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2020.1〜2

●2月29日…東京都医師会のコロナ感染症についての解説がわかりやすい
「新型コロナウイルス感染症の感染力、重症度、診断、治療について」
(1)感染力はインフルエンザと同程度かそれより弱いと言われています
(2)重症度は、通常のインフルエンザなどと同程度と予想されます(例年のインフルエンザでも高齢者や免疫力の低下した方など重症化し死亡する場合が一定数みられます)
(3)簡易的な診断方法が現時点ではありません
(4)治療薬はありません(インフルエンザに対するタミフルRのような抗ウイルス薬はまだありません)
(5)感染しても多くの方は症状が出ないか、少し長めの呼吸器症状で完治すると予想されます
(6)肺炎になった患者さんへの治療法は、他の肺炎治療と大きくは変わりません
(7)予防方法も標準的な感染症予防策(うがい、手洗い)で十分と言われています
*2009年に流行し大きな脅威になると思われた“新型インフルエンザウイルス”は、近年流行しているA型インフルエンザの主流です。日本の医療体制は今回の新型コロナウイルス感染症に対しても十分対応でき、重症化の可能性も低いと思われます。
【3/27追記】今となっては東京都医師会の解説はやや楽観的すぎると言わざるを得ないけれど、コロナ禍の過程を記録するため、あえて消さずに残しておきます。
●2月28日…来週月曜から小中高が春休みまで閉校とは!ほんと大ごとに。対象となる児童は1200万人以上。共働きの家はどうするのだろう。必要な措置とはいえ、低学年の子を一人で置いておけないし…。//自転車操業しているホテル、飲食店などサービス業は客足が遠のき死活問題。災害と同じように何らかの国の支援が絶対に必要。
【追記】学童は開くみたい→「厚生労働省は27日、保育所と放課後児童クラブ(学童保育)を原則開所とする対応について都道府県や指定都市に通知したと発表した」
●2月26日…この真上にコロナ感染状況のリンクをしばらく貼っておきます。新たにスイス、スペイン、オーストリア、クロアチアでも感染者。インフルエンザは高温多湿が弱点ですが、コロナは気温32度・湿度80%のシンガポールでたくさん感染者が出ていることが心配。“夏まで待てば”、というのが希望なのに…。
●2月25日…コロナ感染が深刻すぎて、“今日の良かった”を書く気持ちになれない。
●2月24日…日本政府の「感染者数を増加させないように、あえて検査をさせない」という方針が厚労省職員の感染騒動で明らかに。五輪のために感染者数を増やしたくないのは分かるけど、そんなことをしていたらどの国も日本政府が出す数字を信用してくれなくなるよ?韓国は1日当たり、日本の20倍も検査している。

//大統領選挙予備選、米民主党のネバダ州党員集会はサンダースの圧勝!2位にダブルスコアきた!!※サンダースの政策は2/13の日記で紹介。
  46.8%にビックリ!

//昨夜のNHKアニメ『映像研には手を出すな!』第8話「大芝浜祭!」は神回だった!面白すぎる!
●2月23日…〔今日の良かった〕Twitterがフェイクニュースにオレンジ色のラベルを付ける機能を導入準備。かねてから社会実験で言われているように、ネットではデマの方が真実の情報より、はるかに速いスピードで拡散する。デマと判明した後に投稿者本人が訂正情報を出しても、デマ拡散に訂正が追いつかない。このスピード差問題を解決するため、おおもとになっている最初のツイートの色をオレンジに変え、一目でデマツイートを分からせるという。素晴らしい。オレンジラベルの対象となるのは、政治家や企業などの公人が発信したツイート。公人は影響力が高いし順当だ。トランプのツイートがどれだけオレンジになるか。

//最新の各国コロナ感染者表(下にスクロールするとグラフ)。イタリアのコロナ感染者が日本を抜いて世界第3位となり、欧州におけるコロナ震源地となった。北部の街には外出制限令が出てミラノのオペラ座は一時閉鎖に。イランでは感染者急増のため“映画館”が一時閉鎖という、映画ファンにとってつらすぎる状況に。
だが、WHOのテドロス事務局長は「パンデミック(感染爆発)は起きていない」と強気だ。理由は次の2点
(1)中国での感染は先月23日から今月2日の間にピークを迎え、今は減少傾向にある事
(2)より重い症状を引き起こすとも言われるウイルスの変異は確認されていない事
テドロス事務局長のこの判断が当たっていることを願いたいけど…。
●2月22日…〔今日の良かった〕前回のオフ会で知った“世界最古の音楽”古代メソポタミア(シリア)のシュメール人が3400年前に書いた賛美歌「フルリ賛歌6番」(5分45秒※粘土板に記されたものを復元・編曲したもの)に聴き入る。何度聴いても飽きない。

//来月下旬にコロナ感染が終息に向かっていると信じ、3月20日(祝)の読者交流会=お薦めアート・プレゼン大会の告知をアップ。会場は大阪。前回は2018年12月の開催ゆえ、実に1年3カ月ぶり(会場の競争率が高く年末やっと当選)。開催1週間前となる3月13日時点でコロナ感染が拡大傾向にあればオフ会延期、終息の傾向なら開催と判断します。了承の上でお申し込み下さい。詳細や申込みはリンク先から。
下記、前回のオフ会の様子をレポートします。参加者24人、“お薦めアート”をプレゼンしたのは14人。関西以外の参加者は、宮城、富山、東京、愛知、三重、高知、愛媛。各自がプレゼンしたラインナップは以下の通りです→
“日本刀の美”金工/“世界最古の音楽”シュメール人の賛美歌/初期ゲーム音楽の世界・天才作曲家ティム・フォリン(アルペジオを多用する作風が心地よい):ファミコン版『シルバーサーファー』から「Level1」(3分12秒)、メガドライブ版『TIME TRAX』から「Title」(2分25秒)、スーファミ『ロックンロールレーシング』から「Highway Star」(5分28秒)/アート映画の紹介「謎の天才画家 ヒエロニムス・ボス」「ゴッホ最後の手紙」「バンクシー・ダズ・ニューヨーク」「バンクシーを盗んだ男」/ブッカー賞作家マイケル・オンダーチェ『ビリー・ザ・キッド全仕事』(1970)波瀾万丈のキッドの生涯を架空のインタビューなど斬新な手法で描く/ダーククリスタル@ジム・ヘンソンのマペット(人形)による大傑作ファンタジー/ロックフェスを語る〜日本各地でフェスだらけ/気功・中国四千年〜人類の叡智を体感/“競馬”という名のアート:感動レースを紹介/「香川照之の昆虫すごいぜ!」はここがスゴイ/浮世絵えほん東海道五十三次/「第2回熊本国際漫画祭〜わさもんが熊本と世界をつなぐ」の紹介※短編漫画・イラストが42ヵ国から700点以上集まった/ピーター・ガブリエル至高のプログレッシブ・ロック2曲「ザ・リズム・オブ・ザ・ヒート」(5分)、「シグナル・トゥ・ノイズ」(7分36秒)を徹底解説鑑賞する!/欅坂46「避雷針」&桑田佳祐「白い恋人たち」の魅力/ヘンリー・ダーガーの世界最長の小説「非現実の王国で」/ストラヴィンスキー「春の祭典」初演を追体験〜映画「シャネル&ストラビンスキー」から/映画『ワンダーウーマン』の革命。

参加者の心を鷲づかみにした
刀剣LOVEのプレゼン!
日本刀の土置き、焼き入れなど
制作の過程から解説
刃文が天下一の華やかさと
称えられる上杉の秘刀・山鳥毛
平安時代の国宝・童子切安綱の解説
人間6人を一刀両断にした記録が残る

このシュメール文字から
世界最古の音楽がよみがえった
1950年代初頭、シリアの古代都市ウガリ
ットで発見された紀元前14世紀の粘土板
鮮烈な生き様からファンが多い
アウトロー、ビリー・ザ・キッド
マイケル・オンダーチェはビリーを
立体的に浮かび上がらせた
「ダーククリスタル」は芸術性の高い
人形SF。世界中に熱狂的ファンを持つ
予告編(1分20秒)これが人形!
僕もヒロインのキーラとしょこたんが
似ていると思っていたので、即激写

大半の人には初めての気功体験
実際に手の平がビリビリきた人が仰天

ファミコン、メガドライブ、スーパー
ファミコン、機種別に名曲が。
ティム・フォリンの名前を覚えた!
僕は競馬の知識が皆無ゆえ超新鮮
ドラマチックなレースにグッときた
思わず噴き出したのが、1400mダートの
京都バイオレットステークス(3分10秒)
13頭出走のはずが雪で何も見えない!
サマソニ、フジロック以外に100箇所
以上で開催されている野外フェス
何度も参加されている方が体験談
を紹介。雨が降った後の地面を
「田んぼ」と呼んでスライディング!
ピーター・ガブリエル特集。ユングの
アフリカ体験がモチーフの「ザ・リズム・
オブ・ヒート」、ユッスー・ンドゥールとの
コラボ「シグナル・トゥ・ノイズ」は圧巻!
前者のリズム、後者の弦と声!
アウトサイダー・アートを代表する
ヘンリー・ダーガーの“世界最長の
長編小説”『非現実の王国で』。
執筆期間は約60年、1万5千ページ
を超える空前絶後の作品
昆虫愛をユーモアを交えながら語る
香川照之の素晴らしさを子どもが解説
恒例の「レッツ・ボレロ」。参加者
一人一人がアート作品と化す瞬間
プレゼンで紹介された画集や資料
手前は「第2回熊本国際漫画祭」図録
22時前まで続いた懇親会!ざっく
ばらんにいろんなテーマを話し合う
他に、第2部では僕が欧州墓巡礼の最新版(2018夏)スライドショーを行いました。一年に一度のイベントです、皆さんよろしければ是非!不肖カジポン、お目にかかるのを楽しみにしています!
●2月21日…〔今日の良かった〕俳優や映画監督の墓参記をいつか連載したいと僕が熱望している『キネマ旬報』。1919年創刊という日本最古の映画誌であり、アカデミー賞より歴史がある。先日同誌において恒例となる年に一度の「キネマ旬報ベスト10」が発表された。洋画、邦画、それぞれのトップ10ムービーは以下の通り。僕は中学2年のときに『ブルース・ブラザーズ』で映画ファンになり、高校になってキネ旬ベスト10の存在を知り、それからは毎年このランキングを鑑賞の参考にしています。

2019年度第93回キネマ旬報ベスト・テン
《洋画》
(1)ジョーカー(トッド・フィリップス監督)
(2)ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(Q・タランティーノ監督)
(3)アイリッシュマン(マーティン・スコセッシ監督)
(4)運び屋(クリント・イーストウッド監督)
(5)グリーンブック(ピーター・ファレリー監督)
(6)家族を想うとき(ケン・ローチ監督監督)※引退を撤回し撮影
(7)COLD WAR あの歌、2つの心(パベウ・パブリコフスキ監督)
(8)ROMA ローマ(アルフォンソ・キュアロン監督)
(9)象は静かに座っている(フー・ボー監督)※29歳で自死した中国の監督
(10)バーニング(イ・チャンドン監督)

《邦画》
(1)火口のふたり(荒井晴彦監督)
(2)半世界(阪本順治監督)
(3)宮本から君へ(真利子哲也監督)
(4)よこがお(深田晃司監督)
(5)蜜蜂と遠雷(石川慶監督)
(6)さよならくちびる(塩田明彦監督)
(7)ひとよ(白石和彌監督)
(8)愛がなんだ(今泉力哉監督)
(9)嵐電(鈴木卓爾監督)
(10)旅のおわり世界のはじまり(黒沢清監督)
他に文化映画で「i―新聞記者ドキュメント―」(森達也監督)が選ばれた。
●2月20日…〔今日の良かった〕エイズはかつて致死率が高く“死の病”として恐れられ、今でも治療法がないと考える人は多い。現在は治療薬の研究が進み、国立国際医療研究センターの岡慎一センター長によると「1日1回、1錠の薬を服用すれば、血液検査でウイルスが検出されないレベルまでHIVを抑えることができる」とのこと。ウイルスが検出されなくなれば性交渉でも感染させないことが複数の臨床研究で示されており、HIVに感染しても早期に治療を始めれば、免疫力が低下することなく、通常の日常生活を送ることができる。今や「死に至る」は偏見。よかった。

//コロナウイルスの中国の死者が昨日累計2千人を超えた。だが、一方で武漢以外での感染者数は減少傾向にある。まだ予断を許さないけど、封じ込めの効果が出てきた。
《メモ》コロナ感染を防ぐための咳エチケット。くしゃみするとき、手で覆うのはNG。曲げたひじの服の部分を口に当てて、咳・くしゃみをすること。
●2月19日…〔今日の良かった〕“エベレストの登頂にピッケルが不要”という、思わず二度見した記事が朝日にあり興味深かった。登山家・貫田宗男さん(68/イッテQ!登山部)が書かれたコラムから抜粋。
→「ヒマラヤの8千メートル峰で登山隊に参加するためには、ネパールや、北側の中国の登山許可が必要で、エベレストであれば現地の滞在費も含め8万ドル(約870万円)程度かかります。8千メートル峰の中で最も登頂が容易とされるチョー・オユー(8201メートル)でも3万ドル程度といいます。ネパールなど開発途上国にとって登山許可料は貴重な外貨収入なのです。登りたい人は体力と技術の前に、お金を用意できなくてはなりません。
 ネパールでは高地民族のシェルパが、中国ではチベット人が組合を作り、頂上までのコースを整備します。公募登山隊はそのルートを使わせてもらう形です。BC(ベースキャンプ)から頂上まで途切れることなくロープが固定され、急な雪の斜面には階段のようにステップが切ってあります。それをシェルパらが毎日点検・整備します。
 一昨年春、私は中国側からエベレストに挑みました。これまでの経験から当然ピッケルを持参しましたが、実際には、ピッケルはなくてもよかったのです。頂上までロープが張られているため、ユマールと呼ばれる登高器(輪っかみたいなやつ)をロープにかませ、登高器を体につなげば、万一滑っても、落ちる心配はありません。登高器は前方には動かせても、後方には動かないためです。雪上で滑らないために靴に付けるアイゼンさえはめていればいい。「雪山で体を支え滑落しないために不可欠なピッケルが余分な装備になり、持っていけば体力を奪うだけの道具になるとは」と本当に驚きました。
 世界の屋根と言われるヒマラヤ登山に挑み始めて半世紀。まさか、ピッケルなしでエベレストに登れる日が来るとは、考えもしませんでした。ただ、公募隊の出現によって世界最高峰への登頂が容易になったとはいえ、毎年、死者が出ているのが現実で、死と隣り合わせの世界であることに変わりはありません。それを肝に銘じておきたいと思います」

