最新文芸情報


2021.1〜2

●2月28日…〔今日の良かった〕ネット上の中傷特定、短期間で情報開示に向け法改正へ。現状では、SNSやネット接続のプロバイダー事業者を相手に2回の裁判手続きを経ないと投稿者を特定できず、情報開示に1年以上を要するケースが多い。
政府は一昨日、被害者が訴訟を起こさなくても、裁判所が事業者側に投稿者情報の開示を命じられるようプロバイダー責任制限法の改正案を国会に提出した。新たな制度では、申し立てから開示命令決定まで数カ月に縮まるという(これまでは1年以上かかった)。その間も中傷の被害は続いてしまうが、少なくとも費用と時間がかかる訴訟の必要がなくなる。また、改正法が言論の自由の抑圧にならないよう、投稿内容が真実で公共・公益性がある場合に違法としないなど、現在の開示要件が引き継がれる。今国会で成立すれば、来年末までに施行される見通し。
昨年5月、プロレスラーの木村花さん(22)がツイッターなどでの中傷に悩みながら亡くなったのを機に、総務省でネット中傷の対策強化に向けた議論が加速し、新制度の導入につながったとのこと。言葉は命を断つ斧になり得るもの、早くこの法改正が実現、施行されますように。

/「今日の良かった」が、まずは2カ月続いて良かった。ただ、「良かった」にも2種類あって、ゼロからプラスになるものと、マイナスからゼロになるものがある。コロナワクチン開発や対ミャンマー政策は明らかに後者。そもそも、コロナがなければ、またミャンマー軍による市民への暴力自体がなければ「なお良かった」のだから。
●2月27日…〔今日の良かった〕ミャンマーの国軍が抵抗する市民を弾圧・銃撃していることに各国が抗議し、欧米は国軍幹部らの資産凍結など制裁に乗り出した。そして日本政府もようやく弾圧阻止のため動き出した。新規ODAを停止するという。2019年度の日本の対ミャンマーODAの実績は1893億円で、支援額非公表の中国を除き、先進国では最大の支援国で、新規案件の停止はミャンマーにとって大きな打撃となる。
ただし、ミャンマーが孤立すれば中国への接近を招くため、日本は米欧のように「制裁」と位置づけて公表はせず、国軍とのパイプを生かして民主的な解決を働きかける対話路線を継続するとのこと。日本は西側諸国で唯一、国軍とのパイプを持っている。菅政権は全力で軍事政権を説得してほしい。

//孔子を祖とする儒教は仁を根本とする政治・道徳を説く。儒教は哲学なのか、それとも宗教なのか。人智を越えた存在である神や如来(仏)を信仰するキリスト教、イスラム教、仏教と違って、孔子を讃えて学問として思想を学ぶ儒教には、あまり宗教というイメージを持っていなかった。

那覇市は孔子を祭る「孔子廟」について、観光資源としての意義を認め、年間約570万円の敷地使用料を免除してきた。一方、憲法は「国及びその機関は、いかなる宗教的活動もしてはならない」と定めている。昨日の最高裁大法廷は「儒教は宗教」と判断、そして「孔子廟の敷地を那覇市が無償で使わせるのは、憲法の政教分離原則に違反する」と判決を出した。

この判決は、政府や自治体が宗教性のある施設などに対し、安易に便宜や恩恵を与えるのは、絶対に慎まなければならないということを強く示している。閣僚の靖国神社参拝は外交上の問題として論じられることが多いけど、それ以前に政教分離原則に反していると再認識。
観光地化した街中の孔子廟でもアウトなのだから、戦前に国教同然に扱われた国家神道を継承する神社に、「内閣総理大臣」の肩書きで玉串料を納めるのは問題外と思う。せめて肩書きは外 し、個人名のみで納めるべきだろう。
●2月26日…〔今日の良かった〕コロナ禍で2度も公開延期になったエヴァンゲリオン新劇場版・完結編。以前の報道で公開予定は6月とあったけど、めっさ前倒しになって、なんと3月8日に公開。すぐじゃん!この新劇場版、だんだん公開の間隔があいて、本当に完結するのか心配だった。
エヴァンゲリオン新劇場版:序/2007年9月1日公開
エヴァンゲリオン新劇場版:破/2009年6月27日公開
エヴァンゲリオン新劇場版:Q/2012年11月17日公開
エヴァンゲリオン劇場版:||/2021年3月8日公開
実に2007年から14年がかりのシリーズ完結に。まさか前作から9年も待たされるとは思わなかったけど、ちょうど『鬼滅の刃』が一息ついたところだし、タイミングとしては今で良かったのでは。

//日本の男女差別をジャーナリスト・津田大介氏が論じた、新聞の論壇時評をメモ。

「女性労働の大半が非正規である状況が続く限り、先進諸国と比べて大きい男女の賃金格差が埋まることは考えにくい。女性の社会進出が進んでも女性が男性の実力者から「わきまえろ」と言われてしまう背景にはこの問題が横たわっているのだ。
米調査機関が昨年発表したレポートによれば、日本人男性の77%が「男女平等は達成される/された」と答え、女性の58%と19ポイントもの開きがある。この差は調査対象国で最大だ。この男女間の意識のギャップに「変われない日本」の原因が見て取れる。」
「ここ数年ジェンダーの問題で企業や個人の“炎上”が増えたのは、「組織」の論理にこだわり「個人」としての価値観を更新できない人と、既に価値観を更新した人のギャップが背景にあるのではないか。そしてこのギャップの拡大は必ずしも悪いことだけではない。かつてなら通り一遍の謝罪で見逃されたであろう森発言が、今回は国内外のメディアから五輪のスポンサーまで、女性から男性まで、高齢者から若者まで、あらゆる属性の人々から批判が渦巻き、その矛先はやがて組織委のあり方や、女性蔑視を構造的に許容する日本型組織に向かっていったからだ。
まったくの怪我の功名だが、森氏の「わきまえている女性」発言によって、前政権により「経済問題の一つ」に矮小(わいしょう)化されていた「女性活躍」が初めて普遍的な人権問題に格上げされ、国民的、国際的な議論へと発展したのだ。
今回の騒動で日本人の価値観が知らぬ間にアップデートされていることに気付いた人は多いだろう。そしてその変化は少なくない女性と男性に勇気を与え、選択的夫婦別姓の実現など政治的にも大きな力になるはずだ。もしかしたら日本は、森発言によって五輪開催以上の大きな「成果」を手にしたのかもしれない。」

//“ほぼ”1日1食のダイエット作戦10日目。72.9kgが70.7kg、効果が出てます、2kgちょいの減量っす!
●2月25日…〔今日の良かった〕「米国の歴史の最も恥ずべき時代の一つ」として、バイデン米大統領は第2次大戦中の『日系人の強制収容』を謝罪した(今月19日)。
日本による真珠湾攻撃の2ヶ月後(1942年)、日系人約12万人が「敵性外国人」のレッテルを貼られ、収容所で過酷な生活を強いられた。
バイデン氏は「日系米国人は彼らの生まれだけを理由に標的にされ、投獄され、非人道的な強制収容所で生きることを余儀なくされた」「米国は理想と遠いことをやった」と指摘した。
この日系人の強制収容についてトランプ前大統領は「(謝罪すべきかどうかは)その時代に行ってみないと分からない」と明言を避けていただけに、両者の対応の違いが際立つ。

※先の大戦中、ドイツ系とイタリア系は一部が収容されたが、日系人は大規模に強制収容所に収容された。
この状況下、日系2世は米国への忠誠を示すべきとして米軍に志願、「第442部隊」としてヨーロッパ戦線の激戦地帯を転戦、彼ら日系米国人部隊は「Go for broke!(当たって砕けろ!)」をモットーに死力を尽くし、 「米国陸軍史上最多」の勲章に輝いた。死傷率は他部隊よりケタ違いに高く、 部隊兵約14,000人のうち、死傷率は314%に達した(一人平均三回以上の大けが)。

第442部隊の有名な戦闘は1944年秋のテキサス大隊救出戦。ドイツ軍に包囲されたテキサス大隊211名を救出するために、日系人部隊の54名が戦死し、約800名が負傷した。
また、ナチスの強制収容所の“原点”とされるミュンヘン近郊のダッハウ強制収容所を、ドイツ軍との戦闘のすえに解放した(日系人部隊が収容所を解放した事実は1992年まで公にされなかった)。
現在、アメリカ陸軍では第442部隊の歴史を学ぶ授業は必修課程となっている。

第442部隊にはハワイ出身者が多く、複雑な思いで真珠湾を奇襲する日本軍を見つめていただろう。彼らの物語をイーストウッド(『硫黄島の戦い』)かスピルバーグ(『太陽の帝国』)に撮ってほしいと願っていたけど、なんと俳優の渡辺謙が監督としてメガホンをとり、映画化の話が進んでいるとのこと。それはそれでとても楽しみだし、是非実現してほしい。

//あまり報道されていないけど、沖縄で酷いことが起きようとしている。沖縄の地下には沖縄戦で犠牲になった島民の遺骨がまだ約3千人分、収集されずに埋まっている。特に南部では多数が激戦に巻き込まれており、南部の大地そのものが慰霊すべき聖地といえる。
ところが、菅内閣は米軍基地を新たに造るため、辺野古の海を埋め立てる土砂の調達先リストに、南部を含めたのだ。つまり、《米軍の砲弾で亡くなった島民の人骨を含んだ土で、日本政府が米軍の基地の土台を造る》ということだ。こんな島民への冒涜が許されていいはずがない。

そもそも2年前に沖縄の人は県民投票で辺野古新基地にノーを叩きつけている。その声を無視して工事を強行し続けるばかりか、遺骨もろとも土砂を掘り起こそうとしている。
…本土防衛の「捨て石」とされた沖縄戦では、県民の4人に1人、約12万人が命を落とした。県選出の赤嶺政賢衆院議員は、小渕恵三元首相が遺骨収集に参加してきたことにも触れ、「かつての自民党政権は沖縄の歴史への最低限の認識があり、沖縄で絶対やってはいけないことの認識をもっていた。しかし安倍・菅政権には(それが)全く感じられない」と批判。本土の人間が「沖縄県民の心踏みにじるな」と声をあげなければ、この計画は強行されるだろう。

※当初の計画では土砂の7割は県外から搬入する予定だった。しかし沖縄には埋め立て用土砂の流入を規制する条例があり、特定外来生物が含まれていないかの調査や、防除策の届け出などが必要となる。この手順を省くため沖縄の土を使用すると見られている。
※菅首相は国会で「配慮するよう業者に求める」と述べているが、遺骨と土は同じ色になっていて、手にとって重さを比べないと区別できない。業者に配慮云々ではない。
●2月24日…〔今日の良かった〕“コロナワクチンを先進国が独占し途上国が入手できない”、そんな不公平を防ぐために「COVAX(コバックス)ファシリティー」によるワクチンの供給が始まり、本日アフリカのガーナに“第1便”となるワクチン60万回分が到着し、医療従事者らへの接種がスタートした。2日後には50万回分が同じくアフリカのコートジボワールに届く。
2009年の新型インフルエンザの流行では、裕福な先進国によるワクチン買い占めがおきた。これを教訓として、世界保健機関(WHO)の呼びかけで、先進国の拠出金などをもとにワクチンを共同調達する国際的な枠組み、コバックスが創設された。年末までに少なくとも20億回分の供給を目指し、今年前半には約3億4千万回分が、中低所得国を中心に145の国・地域に割り当てられる見通しだ。
WHOのテドロス事務局長の声明「パンデミック(世界的大流行)は、全ての場所で終わらない限り終わらない。今日は重要な第一歩だが、始まりに過ぎない」。

//早稲田大学の豊永郁子教授(政治学)が米国のトランプ人気を分析したコラムがストンと胸の奥に。「温暖化を気にせずどんどん化石燃料を使え」「難民のことなど知ったことか、アメリカに来るな」「コロナなんかたいしたことないし、自分が誰かに移そうがパーティーやるぜ」…こういった姿勢はとどのつまり「自分がよければそれでよい」であり、豊永教授は「何と楽なことか」と評している。そう、トランプ氏の演説を聞く度に感じていたモヤモヤした違和感、僕にとってそれは「何と楽なことか」というものだった。いわゆる陰謀論者のいう「トランプは闇の政府と戦う救世主」を信じる人でも、豊永教授の指摘を否定しにくい内容ではないだろうか…なぜなら、トランプ氏のこうした言動こそが支持者を熱狂させてきたのだから。以下、18日の朝日より転載。

――私はトランピズムは多くの人にとって解放の経験を意味したと考えている。自分がよければそれでよい、これがトランプ氏の推奨する態度であり、彼自身が実践し、それによって大統領まで上りつめた生き方だ。環境のことも、排斥される他者のことも、世界のことも、考えなくてよい。何と楽なことか。トランプ氏は誰もがもつ利己心を、さらにそこから生じる他者への攻撃性も、そっくり認めてくれる。何がきっかけでトランプ氏を支持するかは様々だろう。共和党支持だった、トランプ氏が利益を約束した集団にいた、「ヒラリー嫌い」だった、等々。誰にも公共心や他者への共感はあるはずだが、トランプ氏を支持することで、利己心、攻撃性が解放される。生き方が肯定されたと感じる人も多いだろう。
そうした人たちにとって、トランプ氏は大スターであり、導師だ。生き方の成功例であり、崇拝と模倣の対象だ。自分さえよければよいという考えからは、自分が選ばれた特別な存在だという錯覚も生じる。かくして「選ばれた人」トランプ氏の下に「選ばれた人々」が集う。
これらによってパンデミックの最中の異様な光景も説明されよう。トランプ氏に従いマスクをつけず、集会で歓声を上げる支持者たち。自分たちはコロナウイルスに感染しない、感染してもたいしたことないと思っているのだろう。そして自分たちが媒介して感染を広めることで、誰かが罹患(りかん)し命を失うことには頓着しない。これがトランピズムだ
先日の就任式でバイデン新大統領は、素朴だが真情のこもった演説を行い、国民が「一つになること」を訴えた。一致団結とは少し違う。意見の不一致はあってよい。ただお互いを隣人として見る。相手の身になって考え、困っていれば手を差し伸べる。助けたり助けられたりが人生であり、我々はお互いを必要としているのだ。
トランピズムにおいてまさに欠落しているのが、この思いやりと助け合いの思想だ。トランピズムとは、我々がよく知る新自由主義の「自助」のイデオロギーが行き着く果てなのではないかと考えさせられる。(終わり)
●2月23日…〔今日の良かった〕昨年12月に発表された『ジョジョの奇妙な冒険』期間限定テーマパーク“JOJO WORLD”。当初は横浜会場のみの告知だったけど、新たに大阪と博多でも開催されることに!良かった!各地の日程は次の通り。

・神奈川:横浜ワールドポーターズ(3/5-5/9)
・大阪:HEP FIVE(5/21-6/27)
・福岡:キャナルシティ博多(7/16-9/12)

この日程だと、夏休みと重なる九州が一番ラッキーだね。っていうか、わが大阪!他の会場は2カ月やるのに大阪だけ1か月ちょっとで涙目。しかも春休み、GW、夏休みのすべてと重なっていないという…。分散しようがないので、わずかな土日に人が集中して大変なことになりそう(汗)
●2月22日…〔今日の良かった〕政府は2013年に「物価が下がった」として生活保護費の減額を決定。これに「生存権を保障した憲法25条に反する」と抗議して受給者ら約40人が、減額取り消しを求めて訴えていた裁判で、本日大阪地裁が原告勝訴とする画期的な判決を出した。理由として、(1)厚労省が物価下落の根拠として比較対象にした08年は、原油価格の高騰など特異な物価上昇があった年であり、同年を比較基準にするのは理不尽(2)テレビやパソコンなど家電の物価下落率が厚労省の指数に大きく反映されているが、受給者の家電への支出は一般世帯よりも低く、(生活必需品ではなく)家電の値下がりを根拠とするのは誤りとし、受給者の減額決定を取り消した。国を相手にした裁判では国側に立った判決が多いなか、困窮者には希望となるまっとうな判断であり、国側は控訴しないことを願う。

//困窮者支援の脆弱さが問題になると、政府や官僚は二言目には「財源が乏しい」という。だが、政府が無駄金を出さないよう尽力しているようには見えない。今の国会でも「血税」を利権と考えているような例が幾つも出ている。

(1)コロナ感染者との接触を通知するアプリ「COCOA」の開発費が約4億円なのに対し、政府が開発を進めている「コロナ感染予防対策」を謳った「東京五輪の観客向けアプリ」の開発費用が「73億円」と判明。桁違いの開発費であり、そんなにかかるわけがなく、ほとんどが中抜きではないのか。

(2)「アベノマスク」は約260億円もの費用がかかった。なぜもっと安くできなかったのか。「競争入札契約」をせず、政府が直接業者を選ぶ「随意契約」になった理由は何か。どうして粗悪品を製造する企業が選ばれたのか。
もろもろの経緯を知るために市民が情報公開請求したところ、「文書を作成した事実はなく、保有していない」として開示されなかった。それはそれで大問題。公文書管理法は行政による意思決定の過程を検証できるよう定めている。260億円も税金が動くのに、契約前に価格や納入時期について業者との交渉経過をいっさい残さず、すべて口約束でやったというのか?中抜きの発覚を恐れて公開しないのかと勘ぐってしまう。

(3)菅義偉首相の長男・菅正剛(せいごう)氏(40歳)が勤める放送事業会社「東北新社」から、接待されていた総務省幹部らの金銭感覚の麻痺っぷりに驚く。最高で一食7万4千円の接待を受けながら、その日の出来事をよく覚えていないという。僕なら一食7万の料理なんか食べたら一生忘れない。ちなみに、この時に接待された人物のひとりが、菅義首相お気に入りであり、現在の内閣広報官(当時、総務審議官)。
※総務省は東北新社に放送事業を認可する立場であり利害関係者。業務認定が更新された昨年12月の直前に接待が集中しているのはなぜか。また、子会社が2018年に「1社だけ」ハイビジョン未対応番組の放送認定を受けているのはなぜか。“総理の息子”からの接待が、東北新社だけ優遇した判断になっていないか要検証。

もやもやがつのる国会です。
●2月21日…〔今日の良かった〕大河『青天を衝け』の第2話も良かった。江戸時代の農村の生活がとても丁寧に描かれていた。また、農民を見下す武士の傲慢さに、ほんとこんな世(封建制度)は変えないとアカンなと。同じ人間なのに、生まれた身分であんな上下があってたまるかと。

