋の神隠し』のテーマ曲「いつも何度でも」を歌っている動画(9分57秒)を紹介して頂いた。この歌、とても深い歌詞だったんですね。素晴らしく透明感のある歌声!
//東京電力はマスコミの巨大スポンサーであるため、芸能界には反原発をカミングアウトすると仕事を干される慣例がある。先日、斉藤和義さんが反原発ソング『ずっとウソだった』(冒頭の3分)を発表したことに対し、YouTubeのコメント欄に「騙されていたのにカッコつけるな」「事故が起きてから反原発とかやっても説得力ない」など否定的な言葉を書いてる人がいる。僕にはそれらの批判は“ウソだった”という本質から目をそらせているように見える。忌野清志郎さんやブルーハーツ以外にメジャーで反原発を歌ったミュージシャンが殆どいないことを考えると、斉藤さんの意思表示はとても勇気がある行為だし、義挙と思っている。芸能界は原子力に関しては、覚悟を持たねば“偽善者”になることさえできない業界なのだから。(賛否を伝える記事
//震災から半月前のこと。フジサンケイグループが「地球環境大賞」を東京電力に決定している。今となっては笑えないジョークだ。4月現在、フジサンケイグループが決定を撤回したり、東電が辞退したという続報は入っていない。※追記。2/25の新聞記事なのに、なぜか東日本大震災の話題が出ている。一方、文章に東電の文字がなく、見出しと内容がチグハグ。こりゃ産経は記事を書き換えたか。
//米グーグル社がドイツの太陽光発電所に500万ドル(約4億3000万円)を投資すると発表。グーグルはクリーンエネルギー利用の普及を目指し、今後も同様のプロジェクトに投資を続ける方針とのこと。エジプト革命では民主化勢力に情報提供していたし、さすが先見性のあるグーグル。日本企業にも自然エネルギー研究をもっと支援する動きが欲しい。
//昨年度の世界全体の軍事費が、推計で1兆6300億ドル(約138兆円)となり、前年比1.3%増加。金融危機があってもまだ伸びるのかと脱力するけど、それまでの約10年間は平均5.1%増しだったという。一方、2010年の国連の通常予算額は約25億ドル。1兆6300億ドルと25億ドルの差はあまりにもデカい…。この138兆円を福祉に使えたらどんなに良い世界になるだろう。
 4月13日…「原発がなくても電力は足りている」と一目で分かるグラフ(『週刊金曜日』3/25号より)。『エネルギー・経済統計要覧』から慶応大の教員藤田祐幸氏が作成。これが本当なら、真夏の電力需要ピーク時でさえ、日本の歴史上、一度たりとも火力&水力の発電能力を超えたことがないことに。一方、与謝野経財相は昨日の会見で「日本は原子力に頼るという状況から抜け出すことはできない」「日本人の生活レベルをどんどん落としてもいいなら、江戸時代に戻ることもできる」など、原発がなければ江戸時代の生活になるかのような言い草。唖然。一体どこまで国民を騙せると思っているのか。この期に及んで“推進するしかない”って本気なのか?江戸時代なんか絶対にあり得ない。なぜなら、(1)現在の原発抜きの年間発電量は1990年の総発電量(7300億kw)とほぼ同じ。つまり今原発を停止しても1990年=バブル時代の生活レベルは確保できるということ。この表を見ると、1990年のラインと2008年の“原発抜き”が同等と分かる。(2)しかもこの20年間で家電の省エネ化はどんどん進んでおり、より少ない消費電力でモノが動かせる。/バブルの時、日本人は浮かれて無尽蔵に電気を使いまくってた。あの電力レベルに戻るだけ。どうしても大きな支障が出るというなら、いま半数以上も休眠中の火力発電所をあと3割動かせば良い。与謝野氏は経財相という日本の経済政策を担当する国務大臣。そんな立場にある人が、“江戸時代”など確信犯で国民を脅しているのか、それともマジで電力会社の宣伝を信じ切っているのか。こういう原発に固執している人が日本の中枢に大勢いるせいで次世代・代替エネルギーの研究が遅れている。
//それにしても、昔から火力・水力だけで電力は不足していないのに、いったいどういう経緯で被爆国の日本に原発が建設されるようになったのか?それが知りたくて、1994年に放映されたNHKのドキュメンタリー『原発導入のシナリオ 〜冷戦下の対日原子力戦略』をYouTubeで見た。分かったことは、日本の原発は冷戦のたまものということ。きっかけは1954年に第五福竜丸がアメリカの水爆実験に巻き込まれた事件。船員に死者が出たことから、広島・長崎の記憶が甦った日本国民の間に、大きな反核運動のうねりが巻き起こった。当時の社会党や共産党は反核メッセージを前面に出すことで支持率を伸ばし、「このままでは左翼政権が誕生してしまう」と恐れた日米の政権中枢が、“原子力の平和利用”という切り口、つまり「毒をもって毒を制す」で日本人の核アレルギーを取り除こうとしたんだ。そのキャンペーンの黒幕が実業家の柴田秀利と読売新聞社主の正力松太郎(この人、一昨日の日記にも関東大震災のデマ元で名前が出てたよね…)。2人とも原発の危険性に全く触れていないのは、当時はそこまで情報がなかったから?国内初の原発が東海村で稼働したのは1963年。当時の日本には原子炉を造る技術がないため米国を頼ったけど、その頃の米国には津波・地震に対する備えはなかった。
※NHK『原発導入のシナリオ』(その1 / その2 / その3)。削除される前に、その1=15分だけでも閲覧をお薦めします。NHKは米国まで取材チームを送り真相を追っている。
 4月12日…13日夜にBSプレミアムでオンエアされる『ブラッド・ダイヤモンド』はマジで超オススメ!100点満点のところ1億点(当社比)を叩き出した傑作!“ブラッド・ダイヤモンド(血のダイヤ)”はアフリカの紛争地域で採掘され、武装勢力が武器購入の資金としている密輸ダイヤ。アフリカは栄養失調で倒れる子どもがいる一方で、高価な外国製の武器が溢れかえっている。明らかに異常事態。この映画は、紛争ダイヤだけでなく、貧困、ドラッグ、難民、利権問題、先進国の無関心など、アフリカの様々な問題に触れている。現在、アフリカには6歳〜10歳前後の少年兵が20万人もいる。みんな、武装勢力が村を襲撃した際に誘拐した子ども達。まだ善悪の判断がハッキリとついてないところを、洗脳&ドラッグで感情を奪い去り、実の親でさえ平気で殺せる恐ろしい兵士に育て上げてしまう。この悲惨な事実は時々報道されてはいたけれど、ハリウッド映画で正面から描いたのは初めてだと思う。
/主人公のダイヤ密売人アーチャーを演じるのはレオナルド・ディカプリオ。小悪党のアーチャーが次第に変化していき、クライマックスでは忘れることができない“ある行動”をとる。
/一本の映画を公開したところで、アフリカの悲惨が解決される訳じゃない。西洋諸国は武器取引や資源輸入で莫大な利益が生まれる為に、問題改善への動きが鈍い。だけど、この映画でほんの少しでも、世界が良い方向に向かう可能性は十分にある。それくらい、観た人間には強烈なインパクトを持つ作品。主演がディカプリオで良かった。素晴らしい熱演を見せてくれただけじゃない。著名な彼が出ているからこそ、シリアスな内容でも配給会社に敬遠されることなく、無事に全国でロードショーされた。※DVD(Ama
//ジャッキー・チェンが全財産約260億円を各種慈善団体に寄付すると宣言!自分の息子には一円たりとも残さないという。ジャッキーは息子にこうエールを送る。「今後は苦労を重ね、それを乗り越えてほしい。挫折することが仕事にとっても大きなプラスになる」。子どもに遺産ゼロで全額チャリティー、そんな映画スターは聞いたことがない。ジャッキー凄すぎ。
//統一地方選挙が終わった2日後に、原発事故のレベル7宣言。報道によると3/15〜3/17の時点で既にレベル7状態だったとのこと。まさかとは思うけど、選挙対策で上手く行ってるフリをして、引き上げを遅らせていた訳じゃないだろうね…。
 4月11日…今日で東日本大震災から1ヶ月。相次ぐ大きな余震、もうほんとに勘弁して欲しい。
/それにしても、この1ヶ月の間に、どれほどネット上にデマが流れたことか。「○○を飲めば放射能を防げる」といったような、医学的知識の不足や情報の混乱によるものは、こういう未曾有の天災の中で出てくるのは世の常として、僕が許せないのは、差別感情や悪意から意図的に流された攻撃的なデマこちらのサイトは一連のデマをジャンル別に整理しており、長めだけど全文読破をお薦め。実に分かりやすくまとめられている。震災から10日間ほど、この日記に文章を写すのも抵抗があるような、外国人労働者や在日の方への悪質なデマが何度も流れた。宮城県警はデマ防止の為に、震災後10日間の犯罪発生件数について、前年度同期との比較を公開(PDFファイル)。それによると、重要犯罪は7件→4件と前年よりむしろ減っていた。そして震災の20日後には警察庁が「被災地域で凶悪事件は起きておらず、デマに惑わされないで」と注意喚起を行い、「約30件の悪質なデマの削除を依頼した」という。
/枝野氏や仙石氏に対するデマも多く、嫌いな政党・政治家を叩くためなら、震災でも何でも利用するというのは、理解しがたい感覚だ。中でも、最も酷い中傷を受けていたのが辻元清美議員。彼女は右派勢力に極めて不人気だけど、よくもまあ、これだけ悪意に満ちたデマが流されるもの。最初に紹介した検証サイトでも、「(管理人が)辻元氏のシンパと勘違いされるかもしれないが、単にそういうデマが多く、また事実ではないということである」と、辻元議員の個人名を出すほどに、彼女は様々なデマに晒されている(産経新聞、裏をとろうよ)。最近はグーグルを駆使してそれらのデマ発生源を炙り出すサイトも増えており、姑息な手段は今後も暴かれていくだろう。
※関東大震災の時には「朝鮮人が井戸に毒を入れた」というデマで約250〜6千人が虐殺された(死者数未確定)。ウィキによると、「朝鮮人暴動の噂」を流布させたのは、時の警視庁官房主事で後に読売新聞社主となる正力松太郎。氏は昭和19年に警視庁での講演で、この虚報を「失敗だった」と発言している。
/当局が裁判所の捜査令状なしでネットのプロバイダに特定利用者の通信記録保全を要請できるようにする「ネット規制強化法案(コンピュータ監視法案)」を菅内閣が閣議決定。これが法案化されると、デマ抑制になったとしても、時の政権によって思想調査などに悪用される可能性がある。今後の動向を注視せねば。ただし、リンク先によると震災のドサクサに決めたのではなく、地震前に決定したとのこと。反対するにしろ情報は正確に。
 4月10日…1300年前、天平時代に奈良の大仏を造営する際、宮城県から献上された砂金が使用されたことから、東大寺が銀行から1億円を借りて被災地に寄付することを発表。借り入れしてまで義援金を届けるという話は聞いたことがない。同寺は「千年に一度ともいわれる広範囲な災害であり、借財して義援金を届けることにした。被災地で被害を受けた文化財の修復にも役立てていただければ」とのこと。
//都知事選の結果を見て、これほどまでに世代間で結果が異なることに驚いた。20代、30代の投票先のトップは東国原氏。だが40代以上は石原氏がトップで、年配になるほど石原氏の圧勝となっている。なんというか、石原氏優勢とは聞いていたけど、8時の時報と同時に当確が報道されるとは。もうちょい、年配には石原氏が原発推進派であることに迷って欲しかった。妊婦や育児中の親の恐怖が年配に伝わってないとは思いたくないけど…。震災後に安定を望む心理が、知事の交代で都政に混乱が広がることを不安に感じさせたのかな…。あと、若者はこの件で年配を批判するだけじゃなく、若い世代の不投票の多さも問題にすべきかと。もっとお互いに「選挙に行こう」と声を掛け合わなくちゃ社会は変わらない。都知事選のリベラル派の敗北は、有力な候補者を擁立できなかったことに尽きる。池上彰さんが立候補していればなぁ。
//昨日、敬愛する社会派映画の巨匠シドニー・ルメット監督が他界。享年86歳。『十二人の怒れる男』『未知への飛行』『セルピコ』『オリエント急行殺人事件』『狼たちの午後』『ネットワーク』『評決』『旅立ちの時』等々、硬派作品を撮り続けたルメット監督。冷戦の愚かさ、警察の腐敗、マスコミの狂気、平和運動家の苦悩、司法の矛盾など、様々な問題を取り上げエンターテインメントとして見せた。アカデミー監督賞に4度ノミネート、カンヌ国際映画祭パルム・ドールにも4度ノミネート。受賞に至らなかったのは反骨精神ゆえに保守派の反発を受けたのか(晩年アカデミー名誉賞を贈られた)。ルメット監督の作品を通してアル・パチーノという名優の演技にも心酔。素晴らしい映画芸術を遺して下さり有難うございました!