キャンプから頂上までロープが張ってあり、輪っかをつけて登って行く、そんな時代になっているんですねぇ。

//山岳関係でもうひとつ。遭難者のスマートフォンが「圏外」の場合でも、場所を特定したり通話できたりする新しい捜索方法の実験が始まった。防災ヘリに運搬可能な携帯電話基地局を載せて電波を発信し、捜索する計画。通常の基地局が電波を拾えない場所で遭難していても、ヘリから最大約2キロの範囲でスマホが通話できるようになる。さらに、スマホの微弱な電波を基地局が捉えることで、誤差10メートル以内で遭難者の位置も特定できるという。
18年の全国の山岳遭難者3129人のうち、4割弱の1187人は「道迷い」が原因。木々の中だと上空から発見できず命を落とすケースも少なくない。スマホの電源が残っているうちに場所が特定できれば、生存率も大幅に上がるため、早く実用化できるといいですね。
●2月18日…〔今日の良かった〕私事ですが、3月に関西ローカルでオンエアされるお墓番組の京都ロケ(2日間)が無事に終わりました。平安時代からの“庶民の墓”をテーマにした番組で、全3回を3週にわたってオンエアするという、非常に冒険心あふれる番組です。僕、専門家の大学教授さん、芸人さん(まだ名前を出せない)、女子アナさんの4人で墓トークをするブラタモリ的なカルチャー・バラエティになっています。第1回は3月10日放送なので、来月に入れば具体的な番組告知ができるかと。単発特番のお墓番組は時々放送されますが、民放かつ3回シリーズというのは聞いたことがなく前代未聞では。革命的な番組になったと思います。乞う御期待!
●2月17日…〔今日の良かった〕日本の雇用者の4割弱が非正社員だが、正社員と非正社員の間では依然として賞与や祝日手当の支給額に大きな差がある。先日、日本郵便で働く非正社員ら約154人が立ち上がり、全国6カ所で格差是正を求める訴訟を起こした。労働契約法20条は「労働契約が無期か有期かで不合理な格差をもうけてはいけない」と定めているのに、日本郵便では、住居手当、年末年始勤務手当、扶養手当などは正社員だけに支給されており、原告は計約2億5千万円の損害賠償を請求している。日本郵便の非正社員は約19万2千人もいるため裁判の結果が与える影響は大きい。4月から「同一労働同一賃金」の関連法が整備されるので原告に有利なはず。賞与は10倍から20倍も理不尽な差があり、格差が縮まるような判決が出てくれば非正規労働者の生活はかなり楽になる。勝訴を願って、この動きを“良かった”ニュースとして日記に記録しておこう。
●2月16日…〔今日の良かった〕人と鬼の戦いを描くジャンプ漫画『鬼滅の刃”(きめつのやいば)』がオリコンの週間コミックランキング(1月27日〜2月2日)で1〜18巻が1〜18位を独占するという史上初の記録を達成した。年間の売上げでも、11年連続で1位だった「ONE PIECE」を抜く快挙となり、社会現象となっている。
先日、子どもの友達(4年生男子2人)から「えっ、アニメの“鬼滅の刃”を観たことないの!?絶対に観た方が良い!!」と熱烈に勧められ、本屋で単行本が平積みになっていることに気づいていたので、第1話を観てみた。冒頭から主人公・炭治郎が血まみれの妹を背負って雪山を歩いており、一家壊滅の描写に「こ、これ、子どもに見せていいんか(汗)」と焦った。人食い鬼に家族を奪われ、唯一生き残った妹も鬼に変えられた。どうすれば妹を人間に戻せるのか…うーむ、こりゃ続きを観たくなる。アニメコラムニストの小新井涼さん曰く「(鬼滅には)“友情・努力・勝利”に代わり、優しいキーワードの“人情・堅実・救済”がある」。ええやん、“救済”ってええやん。

とはいえ!まずは先月上旬から始めたアニメ『キングダム』鑑賞マラソンを完走しないと!先日、第1シーズン最終回の第38話「継承」を万感の思いで見届けた。王騎将軍が初めて登場したときは、まさかここまで器の大きい傑物と思わなかった。副官・騰(とう)の気持ちを思うと切ない。主人公と同じ村出身の農民兵が散ったときは驚いた。最終回近くまで生きていると思っていたから…。悲しみも含め、出会いと別れは作品の魅力になっている。現在第2シーズン第5話「第三勢力」まできてる。このペースなら春の第4シーズン放送に間に合いそう。
●2月15日…〔今日の良かった〕「報道ステーション」で長く社会問題に取り組み、取材・報道を担当したベテラン派遣ディレクターら約10人を、テレ朝が一斉に“派遣切り”(3月予定)すると通知、これに抗議するためマスコミ労組が戦っている。「真摯に番組制作に取り組んできた労働者の権利と尊厳を踏みにじる行為」「10年前後の経験豊かなスタッフの大量排除は、事実上の番組解体」だとして撤回を求める声明を出し、一昨日に「『報ステ』を問う」と題する集会を衆院第1議員会館で主催した。このマスコミ労組の動きを応援したい。
今、「報ステ」の惨状は見るに堪えないものになっている。テレ朝の早河洋会長は安倍首相にベッタリの“メシ友達”であり、2018年7月に会長の意向でチーフ・プロデューサー(CP)に抜擢された桐永洋CPは就任演説で「今の報ステのイメージは偏差値70くらい。東大入れるんじゃないかという感じ。偏差値50の普通の庶民が見た時に理解できないから、チャンネルを変えちゃおうとなっちゃってる」と発言、庶民をバカにしすぎており古参スタッフを絶句させた。その後、原発問題などで定評のあった敏腕ディレクターやジャーナリズムにこだわった小川彩佳アナは番組を追い出され、今やスポーツと天気の話題が中心の情報番組と化している。昨秋、会長子飼いの桐永洋CPが女子アナたちへのセクハラ問題で番組から更迭され、少しは質が向上するかと期待したのに、今回の大量解雇騒動。契約終了を伝えられた関係者いわく「番組のため10年以上尽くしてきたのに、使い捨てられたようで残念」「日本でいちばん見られている報道番組との自負でがんばってきたが、雇い止めに遭い、自分たちの契約状況が脆弱(ぜいじゃく)だと思い知らされた」。テレ朝広報部は「あくまで番組リニューアルの一環」としているが、リニューアルでヘタレ化を加速させるなら、番組名で“報道”を名乗らず「情報ステーション」に変えてほしい。かつて日本を代表する報道番組と称えられていた『ニュースステーション』が懐かしい。
●2月14日…〔今日の良かった〕『銀河英雄伝説 Die Neue These』の第1シーズン「邂逅」(民放ではオンエア済)、第2シーズン「星乱」(地上波初)のトータル24話分が4月6日(月曜)22時50分からEテレにて放送開始!まさかの公共放送!個人的には絵柄もBGMも旧作の方が好みだけど(イケメン祭りは個性に乏しく感じる)、原作の素晴らしさと、最新CGで描かれたスタイリッシュな艦隊戦によって、この新シリーズにも大いに魅了された。何より、これまで銀英伝と縁がなかった人が、この新シリーズでたくさんファンになってくれたことが嬉しい。※中国では実写映画化が進行中とのこと。

//今日の首相動静、「コロナウイルス感染症対策本部」に8分間出席し、その後は新聞メディアの幹部らとたっぷり3時間の会食。前日も若手議員と会食。8分間て…そんなんでいいん?各方面の報告を聞いて質問するだけで30分以上かかると思うけど、こんな短時間で舵取りできんの?
●2月13日…〔今日の良かった〕米大統領選のニューハンプシャー州予備選で、民主党はサンダース上院議員(78)が勝利!初戦でアイオワ州を制したブダジェッジ氏(38)はニューハンプシャーでも肉薄して強さを見せたがサンダースがこらえた。一方、世論調査で全米トップのバイデン前副大統領(77)は5位まで沈み、もはや後がない状態。
バイデンはオバマ政権の副大統領という知名度の高さと、穏健派というスタンスからトランプを相手に「勝てる候補」と党内で見られていた。だが格差社会に苦しむ庶民にとって、バイデンは“古い政治”を思わせ、“同じ穏健派なら若いブダジェッジに”となってきた。バイデンはブダジェッジの「経験不足」を攻撃しているけど、それがマイナス要素ではなく「伸びしろ」と受け止められている。
ちなみに、僕は4年前からずっとサンダース支持です。

《サンダースの政策「大・福祉国家」》
・米国は所得格差が戦後最悪の水準に拡大しており、富裕層に増税をかけ貧困層を救う。
・公立大学の授業料を無償化し、貧困層の教育格差を減らす。
・現在教育費の高騰で7割の学生は卒業時に平均3万ドル強(約350万円)のローンを背負っており、これらの学生ローンはすべて帳消しにする。1.5兆ドルを政府が負担して全額免除。
※免除の財源は株式売買などに新税を課して捻出。
・温暖化ガスの排出をゼロにする再生エネルギーへの大規模投資 『グリーン・ニューディール』を敢行し、希望者を国が全員雇う「国民皆雇用」を実現。反原発、再生可能エネルギーの普及拡大を推進。
・米国は先進国では当たり前の国民健康保険がないため、医療費は日本の3倍。症状がとことん悪化するまで病院に行かず命を落とす人もいる。米国でも「国民皆保険」を目指す。
※国民皆保険には年3兆ドルが必要とされ、富裕層や企業への増税によって10年で14兆ドルを確保。
・時給15ドル(約1600円の最低賃金)実現。
・女性の賃金を引き上げ、中絶の権利を認め、女性差別を撤廃。
・金融危機を引き起こしたウォール街の悪党は牢屋へ。

このようにトランプ政権を上回る革命になる。問題は冷戦時の反共政策で骨の髄から「左派嫌い」の人が米国には一定数いること。民主党中道派でさえ「サンダースに入れるくらいならトランプに入れる」と考える人がいる。ただ、それとて格差がここまで酷くなかったかつての価値観であり、こうまで格差が拡大すれば、生活防衛のため「左派は嫌いだけどンダースに入れざるを得ない」となる人も逆に出てくる気が。22日の西部ネバダ州の党員集会、29日の南部サウスカロライナ州の予備選挙を注視。
※サンダースはアメリカの若者の8割に支持されている。

//日本で感染ルート不明のコロナ患者が4名発生。いずれも武漢など中国の方との接点はないとのこと。本気でパンデミック(感染爆発)を防ぎたいなら、早期に全員で2週間の自宅待機をやるべきなんだけど、ブラック企業だらけの日本でそれを決断できるかどうかだ。ハッキリ言えることは、感染が拡大してからでは遅いということ。

// ショーン・コネリーやモーガン・フリーマン、ダース・ベイダーの吹き替えを担当してきた俳優の坂口芳貞さんが大腸がんのため他界。享年80歳。
●2月12日…〔今日の良かった〕墓石に刻まれた文字が英語ならグーグル翻訳に打ち込めるけど、ロシア語やギリシャ語はキーボードで入力できず以前はお手上げだった。知人が「グーグル翻訳は数年前から手書き入力ができるよ」と教えてくれ、目からウロコ、おかげで翻訳できなかった碑文もだいたいの意味が分かるようになってきた。便利すぎだろこのツール!

//専門家は「変光星の誤差範囲」と指摘しているけど、期待を込めて記しておこう。冬の夜空を代表する1等星のひとつ、オリオン座の右肩・赤色巨星ベテルギウス(800万歳)がここ3カ月で2等星クラスまで暗くなっている。質量は太陽の約10倍、大きさは太陽の約1千倍もあり、太陽の位置なら木星まで達する巨大さ。仮に超新星爆発を起こすとマイナス10等=半月(はんげつ)ほど明るくなり、数カ月間は昼でも肉眼で見え、5年くらいで見えなくなるという。
超新星爆発が最後に目視されたのはなんといっても約400年前、ほとんどの人類は遭遇できない天体ショーであり、この目で見たいもの。冬の大三角はなくなっちゃうけど…。
※平安時代の1054年、歌人の藤原定家が日記「明月記」に陰陽師の話を聞いて超新星の記録を残しており、現在その星は牡牛座の“かに星雲”になっている。
※ベテルギウスは700年光年の距離にあるので、リアルタイムでは既に存在していないかも。
●2月11日…〔今日の良かった〕8世紀前半、天武天皇の孫・長屋王は日本から唐に送った袈裟(けさ)に「山川異域 風月同天」(山や川は違っていても、吹く風や月は同じだ)と漢詩を刺繍した。この「日本と唐は同じ天で繋がっている」という言葉は、後に唐の高僧・鑑真和上の心を動かし、5回にわたる渡海失敗を克服&視力を失ってまで訪日を試みるきっかけとなったとされる。日本から湖北省(武漢)への支援物資の段ボール箱にある人が「山川異域 風月同天」と書いたところ、中国のSNSで大きな話題となり、たった1日で30万件以上の「いいね」がついたという。これを受け中国外務省の報道局長が「感染症は一時的なものだが、友情は末永いものだ」と感謝を表明した。鑑真が開いた唐招提寺では、引用した漢詩の全文を縫い込んだ袈裟を復元して中国の寺院に寄進する計画が進んでいるとのこと。
●2月10日…〔今日の良かった〕大快挙!今年のアカデミー賞で、外国語映画として史上初めて韓国映画『パラサイト』が選ばれた!監督賞等も受賞しており四冠達成!これは凄い、凄すぎる。“言葉”という大きな壁を突破した。そして僕は急遽、明朝第1回のチケットを買った!近所のイオンで上映するのを待ってたけど(いつもワンテンポ遅れて話題作をやる)、もうそんなこと言ってられない。梅田に出よう。もう1本、『ジョジョ・ラビット』も観てくる。
【追記】どちらの映画も凄かった!『パラサイト』はユーモラスかつ凄惨、『ジョジョ・ラビット』は笑いと感動、そしてヒューマニズム。『ジョジョ・ラビット』のラストシーンが素晴らしく心が温まった。
●2月9日…〔今日の良かった〕先日、朝のクラシック番組でお台場の『デジタルミュージアム』の存在を初めて知った(ここで弦楽四重奏曲を演奏していた)。壁面を使ってデジタルアートを見せるという従来の美術館とはまったく異なるスタイル。2018年に開館し、チケットは3200円で美術館にしては高額なのに、初年度来場者は230万人に達した。入館者の半数が訪日外国人で、前売り券を買っておかないと、当日チケットは完売の可能性があるという。今度上京したときに行ってみよう。

  公式サイトより。デジタル滝!

//14日23時Eテレ『にっぽんの芸能 超歌舞伎・今昔饗宴千本桜』は、最先端テクノロジーと伝統のアナログ文化が融合したサイバー舞台。バーチャルの初音ミクと歌舞伎俳優・中村獅童が共演した「超歌舞伎」。歌舞伎発祥の地・京都南座の公演がオンエアされるとのこと。初めて観るので楽しみ。
●2月8日…〔今日の良かった〕日本アカデミー賞は優秀賞5作品の中から最優秀賞1本が選ばれるシステム。今年の5本は『キングダム』『翔んで埼玉』『閉鎖病棟』『蜜蜂と遠雷』、そして首相官邸の腐敗に迫った『新聞記者』!マジッすか!しかも、優秀監督でも同作の藤井道人氏が選ばれている。さらに、この映画は松坂桃李とシム・ウンギョンがダブル主人公だったため、それぞれが優秀主演男優賞、女優賞に!日本アカデミー賞は保守メディアの日テレで放映されるから、“忖度”発動で『新聞記者』はなかったことにされるかと懸念していたけど、選考するのは日本国内の映画関係者約3900人であり、ここはアンダーコントロール出来なかったということか。各部門の最優秀賞は3月6日に発表される。僕的には日本アカデミー賞始まって以来の最も注目する年になった!
●2月7日… 〔今日の良かった〕愛知県に再来年開業する「ジブリパーク」の展示内容が明らかになってきた。
「もののけ姫」をイメージした「もののけの里」
「魔女の宅急便」がテーマの「魔女の谷」
「千と千尋の神隠し」に登場する食堂街を模した飲食施設
「となりのトトロ」に出てくる社(やしろ)や散策路、サツキとメイの家
「天空の城ラピュタ」に登場するような空想科学をイメージさせる施設
「猫の恩返し」に登場する「猫の事務所」
ジブリ作品を展示した大倉庫や170席のミニシアター
このうち「もののけの里」「魔女の谷」エリアだけ、1年遅れの2023年開業とのこと。
楽しみだけど僕が1番好きな2作品「ナウシカ」「紅の豚」が抜け落ちているのが気になる。今から計画するなら、ナウシカのメーヴェやポルコ・ロッソの愛機で大空の飛行を疑似体験できる4DXアトラクションに期待したい!予算がないなら、風の谷をVRゴーグルで飛ぶだけでもいい。そういうのを是非!