//トランプ前政権が一方的に離脱した「イラン核合意」。身勝手な米国に各国から非難の声があがっていたが、本日、バイデン政権が前政権の方針を撤回する書簡を国連に送り、合意復帰に向けた協議に参加する意向を表明。さらに前政権がとった、イランの国連代表部職員の米国内の移動制限措置を解除するとイラン側に通知したとのこと。対立から融和に向かい始めてよかった。
ただ、イラン側は米国がイランに科している経済制裁の解除を強く求め、それが成されないと国連査察団の受け入れを拒否すると主張しており、不安定な状況は続いている。再合意が早く成されますように。
っていうか、核兵器禁止条約が発効したいま、国際法違反の核兵器を持っている国が、持たざる国に経済制裁するのも不条理な話ではある。
※「イラン核合意」…軍事ではなく外交で核不拡散体制を維持した成功例。2015年に核開発を疑われていたイランと米英独仏中ロが結んだ合意。イランは核兵器に転用できる高濃縮ウランや兵器級プルトニウムを15年間は生産せず、10トンあった貯蔵濃縮ウランを300キロまで削減。1万9千基あった遠心分離機を10年間は6104基に限定することに(核開発を再開しても核爆弾1発分の原料の生産に最低1年はかかるレベル)。その見返りに米欧などは金融制裁や原油取引制限などを解除する。
だが、米大使館をエルサレムに移すなどイスラエルと蜜月のトランプ米大統領が、18年に核合意から離脱して制裁を再開し、さらにイランの英雄(司令官)を空爆で暗殺したため、怒ったイランが合意の履行停止を進めていた。
※米の経済制裁によってイラン通貨の価値はこの4年で6分の1に激減、国内経済は大混乱。
●2月20日…〔今日の良かった〕大坂なおみ選手がテニスの全豪オープンで2度目の優勝!準決勝ではグランドスラムを23回制覇しているセリーナ・ウィリアムズを退け、決勝はブレイディにストレート勝ち。大坂選手にとって4つ目のグランドスラムタイトル獲得となった。彼女は昨年2月以降、公式戦で敗退がなく、この勝利で21連勝に。
英BBC「大坂選手は語り口が穏やかながら、コート上では闘争心あふれるプレーで相手を圧倒、コートの外では際立った社会活動家として発言力を持つ」。
元女子トップ選手のローラ・ロブソンいわく「本当に偉大なチャンピオンだ。ここ半年、彼女はコート外でもやりがいを見つけたが、それはコート上での彼女に影響しない。それが大事だ」。

大坂選手はハードコートでは圧倒的に強い。一方、クレーコート、グラスコートでは優勝しておらず、今後どう勝負するのか楽しみ。
・ハードコート(全豪、全米オープン)…表面を合成樹脂でコーティングした一般的なコート。バウンドが高く球足が速い。夏は灼熱に。
・クレーコート(全仏オープン)…土のコート。サービスとボレーの威力が弱まる。球足が遅く長いラリー戦になり、試合が長期化、タフさが必要。
・グラスコート(全英オープン)…天然芝のコート、別名ローンコート。ウィンブルドンが有名。バウンドが低く球足が速い。サーブに有利。ラリーが難しく試合が短い。
●2月19日…〔今日の良かった〕米国NASAが打ち上げた火星探査車「パーシビアランス(“忍耐”の意)」が今朝、火星に無事着陸!7か月かけて4億7000万キロを飛行し、かつて湖だったと考
えられているクレーターに着陸した。これから2年にわたり、生命が存在した痕跡を探すほか、初めて小型ヘリコプターの飛行試験を行う。火星の薄い大気の中でもヘリが使えることがわかれば、今後の別の探査計画で探査できる範囲が大幅に広がる。他にも、人類が火星に降り立って探査を行うための準備として、二酸化炭素が主な成分の大気を利用して酸素を作り出す技術の実験も予定されている。今年の5月には中国の「天問1号」が探査車を着陸させる予定で、成功すればアメリカに次いで2番目となる。

  
「パーシビアランス」は小型車ほどありカメラを19台も搭載、さっそく撮影を開始
●2月18日…〔今日の良かった〕米国のタイム誌は、様々な分野で世界をリードすると期待される「次世代の100人」を発表し、日本からは漫画『鬼滅の刃』の作者、吾峠呼世晴(ごとうげ・こよはる)さんが選ばれた。米国では今年劇場版が公開されることから、海外での認知度がさらに上がるだろう。“100人”の他の顔ぶれは、34歳でフィンランドの首相に就任したサンナ・マリン氏や、バイデン米大統領の就任式で自作の詩を朗読した黒人女性の詩人アマンダ・ゴーマンさん、タイの王制改革などを求める反政府デモの中心人物で人権派弁護士のアノン・ナムパー氏など。

//実体経済からかけ離れて、株価やビットコインが急騰している。識者いわくコロナ禍で経済活動が鈍化し、富裕層の有り余ったお金が行き場をなくして投機先に流れ込んでいるという。
…コロナ禍で困窮し追いつめられている人がいるなか、よくマネーゲームに狂奔できるもの。モノが売れているわけでもないのに、どんどん上がっていく株価の不気味さよ。

//NHKから連絡があり、4月からの新年度もラジオ深夜便の出演が決まったとのこと、嬉しいです。これで4年目に。ただし番組規定により上限が5年契約なので、最長でも2023年の3月には最終回に。
●2月17日…〔今日の良かった〕日本でも今日からワクチン接種が始まった!先進国で最も遅いスタートとなり、どうなることかとヒヤヒヤしたけど、とにもかくにも接種の開始だ。まずは先行接種として、国立病院機構など全国100カ所の医療機関約4万人が受ける予定。初日の接種では重いアレルギー反応は報告されていない。今後の予定は→
3月…一般病院など幅広い医療従事者約370万人
4月…65歳以上の高齢者約3600万人
4月以降…持病のある人約820万人、及び60歳代前半の約750万人
〔未定〕59歳以下の一般国民
※ちなみにBMI30以上の肥満の人は重症化しやすいため、持病扱いで優先されるとのこと。僕は自分のBMIが26.2とわかって焦り、これも先日からダイエットを始めた理由。目をそらしていた現実を突きつけられた。
  BMI計算サイト

//YouTubeでたまたまマジックの人体切断の種明かし(3分20秒)を見てしまった。“そういうことだったのか!”と驚くと同時に、シンプルなトリックで大勢の観客を手玉にとるマジシャンにリスペクトを感じた。あと、動画のネタはあくまでも何十種類もあるトリックの一例であり、タネがさっぱりわからない切断トリックが9割以上。
●2月16日…〔今日の良かった〕目からウロコの仁王像!旧友が教えてくれた東京藝大・彫刻科みよしんさんの卒業制作『オフの日』の、赤ん坊を見つめる仁王と狛犬の優しい空間にメロメロ。普段コワモテの仁王の笑顔は新鮮だし、寄り添っている2匹の狛犬の可愛いこと!
みよしんさんいわく「500年、1000年と、ずっと同じポーズで力み続けている仁王様や狛犬たちに休んでほしいなと思って」。
単なるネタ彫刻ではなく、胸筋、指先、細部まで鎌倉仏師のような造形力。過去にセグウェイに乗った仁王様も造っていて、これまた生き生きとした表情で素晴らしい。みよしんさんの次回作がまっこと楽しみ。っていうか、文化庁は令和の天才仏師に専用の工房と潤沢な資金(天井なし)を与えるべきっす!

  

  
仁王父子も最高だけど、舌を出している狛犬たちもたまらない。フィギュアほしい!
※画像はリンク先から。そちらにはスマホで遊ぶ邪鬼もいます。

//今日で発売から3カ月が経った『世界音楽家巡礼記』、ありがたいことにアマゾンで12人の方から五ツ星の評価をいただきました。編集担当の方が、出版社(音楽之友社)に届いたお便りを転送して下さり、読んでいて胸熱に。お葉書をカジポン家末代までの家宝にします。

//室内が暖房なしで25度になるほど暖かくなったと思ったら、この超寒波!皆さん体調を崩さないようお気をつけて。
●2月15日…〔今日の良かった〕フェイスブックを始めて2年と1か月。私事ですが、先日フレンドさんが1000人になりました。「文芸ジャンキー読者です」と、フレンド申請を下さった方も何人かおられ、更新の際にモチベーションとなりました。まっこと有難うございます。
以下、映画や文学などからメモった、友情や人間関係についてのグッと来た言葉を1ダース紹介させていただきます。(^_^)v

・友情は喜びを2倍にし、悲しみを半分にする(シラー)劇作家
・空気と光と、そして友達。これだけが残っていれば、気を落とすことはない(ゲーテ)作家
・ライナス「悲しみを癒してくれる薬ってどんなものかなぁ」チャーリー・ブラウン「一粒のチョコレートと背中を友達がポンと叩いてくれることだよ」(チャールズ・シュルツ)漫画家
・友人とはあなたについて全てのことを知っていて、それにもかかわらずあなたを好んでいる人のことである(エルバート・ハバード)教育者
・孤独は良いものだということを我々は認めざるを得ない。けれどもまた、孤独は良いものだと話し合うことの出来る誰か相手を持つ事は一つの喜びである(バルザック)作家
・その人を知らざれば、その友を見よ(孔子)
・「私はいまだかつて、嫌いな人にあったことがない。好きになることがどんなに人を助けるか、私は知っている」(淀川長治)映画評論家
・人は本当は男や女を探し求めているわけじゃなくて、自分の内側に潜(ひそ)んでいるものを目覚めさせてくれる人を探しているんだ(ボブ・ディラン)ミュージシャン
・自分だけが他人より優れてなどいないものだ。もし君が誉められたら、周りが素晴らしいお陰なんだ(モーガン・フリーマン)俳優
・自分を励ます一番のやり方は、人を励ますこと(マーク・トゥエイン)作家
・誰かと分かち合えない感動は私にとって無意味だ(レナード・バーンスタイン)指揮者
・やがて新しい生活の朝焼けが見え始め、真理が勝利をおさめ、そして我々に運が向いてくるでしょう!僕はそれを待たずにくたばるでしょうが、その代わり誰かのひ孫たちがそれに巡り会うんだ。僕は彼らに心からの挨拶を送って喜ぶ。彼らのために喜ぶ!進め!友人たちに神助あれ!真理ばんざい!(チェーホフ『六号室』)作家
●2月14日…〔今日の良かった〕新しい大河ドラマ『青天を衝け』が良かった。まだわんぱくな少年時代というのもあるけど、全体が明るい雰囲気。どこで撮影したんだっていうようなロケ地で、豊かな自然にもビックリ。渋沢栄一の物語だけど、徳川慶喜の成長も並行して描かれており、水戸藩のパートで武田耕雲斎と藤田東湖の会話シーンに「おお〜、大河ではレアな組合せ」と身を乗り出した。日本近代砲術の祖、高島秋帆(兵学者)を玉木宏が演じており、存在感があった。今後、水戸藩視点の桜田門外の変になっていくのだろう。

//昨夜の東北の震度6強、10年前と同じ様な季節、同じ様な場所で怖かった。大きな津波がなくて良かったけど、震度があと半分浅かったら、避難すべき津波が来てもおかしくなかったとのこと。しばらく警戒が必要ですね。

//世界各国の軍事力レベルを分析している米軍事力評価機関「グローバル・ファイヤーパワー」が発表した2020年度版の軍事力ランキングが発表された。人口、兵力、兵器、国防予算、地理、天然資源など50項目以上から算定する。核兵器は含まず。
結果は(1)米国(2)ロシア(3)中国(4)インド(5)日本(6)韓国(7)フランス(8)英国(9)エジプト(10)ブラジルというもの。
米国、ロシア、中国のトップ3は予想できたけど、日本と韓国が英仏より上で、ドイツは圏外ということに驚いた。コロナのパンデミックを体験し、今後は軍事費を医療や困窮者支援にまわすべきと、方針転換する国が増えていくと予測。
●2月13日…〔今日の良かった〕米ジャズピアニストの巨匠でフュージョンの草分けとなったチック・コリアさん。グラミー賞に67回ノミネートされ、23回も受賞し、100枚以上のアルバムを残して今月9日に79歳で旅立たれた。その際、フェイスブックに最後のメッセージが投稿され胸に染みた。→

「私の旅路に、音楽の炎を明るく燃やし続けてくれた全ての方々に感謝します。音楽を弾いたり、書いたりしてみたいと思っている人々が、実際にそうしてくれることを願っています。自分のためでなかったとしても、是非私たちのためにそうしていただきたいです。世界はもっと多くのアーティストを必要としているだけでなく、単純に本当に楽しいことですから」

※Chick Coreaは1941年米国生まれ。1966年に25歳でデビュー・アルバム『トーンズ・フォー・ジョーンズ・ボーンズ』を録音。60年代後半に帝王マイルス・デイビスのバンドでエレクトリックピアノを演奏し、ジャズの新しい方向性を提示。その後、親しみやすいジャズのスタイルを模索し、電気楽器とアコースティックを融合した楽器編成で1972年(31歳)にアルバム『リターン・トゥ・フォーエヴァー』を発表、空前のヒットとなる。同年の『スペイン』(9分49秒)も世界中でカバーされた。

//8日の日記に、近年の日本の男女差別について、以前から感じていたことを書きました。
●2月12日…〔今日の良かった〕知人が無理なくダイエットできる方法を教えてくれた!朝は人参ジュース、昼はチキン胸肉と野菜サラダ、夜は好きなものを食べて良い(ただしご飯は少量)っていうやつ。限りなく1日1食に近いけど、夜は自由っていうのが気に入った!
現在72.9kgで重いのなんの。風呂で頭を洗うときに、お腹にスイカがあるみたいで邪魔…。“なんちゃって1日1食ダイエット”、どれくらい効果が出るか分からないけど、目標61kgの「12kg減量」を目指して今日からさっそく始めます!まずは1週間後がどうなっているか楽しみ。

※僕の大学時代の体重は49kg。その後57kgあたりで安定し、40歳前後は63kgの時代が続いた。ところが10年前からどんどん太り始め、昨春コロナ禍のステイホームで70kgの大台を突破!そして今日、未知の領域となる73kgの手前、72.9kgまできてしまった。身長167cmなので、これはヤバイ。本当にヤバイ。墓マイラーは行きたい(会いたい)お墓にすべて行くまで長寿しないと!
僕の身長だと、BMI(体格指数)から算出した理想の体重は61.3kgとのこと。リンク先に数値を入力するだけで、簡単に標準BMIが表示されます。コロナは肥満の天敵でもあり、皆さんも自身の適正BMIを把握されることをお勧めします!
●2月11日…〔今日の良かった〕2年前の12月にアフガンで銃撃された日本人医師・中村哲さん(享年73)。その後、捜査は難航、犯人が捕まらないまま迷宮入りするのかと懸念していたが、ようやくイスラム武装勢力「パキスタン・タリバーン運動(TTP)」の地方幹部が主犯格と特定された。この人物はパキスタン人とのこと。用水路を作って砂漠を緑の大地に変えた中村さんを、アフガンの人が撃つはずないと思っていた。そしてこの男は先月末に別の襲撃事件をカブールで起こし、現場で警備員に射殺されたという。
TTPメンバーの証言によると、その男は生前に悩んだ様子で「中村哲さんを誘拐するつもりだったが、共犯者が(中村さんを)撃ってしまった」と周囲に話していたらしい。アフガンの捜査当局は「残る共犯者を特定し、動機の解明につなげたい」としている。
何ともやりきれない話だけど、迷宮入りしなかったこと、そして主犯格が後悔していことが分かったのは小さな救いに。
●2月10日…〔今日の良かった〕政府発表によると、今後のコロナの感染拡大を予測するため、東京・大阪などの繁華街で1日1万件以上のPCR検査を行い、検査費用は政府が負担するという。無料というのはいいね。感染の広がり方や、その速度が早い段階で予測できると、効率的な手が打てる。
また、SNS上の様々な投稿を人工知能(AI)で分析し、感染拡大の前触れを押さえる動きも始まった。例えば、ある地域で「熱がある」との発信が増えたり、「飲み会に行こう」との話題が盛り上がったりしている状況を分析するという。
西村経済再生相「大都市部から地方に(感染が)広がるので、東京・大阪などの繁華街で一日も早くモニタリング検査を開始できるよう早急に体制を整えたい」。
●2月9日…〔今日の良かった〕先日の『麒麟がくる』最終回、信長最後の見せ場のはずだった自刃シーンなし、秀吉との決戦「山崎の合戦」なし、主人公がナレ死(絶命シーンがなくナレーションだけで死亡)、光秀没後に明智一族が坂本城で滅亡するシーンもなし。ぶっちゃけ、鑑賞直後に「ハァアアアア!?」「だから言わんこっちゃない、駒とか!東庵とか!」となった。
ところが、妻や旧友は「すごく良かった。あの後、光秀が死ぬって誰でも知っていること。主人公のミジメで救いのない最期をわざわざ描くことはない。落武者狩りで農民に殺されるなんてキツすぎる」。
そして知り合いのベテランのテレビ関係者も「見事な最終回だった。光秀と信長の関係を主軸に描いてきたドラマであり、それが最終回できっちり完結していた。腹をくくった光秀、泣き笑いの信長、これを見られただけで十分。このドラマに限っては、本能寺の変以降は蛇足といっていいほどだ」。
なるほど…そういう見方があるのか。視野が広がって良かった。
裏切りの動機についても、諸説すべてを“全部のせ”したうえに、生存説までフォローした脚本、そこは僕も見事と思った。
コロナ禍の前、斎藤道三が出ていた頃は、地方の小さな合戦でも時間を割いて描いていた当ドラマ。そのことを考えると、コロナさえなければ、「姉川の戦い」「長篠の戦い」「毛利水軍戦」といった大規模な合戦も描かれていただろう。大勢のエキストラを集めた合戦シーンが撮影できぬという制約の下、戦国ド真ン中のドラマをよく完走させたと思う。制作スタッフの方、お疲れさまでした。
●2月8日…〔今日の良かった〕五輪組織委員会の森会長の発言に端を発し、長年日本では“女性は笑ってスルーするべき”とされてきた、前時代的な女性観に訣別する動きがあちこちで出てきたように見えます。良かった。男女平等の流れが加速することを願うと共に、近年日本社会を見て感じていた改善すべき点などを、自戒を込めて整理&考察しました。

