最新文芸情報


2010.5〜6

 6月30日…日経BP社から発売中の『日経おとなのOFF・7月号』(Ama)で東京の墓巡りについて語っています(P98-99※先週の墓巡礼とはまた別)。カメラマンの方が撮影された山田風太郎(作家)の墓写真がシビレるほどカッコ良く、やはりプロの腕は違うと感嘆。この7月号、江戸時代の名残を訪ねる歴史散歩など、特集の「東京・歴史の秘密巡り」がとても面白かった!時代劇に出てくる名所、庶民が愛した江戸の名山、偉人ゆかりの名建築、写真で見る明治・大正の東京、世田谷の地下霊場といった神秘スポット、江戸の町人の暮らし、インフラ整備のトリビアなど様々な読み物があり、しかも付録が浮世絵師・歌川広重が描いた江戸の名景集!付録とはいえ発色もよく、現在の風景写真との比較もあり、これだけでも値段のモトはとれるかと♪※ちょうどテレビ東京『美の巨人たち』も先週・今週と歌川広重の特集。前回の放送は非常に素晴らしかった!//冬ソナのサンヒョク役を好演し、日本語の歌もうまかったパク・ヨンハが自ら命を絶った。彼はとても真面目な俳優で評価も高かっただけに、32歳で他界したのが悲しい。※韓国では2005年あたりから、有名な俳優の自殺が続いている。//米国社会には銃が2億丁(!)も出回っており、銃犯罪が多発している。日本国内で銃による死者は年間30名前後。一方、米国では1万人を超える。なんと3桁も違う。こうした現状を受けてシカゴ市は条例で市民の拳銃所持を禁止にした。シカゴ市長によると、この条例によって銃犯罪が激減したという。しかし、全米ライフル協会などが「銃所持禁止は自衛の権利を侵害している」と猛抗議。その結果、米連邦最高裁は「シカゴの条例は違憲」という判決を出した。せっかく銃犯罪が減っているというのに、なんと愚かな。最高裁の9人の判事の結論は、5対4の小差。あと1人が合憲判断をすれば、銃規制の波が一気に米国に広がったのに…めちゃくちゃ残念。※02年公開のマイケル・ムーア監督『ボウリング・フォー・コロンバイン』によると、当時の銃犯罪の死者数比較は以下の通り→(年間)日本39名、英68名、カナダ165名、仏255名、独381名、米国11127名!
 6月29日…日本VSパラグアイ、死闘120分。相手は強かったものの、日本にも何度か決定的なチャンスがあっただけに残念でしたね。とにもかくにも、日本は最後までよく頑張った。初戦から対戦相手は格上ばかりだったのに、めっちゃ健闘した。全選手に夢をありがとうと言いたい。これから益々海外で活躍する選手も出てくるだろうし、4年後が本当に楽しみっすね!※PKを決めた時の本田選手のあのクールさ、あれにシビレました。//メール消滅の件、「システムの復元」に挑戦したのですが…ぐおお、メールは戻りませんでした。いろんな方に「これを機にGmailをメインにすれば」とアドバイスを頂きました。確かにGmailならPC不調でも消えませんね。//一昨日のNHK教育『よみがえる戦場の記憶〜新たに見つかった沖縄戦の映像』は凄絶だった。米軍の記録班が国威高揚を目的に映した最前線の映像600本の中に、1本だけプロパガンダ(宣伝)という目的に反するものが見つかった。そこに写っていたのは、既に死んでいる日本兵の体を、何度も何度も面白半分(?)に撃ち続ける米兵や、内臓の飛び出た日本兵の遺体を無造作に蹴り上げる米兵の姿。こうした残虐行為は「正義の味方」である米兵が“やるはずのない”行為だった。また、硫黄島の映像も紛れており、そこには友軍(米兵)の腐乱死体の側で、のんびりタバコをくゆらしている戦地の日常が描かれていた。米兵の無残な死骸は国民の厭戦気分を高めるので、軍部としては絶対に表に出せないもの。これらを収めたフィルムが、何らかの手違いで廃棄されずに残っていたのだ。すべてカラー映像であり、NHKはよく放送に踏み切ったと思う。ショッキングな映像だけど、戦争は美しいものでもカッコイイものでもなく、どれほど残酷なものかが分かるフィルムだった。一方、その映像には沖縄戦で初めて捕虜となった2人の沖縄県民が写っていた(年配の男女)。この2人の民間人は後日解放されたけれど、悲惨な事に日本兵の手で処刑されてしまった(男性は日本刀で斬首)。理由は“無事に解放されたのは、きっとスパイになったから”。しかし明確な証拠があった訳ではない。僕は沖縄戦で最初に捕虜になった県民が日本軍に殺害されたことを知らなかった。死骸を撃つ米兵、確たる証拠もなく民間人を処刑する日本兵、通常であればそんな行為をすると思えず、いかに戦争が人を変えてしまうのかを思い知った番組だった(こういう大事な番組こそゴールデンでやればいいのにな)。//東京からの帰還後、すぐに更新を再開できなかったのは、「FC2アクセス解析サービス」の広告のせいっす。酷い話。この解析サービスは、どの国からアクセスがあるか分かるので重宝してきた(ウチのサイトはフランスと台湾が多かった)。ところが6月中旬にサービスが終了した際、いっせいに「キャッシング・ローン」「男性用下着」の広告に切り替わった!ウギャー!アマゾン以外は無広告でやってきてるのに、なんでそんな広告を勝手に出すんだァアア。そして、慌てていろんなページからリンクを外しまくってた。3日かかった。ほんと、あの時間を返して欲しい。※ページ数が多いので、まだ見落としてる可能性アリ。広告は左上に表示されるので、もし発見された方は“このページにまだ出てますよ”と一報頂けると助かります。//マラドーナ監督が「ちょっとくらいのオフサイドは見逃して」と審判にアピールしている画像になごんだ。
 6月28日…ギャース!パソコンがやたら重いと思っていたら「メールボックスを整理しますか」のメッセージ。軽くなるかと思って「はい」をクリックすると何やら作業を開始。そして突然のフリーズ!画面が固まってしまった。何も反応しないので再起動すると、昨年12月から6/25まで過去半年分の受信メールがすべて宇宙の彼方に消失してしまったぁあああ!ビル・ゲイツよ…おお、ビル・ゲイツよ!仕事依頼のメールも、読者の方からの大切なメールも、どこを探しても保存されてない(涙)。なんてこった!スカパーの趣味番組担当の方や、在日米軍の地位協定に関するメール、海外でジョジョ立ちされた方の画像、その他、“これはサイトに反映させたい”と保存していたメール、後日返事しようと思っていたメールが全部消えてしまった…。頭が真っ白。//大相撲の野球賭博問題は、親方13人が謹慎(うち2人の親方が懲戒)、名古屋場所を出場停止になった力士が14人という、未曾有の事態に発展。これほど大騒ぎになっているのは、賭博に費やした金銭が、胴元である暴力団の資金源になっているからだ。報道を見ていて大きな違和感を感じるのは、賭博行為をはたらいた力士を批判する一方で、法治国家に暴力団が堂々と存在していることを問題視しないことだ。薬物汚染、振り込め詐欺、様々な犯罪の背後にいる暴力団。もうすぐ参院選だ。いろんな党が支持率低下に喘いで公約を発表しているけれど、「1年以内に全ての暴力団を撲滅します」と書けば支持が一気に集まるのに。もし管総理が「1年以内に暴力団を壊滅できなければ、私は総理を辞任する」と宣言すれば、どんなに多くの票が集まることか。もちろん谷垣氏も同様。全国の警察官は約30万人。暴力団員は約8万人。本気を出せば絶対に勝てる。//米誌フォーリン・ポリシーが世界の“独裁者番付”を発表。世界最悪の独裁者に選ばれたのは、国民を飢餓状態させて国費を核開発に投入している北朝鮮の金正日総書記。トップ10の2位以下は次の通り。(2)ジンバブエのムガベ大統領(3)ミャンマーのタンシュエ議長(4)スーダンのバシル大統領(5)トルクメニスタンのベルディムハメドフ大統領(6)エルトリアのイサイアス・アフェキ大統領(7)ウズベキスタンのカリモフ大統領(8)イランのアフマディネジャド大統領(9)エチオピアのメナス・ゼナウィ首相(10)中国の胡錦濤国家主席。共通しているのは国民から言論の自由を奪って、自分自身や体制への批判を許さないこと。※23位まで原文(英語)に出てます。アメリカ目線だから他の視点も必要だけど、アフリカと旧ソ連圏の独裁者の多さには閉口してしまう。//明日はいよいよ日本代表のパラグアイ戦。堅牢な守備のパラグアイを攻略できるのか緊張しますね。
 6月27日…W杯のドイツVSイングランド。明らかにイングランドのシュートがゴールに入っているのに、ノーゴール扱いされた世紀の大誤審。あんなに明確な誤審がそのまま覆されないって、ルールを改善する余地があるのでは。30秒もあればビデオ判定できる訳だし、サッカーにはロスタイムという制度があるんだから、判定に要した時間はロスタイムに組み込めばいい。でないと、選手にとっても、(今後ずっと批判される)審判にとっても不幸ッス。//先日のヤフーニュースで“墓マイラーが増えている”というトピックがトップになっていて感無量に。ホントのホントに時代の風が吹き始めているのか?信じて良いのか!?//
(上京レポ・最終回)
●23日後編→次に『龍馬伝』で怪物ぶりを発揮している山内容堂公の墓へ。品川の鮫洲駅前にあり、古墳のように立派な墓だった。天気は再び土砂降り。レンタサイクル計画が頓挫し、列車で巡ることに。目黒の滝泉寺には飢饉を救った学者・青木昆陽のほか、2.26事件に連座して刑死した北一輝、東京裁判で東条英機の頭を背後から叩いた大川周明の墓もあった。15時半、突如として雲の隙間から太陽が見え、みるみる強烈な陽射しに。完璧に雨は上がった!豪雨で大幅に予定が狂ったけど、これなら自転車で回れる!恵比須駅に直行し即レンタル。業者は「ここは19時半に閉まるし、今からだと3時間半しか借りられないよ?」。僕は急いで漕ぎ出した。最初は渋谷区の祥雲寺へ。こちらには洋画家の高橋由一や戦国武将・黒田長政が眠っている。高橋画伯の墓には「喝」という一文字が彫られており、めっさカッコ良かった。次に北上して港区の長谷寺へ。ここには3日前にも来たけれど、江戸末期の医師・伊沢蘭軒や元長州藩士・井上馨の墓参を忘れていた。必死になって西麻布の坂道を自転車で登っていると、長谷寺の前を6人くらいのグループが歩いていた。すれ違い様、一番端っこのサングラスの人がみうらじゅん氏(“マイブーム”の名付け親)と分かり驚愕。あまりに突然の出来事で、めっさファンなのに一言も声を出せなかった。自分のチキンさに自己嫌悪になりつつ、長谷寺で墓参を終え、最後の目的地、福沢諭吉が眠る元麻布の善福寺を目指す。自転車を漕ぎ始めていきなり転倒しかけた。なんと、人通りのない路地裏のカフェの前で、みうらじゅん氏が1人でタバコを吸っていた!なんちゅう奇跡。周囲にはスタッフもゼロ。行くしかない!「みうらさん!」。僕は15年以上前のブロンソンズやカスハガ、初期の見仏記から、最近の「ゆるキャラ」まで、ずっとみうら氏の活動を楽しみにしてきたことを熱血トーク。氏の“広げてこそのマイブーム。他人に興味を持ってもらう為に、面白く表現することが大切”という哲学や、どんな物事からも楽しみ方を見出す考え方に深く共感。勇気を出して名刺を渡すと「君は墓マイラーなのか!ってことは、今その自転車で巡礼中なんだ」。そして「本屋で墓マイラーの本を見たんだよね」。僕の仕事はサブカル的な側面もあるので、この道を進んでいくと、“いつかみうら氏と出会えるかも知れない”って期待していた。まさかこんなに早く会話が出来るなんて!/みうら氏とあの時間、あの場所で出会えたのは以下の偶然が重なった結果だ。(1)朝、山手線を逆方向に乗った(2)雨天で巡礼ルート変更。自転車利用の港区は後回し(3)昼の豪雨で1時間の悶絶ロスタイム(4)3日前に長谷寺で墓参できなかった人がいたので再訪問する必要があった。---なんというか、朝からツイてないと落ち込んでいたけど、どれが欠けてもみうら氏と出会えなかった訳で、ちょっと大袈裟かも知れないけれど「その時は不幸だと思っていたことが、後で考えてみると、より大きな幸福のために必要だったということが、人生にはよくあるの」というフジ子・ヘミングさんの言葉を思い出した。/その後、賢崇寺で2.26事件の青年将校22名の冥福を祈り、善福寺で福沢諭吉の墓参を終え、19時の新幹線で大阪へ向かった。両足は、マメ、アザ、擦り傷だらけ。若い頃ならまだしも、40になってよく体がもったと思う。道を教えて下さった都民の方、駅員さん、この6日間に出会ったすべての人に感謝。(長文を最後まで読んで下さり有難うございました)
 