//テーマパーク関連でもう一つ。東京都練馬区の遊園地「としまえん」が近く閉園し、跡地に「ハリー・ポッター」の世界観を反映した新たなテーマパークが2023年に開園するとのこと。大阪のUSJにもあるため、東西2カ所のハリポタ・ワールドになる。
●2月6日…〔今日の良かった〕アメリカ大統領選挙に向けた野党・民主党の候補者選びの幕開けとなるアイオワ州の党員集会は、面白い投票結果となった。1位が38歳のブティジェッジ氏、2位が社会主義者のサンダース氏!得票率はたった0.1%差!ブティジェッジ氏は同性愛者を公言し、パートナーの男性と選挙戦を戦っている。サンダース氏は「富裕層に大増税して社会保険を充実させる」「学生ローン(奨学金)の債務総額1兆6000億ドル(約172兆円)の返済を全額免除」と公約するガチ左翼。1位も2位もかつての米国では考えられない人物。時代が変わった!
●2月5日…〔今日の良かった〕コロナウイルスの広がりで武漢から帰国した日本人を受け入れた千葉のホテル三日月。その近くの砂浜に、誰かが「おつかれさまです!がんばろう」と励ましのメッセージを書いたという。部屋から一歩も出られない生活は気が滅入るし、武漢があの状態では先が見通せなくて不安と思う。書いた人、優しいな。
  画像はヤフーニュースから

//ガーン、来週観に行くつもりの映画『キャッツ』が、米国のワースト映画の祭典『第40回ゴールデンラズベリー賞(ラジー賞)』に9部門も最多ノミネートされてしまった。トム・フーパー監督って『英国王のスピーチ』でアカデミー監督賞を獲っているのに、そこまで激スベリするのか?逆に興味が湧いてくる…。あと、今年から「人命軽視および公共物破損が目に余る作品賞」が新設された。この着眼点は面白い。

//『炎の人ゴッホ』『スパルタカス』『パリは燃えているか』『海底二万里』『ユリシーズ』で知られるハリウッドの人気俳優カーク・ダグラスが5日に他界。享年103歳!ゴッホを描いた映画・ドラマは無数にあるけれど、僕がもっとも引き込まれたのはカークがゴッホを、アンソニー・クインがゴーギャンを演じた『炎の人ゴッホ』(1956)。もう何度観たかわからない。風貌がうり二つのカークがゴッホを超熱演、純粋さゆえに周囲と衝突し、精神的に追い込まれていくゴッホを見事に演じきった。映画を観ていることを忘れ、ゴッホ本人としか見えなかった。名優の魂に合掌。※ちなみに息子のマイケル・ダグラスは現在75歳。
※なんとYouTubeに日曜洋画劇場で放送された吹替え版『炎の人ゴッホ』が一部アップされていた!よくこんな映像が残っていたなぁ。
●2月4日…〔今日の良かった〕NHKのニュース報道は政権に甘々で、首相が支離滅裂な答弁をしていても、そこを掘り下げようとしない。2014年に籾井氏が会長に就任した際は「政府が『右』と言うものを『左』と言うわけにはいかない」と語り、官邸との近さが問題にされた。上田会長になっても、時々スクープはあったものの、森友・加計学園問題で腰の引けた報道が続いていた。だが、その官邸寄りの上田体制でさえ安倍氏は不満だったようで、新会長にみずほフィナンシャルグループ元会長で、安倍氏を後押しする経済人による「四季の会」メンバーの前田晃伸(てるのぶ)氏をねじ込んだ。またしても「首相官邸の人脈」であり、官邸がコントロールしやすい人材がトップとなり、僕は脱力感に包まれた。
ところが、先日の新就任会見で前田氏がこう発言した。「公共放送であるNHKには、正確で公正・公平な情報発信、豊かで良質な番組を幅広く提供し、わが国の民主主義の健全な発展と文化の向上に寄与するという大切な使命がある。この使命を果たすために、しっかりと軸のぶれない組織運営をしていきたい」「権力が報道機関から批判されることは当たり前で、それが民主主義だ。政治との距離感については、与党とも野党ともすべて等距離でやる、どちらにも偏らないというのが私の信念だ」。
前田新会長の口から、「民主主義」という言葉が二度も登場したことにおったまげた。ちょっと希望がわいた。これが心からの言葉なのか、ポーズだけのフェイク会見なのか、今年のNHKを注視していきたい。
●2月3日…〔今日の良かった〕最近のニュースで最も期待に胸が膨らんだのは、文房具で普通に売っている「液体のり」の成分が、癌治療に効果的という話題。東京工業大のチームが発見した。放射線治療では癌細胞に薬剤(ホウ素化合物)を取り込ませておき、中性子を当てて癌細胞を壊す。この放射線治療は正常な細胞へのダメージが少ない一方、薬剤が癌細胞から流出しやすいのが課題だった。そこで薬剤に「液体のり」の主成分ポリビニルアルコールを混ぜるとスライムのように分子が長くなることを応用、癌細胞が薬剤を取り込みやすい形にしたという。その結果、癌細胞に入る薬剤(ホウ素化合物)の量は約3倍になり、とどまり続ける時間も長くなったため、マウスの実験では「大腸癌がほぼ消失」したという!「液体のり」の主成分ポリビニルアルコールは価格が安い上に大量に生産できる。臨床実験がうまくいって、早く実用化されますように!ほんと目からウロコ、こんな身近な物質で、薬剤が癌細胞にとどまりやすくなるとはねぇ。

//よっしゃあああ!昨日の更新と合わせて、日記〔今日の良かった〕を1/16から20日分、一気に書きあげた!追いついた!
●2月2日…〔今日の良かった〕今月から登場する新型パスポートに、浮世絵師・葛飾北斎の「富嶽三十六景」が登場!ハンコを押す査証ページの背景に描かれており、10年用は見開き2ページごとに24作品、5年用は16作品が採用されている!幕末1866年に日本で初めてパスポートが発行されて以来、芸術作品が用いられるのは初めてとのこと。偽造防止対策にも効果があるだろう。僕は3年後に切り替え、その時が楽しみだ。
※2018年末時点で有効なパスポートは約3千万冊。
●2月1日…〔今日の良かった〕新しい長距離列車「WEST EXPRESS銀河」が5月に登場!寝台列車の旅はロマンがあるけれど高すぎる。1泊2日〜3泊4日で観光地をめぐるJR九州の「ななつ星in九州」やJR東日本の「トランスイート四季島」、JR西日本の「トワイライトエクスプレス瑞風(みずかぜ)」は至れり尽くせりのサービスが売りだけど、瑞風の料金は1人あたり最低でも約25万円!そんな旅は一生不可能。新しい「銀河」は、内装やおもてなしをシンプルにして、一番高いグリーン車の個室(1泊2日/関西〜出雲)が1万8560円、これならちょっと無理をすれば手が届く。普通車の2段ベッドはゆったり眠れるよう193cmあり、グリーン車にはフルフラットになる座席や個室もある。ボードゲームが楽しめるボックス席も備わっているとのこと。寝台以外に普通座席もあって、途中乗車や下車もできる。関西から山陰、山陽方面に行くときの選択肢に。
●1月31日…〔今日の良かった〕納豆や味噌など発酵性大豆食品の摂取量が多いと病気の死亡リスクが低下することを、国立がん研究センターの研究チームが追跡調査で証明。チームは、国内の成人男女約9万人を1995年以降、平均15年間追跡調査した。発酵性大豆食品を最も多くとるグループ(1日におよそ50グラム=納豆1パック)は、最も少ないグループと比べて男女ともに約10%死亡率が低かったという。具体的には、男女とも脳卒中や心筋梗塞など循環器の病気による死亡率が低下し、特に女性は納豆や味噌を多くとると死亡リスクが下がる傾向が顕著という。

//今日でイギリスは欧州連合(EU)を離脱。物流は税関で時間がかかって移動コストが跳ね上がるし、関税上の不利益が生じるのに、どうして英国民は自分の国にセルフ経済制裁するのか…。イギリスの中間層の暮らしが厳しいのは、移民が仕事を奪うからではなく、超富裕層がタックスヘイブンに資産を隠すなど、富の再分配をちゃんとしていないから(これは英国だけじゃなく日本を含め世界中で起きていること)。一部の富裕層だけがどんどん金持ちになるシステムを変えない限り、EUを離脱しようが移民を排除しようが、中間層の貧困化は止まらない。
気の毒なのは英国の若者たち。EUの一員であれば、加盟国の大学で学んだり、働いたりする場合に学生ビザや就労ビザは必要ないし、学費もEU域外の学生より格段に安いのに。EU域内を自由に行き来できるメリットを犠牲にして、何が得られるというのか…。スコットランドと北アイルランドはEU残留を希望していた。それをイングランドとウェールズが押し切った。これがきっかけとなり、英国は分裂するかも知れない。

//拡大し続けるコロナウイルスの惨禍。1か月前の大晦日、ミカンを食べながらのんびり紅白歌合戦を楽しんでいた。それからたった1か月で、世界がこんなに変わってしまうなんて想像だにしなかった。いずれ収束するにしろ、あと何カ月かかってしまうのか。
SF小説には人類が核戦争ではなく、ウイルスで絶滅する設定がよくあるけど、こうも簡単に感染範囲が拡大してしまうものなのか。医学技術の発達した現代では、パンデミック(感染爆発)はもっと起きにくいと思っていた。現状を目の当たりにしてもなお、これが現実とにわかに信じられず。
●1月30日…〔今日の良かった〕『無国籍者の強制送還は違法(東京高裁)』…旧ソ連出身の無国籍の男性(52)を難民と認めず、強制送還を命じた国の処分の是非が争われた訴訟の控訴審判決で、東京高裁は昨日、処分を違法と認めて取り消した。裁判長は男性が難民に当たると指摘した上で、「地球上で行き場を失うのは明らかだ」として送還を命じた国の判断を批判した。男性は旧ソ連時代に現在のジョージア(グルジア)で生まれたアルメニア民族。ジョージア政府によるアルメニア民族の迫害で、無国籍のまま出国を余儀なくされた。2010年に訪日して難民認定を申請したが認められず、ジョージアへの強制退去を命じられ、15年に処分取り消しを求めて提訴した。判決は、出国前に男性が暴行や自宅を荒らされるといった被害を受けていたなどと認定し、「人種を理由に迫害を受ける恐れがある」として難民に当たると指摘。退去先をジョージアとしたことについても「帰国すれば迫害される恐れがあるとの主張には合理性がある」と判断した。判決後の男性「これで未来を向ける」。出入国在留管理庁は「判決の内容を十分に精査し、適切に対応したい」としている。どうか、行き場がない人を控訴しないで。

//武漢から政府チャーター機で帰国した日本人の中に、発熱も咳もないのに新型コロナウイルスに感染している人が出て懸念している。中国以外で、症状がない人の感染が確認されたのは日本が初めて。潜伏期間が2週間だから、そういう人もいるとは思ってたけど…。
帰国者の大半は、空港からホテルに直行して2週間の経過観察となったけど、厚労省の不手際で、宿泊者200人に部屋が140室しかなく、相部屋になる人が出ている。隔離という名目で帰宅せずホテルに泊まっているのに、相部屋だと意味ない!
アッという間に国内で感染確認は二桁(11人)になった。ワクチンの開発は早くて夏、初動での封じ込めに失敗すると、冗談抜きでオリンピック中止になってしまうで…。ちなみにSARSの感染は4〜5月がピークだった。中国では死者170人(5日前は41人)、患者数は7711人に達している。
●1月29日…〔今日の良かった〕今朝の新聞読者欄に共感した投稿があったので紹介。
→『「障害者」の呼称を「要助者」に//リハビリテーション科の医師として、高齢者や障害者の方々と日々過ごしています。「障害者」という呼称について、以前から違和感を感じていました。(略)英語の「スペシャルニーズを持つ人」に倣って、「障害者」という呼び方を「要助者」に変更してはどうかと考えました。要助者とは、助けを要する人という意味です。要助者の前にそれぞれが配慮を必要とする部分をつけて個性を表します。例えば、身体が不自由な方は「身体要助者」、心の病気を抱える方は「心要助者」、高齢のため介護が必要な人は「高齢要助者」、子育てに悩む人は「子育て要助者」、経済的問題を抱える人は「経済要助者」、孤独を感じる人は「孤独要助者」など…。生まれてから死ぬまで、誰の助けも借りず、完全に自立して生きていける人はいません。自分が抱える問題をわかりやすく表現し、他人が抱える問題を理解することで、健常者と障害者、支援者と被支援者を隔てる壁がなくなり、お互いが助け合える社会を築けたらいいと思います』(勤務医・奥谷珠美)

//元プロ野球選手の清原和博さん(52)のインタビュー記事を読み、薬物中毒の恐ろしさを改めて知る。「もし覚醒剤を手渡されたら?」という質問への答え。
「薬物依存症専門の先生は、やはり手の上に載せられたら、それを自制するのはほぼ不可能だろう、とおっしゃっていました。僕もそう思います。怖いですね。薬物依存症は、回復することはできても、治ることはない病気だと言われています。だから一生、闘い続けていかなければいけないと肝に銘じています。」
●1月28日…〔今日の良かった〕先日、広島高裁が四国電力伊方原発3号機を「運転してはならない」と決定。裁判長は、「原発付近に活断層がないとした四電の調査は不十分で、阿蘇山(熊本)の大規模噴火時の想定も過小評価」と判断。この仮処分はただちに法的拘束力を持つため、今後の司法手続きで覆らない限り、定期検査を終えても運転できない。住民側は国内最大規模の活断層「中央構造線断層帯」に関連する活断層が原発の沖合約600メートルにある可能性を訴えていた。裁判長は、四電が十分な調査をしないまま活断層が存在しないとして原子炉の設置変更許可などを申請したと指摘。これを問題ないとした原子力規制委員会の判断に「過誤ないし欠落があった」とした。また阿蘇山噴火についても、火山灰などの噴出量は四電の予測の約3〜5倍に上り、想定は過小だと指摘した。

※日本では文明を滅ぼすほどの「破局噴火」が過去12万年の間に18回起きている。9万年前の阿蘇山の破局噴火は日本最大級であり、流れ出た火砕流は九州全土をのみ込んだだけでなく、当時陸続きだった山口県や、四国西端にまで達した。
日本では約6700年に一度のペースで破局噴火が起きているが、最後に起きたのは7300年前の鹿児島県南方沖の海底火山(鬼界カルデラ)噴火。この鬼界カルデラの破局噴火は西日本の縄文文化を壊滅させた(だから縄文遺跡は青森など東北に多い)。
阿蘇山は分かっているだけで4回も破局噴火を起こしている。いま日本人は、阿蘇山はもう破局噴火しないという前提で玄海原発と川内原発を九州に造り、四国に伊方原発を造っているけど、その根拠はなに?