《近年の日本の男女差別に思う》

オリンピック憲章6条「人種、宗教、政治、性別、その他の理由に基づく国や個人に対する差別はいかなる形であれオリンピック・ムーブメントに属する事とは相容れない」。
森会長が「女性が多い会議は長くなる」などと発言した際、会場では笑い声が起きたという。これは個人の問題ではなく、様々な面で海外より男女同権が遅れている日本社会の問題。まずは世界と日本の政界にどれほどギャップがあるかみていく。

〔世界と日本〜男女平等指数〕
各国の男女平等の度合いをランキングした2019年の「男女平等指数(ジェンダー・ギャップ指数)」では、日本は調査153カ国中121位と先進国では最低。ちなみにその前年は110位であり、日本の順位は“悪化”している。アジアでは中国や韓国より低い。指数は経済、政治、教育、健康の4分野で女性の地位を分析。教育、健康では比較的好成績だが、経済(管理職の男女比率)と政治(議員・閣僚の男女比率)がメタメタで、特に政治分野は153カ国中で144位という凄まじい低さとなっており、ワースト10入り。スペインやカナダは閣僚(大臣)の半数が女性、かたや日本は20人中たった2人、10%だけ…。日本より下位の国はイラン、ナイジェリア、ベリーズ、ブルネイ、レバノン、オマーン、イエメン、バヌアツ、パプアニューギニアのみ。

★2020年1月時点の女性議員比率トップ5
1位 スペイン 66.7%
2位 フィンランド 61.1%
3位 ニカラグア 58.8%
4位 コロンビア 57.9%
5位 オーストリア 57.1%
(日本 現在10%)
スペインの内閣(67%が女性) 日本の内閣(同10%)
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〔クオータ制の導入を!〕
男女平等のために最優先で進めるべきことは国策を決める国会議員に女性の割合を増やすこと。強く訴えたい、OECD加盟30か国のうち、既に26カ国の政党が採用している「クオータ制」(quota=割り当て)を日本も導入するべき時がきたと!
クオータ制は議会の男女間格差を是正するため、あらかじめ候補者の数割を女性にするというもの。例えばメキシコでは2002年に候補者30%を女性にすることが義務化され、2008年に40%、2014年に50%と段階的に比率を引き上げてきた。
政治の中心に女性が増えた国では、性暴力や家庭内暴力から女性を保護する制度が拡充される傾向があり、また男性の育児休暇も充実されるなど、性を問わず生きやすい社会を目指している。男性中心の内閣では後回しにされがちだった政策に光が当たる。
特筆したいのはフィンランド。現在35歳の女性首相サンナ・マリン氏が率いる内閣は、19人中、女性が12人、男性が7人!しかも連立を組む「5党すべての党首」を女性が務めている。そしてこれもまた日本では考えられないが、フィンランドの内閣には35歳以下の大臣が4人いる。マリン首相は自身が貧しいレズビアンカップルの家庭で育ったことをカミングアウトしており、これによって同国では性別その他マイノリティーであることが生き方を制限しないと、若者たちは知った。

サンナ・マリン首相は
就任時34歳!
左から教育相アンデション(32)、内務相オヒサロ(34)
首相のマリン(34)、副首相のクルムニ(32)

マリン首相は「1日6時間勤務・週休3日制を目指す」と宣言、これが不可能ではない理由として「週休1日制から週休2日制に移行した後、賃金は減ることはなく、数十年かけて増え続けている」と説明。また、マリン首相は6ヵ月の育児休暇を父親も取得できる改革を推進している。
国連が発表している「世界幸福度ランキング」で、フィンランドは2018年から3年連続首位をキープしている。充実した社会保障、環境の良さ、国民から政府への信用度の高さなどが反映された。日本の順位は過去最下位の62位で、前年の58位から4位下げている。
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〔遅れているメディア業界〕
今回、日本のメディアは手厳しく森会長の発言を伝えたが、その日本のマスコミ自身も問題を抱えている。極端に女性役員の数が少なく、約7割のメディア団体・会社でゼロだ。日本新聞協会の役員53人、日本民間放送連盟の役員45人のうち女性はゼロ。テレビ局民放の在京6社の番組制作部門トップも女性ゼロ。
新聞労連の吉永委員長「指導的地位の女性を3割に増やすという政府目標が長年掲げられてきた中で、メディアが全く変わってこなかった。多様な意見を反映できない現状が、旧来メディア産業の衰退にもつながっている」「メディアがジェンダーギャップを放置している責任は重い。性的に強調したり、性別役割分業を助長するような表現を野放しにしていないか」。リベラルを掲げる朝日新聞でさえ、管理職女性割合は12%にとどまる。NHKはさらに少なく管理職女性割合9.5%。メディアもまた大きく変わる必要がある。
ちなみに経団連の役員についても、上層部の会長・副会長・理事・監事計約40人のなかで女性は一人しかいない
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〔世界唯一の結婚改姓義務〕
あまり知られていないが、日本は夫婦別姓が認められていない世界で唯一の国だ。他国は同姓・別姓を「選択」することができたり、姓を変えない文化があったりする。そのため、日本は国連から3度も「女性差別」を理由に是正勧告を受けている。
別姓婚の反対意見に「日本の伝統的家族が壊れる」との声があるが、それは歴史を誤解している。かつての日本は「別姓」が基本であり、1870年に国民が姓を持つことが許された際も、政府は既婚者に実家の姓を名乗るように指示。現在の夫婦同姓は1898年公布の明治民法から始まったものであり約120年の歴史しかない。
海外では結婚に縛られない仕組みづくりが進み、フランスでは1999年に18歳以上の同棲カップルに結婚とほぼ同等の法的権利を与える法律が施行され、スウェーデンでは法律婚の前に多くのカップルがサムボ(事実婚)法を利用しているという。
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〔性被害の実状を反映していない刑法〕
米誌タイムは昨年9月、毎年恒例の「世界で最も影響力のある100人」を発表し、日本人では黒人差別に抗議したテニスの大坂なおみ選手と、自らの性暴力被害を実名で公表したジャーナリスト、伊藤詩織さんの2名が選ばれた。大坂さんのことを知らない人はほぼいないと思う。一方、タイム誌が「“勇気ある告発”で日本人女性の在り方を大きく変えた」と讃えた伊藤さんのことを知っている人は何割いるだろうか。
 
今の日本で、もっとも勇気のある人では。

――2015年、伊藤詩織さん(当時25)は昏睡状態で性被害を受け、同意に基づかない行為であるばかりか、相手(既婚者)は避妊もせず非常に悪質だった。ところが警察に訴えても相手は逮捕されず。というより、いったん出た逮捕状が握り潰された。相手は一般人ではなかった。「安倍首相にもっとも近いジャーナリスト」「携帯に直接電話の仲」として安倍氏の伝記を2冊書き、当時ワイドショーに出まくっていた山口敬之氏だった。
警察は、ホテルの防犯カメラ、DNA検査、タクシー運転手やホテル従業員の証言などを捜査しクロと認定、裁判所から逮捕状が出された。裁判官は冤罪を避けるため、逮捕の必要もない事案で逮捕状を出すことはない。そして捜査員が逮捕に向かった当日(16年6月8日)、警察上層部から突然命令が下り逮捕は中止になった。
逮捕状が出ているのに、直前で逮捕が取りやめになった前例はない。この前代未聞の中止命令を出したのは、当時警視庁本部の刑事部長だった中村格(いたる)氏。中村氏は管官房長官(当時)の元秘書官で、のちに大臣官房統括審議官に抜擢されるなど大出世している。中村氏は逮捕中止の理由を今日までいっさい説明していない。
だが、伊藤詩織さんにはさらなる試練が待ち受けていた。彼女が本名を公開し、カメラの前に立って戦いを開始すると、ネットでは「売名行為」「ハニートラップ」と凄まじいバッシングが起きた。「隙があったのだろう」「服装はどうだったのか」から始まり、挙げ句にはイラストレーターが描いた似顔絵(「枕営業大失敗」と書かれている)を見て、現職国会議員(杉田水脈・長尾敬議員)が嘲笑している動画まで配信された。
杉田議員は過去に「LGBTは生産性がない」と発言し問題になったが、この件でも「落ち度」があったと伊藤さんを叩き続け、昨年も性暴力被害者への支援をめぐり「女性はいくらでも嘘をつける」と暴言。杉田議員はいまも除籍にならず、自民党は彼女を受け入れている。
2017年、山口氏は検察審査会で不起訴になった。不起訴=無罪ということではなく「犯罪の疑いはあるが立証するだけの証拠が不十分」というものだが、ネットでは不起訴を理由に再び伊藤さんへのバッシングが起きた。検察審査会の場に伊藤さんは呼ばれず、また伊藤さんが求めていた防犯カメラ動画を審査員に見てもらえたのかも不明のまま。この時の審査員の男女比は男性が7名、女性が4名。性被害のような事例は男女比を半々に近づけるべきと思う。その後、19年12月に民事裁判で伊藤さんは勝訴し、被告に損害賠償が命じられた。ようやく彼女の声が司法に届いた瞬間だった。
日本の刑法が遅れているのは、「被害者が抵抗できないほどの脅迫があった」と証明できなければ罪に問われにくいこと。性犯罪被害者の7割がフリーズ状態に陥っている。「無抵抗は同意ではなく恐怖で動けない」が実状なのに、刑法が実態を反映していない。被害者の立場に立った刑法の改正が必要だ。
若い女性が顔を出して名前を公表することに、どれほど勇気が必要か。昨年秋にタイム誌が「世界で最も影響力のある100人」に伊藤さんを選んだ際、「これでやっと伊藤さんの勇気が広く知られる」と期待したが、いまもテレビ局はまともに報道していない。だが、将来この国の歴史の授業で「伊藤詩織」の名が語られる日が来ると僕は思っている。
タイム誌選出を受けての伊藤さんの声明
「本当にたくさんの声が重なって、たまたま私が発した時に一緒にその声が響いたものだと思っています」
「私はあなたの娘、妹、姉、母、あるいは親友だったかもしれない」
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〔コロナ禍が炙り出した女性の地位の不安定さ〕
コロナ禍が長引くにつれ、女性の自死が急増している。昨年10月の自殺者は、前年同月比で男性が22%増。一方、女性は「83%増」となった。異常な増加率だ。自殺者全体では男性が女性の約2倍と多いが、国際比較では日本人女性の自殺率は世界4位で、男性の15位よりも高い。
女性差別には、男性の内面にある歪んだ優越思想など心理的な問題(DVや性暴力の源)と、非正規労働など社会構造として差別が固定化されている問題があり、コロナ禍は両者の深刻さを浮き彫りにした。日本はGDP(国内総生産)で世界3位の「経済大国」にもかかわらず、シングルマザー世帯の貧困が先進国でも「突出」して深刻だ。平均年収は200万円、ひとり親の貧困率はドイツの5倍、英国の9倍に達する。
加えて多くが非正規であり、真っ先に人員削減の対象となり得るため不安定な身分。コロナの影響でシフトが5割以上減った女性の74%が「休業手当の支給がない」と調査で回答、全国で約90万人の女性が同じ状況下にあるという。経済苦のみが自死の理由でないにしろ、生活基盤の安定は極めて重要なもの。
先述したように、男性の自死も高止まりしており、将来のパンデミック再来に備えて非正規労働者の待遇を早急に改善する必要がある。
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――以上、逆説的になりますが、森会長の発言によって、日本社会の歪みが図らず露見したことで、性差別解消に向けて世間の空気は変わりつつあり、2021年は真の意味で男女平等元年となるかも知れないし、そうしなければならないと思います。

※オリンピック自体も男女平等実現をめぐり長い道のりを歩んできた。近代五輪の創設者クーベルタンは女性の参加に反対し第1回大会は男子のみ。1981年までIOCの委員に女性の就任は認められず、スキージャンプ女子が設立されたのは2010年になってからだ。
※日本のスポーツ界は中央競技団体の役員1615人のうち、女性が占める割合は約15%のみ。スポーツ庁が目標に掲げる女性理事40%以上に遠く及ばない。
※15〜34歳の死亡原因の第1位が自殺であるのも主要7カ国(G7)の中で日本だけ。二言目には「自己責任」、そんな大人の生きづらさが社会の闇を生み、若者をも息苦しくさせているように感じる。
※森会長に関する報道で少しマスコミの悪意を感じたのは、森氏の元々の発言「女性は優れており、競争意識が強いため話が長くなる」が、テレビ報道では“優れており”がカットされ、「女性は競争意識が強いため話が長くなる」になっていたこと。むろん、それを考慮してもNGなんだけど、「優れており」はカットしてはいけないと思う。新聞で全文を読むまで、僕もこのことを知らなかった。
※この報道のあと、妻から「カジポンだって、気をつけているようでアウトなことけっこう言ってるから」と指摘。育った時代のせいにせぬよう気をつけます。(^^;)
●2月7日…〔今日の良かった〕「入学者選抜に性別は無関係で、不要な情報と判断した」(青森県)、「法的に困るもの以外は性別欄をなくすという、県全体の流れ」(兵庫県)。トランスジェンダーなど、性的少数者への配慮などから、公立高校の入学願書の性別欄をなくす動きが2年間で一気に広がり、2019年2府県(大阪、福岡)のみであったのが、今年は41道府県がなくしたという。今も性別欄があるのは、山形、栃木、群馬、千葉、東京、静岡の6都県で、山形は来年からなくす。願書の性別欄をなくしただけで解決できない課題は多くあるけど、数年後には「あれ?なんでこの書類は性別を尋ねているんだろ。これって必要?」と違和感を持つ時代になっていると思う。
●2月6日…〔今日の良かった〕松屋がタイ料理のマッサマンカレー(ココナッツミルクのカレー)を期間限定でメニュー化、噂になっているだけあって確かに美味かった。鳥肉もゴロゴロ入ってる。カレーで730円というのは松屋では高めだけど、納得感あり。期間内にもう一度食べに行こう。

//『雪見だいふく』の「北海道ミルクプリン」も最高に美味。たまたま買って、そのクリーミーさにおったまげた。ダイエット中でなければ、1日3個くらい食べたいかも…。

//一昨年の参院選広島選挙区での大規模買収事件をめぐり、公職選挙法違反で有罪判決を受けた河井案里被告が参院議員を辞職。現職自民候補(安倍氏と距離を置く自民議員)への刺客として安倍氏が送り込んだ河井案里被告は、新人でありながら1億5千万円もの選挙資金(同じ選挙区の自民候補の10倍)を官邸主導で与えられて当選。その際、潤沢な資金が買収に使われたとみられている。
彼女自身がこの買収計画を立案したとは思えず、夫の克行氏、もしくは官邸や党本部の誰かの指示なのだろうけど、この件に関していっさい会見を開かず、説明責任を果たさないまま辞職してしまったので、黒幕がいまだにわからない。
案里被告は2020年6月に逮捕されたが、議員を辞職しないため、月々の歳費や文書通信交通滞在費、賞与がずっと支給され続け、総額は2000万円を超えている。
コロナによる経済的苦境で国民は大変なのに、国会に出てこない案里議員に血税2000万円を支払う国民の気持ちを考えて、せめて真実を語ってほしい。
※夫で元法相の克行被告は、地元の議員や首長ら100人に計約3000万円を配ったとして別途公判が進む。残りの約1億円はどこへ消えたのか。案里前議員は1枚紙のコメントを出しただけで、記者会見などで疑問に直接答えることはなかった。
●2月5日…〔今日の良かった〕米国とロシアが、期限切れまであと2日だった両国間の唯一の核軍縮条約「新戦略兵器削減条約(新START)」の5年間延長を決めた!双方の声明はブリンケン米国務長官「バイデン大統領は軍縮と核不拡散で米国のリーダーシップを取り戻す。今日はその第一歩だ」「新STARTの延長は、21世紀の安全保障課題に対応する、始まりに過ぎない」。ロシア外務省「戦略的な安定を維持し、機能させるメカニズムが保障された」 「対話を安定した軌道に乗せる努力が求められる」。

米国と旧ソ連が冷戦時代に結んだ中距離核戦力(INF)全廃条約は、トランプ政権が離脱表明し、2019年8月に失効した。
残った新STARTは、戦略核弾頭や大陸間弾道ミサイルなどの運搬手段の上限を決めたもの。10年間の有効期限が2月5日に迫る中、両国は数年前から延長交渉に取り組んできたが、トランプ前米政権は核兵器削減に消極的であり、交渉は難航していた。僕はやきもきしていたので、まずは5年延長となりホッとしている。大統領がトランプ氏のままだったら、INF脱退時のように「米軍の作戦の足かせになる」と言って、条約は失効期限を迎えていた可能性が高かった。
●2月4日…〔今日の良かった〕日本政府は外国で起きた深刻な人権侵害に対する反応が遅い&甘いが、従来はそれを「法律がないから制裁できない」と弁明してきた。バイデン新政権は人権問題に厳しい姿勢で臨む方針であり、これに呼応するように、日本でも他国の重大な人権侵害に制裁を科す法律を整備すべく、近く超党派の国会議員連盟が発足するという。

世界には政府に異を唱えただけで逮捕監禁、時には命を危険に晒されるなど、深刻な人権侵害が起きている国が少なくない。こういう場合、欧米は抗議声明を出すだけでなく、経済制裁や政権幹部の資産凍結、外交官の追放など目に見える形で抗議を表明している。
ところが日本の現行法には「人権侵害だけ」を理由に制裁を科す規定がない。だから、中国やロシア、最近ではミャンマーが無茶なことをやっても「遺憾の意」を表明することくらいしかできない。
こうした他国の人権侵害にアクションを起こす法律は「マグニツキー法」と呼ばれる。マグニツキー法は、ロシア当局による汚職を告発後に逮捕され、2009年に獄中死したロシア人弁護士の名前に由来し、言論弾圧や拷問、虐殺などの人権侵害に関わった外国の個人や団体に、資産凍結や入国禁止といった制裁を科す。オバマ政権が2012年に制定し、英国やカナダも制定済みで、欧州連合(EU)も昨年導入を決めた。
日本も国際社会の中で「人権国家」と標榜するのであれば、マグニツキー法を制定すべき。そうすることで、これまで「制裁できない」と逃げてきた事案について、「制裁しない」理由の説明責任が生じるし、問題点も明確になる。
●2月3日…〔今日の良かった〕先日新聞を読んでいて、“こんな簡単な方法でコロナの重症化を防ぐことができるのか”と驚いた。「腹臥位(ふくがい)療法」と呼ばれ、感染した患者にうつぶせになってもらうだけ。新型コロナの肺炎では、背中側の肺がダメージを受けることが多く、仰向けだと酸素を十分に取り込めない。うつぶせになることで、より健康な胸側の肺に血液が流れて酸素の取り入れがよくなるという。
都立駒込病院のコロナ専用病棟で、中等症患者23人に1日計7時間、腹臥位療法を半年間実施したところ、血液への酸素の取り込み具合をみる指標は全員が改善し、呼吸回数も18人中16人が減少。人工呼吸器の使用を回避できた患者も複数いたという。しかも、うつぶせになって3分で効果が現れたとのこと。この結果を昨年暮れの呼吸療法医学会学術集会で報告し、「重症化を予防する有効な治療法となる可能性がある」などとして、「COVID―19部門」で最優秀賞に輝いた。ひっぱくする重症病床の負荷を抑えることに繋がるといいな。

//コロナに感染して「周囲に迷惑をかけて申し訳ない」と自死を選んだ30代主婦の報道に胸が痛む。いまや、いつどこで感染するか分からない状況なのだから、感染者を死に追い込む社会の攻撃的な空気は本当に危険。
●2月2日…〔今日の良かった〕祝!岩波書店の『広辞苑』と並ぶ双璧、三省堂が発行する国語辞典『大辞林』4.0(見出語数269,000)に、造語《墓マイラー》が収録されました!
用語の意味は「歴史上の偉人などの、著名人の墓参りを趣味とする人を俗にいう語」とのこと。

  「大辞林4.0」に収録!