 4月9日…「電力の30%は原子力。原発ナシで30%も電気が不足したら日本社会が崩壊する」。しきりにこう繰り返す原発推進派の学者たち。一方、“電力は足りている”と主張する学者もいる。京大原子炉実験所の小出裕章氏は「いま、国内の半数の火力発電所は使われていない。稼働中の火力発電所は48%。原発を全部停めて火力に代えても、まだ火力発電所の3割を眠らせておけるほど余裕がある」と訴える。小出氏による解説動画は9分と短くお薦めだ。同氏は原子力の研究者でありながら長年原発不要論を訴える少数派。「私が40年間反対運動を続けているうちに、3基が54基になってしまった。私の歴史は敗北の歴史。だが絶望はしていない。40年前は私の声に耳を傾けてくれる人はほぼ皆無だった」と、こちらの動画(3分38秒)では語っている。
/この10年間、原発関連は酷い話ばかりだ。02年に全国の原発が100件以上のトラブルを隠していたことが発覚し、原発を停止して総点検する事態となった。07年にまたしても全国の原発で約100件のトラブル隠蔽がバレ、さらに新潟県中越沖地震によって柏崎刈羽原発が火災事故を起こし、同原発の真下になんと“断層”があることが判明した。
/なぜこうした状況で、メディアは反原発を積極的には唱えず、多くの学者が推進派なのか。興味深いデータがある。2008年の広告白書によると、東京電力の年間の宣伝広告費は286億1600万円。全国の電力会社10社を足すと、おそらく1千億円以上の莫大な宣伝費が毎年注ぎ込まれている。政府も原発PRのため毎年70億円を投入。セブンイレブンやコカコーラのように、同地域にライバルが多い業界なら宣伝費がかさむことは分かる。だが、各地域に電力会社はひとつしか存在せず競争相手はいない。事実上の独占企業なのに、東電は毎年約300億円も何に使っているのか。「東電から東大大学院へ6億円の寄付」「東電からもらったカネで研究している学者が、東電に不利なことを言えるわけがない」という記事もある。福島原発の事故以来、NHKに登場する関村直人氏、岡本孝司氏、諸葛宗男氏、原子力安全委員会の班目春樹委員長、みんな東大の関係者ばかり。彼らは「安全」しかいわない。冒頭の小出氏は62歳で助手をしており准教授でさえない。原発推進派は小出氏の“身分”を理由に信用できないというが、僕は反原発派ゆえ研究資金もなく出世できないのだと思う。
/電力会社は大きなスポンサーであり、テレビや新聞は原発批判に及び腰。大震災当日、くしくも東電・清水社長はマスコミ幹部を引き連れて海外へ接待旅行中だったという。僕はメディアにヨイショ記事を書かせ、学者を子飼いにするための宣伝費ではとうがってしまう。これが思い過ごしでありますように。
※いろいろ情報を寄せて下さる読者の皆さん、有難うございます。件数が多いため個別にお返事することができないので、この場を借りて御礼申し上げます。僕は、当面は火力発電でしのぎ、早く地熱、風力、潮力などのエコな自然エネルギーへの移行を目指すべきと考えます。
 4月8日…“余震”というにはあまりに大きいM7.4。津波警報も出た。深夜に起きたため、暗闇の中の避難は大変だったと思う。青森、岩手、秋田の全域で約400万戸が停電するなど、ようやく復旧しつつあったライフラインがまたダメージを受けた。
/それにしても、この余震で起きた、複数の原発の電源トラブルが危うすぎる。青森の東通原発では冷却のための外部電力供給が2系統ともストップ。そこで非常用ディーゼル発電機を使ったが、3台あるうち2台は修理中で、残りの1台でかろうじて冷却を続行できた。同県六ケ所村の核燃料再処理工場でも外部電源が途絶え、非常用ディーゼル発電機が作動したものの、外部電源の復旧まで15時間かかった。宮城の女川原発は、外部電源3系統のうち2系統が故障。生き残った1系統で綱渡りの運転をすることに。非常用ディーゼル発電機は2台のうち1台が故障中。
/非常時に故障しては“非常用”の意味が無い。3系統を6系統ぐらいまで倍増できないものか。バックアップ体制がもろすぎる。もうコスト云々の状況ではないだろう。
 4月7日…今回の大震災において、集団で助かった人の話から、印象に残った2つの記事(読売、朝日)を紹介。岩手県宮古市と宮城県東松島市の出来事。どちらもいつリンク切れになるか分からないので以下に要約&一部抜粋。
●『先人の石碑、集落救う』…沿岸部が津波にのみこまれた岩手県宮古市にあって、姉吉地区(12世帯約40人)は全ての家屋が被害を免れた。姉吉地区は1896年の明治、1933年の昭和と2度の三陸大津波に襲われ、生存者がそれぞれ2人と4人という壊滅的な被害を受けた。昭和大津波の直後、住民らが海抜約60メートルの場所に「此処(ここ)より下に家を建てるな」と刻んだ石碑を建立。その後、先人の警告を守り、全ての住民が石碑より高い場所で暮らすようになった。地震当日、港にいた住民たちは大津波警報が発令されると、高台にある家を目指して、曲がりくねった約800メートルの坂道を駆け上がった。巨大な波が濁流となり、漁船もろとも押し寄せてきたが、その勢いは石碑の約50メートル手前で止まった。地区自治会長(65)いわく「幼いころから『石碑の教えを破るな』と言い聞かされてきた。先人の教訓のおかげで集落は生き残った」。坂の上の暮らしは不便だけど、先人の言葉を大切にしたおかげで、地区の全員が家も生命も無事に済んだ。(元記事
●『手作り避難所、70人救った』…宮城県東松島市の佐藤善文さん(77)は「津波なんてここまで来るわけがない」と周囲に言われながら、高さ30メートルの岩山に10年がかりで避難所を造った(退職金をつぎ込み、1人の力で!)。震災では東松島市民の700人以上が命を失ったが、この避難所が約70人の命を救った。佐藤さんは岩山に階段を彫り、登り口に「災害避難所」の看板を設置。お年寄りでも上れるように段差を低くし、手すりも付けた。平らになった頂上には、8畳の小屋とあずま屋、海が見える展望台を建てた。「避難場所は家からすぐの場所になくちゃってね」(佐藤さん)。岩山は住民から「佐藤山」と呼ばれていた。震災当日、佐藤さんが家族と犬を連れて登ると、既に40人ほどがここに避難していた。 「線路の辺りで波に巻き込まれた」という傷だらけの男性など4人も流れ着き、避難した「佐藤山」の人々が棒を差し出して引っ張り上げた。避難者は70人ほどになった。避難した遠山秀一さん(59)は「『ここには大きな津波は来ないよ』と佐藤さんの作業を半ば笑って見ていたけど、先見の明があった」と感謝。一方、周辺では指定避難場所も津波に襲われ、多くの人が犠牲になった。佐藤さんは震災前に「大津波は、建物ではダメ。高台に逃げるのが鉄則」と市に訴えていたが、「佐藤山」は指定されなかった。佐藤さんは「老後の道楽も兼ねて造った避難所で一人でも多く助かってよかった」と喜ぶ一方、「もっと多くの人に『ここに逃げて』と伝えられていれば」と悔しさもにじませた。(元記事
 4月6日…投票日が目前となった都知事選。報道によると石原現知事(78歳)が大きくリードしており、4選はほぼ確実とのこと。大阪人の僕には投票権はないけど一言。石原氏は自他共に認める原発推進派。東京の人はそれでいいのかな…。先日の読売によると、石原氏は「天罰」発言後、福島市に佐藤雄平知事を訪ね、最大限の支援を約束している。それはいい。引っかかるのは会談後のコメント。
(1)「水力、火力では限界もある。原発を欠いては日本経済は成り立たない」と強調し、「依然として原発推進論者だ」と持論を展開。
(2)東日本巨大地震に関連し、「天罰」と発言したことについては、「片言隻句をとらえて批判するのは報道として卑劣だ」としながらも、「福島県民に罪はない。国民全体の罪だ」と釈明。
上記のように、被災地まで出向いて「私は原発推進派」と公言している。(1)については、現在の計画停電は、火力発電所も大きな被害を受けたことも原因なのに、それをスルーして原発必要論を訴えている。何より、人間が住めないような土地ができたり、毎日風向きを気にしながら生きるくらいなら、生活レベルを落としてでも原発のない日々の方が良い(原発の電気は全体の3割)。こちらのブログが分かりやすくまとめている。(2)に関しては、「天罰」発言を謝罪したハズなのに、なぜ批判されたのか分かっていないようだ。デリカシーがなさすぎる。また、都内の選挙演説では「今度の地震は日本人に対する“天の警告”だと思う」とも。どうして地球の地殻運動を日本人罪悪論と絡めて語るのだろう。多くの日本人は額に汗して懸命に生きており、天に罰せられたり警告されるいわれはない。
/ネット上にはこんな書き込みもあった→「東京都の石原慎太郎知事は、新潟県刈羽村の住民投票でプルサーマル計画への反対が過半数となったことについて、 『一部の反体制の人たちがたきつけて、日本をぶっ壊しちゃおうということだろう』と批判した」(毎日新聞、2001年5月29日)。確かに今、日本はぶっ壊されつつある。ただし反原発派によってではなく、原発推進派によって」。選挙結果を注目している。4選したとして、僅差なのか、圧勝なのか。
/先述したブログで不安になるのは静岡の沿岸にある浜岡原発の記述。→『今回の事故を受けて、浜岡原発を運転する中部電力は「12mの塀を新たに設置する」などと発表したけれど、今回は最大で38メートルの津波が襲ったのだ。福島原発にも推定で14mをはるかに超える津波が押し寄せた。7mの砂丘と12mの塀(堤防ではなく「塀」)で、どう防ぐというのか?その中部電力の発表を真に受けて、「浜岡原発は安全だ」という発言を繰り返すのが、静岡選出の自民党・片山さつき議員だ。12mの「塀」で、本当に巨大津波が防げると思っているとしたら、この人の頭のネジは確実に外れている。これが政治家だ』。片山議員は先日の朝ナマでも必死に原発を擁護していた。/浜岡原発は福島第一原発と“同型”で、しかも巨大断層の中心地(予想震源地)の真上に建つ。この断層は100年〜150年ごとに大地震を繰り返していて、既に前回の1854年から154年が経過している。地震学者は30年以内にマグニチュード8以上の地震が起きる可能性が80%以上と警告しており、浜岡原発についてすべての国会議員がもっと危機意識を持って欲しい。
4月5日…「すぐ家に戻れる」、そう言われて、原発近隣の町では飼い犬を家に残してきた人も少なくないという。ネットでは今もまだ10km圏内の浪江町に住む人がゴーストタウン化した町の様子を伝えており、犬の話も出ていた(リンク※4/1の投稿で当初は嘘と思われていたが本当だった)。また、それを読んだ動物好きの人が、ドッグフードを仙台から運び込んだという(野良牛に驚いた)。/それらのレポート写真は、公園もショッピングセンターも、どこにも人は写っておらず、画面からは異様な静けさだけが伝わってくる。退避後の町で、車影がないのに信号が点いてるのが、非現実感をさらに強くする。3.11までは人々が散歩し、自転車に乗っていた町。この日本でこんな光景を見ることになるなんて。
//今日の報道では、放射性物質の被害が、とうとう田畑だけでなく海にも及んでしまい、茨城県の旬魚コウナゴが出荷停止になってしまった。これを受けて、茨城ではすべての漁が中止になる大被害になっており、漁師の方は厳しい局面に立たされている。先日、福島のキャベツ農家で痛ましいことがあったけど、こうした悲劇を防ぐために、農家や漁師への精神面のフォローを加速させないと。
 4月4日…NHKのBSプレミアムで、山田洋次監督が選ぶ傑作邦画100本(家族映画50本、喜劇50本)を順次オンエアし始めたんだけど、初回の『東京物語』はこの企画のために大規模なデジタル・リマスターが行われていた。古い白黒フイルムからゴミ・傷が取り除かれ、たまげるほど美しい画面に!これまで痛んだフイルムでしか見たことなかったので、あの美麗画面は衝撃的だった。5日夜の『二十四の瞳』も、予告を見ると新作のような映像で甦っている。デジタル技術者の気の遠くなるような地道な作業のたまものだ。永久保存決定!