//今日の国会、「桜を見る会」をめぐる安倍氏の「募っているけど募集していない」、この迷答弁に耳を疑った。“安倍晋三事務所”名で、「桜を見る会」を含む観光ツアーへの参加を募る文書が地元有権者に送られていたことについて、野党は「募集していることはいつから知っていたのか」と追及。すると安倍氏は「私は、幅広く募っているという認識だった。募集しているという認識ではなかった」と答弁。募集の『募』は『募る』という字であり、『募る』というのは『募集する』というのと同じ意味。中学生でも知っていることなのに、なんで国のトップがこんな言い訳するんだろ。
●1月27日…〔今日の良かった〕昨日の大相撲初場所の千秋楽は熱かった。幕内で1番下位となる「幕尻」(西前頭17枚目)の徳勝龍が14勝1敗で優勝!幕尻力士の優勝は貴闘力以来20年ぶり2人目。そして奈良県出身の力士としては98年ぶりの優勝。33歳5カ月での優勝は年6場所となった1958年以降で3番目の年長記録だ。徳勝龍はこれまで十両転落を繰り返し、今場所は4場所ぶりの幕内復帰。十両から戻った場所で優勝した力士は過去にいない。優勝インタビューが面白く、「千秋楽の前日は優勝を意識せず、試合に集中していました。…嘘です、バリバリ意識していました、優勝インタビューの練習をしていました」と“告白”し、場内はバカウケ、笑いに包まれた。一方、場所中に恩師が他界したことについてインタビュアーが触れると、徳勝龍は一気に涙ぐみ、師弟の強い絆を感じ観客は胸を動かされた。おめでとう、徳勝龍!

//先日の衆院代表質問で、選択的夫婦別姓に関する野党の質問時に、自民の杉田水脈(みお)衆院議員が「それなら結婚しなくていい」というヤジをとばした件。選択的夫婦別姓の問題で苦しんでいる人を傷つけるものであり、こんなヤジを国会議員が、それも女性の側が言うのかと絶句。杉田議員はLGBTと呼ばれる性的マイノリティーの人たちについて「生産性がない」と主張し問題になったばかり。世界の潮流はLGBTの悩みに耳を傾けようというもの。同じ自民の野田聖子元総務相でさえ「選択的夫婦別姓は多くの支持を得ている。世の中にもっと寄り添ってほしい」と苦言。
…だが、杉田議員は強気だ。なんといっても安倍氏の虎の子であり、前回の衆院選では安倍氏のゴリ押しで比例中国ブロックの単独候補最上位とされ当選したから。比例の名簿トップであり、落選するわけない。安倍氏にとっては他のベテラン自民議員よりも杉田氏が有能に見えるのだろう。そして杉田議員はいまだに、安倍氏に最も近いジャーナリストに暴行を受けた女性について、「男性と2人きりで酩酊するほど多飲した(被害者は薬物混入と疑念)から、女性の方に落ち度があった」と攻撃している。正直、ドン引きです。
●1月26日…〔今日の良かった〕奈良時代に遣唐使船で留学生として唐に渡り、帰国後、日本の政権中枢で活躍した吉備真備(きびのまきび/695−775)。これまで真備の書はひとつも見つかってなかったが、中国滞在中に真備が筆をとったとみられる8世紀前半の墓誌が中国で見つかったと昨日発表された。中国人の墓誌を日本人が書いたことが確認されたのは初めて。
吉備真備は後世の菅原道真と並ぶ学者政治家で、儒教や兵法などに通じていた。のちに唐で官僚になった阿倍仲麻呂らと一緒に717年に留学生として唐に渡る。帰国後は政権内で活躍したが左遷され、遣唐副使として再び唐に渡った。再帰国後に政権中枢の右大臣まで出世し81歳で他界。
真備が書いたのは、唐王朝で外国使節の接待などをつかさどる「鴻臚寺(こうろじ)」という役所の中級官僚だった李訓(りくん)の墓誌で、開元22(734)年6月20日に死去し、同年6月25日に洛陽の郊外に葬られたことなどが、長さ35cm、幅36cm、厚さ8.9cmの石に計19行、328字が楷書で刻まれている。末尾の1行に「秘書丞(ひしょじょう)ちょ思光(ちょしこう)文」と「日本国朝臣(あそん)備書」とあり、文章を考案したのが中国人で実際に書いたのが「備」と呼ばれる日本人とある。
真備は鴻臚寺に招かれた教師から儒教や歴史などを教わったとみられ、墓誌がつくられたのと同じ年の10月に帰国船に乗っている。東野治之氏(日本古代史)「鴻臚寺で勉強した真備が李訓からお世話になった可能性があり、その訃報に接し、ゆかりのある真備が筆をとったのかもしれない」。20年近い留学生活を探る貴重な史料となった。
  「日本国朝臣(あそん)備書」とある
●1月25日…〔今日の良かった〕宮崎駿監督は引退宣言を撤回し、いったん解散したジブリのスタッフを再結集し、新作『君たちはどう生きるか』を制作中。スタジオの新体制について語ったインタビュー(新聞)が良かったので抜粋。
「働き方改革で(午後)8時には帰れってなっているんですよ。僕ははじめ抵抗していたんですが、8時にみんな帰った後、ひとりでたばこを吸っても、1時間と持たない。「誰もいないな」って(笑)。だから結局僕も8時に帰るようになったんです。ただ僕は出てくるのがどうしても遅いんです。そうなると「おれが一番働いていない」って。だからつじつまを合わせるために、(スタジオは)土日が休みだから、土曜半日出て、晩飯までには帰る。
この前、土曜が用事でつぶれて日曜に出たんですよ。そしたら月曜からダメージがもろにきて。1週間に1日も休まないっていうのは本当にだめになっています。昔は日曜も平気で出ていたけど、もうだめですね。働き方改革なしで夜12時までやっていたら進むのかと言ったらたぶん進まないですね。だから8時には帰ると決めたのは悪くないですね。一斉に潔く帰っちゃう。そうするとなんとなくみんなでぞろぞろ帰る。8時には帰るようになってみんな人間的な顔になった。土日休みでしょ、月曜日ちゃんと明るい顔して出てくるから。」

//中国で猛威をふるう新型肺炎コロナウイルス。ニュースを見るたびに感染者が増え続け、今朝は死者が41人に跳ね上がった。中国は今日から旧正月に入り、“のべ30億人”が里帰りや旅行を行う世界最大規模の民族大移動が始まる。いったいどうなってしまうのか。収束の目処が立たず心配している。
●1月24日…〔今日の良かった〕先月、米下院がウイグルでの人権弾圧に関わった中国政府高官らに制裁を科すことを求める「ウイグル法案」を可決して良かった。中国当局は新疆(しんきょう)ウイグル自治区内の収容所にウイグル族ら80万〜200万人以上を拘束し、虐待や拷問、殺害をしていると言われている。国連人種差別撤廃委員会も不当に拘束されたウイグル族の解放を中国政府に勧告してはいるが、国連は深刻な財政難に陥っているため、世界2位の国連予算分担国の中国の人権問題に及び腰だ。トランプ氏は就任以来、米中関係で貿易問題ばかりを重視し、ウイグル族の大規模拘束問題に殆ど触れてこなかった。「ウイグル法案」は人権弾圧に関与した中国当局者らへのビザ発給を制限し、中国の28機関・社に輸出を制限するもの。ウイグル族の人権救済に向け、事態が前進しますように!
●1月23日…〔今日の良かった〕ゼネコンの前田建設工業「ファンタジー営業部」は、アニメに登場する巨大建造物を真面目に設計、見積もりするユニークなチーム。有名なマジンガーZの格納庫の以外も計算していたので以下にメモ。999の宇宙行き出発レールが想定より安く、これ造ってほしい。空に向かって伸びるレールはオブジェとしても美しいと思う。

2003年 「マジンガーZ」地下格納庫 72億円
「銀河鉄道999」地球発進用高架橋 37億円
2010年 「機動戦士ガンダム」ジャブロー基地を創ろう 2532億円
2011年 「サンダーバード」トレーシーアイランド 4496億円
2011年 ドミノ・ピザ月面店舗 1兆6700億円
2013年 「宇宙戦艦ヤマト2199」建造準備及び発進準備工事 1207億円
●1月22日…〔今日の良かった〕英国ダイアナ妃はパパラッチに追われ、交通事故で悲劇的最期を遂げた。その息子のハリー王子(35)とメーガン妃(38)が、過熱する報道に疲れて王室の主要メンバーから身を引きたいと宣言したのは理解できるし、希望が叶えられて良かったと思う(一部の公務を続けたいとする思いは却下されたけど)。
ちなみに日本の場合も、皇室で生まれた女性皇族や天皇から血縁の遠い男性皇族は、15歳以上になると皇族や三権の長らでつくる皇室会議で認められれば、自らの意思で皇族の身分を離れることができる(皇室典範)。ルール上は、愛子さまや眞子さまも、しんどいときは皇族をやめることが可能だ。

//3年間連載した『音楽の友』の最終回を入稿。感無量なり。掲載は3月号。全36回で125名の音楽家、書きに書いた!
●1月21日…〔今日の良かった〕自認する性と体が異なるトランスジェンダーなど性的少数者(LGBT)が、本人が望む性で制服を選べるように「性別表現の自由」を尊重することを盛り込んだ全国初の条例改正案を、東京都港区が2月の区議会定例会に提出する。これまでも区立の中学校ではトランスジェンダーの生徒から申し出があった場合、ズボンやスカートなど本人が望む標準服(制服)を選ぶことができたが、最終的な判断は校長にゆだねられていた。条例を制定することでトランスジェンダーの方の生きづらさの解消に繋がるといいな。

//少女×ヘビメタという異色のユニット「BABYMETAL(ベビーメタル)」。今年、結成10周年を迎える彼女たちは国境を超えて支持を広げ、昨秋3枚目のアルバム「METAL GALAXY」が米ビルボードの総合アルバムチャートで、日本人ユニットで最高位の13位を記録した。日本語の歌声とダンスを融合したスタイルをどの国でも貫き、「レッド・ホット・チリ・ペッパーズ」のライブにゲスト出演するなど、国内より海外の人気がすごい。墓巡礼で渡航した際、彼女たちの巨大看板をイギリスやドイツで何度か見かけた。
※BABYMETALファンの人に、今度のオフ会で魅力をレクチャーしてほし〜い! 
●1月20日…〔今日の良かった〕東京のみで上演された歌舞伎版『風の谷のナウシカ』、児玉竜一さん(早稲田大学教授)のレビューを読んで益々観たくなった。
→「新作歌舞伎の上演史においても、主演の尾上菊之助の個人史においても、特筆される壮挙ではあった。初日に所見。新作歌舞伎としては異例の昼夜通しで、幕間(まくあい)を除くと6時間。映画版の内容は85分の序幕で早々に終わり、腐海の謎、世界の謎を探る原作版の物語が続く。映像効果をできるだけ抑え、古典歌舞伎風のアナログ手段を応用するのがみそ。音楽は和楽器で演奏され、差し金による虫の動きや、子役を使った遠見、衣装の色を変える引き抜きが効果をあげる。王蟲との交感や、虫たちの大暴走への失意は舞踊で表現され、巨神兵と墓の主の対決は、尾上右近と中村歌昇らが獅子の姿を借りる形に置き換えられた。キツネリスのテトが「本朝廿四孝」の狐火(きつねび)よろしく、ナウシカを覚醒させるのも原作にはないが面白い。複雑な長編をよくぞ描いたが、ダイジェストが得意な演出家G2の仕事なら予想通り。(略)菊之助は明確なせりふで、大詰(おおづめ)の対決を盛り上げた。中村七之助のクシャナが、役の置かれた位置を明快に示して圧倒的にすばらしく、片岡亀蔵のクロトワ、市村橘太郎のミトをはじめ、絵から抜け出たような脇役も活躍する。」
※映画版のナウシカの歌舞伎化と思いきや、上演時間6時間で原作漫画全7巻をやったという!先日のEテレ『ETV特集』では、衣装、背景美術、音楽、ゼロから舞台が出来ていく過程が丁寧に記録されていた。5代目尾上菊之助の本気を見た!
●1月19日…〔今日の良かった〕大河ドラマ『麒麟がくる』第1話がついにオンエア!20年前からサイトで訴え続けてきた「明智光秀視点の大河を!」がようやく実現、感無量。初回では、僕が好きな戦国武将の1人、松永久秀(吉田鋼太郎)が長いセリフ付きで登場し嬉しかった。壮大なテーマ曲を手がけたジョン・グラムは米国の作曲家。ハンス・ジマーばりに重厚なサウンドで、一気に引き込まれた。ぶっちゃけ、映画音楽が好きな僕でもジョン・グラムなんて名前は初耳。制作陣はよくこの人を見つけてきたなぁ。
●1月18日…〔今日の良かった〕先日、末端の暴力団組員関与のオレオレ詐欺で、暴力団トップの責任を認定する初の高裁判決が出た。代表者としての責任を認めた地裁判決を維持し、暴力団側の控訴を棄却した。問題となったのは、住吉会系の組員らが茨城県内の3人に親族を装う電話をかける手口で、計500万円をだまし取るなどした事件。暴力団対策法は、組員が組の威力を利用して資金を獲得した場合に組の代表者も賠償責任を負うと規定。これに基づき、被害者3人が住吉会トップとナンバー2の最高幹部2人に賠償を求めて提訴していた。
…暴力団がらみの事件が起きる度にいつも思う、なぜ国家権力は犯罪組織の存在を黙認しているのかと。政府は遠い中東のホルムズ海峡に自衛隊を出す前に、まず国内の一般市民を暴力団から守ってくれと。こっちの方がよほど日常生活に危機を及ぼしている。
「任期中に暴力団を撲滅する」と公約を掲げる首相や政党が現れれば、多くの人が票を投じると思う。オレオレ詐欺を左翼過激派や国際イスラム過激派が実行していたら、公安・警察は組織の威信をかけて壊滅まで追い込むだろう。それと同じ熱量を暴力団に向けてほしい。映画監督・伊丹十三さんは個人でヤクザと戦ったためターゲットにされた。武装した国家の実力組織しか暴力団と戦えないのだから、ほんと頼む、頼みます。
●1月17日…〔今日の良かった〕香港の民主活動家が温暖化問題と民主化運動弾圧について「中国はいずれの問題でも信頼に値しない。世界が目的達成のため、団結しなければならない」と呼びかけ、これにスウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリさん(16)が「勇敢に鼓舞する重要なメッセージだ」とコメント。グレタさんは米タイム誌の「今年の人」に選ばれるなど影響力を強めており、香港への苛烈な弾圧の牽制という意味でも、香港デモ支持の態度を表明するのは良いことだと思う。ネット掲示板には、アンチ・グレタの人が「彼女は背後で中共政府と繋がっている」などと書き込んでいたから、これでその手の中傷はグッと減るだろう。