4連泊した高田馬場のネットカフェ“自遊空間”。もはや
我が城。一般のネカフェはブース内の照明が暗い。
ここは大きなスタンドがあり地図など調べやすかった
 6月26日…龍馬伝のサントラVol.2が発売!いつも感動シーンに流れている名曲“想望”が入っており、さっそくレンタルして聴き倒す。※YouTubeでも“想望”(4分53秒)を発見!※『龍馬伝2』(Ama)全曲試聴可能。//サッカーのルールはシンプルだけど、唯一ややこしいのがオフサイド。図解で説明しているページでおさらい。//
(上京レポ・第4回)
●23日→ついに最終日。早朝4時50分から街中へ。寝ぼけていたのか、山手線を逆方向に乗ったまま4駅通過。せっかく早起きしたのに30分のロスとなり落ち込む。それくらい、今日は巡りたい墓が多かった。6時半、台東区に到着。臨江寺にて前方後円墳の名付け親で寛政三奇人の1人、蒲生君平を墓参。徒歩で瑞輪寺に向かい絵師・河鍋暁斎や4箇所目となる大岡越前の墓を巡礼。次に全生庵で『雀の学校』『春よこい』を作曲した弘田龍太郎、文武を究めた山岡鉄舟、初代三遊亭圓朝を墓参。9時半、四ッ谷に移動し戒行寺で『鬼平犯科帳』の火付盗賊改・長谷川平蔵、西応寺で“最後の剣客”榊原鍵吉、愛染院で盲目の国学者・塙保己一に巡礼。伊藤博文に暗殺された息子の墓も並んでいた。次に、当初の計画では恵比須駅(渋谷の隣)で自転車を借りて港区を巡るつもりだったけど、小雨が降ってきたので自転車は後回しにして、徒歩で回れる品川区に移動。これほど鉄道を利用するならと、初めてSuica(プリペイドカード)を購入。なんでこの便利なものを初日にゲットしなかったのかと激しく後悔。Suicaを持っていれば乗り遅れなかった列車が何本もある。品川駅で背中の重たいリュックをコインロッカーへ預け、身軽になって行動開始。まずは青物横丁の天妙国寺に眠る剣豪・伊藤一刀斎と、『お富さん』の歌に登場する“切られ与三”こと芳村与三郎(34箇所も刀傷があったという)の墓前へ。2人の墓参を終えたのがちょうど12時。続けて海晏(あん)寺に向かおうとすると、ここでバケツをひっくり返したような大雨に。5m先も見えないほどの滝雨で、傘など役に立たない。カメラを出せば速攻で水しぶきがかかり取材もできない。仕方なく雨宿りするも一向に止む気配がなく、涙目で空を見あげているうちに1時間も経ってしまった。なんという時間のロス!大事な最終日というのに!さらに15分が経ち、ようやく小雨に。急いで海晏寺へ。靴はもうズクズクだった。海晏寺は墓マイラーの間で“難攻不落の堅寺”として知られている。墓所には松平春嶽、由利公正、岩倉具視など、維新前後に活躍した人物が多く眠っているのに非公開だからだ。墓の前に行けないので、やむなく墓所の外から手を合わせた後、お寺の人に“せめて命日だけでも墓参させて下さい”と頼んでみた。返事は「岩倉家や松平家の墓域は、海晏寺が管理しているのではなく、墓所の鍵は両家が持っているんです」。寺の管轄じゃないなら、これはどうしようもない。松平家や岩倉家の養子になるしか…無念!(長くなったので明日に続く)
 6月25日…W杯の日本VSデンマーク戦。本田選手の30m無回転フリー・キックに鳥肌!遠藤選手もゴール隅の絶妙なポイントに叩き込み、岡崎選手も“急にボールが来たのに”的確にシュート!引き分けでも良かったのに、目の覚めるような攻撃型サッカー。インタビューを読んで選手の高いモチベーションに触れ、さらに興奮。なんかもう、岡田監督に謝りたい感じ。決勝リーグのパラグアイ戦は29日。今度は絶対に寝過ごさずリアルタイムで見るぞ〜!※デンマーク・オルセン監督の敗戦後のコメント「こういう結果になる必然性はなかったが、サッカーとはこういうものだ」が印象深かった。人生論にも当てはまりそう。//
(上京レポ第3回)
●22日→早朝5時、東京に就職した大学時代の後輩(40歳)から、「朝9時まで墓参に従軍します」と電話。夜勤明けの彼と鶯谷駅に7時に待ち合わせて寛永寺&谷中霊園へ。童謡『七つの子』『赤い靴』『汽車ポッポ』などを作曲した本居長世、日本画の大御所・横山大観(隣は鳩山家)、名優・長谷川一夫や森繁久彌などに巡礼。9時半に出版社の方、カメラマンさんと合流し、かわりに後輩が用事で離脱。実業家・渋沢栄一の墓所は普段鍵がかかっているけど、編集さんが鍵を借りて下さり開門!また非公開の篤姫の墓も遠くから墓参した。その後、染井霊園に移動し、二葉亭四迷や経済人に墓参。例の「開かずの門」と化した岩崎弥太郎の墓所も訪れ、やはり閉まっていることを確認&脱力。14時に喫茶店に入り、昼食とインタビュー。墓巡礼の魅力や、海外巡礼の苦労話などを4時間にわたって吠えた。18時に外へ出るとまだ陽があるので、文京区で寺巡り。高林寺で『JIN』に登場する医師・緒方洪庵、吉祥寺では「夕焼け小焼け」「かもめの水兵さん」を作曲した河村光陽、二宮尊徳、榎本武揚などを日没まで巡礼。吉祥寺って地名が武蔵野市にあるけれど、お寺は文京区なんだねぇ(明暦の大火で寺周辺の住民が武蔵野に移住したんだって)。体力が限界に近づいており、少し早めの20時にネットカフェに入った。
//前回の『龍馬伝』、史実にある以蔵への毒饅頭をどう描くか注視していたけど、あの演出は上手かった。「以蔵をラクにしてやってくれえ!」と「フフ…以蔵の口を封じてやる」では、全然半平太の印象が違うもんね。そして“蛤御門の変”で久坂玄瑞が散る。ありゃ長州人が薩摩を“薩賊”と呼ぶほど憎んだのも分かる。薩長同盟は奇跡。うーみ!
 6月24日…(上京レポ第2回)
●20日→朝6時半に六本木の青山霊園に到着。面積が広く4時間をかけ一周。眠っていたのは、軍縮を進めて右翼に撃たれ9ヶ月後に他界した浜口雄幸首相、 国粋主義者に暗殺された初代文部大臣・森有礼、東条英機首相と対立して外務大臣を辞職した東郷茂徳(しげのり)、日本赤十字社の創始者・佐野常民、『坂の上の雲』で阿部寛が演じる秋山好古等々。幕末の人物では、桜田門外の変で井伊直弼を斬った薩摩藩士・有村次左衛門、無残な死を迎えた赤報隊隊長・相楽総三、近藤勇を捕縛した香川敬三、元新選組で近藤勇を襲撃した加納鷲雄など。無能な上官のために死んだ海軍軍人・山口多聞、足尾鉱毒事件で農民を支持した東大総長・古在由直(こざいよしなお)、評価の分かれる戦前の思想家・頭山満、戦後に所得倍増計画を進めた池田勇人首相、歴代市川団十郎や初代中村吉右衛門などにも墓参。11時から六本木ヒルズ横の専称寺で沖田総司の“総司忌”に参加。お焼香をあげてから、沖田家の墓と総司の墓に手を合わせる。約300人はいたと思う。総司の人気に圧倒された。この日の朝、ツイッターで総司忌に参加する旨を書いたところ、会場で受付の方から「カジポンさんですか?」と声をかけられビックリ。よくツイッターから人の環が広がる話を聞くけど、こんな風に自分で体験したのは初めて。ジーン。数時間前に“つぶやいた”一言から、読者の方と接点ができるなんて。総司の墓参後、2つの出版社の方&墓マイラー仲間のあきやまさんと合流、長谷寺で喜劇役者・榎本健一(エノケン)や坂本九の墓参後、15時すぎに文京区の護国寺へ。明治期に活躍した人々の墓を参る。野間清治(講談社創業者)の墓石の巨大さにぶっ飛んだ。ちなみに少年マガジン(講談社)に連載された『あしたのジョー』の力石の墓も護国寺という設定。梶原一騎の墓もここ。夜は別の出版社の企画であきやまさんと対談。その後、高田馬場のネットカフェ『自遊空間』で轟沈。
●21日→朝から雑司ヶ谷霊園で出版社の方、カメラマンさん、前述のあきやまさんと待ち合わせ。“漱石ゆかりの地をめぐる”という企画だったので、本当は漱石の墓だけでよかったけれど、せっかく雑司ヶ谷まで来ているので、小泉八雲、泉鏡花、永井荷風などの作家、竹久夢二、中川一政などの画家、そして『龍馬伝』関連でジョン万次郎や千葉道場の千葉定吉・重太郎父子(お佐那さんの父&兄)に4人でご挨拶。その後、早稲田界隈の漱石の生誕地、臨終の地を訪ね、昼過ぎに太宰治と心中した山崎富栄さんが眠る永泉寺へ。命日の直後ということもあり、墓は花に埋もれていた。墓前には太宰の“桜桃忌”を思わせるサクランボが供えられており、ファンの優しさが伝わってきた。そこで解散し、僕は西東京へ。三鷹で近藤勇の生誕地や菩提寺を訪ねた後、午後3時に多磨霊園に到着。甲子園球場約32個分という途方もない広さ。もちろん都内最大で37万人(!)が眠る。事前に巡礼ルートを決め、手提げ袋に水、数珠、線香、ムヒを入れ、虫除けスプレーを浴び、気合いを入れて歩き出した。江戸川乱歩、大岡昇平、三島由紀夫、中島敦、与謝野晶子、吉川英治ら文人の他、軍事予算を縮小しようとして2.26事件で暗殺された高橋是清首相、壇上で右翼青年に刺殺された浅沼稲次郎、日米開戦に反対した山本五十六、安保闘争の際に国会へ突入して死亡した学生・樺美智子さんなど、日没で墓石の文字が読めなくなる20時まで5時間ノンストップで巡礼した。そしてこの日、今回の関東巡礼で最も感動した出来事が。17時半ごろ前衛芸術家・岡本太郎の墓に到着した時のこと。なんと、ツイッターを見た読者のB君(23歳)が、岡本太郎の墓前で僕を待っていてくれた!心底仰天!ツイッターには「午後から多磨霊園を巡る予定」としか書いてないし、僕が“こんな広い墓地で会えるかどうか分からないのに、よくぞ…!”と驚くと、彼いわく「岡本太郎の前で待っていれば必ず会えると信じていました」。その通り!B君は12時半から5時間も待っていてくれた。僕は思わず泣きそうに。しかもB君はただ待っていた訳じゃなく、岡本家の広い墓域を箒で掃き清め、線香を焚き、たくさんのカラフルな花を墓前に供えていた。この日、多磨霊園では約40人に墓参したけれど、それが可能だったのも、途中からB君が一緒に墓を探してくれたから。B君、本当にありがとう!




B君が岡本家の墓前に
供えた、赤、ピンク、
黄、オレンジの、
カラフルで美しい花々!