分かりやすい説明ではありますが、この言葉の生みの親として、三省堂のかたに次の想いを…。
僕の場合、著名人だから墓参するのではなく、たとえ無名でも自分が偉人と思った人に墓参しているので、説明文としては「著名人」という言葉を外して「感謝」という言葉を入れた次の一文がより本当の意味に近いかと(汗)→

「歴史上の偉人などに感謝の気持ちを伝えるため墓参りを趣味とする人を俗にいう語」

※著名ではない不遇な偉人がたくさんいます。改訂版のときに反映してもらえたら…(^^;)
※『大辞林 4.0 』の最終更新日は2019年12月26日になっているので、その頃から既に載っていたのかもしれない。ただ、ATOKの変換候補として説明文つきで出てきたのは、昨日の最新アップデート後が僕は初めてです。
※墓参のイメージを明るいものにしたくて、「墓マイラー」という言葉を使い始めたのは1990年代後半。四半世紀を経て国語辞典に登録されたことに。あちこち転げ回ってきただけの53年ですが、何かこの世に小さな爪痕をのこしたような気がします。三省堂さん、本当にありがとう。
●2月1日…〔今日の良かった〕菅首相とバイデン米大統領との電話協議で、対中国での日米連携が確認された。バイデン氏は、米国による日本防衛義務を定めた日米安保条約第5条の尖閣諸島への適用を明言。米新政権発足から早い段階で、「尖閣に何かあれば米軍も防衛する」という確約をとれたのは、中国への大きな牽制に。バイデン氏は米国内や日本など同盟国の一部にある「弱腰」懸念を払拭した形だ。
トランプ氏も尖閣を守ると言っていたけど、彼は同時に米軍駐留費を日本が大幅に負担しないと「米軍を引き揚げる」と、(中国ではなく)日本に揺さぶりをかけてきた。2017年は来日の直前に「リメンバー・パールハーバー」とツイートしていたし…。中国にしてみたら「日米同盟はそんなものか」となるわけで、トランプ氏にはビジネス上の駆け引きであっても、対外的には誤ったメッセージになっていた。
北朝鮮の非核化について、バイデン政権は日米韓の協力を重視しており、元徴用工や慰安婦問題で日韓が対立する現状を深く憂慮。今後は関係改善への働きかけを強めてくるだろうし、先日、文在寅大統領が元徴用工問題で韓国の司法判断に対する違和感を初めて表明したことは、その兆候と僕は見ている。日本はどう歩み寄るか。

//ミャンマーで総選挙に惨敗した国軍がクーデター、スーチー氏を軟禁した。スーチー氏に関しては、国軍が起こした少数派イスラム教徒ロヒンギャに対する虐殺事件を認めず失望したけど、国軍が政権をとったらロヒンギャはさらに過酷な迫害を受けてしまう。ミャンマー国民は、ここ数年の自由な空気を体験した以上、今さら戒厳令下に戻るのは真っ平だろう。中国がミャンマーの軍部に圧力をかけるのがベストだけど、中共政権は静観している。こういう時にリーダーシップをとれないのが、中国の限界か。あと、日本政府もおとなしい。もっと態度を明確に。

//昨日のロシアの反政権活動家ナバリヌイ氏の解放を求める反プーチン・デモの拘束者が、わずか1日で5千人を超えた。プーチンは国内外の批判を黙殺して弾圧を続けており、こちらも抜き差しならない。今までの反プーチン・デモと様子が異なるのは、参加者の4割が初めてデモに加わった新顔で、多くが10代20代の若者という点。これまでプーチンは若い世代から人気を集めていたイメージがあり、空気が変わったことを感じる。

//コロナ自粛中に銀座のクラブを訪れていた自公の衆院議員4名が辞職や離党に追い込まれたのは、昨日の北九州市議選(定数57)で、自民は当選10回のベテランら現職6名が落選した影響が大きいと思う。保守が強い九州でこの結果はインパクトがある。

//明日は124年ぶりの2月2日の節分。
●1月31日…〔今日の良かった〕先日の世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長の声明はわかりやすかった。いま世界はリッチな国々がコロナ・ワクチンの“買占め”を行い、目に余る格差が出始めている。テドロス氏はこう問題点を訴えた−−
「少なくとも49の富んだ国は、今までワクチン3900万回分を接種したが、ある最貧国は2500万回でもなく2万5000回分でもない、たったの25回分しか接種していない」
「世界は新型コロナワクチンの流通において、破滅的な道徳的失敗の直前だ。公平に入手できるという約束が、深刻な危険に直面している」
「ほとんどの製薬企業はWHOにデータを提出することよりも、多くの利益を得ることのできる富んだ国から承認を受けることを優先している」
「富んだ国の若くて健康な成人が、医療陣や貧しい国の老人よりも先に接種を受けるのは正しくないことだ」

ワクチン接種で浮き彫りになった国家間の格差。最も象徴的なのはイスラエルとパレスチナ。イスラエルは既に全人口の3分の1が接種済みという世界最速の国だ。ところがイスラエル占領下にあるパレスチナ自治政府では、まだワクチン接種が始まっていない。
カナダは人口の5倍、イギリスは同じく3倍ものワクチンを確保する一方、アフリカには医療関係者さえワクチン確保のメドがない国がある。
WHOはコロナ初期に「人から人はない」など感染力を軽視し、中国擁護に終始したのは問題だが、それはそれ、これはこれ。いくら先進国でワクチン接種が進んでも、後進国でやっかいな変異種が生まれれば、すぐに国境を越えて拡散し、危機が再来する。続けてテドロス氏は訴えた。

「新たな変異ウイルスの拡散により、ワクチンの公正な分配が一層 重要となった」
「率直に言う。この失敗の代価は、最も貧しい国に住んでいる人々の生命と生計に表れるだろう」
「結局、富裕国のワクチン独占は、パンデミックと封鎖措置、経済的苦痛を延長させるだけだ」
他人を守らないと自分を守れない、それがコロナ禍。

世界は壊滅的な倫理上の
失敗を犯す瀬戸際にある
この失敗の代償となるのは
貧しい国の人々の暮らしだ

//最終回まであと一話になった『麒麟がくる』、せっかく光秀が主人公なんだから、本能寺の変は今日で終わって、最終回は信長他界後の山崎の合戦に至るまでの心理描写や、光秀没後の明智家の運命をじっくりと描いてほしかった。あと1回で、謀反決意から光秀の死、ガラシア後日談まで全部やれるのかな。心配だけど、神脚本&神演出の大感動最終回になることを期待。

//『進撃の巨人』67話、タイトルが「凶弾」だから、誰かヤバイことになる予感はしていたけど…グスンです。
●1月30日…〔今日の良かった〕今日メモったいい言葉。
「テレビの役割は、拡声器ではなく聴診器であれ」(是枝裕和/映画監督)

//日本で最も有名なオカルト情報誌『月刊 ムー』(1979年創刊)。同誌はこれまでネッシーや宇宙人など様々なロマンを提供してくれた。そのムーの編集長の言葉として、なぜ「ムー」ではまだ「Qアノン」(「世界緊急放送がありトランプの敵が一斉に逮捕される」等を信じる人々)を本格的に特集していないのか、その理由をツイッターで紹介していた。含蓄に富みこちらもメモ。

ムー編集長「検証するとすぐにおかしいと分かる事柄が組み合わさっていて、ムー読者からするとまだまだ甘いと思うのでは。日本で盛り上がっている人は、陰謀論への免疫が足りないような気がする」

//テレビ局は高須クリニックが出す巨額のスポンサー料に目がくらんで報道に及び腰だけど、高須克弥氏が音頭をとった大村・愛知県知事に対するリコール運動の「大規模不正署名事件」は犯罪であり、ちゃんと取材して放送してほしい。署名43万人分の8割以上、36万人分がインチキで、実在しない人物が数万人とか、民主主義の根幹にかかわる前代未聞の事件。この署名の呼びかけ人となった、百田尚樹氏、有本香氏、竹田恒泰氏は、事態をどう思っているのか聞かせてほしい。
●1月29日…〔今日の良かった〕1986年以来、30年以上にわたって時代の世相を17字で描写してきた『サラリーマン川柳』。先日、第34回コンクールのノミネート作100句が発表された(主催第一生命保険)。
ここ1年はコロナ禍という未曾有の苦難と重なり、“この状況をユーモアで表現するのは難しいのではないか”と思っていたけど、蓋を開ければ6万2542句が投句され、閉塞感が五・七・五の楽しい芸術に昇華されていた!
寄せられた作品のうち約8割がコロナ関連といい、僕の予想では以下の14句から最優秀が選ばれるのではないかと…。

「出社日は 次はいつなの?」 妻の圧
リモートで 便利な言葉 “聞こえません!”
出勤が 運動だったと 気付く腹
終われない 終電が無い ズーム飲み
下書きの 送信キーを 猫が押し
オンライン 説教したら 画面消え
激論も パジャマ姿の 下半身
リモートの 背景だけは タワマン風
会社へは 来るなと上司 行けと妻
マスクさえ 妻と娘と 別洗い
お父さん マスクも会話も よくずれる
子は鬼滅 夫婦は亀裂 おうち時間
掃除して! 一応これでも 勤務中
抱き上げた 孫が一言 密ですよ
●1月28日…〔今日の良かった〕新聞記事で見つけた指揮者ダニエル・バレンボイムの言葉をメモ。「音楽は建築であり、考古学でもある。創造と発掘を繰り返す音楽家の人生に、ルーティンや退屈といったものは存在しない」。

//YouTubeに『15分で追いつける「進撃の巨人」ダイジェスト』があり、NHKの編集だけあってとてもよくまとまっていた。“一度も見たことないけど今から60話も見るのは無理”という方はこちらを。

//昨日の日記「“進撃の巨人”の興奮をネタバレされずに共有したい」について、数名の読者の方から「海外ファンの反応がお勧めです」と教えて頂きました。外国の人は感情表現が豊かなので、表情を見ているだけでも楽しいですね!(画像にリンク)

 

  この男性は数分間、ずっとこの表情のまま凝固。わかる…!
●1月27日…〔今日の良かった〕先日のアニメ『進撃の巨人/第66話“強襲”』が凄すぎた。あまりに濃密な25分間にカジポン家は息をするのも忘れて全員が画面に全集中。途中のアイキャッチで子どもは「えっ、まだ半分だったん!?」妻いわく「どちらにも感情移入。どっちを応援したらいいのかわからない」。それ僕もまったく同感。作品世界では悲しみだけがどんどん拡大している。
一方で、中盤に某キャラクターが登場して驚愕の展開になったときに、畏怖しつつも興奮している自分がいて、感情をビン詰めにされぶん回されている状態に。こんなアニメはそうない。
『進撃の巨人』は単行本も持っていて、普通なら漫画を読んだ後にアニメを見るんだろうけど、この作品はあまりにも映像が美しく、またバトルシーンのスピード感が異次元レベルであるため、放映後に物語が進んだところまで本を読むという逆転現象が起きている。そんな作品は、僕の人生でこれだけだ。世間の感想を知りたくて、ツイッターやまとめサイト覗いてみたい誘惑に駆られるけど、ネタバレが怖くて一切検索できないというジレンマに。ライナーもピークもいいやつ、なんとかハッピーエンドになってほしい。

//医療機関では国内最大規模のクラスターが発生した北海道の旭川厚生病院。499床の同院で感染者311人、病没37人にのぼっていたが、最後の感染確認は12月29日で、その後の4週間で感染者が出なかったため、院側は「クラスターが収束した」と会見。対策をしっかりしていれば一ヶ月で収束させられることが証明された。
●1月26日…〔今日の良かった〕プーチン所有の秘密宮殿の存在をスクープするなどロシア政財界の腐敗を告発し、今月17日に当局に拘束された反政権活動家アレクセイ・ナバリヌイ氏。このままではいつプーチン政権に殺されるかわからず、めっさ心配していたけど、釈放を求める声がロシアの国内外にあふれてきた。これだけ世界が注目していると当局も簡単にはナバリヌイ氏の命を奪えないはず。
3日前にロシアで行われたナバリヌイ氏解放を求めるデモは全国100カ所以上に広がり、3521人が拘束された。プーチン政権は抑え込みをはかっているが、ネットには治安部隊がデモ参加者を容赦なく警棒でぶん殴る姿が拡散、これが人々の怒りを呼びプーチン支持層からも疑問の声があがり始めている。
これまで反プーチンのジャーナリストが次々と暗殺されてきたロシア。「プーチン皇帝」といわれるほど鉄壁の権力基盤を持つプーチンが、これほど逆風に晒されるのは珍しい。ナバリヌイ氏を釈放すればプーチンには無視できない対抗勢力となり、暗殺するとそれこそ収拾が付かない大混乱になる。

ナバリヌイ氏の陣営は「変革は1日では起こせない」と声明を出し、市民が次の週末もデモに集まるよう呼びかけている。大量の参加者が拘束されたことについて、EUや米国は「平和的な集会や表現の自由の権利を抑圧しようとし続けている」「厳しい手段が用いられたことを強く非難する」と声明を発表し、拘束された全てのデモ参加者と、ナバリヌイ氏の釈放を求めた。バイデン政権は人権を重視しており、「ロシア政府はデモの前から、主催者に嫌がらせをしたり、参加する可能性がある人を拘束したりしている」「米国はロシアであろうと他の場所であろうと、人権を守るため、同盟・友好国と協力して立つ」と強調。予断を許さない状況がしばらく続く。
※先月プーチンはとてもカッコ悪い法律「大統領経験者は生涯にわたり刑事、行政上の責任を問われない特権をもつ」を成立させた。自分自身に対して、終身恩赦を与えたのだ。普通、頭に浮かんでもプライドや羞恥心があればそんな法律は問題外と肩をすくめるのに、プーチンは本当に実現してしまった。終わりの始まり。

//ウチのサイトのこのトップページだけ、昨年後半からなぜかアクセスカウンターが表示されなくて弱っている。別ページでは表示されるのに。特別なことは何もしておらず、ほんと原因が不明。っていうか、他にもヤフーのニュースリンクが表示されなくなり、SNSのリンク集も表示されなくなり、アマゾンの検索ボックスは文字化けし(文字化け後に再入力すると正常になる)、半年くらい前からどんどん動作異常に…。
使用しているIBMのホームページビルダーV8が2003年製で、あまりに古すぎるのが原因かと、最新版のV22(2020年製)に変えてみたものの症状は改善せず、動作が重くなっただけなので再び18年前のV8に戻したという…。
※強いて言うなら心当たりが2つある。ひとつはアドレスを「http」から「https」にしたこと。もうひとつは、Flashのサービスが終わったこと。でもジョジョ立ちページも「https」だけど一番下のアクセウカウンターはちゃんと表示されている…謎!
●1月25日…〔今日の良かった〕アメリカ大統領選のデマの検証ブログが素晴らしかった。45個ものデマのファクト・チェックが紹介されており、ネット上に拡散された「投票に不正があった」系のバイデン叩きの大半がデマであったと分かる。出典も添えられており、多くの誤解が解けるだろう。報道番組の街頭インタビューを見ていると、トランプ派の少なくない人がデマを信じ、純粋な正義感から憤っているため、こうしたファクト・チェック情報を伝えていくことは大切。
かつてヒラリーが敗れたときにピザゲート陰謀論がばら撒かれたけど、いまだにネット上にそのデマを見かけ、デマ拡散のスピードに真実が追いつけないネット空間の危うさを恐れている。陰謀論にひとつひとつ反証するブログ主さんの労力に敬意。
●1月24日…〔今日の良かった〕2023年の大河ドラマの主人公が徳川家康に決定!タイトルは『どうする家康』でユニークだし、主演はイケメンの松本潤ということで、あまり大河に興味がない人も見てくれそう。歴史ファンとしては超久々に「関ヶ原の戦い」を大河で見られることが嬉しい。最後に関ヶ原がそれなりに描かれたのは2009年の『天地人』だから14年ぶりということになる。以降の『江』『真田丸』は信州上田での戦いがメインだったし、『官兵衛』は主人公が九州滞在。
関ヶ原での全軍の動きをがっつりと描き、好評だった2000年の『葵 徳川三代』を超える内容を期待したい。昨今のCG技術の進化は目覚ましく、迫力のある総力戦が展開するだろう!
●1月23日…〔今日の良かった〕祝!『核兵器禁止条約』が22日午前0時をもって発効!
この条約は、核兵器の開発、製造、保有、使用を禁止し、さらに核兵器の使用をほのめかして威嚇することも禁じた画期的な条約だ。
発効当日にカンボジアが加わり、これで世界196カ国のうち、核兵器禁止条約を批准した国と地域は「52」になった。この後はペルーとチリが批准する見通しだ。
いま世界には約14000発の核兵器がある。
核廃絶に関連した国際条約としては、1970年に発効した『核拡散防止条約』があり、こちらには既に191カ国が加盟している。同条約は核保有を米露英仏中という安保理常任理事国に限定し、他国の核兵器所持を認めていない。ある意味、保有国の特権を守るための“不平等条約”であるが、そのかわりに次の超重要な第6条が定められた。
『核拡散防止条約・第6条』 保有国には「誠実に核軍縮交渉を行う義務」がある