//6434人が犠牲になった阪神・淡路大震災(1995)から25年。当時の僕は27歳、ボランティアで入った神戸では、下層階が押し潰されたマンションやアパートの多さに立ちすくんだ…。失われたたくさんの生命に合掌。
●1月16日…〔今日の良かった〕文化庁が「あいちトリエンナーレ」に補助金(約7800万円)“不交付”を決定したことについて、文化庁前長官・青柳正規の「私なら辞めている」などの抗議コメントが良かった。
「補助金を出すことは審査委員会で決めたのに、彼らの意見を聞かずに不交付にしたのは、非常にまずい。デュープロセス(適法手続き)になっていない」
「公的な補助金については、必ず公の審査委員会の判断で、公平性、公正性、透明性を確保することが近代国家の大前提。それを破っている。オーバーランです」
「ある芸術の評価は、専門家に任せるべきです。文化政策において、常に念頭に置いておかなければならないのが、ナチスの文化政策です。政治への防御壁を作っておく必要がある
「本来は、英国のようにアーツカウンシル(芸術評議会)を作って本省から資金を出し、そこから専門家の判断で補助金を交付することが望ましい。政治との間にワンクッションが必要なんです」
「あいちトリエンナーレの動きのなかでいえば、一貫して『表現の自由』を唱え、介入しなかった大村秀章・愛知県知事の姿勢はぶれずに、非常によかった」
「(私が文化庁長官なら)もちろん辞めます。だってトップは、何か起きたときに辞めるためにいるんだから」
●1月15日…〔今日の良かった〕昨年11月30日に76歳没した旧ソ連・ラトビアの指揮者マリス・ヤンソンスさん。誕生時の1943年はナチス占領下にあり、ユダヤ人の母は家族をゲットーで殺害された。朝日の追悼コラムで紹介されていたヤンソンスさんの言葉が良かったのでメモ。
「政治家は、芸術と娯楽を常に一緒くたに考える。物質社会のもと、心に栄養を与える芸術が軽んじられている。真の芸術を未来へと継承する責任が、私にはある」。

//『音楽の友・2月号』に「世界音楽家巡礼記・第35回」を寄稿。今号は初の日本人音楽家特集。滝廉太郎、山田耕筰、伊福部昭、團伊玖磨、武満徹など8名を紹介。
瀧廉太郎は21歳の時に、日本人による初の合唱曲、“春のうららの隅田川”で有名な『花』を含む組歌『四季』を作曲する。ピアノの伴奏がついた歌曲というのも日本で第一号だった。同年に『荒城の月』も作曲。二十歳すぎと思えぬイブシ銀の曲調で月下の古城跡を旋律にした。
1902年、悲願のドイツ留学(文部省からの男子音楽留学第一号)を果たした滝廉太郎は、半年後に現地で結核を発症。無念の帰国後、曲を発表するあてもないまま、死の4か月前に最後の力を振り絞って絶筆のピアノ曲『憾(うらみ)』を作曲した。この“憾”とは未練や無念という意味であり、恨みの意味ではない。自筆譜の余白に「Doctor Doctor」と走り書きがあり、生を繋ぎとめようとする廉太郎の叫びが伝わる。享年23歳10カ月。
:『憾(うらみ)』 (2分50秒)
最期の言葉は枕元の父親に語った「お父さん、意気地なく、御恩の万分の一もお返しできず…お許し下さい」。34曲が残っているが、死因が結核であるため没後に多くの楽譜が焼却されたといい、それもまた廉太郎の悲劇といえる。

  楽譜に医者を呼ぶ言葉が…

/来月の『音楽の友』で3年間の連載がついに完結。紹介した音楽家は100人を超え、最後に紹介するハイドン、メンデルスゾーンを激筆中。年末年始はひたすらハイドンをスピーカーで流しまくり、交響曲第1番から第104番まですべて聴いた。ハイドン・マラソンだ!弦楽四重奏曲68曲やミサ曲も織り交ぜ、隙あらばハイドン、帰省中も妻の実家の台所で聴き続けた。交響曲104曲を聴き終えた後、印象を言語化するために、もう一度、第1番から交響曲を聴き直し、昨日2巡目がようやく終わった。ハイドンの原稿が完成し、続いてメンデルスゾーンに突入。彼は38歳で病没しているので同情心もあり、これまた一音、一音、聴き逃すまいと集中。
ここ数日、サイト日記の更新が遅れていますが、26日頃に脱稿するので、そしたらまた一気に日記をアップします。わが人生の特別な3年間、クラシック漬けの3年間がもうすぐ終わる。達成感もあり、寂しさもあり。
●1月14日…〔今日の良かった〕先入観というのはやっかいなもの。読者の方に危ないところを救っていただいた。年末にアップしたシネマ・レビューに重大な間違いがあった。傑作映画『マンチェスター・バイ・ザ・シー』の感想で、マンチェスターはイギリスという思い込みが僕にあったため、「北部イングランド・マンチェスターの寂しげな風景が心にしみる」と書いた。でも登場人物の会話にボストンが出てくるのにイギリスのわけがない!映画には港が出てくるけど、英国マンチェスターは内陸部にあり、そもそも海に面してない。アメリカにあるマンチェスターなのになんで英国と…(汗)。連絡を下さったNさん、本当に有難うございました。一般メディアに書いていれば赤っ恥のこきっ恥でした。
50歳をすぎて日に日に記憶力の劣化を痛感する今日この頃、文芸ジャンキーは読者の方に支えられて、今日も運営されています。

//朝ドラ『スカーレット』のBGMがとても素晴らしい。クラシック風、ジャズ風、タンゴ風、ロック風、インド音楽風、まるで音の万華鏡!作曲者は冬野(とうの)ユミさん。ウィキを見ても年齢がわからなかった。担当した作品も多いとは言えない。番組製作者はよくこの人を抜擢したなぁ。選んだ人えらい!オリジナル・サウンドトラックをマジで買おうかな。

//これ自民の内部でも絶句している人いるだろう。昨年の参院選、同じ選挙区(広島)に2人の候補を立て、アベ・菅のお気に入りの河井案里氏(夫は首相の側近中の側近)には自民党本部から「選挙資金」を1億5000万円入金、もう一人の候補・岸田派の溝手顕正氏にはその10分の1の1500万円入金。結果、溝手氏は落選。同一選挙区の同じ党の候補者同士で10倍もの差をつけるなんて聞いたことがない。っていうか、前代未聞だろう。同じ自民党議員同士で、官邸に覚えめでたいかどうかで10倍も差をつける、このえこひいきの露骨さよ。まったくフェアではない。挙げ句の果てには、公職選挙法違反疑惑(ウグイス嬢問題)で河井案里氏の事務所に家宅捜索。秋の国会をサボって150連休してボーナスだけ受け取る。訳がわからない。
官邸に近い人物の自民党の下村博文・選挙対策委員長ですら昨日はこんなコメントをしている。「(1億5千万円の支払いは)私にとっても想像を超えている。候補者に直接、党本部が政治資金含めて選挙活動費を振り込むことはありえない話。確かに、接戦の所は相場に上乗せすることもあるが、ちょっと桁が違うと驚いている。(誰の判断なのかについて)党本部ということであれば(二階俊博)幹事長、あるいは(安倍晋三)総裁の判断ということ。振り込みだからどこの指示かは分からないが、そういうレベルだろう。」
●1月13日…〔今日の良かった〕日曜深夜のNHKアニメ『映像研には手を出すな!』が大当たり。『ヴィンランド・サガ』を同時間枠でセットしていたので、最終回のあと自動的に『映像研』第1話が入っていた。“消す前に主題歌だけでも聴くか”と何となくつけていたら、主人公(高校女子)が『未来少年コナン』の動画的魅力を熱く語り始め、思わずガン見。コナン(探偵じゃないよ)に登場するフライングマシンの素晴らしい浮遊感や、空中要塞ギガントの巨大さを見せるために小さな飛行艇が必ず画面を横切る演出など、当方コナンをリアルタイムで見ていた世代ゆえ、「そうそう、そうなんよ!そこがいいんよ!」と共感ツッコミ。
当初、“アニメを描きたい少女と仲間”という設定に“またどっかで聞いたことがある話…”と完全に食傷気味&興味ゼロだったけど、主人公の浅草さんがやりたいのはキャラを動かすことではなく、メカや世界観=設計デザインと知って興味を惹かれたうえ、登場する映像が、まるで宮崎駿さんのラフスケッチ!ジブリ絵!同志になった人物画の水崎さんもアニメへの情熱は本物。一方、浅草さんの友人金森氏(女性)がカネの亡者で、アニメ制作の志が極めて低いという温度差も面白い。原作はスピリッツ(月刊)に連載されているとのこと、ネタバレを阻止するため『映像研』関連の一切の情報を遮断して日曜夜を楽しみに待ちたい。
●1月12日…〔今日の良かった〕昨日の台湾総統選は中国・習近平主席に抵抗する蔡英文現総統が、台湾選挙史上最多となる817万票を獲得して再選・圧勝!投票率は74.9%、国民の意は決した。親中派の国民党は完敗だ。昨年11月は香港区議選で民主派が大勝しており習近平は2連敗。もはやこの民主主義を求める流れは止まらない。中国共産党による一党独裁は明確にノーを突き付けられている。
人間は生活が安定していても、それが抑圧された状態であれば、必ず自由を渇望するようになる。旧ソ連がそうだった。餓死する国民がおらず、マフィアがいなくて治安が良く、米国に対抗できる軍事力があっても、民衆は言論の自由、秘密警察に突然逮捕されない社会、良心の解放を求めた。賢明なゴルバチョフは、武力で民主化運動を弾圧せず、国民に銃口を向けず、大流血なしに北の帝国を民主国家にソフトランディングさせた。
中国共産党も永遠に一党独裁などできず、必ずどこかで民主化を決断するときがくる。中国の人口は約14億人、絶対に泥沼の内戦だけは避けなければならない。中央アジアに近い地域は必ず独立を求めるから、住民投票を実施して平和的に解決すること。この対応を誤ると取り返しがつかなくなる。
習近平もまさかこれほどまでに、台湾と香港で親中派がボロ負けするとは思わなかっただろう。現実をその目で見たのだから、ほんと、ここからは、慎重のうえにも慎重に、細心の注意を払いながら、民主化の準備を進めてほしい。党中央は経済が大きく発展すれば台湾・香港が北京になびくと思っていただろうけど、人間というのはカネより個人の尊厳が重要なのだと、2つの選挙結果は世界に示した。
●1月11日…〔今日の良かった〕仕事をしてると昔のようにアニメを見る時間がなく、毎週見られるのは1、2本、要厳選だ。年末に超重厚アニメ『ヴィンランド・サガ』が圧巻の最終回を迎え、しばし虚脱状態になっていたけど、そろそろ次の作品をという気持ちになり、「ヴィンランドのように歴史アニメがいいな」となっていたところ、以前からいろんな人にお勧めされていた『キングダム』のことを思い出した。
ちょうどネットフリックスにあったし「試しに1話だけ見てみよう。実写映画になったし、マンガ大賞だし、本屋では平積みだし、よっぽど良いんだろう」、そんな軽い気持ちで見始めた。アニメ化(第一期)は2012年、もう8年も前に放送されたようだ。
「ほほう、三国志の時代より500年くらい昔の春秋戦国時代の中国が舞台か。この2人の若者、信(しん)と漂(ひょう)が主人公なんだな。2人とも孤児で下僕。ふむ、なるほど、この2人の成長物語で、最後は2人が国家の中央に登りつめるっぽい。もしくは、たもとを分かち最強のライバルとなって互いに立ちはだかるか、そういう展開になるのだろう。ただこのCGアニメの動き、不気味というか、ちょっと生気がなくて抵抗があるな…」
第1話だけが50分構成。そして50分後の僕。
「えっ!?えええ!?えええええええーーーーーっ!?うっそ!!うそうそうそ!!なんで?どうなってんの!?」
まったく予想してなかった強烈なツカミ。衝撃の展開に絶句していると、ネットフリックスが「第二話まであと10秒」とタイムカウントを始めた。うお、自分で停止ボタンを押さないと、自動的に次の話がオンエアされるのか。しかもオープニングの歌をカットして本編から初めてくれる丁寧さ。アイ・キャント・ストップ、「そりゃ、最初の10分だけでも続きを見ないと。彼はどうなってしまったん!?」
…それからは「ダーッ!またこんな良いところで終わったら続きを見るしかないやろ」「王騎将軍ってイイモノ?ワルモノ?こういう唇は敵っぽいが違うのか?」「貂ちゃんのフクロウ、フィギュアあったら買うぞ」「山の民のお面が気になる」「ムタさん…」「宮廷はクズの巣窟」「壁(へき)さんガンバレ!」
あれよあれよで、王都攻防戦に一区切りがつく第15話まで2日でイッキに見てしまった。面白すぎる。次の呂とかいう男も、相当手強そうだし、とにかく話の持っていき方がうまい。そりゃ人気が出るはずだ。CGの人形っぽい動きは早々に慣れた。
ウィキを見るとアニメ第一期は38話、第二期は39話、さらにこの春から第三期がNHKで始まるとのこと。楽しみはまだまだ残っている。掲示板やメールで『キングダム』を推薦して下さったすべての方に感謝!
※『キングダム』を一通り見終えたら、その次にお薦めされることが多い、噂の『ゴールデンカムイ』にデビューしたい。同作のヒットでアイヌ文化に注目が集まったとか。もうめっちゃ期待している。
●1月10日…〔今日の良かった〕大作曲家ワーグナーは間違いなく真の天才なんだけど、傲慢・不遜な性格でドン引き発言も多々あり個人的には友達になりたくないタイプだった。そう、“だった”であり今は過去形だ。なぜか。作曲家ウェーバーの墓のことを調べていて、大感動した発見があったからだ。
もうすぐ来月号に切り替わってしまうけど、発売中の『音楽の友1月号』に「世界音楽家巡礼記(34)伝説の指揮者たち」を寄稿しており、その原稿を書いていたときのこと。トスカニーニ、ワルター、ベームなど大指揮者の墓を紹介するなかで、指揮棒を初めて使ったドイツの作曲家カール・マリア・フォン・ウェーバー(1786-1826)のことも採り上げた。
ウェーバーはベートーヴェンと同時代の人物で、ドイツの音楽界がイタリア語オペラに支配されていた時代に、ドイツ民話にもとづくドイツ語オペラ『魔弾の射手』を発表して大喝采を浴びた。だが、結核におかされ、愛する家族を養うために演奏会で渡ったロンドンで病状が悪化、わずか「39歳」で客死する。子どもは4歳と1歳、没する2日前、ドイツにいる妻に最後の手紙を綴った。「神が我が家の全員を祝福し、健康を与えて下さるように」「君たちの側にいたい…」。遺骨は18年後にワーグナー(当時31歳/1813-1883)がドイツに改葬した。彼はウェーバーの27歳年下で、若いころ『魔弾の射手』に感激して作曲家を志しており心からウェーバーを敬愛していた。
 