多磨霊園から望む夕空。
一日の終わり
 6月23日…中部地方から東京にかけての6日間に及ぶ巡礼取材から帰還。怒濤のネットカフェ5連泊。今は1年で最も日が長い夏至の時期。晴天なら朝4時半〜夜7時半まで墓石が見える。おかげで深夜1時に寝て4時に起きるという3時間睡眠の日々。どんなに疲れていても、空が明るくなると、ソワソワして居ても立ってもいられなくなる。せっかく関東に来てるのに、寝てる場合じゃない。最後は左足の裏に中指と同じ大きさの巨大なマメができ、足の側面を使って巡礼していた。/出発前の週間天気予報は“全て雨”だったけど、初日と最終日以外は晴れ間も見えて傘は不用だった。予報がハズレて本当に良かった。/なぜ梅雨の最中に巡礼する必要があったのか。梅雨明けではダメだったのか。この時期にあえて出撃した理由は3つ。(1)新選組・沖田総司の墓は普段非公開。年に一度だけ公開され、今年は6/20だった。(2)先述したように6月下旬は夏至。冬は17時で真っ暗なのに、「19時半」になっても墓石が見える。雨になれば巡礼困難、晴れれば早朝から15時間も墓参が可能、まさにハイリスク・ハイリターンの諸刃の剣。今回は結果的に、晴れ4日、雨2日の4勝2敗で、この賭けは“吉”と出た。(3)お金にまつわるリアルな理由。出版社の人が大阪まで仕事の話で来る予定だったのを、こちらが上京する代わりに交通費を負担してもらった。「えっ、大阪まで来るんですか!だったら僕がそっちへ行きます!行かせて下さい!」って感じ。不況で原稿代も下がっていて家計に余裕がないので、東京に行けるチャンスは全て狙う必要がある。そういう訳で、あえて梅雨時に上京した次第。/この間の動きの簡単なまとめ。
●18日→始発で愛知・名古屋の日泰寺へ。この寺にはタイ政府から贈られた本物の釈迦の骨がある。また豊田佐吉(トヨタ創業者)の墓も。次に岡崎市の法蔵寺へ。この寺の境内には新選組・土方たちが密かに近藤勇の首を葬った“隠れ墓”がある。建立者の名前に土方の文字があり涙。午後から御殿場の日本最大の霊園(230
万平方メートル)、富士霊園に。晴天であれば富士山が見えるはずが、洪水寸前の土砂降り。霊園は山間にあり、あちこちに何本も“川”が出来ていた。でも、ずっと前から訪れたかった墓地でありテンションはマックス。ここには『ゴジラ』シリーズの監督・本多猪四郎、黒澤映画の名優・千秋実、作家の水上勉や五味川純平、新劇女優の杉村春子、女性運動家の市川房枝、そしてホンダ創業者・本田宗一郎など多数の著名人が眠っている。19時、翌朝の墓参に備え神奈川・茅ヶ崎のネットカフェ『自遊空間』に碇を下ろす。『自遊空間』茅ヶ崎店は、9時間2千円でシャワー無料、ドリンク飲み放題、禁煙&(横になれる)フラット部屋あり、駅に近いし即決で泊まった。※この店でジーンとくることがあった。僕はここに大切なハンカチを忘れてしまった(雨で濡れて干していた)。そのハンカチは、宝塚の手塚治虫記念館でゲットしたレア品で、鬼太郎の目玉親父と手塚キャラのヒョウタンツギが、仲良く茶碗風呂に入ってるイラスト入り。手塚先生と水木先生は衝突したことがあるので、一緒に両者のキャラが風呂に入っている絵は平和の象徴だった。このことを電話で語ると、最初は「忘れ物の保管期限は3〜6ヶ月。それまでに取りに来るように」と言ってた若い男性店員(Tさん)が、なんとプライベートでわざわざ郵送して下さった!こんなに親切な店員さんはそうそういない。僕の『自遊空間』に対する印象はプラスに振り切れ、この先、なるべく『自遊空間』に泊まろうと決めた(全国に展開している模様)。
●19日→早朝から茅ヶ崎・浄見寺の大岡越前の墓地へ。賽銭箱が鬼の巾着袋でユーモラス。9時半に鎌倉に着き自転車をレンタル。約8時間をかけ東(鎌倉霊園)から西(梶原)まで走破。途中で源氏山公園にも登る。こんなことが可能だったのも電動自転車をレンタルできたから!一方通行も坂も関係なく、グングン移動できる電動自転車。これがあったから8時間で鎌倉を巡れた。発明者に感謝。鎌倉では、川端康成、『坂の上の雲』でモックンが演じる秋山真之、太田道灌、護良(もりよし)親王、詩人の田村隆一、最後の執権・北条高時などを巡礼。高時の墓所“腹切り櫓(やぐら)”は、北条一族と家臣870名(!)が自刃した悲劇の地。心から冥福を祈った。そして5度目の鎌倉、人生42年目にして初めて鎌倉大仏にも謁見できた。鎌倉の大仏さんは、20円で中に入ることが出来て驚いた。16時過ぎに自転車を返却。そこから神奈川鶴見区の総持寺へ向かう。これも賭けだった。大抵の寺は17時に山門が閉まるので墓参ができない。でも、総持寺は巨大寺院であり24時間出入りできる可能性があった。17時半に到着し寺務所に直行すると「ハイ、我が寺は常に開いています」。ビンゴ!おかげでじっくり巡礼できた。ここには石原裕次郎や戦前の女優・川上貞奴が眠っている。僕の目的は安達峰一郎博士に巡礼することだった。山形出身の安達博士は、戦前に“世界の良心”といわれた国際司法裁判所所長。当時の欧州にはまだアジア人蔑視の風潮があったにもかかわらず、安達博士がアムステルダムで死去した際、オランダ政府はなんと“国葬”をもって業績&人格に応えた。墓参できて嬉しい!その後、僕のツイッターを見ていた石材業界の方が、“ひもじかろう”と焼肉を食べさせてくれた。うまかった!感動!(明日に続く)

  無事届いたハンカチ!
 6月17日…明日から仕事&巡礼で上京するため、次回の更新は23日夜になります。/週間天気予報によると、この先1週間以上、関東地方は雨!うぎゃー。しかし、せっかく上京するからには、体が動く限り墓参を敢行したい(名古屋→静岡→神奈川→東京とまわる予定)。この間、サイトは更新出来ませんが、ケータイからツイッターに書き込めることが判明したので、いろんな恩人の墓前で感想をツイートするつもり。梅雨、上等!!//教育テレビ『ギフト』では古今東西の名言を英語で紹介している。公式サイトで「発音」をクリックすると英文を読んでくれる。英語の勉強にもあるし、人生に役立つ名言にも出合えるので、学生さんには良いんじゃないかな!以下、リンク先でメモった言葉を紹介♪
●不幸のどん底にいるときこそ、信じてほしい。世の中にはあなたにできることがある、ということを。他人の苦痛を和らげることができるならば、人生は無駄ではないのです(ヘレン・ケラー/社会福祉事業家)
●私は運というものを強く信じている。そして、運とは努力するほど増すものだと思う(トーマス・ジェファーソン/米第3代大統領)
●流れに逆らって泳ぐには力と勇気が必要だ。浮かぶだけなら死んだ魚でもできる(サミュエル・スマイルズ/英作家)
●勇気とは、恐れに抵抗すること、恐れを支配することであって、恐れがないことではない(マーク・トウェイン/米小説家)
●まったく恋をしないより、恋をして敗れたほうがいい(アルフレッド・テニスン/英詩人)
●恋とは一輪の愛らしい花である。だが、それを摘むには危険な崖のふちまで行く勇気を持たなくてはならない。(スタンダール/仏作家)
●成功とは、失敗から失敗へと熱意を失うことなく進んでいける能力である(ウィンストン・チャーチル/英元首相)
●私は失敗はしていない。これではうまくいかないという発見を1万回したのだ(エジソン)
●絶望してはいけない。だが、もし絶望してしまったら、絶望の中、進み続けるのだ(エドマンド・バーク/英政治家)
●己の立てるところを深く掘れ、そこには必ず泉あらむ(高山樗牛/明治の思想家)
●不思議なことに、素晴らしいごちそうは、人々をなぜか和解させてしまうものだ(サミュエル・ピープス/17世紀の英官僚)
//この間、いっぱい書きたいことが溜まっているので、更新を再開したらキーボートから煙があがるまで吠えたおしますッ!
 6月14日…はやぶさ帰還、W杯、国会代表質問、色々語りたいことがあるのですが、いかんせん、仕事がギチギチに詰まっており更新が厳しい!/とにもかくにも、日本代表は強豪カメルーンを相手に、よく前半の1点差を守りきった!ほんと、後半のカメルーンの猛攻は心臓に悪かった…!次は優勝候補の一角オランダ。19日にキックオフ!