//「我々は原子力が専門ではないが、放射線量測定ではプロだ」と、全国の研究者がチームを組んで福島県民に放射線量測定を実施。結果は、“これまでに5000人以上を測定したが、健康被害の例はなかった”。政府や東電の関係者ではなく、利害関係のない民間の研究者の報告というのが心強い
 4月3日…1993年の北海道南西沖地震(M7.8)で発生した大津波によって、親類の方を奥尻島で亡くされたサイト読者の方が、現在の奥尻島の町並みや人々の暮らしをブログで紹介されています。そこに書かれた「町だけでなく、人の心も復興する」という言葉に希望を感じました。
//ソフトバンクの孫正義社長が、個人名義で“100億円”を義援金として寄付!ゼロの数が誤植じゃないかと、思わず複数のニュースサイトをチェックしたけど、確かに100億円で間違いないようだ。記事によると、さらに社長(役員)を引退するまでの給料もすべて寄付するとのこと。資産家とはいえ、他にこんな人はいない。すごい。/芸能界ではSMAPがメンバー合計で4億円以上を寄付し、そのうち中居正広さんが2億円を送ったという。さすが国民的アイドルグループ。/ゴルファーの石川遼君は今季の賞金を全額寄付すると宣言。目標は2億で、バーディーをひとつ取るごとに10万円を加算していくという。成績と金額を連動させた理由は、いわく「(復興は)長い時間がかかると思う。皆さんと一緒に戦っていく形にしたかった」。まだ19歳なのに!
 4月2日…本日4/2は故・忌野清志郎さんの誕生日。1951年生まれなので、存命ならちょうど60歳になる。/清志郎さんは反骨のミュージシャンとして知られたけど、中でも僕が一番よく覚えているのは、反原発ソングが入ったニュー・アルバムを、東芝EMIが“問題アリ”として発売中止にしたことだ。清志郎さんは東芝EMIに激怒し、アルバムはキティレコードから発売された。今思えば福島第一原発の設計に東芝は関わっており(3号機・5号機)、同じ東芝グループとして反原発ソングは容認できなかったのかも。2年前に他界した清志郎さん。巨大事故となった現状を見ていたら何と言っただろう。/YouTubeには問題となった『サマータイム・ブルース』がアップされてたので、歌詞も載せておきます。
●RCサクセション『サマータイム・ブルース』(評価欄がこれほど大差で“高評価”が圧倒しているのも珍しい。動画後半の『ラブ・ミー・テンダー』も反核ソング)
♪暑い夏がそこまで来てる みんなが海へくり出していく
人気のない所で泳いだら 原子力発電所が建っていた
さっぱりわかんねえ、何のため?
狭い日本のサマータイム・ブルース

熱い炎が先っちょまで出てる 東海地震もそこまで来てる
だけどもまだまだ増えていく 原子力発電所が建っていく
さっぱりわかんねえ、誰のため?
狭い日本のサマータイム・ブルース

寒い冬がそこまで来てる あんたもこのごろ抜け毛が多い
それでもテレビは言っている 「日本の原発は安全です」
さっぱりわかんねえ、根拠がねえ
これが最後のサマータイム・ブルース

あくせく稼いで税金取られ たまのバカンス田舎へ行けば
37個も建っている 原子力発電所がまだ増える
知らねえ内に漏れていた
あきれたもんだなサマータイム・ブルース
(※37基は1988年当時。今は54基)

//チェルノブイリの放射能汚染除去作業の責任者が、「フクシマの状況はなぜ悪化しているのか」という質問に、「東電の情報が不正確で不足しているからだ。(企業というものは)会社の利益を優先して行動するので作業から外す必要がある。幅広い知識を持つ経験豊富な技術者を日本中から集めて特別チームを編成し、作業に当たらせるべきだ」とのこと(リンク)。
//気仙沼沖合に流された家屋や材木の上にいたワンコが3週間ぶりに救出された!こういうことがあると、引き波でさらわれた家屋にまだ生存者がいるかもって希望が持てる。
 4月1日…教育テレビの幼児向け番組を子どもと一緒に見ていると、良質なものが多く、大人の方が感動してしまうことがある。中でも平日7時46分からオンエアされている『みいつけた!』(公式WEB)は、挿入歌の歌詞を宮藤官九郎(脚本家)、谷川俊太郎(詩人)、トータス松本(ミュージシャン)、サバンナ高橋(漫才師)が書いているなど激ハマリ。毎日欠かさず録画している。まだ言葉も話せない1歳5ヶ月の子が、番組が始まるとキャッキャと拍手して喜んでいることに驚かされる。キャラの親しみやすさ、セットの色彩など、いろんな要素が重なって幼児の支持を得ているんだろう。イスのコッシー、チョコン、クルットさん、愛すべき仲間がいっぱい。
/同番組のお気に入りの楽曲から2曲紹介。
(1)エンディング曲『みいつけた!』(1分44秒)…人生の応援ソング。歌詞→「
まん丸い?細長い?どれくらいでこぼこざらざら/匂いはどう?突いてみ?面白い 朝から晩まで/さあ、探そう/登ったり掘ったり 滑って転んでどこまでも/愛のたまご たまご 温めよう/きみのたまご 何が出る?/割れたり枯れたり いろいろあるけど/気にしない気にしない すぐまた見つかる 必ず見つかる いくらでも!/愛のたまご たまご 温めよう/君のたまご何が出る?さあ、探そう」。何回聴いても飽きないし、サビの“いくらでも〜!”でジーンとくるんだよなぁ。映像自体も観客が全員“たまご”というのが面白い。
(2)NHK史上、過去最高の着うたダウンロード回数をたたき出した楽曲『ぼくコッシー』(2分、YouTubeがなくニコ動より。歌詞の邪魔になるのでコメント非表示推奨)。歌詞は言葉遊び全開で、実にユニーク&シュール。ノリノリのメロディーに中毒性があり、聴いてるだけでハイテンションになる!「座ってよう!」「オッケー!」のとこ、一緒に「オッケー!」って叫んでしまう。
//台湾の震災義援金がついに100億円を突破!記事には“実際の金額はさらに多いとみられる”とあり、ケタ違いの大支援に胸が熱くなる。
//ケタ外れの支援と言えば、歌手の杉良太郎さんも圧巻。記事によると、「支援車両12台(20トントラック2台、タンクローリー車1台、冷蔵・冷凍車2台、車7台)に水2トン、男女下着類4000枚、歯みがきセット1万セット、入れ歯洗浄剤500個、クレベリン業務用セット2000セット、だるまストーブ21台、石油ストーブ8台、灯油・ガソリンなど、大量の救援物資を搭載する。現地では、カレーライス5000食、豚汁5000食、野菜サラダ3000食を被災者に提供予定」とのこと。個人でここまでやってしまうとは!(☆o☆)
 3月31日…未曾有の大災害に直面するなか、人生経験が豊富な年配の中で“この人の意見が聞きたい”と思う人が何人かいる。宮崎駿監督は間違いなくその1人。宮崎監督いわく“絶望する必要はない”。以下、朝日の記事とコチラのサイトから引用→
・「残念なことに、(今の)私たちの文明はこの試練に耐えられない。これからどんな文明を作っていくのか、模索を始めなければならない。(一方)私たちの列島は繰り返し地震津波台風に襲われてきた島だが、それでも美しい自然に恵まれてきた。自然現象の中でこの国を創ってきたわけだから、そのこと事態で絶望する必要はない」
・「風評被害もひどい。乳児については配慮しなければなりませんが、自分と同じ歳のような人が買い占めに走るなんて嘆かわしい。もってのほかだと思います」
・「ただ、今僕は文明論を語るより、死者を悼むことをしたいと思っている」
--日本は自然災害も多いけど、自然からの恩恵も多い。火山があるからこそ地熱エネルギーを利用できるし、周囲が海で津波が心配だけど、その分、四方に豊かな海洋資源を持っている。大昔から僕らの祖先はこの環境に適応し、自然を利用してきた。ここが踏ん張りどころ。
//スキューバ・ダイビングの道具を身につけ、妻と母親を救った宮城県の男性の話が海外で紹介されている。水没した家の空気だまりに妻がいたという。こんな人がいたんだ!