僕がドレスデンでウェーバー家に初墓参した際、大黒柱を失った妻子がどうなったのか気になっていたので、真っ先に墓石の没年をチェックした。「1800年代始めだし50歳までは生きててほしい…」。カロリーネ夫人は55歳、ホッ。次に別れ際に駅馬車のお馬さんを撫でていた4歳のマックス坊やは58歳。よし。そしてまだ1歳だった次男アレクサンダーは…19歳、この子は早逝していた。アレクサンダーが他界したのは1844年。待てよ、ワーグナーがロンドンからウェーバーの遺骨をドイツに帰してあげたのも1844年だ。繋がった…繋がってしまった!おそらく若死にしたアレクサンダーを不憫に思って、父子を同じ墓所に埋めてあげたんだ。それならワーグナーの株は僕の中で爆上げだ。ワーグナーは改葬の前年に“楽劇(ワーグナー・オペラ)”の出発点であり、初期を代表する歌劇『さまよえるオランダ人』をドレスデン歌劇場で初演している。墓地は歌劇場の近くだ。彼は恩返しのつもりでウェーバー家のために尽力したのでは。1歳で父と別れたアレクサンダーは顔を覚えていないし寂しかっただろう。晩年の手紙で家族との再会を切望していたウェーバーの想いを考えると、ひとつの墓石にウェーバー家みんなの名があるのを見ていると目頭が熱くなった。

このウェーバー&ワーグナーのエピソードにはさらに胸熱の後日談がある。ワーグナーはウェーバーの改葬から3年後、墓地の真向かいの家に引っ越してきた。道を渡ってたった10秒。今、その家は現地で“ワーグナーハウス”と呼ばれ、壁面にワーグナーの肖像がかかっている。引っ越し当時のワーグナーは、自信をもって初演した『さまよえるオランダ人』も『タンホイザー』も人気が出ず、上演がすぐに打ち切られたりしていた。そしてこの家で『ローエングリン』を書きあげたものの、初演のメドさえ立たなかった。だが、尊敬するウェーバーだって、イタリア・オペラ全盛期に自分の楽才を信じてドイツ・オペラ(魔弾の射手)を、肺結核を抱えながら3年かけて書きあげている。ヒットの保証はなかった。おそらくワーグナーは、心が折れそうなときにウェーバーの墓前で勇気とパワーをもらいたくて、墓の前に転居してきたのだろう。そうとしか考えられない。その2年後、ワーグナーはドレスデンの革命運動・五月蜂起に参加したことで指名手配され、スイスに亡命。かの地で『トリスタンとイゾルデ』『ラインの黄金』など代表作を生み出していく…。30歳代半ばの、才能を開花させる前、大ワーグナーになる前の彼が、ウェーバーの墓前で自分を励ましている姿を想像するとグッとくる。ほんと、墓というものは本人が他界した後も誰かの人生を支えていくのだとしみじみ思った。

ウェーバー家
全員集合だ
約170年前ワーグナーもこの墓前に
立っていたと考えると胸がいっぱいに

//ぐおおお、3日がかりで日記&「今日の良かった」を1/2〜1/9まで遡って加筆!時事問題で暗いニュースがあっても、毎日、良いことだってあるはず。昨年は半年で筆を折ったので、今年こそ最後まで完走するつもり!リテラの『芸能人よく言った大賞』『御用ジャーナリスト大賞』は共感ポイント多し。
●1月9日…〔今日の良かった〕『メガヒット相次ぐ、国内映画興収2019年は過去最高』
映画ファンとしてこれは嬉しい!映画の売り上げを表す国内の興行収入が、昨年は最高の2500億円を超える見通しに。6月には多くの映画館で入場料金を100円値上げしたにもかかわらず、入場者数も最多の1億9千万人超になる見込み。興収100億円超のメガヒット作品が相次ぎ、大都市に進出してきた大型シネコンが普及したことが背景にあるとのこと。
2018年の100億円超えは『ボヘミアン・ラプソディ』の1本のみだったが、19年は新海誠監督の『天気の子』が140億円、ディズニーの実写版『アラジン』が121億円、『トイ・ストーリー4』が100億円を記録するなど3桁超えのメガヒットが3本あった。50億円超えも『名探偵コナン 紺青の拳』(93億円)、『ライオン・キング』(66億円)など8本!正月前後や春夏休み、ゴールデンウィークがない閑散期でも、『ジョーカー』『翔んで埼玉』などヒット作が続いた。11月下旬公開の『アナと雪の女王2』も100億円超え目前らしい。ネットフリックスの上陸をビビっていた映画界だけど、家庭で気軽に観られるネットフリックスやアマゾンプライムが、映画ファンを増やすことに貢献しているのかも知れない。

//日産の従業員をクビにしまくって自分自身は10億円を超える役員報酬をもらっていた非情な“ミスター・コストカッター”カルロス・ゴーン。年末の逃亡劇は仰天したし、姑息なやり方に腹が立っているけど、今日の森雅子法相の会見「潔白というのなら司法の場で無罪を証明すべきだ」には椅子から転げ落ちそうになった。国際的に司法は推定無罪が原則。有罪の立証責任は検察官にあり、被告に無罪の立証責任はない。森法相は「言い間違えた」と言ってるが、ツイッターにもフェイズブックにも「無罪を証明すべき」と書いており、言い間違いではなく、本当にそう思っていたようだ。元弁護士なのに。
ゴーンは「日本の司法制度は北朝鮮なみ」と煽ってるが、奇しくも森法相自身がそれを体現してしまった。それとは別に、諸外国の司法制度に比べて日本が圧倒的に遅れているのは、「取り調べの弁護士立ち合い」だ。ハリウッド映画を観ると、必ず犯人の隣りに弁護士がいる。米国だけじゃない。イギリス、フランス、ドイツ、韓国、どこも取り調べの際は弁護士が同席している。この制度がないだけで、世界はゴーンの話を聞いて「そりゃ酷い」ってなってしまう。世界標準に合わせて早く改正するべき。
●1月8日…〔今日の良かった〕イランからの報復爆撃は死傷者ゼロ人、トランプもイラン側も「これ以上軍事作戦は行わない」と宣言、まだまだ予断を許さないけれど、ひとまずは中東の破滅的な軍事衝突は回避できたようで良かった。ただあのイラン人数百万人が参列したソレイマニの葬儀を見ると、これで終わることができるのか、崇拝者が納得できるのか、そこが心配。
〔1/12追記〕民間航空機の誤射事件を発端に、イランで反政府デモが始まった。飛行機撃墜ではイラン人もたくさん亡くなったのに、イラン指導部が当初誤射を否定し、国民に不信感を与えた。もともと昨年11月に反政府デモで死傷者が出る不安定な政情、反政府運動が拡大する可能性がある。
●1月7日…〔今日の良かった〕年末の川崎簡裁の判決で、ネット上の差別的な書き込みに対し、全国で初めて迷惑行為防止条例違反が適用された。川崎市でヘイトスピーチに反対する活動の先頭に立ってきた在日コリアン3世・崔江以子さんに対し、ツイッターで「差別を楯にのうのうと暮らす在日朝鮮人を許さない。一切の権利を認めない」など名誉を傷つける投稿を“匿名”で繰り返した神奈川の池田茂幸氏(51)に、川崎簡裁は罰金30万円の略式命令を出した。今回適用されたのと同様の規定は、北海道、東京、愛知、大阪、福岡など、他の都道府県にもある。崔さんの弁護士は「同様の行為に対する抑止力となる」と評価。2016年に成立したヘイトスピーチ対策法には罰則規定がないので、今回の迷惑行為防止条例違反適用がほんと抑止効果になってほしい。

//(昨日の続き)2019年を振り返ったリテラによる『御用ジャーナリスト大賞』の完結編。僕がこれをまとめるのは、個人の糾弾が目的ではなく、問題の内容を通して、この国のあり方を考える為です。保守の人にとっても、リベラルが何にこだわっているのか分かるし、本意が誤って伝わっているなら、どう伝え方を変えれば良いか考えるヒントになると思います。

元記事から要約》
5位:吉本芸人(松本人志、千原せいじ、ほんこん、小籔千豊、加藤浩次)
吉本興業は近年、安倍政権やその周辺から行政関係の仕事を受注しまくっている。問題化して回収になった小籔起用の厚労省「人生会議」ポスターには4070万円もの血税が投入され、国土交通省のおかずクラブ、外務省のケンドーコバヤシ、消費者庁のロバート・秋山竜次、防衛省・自衛官募集キャンペーンへのNON STYLEや尼神インター起用と、各省庁のPRのタレント起用は枚挙にいとまがない。加えて、吉本興業が関わる教育コンテンツなどを国内外に発信するプラットフォーム事業に「クールジャパン機構」が最大100億円を出資することも判明した。吉本芸人の安倍政権御用化はこうした行政ビジネスとセットになっている。ワイドショーに芸人たちを大量に送り込み、安倍政権擁護のコメントを言わせ、その見返りに行政プロジェクトを受注するという構図がここに。松本人志、小籔千豊を筆頭に、近年は千原せいじやほんこんが頭角を現し、せいじは覚えめでたく今年「桜を見る会」に招待。ほんこんは極右雑誌「正論」に登場、「桜を見る会とか追及してる場合ちゃうで」などと連発。闇営業問題で反上層部の急先鋒だった加藤浩次も、『スッキリ』で「桜を見る会」のジャパンライフ会長招待問題について「4年前は普通にマルチの商売をしている会社にすぎない」と、事実を無視した政権擁護をして批判を浴びた。

4位:恵俊彰(+八代英輝)
恵俊彰は菅官房長官と定期的に会食している関係といわれている。MCを務める『ひるおび!』(TBS)では、田崎史郎や八代英輝弁護士と一緒になって政権擁護し、中でも無茶苦茶な“菅官房長官擁護”が問題に。側近の菅原一秀経産相らのスキャンダル辞任、「桜を見る会」をめぐる対応で、影響力低下が指摘される菅官房長官を特集した際、恵が唐突に「その菅官房長官、なんと今日お誕生日でした!」と言い出すというありえない展開。スタジオで失笑が漏れるなか、記者に誕生日を祝われた菅官房長官が返した言葉まで紹介。菅官房長官が会見で窮地に立たされ、官僚のメモに何度も頼るシーンが流れた後も、「ちゃんと資料見て言葉を選んでらっしゃる」と無理やりフォロー。特集の間、絶えず「安定感」「安心感」「鉄壁」と視聴者に擦り込むように連呼し、「ポスト安倍のなかに必ず名前があがる人になってきた」などヨイショ。

3位:田崎史郎
「御用ジャーナリスト」の代名詞的存在として昨年も君臨。政治と金の問題で河井克行法相と菅原一秀経産相がスピード辞任した件に対しては「早めに辞めさせて、後任もすぐに選んでいるんです。これ、危機管理としてはスピード、ここがいちばん大事なんです。そういう意味では非常に優れた内閣」と解説するなど、絶句のエクストリーム擁護を連発。だが、当ランキング3年連続第1位から3位に転落。原因は田崎が「桜」追及の舞台から早々に撤退してワイドショーに出演しなくなったから。田崎自身がジャパンライフの懇談会に参加し、宣伝に協力していたという問題を抱えているため出演を辞退している。

2位:三浦瑠麗
テレビやSNSで“神目線”の政権擁護を連発。「桜」問題では〈桜を見る会が中止に。おそらく「国民感情」への配慮。時の権力者が催す宴には「なぜあいつが呼ばれた」になりがち。全ては国民感情次第ということなのでしょう〉などと“呼ばれていない人たちの嫉妬”にすり替えてヒンシュク。「当たり前のことを前置きして聞き手を納得させ、その流れで唐突に政権擁護へ切り替えて全体が正しいかのように錯覚させる」という三浦論法のトリックは、もうほとんどの人にバレてしまっている。ちなみに三浦氏は2019年に永田町の豪華オフィスに事務所を移転。首相の出身派閥である清和政策研究会(細田派)の勉強会で講演をおこなった。三浦氏いわく「『保守速報』を禁じるんだったら『リテラ』も禁ずるべき」。

1位:岩田明子
元TBS記者・山口敬之や産経新聞・阿比留瑠比と並んで「安倍首相にもっとも近い記者」と呼ばれてきたNHK政治部の岩田明子記者。近年は格上げされ「首相の代理人」「官邸からの出向記者」に。宮内庁担当記者でもないのに特番に登場、新元号が発表された直後にはその言葉(令和)の意味や“安倍首相の思い”まで事細かに解説。それは事前に最高機密である新元号を知らされ、挙げ句、選定した理由まで伝えられていたとしか考えられないものだった。
岩田記者は「文藝春秋」12月号に「安倍晋三VS.文在寅「激突900日」」なるレポートを寄稿、中身は安倍首相を主人公にして現実を二次創作した小説に近いもの。NHKでは奮闘する社会部やWeb版に対し圧力がかかり、その先頭に立っているのが政治部だ。他部署のスクープを潰し、安倍擁護報道を垂れ流す、そうした政治部の象徴こそが岩田記者。公共放送が官邸筋に支配されているのは大問題。

/おそらく来年の正月は状況が激変していると思う。自民岸田文雄、自民石破茂、立憲枝野幸男、れいわ山本太郎、誰かが国のトップになっていることを切望。でないと、森友問題で自ら命を断った財務省近畿財務局の赤木俊夫さんが浮かばれない。赤木さんは遺書に「勝手にやったのではなく財務省からの指示があった」「上からの指示で文書を書き直させられた」「このままでは自分1人の責任にされてしまう、冷たい」と悲鳴を記していた。また、国会で財務省佐川局長(当時。後に国税長官に栄転)が、「財務省側と学園との交渉記録は廃棄した」と答弁していることについて、「資料は残しているはずで、ないことはありえない」と疑問を投げかけていた。親族には「自分の中の常識が壊れてしまった。定期異動で今の部署から移れると思っていたのに異動できず、心身の不調が進んだ」と話していた。親族の方「誠実で正義感が強く、愚痴や人の悪口を言わない人だったのでなぜ死んだのか知りたい」。今年の3月7日で没2年。
●1月6日…〔今日の良かった〕『交通事故死最少3215人・車両性能向上など奏功』。
僕が子どもの頃、交通事故の死者は過去最悪の1万6765人(1970年)を記録し「交通戦争」という言葉が飛び交っていた。昨年は3215人と激減。シートベルト着用の定着、酔っ払い運転の減少、自動ブレーキといった車両性能の向上などが複合的に奏功。ちなみに都道府県別では愛知が17年ぶりにワーストを脱し、千葉が初のワーストに。以下、愛知、北海道、兵庫、東京、神奈川、大阪、埼玉の順。