 6月13日…NHKでやってたカメルーンのエトー選手の特集に胸を打たれた。カメルーンにはサッカーが上手くても活躍できるプロのサッカークラブがない(不況で壊滅)。才能があるのに欧州に渡航する金もなく、世に出ることがない。そこでエトー選手は、プロのサッカー選手を育てるエトー財団を母国で起ち上げた。毎年8千万円を寄付し、生徒80人分のスパイク、ユニフォームから教育費、食事に至るまで全てを支援している。/番組で印象に残ったのは人種差別のエピソード。FCバルセロナでプレー中に相手サポーターたちが猿のマネをして、黒人である彼を馬鹿にする出来事があった。この時エトー選手は「彼らは私を人間として見ていない。私が属する人種を人間と思っていない」と抗議の意志を表明する為にグラウンドを去ろうとした。欧州において黒人選手が酷いヤジを浴びることは少なくなかったが、大半の選手は黙って耐えていた。試合中にプレーを辞めるというエトー選手がとった行動は、前代未聞のことだった。味方チームのブラジル人・ロナウジーニョが駆け寄りエトー選手をなだめると思いきや、ロナウジーニョが言った言葉は「兄弟よ、お前とここを去る」。そこへ“敵チーム”の黒人選手がやってきた。「エトー、あなたの勇気は素晴らしい。だが、その怒りはゴールへぶつけ、試合を通して奴ら(酷い観客)を叩きのめすべきだ」。そして、エトー選手は実力でねじ伏せた。こうした事を含め、今やエトー選手はアフリカの星となり、南アフリカ大会の公式ポスターは彼の横顔とアフリカ大陸のコラボになっている。カメルーンの若者が目をうるませながら、「エトーは私の父であり母であり神ともいえる」と語っているのを見て、エトー選手が背負っているものの大きさを感じた。/っていうか!これから日本はカメルーン戦というのに、こんなの見てしまったら、日本だけを純粋に応援できなくなっちゃうよ〜!「日本ガンバレ!エトーも負けるな!」ってなっちゃう!r(^_^;)
 6月12日…機械はあくあまでも機械であり、そこに魂はないと分かっていても、明晩7年ぶりに地球へ帰還する小惑星探査機「はやぶさ」に、心から“おかえり”と言いたい気持ちになる。しかも、「はやぶさ」自身はカプセルを放出した後、大気圏突入で粉々になって燃え尽きてしまう。言わば、消滅する為に帰ってきた「はやぶさ」。読者の方が紹介して下さったコチラの動画(7分10秒)は、絶望的なトラブルを根性で乗り越えていく過程に胸が熱くなることウケアイだ(帰還予定の3年遅れ)。「はやぶさ」に“おかえり”と“さよなら”を同時に言わなくちゃならないのは、何とも切ないけれど、カプセルにサンプルが入っていようがいまいが、“どんな状況でもあきらめない”ということを教えてくれた当プロジェクトの全関係者に御礼を言いたい。※リンク先の記事に明晩の中継動画の情報などが書かれています。//ようやくツイッターの機能が分かってきた。気になる著名人を「フォロー」しておくと、リアルタイムでどんどん新しい“つぶやき”が入ってくる。また、僕が見ている画面と、外部の人が見ている画面は違うようだ。外部の人が僕のツイッターを覗いても、そこには僕だけの“つぶやき”しか表示されていない。なるほど、これならゴチャゴチャ感もなくていい。で、どんな著名人を登録しようか迷っていたところ、「有名人のツイッターリスト」なるサイトを発見。おかげで、一気に15名近く面白そうな人が見つかった。僕が登録したのは、音楽関係から坂本龍一氏、萩原健太氏、ジャーナリストから上杉隆氏、田原総一朗氏、漫画家から島本和彦先生、芸能人からいとうせいこう氏、芸人さんから有吉弘行氏、バカリズム氏、評論家から勝間和代氏、政治家から蓮舫議員、“その他”から岡田斗司夫氏、糸井重里氏、異色ではキャラクターからムーミン谷住人、せんとくん。岡田氏と糸井氏は“文化人”のジャンルでいいのに、なんで“その他”なのかな。/萩原健太氏は絶対音感があるのか、ブブゼラの音に反応し「このブブなんとかの音は何だ? Bフラットか? 頭に染み付くなぁ」。耳が良い人はW杯後もブブゼラの音が耳から離れないんじゃないかな(汗)。せんとくんは仕事の話で「今日も平城宮跡でお仕事!明日は鳴門市に出張です!」など出現ポイントを公開(笑)。ムーミン谷のはロボットが2時間おきにムーミンの原作から名セリフをつぶやいてくれる。「ぼくはこの目で見ないものは信じない、そのかわり、この目でみたものはどんなにばかげたものでも信じるよ - スナフキン」って感じで。こういう架空キャラのツイートもユニークでいいね。//昨日の日記で情報を求めていたネットカフェの件ですが、読者の方が『N探』という最強サイトを紹介して下さいました!リンク先には全国のネットカフェのリストがあり、例えば東京23区(341件)であればこの画面から、「24時間営業」「禁煙」「シャワー」「フラット」「格安ナイトパック」「フリードリンク」など希望項目をチェックするだけで40件がヒットし、それぞれ地図が付いている親切ぶり!治安の良い「要身分証」も条件に入れると14件になった。いやはや、このサイトさえればどの街でも宿には困りませんな!(*^o^*)
 6月11日…6/18〜6/22まで取材や墓巡礼のために上京する予定です。財布に余裕がある時はカプセルホテルに泊まるのですが(嗚呼、夢の東横イン)、4泊となると高額になるので、今回はネットカフェを泊まり歩こうと思っています(ナイトパックだと2千円くらいですもんね)。山手線の駅から近くて、横になれるフラットの部屋があり、シャワーも利用できるオススメのネットカフェをご存知でしたら、掲示板の方へ情報を頂けると助かります!※地方から東京へ出た時に宿探しで苦労されてる方、情報を共有しましょう♪//NHKがW杯開幕特番の中で『世界のサッカーファンが選ぶスーパースターBEST10』を発表していた。出場32チーム、700人の選手の中から選ばれたのは→
1.メッシ(アルゼンチン)…22歳。7歳で既に地元少年サッカークラブのエースに。しかし、その後成長ホルモンの分泌異常で体が成長しなくなった。薬代は月9万、親の月収は15万で治療は困難、メッシはサッカー選手の夢を諦めた。ところが13歳の時に、メッシの才能を惜しんだスペインの名門FCバルセロナが治療費の負担を申し出てくれた。メッシはスペインに渡ることを決心し、異国の地で技を磨き続け、17歳でプロデビューする。そして!07年のスペイン国王杯でハイスピード・ドリブルで5人抜きゴールを敢行、マラドーナの再来と絶賛された!W杯では母国アルゼンチンの代表チームに属し、英雄マラドーナの背番号10番を引き継いだ。ところが、去年の南米予選で徹底ガードを受け、まさかの7試合連続“無得点”。メディアは(治療の為とはいえ)スペインに拠点を持っていたメッシに冷たく、「極刑に値する重罪」「バルセロナでだけ世界一」「あいつは国歌を歌えない」と猛烈にバッシング。落ち込むメッシにマラドーナは「私を意識せず得意なプレーをするんだ。そうすれば批判はなくなる」と助言。この言葉で吹っ切れたメッシは本来の動きを取り戻し、アルゼンチンも予選を勝ち抜いて今大会出場へ漕ぎ着けた。
2.クリスティアーノ・ロナウド(ポルトガル)…予測不能の軌道を描く無回転シュート、トリッキーなドリブル
3.ルーニー(イングランド)…超攻撃型ストライカー
4.カカ(ブラジル)…豊富な戦術パス、ドリブルも得意
5.パク・チソン(韓国)…アジア屈指のストライカー
6.フェルナンド・トーレス(スペイン)…甘いマスク、職人シュート
7.ロッベン(オランダ)…100m10秒台の快足ウインガー
8.シャビ(スペイン)…絶妙なパス、名ゲームメーカー
9.エトー(カメルーン)…アフリカ年間最優秀選手賞に3度輝く
10.チョン・テセ(北朝鮮)…豪快なミドルシュート
その他、注目株にサイドキックで無回転が打てるドログバ(コートジボワールの完璧フォワード)とジェラード(イングランド)、決定力のある左キックが定評のメスト・エジル(ドイツ)などの名前があがっていた。//W杯開幕戦の南アVSメキシコは1対1の引き分けに。強豪メキシコを相手に南アはよく頑張ったと思う。まだ耳にブブゼラの爆音が残ってます(笑)。
 6月10日…明日からワールドカップということで、関連本を1冊読もうと『90分で分かる南ア&W杯〜ブブゼラ!』を購入。1分で読める90個のトピックで構成されており、中間やラストにハーフタイムコラム、ロスタイムコラムなどがあって読ませ方が上手い。メモったことを紹介(サッカーファンには“常識!”って言われそうだけど、汗)。(1)南アでは人々が応援グッズ“ブブゼラ”を鳴らしまくる。ブブゼラはプラスチック製の長いラッパ。選手同士の会話が聞こえないほど音が馬鹿デカく、5本あればスタンドが満員に感じられるという。(2)過去の開催国は1次リーグを突破してきたが、ランキング80位以下の南アは「開催国史上最弱」とも形容され突破が怪しい。しかし勝算の可能性はある。それは「南ア12番目にして最強の選手」といわれるブブゼラ(爆)。スタンドを埋め尽くす地元サポーターの魔笛は音波兵器となり、敵選手の思考能力を破壊するだろう。(3)南ア・チームには一人だけ白人選手がいる。彼がボールを蹴るとブーイングの嵐が起きるけど、あれは励ましのブーイング。名前がマシュー・ブースなので、「ブース!」という声援がブーイングに聞こえる。性格の良いブースは愛されているんだ。(4)日本の対戦国カメルーン、オランダ、デンマークは、いずれもW杯でベスト8以上になった経験を持つ強豪国。(5)しかもカメルーンは1990年に「アフリカ勢初」のベスト8入り&2000年のシドニー五輪では“金メダル”。オイオイ!(6)FIFA(国際サッカー連盟)が決める各国の実力ランキングは日本43位、カメルーン14位、オランダ19位、デンマーク25位。ちなみにアフリカ勢は欧州勢より普段の試合数が少ないので、実力より低くランクされる傾向がある。(7)今大会の第1試合は南アVSウルグアイ。ウルグアイは第1回大会(1930)の開催地。ウルグアイの人口はわずか330万人。でも2度優勝している。(8)南アのヨハネスブルクは世界最大の犯罪都市。日本の殺人事件は年間約1200件だが、南アでは年間2万件!別名「リアル北斗の拳」。『地球の歩き方』には「ヨハネスブルク駅からエリスパーク・スタジアムまで約1.5kmの徒歩圏内だが歩くことは出来ない」とある。“徒歩圏内だが歩けない”という奇妙な表現は世界でもここだけ。ただし南ア人全体が危険な訳ではない。人口に対する犯罪率はイギリスよりも低い8%強。つまり大半は善良な市民(その中に極端な悪党がいる)。(9)マンデラ氏の指導のもとでアパルトヘイトが廃止され、15年が経った。当初、南アの黒人は輝く未来を夢に描いていたけど、不況や社会不安などで自信をなくしつつある。W杯をきっかけに今こそ皆の力を再結集して活力を取り戻したい、そんな思いを人々は抱いており、南アの代表チームは絶対に負けることができない!以上。決勝は7月11日。どの国が栄光を掴むのか楽しみですね!※『ブブゼラ!』(Ama)//「砂糖を詰めたビンの中でアリを飼うと、地表で砂糖を食べ続けるのか?それとも砂糖の巣を作るのか?」という実験動画。絵的には地味だけど、実験の発想が面白い。イグノーベル賞を狙えるのでは!?