 3月30日…昨日の日記で触れた、ビートたけしさんが言及している「想像力の欠如」について。先日東京の知人が仕事で関西に来た時に、“モノはあるし平和で別世界のようだ”と語っていた。いま被災者以外の国民、その中の一部に非現実感があるとすれば、報道が“死”をお茶の間に流さないことも大きな理由のひとつだと思う。もちろん、それは故人や遺族への配慮であり、間違ってはいない。一方、その結果として、あの津波の悲劇を考える時、「家や工場が流されたり、船が横倒しになった」という、“物的被害”の恐ろしい映像ばかり脳裏をよぎり、真の悲劇である海中に沈んだ数万人の命がどこかで切り離されている気がする。
/僕の例をあげると、津波の映像で自然の脅威は十分過ぎるほど分かったけれど、海外の報道(ニューヨーク・タイムズ)で亡くなった方を見るまでは、テレビに映し出される津波映像と、個々人の死が明確に繋がっていなかった。犠牲者が数人であれば、それぞれの人生を想像し、自分の身に置き換えて考えることも可能だったけど、震災の夜、宮城県警が若林区の海岸で200〜300人の遺体を確認したという第一報が流れた時に、脳の防御本能が働き“死”を正面から受け止めることを避けるようになった(脳が想像に耐えきれないと判断した)。その後しばらくは、海岸に約千人の亡骸が打ち上げられているなど続報が入る度に、“命”ではなく“数字”と向き合っている感覚に陥っていた…。
/そんな僕に悲劇を現実として受け止めるよう目を開かせたのが、先述したニューヨーク・タイムズの写真だ。そこには、日本のメディアが流さない、被災地の真の姿があった。火葬が追いつかなくて棺のまま埋葬される人々、放射能汚染の測定、遺体安置所の様子…。僕は悩んだ。日記からリンクを貼るべきか否か。そのサイトは過去(震災当日)に向かって逆の時系列で写真がアップされており、さかのぼっていけば亡くなった人が写ったものも数枚ある(世界有数の新聞社のサイトであり、故人は後ろ姿であったり、遠景であるなど一定の配慮はされている。少なくともショッキングさを売りにしているものではない)。
/カメラのファインダーから僕が感じたのは被災地を覆い尽くす“痛み”。悲しみを超えた感情。実際に被災したわけでもないのに、「現地の痛みが分かった」などと言うつもりはない。でも、個々の写真から身を裂くような痛みは伝わってきた。
/阪神大震災のとき、被災者にはメディアに「撮らないで欲しい」という人と、「撮って世界に現実を伝えて欲しい」という人がいた。僕はどちらの声を尊重すべきか。結論はすぐに出ない。しかし、新聞社の写真ページは時間が経てば削除される。考えた結果、いつ「該当ページはありません」になるか分からないので、僕はクリックするかどうかは読者の皆さんの判断にお任せし、リンクを貼ることにした。各々の死生観の問題でもあり、僕は積極的に「見て下さい」とは言わない。でも個人的には国内メディアが伝えなかった現実を、一部とはいえ知ることができたし、見る意味があったと思ってる。また、各画像の下には状況が英文で説明されており、大半の画像に被災者の名前がある。それらは了承を得て撮影されているようだ。※ニューヨーク・タイムズの画像は本日時点で約250枚以上。枚数が多いので、個人的に深く胸を打たれた写真10枚に個別リンクします。ここにあげた写真は亡くなった方の顔は写っていません。

)雪の中で合掌する自衛隊員()オムツを外して被曝検査を受ける子()5人が亡くなった幼稚園バスの前で手を合わせる()息子の棺()雪、母の死()冷たい水の中を等間隔で捜索する自衛隊()車内にいた娘を撫でる母()兄弟が見つかり運ばれてくる()オムツを履いた亡骸(後ろ姿)を見て泣きそうな自衛隊員。市販の紙オムツはお尻に青いテープがあり、これでオムツと分かった。この子は絶命するとき、どんなに怖かったろう…。この画像は特に痛ましく、我が子とも重なり、毎日何度も思い出してしまう。あまりに理不尽な死であり受け止められない(10)南三陸町、日没。

過酷な現場で懸命に人助けをされている、自衛隊、レスキュー、消防、警察の皆さんに、心からの敬意と感謝を。
//一目で分かる輪番停電のスケジュール@エヴァンゲリオン風。日付部分を下にスクロールすれば状況が分かります。
 3月29日…震災の犠牲者が行方不明者を入れて約3万人になるなか、失われた一人一人の命が、“3万”という途方もない数字の中に飲み込まれていくことが怖い。平時の死も、大震災の死も、生命の重さには変わりはないのに。/僕自身、葛藤しながらサイトの更新を続けている。「普通の生活を続けることが復興に繋がる」「過度な自粛で経済を萎縮させてはいけない」、そんな声の中でオススメ番組情報をアップしてはいるものの、本音をいうと娯楽番組を楽しめる精神状態じゃない。でも、イベント関連会社の複数の知人から、「4月の公演が全部中止になって大赤字、資金繰りがつかない」「5月もだめになった」「倒産するかも」という話を聞き、娯楽産業も間接的に被災していると思った(農家だけじゃなく)。だから、支援するつもりでバラエティーも掲載している。
/ここに書いたような悩みについて、ビートたけしさんが週刊ポスト「21世紀毒談」で触れていたので以下に抜粋。→
『しっかりメシが食えて、安らかに眠れる場所があって、人間は初めて心から笑えるんだ。悲しいけど、目の前に死がチラついてる時には、芸術や演芸なんてのはどうだっていいんだよ。オイラたち芸人にできることがあるとすれば、震災が落ち着いてからだね。悲しみを乗り越えてこれから立ち上がろうって時に、「笑い」が役に立つかもしれない。早く、そんな日がくればいいね。常々オイラは考えてるんだけど、こういう大変な時に一番大事なのは「想像力」じゃないかって思う。今回の震災の死者は1万人、もしかしたら2万人を超えてしまうかもしれない。テレビや新聞でも、見出しになるのは死者と行方不明者の数ばっかりだ。だけど、この震災を「2万人が死んだ一つの事件」と考えると、被害者のことをまったく理解できないんだよ。じゃあ、8万人以上が死んだ中国の四川大地震と比べたらマシだったのか、そんな風に数字でしか考えられなくなっちまう。それは死者への冒涜だよ。人の命は、2万分の1でも8万分の1でもない。そうじゃなくて、そこには「1人が死んだ事件が2万件あった」ってことなんだよ』。
 3月28日…めっさ感動。U2、マドンナ、レディー・ガガ、ボブ・ディラン、エルトン・ジョンなど著名アーティストが協力した、被災者支援の洋楽チャリティ・アルバム『SONGS FOR JAPAN』が世界各国で売り上げ第1位に!このアルバムのジャケットは“日の丸”。アップルのサイトで世界のヒットチャートが分かるんだけど、第1位のジャケットが表示されることから、画面の上から下まで日の丸で溢れている。このアルバムは収益の一部が寄付されるのではなく、“全額”が寄付される120%のチャリティー。曲目ラインナップによると一曲目はイマジン。後半にはクイーンが日本語で歌った『手を取り合って』も入っている。昨日の台湾のチャリティーといい、日本はこんなに応援してもらえる国だったんだね。
/『SONGS FOR JAPAN』の収益は日本赤十字社に寄付されマス。リンク先の中段左に義援金ページあり。
 3月27日…先日、台湾のチャリティー番組で日本への義援金が21億円集まったことを紹介したけど、番組終了後も寄付が続き、なんと官民あわせて約64億円も集まったという!台湾を訪れると日本人への好意を感じるけれど、まさかここまでとは!
//モンゴル政府は義援金100万ドル(約8100万円)を送ってくれたけど、さらに同政府は全公務員に一日分の給料の募金を呼びかけ、1億2500万円以上が集まった。理由は「日本はモンゴルが市場経済に移行した1990年代、政府開発援助(ODA)で一番支援してくれた。国民みんなが感謝している」とのこと。嬉しいですね。
//次々と韓流スターの高額寄付が続くなか、「JYJ」(元・東方神起)の3人ジェジュン、ユチョン、ジュンスも計約4500万円を寄付。日本のファンへの恩返しとのこと、その志が本当に有難い。彼らは6月に横浜アリーナで復興支援ライブも開催しようとしている。ところがエイベックスは3人が東方神起から出て行ったことへの制裁として、この企画を潰しにかかっているという。これが本当ならエイベックスはあまりに器の小さな会社。今そんな負の感情で動いている時じゃないだろう!/戦略であろうと何であろうと、この間の韓流スターの軒並み1千万以上という多額の寄付には、日本人の1人として深く感謝せずにはいられない。よくぞ異国のためにここまで。
//茶の湯&茶器を心から愛した戦国武将、古田織部。彼を主人公に来月7日からNHK・BSでオンエアされるアニメ版『へうげもの』予告が出た。NHKアニメだけあって、まっことハイクオリティ。
 3月26日…日本の厚労省は鬼か?各都道府県が震災避難民の受け入れを表明して、救済に全力をあげているなか、厚労省は「被災者が避難して生活保護を申請した場合、避難先の都道府県や市町村が保護費を支給し、費用も負担するように」と通知。各都道府県が市民ホールや仮設住宅を開放して応援しようと奮闘しているのに、人々の善意に水を差す、あまりに無情な措置。この非常時にあって、なぜ各自治体が二の足を踏むような通知をわざわざ出すのか…。
//「幼い亡骸を目にすると、わが子とダブってたまらない」「わが身は顧みず、何ごとも被災者第一」。あまり報道されていない、復興現場の自衛隊員の心の声。被災者を支えるため、こんなにも頑張っている。※記事後半の「全文を表示する」のクリックを忘れずに。
//先に開幕延期を決めたパ・リーグと同様、延期の方針となったセ・リーグ。延期を求めて阪神・金本知憲選手が言ったコメントが心に残った。「今、被災者のことを思うと、野球開催どころじゃないというのが正直な気持ち。勇気を与えるというのは、もう少し落ち着いて、食事ものどを通り、電気も通って、ある程度生活が確保されてから『さあ、がんばろう』という気持ちになると思う」。過度な自粛は復興にマイナスだけど、金本選手の言葉は胸にストンと落ちた。
//3月19日の満月って、過去18年間で最も大きな満月=スーパームーンだったのか。こういう天文情報とか、震災前はもっと積極的に調べていたんだけどな…。
 3月25日…グハーッ、目を離した隙に子どもにパソコンの電源を切られ、15時間かけていた仕事が宇宙の彼方へ…ゼロからやり直し…。嗚呼、不覚!/そういうわけで夜中も『朝まで生テレビ』をつけながら作業をしていたんだけど、原発問題についてどんな踏み込んだ議論をするのかと思ったら、パネリストの面々を見て目が点に。いつもの朝ナマならテーマについて賛成・反対両方のゲストを集めるのに、今回に限っては原発推進派ばかりで著名な反原発運動家が1人もいない。そして「原発は安全、これからも必要」の大合唱。結論は「日本もWHOも放射能にビビリすぎ。水道水も野菜も元々の規制値が厳しすぎる。パニックを防ぐ為に上限をもっと引き上げるべき」、そんな感じだった。僕だって安心したいから、不安なことを言われるより、擁護派の楽観論を信じたい。だからこそ、意見に説得力を持たせる為に、反対意見を論破して持論を証明して欲しかった。ホリエモンや勝間女史を呼ぶよりも、現場の技術者=福島第一原発を設計し、「会社は安全よりコスト優先だった」と内部告発をしている田中三彦さんや原子炉格納容器の耐性研究者・後藤政志さん(元東芝)を呼んで欲しかった。東電の守護神・松本准教授(東工大)と脱原発派の広瀬隆さんや田中優さんのガチ討論を聞きたかったな。/福島原発事故の報道で、当初から学者が「格納容器内から絶対に外へ出ないから安心して下さい」と解説していた核燃料棒のジルコニウムが流れ出しているんだけど…。事態は収束に向かっていると信じているけど、これはちょっと心配。/土木学会が「“想定外”を言い訳に使うな」と声明。“本当に「想定外」だったのか、「想定したくなかった」のではないか”という指摘に同感。
//重い話題ばかりだと暗くなるので、最近見つけたユニークな動画を2本。
(1)マリオの目線から見た“スーパーマリオブラザーズ”(1分28秒)。冒頭のゲームコースが近づくカットもプレイ画面もド迫力。高所恐怖症になりそう。ありそうでなかった動画。
(2)台湾のケータイ電話会社の“ゆるキャラ”が、中に人間が入ってるとは思えない超絶ロボット・ダンス(2分25秒)。なんという運動量。こんな動きが人間に可能なのか!?
 3月24日…乳幼児を育てている方、読売が水道水についてのQ&Aをまとめてます。僕は母乳のことを心配していたのですが、「母乳に含まれる放射性ヨウ素は、母親が飲んだ水に含まれる量より少なく、乳児への影響は約3分の1に減る。厚労省では、授乳中でも大人の指標以下の水なら問題ないとしている」とのこと。ちょっと安心。/首都圏で水道水の注意喚起が出た時に、「粉ミルクには水道じゃなくミネラルウォーターを使うように」「ただし硬水はダメ」とあったけど、報道によっては後者の“硬水はダメ”を伝えなかったものだから、コントレックス(ウィキペディア)のように“超”硬水のミネラルウォーターまでネットでは完売になっている。赤ちゃんの腎臓は未発達ゆえミネラルが多すぎると負担になってしまう。明治乳業は「(粉ミルクを)ミネラルウォーターで調乳する場合には、表示されているミネラル量の数値を比較して、是非"ミネラルの多くない"ごく"自然の水"を選んで下さい」と告知している。市販されている有名商品の硬度は以下の通り。数値が低いほど優しい軟水。
・南アルプスの天然水 30  ・日田天領水 32
・安曇野の銘水 46      ・ヴォルビック 50
・六甲のおいしい水 84    ・クリスタルカイザー 93
・龍泉洞の水 97        ・エビアン 297
・ヴィッテル 300        ・コントレックス 1550(!)
//“「頑張れ」という言葉が辛い”という被災者の声を紹介した記事を読み、作家の藤本義一氏が阪神大震災を報道するメディアに言っていた「“がんばれ”は自分に言う言葉ではあっても、他人に言う言葉ではない」を改めて思い出した。
//アサド大統領父子が40年以上も独裁しているシリアで、デモ弾圧により100人以上が死亡したと報道。政権側は“背景にイスラエル云々”とか言ってるけど、あろうことか市民が籠城しているモスクに向けて治安部隊が発砲しており、これは大問題になっていくだろう。デモ隊は2万人に膨らんでおり、明日はさらなる大規模デモが計画されているとのこと。
//往年の大女優エリザベス・テイラー逝く。享年79歳。
//集英社は震災の影響で週刊少年ジャンプの発売延期を発表する一方で、様々な事情で読めない読者の為にも、先週号の全ページを無料で公開している。一部公開というのはよく聞くけど、全ページというのはスゴイ。なんたる英断!