//将来、いったい昨年2019年の日本がどういう状況だったのか参考にできるよう、リテラによる『芸能人よく言った大賞』に続き、ワーストである『御用ジャーナリスト大賞』も以下にまとめておきます。
元記事から要約》
10位:立川志らく
「あいちトリエンナーレ」の「表現の不自由展・その後」をめぐる発言。芸術監督・津田大介氏と中継で「表現の不自由展・その後」について生討論した際、「再開反対」で息巻く志らくは、「子供の虐待の映像を見せて、これも表現の自由なんだということをやり始めたら、津田さんはどう思いますか?」。保守派が攻撃した「昭和天皇の肖像を焼く映像」と、志らくが例にした「子どもの虐待映像」はまったくの別物であり、前者は戦争時のトップであり公人中の公人、後者は当たり前に犯罪行為。それを同列に並べるのは違う。志らくはさらに「(自民党は)こういう(慰安婦像のような)ヘイトを含むものを芸術としてやるならば、国は金を出しませんよと。そうはっきり言ってくれれば」とした。これは“政府が認めたものだけが芸術”という独裁国家の検閲官のような芸術観であり、愛知の大村知事が呆れていた暴論。
※「毒舌」というのは権力者に向けられるから喝采したくなるのであって、強者目線で弱者へ向けられた毒舌は「嘲笑」と同じで聞いててつらいしカッコ悪い。落語家や漫才師がカッコいいのは、自分より強い者に笑いでしっぺ返しする姿。慰安婦の中には騙されて慰安婦にされた人もいたのに、日本軍は故郷に帰さなかった。いろんな人を演じ分ける噺家さんであればこそ、その辛さを想像できるはず。不幸な境遇にあった弱い立場の人に寄り添ってほしいと切に願う。

9位:堀江貴文
「老後2000万円」問題をめぐり、東京で行われた「年金払え」デモの参加者を〈ほんとそんな時間あったら働いて納税しろや。税金泥棒め〉とツイート。政府への抗議デモはどこの民主主義国でも普通に保障されている市民の権利であるうえ、デモがあったのは日曜。ツイッター読者から〈(税金泥棒というなら)加計学園問題とかもっともっと突いてよ〉と反応されると、〈それこそなんの問題もないっしょ。あほなの?〉。ホリエモンが立ち上げたロケット開発企業は経産省の事業の委託先になっており、リテラはそれで政権に従順なのかと推測。

8位:有働由美子
NHKを退局して「ジャーナリスト」に転身すると宣言、『news zero』キャスターに就いたものの、政権批判はまったくといっていいほど口にせず、「桜を見る会」問題についても当たり障りのない紹介をしているだけ。安倍首相がゲストにきても忖度に終始。
※リテラは「天皇陛下御即位をお祝いする国民祭典」の司会を引き受けたことも批判しているけど、そこはセーフでいいと思う。お二人の笑顔、涙ぐまれた皇后、辻井伸行さんのピアノ、嵐のハモった歌、僕はグッと来た。人間は生まれながら平等という立場から、作られた身分制度としての天皇制は問題だけど、古来からの文化継承者という意味で僕は敬意を抱いている。あと、護憲、平和主義者としての姿勢にも。

7位:小松靖
『ワイド!スクランブル』(テレ朝)は小松アナのせいで露骨な安倍政権擁護やヘイトに近い中国・韓国バッシングを繰り返す『虎ノ門ニュース』(DHC)のような番組になってしまった。「(文大統領には支持率以外に)北と繋がる別の理由があるのではないか」なる陰謀論をまくし立て、旭日旗問題をとりあげるなかで戦中に日本軍が旭日旗を掲げて侵略戦争を行った史実を矮小化。「桜を見る会」をめぐる反社会的勢力との関係について「吉本芸人と一緒にするのは無理がある。反社会勢力から対価を得るということは犯罪によって得たお金を対価としてギャラとしてもらったということだから、それとはちょっとワケが違う」とアクロバット擁護。「桜を見る会」に招待されたという事実をジャパンライフが詐欺に悪用したように、招待そのものが人物や関係企業に「政府によるお墨付き」を与えることになる。闇営業で反社と絡んだ芸人よりもよっぽど罪が重い。

6位:辛坊治郎
選挙前に安倍首相を単独出演させてPRを電波に乗せた“大阪の腰巾着”。ゲスト出演した首相は年金問題や進展のない外交問題について一方的な成果を主張しつづけ、辛坊もフォローを入れつづけた。この日は参院選公示日を少し後に控えたタイミングであり、あきらかに事前運動。首相は放送中に立憲民主党・枝野幸男代表や共産党・志位和夫委員長への猛批判をはじめ、「今度の参議院選挙においては、審議すらしない政党を選ぶのか、審議をする政党を選ぶのか、それを決めていただきたい」などと宣言。この宣言は総理としてではなく、完全に自民党総裁としての発言。「偏向」というのは、まさにこのこと。他にも辛坊は「桜を見る会」問題について「追及している野党の人たちはバカなんじゃないかと多くの人は思う」などと野党批判にすり替え。

特別賞:山口敬之と山口を擁護する安倍応援団
性暴力を働いた山口氏と、伊藤詩織さんに対する卑劣攻撃を繰り出した連中が全員安倍応援団だったというのは偶然ではない。山口氏は「安倍首相にもっとも近いジャーナリスト」として安倍首相の礼賛本を出版、ワイドショーに出演しまくって露骨な首相擁護を繰り広げてきた。一方、安倍首相や官邸の側も山口氏に対して破格の扱いをし、関係者以外が立ち入ることのできない首相執務室での写真をカバーに使わせ、TBS退社後の再就職先の世話や海外の研究員への推薦などに動いていた。そして、詩織さん事件で、山口氏の逮捕が直前に取り消されたのも、こうした癒着関係の結果だった。この問題をめぐっては、小川榮太郎や百田尚樹、上念司、「月刊Hanada」の花田紀凱編集長などといった安倍応援団が、こぞって性暴力を振るう人間を擁護し、平気で性被害者バッシングを繰り出している。決して偶然ではなく、同じ価値観ということ。(つづく)

●1月5日…〔今日の良かった〕(つづき)リテラ『芸能人よく言った大賞』のまとめ後編。この先、リテラが万が一閉鎖された時のため、こういう良い記事は当日記でも要点をまとめておきたい。今回は上位5人!
元記事から要約》
5位:松坂桃李
多くの芸能人が出演拒否した政権批判映画に覚悟の出演
東京新聞の望月衣塑子記者の同名ノンフィクションを原案にした『新聞記者』の主人公のひとりを演じる。安倍政権の現在進行形の不祥事や官僚支配、謀略体質を題材に、官邸の内閣情報調査室の暗躍を正面から描いた本作。政権の方針に反抗的な官僚のスキャンダルをマスコミ関係者にリークしたり、“総理べったり記者”による性暴力と逮捕もみ消しを告発した女性のバッシング情報をネットに投下したり、こうした工作は北村滋内閣情報官が率いる内閣情報調査室の謀略そのもの。この調査室のエリート官僚を演じたのが松坂桃李であり、上司からの命令と、官僚としての理想や良心との狭間で葛藤・苦悩する若手官僚を好演。「日刊スポーツ映画大賞」作品賞受賞の壇上で松坂のコメント。「『これが公開されたら、僕らいないかもね』とプロデューサーに言われていました。無事公開できればいいなという思いが強かった」。

4位:GLAY
令和ブームと安倍政権の歴史修正主義を批判
GLAYが発表したアルバム『NO DEMOCRACY』はいまの政治状況への危機感を表現する楽曲が複数収録。たとえば、「戦禍の子」。〈国を奪われ家族とはぐれ/国境を目指す民に/機関銃〉〈今度生まれてくる時は/ちゃんと見つめてもらいなよ/ちゃんと守ってもらいなよ/ちゃんと愛してもらうんだよ〉と歌われるこの曲は、難民問題を題材にした曲だが、TAKUROはインタビューで「日本における子供の貧困っていうのも、同一線上にもってきたいと思いました」と語る。アルバム最後を飾る「元号」では〈かつて兵士たちは目隠しのままで玉砕しました/消え去った祖国の夢と/今もあの戦争(とき)を悔やんでいるならば/声をあげて欲しい 新しい元号の下で〉〈かつて俺たちは人生の舵を預けていました/放棄していました/誰も誰かの人としてあるべき尊厳を/奪えはしないのだ 新しい元号の下で
安倍政権下で進む、戦争肯定、歴史修正主義に抵抗するかのように、昭和の時代に日本が起こした戦争に言及。当曲についてTAKUROいわく「時々自分たちの立ち位置を見失わないように、そして『ロックミュージックってものの本質って何だろう?』って、そのことを理解しているわけではないけれども、立ち返る必要がある時には、やっぱりああいう曲は積極的に出していきますね」。

3位:所ジョージ
“お気楽”が売りの大物タレントがプロテストソング
「世田谷一郎」名義のYouTubeチャンネルで沖縄の三線を弾きながらこう歌った。〈アメリカの飛行機/アメリカに降りてョ/周辺諸国の防衛/沖縄の人の感情/両者正義で何年ももめて/その間諸国は攻めるの休んでくれているのか?な?〉
これは明らかに「周辺諸国の脅威から防衛するため、沖縄に米軍基地は必要」という安倍政権や基地移転推進派に痛烈な皮肉を込めた所流のプロテストソング。
2018年にも「沖縄の土地」という楽曲で米軍基地問題を追及。他にも〈原子力の片付け終わっちゃいないのに/安全の基準値を満たしてるんじゃないのかと/痛い目忘れ/やる事はやっていますョと/やってて片付かないんじゃ 次も同じでしょう/電気に群がる我々って 何?〉と再稼働に疑問を投げかけた「全員集合」なる曲も発表。さかのぼれば2013年の「コントロール」では、アベノミクスの格差助長政策について〈株価が上がって/やったみたいな顔してますが/大きい企業のための日本ではないはずなのに/お腹の空いてる皆さんの前に安いもの並べても/ガマンできるものだと思っている〉。

2位:村本大輔(ウーマンラッシュアワー)
吉本上層部からの圧力のなか政治発言がさらに深化
村本は3年にわたってMCを務めた『AbemaPrime』を降板、吉本上層部から政治発言をやめるように言われ続けてきたことを告白。「番組終わった後、楽屋に毎回、吉本の社員とか偉い人が待ってて、そのまま取り調べみたいなの受けるでしょ?そうなんですよ。僕、最近、吉本の社員のこと、「公安」って呼んでるんですよ。治安維持法でね、ちょっと僕がつぶやいたらしょっぴかれて」「この前なんか社長が楽屋に座ってるんですよ。アベプラが終わったら、『ちょっと来てください』って言われて、『こないだのTwitterの件やけども、これはどうにかならんか、百田(尚樹)さんや高須(克弥)さんのこと』ということで、楽屋に30〜40分も閉じ込められて、ずっと言われたんですよ」。
沖縄の基地問題、原発、在日差別の問題でも、村本は実際に現場に足を運んで、虐げられている人たちの生の声に耳を傾けている。元山仁士郎氏が沖縄県民投票の実施を求め宜野湾市役所前でハンガーストライキを行った際には、直接会いに行ってインタビューしているし、朝鮮学校にも実際に出かけ生徒と差別の実態や無償化除外による困窮などについて話している。
年末の『THE MANZAI 2019』で披露されたネタでは、吉本芸人の闇営業問題、原発問題、沖縄米軍基地問題などを風刺。
「あの台風19号の夜、ホームレスが避難所から追い出されましたね。それに対してですね、ホームレスは『“みんな”の迷惑になるから』という奴がいました。でも、そのホームレスは“みんな”のなかにはいないわけですね。たとえば、このまえ朝鮮学校に行ってきました。朝鮮学校の子どもと友だちになりました。そんな話をいろんな人に喋ったら、みんなが『どういうテンションで聞いたらいいかわからない』って言われました。その“みんな”のなかに朝鮮学校の子どもはいないわけですね。いつでも“みんな”のなかにいない人がいて、“みんな”のなかにいない人が透明人間にされて、透明人間の言葉は誰も聞かれないようになるんですよ。 その透明人間が日本にはいっぱいいるわけですよ!」
そうした人々は社会からの助けを得られぬまま耐え忍び、その状況の苦しさを訴えたら、助けられるどころか責め立てられる。村本は、その構図に視聴者も加担し、誰かの「生きづらさ」を放置することで快適な生活を送っている残酷な構図に気づくべきであると喝破。放送後の「note」に村本はこう書く。〈誰かの評価を欲しくてあの場に行くんではない。おれはそのバラエティのお茶の間にその透明人間達を連れて行きたかった〉。

★大賞:上田晋也(くりぃむしちゅー)
「圧力がかかっているのは政治的発言でなく政権批判」と本質を指摘
人気芸人でありながら、吉本の御用芸人コメンテーターたちとはまったく違って、これまでことあるごとに真っ当な政権批判を口にしてきた上田。『上田晋也のサタデージャーナル』(TBS)では舌鋒鋭く、辺野古新基地建設をめぐる沖縄県民投票の結果を蔑ろにする安倍政権の対応について、「沖縄の県民投票。『この結果を真摯に受け止める』と安倍総理はコメントしたわけなんですけれども、政府の対応はまるで真逆と言いましょうか、真摯に受け止めるっていうのは、無視することなのかなと思ってしまいそうな対応なんですけれども」と厳しく批判。
芸能人の政治的発言炎上問題について、佐藤浩市、村本大輔、りゅうちぇる、ローラといった、ここ最近に起きた芸能人の政治的発言が原因の炎上案件を紹介。「なんで最近芸能人が政治的発言をしちゃいけないって言われ出したのかも、そもそもがよくわからないんですよ。別に民主党政権のときだっていっぱい言ってたし、その前の麻生政権、福田政権、その前の安倍政権のときも言ってた。でも、そのときの安倍政権って別にこんな空気はなかったですよね」。上田は「芸能人は政治的発言するな」という風潮が、実は「第二次安倍政権下」特有のものであると、いまの安倍政権下の異様な言論状況を喝破した。政権との癒着や政権擁護発言は問題にされず、政権批判や政権と争う姿勢だけが問題にされていることを指摘。「自由闊達な議論を許さない空気というのは世の中をどんどん萎縮させ、閉塞感のある社会を生み出してしまいます。自分と考えの違う意見を封殺しようとすることは、ひいては自分自身の首を締めることになる。後々、自分も意見を言えない世の中を生み出してしまうのではないでしょうか」。そして9月の最終回、最後のメッセージ。上田「私はこの番組において、いつもごくごく当たり前のことを言ってきたつもりです。しかしながら、一方で、その当たり前のことを言いづらい世の中になりつつあるのではないかなと。危惧する部分もあります。もしそうであるとするならば、それは健全な世の中とは言えないのではないでしょうか」。
●1月4日…〔今日の良かった〕著名人が安倍政権を批判すると仕事を干されたり、ネット右翼から大バッシングを受け“炎上”するリスクがあるのに、それでも堂々と持論を述べる人はほんと勇気があると思う。リベラル系のニュース・サイトのリテラが年始に発表している恒例の『芸能人よく言った大賞』、そしてワーストである『御用ジャーナリスト大賞』が、僕の肌感覚とほぼ一致していたので日記でも紹介したい。年明けでもあり、最初は“良かった”方のベストから。自分が喝采を送った人が正当に評価されるのはほんと嬉しい。