ところがそれから40年近く経っても核廃絶は成されず、議論も進まず、保有国は逆に増えてインド、パキスタン、イスラエル、北朝鮮を含む9カ国になってしまった。
この状況を打破すべく、2007年に核廃絶を目指す世界のNGO(非政府組織)の連合体「ICAN」(核兵器廃絶国際キャンペーン)が発足。
2010年に赤十字国際委員会が「核兵器は非人道兵器である」と断じた声明を発表し、核廃絶に向けて国際運動が勢いづく。
2014年、太平洋のマーシャル諸島共和国は「核保有国は交渉するそぶりだけで廃絶へ進もうとしていない」と、先述した第6条違反を糾弾、国際司法裁判所に核保有9ヵ国を「単独」で提訴した。
人口約5万人の小さなマーシャル諸島は、過去にアメリカが「67回」も核実験を繰り返し、住民に健康被害が多発した島国。第五福竜丸が被災したビキニ環礁(マーシャル諸島)での水爆実験60年の節目にこの提訴に踏み切った。賠償金は求めておらず、金銭目的ではない。
訴状では、主要国が核軍縮義務に違反し続けている事例を列挙、「新たな核軍縮条約の交渉を早期に始めるよう命じる」ことを求めた。核保有国が裁判を拒否したため(裁判開始は双方の合意が必要)事実上の門前払いとなったが、「1匹のアリが9頭のゾウに挑んだ」といわれた提訴は、核を持たない国が立ち上がる先例となった。

こうした状況を受け、「核保有国が自力で廃絶できなかった核兵器」を国際法で使用・所持の禁止に追い込むため、2016年秋に国連にて核兵器禁止条約の内容を話し合いで決めるための、「核武装撤廃交渉を翌年から開始する決議案」が、賛成123、反対38、棄権16という圧倒的賛成多数で採択された。共同提案者のオーストリア国連大使「化学兵器や生物兵器を禁止する条約があるのだから、核兵器も同じと考えるのが論理的だ」

このとき、日本は世界が仰天する行動をとった。北朝鮮やイランでさえ「賛成票」を入れたのに、安倍政権は「反対票」を投じたのだ。世界は「唯一の戦争被爆国」が、核兵器禁止条約どころか、その前段階である、話し合いの開催にも反対するという後ろ向きな姿勢に失望し、広島長崎の平和団体から非難の声が起きた。残念ながら、この反対票にほとんどの日本国民は関心を持たず、野党ですら選挙の争点としなかった。
本来なら日本が旗振り役をしなければならない条約だ。その5カ月前にオバマ大統領が広島を訪問した際、安倍氏は被爆者の前で「被爆国として日本は核兵器廃絶の先頭に立つ」と誓っていたのだから。米国との関係で賛成が難しいなら、せめて棄権することで国際社会に意思表示して欲しかった。(意外かもしれないが核大国が軒並み条約に反対するなか、中国だけが棄権を選んでいる)

そして2017年7月7日、ついに国連で『核兵器禁止条約』が賛成多数(122票)により採択!一発の銃弾も撃たずに、核兵器の所持を国際法で非合法とした。
翌月条約成立を受けての、田上富久・長崎市長の『長崎平和宣言』が話題になった。
《核兵器を持つ国々と核の傘の下にいる国々に訴えます。安全保障上、核兵器が必要だと言い続ける限り、核の脅威はなくなりません。核兵器によって国を守ろうとする政策を見直してください。核不拡散条約(NPT)は、すべての加盟国に核軍縮の義務を課しているはずです。その義務を果たしてください。世界が勇気ある決断を待っています。
日本政府に訴えます。核兵器のない世界を目指してリーダーシップをとり、核兵器を持つ国々と持たない国々の橋渡し役を務めると明言しているにも関わらず、核兵器禁止条約の交渉会議にさえ参加しない姿勢を、被爆地は到底理解できません。唯一の戦争被爆国として、核兵器禁止条約への一日も早い参加を目指し、核の傘に依存する政策の見直しを進めてください。日本の参加を国際社会は待っています。》

同年のノーベル平和賞には『核兵器禁止条約』の成立推進役となったICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)が選ばれた。
僕はこの受賞を喜んだが、平和賞授賞式の当日、テレビの前で絶句した。広島で被爆したカナダ在住のサーロー節子さんの受賞スピーチを聞きたいのに、NHKは19時のニュースでも21時のニュースでも黙殺し、文学賞受賞者のカズオ・イシグロさんのスピーチだけを紹介するということをやった。両者とも日本生まれであり、いつもなら“日本スゴイ”の流れで大々的に報道するのに。

★13歳で被爆したサーロー節子さんの平和賞スピーチ(抜粋)
《核兵器は必要悪ではなく、絶対悪です。世界の圧倒的多数の国々が核兵器禁止条約を採択したとき、私は喜びで感極まりました。かつて人類の最悪のときを目の当たりにした私は、この日、人類の最良のときを目の当たりにしました。私たち被爆者は72年にわたり、核兵器の禁止を待ち望んできました。これを、核兵器の終わりの始まりにしようではありませんか。
核武装国の政府の皆さんに、そして、「核の傘」なるものの下で共犯者となっている国々の政府の皆さんに申し上げたい。あなたたちは皆、人類を危機にさらしている暴力システムに欠かせない一部分なのです。世界のすべての国の指導者に懇願します。核兵器禁止条約に参加し、核による絶滅の脅威を永遠に除去してください。
私は13歳の少女だったときに、(原爆で倒壊した建物の)くすぶるがれきの中に捕らえられながら、前に進み続け、光に向かって動き続けました。そして生き残りました。今、私たちの光は核兵器禁止条約です。この会場にいるすべての皆さんと、これを聞いている世界中のすべての皆さんに対して、広島の廃虚の中で私が聞いた言葉をくり返したいと思います。「あきらめるな! (がれきを)押し続けろ! 動き続けろ! 光が見えるだろう? そこに向かって這って行け」。》
このスピーチの開始当初、条約不参加国の代表者は斜めに構えていたが、被爆体験のあたりから身を乗り出して聞き入り、スピーチの終わりには他の聴衆と一緒に拍手していたという。
※リンク先のスピーチ全文には、黒こげの炭となった351人の同級生の話、何者か判別もできない溶けた肉の塊に変わってしまった4歳の甥っ子の話があります。
https://digital.asahi.com/articles/ASKDB4H8VKDBUHBI008.html

NHKがサーロー節子さんのスピーチを黙殺したのは《「核の傘」なるものの下で共犯者となっている国々の政府》という強烈な一文があるため、官邸に忖度してオンエアしなかったのだと僕は見ている。同夜の「報ステ」「news23」は報道していた。

核兵器禁止条約は発効に50カ国の批准が必要であり、2020年10月に条件を満たした(そこからさらに90日後に発効)。
2021年1月22日!『核兵器禁止条約』が発効!この記念すべき日の国会で菅首相は「わが国の立場に照らし、条約に署名する考えはない」と明言。そして、核禁条約について「核兵器国のみならず、多くの非核兵器国からも支持を得られていない」と批判した。首相は誤解をしている。条約成立のときに122カ国が賛成したのに、批准国が52に留まっているのは、経済的・軍事的に繋がりがある核大国の圧力下にあるからだ。条約不支持なわけじゃない(そもそも不支持なら採択で賛成票を投じてない)。

日本政府は条約反対の理由について「核兵器国と非核兵器国の対立を一層助長する」とも言っている。30年前の冷戦終結直後ならその理由でも通じたかもしれない。だが結局、核保有国は軍事的優位を守るため核を手放そうとしなかった。大戦から75年が経ち、被爆者も高齢化しており、もうこれ以上は待てない。核保有国は自主的に削減できないのだから、核保有国9カ国以外のすべての国、187カ国が核兵器禁止条約を批准して、「その非人道的な兵器を捨てろ」「大量破壊兵器を持つな」と説得するしかない。
条約推進国はこの条約の発効を弾みに参加国が増えることを期待している。唯一の戦争被爆国の日本が条約に参加すれば、ポジティブな大きなうねりを生み出すのは間違いなく、迷っている国の背中を押すことができる。だが、日本政府は壊れた機械のように「橋渡しに努める」と繰り返すだけで、具体的な核廃絶の道筋を何も示せていない。

実際の話、日本政府が条約に加盟したくてもできない最大のネックは駐留米軍の存在だろう。横須賀や沖縄に核搭載可能な原潜など艦船が入港する際、米軍は核の存在を機密事項として明らかにしない。だから、米国と軍事同盟を結ぶ韓国や豪州も不参加だし、カナダやドイツなどNATO加盟国も署名しない。このあたり米国とよく話し合う必要がある。日本には曲がりなりにも「非核三原則」があるのだから…。

ヨーロッパではNATO非加盟のオーストリア・アイルランドなどは賛成した。ちなみにアジアではベトナム・フィリピン・タイ・マレーシアなどが批准、米国の周辺ではメキシコやキューバ(もうキューバ危機の再来はない)、アフリカでは南アフリカ・ボツワナなどが批准。「隣国が批准したからウチも」というパターンを見ると“そりゃそうだよな。戦争はたいてい隣国と起きるから、相手が核不所持を宣言した以上、こっちも核を持つ理由はない”となる。こういう信頼に立った善い連鎖が地球を覆うことを願ってやまない。

※反核裁判の先頭に立ったマーシャル諸島共和国の外相(当時)トニー・デブルム氏は、2017年に『核兵器禁止条約』成立を見届けた後、その翌月8月22日に72歳で他界した。デブルム氏の墓参りをするためマーシャル諸島に行きたい!

※「ゴジラ」第1作(1954)で主演を務めた宝田明さんの、核禁条約発効に際してのメッセージ(2021年1月21日付、朝日)。
《1945年8月、米国が広島、長崎に投下した原爆によって、その年だけで21万人以上の命が奪われました。そして54年、太平洋のビキニ環礁でアメリカは水爆実験をしました。静岡県のマグロ漁船「第五福竜丸」が「死の灰」を浴び、無線長の久保山愛吉さんが亡くなったことは、日本中に衝撃を与えました。
当時20歳。「東宝ニューフェース」として初めて主役に起用された「ゴジラ」は、3度の核被害を受けた日本人が、世界に向けて核の恐怖を発信するという思いで制作した作品でした。俳優も制作陣もみんな戦争体験者。若きプロデューサーだった田中友幸さんが「文明というものを問い直そうという作品だ」といったあいさつをしたことが今も鮮明に残っています。
海底に暮らしていた巨大生物ゴジラは米軍の水爆実験で安住の地を追われ、東京に上陸し、銀座や国会議事堂を焼き尽くす。そして最後は人類が生み出した残酷な兵器で海に沈む。試写を見ながらわーわー泣きました。人間の強欲によって(ゴジラは)「ヒバクシャ」とされ、悲しい運命を背負わされた存在。ひとりの観客として心を揺さぶられたのです。
当時人口8800万人の日本で、観客動員961万人という大ヒット。街が焼かれ、人々が逃げ惑い、負傷者が横たわるという場面に空襲や原爆による苦しみを思い出した人は多かったでしょう。当時の人々は核の恐怖に危機感を持ち、熱かったのです。
でも、熱しやすく冷めやすいのもこの国の特徴でしょうか。東西の冷戦や経済発展を理由にアメリカの尻を追いかけるようになりました。
核兵器禁止条約が効力を持つのは、もろ手を挙げて万々歳です。ただ、被爆国の日本は加わっていない。「核だけは絶対にダメだ」と言える国なのに。なぜ真っ先に批准しないのか。
しかし、アメリカ人の核兵器への意識も変わってきています。「ゴジラ」の1作目は、業者がアメリカに不都合なところを全部カットし、全米で上映しました。俳優の志村喬(たかし)が演じる古生物学者の「水爆実験が続けて行われるとしたらゴジラがまた世界のどこかに現れるかもしれない」という名ぜりふを含めた完全版が上映されたのは15年ほど前。この時は、新聞の批評は大好評でした。
私は11歳のとき、旧満州(中国東北部)で終戦を迎えました。侵攻してきたソ連軍に腹を撃たれ、麻酔なしで弾を摘出しました。若い女性がソ連兵に連れ去られたことも覚えています。戦争は人間に憎悪しか残しません。核兵器となれば多数の無辜(むこ)の民を殺します。
政治的発言を控えていましたが、還暦を過ぎて戦争体験を語り始めました。「ゴジラ」1作目の制作陣のほとんどが鬼籍に入る中、彼らの思いも語る責任があると思います。日本はアメリカと同盟があっても、核だけは厳然とノーと言うべきです。かろうじて生きながらえている戦争体験者として、語るべきことを語りたいと思います。》
●1月22日…〔今日の良かった〕本日『お墓から見たニッポン・シーズン3/最終回・赤穂浪士』が放送され、公式動画(テレビ大阪)が高速アップされました!
「忠臣蔵」四十七士の墓所は東京・泉岳寺が有名ですが、義士たちは罪人として扱われたため、すぐには将軍お膝元の江戸に墓石は建てられず、先に大阪の浅野家の菩提寺・吉祥寺にお墓(遺髪・遺爪)ができたと伝えられています。この寺は参勤交代時の赤穂藩の滞在地でもありました。
番組後半では、江戸時代の大坂(大阪)でブームになった“七墓”と呼ばれる七ヶ所の“無縁仏”を供養する「七墓巡り」を紹介。自分の先祖を祀るだけでなく、無縁となった死者にも思いを馳せる風習で、まさに江戸時代の墓マイラー文化っす!
また、浪花(なにわ)の商人が子孫のために教訓を刻んだ「教訓墓」も取り上げます!
『お墓から見たニッポン最終回・赤穂浪士』 (23分)
【 画像クイズ】ここに彫られている文字は二重の意味の“とんち”になっています。答えは番組後半で!

  江戸時代の墓。この謎の文字には2つの意味が

//新劇場版エヴァンゲリオン(完結編)、1/23公開予定だったけど、またしても延期に。しかも公開日未定という…。鬼滅やドラえもんは公開できただけに残念。
●1月21日…〔今日の良かった〕バイデン大統領の就任演説がとても良かった!多様性や人権を重視する姿勢は、新政権の閣僚級ポスト候補25人の半数を女性、非白人が占めていることからもわかる。女性初の副大統領、黒人初の国防長官、同性愛者を公言した初の運輸長官等々。トランプ政権の発足当初、25人の閣僚級ポストのうち女性4人、非白人4人だった。バイデン政権では女性12人、非白人13人と一気に3倍になっている。
人権問題については中国に対しても毅然とした態度をとり、トランプ政権が最後の最後(バイデン就任の前日)になってようやく認めたウイグル人へのジェノサイド認定を、ブリンケン次期国務長官は就任前からジェノサイドと見解を示した。しかも、バイデン政権は1979年に米国と台湾に外交関係がなくなって以来、初めて台湾の大使にあたる代表を大統領就任式に招待しており、これはどの政権もできなかったことだ。

約20分間の大統領就任演説には「アメリカの物語を書こう。恐怖ではなく希望、分断ではなく結束、暗闇ではなく光の物語を」など、いくつも印象に残る言葉、場面があった。
トランプ氏のもと4年間で深まった米国社会の分断に対する強い危機感から、「ユニティ(結束)」「ユナイティング」という言葉を11回も使い、国民に融和と結束を呼びかけた。
そして「私たちは民主主義と真実、ウイルス、格差拡大、人種差別、気候変動に直面している」と警鐘。これらはトランプ氏が「たいしたことない」「騒ぎすぎだ」と軽視してきたもの。中でも、金持ちになること、成功することが美徳とされる米社会にあって「格差拡大」に言及したことに感動した。資本主義体制を続けるにしろ、富の不均衡は限度を超えている。他にも…
・「青(民主党)と赤(共和党)、地方と都市、保守とリベラルを戦わせる礼節を欠いた戦争を終わらせなければならない」
「我々は民主主義は尊く、もろいものだと改めて学んだ」
・「我々は試練の時を迎えている。民主主義や真実に対する攻撃に直面している。事実が操作されたり、でっち上げられたりする文化を拒絶しなければならない。政治的過激主義、白人至上主義、国内テロに立ち向かわなければならない」
・「私はすべてのアメリカ国民の大統領になることを約束する。私を支持しなかった人たちのためにも懸命に闘う
・「我々は政治を脇に置いて、一つの国としてこのパンデミックに立ち向かわなければならない」等々。

「私たちは民主主義と真実、ウイルス、格差
拡大、人種差別、気候変動に直面している」
我々は民主主義は尊く、
もろいものだと改めて学んだ
分断ではなく結束、暗闇では
なく光の物語を書こう
私を支持しなかった人たちの
ためにも懸命に闘う

バイデン大統領は演説で、アメリカ・ファーストではなく国際協調を重視する姿勢を前面に出し「我々は同盟を修復し、再び世界に関与する。平和や進歩、安全にとっての強力で信頼できるパートナーになる」と訴えた。
そして就任初日からさっそく行動を開始し、地球温暖化、新型コロナ対策など、様々な大統領令に署名した。
・温暖化対策の「パリ協定」への復帰※トランプ氏が脱退
・世界保健機関(WHO)からの脱退手続きを中止。※同上
・政府施設でのマスク着用の義務化
・家賃などの滞納による立ち退きや差し押さえの猶予期間延長
・学生ローンの返済の一時停止
・イスラム教徒の多い国からの入国規制の撤廃
・メキシコとの国境の壁建設を取りやめ
バイデン大統領は、今後10日間で計53の大統領令を用意しているという。

//就任演説後の特別番組で過去3代の大統領、クリントン(民主)、ブッシュ(共和)、オバマ(民主)が党派の垣根を超えて集まった。大統領経験者だからこそ、このタイミングで大統領になることがどれだけ大変か分かっている。それゆえ、3人からバイデン新大統領に「この国を前に進めるためなら、私たちは協力を惜しみません。幸運を祈ってます」とエールを送った。
僕は彼らの現役時代に、政策に疑問を抱くこともあったが、連邦議事堂が(外国の過激派ではなく)同じ米国人に襲撃され死者まで出るという非常事態に、未来を憂いこうして共同声明を出すことは素晴らしいと思う。世界にとって良い4年間になりますように。
左からクリントン、ブッシュ、オバマ。
国の非常時として新大統領のために集まる
ブッシュからバイデンへの党派を
超えたエール。これもアメリカ