 3月23日…関東で水道水からヨウ素が検出されていることについて、時事通信社の記事『注意は必要だが、大騒ぎする必要はない』が分かりやすかったので紹介(要約)。→
●都内で検出した放射性ヨウ素は1キロ当たり210ベクレル。国の暫定規制値同300ベクレルには及ばないが、乳児向けの同100ベクレルは上回った。「飲んでも被害はまずない。大騒ぎは不要」と強調するのは藤田保健衛生大の横山須美准教授(放射線学)。原爆被爆者の統計などから、放射線で明確な健康障害が出るのは100ミリシーベルト以上の放射線を一気か累積で浴びたときとされる。国の規制値300ベクレルの水を1リットル摂取時の被ばく量は約0.0066ミリシーベルト相当。100ミリシーベルトに達するには約1万5千リットル飲むことになる計算だ。横山准教授は「1日2リットルでも年間で問題量の20分の1。まず問題ないレベルだ」と話す。甲状腺にたまり、甲状腺がんを引き起こすとされる放射性ヨウ素は、子供の方が大人の3倍以上リスクが高いというが、同准教授は「そもそも規制値は安全に相当余裕を持たせた数値。今後の汚染具合には注意すべきだが、子供も授乳する母親もまだ神経質になるほどではない」と話す。近畿大学原子力研究所の杉浦紳之教授は今回計測した数値について「降雨で一時的に濃度が高まったのではないか」と推測。同教授も「いずれにせよ、規制値は1年間摂取し続けた場合でも、対策の検討を始めるべきだという段階の値。すぐに健康被害が出る量ではない」と指摘する。乳児の入浴についても、飲まない限り全く問題はないとした。煮沸は無意味で、ろ過は一定の効果があるかもしれないが「むしろ気にしないのが一番」と話した。(リンク)/その他、“毎日jp”もQ&Aを掲載している。/ニュース映像に映し出される、収穫されずに捨てられるほうれん草、ゴミとして捨てられる絞りたてのミルク。福島県はもちろんのこと、茨城県は日本有数の農産地。生産者の心が折れないよう早急なフォローが非常に大切だ。
/
/自衛隊は本当に頑張っている。23日現在で人員約10万6100人(隊員約22万9千人の半数)、航空機543機、艦船50隻が展開中。
//一目で分かる輪番停電のスケジュール@エヴァンゲリオン風。日付部分を下にスクロールすれば状況が分かります。

 3月22日…今回はしばらく書かなかった中東革命の続報。
//リビアでは当初「反独裁、反カダフィ」を掲げた民主化勢力が優勢だったけれど、首都トリポリに迫ったところでカダフィ軍(政府軍)が空軍をフルに使った大反撃を開始。航空機を持たない反政府軍は、圧倒的な火力の前に敗走を重ねた。アラブ連盟はカダフィを見捨て国連に救済を要請。「内政干渉になる」としてリビア介入に慎重だった安保理は、アラブ連盟の“お墨付き”を得たことで軍事制裁に傾き始める。その後もカダフィ軍は連戦連勝、とうとう民主派勢力の本拠地ベンガジ市の手前まで進撃した。カダフィ側はベンガジ市民に対して「武器を捨てれば見逃すが、抵抗するなら48時間以内に“すべて終わらせる”」と最後通告を敢行。民主化勢力(臨時政府)は世界に向けてSOSを発信した。ベンガジ市が陥落すれば、カダフィによる大虐殺・大粛清が待っており、事態は待ったなしの状況に。最終的に安保理は軍事力の行使を認めた。カダフィは中国とロシアが安保理決議に反対すると見込んでいたのに、両国が棄権して可決されたことに驚いたのか停戦を表明。“本気で停戦する気なのか?”と各国が見守っていると、相変わらずカダフィ軍は戦闘を続けており時間稼ぎのパフォーマンスと判明。「もはや放置できぬ」と19日に米英仏軍を中心とする多国籍軍が対リビア軍事作戦「オデッセイの夜明け」を開始した。多国籍軍にはベルギー、オランダ、デンマーク、カナダ、カタールも参加を表明し、カダフィ軍の航空戦力を沈黙させるため、巡航ミサイル124発の猛爆撃が行われた。ベンガジの民主化勢力は危機一髪で命を救われ歓喜。/ここまでが開戦までの流れ。その後、この多国籍軍の空爆がカダフィ邸にまで及んでいることから、「反体制派の人命保護が目的のハズなのに、いつの間にか政権打倒に目的が変わっている」と怒ったアラブ連盟が抗議。ロシアと中国も「多国籍軍はやりすぎ」と非難した。一方、カダフィは邸宅前に市民を集めて“人間の盾”にし、反政府軍は攻撃できず膠着状態に。/僕の感想。傭兵を雇って外国人に自国の市民を虐殺させているカダフィ政権は早急に倒されるべき。でも、それはリビア市民の手で成し遂げないと内政干渉になるだけでなく、リビアの石油目当ての介入として“しこり”を残すことになる(リビアはアフリカ最大の産油国)。こうした懸念を踏まえた上で、この限定空爆はやはり大きな価値があったと思う。理由は2つ。(1)マジでベンガジ市民の命がヤバかった。しかもベンガジ後にはリビア全土でカダフィによる処刑の嵐が吹き荒れるところだった。(2)現在、中東革命はバーレーンイエメンシリアに飛び火しかけており、それらの国ではデモ隊に実弾を撃ち込み市民を殺害している。今回のリビア空爆は、「民主化運動をしている市民を虐殺すると空爆するよ」という国際社会のキョーレツなメッセージになるし、弾圧されている民主化勢力は「もしもの時は国連が助けてくれる」と、めちゃくちゃ励みになったと思う。/今回の国連介入にはルワンダの教訓が背景にあったと潘基文(パン・ギムン)事務総長は言う。1994年、アフリカのルワンダではわずか3ヶ月で約100万人が虐殺される悲劇が起きた。その後、国際社会は『市民を保護する責任』を自覚するようになった。市民の保護行為は不当な内政干渉にはあたらないという共通認識であり、危険にさらされた人間を国際社会は守る責任があるという価値観だ。
 3月21日…少しでも明るい話題を。米国エネルギー長官いわく「福島原発は制御された状態にある」。ロシアの国策原子力統合企業総裁いわく「(状況は既に安定し)悲観的なシナリオは全くない」「放射性物質は基本的に太平洋方面に流れ、今後水素爆発があっても、これまで以上に放射性物質が大気中に放出されることはない」。(リンク)/英国政府の状況分析「1つの原子炉がメルトダウンしても、被害が出るのは30キロ圏内。2つ以上の原子炉がメルトダウンしても、被害はあまり変わらない。現在の20キロ圏内の避難勧告は、妥当な判断」「チェルノブイリの時は、原子炉がメルトダウンし、ケースが爆破し、何週間も炎上していた。チェルノブイリの時でさえ、30マイル(50キロ)離れていれば、健康を守るのに十分だった」(リンク)。
//義援金が国内外から集まっているなか、台湾のチャリティー番組で生放送中に21億円(!)というケタ違いの金額が寄せられたとのこと。台湾の人々の温かいエールに感謝!
/義援金は金額ではなく募金しようという心が大事なのは当然として、やはり驚くほど高額の寄付には敬服してしまう。しかも、それが外国人であった場合はなおさら。企業・経営者以外で、最も多額の義援金を寄せたのは久米宏さんで2億円。久米さんは“大袈裟にしたくない”とコメントなし。次がイチロー選手の1億円、女優のサンドラ・ブロックさんとクリント・イーストウッド監督が各100万ドル(8千万円)、ペ・ヨンジュンさんが7300万円(ヨン様は中越地震でも3千万円)。松井秀喜選手、ダルビッシュ選手、イ・ビョンホンさん、安室奈美恵さんが5千万円。それぞれ名前に貼ったリンクからコメントなどに行けます。上記の5千万円以上の寄付をした9名は、金額もさることながら、震災から10日以内に寄付を決めているのも素晴らしいと思う(周囲を見て判断とかじゃなく)。ちなみに、一番早かったのがペ・ヨンジュンさん、2番目がイ・ビョンホンさん。その他、外国人ではウォンビンさん、チェ・ジウさん、ソン・スンホンさん、リュ・シウォンさんなど韓流スターが個々に1500万円ずつ寄付している。それを考えると、同じ日本人の有名俳優や大物芸能人からの支援が少ないのは、善意を強要する気はないけど、やはりちょっと寂しさを感じる…。でも、日本人には募金を公にしないという美学があるから、本当はもっと多いかも。ちなみに、グループではAKB48が5億円、韓国のKARAが新アルバムの収益金を全額寄付を表明。/最初に書いたように、寄付を多い少ないで判断するつもりはないけれど、裕福な人の誰もが多額の義援金を寄せている訳ではないことから、僕としてはここに9人の名前をあげて記録し後世に伝えたい。※財界個人はユニクロ・柳井正さんの10億円がぶっちぎり。柳井さん1人でソニー、任天堂、パナソニック(各3億)合計の義援金より多いって凄すぎる。成功した経営者とはいえ、柳井さんの後に続く経団連のお偉いさんが殆どいないことから、柳井さんの寄付は一際目立つ(楽天・三木谷さんは考え中とのこと)。
/戦乱の続くアフガニスタンのカンダハル市も400万円を寄付してくれた。アフガンの物価を考えると400万というのは大きなもの。自国が再建中なのに義援金を送ってくれたことに感謝!
//リビア情勢については明日に。
 3月20日…18日の日記をアップするにあたって、僕の胸中では大変な葛藤があった。(1)福島原発の危険性を書いたところで、現時点では注水以外に何も打つ手がないんだから、余計な不安を煽るだけ(2)何か問題があっても、大多数の人は生活基盤を捨てて引っ越しなんか出来ない(3)現場で命懸けて頑張っている人達にも申し訳ない(4)何より、ただでさえ震災で苦しんでいる地域の人に、このうえ風評被害を与えたくなかった。/一方、反原発運動を続けてきた友人や複数の読者の方からは、「早く危険性を訴えるのがカジポンさんの社会的責任だ」「いつもメディアや政府批判をされているカジポンさんが、今大手メディアや政府と同じような対応をしていることに、一ファンとして、少なからずショックを受けています」「最悪の事態を想定して何が悪いのですか。東電が最悪の事態を想定しなかった結果がこれです」と、早い段階からこうした意見がたくさん届いていた。/それでも先述した理由から18日まで“危険説”を書かなかった。その僕が思い切って書くことにしたのは、約30キロ離れた浪江町が16日に毎時80マイクロシーベルトだったのに、17日に170マイクロシーベルトに跳ね上がり、これが瞬間値かと思いきや、18日にも150マイクロシーベルトを計測し、高い値のままだったからだ。同日、千葉は0.03、東京は0.05と考えると、150がどれほど高いか分かると思う。“毎時150”ということは24時間で3600マイクロシーベルト=3.6ミリシーベルトだ。日本人の年間放射線被曝限度量は1ミリシーベルト。つまり浪江町では、年間の基準をわずか1日で3倍以上もオーバーしていることになる。/2日連続で異常に高いのは、浪江町に放射性物質が飛来した恐れがあり、これは呼吸で体内に入ると内部被曝してしまう。こちらの表では、浪江町以外にも首都圏に比べて2桁、3桁と数値が異なる結果が出ている場所がある。僕は泡を食った。文科省の測定班が入っていない場所は大丈夫なのか。そういう訳で、18日の更新に踏み切ったのです(参考記事)。
//でも、悪い話ばかりじゃない。18日の記事にはネット上で様々な反論を見つけた。以下、箇条書きで紹介。
・海水の塩がパイプに固まってると言うが、高温で塩は蒸発するだろうし、圧力容器の圧力が数日に渡って安定している状況から、流れが詰まって滞っていることは考えにくい。
・放射線は減衰するのに、ピーク値×24時間×365日など意味なし。ピークの瞬時値と平均値をごちゃ混ぜにして煽るべからず。
・宇宙飛行士の安全目安は原発作業員の被曝上限とされる100mSv/年の5倍、500mSv/年。だけどみんな元気。
・戦後まもなく親が生まれて、長崎でできたものを食べて、長崎で育った。病気もせず、元気です。つまり、私も被爆三世ですが長崎県産のものいっぱい食べていますが元気です。
・放射性物質は怖いと言うが、現状飛んでいる放射性物質にはセシウムは殆ど含まれず、あるとすればヨードと希ガス。
(1)放射性ヨードは半減期が8日なので、1週間で半分近くまで放射能が減る。生態からは排泄もされるので、体内の半減期はもっと短い。放射性ヨードは大量に患者に投与するバセドウ病の治療法が存在し、治療後20年以上の追跡で発癌の増加がない事が知られている。知人がバセドウで、放射性物質「ヨード」のカプセルを内服。被曝量が15mSv〜150mSv。放射性物質を内服した上、こんだけ被曝しても、1年以上明けたら妊娠もしたし、ハンディを持った子も生まれなかった。
(2)希ガスはもっと半減期が短い上に人体にはほぼ吸収されない。
★重要なのは風評による差別が起きないこと。科学者の八代嘉美氏が『放射線は甘く見すぎず、怖がりすぎず』(リンク)の結びに「かつて原爆被爆者の子どもには遺伝性疾患が生じるという風説が流れ、長く結婚差別の対象になったという。だが、被爆者の追跡調査からは遺伝的影響はみられず、チェルノブイリの原発事故のあとでも同様であったこと記して本稿の結びとしたい」と書かれています。
//福島原発全6機の最新情報一覧(20日18時)。まだ1〜3号機の燃料棒が露出したままとはいえ、2号機に電気が通じ、5号&6号も冷却に成功したのは嬉しかった!