 6月9日…ツイッター、まだ使いこなせてないんですが、感動したのは「フォローされている」をクリックすると、皆さんの“いま”がズラリと表示され、あたかも本人が目の前に立ち現れたかのように感じること。ビールを飲みながら映画を観ている人もいれば、通勤電車の中で読み終えた小説に感動している人もいる。当たり前のことだけど、“みんな今日を生きてるんだなぁ”とジーン。ツイッターのアドレスを公開して2日しか経っていないことから、現在フォローして下さっている方は、ほぼ毎日当サイトに足を運んで頂いているディープな方だと思います。オフ会にまだ未参加で、掲示板に書かれたこともない、そんなシャイな読者の方が発するナマの声に触れることができ、眺めているだけでテンションがあがります。現在フォロワーの方は約200人。文芸ジャンキーを経由して、読者の皆さんが同じ趣味の人を見つけられたり、そこから新たな交流が生まれるといいな。/一方、ツイッターをめぐっては、『よつばと』ドラマ化というガセネタをもとに“つぶやいた”脚本家がお詫びをしたことが話題になった。デマをデマと見抜けずツイートしたわけなんだけど、これは他人事じゃないというか、僕自身もやらかしてしまうのは時間の問題かと…(汗)。//普天間基地の移設問題について、「辺野古の住民には移設容認派もたくさんいる」「容認派は自分たちのことをメディアが伝えないので、偏向報道に怒っている」という意見を頂き、ネットの情報は又聞きのものが多いので、実際のところどうなのか自分で確かめることにした。そして、名護市役所の基地問題を扱っている部署や、名護市議会、辺野古の行政施設の3箇所に電話で聞いてみた。分かったことは(1)市長選は移設反対派の稲嶺氏が当選したが、容認派の候補にもたくさん票が入った。ただしそれは今年1月の話。その後、鳩山氏の「やっぱりムリ」発言で住民の反基地感情に火がつき、現状は容認派の多くが“沖縄をなめるな”と反対派にまわっている。※反対派の中には10年以上の反対運動で疲れ果て、“どうせ政府には逆らえない”と諦め、“それなら早く決着を”と1月に容認派に投票した人も少なくないという。でも日米共同声明後に、“簡単に沖縄を切り捨てるならトコトン反対しよう”と、再び反対派に戻った。(2)「メディアが容認派の意見を伝えないという不満はあるのか?」→答えを要約すると「そういう声もあったが、それは10年ほど前の話。徳之島では容認派の動向もニュースで流されており、偏向報道とは感じていない」とのこと(3)「現地では“移転賛成”と言いにくい雰囲気があったり、反対派に発言を封じられているのか」→みんな「それはない」と即答。沖縄の人は基本的に明るく、自分の意見を堂々と主張するので、他人を気兼ねして黙ってしまうなんてことはない、とのこと。基地問題で意見が異なっても、それはそれ、これはこれらしい。(4)「一部のネットには6/10の名護市議会で容認決議を採択する動きとあった。結果は?」→「それはあくまでも噂で、実際には提案そのものがありませんでした」。/たまたま電話に出た人の意見なので、それが真の総意かは分からない。ただ、僕が知り得た現在進行形の地元の声はこういうものだった。個人的に3番はよく分かる。沖縄に行った時、「なんくるないさー(何でもない、どうにかなる)」という言葉をよく聞いた。人々のおおらかさに触れ、「容認派は意見を口にできない」というネットの書き込みは違和感があった。菅新首相が鳩山氏より沖縄の声に耳を傾けてくれることを期待したい。//「世界で最も平和な国」のランキングを英経済平和研究所が発表。隣国との関係や凶悪犯罪数、テロの危険性、軍事費など23の指標からランク付けされた。順位は次の通り。(1)ニュージーランド※2年連続(2)アイスランド(3)日本!(4)オーストリア(5)ノルウェー(6)アイルランド(7)デンマーク(8)ルクセンブルク(9)フィンランド(10)スウェーデン。以下、(14)カナダ(16)ドイツ(85)アメリカ、そして最下位がイラク。北欧5カ国がすべてトップ10に入っているのがスゴイ。セーフティネットが完璧だから心に余裕があるのだろう。日本は異常に高い自殺率でありながら平和指数も高いという、海外から見れば本当に謎の国なんだろうなぁ。//13日の深夜に地球へ帰還する予定の小惑星探査機「はやぶさ」。数々のトラブルをクリアーして、最後の軌道修正に成功とのこと。大気圏突入時は流星のように発光するので、日本からも観測できるという。そして先月21日に地球を出発して金星に向かった「あかつき」からは、三日月状態になった地球の神秘的な画像が届いた
宇宙の闇に浮かぶ地球。
青い三日月というか、
何とも幻想的。底なしの
静寂感。ここに68億人も
いるなんて信じられない
 6月8日…近頃、ネット界はツイッターの話題で一色。こんなに利用者が多いのは、きっと何か特別な魅力があるのだろうと興味がある反面、ツイッターは140文字制限ゆえ、言葉足らずのつぶやきから予期せぬ誤解が生じるんじゃないかとか、一度投稿すると誤字脱字を見つけても訂正できない(丸ごと削除するしかない)ので、僕のようなオッチョコチョイには不向きだろうと、これまで手を出さなかった。しかも昨今は「ツイッターが炎上、閉鎖へ」という記事の多いこと!/そんな折、糸井重里さんのツイッター・デビューの感想を読み、それほど気構えなくてもいいかも知れないと思い始めた。/サイトの日記はガチンコ勝負というか、かなり肩に力が入っていて、更新後はヘトヘトになってしまうことが多い。どうしても伝えたいことがある時など、どんどん長文になってしまう。そうすると、その日の日記には、もう他の話題が書けなくなり、龍馬伝の感想が放映の5日後になってしまったり。あと、多忙で日記の更新が遅れた時は、内容にタイムラグが出てくる。/で、何か新しいものに触れた時に、新鮮な気持ちをすぐに書き残しておけるというのは良いかもと、僕も先週こっそり始めてみた。まだ使い方がよく分かっていないので、夕食に何を作ったとか、そんなマッタリとしたものだけど、徐々にいろんなことをツイートしようと思います。//昨日のヘイト・スピーチに関連して。大手メディアは在特会に及び腰なのか見て見ぬ振りをしている。そんな中、livedoorニュースが『在特会なる集団』という批判記事を紹介していた。正面から活動内容を否定する勇気あるコラムだった。ただしこの記事を書いたチャンネルナックルズの編集長・久田将義氏は、同月末に編集長を退いてしまった…。これを書いたから辞めることになったのか、辞めることが決まっていたから書いたのか、それともただの偶然か。いずれにせよ、気骨のある人物なのに残念(リンク記事もいつまで残っているか)。//人気漫画『鋼の錬金術師』がもうすぐ完結するという噂をきいて、未読だった15巻から最新の25巻(Ama)まで一気読み。いろんなキャラが散っていき、結末が近づいていることを実感。憎いと思っていたホムンクルス(人工生命体)だけど、滅んでいく時に物悲しさを感じた。人工の命であろうと、それが消える様は切ない。そして、どんなに挑発されても、怒りや苦しみを呑み込み、葛藤しつつ耐える人間たちに感動した。よく練られた物語。思わずメモったセリフを2つ紹介。
●「偽善で結構!!やらない善よりやる偽善だ!私は君の治療さえできればどう思われようとかまわない。早く足を出してくれ」(15巻)
●「(大虐殺など)国軍のしたことを許せというのですか」「勘違いするな。“堪える”と“許す”は違う。世の中の理不尽な出来事を許してはいかん。人として憤らねばならん。だが堪えねばならぬ。憎しみの連鎖は誰かが断たねばならぬ。怒りのままに流されれば、それは犬・畜生と同じ。たとえ世界のすべてがイシュヴァール人を否定しようとも我々は“人間”なのだ。獣の道に堕ちてはいかん」(18巻)
※この“憎しみの連鎖は誰かが断たねばならぬ”というのが頭では分かっていても、大切な人の命を奪われた時に復讐心を抑えるのは極めて困難。だが、ここを突破すれば人類は先に進めるし、突破できなければやがて滅ぶ。不条理は許さず、怒りながらも復讐に走らない…うーむ、本当に難しいところ。
 6月7日…憎悪にもとづく差別的行為を煽動する言説を「ヘイト・スピーチ」という。それまで平和的に複数の民族が暮らしていた地域が、このヘイト・スピーチでボロボロになっていく過程を人類は何度も経験している。歴史的にファシズムや過激な差別主義は大不況の中で生まれやすい。人間は苦しい生活が続くと、自分よりもっと悲惨な境遇の者と比較することで“まだあれよりマシ”と自身を慰めたり、辛い境遇を“こうなったのは誰々のせいだ”と他人を恨むことでプライドを守ろうとする。それに、社会制度の変革よりも、他人を差別することの方が手っ取り早い。ヒトラーによるユダヤ人へのヘイト・スピーチは世界恐慌の中で民衆の支持を集め、旧ユーゴ(ボスニア)では社会的混乱の中で多数のイスラム教徒が犠牲になった。近年では1994年にアフリカ・ルワンダにおいて、ラジオ局が執拗に流したヘイト・スピーチによって、3ヶ月間で約100万人もの人々が虐殺された。そのラジオDJは「ツチ族のゴキブリを殺し尽くせ」と毎日煽り続けた。人類は悲劇を繰り返さぬ為にも、排外主義の危険性を歴史から学ばねばならない。でなければ、これまでの犠牲者は完全に無駄死となる。/日本でも長引く不況と共に、在日外国人への差別発言が匿名掲示板に溢れるようになった。僕がネットを始めた10年ほど前は、差別的な発言を誰かが書き込むと、それに対して「そういうことを言うもんじゃない」と諭す人がたくさんいた。今は差別用語が溢れすぎて、注意する人もマヒしてor疲れてしまったのか殆ど見かけなくなった。/そして昨日、“行動する保守”をうたう「在日特権を許さない市民の会」会長、桜井誠氏の街宣活動の動画(4分37秒)を見て戦慄が走った。なんだこれは。抗議してきた年上の車椅子の男性に向かって、まだ会話して30秒ほどしか経ってないのに、「車に飛び込め!ビルから飛び降りろ!」。そして「朝鮮人は日本から出て行け!」「ゴキブリがただいま邪魔に入っております」「お前なんか殺す価値もないんだよ。生きてる価値も資格もないんだよ」と畳み掛ける。まともな大人なら、たとえ意見が異なる相手でも、初対面で、しかも年上の相手に、「車に飛び込め!ビルから飛び降りろ!」なんて絶対言わない。常識では考えられない。しかし、彼らの世界ではこれが日常なのか。/僕は1月の日記で、池袋の中華街に向けて「主権回復を目指す会」代表の西村修平氏が拡声器を使って「ゴキブリ、ダニ、ウジ虫のシナ人を叩き出せ!」と演説している動画に衝撃を受けたと書いた。桜井氏といい、西村氏といい、他民族をゴキブリにたとえるのはルワンダのラジオDJとまったく同じではないか。/日本の人口1億3千万人のうち、韓国・朝鮮籍の特別永住者は約42万人しかいない。人口の1%にも満たず、たったの0.3%だ。それをあたかも巨大勢力のように騒ぎ立てる目的は何だ。桜井氏や西村氏に言いたい。真に愛国心があるなら、税金を食い物にしている天下り官僚や省庁、振り込め詐欺・薬物汚染で市民をカモにしている全国の暴力団と戦って欲しい。そして沖縄で米軍に我が国の領土を返せと抗議して欲しい。/こうした現状は、彼らを糾弾しないマスコミの甘さにも責任がある。特に産経新聞が酷い。4月25日付に河添恵子著『中国人の世界乗っ取り計画』についての西尾幹二氏の書評を掲載したが、その文面には「既に在日中国系は80万人になり、この3年で5万人も増えている。有害有毒な蟻(アリ)をこれ以上増やさず、排除することが日本の国家基本政策でなければならない」とあった。こちらのブログ管理人さんは「このような表現は、在日中国人を人間以下の“虫けら”として扱うものであり、明らかに人種差別にあたるものだと考えられます。また、“有害有毒な”中国人を“排除”せよ、という表現からは、この文章がそもそも暴力的な排外主義を助長する意図を持って書かれたものである、と判断せざるを得ません」と義憤されており、僕も全く同感だ。産経はこの文面をいまだに訂正しておらず、それを読売・朝日・毎日がスルーしているのが、現状の深刻さを象徴している。※追記。こうした排外主義は、国内だけでなく、オランダ、ハンガリー、ポーランドなど欧州でも広がりつつある。人類全体の理性が試される踏ん張りどころだ。
//スノーモービルのありえない動きの動画。後半のスノーモービル、ほぼ垂直に上がってるんですけど!ルパン“カリオストロの城”の斜面上がりを思い出した。//今日は荒木飛呂彦先生の50回目の誕生日!50代になって、作品世界はこれからさらに円熟味を増していくでしょう。リアルタイムでその変遷に触れることが出来るのはファンとして最高の喜びっすね!※見ためはまったく年をとらない荒木先生。この先、益々実年齢とのギャップが出てくるでしょうね(笑)