//22日(金)17:22〜テレビ大阪『お墓から見たニッポン・シーズン3/第3回・赤穂浪士』放送です。今回は大阪の浅野家の菩提寺を訪れました。また江戸時代にブームになった庶民の墓所巡りを紹介。江戸時代の墓マイラー文化を伝えます!
●1月20日…〔今日の良かった〕メタリカのギタリスト、カーク・ハメットいわく「感情の爆発を直接表現できるのはクラシックとメタルだけだ」。先日のEテレ『ららら♪クラシック〜メタル loves クラシック!?』は神回でした!
高速ギター、重低音、シャウトヴォーカルのヘヴィ・メタルとクラシックは一見両極端に見えるけど、クラシックが大好きなメタラーは多い!ゲストのメタルギタリスト、ケリー・サイモン氏と作曲家の中村匡宏氏がクラシックとメタルの親和性を実演しながら解説した。以下は番組メモと僕の加筆。
《ケリー・サイモン演奏》
※メタル版バッハ『トッカータとフーガ』(2分40秒)途中から化学変化!
※メタル版ベートーヴェン『ピアノソナタ“悲愴”第3楽章』(3分45秒)セッション
※メタル版スメタナ『モルダウ』(2分15秒)泣きのメタルギター
※メタル版ヴィヴァルディ『四季』(3分25秒)最後の“冬”がトップギアON

ヘヴィ・メタルにはクラシック音楽のさまざまな要素があり、メタルギタリストはこぞってクラシックをレパートリーに取り入れている。古くはハードロックからメタルへの橋渡し役(パイオニア)となったディープ・パープルのリッチー・ブラックモア。
リッチー「俺の中には常にバッハがいるんだ。あの荘厳で強烈な世界に魅了されているんだよ。とにかく偉大な作曲家さ」。彼は1972年の『ハイウェイ・スター』で、そして1974年の『紫の炎』(6分10秒)で、ギター・ソロのコード進行をバッハの楽曲から着想を得た。そこではバロック音楽で多用される「反復進行」が使われ、同じ音の動きを違う高さで反復することでスピードを出しつつ、メロディー感も多彩なコード進行で強調、華麗な演奏効果を出した。
※ストラトヴァリウス『ブラック・ダイアモンド』(5分35秒)
※ANGRA『ノヴァ・エラ』(4分52秒)

メタルはクラシックの対位法を好む。対位法は複数の旋律が重なってひとつの音楽を構成する作曲技法。例えばヴィヴァルディのソナタ『ラ・フォリア』はヴァイオリンがゆっくり弾いているときに、チェロが小刻みに速く弾き、逆にチェロがゆっくり弾いているときに、ヴァイオリンが高速で演奏しており、互いに相手の隙間を狙って音がしっかり聞こえるように組み立てられ、またお互いの音を引き立てあっている。
※『ラ・フォリア』のこの部分(頭出し/8分46秒のところ。原曲はコレッリ)。
https://www.youtube.com/watch?v=7v8zxoEoA_Q#t=8m46s
メタルは音が大きいうえ皆が高速で動いているため、できるだけいろんなパートが聴こえるように工夫されている。以下の曲ではギターのメロディーの隙間に、キーボードが楔(くさび)を打ち込み、約4分半の間に目まぐるしく変化していく。メタル万華鏡!
※ANGRA『スプレッド・ユア・ファイア』(4分27秒)

ギターの高速演奏にはヴァイオリンの技法が応用されている。メタルギター界の王者、超絶技巧ギタリストのイングヴェイ・マルムスティーンいわく「バッハとパガニーニが俺の最大の影響源だ。俺のギタースタイルの99.9%はヴァイオリンなんだ」。
イングヴェイは一度のストロークでたくさんの音を出せるヴァイオリンのボウイングを参考に、ギターピッグの大きなダウンとアップという2回のモーションで多弦を弾く「スウィープ奏法」を確立、爆速に到達した(従来の速弾きは小刻みなダウンとアップで単弦を弾いていた)。さらにイングヴェイはアラビア風の不思議な響き「ハーモニック・マイナー・スケール」(音階で6個目=ラ♭と7個目=シの音が他の音階より多めに離れている/増2度)を好み、これはショパンが革命エチュードで使ったもの。ケリー「増2度の持つシリアスなマイナー感、高速でプレイすることで緊張感とスリル感が増す。メタルにピッタリなスケール」。
※イングヴェイ・マルムスティーン『ファー・ビヨンド・ザ・サン』(5分53秒)
※ショパン『革命エチュード』(2分54秒)はハーモニック・マイナー・スケールしか出てこない。
※ハロウィン『イーグル・フライ・フリー』(5分11秒)

超高音シャウトや低音デスボイスなど驚異的な発声をするメタルのヴォーカルと、圧倒的な声量でホール全体を響かせるオペラ歌手には共通点がある。メタルのヴォーカルは音域がものすごく広いが、これを裏声ではなく「実声(じっせい)」で歌わねばならない。喋っているときの地声のまま高い音を出す技術を求められる。クラシックも男性は基本的に実声であるため、メタル歌手はクラシックの男性の歌い方に近い。クラシックではオーケストラに埋もれない声を追求する必要があり、メタルでも大爆音のバンドの中で自分の声を際立たせねばならず、どちらも声に音圧と響きを出す訓練が重要。歌詞を伝えるための手段ではなく、楽器として声を扱う。
スウェーデンのシンフォニック・メタルの代表格「セリオン」のヴォーカル、トーマス・ヴィクストロムはテノール歌手としても活躍している。
トーマス・ヴィクストロム「オペラとメタルの大きな違いは、オペラの方が99%かすれなしのクリアな声で歌う」。中村氏「違いは、つややか(オペラ)かハスキー(メタル)か」。

ケリー・サイモン「メタルは構造美の中で自己満足といえる芸術性を追求できる」「体を壊してまで作曲に魂を注ぎ続けたベートーヴェンは、まさに究極のメタラーだ」
中村匡宏「コンセプトを追求した芸術として作品が成り立つのは、メタルとクラシック」

※番組で紹介された「メタルファンのための最強クラシック曲10選」(5分28秒)、音圧系が多く興味深かったです。っていうか、これ僕も作りたいな…。
※ギネスに載っている世界で一番短い曲はメタル。ナパーム・デスの『ユー・サファー』はたった1秒!この短い時間に「お前は苦しむ…しかしなぜだ?」という気持ちが込められているという。コメント欄のトップに「too long」とあって噴き出した。
※逆に史上最長の楽曲は演奏に639年かかる作曲家ジョン・ケージの『オルガン2/ASLSP』。ASLSPの意味は「できるだけ遅く」。楽曲のコンセプトは「慌ただしい現代への音楽的反逆」であり、譜面は8ページしかないが、とにかくゆっくり演奏することを目指し、2001年9月5日にドイツ中部ハルバーシュタットの聖ブキャルディ教会で演奏が始まった。
2013年10月に鳴った音「G#3」は、その後2527日間ずっと同じ音、ロングトーンを出し続け、昨年9月に「E4」に変化し、その際7年ぶりに新たな展開をみせたことが話題になった。次回の変化は2022年2月5日とけっこう近い。過去に18か月間の休符もあり、運悪く休符の時期に教会へ行った人は何も聴けなかった。演奏終了は2640年の予定。リンク動画は639年も待てない人のために、21分40秒で“高速”演奏しているようだ。
※『ららら♪クラシック』メタル回の再放送は1/21の午前10時25分からEテレにて。
●1月19日…〔今日の良かった〕現在、大半の美術館はチケットの日時指定制(人数制限)を行うなど感染予防対策を徹底しており、今のところ美術展でクラスターが発生したという話は聞かない
昨年11月から大阪の国立国際美術館では、展示作品全61作すべてが日本初公開かつ再来日の可能性が極めて低い、激レア内容の『ロンドン・ナショナル・ギャラリー展』が開催中。そもそも、ナショナル・ギャラリー自体、200年の歴史の中でこれが初の海外所蔵作品展。昨夏にまず東京で開催され、大阪に巡回してきた。

僕は11月下旬に足を運び、「これは今まで日本国内で見たすべての美術展の中で最高の内容だ!」と激興奮して帰途についたものの、コロナのこともあってすぐに感想を書かなかった。「あと2カ月もすれば感染も落ち着いているだろう、その時に書けばいい」と…。
ところが現状は11月より悪化している。されど、この『ナショナル・ギャラリー展』は1月31日で終わってしまう…!あと約10日!
こんなことなら11月の段階で書けば良かったと後悔しているけど、これほどの企画を実現した方々に御礼を伝えたく、最大限の感謝を込めて見どころを5作品書きます。書いておかないと、この展覧会があったこと自体、記録に残りにくそうな状況…。

(1)ゴッホ「ひまわり」…ゴッホが描いた7点の「ひまわり」(花瓶入り)の中でも、本作は特に傑作の呼び声が高いナショナル・ギャラリーの至宝。今展の「ひまわり」は、ゴッホが共同生活を送った画家仲間ゴーギャンのために描き、実際に部屋に飾っていたもの。ゴーギャンもこのひまわりが大好きだと書き残している。ゴッホは花瓶を自分の家(アトリエ)に、ひまわりはそこに集まる画家仲間と見立てた。そして普段は絵の右下に入れるサインを、この絵では花瓶に直接書いた。花瓶=ゴッホにも見え、このサインを見ているだけで涙腺にくる(本来ならこれ一作だけを展示しても長蛇の列になるほどの名作なのに、他にまだ60点もある贅沢!)。
(2)モネ「睡蓮の池」…モネが描いた睡蓮の絵では、太鼓橋コラボの本作が最高傑作と個人的に思っています。写真や印刷では伝わりにくいですが、本物はグリーンがめちゃくちゃ美しい!
(3)ルノワール「劇場にて(初めてのお出かけ)」…初々しい社交界デビュー、劇場の喧騒の中で、緊張気味に開幕を待つ少女。絵の前で泣いている人がいたけど、なんか気持ちがわかる。純粋さ、輝きがまぶしい。
(4)ターナー「ポリュフェモスを嘲るオデュッセウス」…オデュッセウス(ユリシーズ)と一つ目の巨人ポリュフェモスとの戦い。雲の中に巨人の頭と右肩の影が見えている。太陽は水平線にあり劇的。絵のサイズも大きく圧巻!
(5)ムリーリョ「窓枠に身を乗り出した農民の少年」…子どもを描けば右に出る者がいないスペインの画家ムリーリョの逸品。画家の視点はどこまでも優しい。

他にも、ゴヤ、レンブラント、フェルメール、ベラスケス、セザンヌ、ドガ、ゴーギャン、エル・グレコ、コンスタブル、そしてルネサンス時代のボッティチェリまであります。全作品初来日の凄み!会期末ですが、公式サイトを見たところ丸1日チケットは余っている模様(リンク先を下にスクロール)。
過去の展覧会でゴッホの名画が来たときは、三重、四重の人垣の後ろ、はるか後方から鑑賞することもありましたが、この展覧会では最終入場で入ったので、閉館前にゴッホのひまわりと1対1で対面するという空前絶後の体験をしました。アートファン、ゴッホファンで行こうと思われた方、十分に感染対策をされたうえでご鑑賞下さい。
ゴッホ「ひまわり」
花瓶の中央左にサイン
ルノワール「劇場にて
(初めてのお出かけ)」
ムリーリョ「窓枠に身を
乗り出した農民の少年」
ターナーの大作「ポリュフェモスを嘲る
オデュッセウス」左のマストの上に巨人の影
モネ「睡蓮の池」
時が経つのを忘れてしまう

※繰り返しになりますが、ネット画像や画集でみたものと実物では、発色の美しさがまったく違い、もう別作品に近いものです。絵が自分から発光していると思えるほどに。
●1月18日…〔今日の良かった〕祝!エベレスト(8848m)に続いて世界第2位の高さを誇るK2(8611m)の冬季登頂にネパール隊が初めて成功(16日)!世界に8千メートル級の山は14座あるが、頂上はマイナス60度の極寒、台風並みの強風(時速200km)、壁のごとき急斜面(雪崩多発)という過酷さのためにK2だけが冬季登頂されていなかった。
81人(2012年時点)もの登山者の命を奪ってきたこの「非情の山」をネパール隊10人が制覇したことで、すべての冬季超高峰に人類が立った。欧米のリッチな登山チームをサポートすることが多いネパール人にスポットが当たることはめったになく、アジアの登山隊というのも嬉しい。頂上の10メートル手前から、みんなでネパール国歌を歌いながら登頂したとのこと!
※K2のKはカラコルム山脈(Karakoram)の頭文字。パキスタンと中国の国境にそそり立つ。世界第2位の高峰であるにも関わらず、人里から遠く離れた奥地にあるため19世紀末まで名前も無く、ほとんど存在が知られなかった。
夏季登頂を含めて2012年春の時点でエベレスト登頂者数は5656人いたが、K2はわずか306人。2008年のK2の大雪崩ではオランダ、フランス、ノルウェー、韓国、ネパールの11名が一度に遭難死した。
※添付画像はウィキペディアから。僕は立山登頂でさえ命の危険を感じたので、写真を見ているだけで手に汗がにじみます。

  “非情の山”を制覇!

//昨年はコロナ禍の拡大で途中で筆を折ってしまった、この日記の「今日の良かった」。今年こそ大晦日まで書き続けるべく、元旦にさかのぼって一気に更新しました。正月特番にあった星野源さんの素晴らしいインタビューや、露伴ドラマの感想の続きなど、いろいろ書いています。

//ロシアの野党指導者ナワリヌイ氏(44)の勇気に敬意。プーチンに毒殺されかけ、ドイツの病院で九死に一生を得たのに、再びロシアに戻るとは。本当に覚悟してないとできない。そして、昨夜、帰国と同時に拘束された。欧州各国はロシア政府に対してすぐに批判声明を出した。日本は領土問題がらみでプーチンにはずっと及び腰。だけど、国際的な圧力をかけないと、ナワリヌイ氏の命が危険であり、菅首相は毅然とした態度をとるべき。

//バイデン大統領就任(20日)まであと2日。ワシントンDCには不測の事態に備えて2万5千人の軍隊が集結。これはイラクとアフガンの駐留米軍の5倍という。
●1月17日…〔今日の良かった〕作家菊池寛が1932年に書いた宮本武蔵と神仏についてのエッセイ、これまで一部しか知らなかったけど、前後がわかって胸熱。※印はカジポン注。
→「武蔵が独行道十八カ条を六十近くになって書いたことなどと云うのは間違いで、例の吉岡一族と一乗寺下り松で仕合をするとき、道で神社の前を通り、今日の仕合の大事を思うて、危く神前で祈ろうとし鈴の紐に手をかけたが、平素のモットーたる(神仏を尊んで頼まず)を思い出し、ハッとして中止したが、このときの事を思うと冷汗が出ると後年述懐しているから、独行道十八カ条は、三、四十歳にして、既に武蔵の心胸に形作られているのである。それを人にかいて示したのは、何時の事かそんなことは問題でない。この(神仏を尊んで頼まず)など云う言葉だって、日本人などには、そうザラには云えない。前項にかいたゴルズワアジイ(※ゴールズワージー、英のノーベル賞作家)の短詩に(われ夕暮の行きずりに神に逢わばかくは祈らむ、われに神を頼まざるが如き強き力を与えたまえ)と云うのがある。武蔵の心境は、二十世紀のノーベル賞金受領文学者とも、同じレベルに達しているのである。こんな剣客がほかにいるか。その他直木君が親切にも前号に紹介してくれた独行道十八カ条を味ってくれると、こんな気のきいた事を書いた日本人が、政治家の中に、武将の中に、学者の中に何人いるか と云うのである。自分は、剣客として武蔵は日本第一であるばかりでなく、人物としても日本人の中では、屈指の人であると思う。武蔵は剣聖であり哲人であり、しかも彩管(※さいかん、絵筆)をとらしては、斯道(※しどう、この道)の大家と角逐する芸術家である。」
(昭和7年/1932年12月『文藝春秋』)
●1月16日…〔今日の良かった〕民主主義と法治国家を重視する姿勢として、米企業の間でバイデン氏の勝利確定に反対した共和党議員への献金を停止する動きが広がっている。きっかけはトランプ支持者が連邦議会議事堂に乱入した事件。「法治回復」を求めて経済界も動き出した。ホテルチェーン大手マリオット・インターナショナルは「公正な選挙を損なう破壊的な事件であり、選挙結果の認定に反対票を投じた議員には献金しないことにした」と発表。
フェイスブックや金融大手シティグループ、JPモルガン・チェースなどは、停止しただけでなく政治献金そのものの見直しを行う方針。こうした動きはマイクロソフトやグーグル、自動車大手フォード、小売り大手ウォルマート、クレジットカードのアメリカン・エキスプレス、金融大手バンク・オブ・アメリカ、医療保険大手BCBSA、通信大手AT&Tなど様々な業種に広がり、 「権力の平和的な移行を阻止しようという試みは、我々の価値と相いれない」(アメックス)、「今後の献金に際し、議会占拠事件を考慮に入れる」(フォード)という。シティ幹部は従業員向けの文書で「法の支配を尊重しない候補は支持しないとはっきりさせたい」と説明した。
米ビジネス界はこれまで減税や規制緩和の恩恵にあずかろうと、政権との関係維持に努めてきたが、民主主義の根幹を揺るがす事態に至り、「黙っている方がリスク」と判断した模様。
カリフォルニア大ドン・ムーア教授は「彼らが声を上げるのは、声を上げないことがむしろ問題になるときだけだ」と批判するが、それでも僕は英断を讃えたい。こういう動きが日本企業にも広がってほしいからだ。
●1月15日…〔今日の良かった〕テレビ大阪『お墓から見たニッポン・シーズン3(第2回)真田信繁(幸村)』の公式動画がアップ(23分)されました!番組前半は高野山の麓、九度山の真田庵にある真田昌幸・信繁父子の墓所、番組後半の庶民の墓は奈良県の山里にある珍しい「男女別・年齢別墓地」を訪ね、地元の方のお話を伺います。
墓地の左が男性、右が女性で、お年寄りほど上段の区画になっています。最上段が90歳以上、次の段が80代、順番に70代後半、60代から70代前半、 50代以下、39歳以下となっていて、「お年寄りに対する尊敬の念」を読み取ることが出来ます。この番組で訪れて、日本にこういう墓文化(ハカルチャー)があったのかと驚きました。


専門用語で「年齢階梯(かいてい)制墓地」。今回も朽木教授の名解説あり!