元記事から要約》
10位:明石家さんま
闇営業問題の渦中に吉本芸人でただひとり政権との癒着に皮肉。
吉本は安倍首相を新喜劇の舞台に出演させる(しかも統一地方選挙の前日)など、政権PRに全面協力している。税金を使った公的ビジネスに芸人を送り込んで巨額の政府補助金を得たり、大崎会長は沖縄米軍基地跡地利用の有識者懇談会メンバーに選ばれている。「闇営業」騒動に関して会社の上層部に加藤浩次(極楽とんぼ)、近藤春菜(ハリセンボン)、友近などが批判の声をあげたが、批判のポイントは芸人の待遇に限られており、松本人志が「大崎が辞めたら俺も吉本をやめる」と大崎擁護を宣言すると腰砕けになってしまった。だが明石家さんまは引き続き大崎会長や岡本昭彦社長を批判。歴代総理が訪れたうどん店のロケで吉本と安倍政権の関係をこう皮肉った。「今、吉本もな、安倍さんとアレしてるからなぁ。ここでやってるんとちゃうか?安倍さんと大崎と、ゴチャゴチャ言うて。『ちゃんとしてくれよ!大崎くん』とか言うてやな」。オリンピック招致が決まった時は、首相や竹田JOC会長の被災地切り捨て姿勢を真っ向から批判し、トランプが挑発的姿勢を繰り返したときは、戦争に予算を使う政府に憤り、税務署に文句を言いに行ったことがあるというエピソードを語ったこともある。

9位:古舘寛治
ネット右翼から「通報」されても政権批判を継続
欧米人は総じて「もの申す」人々で、芸能人であっても申さなかったら馬鹿にされるような文化がある。日本では大半の俳優が政治的なことに一切口を閉ざしているのが現状。岸部一徳が「政権に忖度しないところが好き」と、玉川徹ファンであることを漏らし、その程度で話題になる。
政権批判をツイートした大河「いだてん」俳優の古舘寛治は、ネット右翼から送られてきた〈大河という公営放送の看板番組に出ている俳優が政治的に偏った発言繰り返すのはいただけないので、各所通報しておきました〉というリプライを引用リツイートするかたちでこう反撃。〈私通報されたようです!なんの罪なんだろ?政治偏向罪?俳優政治発言罪?アベ批判罪??俺日本にいるつもりだったんだけど…どこの国に迷い込んだんだ?おっそろしいな?私はどうも全体主義国家にいるようですぞ!〉〈言論の自由が保障されてるはずの国でこんなに政治発言がしにくい国は日本くらいでしょう。つまり他の国よりずっと全体主義が近い。現に僕に絡んでくる人たちは無意識にせよ全体主義を渇望している。現政権を批判する事自体が許せないのですから。「政府に楯突くなんて許せん!」ですから〉。

※特別賞 『いだてん』と宮藤官九郎
放送開始前は五輪礼賛、国威発揚ドラマになるのではとの危惧もあったが、ふたを開けてみれば、戦前日本の「負の部分」から逃げなかった稀有な大河に。関東大震災を描いた回では、朝鮮人虐殺を示唆する場面を入れ、虐殺の事実をなかったことにしようとする歴史修正の動きに抗った。ベルリン五輪では、朝鮮半島出身にもかかわらず日本の植民地支配により祖国を奪われ日本代表として日の丸・君が代をバックにメダルをもらうことになったマラソンの孫基禎選手と南昇竜選手のエピソードや、オリンピックの舞台となるはずだった国立競技場から学徒動員で戦地へ向かい死んでいった若者の悲劇などを、実際の映像を交えながら描いた。終戦直後、満州で日本人がソ連兵から略奪や虐殺を受けたことに触れる際には、戦争中の日本人も中国の人々に対して同じことをしていたと「加害」について触れることもしている。現在の政治状況下において、「大河ドラマ」というメジャーな枠でそうしたシーンを少しでも描こうとしたことは高く評価されていい。

8位:水原希子&ローラ
若い女性が社会的発言をするだけで袋叩きの日本で発言
在日韓国人の母親と米国人の父親の間に生まれた出自をめぐって、ヘイト攻撃を受けながらもまったく怯まず、「反差別」や「多様性の大切さ」を堂々と語ってきた水原希子は、困っている外国人をなかなか助けない成田空港の入国審査官を批判した。入国管理局収容施設における人権侵害問題など入管は外国人に対してまったく寄り添う姿勢を見せない。その後、彼女はネット右翼から〈米国人と韓国人のハーフが日本人の振りして偉そうに日本人を批判してんじゃねーよ?〉と出自を取り上げヘイト攻撃を受ける。
2018年、米軍の辺野基地建設に反対姿勢を示し、炎上状態になったローラ。アマゾン森林火災についていち早くインスタで発信。〈今ブラジルでは、大規模な山火事が3週間続いています。なのにこの件はほとんどのメディアが取り上げていません。〉〈森が無くなることで地球温暖化はさらに加速し、これから様々な問題が発生します。私たちが何を食べるか、選ぶかで私たちの未来が決まります。〉と呼びかけた。その際、投稿写真に過去の火災写真が混じっていたため、「嘘つき」「フェイク」と非難される。本質からずれたミスを騒ぎ立てられ、「物を言う女はウザい」というミソジニー(女性嫌悪)心性の被害者。

7位:石田純一
嫌韓を批判し「桜を見る会」の実態を暴露
「デイリー新潮」の連載コラムで、元徴用工の問題やレーダー照射の問題について、〈日韓問題はたがいに感情的になっているかぎり解決しない。メディアもことさら嫌悪感情を煽らないでいただきたい〉と釘を刺し、「日韓請求権協定で韓国の請求権は放棄されているので、徴用工問題は解決済み」と突き放す日本側の姿勢に再考をこう促した。〈1965年当時の韓国は朴正煕大統領による軍事政権下で民意が抑えられていた。だから、韓国人の国民感情としては、その時代に解決済みだといわれてもなかなか納得できない。そして強制労働や、劣悪な環境の労働に対する反省や謝罪は、やはりなかった。〉さらに石田は安倍政権の韓国への対応と、米露に対する対応の違いについても疑問を呈した。〈ロシアのプーチン大統領や外相から「北方領土はロシア主権下にあると認めることが平和条約交渉の前提だ」なんて言われても言い返せないし、トランプ大統領にねじ込まれるまま何千億円分も武器を買う弱腰の総理が、韓国にだけ強い態度に出るというのは、いかがなものか〉
そして「桜を見る会」に招待された体験者として、安倍政権の招待者選別の実態を暴露。石田は首相と古くからの友人で、2014年と2015年は「桜を見る会」に参加していたのだが、政権批判を行うと招待されなくなった。

6位:大島麻衣&島崎遥香(元AKBの2人)
嫌韓に危機感を覚えて韓国の本当の姿を発信!
K-POPや韓国コスメを紹介するだけで、「反日」「売国奴」とネット右翼から攻撃を受け大炎上状態になる昨今。大島麻衣と島崎遥香は相次いで韓国旅行に出かけ、韓国の人たちが日本で喧伝されているような「反日」ではなく、実際に肌で感じた韓国人のやさしさや良い面を伝え、偏見を取り払うようSNSで訴えた。
差別丸出しの罵声に対して大島は、「It’s a small world」の歌詞(世界中どこだって笑いあり涙あり/みんなそれぞれ助け合う小さな世界)を貼り付けて〈この歌知ってます? 韓国の話するとキーキー言う人多いね。私が好きなだけで人に迷惑かけてない。好きなものを好きと言う。それだけ。シンプルな話。世界にはいろんな人がいます。気にしないで〉と宣言。さらに、「ファンだったのに残念」「失望しました。もうファンやめます」といった類のコメントが多数寄せられると、〈何がですか? 私はもともと韓国が好きと言ってるのに今更残念がられても〉〈日本人だから日本しか好きじゃないとダメなんですか? 地球の外に出たから地球が青いとわかったんじゃないんですか? 外の世界に出てみないとわからないことってたくさんありませんか?〉。ソウルの繁華街で日本人女性が韓国の男性から髪をつかまれるなどの暴行を受けた事件を持ち出して批判してくる意見に対しては〈それは人間性の問題です。私は日本で男性に声をかけられ怖い思いをしたこともあります。韓国人だから。ではなくどこの国でもその人が危険な人なら危険ということではないでしょうか?〉と返答、個人の犯罪を民族や国民性の問題にすり替えるヘイト的手法の問題点を突くコメントをした。もう一人、島崎遥香は炎上を受けて投稿を削除したものの、〈今日のツイートで考えても考えてもやっぱり他国の方が快く思わないコメントが多くて、日本人として悲しくなったので消させてもらいました。私に向けての誹謗中傷は構わないんですけどね〉と投稿。
※大島麻衣さん、「韓国の話するとキーキー言う人多いね」「日本しか好きじゃないとダメなんですか?」とか凄すぎる。攻撃にまったくひるんでいない。大人の男でも一連のツイートはなかなか書けない。ファンになった。(つづく)
●1月3日…〔今日の良かった〕元旦に観た『カツベン!』良かったです。コメディ(『Shall we ダンス?』)にも社会派作品(『それでもボクはやってない』)にも定評のある周防正行監督が、大正時代の無声映画の活動弁士を主人公に、映画愛をたっぷり込めて完成。頭を空っぽにして楽しめるドタバタ喜劇でお正月映画にもってこいだった。主役の成田凌の名口調は、本職の活動弁士のように聴かせるものがあった。昇り調子の黒島結菜も良い演技。人気のある活動弁士はスターのようにモテモテで、映画館が引き抜き合戦をしているとか、当時の映写室の様子とか、映画ファンには好奇心がそそられるネタが満載だった。88点。
※外国には活動弁士が存在せず、日本だけの文化。厳密な意味で日本にはサイレントの時代がほとんどなく、黎明期からトーキーだった。

//おそらく日本中の墓マイラーがバイブルにしてきたサイト『名墓録』が削除されてキャッシュにすら出てこないという衝撃!ここは1万5千人以上の歴史上の人物の墓所が都道府県別に網羅されていた。僕は20年前から、初めての土地に行く際は『名墓録』を見てから出発していた。その神サイトが消えてしまった!何が起きたのか分からないけれど、あのサイトがこの世から消えるなんて思いもせず、まったく保存していなかった…。運営者の矢島さんは1944年生まれ。これはもう日本政府が動くべき緊急事態。ショックすぎる!(昨年11月下旬はまだ閲覧できていた。もし保存されていた方がおられましたら、是非メールでご一報を!ちなみに復元ツール「Web archive」を使うと1ページ目だけ、北海道の冒頭99人は閲覧可能。“名墓録”はトップページの上部に並んでいます)

/このサイト消滅事件、これがネットの怖さ。どんなに史料的価値のある重要サイトであっても、プロバイダーとの契約が終われば、この世から跡形も無く消えてしまう!この文芸ジャンキー・パラダイスだって、地道に20年書き続けても、何らかの理由で僕が銀行に入金できなくなり、引き落としがストップしたら、プロバイダーが契約を切ってもうそれまで。「404」になってしまう。
昨春の「Yahoo!ジオシティーズ」閉鎖のように、業者がホームページのサービスそのものから撤退するケースもあり、安全な場所はない。紙媒体として自分の仕事を残さないと…!本は絶版になっても、大きな図書館とか親族・友人の本棚とか、どこか世界の片隅に残るもんね…。

//年明けで世界が新年を祝うなか、トランプ大統領の命令で米軍がイランの国民的英雄で次期大統領候補・ソレイマニ司令官をミサイルで殺害、中東の緊張が高まっている。ブッシュもオバマもソレイマニ司令官の殺害を検討しながら、そんなことをすれば、反米路線ではあるものの本格的な軍事衝突を望んでいないイランを追い込むことになると殺害を見送った。主権国家の要人を殺すという荒っぽいことをやり、この先どんなことが起きるのか見当がつかない。イランはメンツを重んじる国、報復しないという選択肢はないだろう(そうしないと指導部が突き上げを食らう)。国連のグテレス事務総長はすぐさま「新たな湾岸戦争に対応する余裕は今の世界にはない」と警告した。各国指導者は最大限の自制を働かせるとき。
●1月2日…〔今日の良かった〕元旦は映画が安い“映画の日”ゆえ、シリーズ第50作『男はつらいよ お帰り 寅さん』、周防正行監督『カツベン!』を鑑賞。どちらも良い映画、特に寅さんは泣けた。何に?優しさに!!寅さんは徹底して弱者の味方。徹頭徹尾、人生にもがき、心で泣いてる人の味方。現代のイライラ、ピリピリした日本社会にマジで寅さん的思考が必要っす…。なぜ今の時代に山田洋次監督が回想シーンを多用してまで、あえて本作を作ったのか言葉でなく心で理解できた。
この最新作で、寅さんは長旅に出ていることになっている。でも、“いつものような”旅ではないことを観客は分かっている。従来なら寅さんが映画の途中でふらっと『とらや』に帰ってくるけど、渥美清さんが1996年に年に亡くなっているため、どれだけさくらと一緒に“お兄ちゃん”を待っても帰宅しないことを知っている。決して帰ることのない人を待ち続けている状態の方が、旅先で死んだという展開にするよりも、いっそう“寅さんロス”の寂しさがこみ上げてくる。
今回、大画面で寅さん映画を観て改めて思ったのは、回想シーンに登場する歴代マドンナを演じられた女優さんの美しさと、太地喜和子さんなど既に他界された複数の女優さんと再会できた懐かしさ。吉永小百合さん(当時27歳)が銀幕に映った瞬間、観客が息を呑むというか、場内の空気が明らかに変わったのを感じた(これは妻も同意見なのでほんとそう思う。妻いわく「しかも吉永さんがすごいのは今も美しいこと」)。
劇中、「こんなとき伯父さん(寅さん)ならこう言うよ」と、寅さんならどう考えるかと観客が想いを馳せるシーンがある。架空の人物なのに、観客はみんな寅さんの過去の言動を思い出し、実在した人物のような感覚で、「ああ、寅さんならそう言うだろうな」って涙ぐんでいた。これこそシリーズ50本の力であり、他の単発作品とはまったく違う映画体験だった。
最後はエンディングの歌で劇場全体の涙腺が決壊。そして歌が終わるタイミングで場内の照明が点くので困った。点灯が早すぎる!(汗)92点
※映画が良いだけに、山田監督が横尾忠則さんを怒らせてしまったのは残念。アイデアをもらったら、ちゃんとクレジットに出さないと。
●1月1日…〔今日の良かった〕2020年新年あけましておめでとうございます!本年も文芸ジャンキー・パラダイスをよろしくお願いします!何はともあれ2020年代に突入!1967年生まれの僕にとって、2020年は遠い未来でした。鉄腕アトムの設定上の誕生年は2003年であり、手塚マンガなら今はチューブの中を車で空中移動している時代。『バック・トゥ・ザ・フューチャー2』でデロリアンが空を飛んだのは2015年、パトカーが空を飛ぶ『ブレードランナー』も大友克洋のサイバーパンク『AKIRA』も2019の設定。この非現実感、タイムマシンでものすごい未来にきた感じです。文明が滅ぶほど大量の核兵器を保持しながら、滅亡することなく2020年代に達したことをまずは祝いたい!

//昨年は年始から書き始めた〔今日の良かった〕が尿管結石の七転八倒で6月13日で途絶えてしまった。今年こそ大晦日まで完走させたい!







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