 6月6日…これが欧米だったら大スキャンダルとなって何人か関係議員のクビが吹っ飛ぶような事件が、日本では華麗にスルーされることが少なからずある。最近明らかにされた官房機密費の裏金問題も、このまま闇に葬られそうだ。日本政府には、使途も分からなければ領収書も必要ないという、年間数億円もの官房機密費が存在する。特に小泉政権の04年から、阿部、福田、麻生政権に至る09年までは、毎年「約15億円」もの巨額の機密費が存在した。/麻生政権は総選挙敗北の2日後、政権移譲のどさくさに紛れて国庫から2億5千万円を持ち出している。政権交代が決定しているのに、何の目的があって血税を2億5千万円も引き出したのか。/自民党政権の頃、民主党は「使い道を公開せよ」と何度も訴えてきた。そして政権交代の時は「官房機密費を廃止する」と明言した。当然、僕は平野官房長官が機密費の中身を調査すると思っていた。ところが、「廃止する」はずがいつの間にやら黙り込み、鳩山政権誕生からたった半年で平野官房長官は3億6千万円を使い、しかも裏金の使途は明かせないという。なんだそりゃあ!?/そしてこのような状況下で、元自民党幹事長&小渕内閣の官房長官を務めた(98年7月〜99年10月)野中広務氏が、「私はもう年(84歳)だし秘密を墓場まで持って行きたくない。政権交代を機に廃止すべきだ」と官房機密費の実態を暴露した。これが衝撃的だった!野党工作だけでなく、複数の政治評論家にも裏金を渡していたというのだ。「毎月5千万〜7千万円ほど使った。国対委員長に月500万円、首相に1000万円、参院幹事長室にも定期的に配った。政治評論家への“挨拶”なども前任の官房長官からノートで引き継いだ。1人だけ返してきたのが田原総一朗さん。“もっと(金額の)ランクを上げてくれ”と言った人もいた。政治家から評論家になった人が小渕首相に“家を建てたから3千万円の祝いをくれ”と言ってきたときは“絶対だめだ”と止めた」。時の政権が国民の税金を政治評論家などに毎年バラまいている事実。04〜08年の機密費予算は年間14億6165万円。このうち、使われずに国庫へ返納された金額は、04年度43万円、05年度43万円、06年度24万円、07年度12万円(たったの!)、08年度28万円と、歴代官房長官は限界まで使い切っている。/政治家も政治家だが、国民の血税を裏金として受け取っている評論家、マスコミ関係者には「恥を知れ」と言いたい。裏金を受け取らなかったのが田原総一朗氏“1人だけ”とは。よく不自然なまでに与党を擁護する政治評論家がいるけれど、“そういうことなのか”って穿った見方をしそうだ。また、大手の新聞、テレビ局がこの件を殆ど報道しないのは、自社の記者が貰っていたことが発覚することを恐れているように見える。/政治の世界は綺麗事ばかりじゃないので、国益の為には表に出せない金もあると思う。問題なのは使い途がずっと明かされないことだ。米国のように何年かすれば必ず情報公開されるべき!(30年後、50年後とか)その縛りがあれば、後世に糾弾されることを恐れて滅茶苦茶な使い方は出来ないはずだ。政治評論家やマスコミは、もっとモラル&プライドを持って活動して欲しい。※新たに官房長官になった仙谷氏が、改革してくれると信じたい!//一方、「既存マスコミは信用できない!私は2ちゃんやニコニコ動画で真実を知った!」「マスコミの世論調査はインチキ。ニコニコの世論調査が正しい!」という意見をネットで見かけることがある。しかし別情報ではこんなことも→
●株式会社ニワンゴ…ニコニコ動画開発・運営。2chの携帯版開発。ネット広告代理業。(株)アソウ・システムソリューション(旧・麻生デジタルメディア研究所)から多数出向者。
●株式会社ドワンゴ…ニワンゴの親会社となるIT企業。取締役は麻生元首相の甥、麻生巌氏。(株)アソウ・アルファから多数の出向者。麻生巌氏が麻生チャンネルを開設。
●株式会社エクストーン…取締役は麻生元首相の長男、麻生将豊氏。「ニワンゴ」「ニコニコ動画」関連の開発・保守業務。麻生元首相の妻が同社の株を大量に保有(5千株以上)。
上記の“多数出向者”の裏付けはとれなかったけど、麻生巌氏や麻生将豊氏が取締役というのは企業HPで確認がとれた。
/去年の総選挙前にニコ動の世論調査は世間と真逆の結果(自民が圧倒的多数派)となった。「オレたちの麻生」の大合唱。麻生氏の親族が経営に関わっているのに中立になれるのかな…。そのあたり、冷静な判断が必要かと。//今日の『龍馬伝』の池田屋事件、最大の見せ場を丸ごとカットってどういうことよ…。期待していただけに残念すぎる。長くなったのでこの件は後日にまた。
 6月5日…新内閣の顔ぶれは、だんだん小沢派への“報復人事”の様相を呈してきた。首相の片腕・官房長官に小沢氏と犬猿の仲(党内反小沢勢力の旗頭)の仙谷由人が就任。幹事長には、これまた政治とカネの問題をめぐって小沢氏に抗議を繰り返していた枝野氏が抜擢される可能性が高いという。枝野氏は小沢氏に嫌われた結果、事業仕分けが始まるまでまともな役職もなかった。思えば、菅氏だって以前は“国家戦略局”という意味不明の部署の担当大臣に回されていた。もうすぐ80歳になる古株の反小沢派、渡部恒三氏が「これでやっとクリーンで明るい民主党になる。本当のスタートだ」と目をうるませていたのが印象的だった(無能な平野官房長官と赤松農水相がクビになったのも、よく分かっている人事)。こうなってくると、自民党も本気でイメージ・チェンジして新鮮さを出さないと!//前回の『龍馬伝』、龍馬と新選組・近藤勇が1対1で斬り合うという、めっさオイシイ演出が。史実にはなくても、俄然盛り上がる画であり、こういうフィクションは大歓迎。そして、とうとう以蔵が捕縛されてしまった。無数の赤い傘の間を逃げ回るクライマックスは、映像的にもドラマチックだった。長期間の逃亡生活でボロボロになった以蔵が、「武市先生に会いたい!」「わしは先生に誉められたかっただけじゃ」と龍馬に泣きつくシーンが切なすぎる。その昔、以蔵の半生を描いた映画『人斬り』を観た時、以蔵役の勝新太郎の存在感に圧倒されたので、以蔵役が佐藤健に決まった時は、“こんな線の細いイケメンじゃミスキャストだ”と脱力した。でも、今や佐藤・以蔵にベタ惚れ。佐藤健がこんなに素晴らしい役者だったとは!※22話はタイトルを「龍という女」ではなく(確かにお龍は出て来たけど)、「対決!龍馬VS近藤」「以蔵、絶体絶命」とかにすれば、それだけで視聴率がグンと上がったと思うのになぁ。※明日の龍馬伝は池田屋事件!//往年のロボ・アニメ『ボトムズ』の予告編は、ナレーションがめっちゃカッコ良くて放送時から話題になっていた。久々に予告動画を見て、あらためて銀河万丈氏の名調子に酔いしれた。特に12話『絆』の予告は、もはや世界文学レベル→「降り注ぐ火玉。舞い降りる鉄騎兵。欲望と秘密と暴力の街、ウドが燃える。圧倒的、ひたすら圧倒的パワーが蹂躪しつくす。ささやかな望み、芽生えた愛、絆、健気な野心、老いも若きも、男も女も、昨日も明日も呑み込んで、走る、炎、炎。音をたててウドが沈む。次回『脱出』。不死鳥は炎を浴びて蘇る」。※ボトムズ予告編集(5分54秒)。12話は5分26秒から。
 6月4日…新しい首相が菅氏に決定。1996年、当時厚生大臣だった菅氏は、薬害エイズ事件で被害者の気持ちをくんで厚生省の官僚と戦い、役人たちが隠していた資料を発見。この資料は行政に責任があることを決定づけるものだった。これによって菅氏は多くの薬害エイズ患者を救済した。/その菅氏が首相になったことを受け、本日、B型肝炎訴訟の原告患者団が早期解決を期待する声明を出した。B型肝炎訴訟はこれから確実に大きなニュースになるので、重要なポイントを以下にまとめておきます。→1948年に予防接種の注射針使い回しの危険性が分かってからも、日本では1988年まで同じ注射針で何人も集団接種をしていた(僕も小学生の時、ピストル型の注射器でバシュッとされた記憶がある)。その結果、この40年間に多くの人が肝炎ウイルスに感染してしまった。B型肝炎の場合、発症後に肝硬変、肝癌へ進行して死に至る。薬代だけでも月額約2万もかかる深刻な病気だ。17年という長期にわたる裁判の結果、2006年に最高裁が国の責任を認めて5人のB型肝炎患者への賠償(1人550万円)を命じた。普通なら、この判決を受けて、他のすべての感染者にも救済を開始すべきなんだけど、国は先の5人にしか賠償金を払わなかった。/他にも感染者はたくさんいるのに、国はのらりくらりと対応し、次々と感染者が他界していく。そして08年、“時間がない!”と早期救済を求めて計420名のB型肝炎患者が全国10箇所で集団訴訟に踏み切った。そして今年3月、札幌、福岡両地裁が和解を勧告した。/民主党は野党時代に「B型肝炎患者に救済を!」と訴えていたし、同党にはC型肝炎で救済された福田衣里子議員もいる。B型肝炎患者は“現政権なら痛みを分かってくれるはず”と期待した。ところが、和解勧告後も鳩山政権の返事は「和解案の提示は7月まで待ってくれ」。いつ死ぬか分からない恐怖に怯えている患者にすれば一刻も早く和解協議を始めたいのに…。“患者の苦しみが何も分かってないのでは”、そう危惧した患者達が4月に厚労省の前で「長妻大臣に会わせて欲しい」と座り込みを始めた。長妻氏はなかなか面会しようとしない。5月中旬になってようやく面会が実現。だがその時の返事も「7月まで待って」の一点張り。4月の地裁判決から既に患者2名が他界している。「これが命を守る内閣か」、こんな言葉で患者が嘆く現状を放置せず、新内閣は早急に解決を!※追記。国内でB型肝炎を治療中の患者は約9万3千人、感染したものの未発症の人は100万〜130万人と推定されている。救済内容によっては国の財政負担は数兆円になることから、国側の救済案が一向にまとまらないでいる。僕はあえて「数兆円がなんだ」と言いたい。ことは命にかかわる問題なのだ。特別会計は380兆円もある。徹底的に無駄金をなくせば、不可能な金額ではないはず。//南米グアテマラの道路にあいた巨大な穴。火山活動や豪雨の影響で陥没したという。底が見えないことがまた恐ろしい。まるでSF映画のワンシーンのようだ。
 6月3日…本日刊行された時計誌『クロノス7月号』(Ama)に連載の映画コラムを書いています。今回取り上げた映画は、最近この日記でも絶賛していた黒澤監督の『乱』デス!//民主党の代表選挙に樽床(たるとこ)伸二氏が立候補したと聞いてビックリした。樽床氏はモロに僕の選挙区の人っす!普通は自分の選挙区から総理候補が出ると、地元民は誇りに感じて応援すると思うけれど、僕はこの人の街頭演説や政治信条に触れて“絶対に投票したくない”と思った。樽床氏は民主党の中でも1、2を争う超タカ派。911事件の時は、「日本はアメリカの軍事行動を全面的に支援すべき。自衛隊派遣も含め米軍支援に賛成」と発言。また右翼や自民党員も驚くほどの熱心な改憲論者で、「憲法第9条を改正して自衛隊を国軍とせよ」と公言している。04年にアーミテージ米国務副長官が「もっと自衛隊が海外に展開しやすいように憲法を変えろ。さもないと日本の常任理事国入りはムリ」と注文してきた時も、樽床氏はアーミテージに共感し、改憲の為なら自民と共闘する姿勢を前面に出した。99年の国旗国歌法の採決では、タカ派と言われている前原氏でさえ「日の丸、君が代を大切に思っていることと、日の丸、君が代を法制化することは違う」と否決に投じたのに、樽床氏は賛成票を入れた。だから、昨夏の民主党が勝利を収めた総選挙でも、僕は樽床氏に投票しなかった。この人物は危険すぎる。昨日の日記では菅氏のことを否定的に書いたけど、2人なら菅氏の方がよっぽどマシ。