 3月19日…昨日の日記について「不安になりすぎ」「いや、むしろ不安になるのが遅すぎ」と反応が真っ二つに。現在仕事に追われており、明晩に情報を整理してアップしようと思います。最前線で注水作業を行っている自衛隊、消防隊、警察、レスキューの人に心から感謝すると共にケガなどないよう祈ってます。
 3月18日…僕は原発問題に関して、無責任に不安を煽りたくないし、不確かな情報で騒ぎたくない。でも、ニュースで学者が「これはレントゲンの50分の1」とか言うたびに、どうして1回限りのレントゲンと、24時間ずっと浴び続けている放射線の“1時間分”だけを取り上げて比較するのだろうと、強い違和感を感じている。一瞬だとレントゲン・レベルでも、ずっと浴び続けていればヤバくないのか?その疑問をテレビではどの学者もスルーしている。/今から24年前、ノンフィクション作家の広瀬隆さんが原発の危険性を訴えた著作『危険な話』が大きな話題になった。広瀬さんは今年68歳。四半世紀も原発問題を追究され、福島第一原発の設計者とも知り合いだ。その広瀬さんがBSのニュース番組で現状についてコメントしていたんだけど、それはこのサイトで動画にリンクを貼るのをためらうような、恐ろしいものだった。YouTubeには賛否のコメントがあり、「いたずらに不安を煽るトンデモ作家」と断罪している人もいる。僕は悩んだ。もし原発事故の害がないのなら、動画リンクは風評被害を拡大するだけの行為だ。でも、テレビの学者がパニックを避けるために言おうとしない“予想される最悪の事態”について、どういうものか「あくまでもひとつの参考意見」として知っておくのは無駄ではないと思い紹介することにした。内容を要約するとこんな感じ→
・海水を注入したことであらゆる機器、パイプに“塩”が固くこびりつき、これを復旧させるのは容易なことではない。
・6号機まであるうち、1機でも大量に放射能が漏れると、他の5機に誰も近づけなくなり、そのときは6機すべてが最悪の結果を迎える。だからこそ、まだ人間が近づくことができる今のうちにチェルノブイリ同様にセメントで覆い尽くす『石棺』の作業に入るべき。
・テレビに登場する学者は放射線の話ばかりで、本当に危ない放射性物質の話をしていない。空気中の放射性物質を吸い込むと体内で内部被曝する。建屋の天井は吹き飛び、どれだけ出ているのか測定するのが怖い。
・大人はともかく子どもが心配。
・原発擁護派は「原発がなければ電力不足になる」というが、本当は夏のピーク時ですら火力と水力で対応できる。
…等々。動画は1本15分で合計45分。内容が内容だけに、45分がアッという間に思える。時間がない方は“その2”だけでも。
【リンク】その1その2(特に重要)、その3
僕は広瀬さんの懸念がすべて外れ、「あんなインチキ解説の動画を紹介してスミマセンでした」とここで謝罪する日が来ることを、心から切望している。早くその日が来て欲しい。
《追記》こちらのサイトで上記動画が討論となったスレッドが紹介されており、後半の「237番」さんが長い反論を書いておられます。「チェルノブイリですら立ち入り禁止は半径30km程度で、ウクライナの首都キエフは現在もチェルノブイリから100kmの距離にあります。スリーマイル島も放射線が危険だったのは16kmまでという話で、現在の避難範囲と屋内退避範囲は、爆発による放射性物質や各種放射線の遮蔽可能性などを考慮した時に、十分な根拠と余裕があると考えられています。IAEAもアメリカも専門家はそう考えています」等々。希望的内容が実現しますように!
 3月17日…池上彰さんの番組で、氏が「被災しなかった人が今できる援助は何か。それは買いだめをしないこと。買い占めると本当に必要な人に届きにくくなってしまう。買いだめをしないことが被災地に物資を送ることになる」と強調していた。節電、義援金など被災地への支援方法は色々あるけど、買いだめをしないことも被災地の人の助けになる。
/鹿野農相が「国内には十分なコメがあり、売り惜しみや買いだめを行わないように」と声明。日本の全国民が必要な量の約3ヶ月分=200万トンが市場には在庫米としてあるうえ、政府独自の備蓄米がさらに約100万トンあるとのこと。首都圏の品薄は流通の混乱が原因であり、買いだめ行動は状況をさらに悪化させるだけ。
※農水省は16日朝の時点で、被災地へ食料177万食、飲料水84万本、粉ミルク7トンを輸送したと発表。
/東京、神奈川の知人が「米も水も保存食も売ってない」とスーパーの商品棚が空っぽの写メールを送ってきた。本当にすっからかん。僕はそれらを見て驚いた。なぜなら、ここ大阪にはカップ麺からミネラルウォーターまで食料が溢れているからだ。近所のダイエーやドラッグストアは、レジ台のすぐ側にパックご飯や米を置いて売ろうとしているけど、大阪のオバちゃんはみんな素通り。首都圏の方、この点からも焦って買いだめをする必要はないかと。

知人の写メ。カップ
麺売り場(東京)
カップ麺売り場
(大阪)
//全国の放射能レベルが一目で分かる一覧表(各都道府県をクリックすればさらに詳細データ)。
 3月16日…仙台出身のお笑いコンビ“サンドウィッチマン”が気仙沼で今回の大震災に遭遇。現在、懸命に被災者の支援活動をしている。いわく「すごい津波の映像とかもういいから!避難所を映してほしいんです」。実際、テレビに避難所が映ったことで、“あそこにいたのか”と肉親が気づいた例も少なくない。彼らはまた、「報道されていないところで孤立している人が多いんですよまだ。気仙沼の大島(MAP)ってところもあるんです。あと茨城県の北部でもまったく報道されていないところで何人も孤立してる」とも(リンク)。
//定年直前の地方の電力関係者が自ら志願して福島原発へ向かった。また、1号機の構造に詳しいベテランの当直長が、一般人が1年に浴びてもいい放射線量の100倍にあたる放射線を浴びながら、蒸気弁開放の作業をしたという。東電の過去のずさんな定期検査は許せないけど、悪いのは企業幹部など歴代経営陣であり、現場で必死に努力している人じゃない。国民の生命を両肩に背負って頑張っている最前線の人に本当に感謝している。
//福島原発から35kmの場所に住んでいるサイト読者の方から、「(ギリギリで)屋内退避の距離外なので、私の夫は今でも雨の中、断水した水道管の復旧作業をしています。政府が退避勧告を出してくれないから、被爆の危険があるのに放射能まみれの雨に打たれて、夫は作業しています。私は泣きながら見送りました」と不安を綴ったメールを頂きました。この方はまた、「(大型掲示板など)被災者の情報共有BBSに、福島県を罵倒する書き込みや、煽りの文章がとても多くて、それ見るだけで涙と悔しさで胸が張り裂けそうです。夫の覚悟を汚されているようで本当に悔しいです」とも訴えられていました。多くの日本人&世界の人が被災者を応援している一方で、一部の人が嘲るような酷い書き込みをしているのを僕も何度か見たことがある。絶対に止めて欲しい。そういう被災者を傷つける文章を書いた人に、“俺はお前を許そう”とレスした人が印象に残った。単に“そんなことを書くな”と糾弾するより説得力があると思った→

『俺はお前を許そう。だが、きっとお前は自分を許せなくなるだろう。身近な人が死んだ時、大事な人を失った時、その悲しみの中で自分の言葉を思い出し、「ああ、なぜ俺はあの時あんなことを書いてしまったのだろう」と後悔でのたうち苦しむだろう。そこには救いがない。自分自身の消せない行為が自分自身を永遠に苦しみ続けるからだ。それが判っているから俺はお前を許そう。だがお前が自分をきっと許せなくなるだろう』。
 3月15日…読者の方から「悪質なデマへの注意を促しましょう」と、デマ検証サイトを教えて頂いた。この未曾有の天災のなか、飛び交っている様々な流言が項目別にまとめられているので、是非ご一読を。
/警察庁が東日本大震災について「死者・行方不明者合わせて1万人を超えた」と発表。いろいろキツい。キツすぎる。まったくもって、やりきれない。どうしてこんなに人が死なねばならないんだろう。
/福島原発、今日は2号機で爆発、4号機で火災。政府のいう“人体にまったく影響のないレベル”、この言葉を信じるしかない。
/枝野氏は明らかに疲労の極限。いったん寝た方が良い。
/夜半に静岡で震度6強の速報。震源地は富士山の南麓。大きな被害が出ていませんように…。大阪も揺れた。
 3月14日…犠牲者の数が増えるにつれ、かけがえのない個々の命が“数字”の中に埋没していくのが怖い。発見されたお孫さんと祖母の記事を読み、あらためてそう感じた。
/福島第1原発2号機、海水で早く冷やされることを心から祈ってる。まさか、海水ポンプの燃料切れを見落とすという、あまりに初歩的なミスで、今の危機を迎えているとは。燃料が入ってないポンプが動くはずない。ミスをしない人間なんていない。現場は疲労と緊張のピークと思う。だからこそ、1人が単純ミスに気づかなくても、別の誰かが気づくよう、複数でバックアップしないと。
※追記。ロシアの原発専門家が「(福島原発は)チェルノブイリのように放射性物質が大量に漏れることはない」と断言。こちらを読んでちょっと安心した。
/計6県で約52万人が避難生活。支援の遅れを伝える内容がかなり深刻。自衛隊も必死で頑張っている。派遣された自衛隊員は約6万6千人。既に地震発生から今日までに約1万6千人もの人を救助している
/石原都知事の信じ難い発言。天罰って…。大人の犠牲者はもちろん、子どもに何の罪がある?石原氏の言葉の真意が何であれ、なぜその2文字がいま出てくるのか…。
/警察官の殉職6名・行方不明者27名。身の危険を顧みず、最後まで避難民を誘導していたその勇気と使命感の強さを胸に刻む
 3月13日…気象庁が東北地方太平洋沖地震をM9.0に修正。/明日14日、東京電力が計画停電を実施するとのこと。リンク先から地域別の詳細情報に繋がってます。
//テレビ東京が地震特番をやめてアニメを流したことが議論になっている。未曾有の悲劇にあって不謹慎と怒る人がいるのは当然。でもコチラで見た次の意見にも共感→「教育テレビかテレビ東京にお願いです。被災した子供達が笑えるような番組を流して下さい。災害時のショッキングな映像ばかりでは子供にはつらい。子供達の心のケアをするコンテンツが必要です。ラジオも落語や漫才を。テレビも温かみのあるお笑いを。読み聞かせをする余裕は大人にはないでしょうし」。
 3月12日…南三陸町、陸前高田市など複数の市街地が丸ごと消滅…半数の町民の安否が不明…想像を絶する被害に絶句。3階建ての建物の屋上に流木やゴミが重なっている光景が、襲いかかった津波の高さを物語り背筋が凍る。危機に陥っている福島第一原発も非常に心配。一瞬にして様々なことが激変し、昨日の午前までの世界と、今のこの世界が連続した同一のものと思えない…。※海外の報道
//政府が通信インフラの負担になるチェーンメールに注意喚起。僕のとこには関西電力関連のチェーンメールがいっぱいくる。関電はHPに「チェーンメールを送ることはございませんので、ご注意ください」とのこと。※詳細。ただ、節電自体は大切。
 3月11日…今日の東日本の大地震、日本の観測史上最大のマグニチュード8.8、地震のエネルギーが関東大震災の約30倍、阪神大震災の約1千倍とかあまりに恐ろしすぎる。NHK空撮の津波映像を見て、テレビの前で震え上がった。どうか、1人でも多くの人命が救われますように。
//警視庁の公式サイト“地震のときはこうしよう”より、とっさに飛び出す際の持ち物リスト(貴重品)→現金、身分証明書、印鑑・預金通帳・保険証、飲料水(1人1日3リットル)、非常食(缶詰等)、携帯電話と非常用充電器、家族の写真(はぐれた時の確認用)、ホイッスル(居場所を伝えられ生存率が格段に上昇)。
 3月10日…3月12日に全線が開業する九州新幹線の3分間CMが実に温かく、見てるだけで元気が出てくる。1973年の敷設計画決定から38年越しの悲願達成。CMでは“撮影中”と側面に描かれた新幹線が鹿児島から博多まで走行し、沿線から手を振る“1万人以上”の九州の人々を映している。めっさ良い笑顔があふれ、画面全体から人間讃歌が伝わってきた。/博多から鹿児島までたった1時間19分。これで西郷どんや桜島がグッと身近に!