/16日より2週間、フランス全土で午後6時から外出禁止に入るとのこと。
●1月14日…〔今日の良かった〕アメリカの議会は、自分たちの手でトランプ米大統領を弾劾(だんがい)訴追することで、行動を通して世界に意志を示した。
トランプ支持派の連邦議事堂襲撃から数日が経ち、いかに襲撃者が暴力的であったか、そしてトランプ氏が無責任か明らかになってきた。
暴動前、トランプ氏は約1時間の演説で−−
「我々は選挙に勝った。地滑り的大勝利だった。選挙不正があった」
弱さでは、国を絶対取り戻せない。強さを見せ、強くあらねばならない
「死にものぐるいで戦わなければ」
「我々は決してあきらめない。決して敗北を認めない」
「不正があったと分かったときは、違うルールで行うことが許される」
このあと我々は議事堂に向かって歩く。私も一緒だ
と群衆をけしかけていた。この演説で一度だけ「平和的にいこう」と言葉を入れたが、他のメッセージが強烈すぎて吹き飛んだ形だ。トランプ氏自身も演説の終わりに再び「さあ、議事堂へ行こう。ひ弱な共和党議員に、国を取り戻すために必要な誇りと大胆さを与えよう」と議事堂での抗議を求めている。

その後、実際には、トランプ氏は議事堂へ行かず、ホワイトハウスに戻り、襲撃開始後にはツイッターに「ペンス副大統領は国と憲法を守るためにやるべきことをする勇気がなかった」などと投稿した。
議事堂に乱入した暴徒は「ペンス(副大統領)をつるせ」「ナンシー(・ペロシ下院議長)はどこだ」と叫び、議員達は催涙弾の使用に備え、ガスマスクをつけて隠し部屋へ避難。
ワシントン・ポストによると、議事堂で避難した共和党議員らは、事態沈静化に向けた声明を出すようトランプ氏に電話で求めた。しかし、トランプ氏は襲撃事件を伝えるテレビ中継に夢中で、取り合わなかったという。ワシントン市長が求めた、鎮圧のための州兵動員を決めたのも、ペンス氏だった。

民主党のペロシ下院議長は弾劾訴追の決議後、「大統領であっても、法を免れられないという意思を示すことができた」と談話。これまで一枚岩だった共和党からも「大統領の責任を問うべきだ」と10人の賛同者が出た。
ニューハウス議員(共和党)「私を含め、大統領が偽情報を流し、暴徒をたきつける前に、声を上げなかった責任がある」。
今後の焦点は、弾劾裁判を行う上院(定数100)の、50人の共和党議員の判断。有罪となればトランプ氏は将来も米国の公職に就くことができない。有罪のためには、出席議員の3分の2以上の賛成が必要で、共和党から(50人中)17人以上が加わることが条件となる。カギを握るのが、共和党上院トップのマコネル院内総務。ニューヨーク・タイムズは「マコネル氏は、トランプ氏を共和党からパージ(追放)する機会として弾劾を歓迎した」と報道、マコネル氏は「何も決めていない」と声明を出したが、「有罪」を排除しなかったことに政界で衝撃が走った。
共和党内ではトランプ氏と距離を置く動きが急速に進んでいる。
トゥーミー上院議員(共和党)「大統領が、弾劾(だんがい)に相当する罪を犯したと思う」
グラム上院議員(共和党※トランプ氏のゴルフ仲間)「私を仲間に入れてくれるな。もうたくさんだ」
クルーズ上院議員(共和党)「トランプ氏の発言や言葉遣いは一線を越えた。私はそれに賛同しないし、この4年間、トランプ氏の発言に賛同したこともない」
チェイニー議員(共和党/下院ナンバー3)「(トランプ氏は)暴徒を呼び寄せ、集合させ、今回の襲撃に火をつけた」
●1月13日…〔今日の良かった〕先日、新聞のお悩み相談コーナーで、ある人が「腹が立った相手にすぐ“死ね!”と心の中で言ってしまう自分をなんとかしたい。このままでは本当に口をついて出てしまいそう」というのがあった。
回答者の政治学者・夏目漱石研究者の姜尚中さんいわく−−
《現在の私たちの世界では、「死」は「死化粧」を施されて密封されてしまい、「死」にまつわるものを出来るだけ目に見えないようにしてきました。「死」が身体的に実感できない世界にわたしたちは生きているのです。そして「死」が実感できないとすれば、反対の「生」も実感できなくなっているという側面は否定できません。「生」が充実し、嫌なことがあっても、日々生きていることが喜びに満ちていれば、頻用するのは「感謝」という言葉になるはずです。「生」の充実とは、「生かされている」ことの実感であり、それに対する感謝の自然な感情に由来するのですから。「死ね」の呪縛から解放されるためには、あなたは「生」の充実について考えてみる必要がありそうです。》
…感謝の言葉がたくさん出てくる生き方が肝要。

//米ツイッター社は議事堂襲撃事件を機に、暴力を促す投稿を削除する動きを強化、1人が複数のアカウントで陰謀論を拡散しているケースが多く、停止したアカウントは「7万以上」にのぼるという。表現の自由はもちろん大切。でも人類は1994年にアフリカ中部ルワンダで起きたルワンダ大虐殺から重要な教訓を学んだ。その年、ルワンダではラジオ局DJが暴力扇動メッセージを流し続けた結果、約100日間で約80万人もの人々(ツチ族)が虐殺された。欧州も例外ではない。1995年、旧ユーゴのボスニアでは10日間で約8300人の住民がセルビア人部隊によって虐殺された。この時も憎悪扇動者がいた。ここから分かることは、世界大戦のナチによる虐殺を体験した後でも、人間は負の感情を毎日焚き付けられると、簡単に理性が吹っ飛ぶということだ。それほどまでに憎悪感情に弱い。だからこそ、他人を傷つけることを呼びかける声を拡散してはいけないんだ。
●1月12日…〔今日の良かった〕日本ではあまり報道されてないけど、先週アメリカでは上院議員選挙の決戦投票があり、民主党の候補2人が当選した。上院は伝統的に共和党が強いにもかかわらずだ。米国議会は下院が民主党、上院は共和党が多数派という「ネジレ状態」になっていたけど、これで両党は同数になり、そこに副大統領を加えて民主党が過半数となった(アメリカでは上院の採決が同数の場合、副大統領が可否を決めるため)。
これによってアメリカは「トリプルブルー」となった。トリプルブルーとは大統領、上院、下院のすべてが民主党の主導権の下に置かれること。民主党のシンボルカラーがブルーだからだ。
当選した2人の顔ぶれは、1人が資金力に乏しい33歳の若手のドキュメンタリー映画プロデューサー。彼は選挙資金がないかわり、ツイッターの更新をしまくって政策を訴えた。もう一人は、南部ジョージア州で初となるアフリカ系上院議員。非常に保守色の強いアメリカ南部で、コネのない若手と黒人候補者が当選し、しかも議会の勢力図まで変わってしまったことに、他国のことながらテンションがアップ。

//『麒麟がくる』、今からでも遅くないから、完全スルーした「長篠の戦い」とやってくれ〜!あと松永久秀の最期も、同時代の「川角太閤記」に「首は鉄砲火薬で焼き割り、茶釜も平蜘蛛も同じ運命」とあるんだから天守閣ドッカンをやればよかったのに…。実在しないオリジナルキャラの、お駒(門脇麦)、菊丸(岡本隆史)、東庵(堺正章)、伊呂波太夫(尾野真千子)に重要な役をさせまくってるのに、変なところで史実にこだわるのが理解できないっす!
●1月11日…〔今日の良かった〕俳優かつ元カリフォルニア州知事、保守派共和党員のアーノルド・シュワルツェネッガーが、先日のトランプ支持者の連邦議事堂襲撃を受けて「トランプ大統領は指導者として失格です。彼は史上最悪のアメリカ大統領となるでしょう。彼自身がまもなく、古いツイートのように消えていくのは良いことですが、彼の嘘と裏切りを容認した政治家たちはどうするべきか。彼らに、セオドア・ルーズベルト元大統領の言葉を思い出させたい。《愛国心とは、国を支持するということ。大統領の側に立つということではない》」と語りかけた動画に感動。
民主党員ではなく、伝統的共和党員のシュワルツェネッガーの言葉であるだけに、多くの共和党支持者の心に届くのではないだろうか。歴史的名スピーチ。
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・シュワルツェネッガーのメッセージ(抜粋)
「この国の移民の一人として、アメリカ人の仲間や友人、世界に向けて、最近起こった出来事に関して伝えたいことがあります。
私はオーストリアで育ちました。私はクリスタル・ナハト(水晶の夜※ユダヤ人街の窓ガラスが割られた夜)をよく知っています。1938年に起こった、ナチスの過激派グループによるユダヤ人襲撃事件です。
水曜日には、それがアメリカでも起こりました。暴徒によって議事堂の窓が壊されましたが、それだけではありません。
彼らは、私たちが当たり前と思っていた理念を打ち砕きました。彼らはアメリカの民主主義を体現する建物のドアを壊しただけではありません。建国の原則をも踏みにじったのです。

全ては嘘から始まりました。嘘に嘘が重ねられ、そして不寛容から始まったのです。私はヨーロッパで、社会がどのように制御不能となっていくかを直接目にしました。
ナチスと同じことがまた起こるのではないかと、アメリカと世界が恐れています。私はそれを信じていません。ですが、身勝手さと冷笑は、悲惨な結果を招くと気づくべきです。
トランプ大統領は公正な選挙結果を覆そうとしました。彼は嘘をつき、人々をミスリードしてクーデターを企てました。
私の父や当時の隣人たちも、(ナチスの)嘘に惑わされたのです。誤った方向に導かれる先を、私は知っています。

トランプ大統領は指導者として失格です。彼は史上最悪のアメリカ大統領となるでしょう。彼自身がまもなく、古いツイートのように消えていくのは良いことですが、彼の嘘と裏切りを容認した政治家たちはどうするべきか。
彼らに、セオドア・ルーズベルト元大統領の言葉を思い出させたい。
「愛国心とは、国を支持するということ。大統領の側に立つということではない」
ケネディ元大統領の著書に『勇気ある人々』がありますが、我が共和党の多くの議員たちは軟弱で、勇気ある人々ではなかった。断言します。
(トランプ氏を支持した)共和党の議員たちは、トランプの旗を振って議会に乱入した、独りよがりの反乱者たちの共犯者です
ですが彼らは失敗しました。アメリカの民主主義は依然として強く堅かったのです。乱入のすぐ後に議会は再開し、バイデン氏の勝利を承認するという職務を果たしました。なんと素晴らしい民主主義の証でしょうか。


剣を手に「民主主義は剣の鋼」 暴動の引き金となったトランプの煽り

これは『コナン・ザ・グレート』で使った剣です。剣に焼き入れをするほど、剣は強くなります。ハンマーで叩かれ、炎で焼かれて冷水で冷やされ、工程を繰り返すことで剣はどんどん強くなります。
この話をするのは剣づくりのエキスパートになって欲しいからではありません。アメリカの民主主義も剣の鋼と同じなのです。鍛錬することで、より強くなります
私たちの民主主義は、戦争、不正、暴動にさらされました。今回の襲撃事件で、失われかねないことが何かを知ったため、私たちの民主主義は強くなります。
このようなことが二度と繰り返されないようもちろん改善が必要です。度を超えた事態を引き起こした人たちの説明責任を追及しなければなりません。私たち自身、私たちの党の過去と不調和を見つめ直さなければいけません。そして民主主義を第一に考えなければいけません。
今回の悲劇で負った傷をともに癒し合いましょう。共和党として、民主党として、ではなく、アメリカ人としてです。このプロセスを始めるにあたって、政治的な立場は関係ありません。バイデン次期大統領に、こう言いませんか。
「バイデン大統領。私たちはあなたの素晴らしい成功を望みます。あなたの成功は、私たちの国の成功です。私たちを再び一つにする努力を、心から支持します」
※この翻訳はハフポスト日本版編集部のサイトを参照しました。全文がリンク先にあります。
シュワルツェネッガーのメッセージ動画 (英語字幕/7分30秒)
●1月10日…〔今日の良かった〕ネタバレを回避するため、いっさいの情報から距離をとってアニメを見ている『進撃の巨人』。ファイナルシーズンが始まって、「あれ?これまでの主人公たちが登場しないんですけど…(汗)」状態だったけど、予想だにしなかった展開に。第1話からずっと伏線を張っていということか。ほんとよくこんな物語を考えるなぁ。
近年のアニメ作品では、僕の中で『ヴィンランド・サガ』『ゴールデンカムイ』『キングダム』と並ぶS級アニメです。
//まだご存じない方も多いですが、今年の節分は暦の関係で2月2日とのこと。2日になったのは1897年以来、124年ぶり。節分は立春の前日というルールがあり。立春が動いたため玉突きで2日に。節分の日が移動することなんてあるんですね。

//医師の方のツイート「マウスシールドはマスクの代わりになりません!無意味なのでテレビで使うのもやめてほしい」。
確かに、テレビでタレントさんがマウスシールドをつけてセーフになっているのを見ると、それなりに効果があると視聴者に誤解を与えてしまう。
また、ある看護師さんのツイートは「うちにくるコロナ陽性&疑い患者のウレタンマスク着用率の高さがハンパないんだけど。笑えてくる」。
ガーン、僕は眼鏡が曇るのが不便だからと、ウレタンを使ってました(汗)

 
スパコン富岳のシミュレーションによると、マウスシールドでは吐き出した飛沫が100%→90%に、たったの10%が減っただけ、ウレタンは50%と半減。不織布(ふしょくふ)だと20%まで減らすことができるとのこと。「吸い込み飛沫」はもっとシビアな結果で、ウレタンは呼吸しやすいですが、60〜70%も飛沫を吸い込んでしまいます(汗)
〔追記〕透明シールド系の利点として、幼児が口元から感情を読み取ることができること、聴覚障がい者のコミュニケーションの助けになることを追記しておきます。

//トランプのツイッター永久凍結は、言論の自由への弾圧なのか、それとも正しい判断なのか。これは慎重に議論されるべきものだけど、僕はこの問題についてミステリー作家の巨匠スティーブン・キングが述べた言葉を是としたい。
「Sir, free speech does not include the right to yell “Fire!” in a crowded theater. That is what Donald Trump was doing, and why he has been rightfully banned.」
(混雑した劇場で「火事だ!」と叫ぶ権利は言論の自由に含まれていません。それはドナルド・トランプがやっていたことであり、彼が正当に禁止された理由です)
●1月9日…〔今日の良かった〕うちの近所に沖縄発祥の人気ステーキ店「やっぱりステーキ」が奇跡のオープン!ほんとに千円ステーキで十分に満足できる美味しさだった!ありがとう、こんなに小さな大東市にオープンしてくれて。

//アメリカ民主主義の本丸ともいえる連邦議会が、現職大統領の呼びかけがきっかけとなって占拠された前代未聞の悲劇の続報。一昨日、NHK-BS1の『国際報道2021』で、トランプ支持派による連邦議事堂襲撃事件を伝えた池畑キャスター、僕はこの番組をいつも見ていますが、あんなに感情をあらわにした氏を見たのは初めて。
アメリカの民主主義は墜ちるところまで墜ちました。トランプ大統領の4年間の任期のなれの果て、それは選挙に不正があったという根拠のない主張に煽られ続けるトランプ氏の支持者たちが議会を一時占拠し死傷者が出るという前代未聞の混乱でした」
選挙の結果が気に入らないから暴力で自分が望む通りに相手を従わせよう、そんなことが許されていいはずがない。
今回の襲撃は突然起きたわけじゃない。トランプは先月19日、ツイッターで支持者に対し「1月6日はワシントンD.C.で大規模デモだ。来てくれ。ワイルドなものになるぞ!」と投稿。その言葉通りに多くの支持者が首都ワシントンに集結した。この日、議会では大統領選の投票結果を承認する手続きが行われており、それを意識してのものだ。事前に共和党の複数議員が投票結果に異議を申し立てると公表していたため、トランプは集まった支持者たちに「勇敢な議員たちを勇気づけに議事堂へ行くんだ!」「弱腰では国は取り戻せない」「我々は死にもの狂いで闘うぞ。闘わないと国が奪われるぞ」と呼びかけ、「歴史に残る大規模な(投票)不正を、我々は決して忘れない」「これは終わりではない。今日という日はただの始まりだ」「抗議行動が起これば自分も参加する」と焚き付け、直後に議事堂襲撃が起こるなど支持者たちを暴徒化させてしまった。
連邦議会議事堂でこのような暴動が起きたのは、英国の攻撃で建物が焼けた1814年以来初。アメリカのメディアは“乱入事件”という表現ではなく「国内テロ」と呼んでいる。

 慌てたトランプ氏は暴動から約2時間後にSNSで「この選挙は盗まれたものであることは誰もが知っていることだが、誰も傷つけたくはない。平和にいこう。あなた達は家に帰る必要がある」と促したが、時すでに遅し。



暴動前のトランプの煽り
「議会へ行くんだ!」
白人優越主義者が好んで掲げる
南北戦争の南部連合の旗がひるがえる
下院議長の部屋に入り込み机に脚をのせ
さらに部屋にあったメモを盗んだ男は
銃所持の権利擁護活動家だった
バリケードで議場の扉をふさぎ
暴徒に向けて銃を構える警官たち


民主主義の総本山・連邦議事堂の落城。暴動が始まってからもトランプはこの状況をしばらく傍観。壁を登って転落するなど死者4人(うちひとりは警官に射殺)という惨状になり、襲撃開始から2時間も経ってから「帰宅」を呼びかけた。だが同じその動画で、「選挙は盗まれた」といつもの主張を証拠も出さずに続け、また暴徒に対して「あなた方を愛している。あなた方は特別だ」と語りかけたため、動画は公開停止にされた。
僕が何より驚いたのは、警官に射殺された女性に対して、一言のお悔やみもなかったことだ。トランプのためにアメリカ大陸の反対側、カリフォルニア州から駆けつけてくれた熱烈な支持者なのにだ。
※その後、警官にも死者が出て、犠牲者は計5名に。