※「国旗・国歌」について言葉足らずにならないよう注釈。今の若い世代は知らない人も多いと思うけれど、日の丸、君が代が国旗・国歌になったのはほんの11年前、1999年の8月13日からだ。なぜ長年法制化されなかったのか?/僕は日の丸のデザインが全世界の国旗の中で一番優れていると思うし、君が代のイブシ銀の旋律も好きだ。歌詞の内容も君=天皇というのが主権在民の点から引っかかるものの、戦闘的で血なまぐさいフランス国歌等に比べれば極めて穏やかなものだと思う。また、海外で日の丸を見ればホッとするし、オリンピックで君が代が流れればジーンとくる。これらは日本人としての感覚だ。/一方、日本は日の丸・君が代と共に近隣諸国を侵略したという歴然とした事実があり、被害国の人々から見れば侵略国家のシンボルに映る。また国内でも教師の中には戦時中に愛国心教育で子ども達を戦場に送り出したことを後悔し、日の丸・君が代に対して心理的に激しい抵抗を覚える人が多い。こうした複雑な背景から、あえて法律で国旗・国歌を定めなかった。/同じ加害国のドイツは侵略行為を反省する意味で、終戦と共にカギ十字を廃して新国旗に変え、国歌も1番の“世界に冠たるドイツ”という歌詞が覇権思想と重なる為、1番を歌うことが違法になった。だが日本は日の丸・君が代をそのまま使っている。/国旗国歌法の審議の際、焦点となったのが次の2つ。(1)法制化に伴い、反対する教職員など教育現場に対する指導が強化されるのではないか。思想・良心の自由の制約に繋がらないか→これについて当時の有馬文相は「現行の教育指導要領を変えない」と答弁した。実際は個々の教員の思想など無視され、学校式典で日の丸に起立し、国歌斉唱しなければ、指導教化されまくり&罰則処分されまくりに。個人の意志を尊重する欧州ではありえない。そもそも、ヨーロッパ諸国では学校で国旗掲揚や国歌斉唱をすることが殆どないし、卒業式に国歌斉唱を全国的にやらせるのは、日本、中国、韓国だけ(文科省調べ)。中国は国家が愛国教育を強化した結果、“愛国無罪”と叫ぶ偏狭なナショナリズムを持つ若者がたくさん増えた。(2)刑法第92条には「外国を侮辱する為に、その国の国旗を損壊(そんかい)した者は、2年以下の懲役又は20万円以下の罰金に処する」とある。つまり、他国の国旗を傷つけると「損壊罪」で逮捕されるんだ。法案反対派の議員が「やがて日の丸にも損壊罪を設け戦前のように扱うつもりではないか」と追及したところ、渡邊・法務省官房審議官は「直ちに国旗に対する損壊罪を設ける必要はない」と答弁した。この“直ちに”がくせものであり、“今のところは適用しない”というニュアンスが見え隠れする。/1999年に法律が制定された時、政府は「罰則は付けない」と言っていたが、今では地方公務員法による処罰が当たり前になった。本来、愛国心は国から強制されるものじゃない。誰だって郷土愛は持っている。政治家や企業が汚職をせず、大人が拝金主義に走らず子どもの手本となる行動を心がけ、弱者を大切にする思いやりのある社会を築いていれば、自然と愛国心は育っていく。政治家・官僚が腐敗しながら、法律で手っ取り早く愛国心を育てようという考え方が間違っている。/仮に、子どもに共同社会を自覚させる為に、政府が「国歌を歌うように」と促すのは理解できるとしても、「さもなければ罰を与える」という部分が明らかにおかしい。思想が一色に染まってる方が不健全。どうして「そっか、この人は歌わない人なんだな」「いろんな人がいるんだな」で終わらないのか。少数派を許さない心理は民主主義と相容れない。/1989年、アメリカで星条旗を燃やした人間が裁判にかけられた。この時、米連邦最高裁判決が出した判決は無罪。理由は「星条旗はこれを侮蔑視する者さえも保護する」「これを罰することは、この大切な象徴が表すところの自由を損なうことになる」というものだった。
//『HUNTER×HUNTER』、10数回目の休載へ。今回は珍しく20週も連載が続いたので、よく頑張った方。“また休載か〜”と思っても、不思議と腹が立たないのは、いつも待たされた分内容がめちゃくちゃ良いから!年内に再開されると嬉しいな。
 6月2日…CDを一気に7枚くらいレンタルした時に、うっかり1枚だけ家に残して返却ポストに入れることがある。以前、海外に取材へ出る前日にそれをやってしまい、帰国後にCDデッキの中から借りたCDを発見した時に、「ウギャー!3週間オーバー…だ…と!?」と仰天した。しかし、そんなものはまだまだ甘いことが分かった。アメリカ合衆国初代大統領ジョージ・ワシントンは、1789年10月5日にニューヨーク市の図書館で借りた『国民国家の法律』なる本を、なんと221年間も借りっぱなしだった!しかもその本がワシントン邸で見つからないことから、ワシントン邸保存協会が当時と同じ版を1万2千ドル(約120万円)で購入し、先月中旬に返却したとのこと。もしまともに延滞金を請求されていたら罰金30万ドル(約3千万円)にのぼっていたといい、現物返却でOKになって、ワシントン邸保存協会はさぞかし胸を撫で下ろしただろう。//『トム・ソーヤの冒険』の著者マーク・トウェインが「私の死後100年間は封印するように」と釘をさしていた“自伝”が、没後100年となった今秋に刊行されるとのこと。封印理由は諸説あり、この記事では「公開が100年後なら、友人の悪口を書いても気がとがめないから」という説を紹介していた(笑)。「アダムはリンゴが欲しかったから食べたのではなく、禁じられていたからこそ食べたのだ」など、独特の人間観を持っているトウェイン。この自伝をもとにした映画ができるかも知れないね。//いやはや、鳩山&小沢のダブル退場で民主党は大激震っすね。個人的には、民意軽視で失言の多い平野官房長官も是非チェンジして頂きたい。あと、菅氏は役人に丸め込まれて大増税に前向きだからカンベン。増税の話は特別会計に徹底的にメスを入れてからだ。とにかく、今度こそ政治とカネの問題とは縁のないクリーンな人物、庶民の声を大切にする人間がトップになって欲しい!//昨日は更新できずスミマセンでした!
 5月30日…仕事の出張など多忙につき、次回の更新は6月1日の夜になります!//沖縄県民を対象にした世論調査の結果は、なんと辺野古移設に反対が84%!一部の評論家は「沖縄県民の中には辺野古案に賛成している人もたくさんいる」と言っているが、それが本土の傲慢な思い込みということがこの84%から見えてくる。注目したのは沖縄の人々の反対理由。「無条件で基地撤去」「国外へ移転」だけで7割を超え、「国内の他県に移すべき」は16%しかいなかった。本土の人間は大戦中に沖縄を犠牲にし、戦後も基地の大半を押付けてきた。それなのに、多くの沖縄県民は「本土のあなたがたも平等に負担するべきだ」とは言わない。それを言う権利があるのに。この沖縄の人々の優しさに甘え続けたり、ましてそれを利用するなんてことは、あってはならないことだと思う。人として。//アメリカ映画界の反逆児デニス・ホッパーに、敬礼!
 5月29日…6/11のワールドカップ初日まで2週間をきった。先日公開された「ナイキ」のCM(3分3秒)が、“あまりに豪華すぎる”と話題に。コートジボワールのドログバ、イタリアのカンナヴァーロ、イングランドのルーニー、ブラジルのロナウジーニョ、ポルトガルのクリスティアーノ・ロナウドなどが登場。各選手の妄想シーンが入るなどコミカルな要素もたっぷり。サッカーファンには涙モノのCMかと!※先日の韓国戦の完敗は“本番に向けて敵を油断させることに成功!”と信じたいっすね。//何なのだろう、首相の会見を見る度に感じるこの虚しさは。普天間飛行場の県内移設を決定した日米共同声明を受け、名護市の稲嶺進市長が「今日、私たちは屈辱の日を迎えた。沖縄はまた切り捨てられた」と絶句。共同声明では将来的に海兵隊主力8千人をグアムに移転させていくという。「抑止力」を保つ為に県内へ移設すると言いながら、一方で主力部隊をグアムに持って行くって矛盾していると思わないのかな。抑止力論なんて詭弁だ。この日記でも何度も「最低でも県外」と訴えてきたので、今日は沖縄の声を集めた記事にリンクだけ貼っておきます。//終戦間もない1947年に創刊され、日本のジャズ文化を育ててきたジャズ専門誌『スイングジャーナル』が休刊へ。6月19日発売の7月号でいったん63年の歴史に幕を閉じるという。理由は広告収入の減少。ジャズファンのバイブル的な雑誌が消えるなんて信じられない。学生時代、どのジャズCDを聴けばいいのか分からない時に、スイングジャーナル選定“ゴールドディスク”や推薦のシールを目安に手に取っていた。いくらジャズ人口が減ったはいえ、休刊になるとは思いもしなかった。これは寂しい。//ネットで見かけた相撲の「間違った画像」に笑った。特に左上の“空中ビーム”、なんだコリャ!(爆)//明日は半年に1度しかない空手の昇級試験なので、今夜は早めに休みます。合格すれば1級!頑張るっきゃない!
 5月28日…上記のお薦め番組にも書いていますが、本日28日深夜にNHK『タイムスクープハンター』の一挙5本アンコール放送があります!『龍馬伝』と並んで今最もイチオシにしている番組なので、どうか未見の人は是非録画を!毎回1話完結だし30分と短いので、どのエピソードから見ても入り込みやすいかと!/主人公は未来のジャーナリスト。タイムスクープ社から日本の各時代に派遣されていく。彼の取材対象は信長や家康といった有名人ではなく、それぞれの時代を懸命に生きる、名も無き庶民たち。職人、飛脚、瀕死の落武者、町娘、様々な人間にカメラが向けられる。民衆は困難に遭遇しても、互いに支え合いながらピンチを乗り越えていく。毎回感動的なのが、取材を終えた主人公が「じゃあ私はここで」と言った時。取材対象になった人は大変な人生を歩んでいるのに、主人公に対して「あんたも体に気をつけてな」「1人で大丈夫なのか」と気遣ってくれる。その優しさが泣ける。主人公は取材の最後に、こう振り返る「歴史上の文献に彼らの名前は残っていない。だが彼らのように無名の善良な人々が、間違いなく我々の歴史を作ってきたのだ」。ドキュメンタリー風のリアルな画面は緊張感があり、30分番組なのに、映画を1本観たような気持ちになる。キャストには有名な俳優が1人も出ておらず、いつも“どこからこんな役者を見つけてきたんだ!?”と思うような、完全にその時代の庶民に成りきっている俳優が出てくる。名演につぐ名演に感嘆!
各回のタイトルと取材対象は次の通り。去年の春に第一期として8話分が放送され、好評につき今年も春から10話分が新たに放送されている。
【ファーストシーズン】
(第1回)“忍者”その真の姿とは/忍者(第2回)江戸同心24時/江戸町奉行所同心(第3回)戦国救急救命士/医僧(第4回)お氷様はかくして運ばれた/加賀藩の大名飛脚(第5回)落武者脱出行/落武者(第6回)リストラ武士の奮戦記/秩禄処分後の士族(第7回)沸騰!闘茶バブル/利き茶師(第8回)女たちの関所越え/伊勢参りの女性(SP)幕末決死行!江戸牢獄・限界長屋の実態/庶民(打ちこわし)。
【セカンドシーズン】
(第1回)室町飢饉救援隊/下級役人(第2回)かぶき者たちの夜/傾奇者(第3回)速報セヨ!通信/旗振り(第4回)“算額”頭脳バトル/算額者(第5回)江戸“婚活”最前線/結婚仲介人(第6回)金山衆・闇からの脱出/金掘師(第7回)われら時の番人/時太鼓打ち(第8回)石つぶて/紛争調停人。
今後のDVD化や再放送用に、これまでのベスト10エピソードを書いておきます!
1.リストラ武士の奮戦記…貧しい武士たちが刀を置いて、カステラ職人に弟子入り。親方に罵倒され、プライドがボロボロになるなか、美味しいカステラが出来上がっていく。武士を演じる役者の存在感が強烈。まるで目の前にいるようだった!思わずもらい泣き。
2.室町飢饉救援隊…身銭を削ってまで民衆の救助に奔走する役人たち。役人とはかくあるべし!霞ヶ関で強制上映希望!
3.われら時の番人…後半のクライマックスが神展開。「大きく息でも吸ってみろ。春の良い風だぞ」「風の中に花の香りがします」。落涙。
4.“忍者”その真の姿とは…仲間を見捨てる事が出来ず、助けに戻っていく場面で鳥肌が立った!
5.“算額”頭脳バトル…数学の面白さに目覚めた江戸時代の農民たち。ロウソクの灯が消えるまでに問題を解くバトルは、尋常ではない盛り上がりを見せる。映画化決定!って言いたい気分。
6.江戸牢獄・限界長屋の実態…町奉行の拷問は見ているだけで痛かった。民衆VS悪徳商人。大規模な打ち壊しのシーンもある激しい回。7.お氷様はかくして運ばれた…金沢から江戸まで氷を担いで走り続ける飛脚たち。トラブルの嵐を突破していけ!
8.かぶき者たちの夜…太平の世になり、時代から取り残される傾奇者たち。滅びゆく者の哀愁感がたまらなかった。
9.速報セヨ!通信/旗振り…最初は“こんな地味な職業で30分持つのか”と心配したけど、上手い脚本で俄然盛り上がった。スパイ大作戦のような面白さがあるエピソード。
10.江戸“婚活”最前線…まさかの展開。これぞドンデン返し!
以上。毎回この番組で描かれる庶民は、端から見れば自己犠牲に見えても、“困った時はお互い様”と自然に人助けをしており、当人は自分が“犠牲”になっていると思ってない。そこが胸を打つ。お涙頂戴のあざとい演出はないので、民放の派手なドラマに比べると物足りないかも知れない。でも、僕には愛おしくてたまらない30分の人間讃歌だ。※
入魂の公式サイト。上部の「アーカイブ」で映像をクリックすると全話約30秒間の動画が見られます!これだけでもかなり雰囲気が伝わるかと!