ショート版(30秒)もグッド。古代から現代までの日本史を、九州を中心にしてクールに描いている。キャッチコピーの「どうして立ち止まってるの?未来は明るいに決まっている」が、暗い世相をモノともせず、明るく&力強くて良い!
 3月9日…日本映画の神様“世界のクロサワ”の偉業を讃えた黒澤明記念館が、3日前に予算不足で閉館!なんてこったい。直筆原稿や絵コンテ(監督は絵が得意だった)、カンヌ映画祭のトロフィー、愛用品など約150点が展示されていた。運営サイドのずさんな資金管理は残念だけど、他でもない黒沢監督の記念館であり、なんとか文化庁が補助金を出すとか支えられなかったのか。それこそ東宝や松竹が支援してあげれば(特に縁の深い東宝!)、60年代後半から冷遇したことへの罪滅ぼしになるし、企業イメージもアップしたと思うんだけどな…。
//どんどん美麗になっていくゲーム画面。ファイナルファンタジー・ヴェルサスXIIIの予告動画(6分48秒)に思わず見入った!風景の遠近感、人物の造形、もうスゴイとしか言いようがない。
 
来年にはプレステ4が発売されるという噂もあり、どこまで進化するんだろうねぇ!
//ネットをやっていると「こんな顔文字をよく考えたもの」と驚くことがある。最近一番感心したのは、バカボンのパパの顔文字。目からウロコだった→ (||:3=B)
 3月8日…(つづき / 第83回アカデミー賞レビュー完結編!)
●授賞式の大トリ、作品賞を発表するプレゼンターはスピルバーグ御大!「まもなく、この10本の中から1作品が『波止場』『真夜中のカーボーイ』『ゴッドファーザー』『ディア・ハンター』などに肩を並べるのです。そして受賞を逃した9作品も『怒りの葡萄』『市民ケーン』『卒業』『レイジング・ブル』などの仲間入りを果たします!結果がどうあれ、おめでとうございます!」。場内は大喝采。実際、受賞できなくても映画史に名を残した作品は山ほどある。さすがは御大、良いことを言うなぁ。
/結果発表の際、僕は「インセプション来い!ソーシャル・ネットワーク来い!トイ・ストーリー3来い!」と祈っていたけど、栄冠は『英国王のスピーチ』に。これで、主演男優、監督、脚本、作品賞、全てが『英国王』へ。もちろん良い映画だし、作品賞に輝く価値は十分ある。個人が運命を克服していく物語には普遍性があり、描かれている内容には敬意を払いたい。前述した3作品を観ていなければ異論も無く、“今年は順当”と思っただろう。
でも、従来の手法で作られ万人にウケがいい『英国王』より、開拓精神あふれるクリエイターたちの、勇気とチャレンジ精神が爆発した力作を、もっと評価することが明日の映画産業の発展に繋がるのではッ!
/『インセプション』は“眠っている人間の潜在意識の奥底に潜入し、見せたい夢を植え付ける”という奇天烈な着想を、“夢の世界は現実より時間経過が早い”という時間差を利用して第一級サスペンスに仕上げた傑作。驚異的な映像技術もあって映画史に残る革命的な作品となった。夢の中でさらに夢を見たケースとか、思考が音楽に影響されるとか、映画を面白くするための“仕掛け”がホントよく練られている。
/『トイ・ストーリー3』は胸を打つ“別れと出会い”で長編アニメーション賞を獲ったものの、生きている俳優が出ていない点で、本丸の作品賞を獲ることは難しいと思っていた。だがしかし!アニメに賞をあげたら俳優の立場がなくなるとか、“アニメは子ども向き”という根拠のない偏見とか、そういうモロモロの障害をすべて粉砕し乗り越えて行くだけのパワーと怒濤の感動が『3』にはあった!スクリーンを観ながら流した涙の量は、昨年ぶっちぎりでナンバーワン。これだけの脚本で作品賞が獲れなかったら、オスカー最後の日までアニメは受賞できないんじゃと思ってしまう。
/そして!嗚呼、そして!年始の時点では大本命とされていた『ソーシャル・ネットワーク』。スピルバーグ監督が候補作の10本を読み上げた時、会場では『ソーシャル』への歓声が一番大きかったのに、まさか、脚色、編集、作曲賞だけに終わるとは…!本作品は、世界規模のネット・コミニュティ「フェイスブック」を作り上げた若き天才の実像に迫った人間ドラマ。フェイスブックはチュニジア、エジプトなど、中東の独裁政権を倒す最強の情報ツールとなり、ある意味、開発者ザッカーバーグは(現状を予測せず開発したとしても)ノーベル平和賞モノだ。オスカーを逃した敗因は何だったのか。個性の強すぎる主人公が拒絶されたのか。映画のテンポが速過ぎて、ご年配のアカデミー会員がついて行けなかったのか。インターネットをまったくやらない層の関心を呼べなかったのか。僕は投票の締め切りが昨年の12/27だったことが無念でならない!中東革命第1弾のチュニジア革命が成功したのは3週後の1/14。エジプト革命は授賞式の半月前(2/11)。投票締め切りがあと1ヶ月ズレていたら、間違いなく『ソーシャル・ネットワーク』が受賞し、監督賞も当然フィンチャー監督に行ってただろう!
/何が悔しいといって、もし『ソーシャル』が作品賞に輝いていたら、中国や一部の独裁国家のようにフェイスブックが禁止されている国で、「今年のアカデミー作品賞の映画はなぜ我が国では非公開なんだ?いったい何が描かれているんだ?」と、人々が政権の情報統制に意義を唱えるきっかけになったからだ。表現の自由を求めて世界中で闘っている人々への、最大級の援護射撃となるビッグチャンスを逃したことが、まっこと、まっこと、残念でならない。(>_<)
/今年のオスカー授賞式レビューは以上デス。来年はどんな作品が話題を集めるのか、心から楽しみにしています!
 3月7日…(つづき / 第83回アカデミー賞レビュー!)
●主演男優賞のプレゼンターはサンドラ・ブロック。5人の候補者を紹介する際、去年主演男優賞を獲って今年もノミネートされているジェフ・ブリッジスをからかった「ねぇ、今年は他の人に譲ろうとは思わないの?何度受賞すれば満足なの?」。今年の受賞者は『英国王のスピーチ』で吃音(きつおん、どもり)症を克服すべく苦闘するジョージ6世を演じたコリン・ファース(50歳)。受賞の第一声は「私はこれでキャリアのピークを終えた。(場内爆笑。続いて複数の共演者の名をあげ)撮影時はみんなが人間として立派だから、私も立派に振る舞えた。最後に妻のリヴィア、私生活でも王族のように振る舞ってすまない。人生の良いことはすべて君と出会ってから起きたよ」。
※この映画の宣伝文句は「英国史上、もっとも内気な王」。時代はヒトラーが台頭する大戦前夜。“私は王の器ではない”と悩みまくりの国王を、ファースは見事に演じていた。文句なしの栄冠。涙目で頭を抱え込んだり、怒って禁止用語を叫んだり、先王のエドワード8世(実兄)の不倫騒動に憔悴するなど、王室の権威より“人間ジョージ6世”が前面に出ていた。英国人らしい皮肉の効いたジョークも随所にあり、本作品を現女王エリザベス2世(ジョージ6世の娘)は楽しんだという。
/授賞式後のインタビューでファースいわく「この映画に寄せられた感想が、個人的なものが多くて驚きました。言語障害を持った方々からも反響をもらい、それらは強烈なものばかりでした。映画がメッセージを生んだのではなく、必要だった場所に光を当てたのかも知れません」。
●監督賞も『英国王のスピーチ』から。若い39歳のトム・フーパー監督が受賞。うーむ、これはデヴィッド・フィンチャー(『ソーシャル・ネットワーク』)にあげたかった!フーパー監督が悪かった訳じゃない。30代と思えない丁寧な作りで順当な受賞ではあったと思う。だがしかし!『セブン』『ファイト・クラブ』『ベンジャミン・バトン』など重厚でガツンとくる異色作を撮り続けているフィンチャー監督にオスカー像が行ってたら、“アカデミー賞監督”としてもっと自由に予算が使えて、いっそう独自の美学を極めた作品が生まれたことだろう。それが惜しい。(ウィキを見たらフィンチャー監督もまだ48歳だった!髭があるし作風も重いのでもっと年上かと!来年公開予定の『海底2万マイル』に期待!)
※あと1回だけ、明日に続きます!
//リビア情勢、反政府勢力の連合組織“国民評議会”が設立され、「カダフィ軍の反撃に苦しめられているが、武力支援は必要ない。リビアのことはリビア人で解決する」と声明を出していた(NHKニュース)。行方不明者も多く心配していたけど、何とか勝てるということか。
 3月6日…本日(日曜)深夜2時58分にNHKBS2でオンエアされる『ルツェルン音楽祭2010』のアバド指揮「マーラー/交響曲第9番」は、名演奏もさることながら、非常に珍しい光景が見られるので録画を熱烈お薦め!通常のクラシック・コンサートは曲が終わるやいなや「ブラボー!」と歓声が起きるんだけど、このライブでは指揮者のアバドが身も心も音楽に入り込み、曲が終わっても客席に背中を向けたまま指揮台で固まってしまった…!マーラー9番は最後の一音が消え入るように終わるため、拍手のタイミングとしては指揮者が棒を下ろすか、客席を向いてお辞儀をした瞬間になる。しかし、アバドはなかなか手を下ろさないし、振り向きもしないので、満員の客席は唾も飲み込めないまま舞台を注視し続けた。
/観客が演奏に圧倒され拍手のタイミングが遅れることは時々ある。その場合、長くても10秒前後だ。ところがこのコンサートは前代未聞の2分半!150秒!僕はいろんな演奏会を見て来たけど、こんなの初めてだ。
/“一体どうなるんだろう”と思って見守っていると、聴衆の誰かがあまりの緊張感に耐えきれず拍手したことをきっかけに(アバドはまだ背中を向けていた)、嵐のような大喝采が劇場を満たした!途切れなく続く「ブラボー」や口笛、足を踏みしめる音!ステージから消えた後、終わらない拍手に応えて何度も戻ってくるアバド!(笑)
/クラシックのコンサートに“陰気っぽい”“暗そう”など地味な印象を持っている人もいると思う。でも、この演奏会の熱狂のスタンディングオベーションを見れば、イメージは激変すると思うッ!
//私事ですが、今日から8日間、妻が仕事で海外へ行くため、僕1人で子ども(1歳4ヶ月)を育児することに。サイトの更新もままならず、アカデミー賞レビューの最終回は明日にします。スミマセン!(>_<)
 3月5日…(つづき / 第83回アカデミー賞レビュー!)