そして今日、ついにトランプのツイッターアカウントが永久凍結。死人まで出した暴動を扇動したのだから当然。何度も何度も何度もデマを流した指導者であり、遅すぎたくらい。
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〔参考〕1年で「うそ」2140回 トランプ氏、1日平均6回(2018.1.22)
米紙ワシントン・ポストは就任2年目に入ったトランプ大統領について、最初の1年間に虚偽や事実関係で誤解を招く主張を2140回繰り返したと報じた。1日当たりの平均は6回近く。同紙は演説や声明、ツイッターなどを「ファクトチェック(事実確認)」してきた。今後もトランプ氏の大統領任期中は分析を続ける方針だ。 虚偽の主張がなかったのは過去1年間で56日だけ。多くがゴルフにいそしんでいた日だという。一方で集会を開いた日には間違った主張が目立った。昨年7月25日に中西部オハイオ州で演説した際は52件、同11月29日の中西部ミズーリ州での演説では49件が確認された。間違った発言は、集会などで演説草稿や台本から離れて自由に話す場合に飛び出す傾向が強い。
同紙は、多くの政治家は発言内容が事実と違うと指摘されれば主張をやめるが、トランプ氏は気にしないのが特徴だと指摘。主張を繰り返すことで「本当らしく聞こえるようにする狙いがあるのではないか」としている。

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「言論の自由」と「デマを流す自由」は全く違う。それにしても、暴動当初、トランプは過激な支持者に感謝の言葉でねぎらっていたのに、連邦議事堂襲撃への批判が高まると、乱入事件を起こした支持者たちに「あなたたちは我々の国を代表していない。法律を破った者たちへ、あなたたちは代償を支払うだろう」「全ての米国人と同様に、暴力、無法、大混乱に強く憤った」と、180度手のひらを返したことに呆れるしかない。襲撃後にBBCのテレビカメラの前で「大統領のために一肌脱いでやった」「議会襲撃に参加できて誇らしい」と昂揚していたトランプ親衛隊は、すっかりハシゴを外された形に。



どの裁判所からも証拠不十分で門前払い
されたのに、まだ言い続けている
永久凍結されたトランプ大統領の
ツイッター・アカウント

/日本では3日前に「幸福の科学」信者がトランプ応援デモを主催し、旭日旗と星条旗を掲げて行進してるけど、ほんま考えた方がいい。他国の選挙結果を明確な証拠もなく不正と決めつけるのは、他国民への侮辱にあたる。動画を見たらマスクしてない人もいるし…。そして「統一教会」の教祖が作った「ワシントン・タイムズ」のソースだけで陰謀論を信じるのもNG。「ワシントン・ポスト」は老舗の硬派ジャーナリズム紙だけど、「ワシントン・タイムズ」は宗教右翼紙。
右上画像、旭日旗がこの場にあることにめちゃくちゃ違和感

この件では、日本で最も保守的な産経新聞でさえ批判的に断罪している。→
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〔米議会議事堂襲撃、乱入者は…極右や陰謀論者〕(2021.1.9)
トランプ米大統領の支持勢力による連邦議会議事堂乱入事件をめぐり、米司法当局は8日までに13人を不法侵入などの容疑で訴追し、乱入者のさらなる特定を進めている。ソーシャルメディアの投稿から、白人至上主義や陰謀論を信奉する極右過激派であることが判明。事件直後には、極左過激勢力が紛れ込んでいたとの偽情報が拡散したが、米連邦捜査局(FBI)は同日、「現時点で(極左の)関与を示すものは何もない」として慎重に捜査を進めている。
 事件は6日午後、バイデン次期大統領の当選を確定する手続きの最中に発生。暴徒化した多数のトランプ支持者らが窓ガラスを破り議会の建物内に侵入し、一時議場を占拠した。一連の騒ぎで、警官1人を含む5人が死亡した。
 8日に訴追された1人は、民主党のペロシ下院議長の執務室に侵入した南部アーカンソー州の男(60)。男は占拠時にペロシ氏の机に足を乗せる画像が報じられ、特定につながった。フェイスブック上で白人至上主義者を自称していたという。

 米メディアによると、極右団体「プラウドボーイズ」ハワイ支部の創設者の男も7日に、ハワイの空港で逮捕。極右系の陰謀論を唱える「Qアノン」の信奉者が議事堂内に侵入する様子も確認された。警察官に撃たれて死亡した西部カリフォルニア州の退役軍人の女性(35)も熱心なトランプ支持者でQアノンの信奉者だった。
 事件直後からネット上では、極左勢力「アンティーファ(ANTIFA)」がトランプ支持者になりすましているとの陰謀論が拡散。反権威主義で反人種差別を掲げるアンティーファは白人至上主義の団体と衝突してきた。

 保守系の米紙ワシントン・タイムズは6日、侵入者が映った写真をもとに「顔認識のソフトウエア会社が2人をアンティーファと特定した」と報じたが、誤報だったため、ソフトウエア会社側が同紙に謝罪を要求し、翌7日に記事が訂正された。実際に写真から特定されたのは、極右ネオナチの男らだったという。
 だが、保守系のFOXニュースも「全員がトランプ支持者ではない可能性が高い」などと繰り返し報道。一部の共和議員もこうした主張に加担し、「トランプ氏の擁護者とされるマット・ゲイツ下院議員が7日未明、審議が再開された議場でワシントン・タイムズの報道をなぞり、「議事堂に侵入したのはトランプ支持者ではなく、アンティーファだ」と攻撃する一幕もあった。
 トランプ派への批判を避け、根拠が乏しい情報を拡散させた保守系メディアや議員に対し「責任逃れだ」との批判が高まっている。(元リンク

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僕は大統領在任中の4年間にトランプが戦争をしなかったこと、そこは高く評価している。でも人種差別主義者とその思想にハッキリとNOを言わないこと、中国によるウイグル人強制収容所について「理解できる」と習近平に言ったこと(ボルトン証言)、コロナに対する過小評価(マスク着用者への初期の嘲笑的態度は致命的)、若者たちが銃規制をどんなに嘆願しても耳を貸さないこと、環境問題に極めて後ろ向きなこと、疑惑があるのに納税証明書を見せないこと、何より平気でフェイク情報を発信する誠意のなさが、世界トップの大国の指導者としてあるまじきものであり、到底受け入れられない。
もしツイッター以外で新たにSNS上で発信するのであれば、第一声は暴動を扇動したことに対する謝罪や被害者へのお悔やみであることを心から願う。

(追記)今回の暴動で良いことがあったとすれば、暴動をきっかけに側近が相次ぎ辞任するなど、少なくない共和党議員の目が覚めたこと。
発足時から政権を支えてきたデボス教育長官は、トランプ氏に宛てた書簡で「あなたの弁舌がこの事態に影響したのは間違いない。それが私の転機になった」と指摘。「感受性の強い子どもたちがこの全てを見ていて、私たちから学んでいる。彼らは私たちを見て、きのう起きたことよりも米国は偉大だということを知る必要がある」と述べた。運輸長官も「大統領演説の後、支持者が乱入したのは衝撃的で、本来は回避できた出来事だった」「到底無視できないほど深い懸念を抱いた」と辞任。
マルバニー英領北アイルランド担当特使も辞表を提出。「昨日の出来事があった後、とどまることはできない」。他にも大統領副補佐官(国家安全保障担当)や前大統領報道官でメラニア夫人の広報責任者なども辞任。
最も印象に残ったのはペンス副大統領が「民主党カラー」のブルーのネクタイをして連邦議会に登壇し、「米議会の歴史の中で暗黒の日になった。ここで起きた暴力を最も強い言葉で非難する」と声明を出したことだ。
  
この発言でペンス副大統領はトランプ支持者から「裏切り者」とバッシングされているが、僕の胸にペンスの言葉は強く響いた。
  
また、共和党のある上院議員は、もともと選挙の投票結果に異議申し立てをする予定だったのが「今日のことで考え直した。良心に従い反対しない」と。アメリカが変わりつつあるのを感じる。1月20日、バイデン就任後のアメリカに期待したい。



●1月8日…〔今日の良かった〕本日テレビ大阪(関西ローカル)で放送された『お墓から見たニッポン・シーズン3:源義経』がYouTubeに公式アップされました!23分の動画で、前半が義経、後半が庶民のお墓。これまではお墓の形を考古学的な視点から見てきましたが、今回からは、お墓参りの風習、文化、死者への想いを、「民俗学」から読み解きます。とにかく朽木量教授の解説がわかりやすい!宝篋印塔の説明や、里山の墓地と神社の位置関係など、知的好奇心を刺激されるかと思います。
番組HPから朽木量教授の言葉「今まで私自身が庶民の墓を研究してきていたので、学術的、専門的には面白いなと思ってきたんですけど、それが一般の視聴者に伝わるのかが分からなかった。でも、シーズン3になって、番組を通じてだんだん一般の方にも墓を拝む楽しさ、いろんな墓を見て回る楽しさみたいなものが見えて、伝わってきているというのを実感しています。」
●1月7日…〔今日の良かった〕ワシントン・ポストのスクープでジョージア州のラフェンスパーガー州務長官が、共和党員でありながら同党のトランプ大統領の圧力に屈しなかったことが判明。トランプ氏は選挙結果を覆そうと画策し、今月3日にジョージア州の選挙管理責任者であるラフェンスパーガー氏に直電。公開された録音は、トランプ氏の肉声で「ジョージア州で負けたはずがない」「我々は数十万票の差で勝っている」と根拠を示さずに語り、「投票用紙がシュレッダーにかけられて廃棄された」「投票集計機メーカーが機器を持ち去ったりした」という「うわさ」があると訴えていた。そして「私が望んでいるのは、1万1780票を見つけることだけだ」(注・この票はバイデンより一票多い数字)と具体的に数字をあげて「上積み」を促すプレッシャーをかけ、トランプ氏の要求に応じないことは「あなたと、あなたの弁護士にとって大きなリスクだ」と脅迫めいたことまで言っていた。この電話内容は露骨な権力の乱用であり、不正選挙への勧誘や強要行為を禁じた連邦法に抵触する。これに対し、ラフェンスパーガー氏は「あなたのデータは間違っている」と主張を一蹴、一歩も譲らなかった。かっこいい。

//二度目の緊急事態宣言が首都を中心に発令。そして今日の東京は、コロナ新規感染者2447人の速報。昨日1500人を超えたことに驚いたばかりなのに。クリスマスの人出が反映されているのか。

//中国では香港警察が民主派議員ら53人を国家転覆罪で逮捕(こんなの、政府方針に反対=国家転覆罪になるんだったら一切何も抗議できなくなるやん)、アメリカではトランプ支持者が前代未聞の連邦議会に乱入占拠中、共産圏と西側の双方の雄で民主主義が崩壊している。いや、中国は一党独裁だからそもそも民主主義ではないか。
(追記)ツイッターで、米連邦議会に最初に突入しようとして射殺された女性の動画が。トランプが「選挙結果を受け入れない」と言い続けた結果、連邦議事堂で死人まで出る事態に。国の指導者が自分の言葉の影響力を考えない無分別な人間だと、こんなことになる。保守過激派の中には「彼女の仇を討て」となる者も出てくるだろう。トランプは彼女にどんな言葉をかけるのか。アメリカはどこへ進むのか。
(追記2)トランプが暴動を起こした支持者たちに感謝のツイートをしたため、ツイッター社がトランプのアカウントを12時間凍結したうえ再度繰り返した場合は永久凍結を警告。フェイスブックとインスタグラムも24時間凍結。

※トランプ側近のペンス副大統領が、自分のツイッターのヘッダー(固定トップ画像)をバイデン&ハリスに変えた。ペンス副大統領はまとも。っていうか、ペンスが次の大統領候補を狙うなら、ここでキッチリと意思表示しないと政治家として終わってしまう。
●1月6日…〔今日の良かった〕暮れに放送されたNHKドラマのジョジョ外伝『岸辺露伴は動かない』、地デジの「字幕入り」で視聴すると、文字がすべて「荒木語」になってて、そのこだわりに感動。「〜じゃない」がちゃんと「〜じゃあない」になっているのはもちろんのこと、「しつこい」は「しつっこい」になっていたし、(高橋一生さんら)役者さん、美術チーム、音響だけじゃなく、字幕担当者までジョジョ愛にあふれているのがホント嬉しい。なんて幸せなドラマなんだ。これが3話で終わるなんてもったない、是非とも同じスタッフで続編を期待したい!
この「おいおいおい」の数(笑) しつこいではなく「君ッ しつっこいぞッ!」
「この岸辺露伴がたかだか
一杯の紅茶をおごられて…」
「デレデレと喜ぶとでも思っているの
かッ!?」※この「ッ!?」がツボ

//金沢で発見された戦国時代の兵学者の自筆本に、明智光秀は「本能寺の変」が起きたときに、光秀本人は本能寺を襲撃しておらず、鳥羽(京都市南部)から反乱軍を指揮していたとのこと。ドラマだと本能寺に光秀がいないと盛り上がらないけど、主君暗殺の現場には立てないという気持ちが伝わってくる。

//東京、本日のコロナ新規感染者1591人。あっという間に1500人を超えた。大阪も560人!

//CNNのように24時間ニュースをやっているチャンネルが地上波かBSでほしい。CSにはあるけど、追加のアンテナが必要だし契約金が高い。特に土日はニュース番組が少なすぎる。土日にだって世界は動いているのに。
●1月5日…〔今日の良かった〕まったく気づかなかった、暮れに元SMAPの草なぎ剛さんが結婚していたのか。草なぎさんといえば、NHKで放送された、赤報隊テロ事件再現ドラマの朝日記者役が今も鮮烈な記憶に。あの熱演は素晴らしかった。結婚おめでとうございます&お幸せに。

//緊急事態宣言を守れるかどうかは、しっかりした持続化給付金システムが、あるかないかにかかっている。
●1月4日…〔今日の良かった〕先月下旬から欧州各国でいっせいに対コロナのワクチン接種が始まった。今のところ、イギリスで発見されたコロナ変異種にも有効とのこと。変異種はどんどん生まれるので、どこまで対応できるのか懸念はあるものの、とりあえずは拡大中のイギリス変異種に有効と聞いて安心した。

//ネット上のデマで殺人犯として誹謗中傷され、仕事を失った経験を持つお笑い芸人スマイリーキクチさんのインタビューからメモ。
Q.SNSで中傷を受けた木村花さんが亡くなったことをどう思いますか
A.言葉が人を殺したと思います。書き込んだ人は殺したという意識はないと思います。実は、木村さんが亡くなってから、書き込んだという人から相談を受けました。「お金を払わなければいけませんか」「情報を開示されますか」と自分の保身ばかりで、人を殺した意識がないんですよね。一切返信しませんでした。
Q.被害を受けている人に伝えたいことはありますか
A.嫌な書き込みをされたらネットから離れるのが一番です。それから、被害者になると人間不信になるんですが、どんなに辛くても人を好きになるという気持ちは忘れないでほしい。言葉は本来、人を傷つけるツールではないです。
●1月3日…〔今日の良かった〕後醍醐天皇&初期の南北朝についてまとめている最中に出会った言葉にグッと来た。
後醍醐帝の側近を務めた鎌倉時代後期の公卿・日野資朝(すけとも)は倒幕を企てたとして佐渡に流され、そこで斬られた。資朝の辞世を読んでグッと来た。季節は夏、落ち着き払って最期を迎えたという。
「この世界に本(もと)より実体はなく/人の肉体と精神もまたその本質は空である/今、まさに、我が首は白刃を揺らそうとしている/しかしそれもまた、夏の風を斬るようなものだ」(享年42)
〔四大本無主 五蘊本来空 将頭傾白刃 但如鑚夏風〕
…自分の死を「夏の風を斬るようなもの」と、なかなかこの言葉は出ないと思う。
※ちなみに日野資朝が身分を問わず有志が交流した茶会を「無礼講」といい、現在の何でもありの宴の語源となった。
●1月2日…〔今日の良かった〕2021年はウルトラマンシリーズ55周年。先日朝日に掲載された、初代ウルトラマンのスーツアクターだった古谷敏(さとし)さんのインタビューがよかった。
「ウルトラマンって怪獣と向き合うとき、前かがみのポーズを取りますね。実はあれ、米映画「理由なき反抗」のジェームス・ディーンをまねたんです。ナイフを持って前かがみになるポーズが格好良くて、自分もチャンスがあればこのポーズで決めたいと思っていました。少し腰が引けたような姿ですが、「ウルトラマンは常に受け身。自分からは攻撃を仕掛けない」という思いも込めたのです。必殺技のスペシウム光線ですが、水平の手は防御、垂直の手は反撃の意味もあります。毎日300回、自宅の三面鏡の前で練習して体に染みこませたのです。」

/米国のバイデン新大統領就任式は今月20日。国連重視など国際協調路線を明確にしており、どんなスピーチになるか楽しみ。
●1月1日…新年、明けましておめでとうございます!今年が世界の人々にとって穏やかな1年になりますように。
そして昨年は元旦から当日記に書き始めたものの、コロナ禍のあまりの拡大に2月23日までしか続かなかった〔今日の良かった〕。今年こそ年間を通してささやかな「よかった」を書き続け、大晦日に1年を振り返って「大変なこともあったけど、なんだかんだで良い年だったじゃないか」とホッコリとしたいもの。

〔今日の良かった〕元旦夜のNHK『あたらしいテレビ』でオンエアされた星野源さんの言葉が良かったので思わずメモ!

「僕は社会的なハッピーエンドとか社会的な幸せっていうものが、本当にどうでもいいと思っていて、『ハッピーエンド』とか『幸せ』は自分の中にしかないと思っているんです。たとえば『結婚する』というのをハッピーエンドにして、その形(自体)が目標になっている時があったりするので、それって本当にハッピーなのか?といつも思うんです。『逃げ恥(逃げるは恥だが役に立つ)』で好きなのは、あくまでも2人の気持ちが大事で、2人が笑顔でハグして終わる…『結婚』で祝福されて終わりじゃないんだっていう、それが野木さんの(脚本の)心から大好きなところだし、とても信用しているところ。“あの人が言うからそれが良い”ではなく、“社会がこうやれっていうからやる”ではなく、自分がどうしたいか、どう思うか、そこを大事にされている気がします」

 

/お正月の注目番組は、歌舞伎版「風の谷のナウシカ」(6時間公演ノーカット)、「100分de萩尾望都」、佳境に入った「麒麟がくる」です!萩尾望都さんの漫画は文学を超えたと感嘆!







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