●歌曲賞は『トイ・ストーリー3』の“僕らはひとつ”。作詞作曲のランディ・ニューマンは、なんと20回目の歌曲賞ノミネート。今回の受賞は『モンスターズ・インク』の主題歌以来2度目。「受賞にとても驚いています。ノミネート20回で受賞は2度。確率が低い」。
●長編ドキュメンタリー賞は米国金融機関の腐敗を暴いた『インサイド・ジョブ』。チャールズ・ファーガソン監督「まず最初に一言述べさせて下さい。大規模な不正を発端とする金融危機から3年。企業幹部は今も自由の身です。これは間違っている!」(会場から喝采!晴れの舞台でこういうシリアスなスピーチをして、やんやの拍手が起きるところが米国の健全なところ)
●視覚効果賞のプレゼンターはジュード・ロウとロバート・ダウニー・Jr.のコンビ。ロバートはかつてコカイン所持など薬物問題で6回逮捕されており、人気が低迷していたところを、アイアンマンのヒーロー役に抜擢されてトップスターとなった。これらを自虐ネタにして笑いを呼んだ→ロウ「次は最先端技術を駆使した超大作を作る巨匠…」ロバート「俳優が逆さまで6時間も宙吊りになっている間、“技術調整が”と独り言を言っている人たちだよ」ロウ「落ち着けよ。彼らの飽くなき努力が…」ロバート「トイレへ行きたいのに“顔に60カ所ほど(特殊効果の)印をつけさせてくれ”と止められた」ロウ「彼らなしでは君のスーパーヒーロー経験は、(逮捕された)01年に安ホテルでバットガールの衣装を着た女と捕まって終わりだった」(場内爆笑)ロバート「正確には違う。あの衣装はワンダーウーマンだよ。このような細部へのこだわりがアカデミー会員の支持を得ているんだ」。受賞作は『インセプション』。映画を観た人にだけ分かるネタだけど、受賞者がスピーチ冒頭で「まだあのコマが回り続けている気がするけど…気にしない!」と言ってた(笑)。
●“先人への感謝コーナー”でハル・ベリーが昨年他界した黒人女性ジャズシンガー兼女優のレナ・ホーンを追悼。レナは人種差別と戦った。「レナ・ホーンは私たちの先駆者。彼女のおかげで私たちは今“陽の当たる場所”にいます。ありがとう、レナ・ホーン。決してあなたを忘れません」。
●主演女優賞は『ブラック・スワン』のナタリー・ポートマン。今にも赤ちゃんが産まれそうな大きなお腹で壇上へ。「アカデミーに感謝します。夢みたいだわ。副賞として他の候補者と共演できたらいいのに。皆さんを尊敬しています。まず、そこにいる両親に感謝します。(涙を拭き)私を産んでくれてありがとう。幼い時から仕事をさせてくれ善き人間の手本を見せてくれました」。お腹の大きい彼女が、親に“産んでくれてありがとう”と感謝している光景は、ジーンとくるものがあった!※「レオン」撮影時のナタリーは11歳。今年30歳。
(また長くなってきたので、主演男優、監督、作品賞は明日に)
 3月4日…第83回アカデミー賞レビュー!長時間にわたる授賞式から、印象に残ったスピーチや特設コーナーを紹介!この中継のためWOWOWに加入しているようなもの。
●オスカーの司会者はベテラン俳優やコメディアンが多いけれど、今年はジェームズ・フランコ&アン・ハサウェイという若い俳優カップル。元気いっぱいの2人。すごく楽しそうで、こういう年も良いかも。授賞式恒例の冒頭のコメディ・ムービーは、『インセプション』のパロディ。司会の2人が昨年の司会者アレック・ボールドウィンの夢に入っていき、司会のコツを伝授してもらうというもの。その過程で作品賞にノミネートされている様々な映画の中に“お邪魔”。上手く合成されていて、本当に出演しているみたい。シリアスなシーンでおバカをやり会場は大ウケ!
●助演女優賞に輝いたのは『ザ・ファイター』のメリッサ・レオ。彼女は自分の受賞に驚き軽くパニックに。ステージ上で興奮のあまり、「2年前に受賞したケイト・ウィンスレットはクソ簡単(ファッキン・イージー)そうにスピーチしていたのに…おっと!」。放送禁止の“Fワード”を言ってしまうが生中継でピー音は入らず。頭を抱え込むメリッサ。会場は大いに沸いた。司会のアンは「失言は気のせいよね。なんてヒップホップなオスカー!」とフォロー(笑)。
●脚本賞は『英国王のスピーチ』のデヴィッド・サイドラー。74歳で初受賞。白髪のサイドラーが「お前は“大器晩成型”だと昔よく父に言われました」。ドッと笑いや拍手が起こり、氏は満足げに会場を見渡した。そして「私はこれで史上最年長の脚本賞受賞者となります。早く、そして何度も記録が更新されますように」と締めた。
●助演男優賞は『ザ・ファイター』(助演女優とW受賞)のクリスチャン・ベール。「ラッセル監督、我々の演技を意味あるものに仕上げてくれて有難う。俳優の演技を観客向けに“翻訳”するのが監督の仕事です。(スタッフ一同に感謝した後)ここまで感極まるとは予想外だ!妻は僕にとって荒波を航海する時に頼りになる帆柱、そして私がこれから教えるであろう以上の事を教えてくれた幼い娘にも感謝します」。
●作曲賞は『ソーシャル・ネットワーク』。うおお、なぜ『インセプション』のハンス・ジマーじゃないのか!僕は両作品ともサントラを購入したけれど、『インセプション』を100回くらい聴く一方(今朝も聴いたぜよ!)、『ソーシャル…』は旋律の変化に乏しく3回しか聴いてない。僕の音楽センスがズレているのか?この受賞結果は音楽ファンとしての自信を失わせる…。『インセプション』は“圧迫音楽”という新たな地平を切り開いた画期的なサントラ。綺麗なメロディーじゃないのに、緊張感がクセになって何度も聴いてしまう。ハンス・ジマーは過去に2度受賞しており不利になった可能性はある。でも前回のライオンキングは17年も昔。そろそろ3回目でもいいじゃないか。
(長くなるので、続きは明日に!)
//カダフィ軍の猛反撃で、だんだん反政府軍がヤバくなってきた。別の報道では武器庫を空爆され、弾薬が底をつきつつあるという。このままでは民主化革命が失敗してしまう。恐れていたデモ参加者がデモ後に弾圧される事例も報告されており、早く助けてあげなきゃいけないんだけど…。“内政不干渉”を理由に世界の反応は鈍い。せめて空爆できないよう、飛行禁止空域は設定すべきだ。直接戦うのではなく、滑走路を破壊するだけでもいい。それだけで全然違う。
//これが三寒四温というやつか。今日は昼に雪がチラついていた。この寒波が去ると、春が一気に近づくのかな。
 3月3日…現在、国際宇宙ステーション(ISS)にはロシアのソユーズ2機と補給船プログレス、日本の補給船“こうのとり”、欧州の補給船ATV、そして引退のため最後の飛行をしているスペースシャトル“ディスカバリー”という5種6機の宇宙船が大集合している。今日の午後、その宇宙ステーションが太陽の前を通過。映像を見て“あそこに人がいるんだよなぁ”と感じ入った

右端に見えている“黒点”は
直径数万キロ。宇宙ステーション
は長さ約100mなので、太陽が
どれほど遠くに浮かんでいる
のかこの写真からも分かる

//自動車メーカー「マツダ」社員の自殺が過労死と認定された裁判で、自殺へ追い込んだ職場環境の異常さが明らかに。男性の自殺後、上司が笑いながら「この忙しいのに」と発言し、葬儀の弔文に冗談で「泣かすよなあ」と言うなど、男性の両親が二重の精神的苦痛を受けているのも酷い。職場の同僚が男性の机に花を飾ろうとして「(コトを)大っぴらにするな」と制されたという。この上司を育てたマツダの社風が垣間見え、裁判所は「安全配慮義務違反」として約6400万円の損害賠償の支払いを命じた(米国なら3億とかザラ)。深刻なのはマツダだけが特例ではないこと。こういう上司は僕が以前勤めていた会社にもいた。/責任感の強い人ほど、仕事を目一杯抱え込んで押し潰されていく。政権が民主党になっても長時間労働を放置し続ける以上、司法の方から高額の賠償判決を連発し、“サービス残業で利益を出しても社員が過労死すれば、それを遙かに上回る賠償金が待っている”と悟らせるしかない。先月、自殺を労災と認められた遺族が国の指導責任を問い、1億3千万円の損害賠償を求めて提訴した。遺族が全面勝訴して欲しい。/どの企業もライバルと戦っている以上、1社だけが長時間労働をやめれば他企業に負けてしまう。経営者に良心があっても時短に踏み切れない。国が新法で一斉に同じ条件にしないと。本当に悪いのはずっと見て見ぬふりの国。(裁判記事はコチラコチラ
※こう書くとすぐに経団連は“ライバルは海外企業”“国際競争力が”っていうけど、他の先進国は残業ゼロが基本。みんな定時上がり。100時間も残業させてしかも無賃(サービス)でまだ利益が出ないって経営者が無能なのか、日本全体の流通システムがおかしいのか。
 3月2日…4月からBS放送で『山田洋次監督が選んだ日本の名作百本』のオンエアがスタート!先行して50本のラインナップが発表され(リンク先上部の放送予定欄右端の“全て”をクリック)、傑作の数々にタイトルを見ているだけで鼻血が出そうになった!未DVD化の作品や、DVD発売後に廃盤になってる作品も数多く、涙がチョチョ切れるほど有難い。100本を全部録画したら、一生モノの邦画コレクションになる。まさかテレビで『若者たち』を観られる日が来ようとはッ!(T_T)
//『江 第8話・初めての父』を見て、柴田勝家の真っ直ぐさ、健気さにホロリ。かつて、これほど丁寧に勝家と「お市&三人娘」の関係を描いた大河があっただろうか。たとえ姫であっても、非があれば馬の世話役に土下座させ、“(主君など)上の者は下の者に支えられていることを常に意識せよ”と諭すシーンがグッと来た。もう再来年の大河は柴田勝家主役でも良い。もちろん大地康雄さん主役で!緊張感のある『龍馬伝』に比べると、ホームドラマ的な『江』に当初は物足りなさを感じていたけど、“本能寺の変”以降、俄然面白くなってきた。秀吉(岸谷五朗)がブラック過ぎるし(笑)。このまま行くと、いかにベタベタの演出であっても、賤ヶ岳で勝家とお市に待ち受けている運命が描かれた時は、300%涙腺決壊しそうな気配。っていうか、想像しただけで既にヤバイ。
//Windows7を使い始めて早10日。操作にも慣れてきて、動作の速さに感動してたんだけど、画像フォルダの中身をXPのように自由に動かせないという衝撃の事実に気づいた!「日付順」「サイズ順」とか選択肢が決まっていて、従来のようにマウスのドラッグ&ドロップで並び替えが出来ない!ギャース!ネットで調べるとそれが“仕様”とのこと。なんてこった。既に片付けていた旧PC(XP)を再びモニターに繋ぎ直し、画像を旧PCの中で並び替えて番号を打ち直してから新PCに移動させるという、果てしない作業に突入(軽く1万枚以上はある)。ビル・ゲイツ、手伝いに来い…。
 3月1日…読者の方が教えて下さった、パナソニックのブルーレイ・レコーダの商品パンフレットに爆笑!「4番組が同時に録画可能」と高機能を紹介するため番組表に赤丸を入れてるんだけど、このニセモノの番組表がお馬鹿ネタの嵐!朝から見ていくと、6時の「今日の朝ごはん」のメニューが“すき焼きと豚角煮”でコッテリ。7時の朝アニメが「前略!イ刀娘」「小野妹子がこんなに可愛いわけがない!」の2本立て。ちなみに、“小野妹子〜”は午後2時から劇場版の“俺が冠位十二階のわけがない”もオンエア。朝8時「怪獣ブラックシロクマVS海神エビタラバ」(ブラックシロクマって普通の熊じゃん、笑)、朝9時「試してバッテン〜これうまかばい」、正午「煽っていいかも〜お昼休みはムキムキ」、13時「大草原の小さなカイジ 20話・おじいさん!勝った!くららが勝った!」、14時「大岡越前蟹〜鍋奉行暴れる!」、15時「名探偵シャービック・ホームメイド〜凍りつく密室の完全犯罪・現場に残されたスプーンが語る失われた思い出」「わいどワイド3時〜辛口ブーム到来!味も店主も客も辛口の店」、17時「天界刑事Lシャダー〜そんな装備で大丈夫か?」、18時「クイズクリオネラ〜ごはんはおかず」「サッカー ルンバ関西」etc。似たような性能のレコーダなら、このパンフで選んでしまいそう(笑)。
//牛乳の賞味期限が10日から数ヶ月になるという殺菌技術の発明。体に無害のようだし、実用化されると世界規模で食生活が変わりそう。災害が起きた時にも大きく役に立ちそうだね。
//日曜の中国の民主化集会は抑え込まれた模様。うーん、なかなか中東のようにはいかないな…。無念。
//少し年上の知人が「サイト日記の字が細かすぎ、PCの拡大機能を使って読んでいる」とのこと。僕ももう40代、じきに小さな字が見えなくなってくるだろう。ある日、日記が大きな字になっていたら“この管理人もいよいよ目にきたか”と思って下さいませ。r(^_^;)







【最新ランク】 DVDトップ100 本のベストセラー100 音楽CDトップ100 玩具のトップ100/(GAME)


愛と狂気のメインページにGO!!