 5月27日…マット君の『世界一周ダンス』(4分半)を久しぶりに見たら、YouTubeの性能向上と共に、めっさ画質がアップしていた!民族衣装等とてもキレイに映ってる。大はしゃぎする各国の子ども達(特にブータン)、インドの踊り、トンガの大波、ネバダの無重力ダンス、どれも本当に面白い。日本編もめっちゃ平和(笑)。ここに出てくる様々な笑顔が本来の人間の姿だと思うし、これを見てるとテロや戦争は皆の知恵と勇気で克服できそう、っていうか、むしろ出来ない方が不思議って感じる。//昨日の「錯覚の動画」に僕は「“時計回り”に見えた人は右脳派、“反時計回り”に見えた人は左脳派」「右脳派は芸術家タイプ、左脳派は哲学者タイプ」とコメントをつけたけれど、複数の読者の方から「右脳、左脳論はニセ科学です」とメールを頂き、その後“芸術家、哲学者”といったコメントを削除しました。この件を調べ、こちらの読売(「見極め大切、脳科学神話」)や、日経(「怪しい“神経神話”と戦う脳科学者」)の記事を読み、色々ビックリ。経済開発機構(OECD)が07年にまとめた報告によると、次の事項が科学的に根拠がない“神話”だという。(1)脳に基礎能力は3歳までに決まる(2)睡眠学習は効果がある(3)男性の脳と女性の脳は違う(4)学習には最適な時期がある(5)私たちは脳の10%しか利用していない(6)右脳型の人と左脳型の人がいる、等々。思わず“マジッすか!”。世はまさに脳科学ブームで、タイトルに脳のつく書籍はこの5年間で3千冊以上も出版されたという。それらの「脳科学本」の中には、この読売、日経の記事と真っ向からぶつかるものもある。また、あるサイト読者の方は「実際に“理論重視”の父&弟と、“感覚重視”の私&妹では逆に回って見えたので、非科学的でも間違いに思えません」とおっしゃっており、これはなかなか奥が深そう。ただ赤ん坊がいる僕としては「3歳までに脳が決まる」というのが嘘だと心理的にラク。早期教育ってめっさ高いんですよ…。//NHKの受信料は年に約2万5千円(衛星込、地上波のみでも1万5千円)。けっして安くはない。それでも『龍馬伝』『タイムスクープハンター』『迷宮美術館』『名曲探偵アマデウス』『新三銃士』など、良い番組が多いので財布に痛くても納得していた。だがしかし!この報道によると、複数いるNHK経営委員の報酬は、わずか月2回の会議で年間2256万円、委員長に至っては3192万円!これだけ事業仕分けで無駄金が話題になっているのに、2千万とか3千万って、国民をナメてるのかと。月2回なら20万、30万でも十分。2桁違う!もっと受信料を安くせーい!//『ジョジョの奇妙な冒険』の“百人一首”第3弾「ザ・ワールド」、公式ページの左にある「体験版ゲーム」が面白い!だが難しい!5問だけの百人一首で、判定4段以上はジョジョのボーナス・イラストを鑑賞できる。最高の8段まで行くと何かサプライズがあるらしいけど、どんなに頑張っても42歳の反射能力では7段(8.8秒)が限界ッ!もし8段までクリアーした猛者がおられましたら、サプライズが何だったかこっそり教えて頂けると嬉しいデス!※28日追記!複数の方からサプライズ画像を送って頂きました!有難うございました!まさか、あのお方だたとは!(爆)
 5月26日…“百聞は一見にしかず”という諺があるけれど、目の錯覚に仰天するコチラの映像を見ると、視覚というものをどこまで信じていいのか分からなくなる。以前に一度紹介した錯覚アニメだけど、今回バージョンアップしています。//昨日アクセス数が爆発したのでどのページが閲覧されているのかと思ったら、漫画コーナーの『松本大洋の世界』がヤフー・ニュースからリンクされていた(下から3行目)。ヤフー・ニュースの影響力って大きいなぁ。先月、松本先生の最新作『竹光侍』の最終巻が刊行されたので、近日中にレビューをアップします。非常に読み応えがありました!//東大の研究チームが「ブルーレイの約200倍の情報」を記録できるうえ、製造費が「100分の1」という激安の新素材五酸化を発見。レアメタルを使用しないためこんなに安いんだって。これは早急に実用化して欲しい!//本日発売された『エヴァンゲリオン新劇場版:破』のブルーレイが、初動記録でマイケル・ジャクソン“THIS IS IT”を抜いて歴代新記録を樹立!『ガンダムUC』が1週間かけて築いた記録をたった1日で追い抜く怒濤の勢い。これは総売上でもマイケルを抜く可能性が大っすね。(『破』、Ama)//もう先月のことなんですが、日テレ『ハッピーmusic』の中で、漫画『ジョジョの奇妙な冒険』の愛読者で知られるPerfumeの樫野有香(かしゆか)さんが、メンバーやベッキーにジョジョ立ちを指導し、その際に皆でウチのサイトを見ていました!事前に日テレから「サイトを出します」と連絡はあったのですが、実際にテレビ画面を通して見ると、なんかこう感動で目頭が熱く…!※番組で紹介されたページは、今から7年前(もうそんなに昔になるのか!)、当サイトの呼びかけで早朝の渋谷に200名が集まったイベント『ジョジョ立ちin渋谷』のレポっす!
PCを検索し「ジョジョ
立ち教室っていうの
あるよ!」「in渋谷!」
と驚くベッキーさん(笑)

ハチ公前のデパートが閉まっていることから「相当朝方よコレ」と
ベッキーさん。これに、かしゆか
さんが「ジョジョのためなら朝か
ら行けるんですよ」。その通り!
皆でレベル1ポージング
などを鑑賞した後→
かしゆかさん指導でパフューム
withベッキーのジョジョ立ち!
 5月25日…マスコミは誰も怖がって調査しようとしない、近年の政界の最大のタブー、それは2002年の民主党・石井紘基(こうき)暗殺事件。日本の国家予算を聞かれると、一般会計を念頭に約90兆円と答える人が多い。しかし、実際はそれよりも4倍の規模の特別会計=今年度は約380兆円(!)を含めたものが年間予算だ。この380兆円という天文学的な額の特別会計は、使途について国会からのチェックも甘く、様々な形に姿を変えて、天下り先の特殊法人、独立行政法人、公益法人などに流れている。そしてこの特別会計の闇に初めて斬り込んでいった政治家が石井議員だった。石井議員は天下り会社が約3000社もあることを突き止め、殺害される直前には「これが表沙汰になったら政界がひっくり返る」という重大資料を作成していた。そして国会で質問しようとしたその矢先に自宅の駐車場で殺害された。その際、石井議員の左手中指が外側から切断されており、また石井議員の鞄の中身が空っぽだったことから、犯人は書類を奪う為に指を切断したと考えられる。消えた書類はまだ発見されていない。石井議員は30万円を所持していたが、犯人は金に手をつけていなかった。後日、右翼の人間が自首し無期懲役となったが、この犯人は黒幕がいることをほのめかしている。現職の衆議院議員が国会の会期中に刺殺されるという前代未聞のテロ。本来なら殺害された10月25日は「今年もこの日がやってきました」と毎年マスコミが事件を振り返ってしかるべき。ところが8年を経た今も真相は闇に包まれているし、政界もマスコミも、まるで石井紘基(ウィキ)といった人物などこの世に存在しなかったかのような沈黙ぶりだ。※事件2日前のエピソード。/僕は今日最終日を迎えた事業仕分け第2弾の報道を、石井議員のことを考えながら感慨深く見ていた。ようやく、様々な天下り受け皿法人のデタラメな実態が明らかになってきた。事業の丸投げ、競争のない独占契約、ほとんどの公益法人で天下り役人が年間2千万円という庶民感覚とかけ離れた役員報酬を貰っていること…。前から運転免許証の更新代が高いと思ってた交通安全協会の不透明さ(職員より役員の方が多い。職員29人、役員48人。常任役員は全員警察庁OBで役員報酬は理事長2千万、専務理事1700万。講習手数料を安くしろっつーの!)、HP丸写しが暴露された「日本の水をきれいにする会」に閉口し、財団法人「塩事業センター」の説明者は「我々が備蓄した塩を阪神大震災で14万トン放出した」と存在意義を語っていたが、実際に現地に届けたのは14万トンではなく「14トン」であり、事業を把握していないことが明らかになった。また宝くじについても驚きの事実がわかった。宝くじの売上げ1兆円のうち、当選金にまわされるのは半分以下の4760億円で、残りを総務相の天下りOBが食い物にし、(例の如く)年2千万円の高額給与、その何倍もの退職金、首相官邸の隣という家賃1億8千万の事務所(職員15人)など、腹が立つやら呆れるやら。だったらもっと当たりクジを増やさんかーい!石井議員が単独で特別会計に斬り込んだ為に口封じされたとしたら、事業仕分けは大勢で戦っているので妨害不能。仕分け人は石井議員の仇討ちの意味も込めて、これからも頑張って欲しい。/僕は何度も書いているように、色んな面で民主党に失望している。参院選はどこに入れるかまだ決めてない。ただ、事業仕分けの対象になったのは、6600事業のうちたったの70事業だけ。まだ100倍近く天下りの温床が残っている。そして政権交代がなければ、その腐敗ぶりに光が当たることもなかっただろう。将来自民が政権を取り戻したならば、この事業仕分けだけは受け継いで欲しい。//追記。最後にもう一点。いわゆる右派の人々がなぜ「民主、グッジョブ」と讃えないのか不明なんだけど、民主党が提出した「シベリア抑留者への給付金法案」が可決された。政府に徴兵され大陸で戦い、シベリアで強制労働させられた旧日本軍の兵士。戦後65年間、その労苦に感謝するための給付金が今まで交付されなかったことの方がむしろ不思議だ。
 5月24日…鳩山首相が最終的に出した普天間基地の移設先は、まさかの“辺野古”。目まいがしてズッコケた。これだけ大騒ぎして、巡り巡って元の案へ逆戻り。首相就任以来、“発言に重みがない”“無責任”など色々叩かれてきたけど、僕は何だかんだ言っても、劇的に沖縄県民の負担を軽減する“腹案”を出してくると思っていた(参院選も近いことだし!)。それに「辺野古の埋立ては自然への冒涜」と言っていたから、絶対に辺野古だけはないと信じていた。徳之島への移設発言も、わざと徳之島の島民に反対運動を起こさせることで、本土や米国の人々に対して、“引き受け手がない”“基地撤去もやむなし”という認識を呼び起こすつもりかも、そんな風に期待して見ていた。それなのに!なんで辺野古なんて結論が出てくるのか!首相はアメリカとの関係を優先して、またしても沖縄の人々を犠牲にした。結局首相は何の裏付けもなく「最低でも県外」と言っていたのか。/よく分からないのは、政治ネタのブログ等で言われている「移転受け入れに前向きなグアム知事と北マリアナの知事が来日し、首相と面会を希望したのに拒否された」というもの。後者の知事はわざわざ「移転先はテニアン島(サイパン島の隣の島)へ」と鳩山首相に親書を書いたという。なぜ面会拒否?“官邸サイド”って官房長官のこと?徳之島と交渉しているから、チャチャを入れるなってことなのか?今から北マリアナに行って交渉するべし!/事ここに至っては、辺野古案に反対しても政府に声が届くか分からないけど、僕が県内移設反対の立場から日記に書いたものを再構成してアップしたので、関心のある方は是非。※元自衛官のどろさんがブログに「普天間の海兵隊に抑止力はない」と“海兵隊不要論”を書かれています。元自衛官だけあって指摘が具体的。コメント欄の論争も色々勉強になる。/民主への失望ついでにもうひとつ。不透明な政治とカネの問題を断ち切る為に、「政治家への企業・団体献金の廃止に取り組む」と言ってたはず。なのに、民主党の政治改革推進本部(本部長は小沢氏!)が先日出した結論は「議員個人や議員が代表を務める政党支部への企業・団体献金を禁止する」のみ。つまり、政党本部への献金禁止には触れていないので、民主党本部への献金はアリということ。ズブズブの抜け道であり、国民を馬鹿にしているのかと言いたい。(民主の“事業仕分け第2弾”はかなり評価しているので、明日はそのことを書くつもり)/巨大掲示板にあったこの書き込みに噴き出した→「民主党のポスターの鳩山氏は『政権交代』『公約実行』という主張だけ。意味不明な発言を繰り返す実物よりはるかにシンプルだ。いっそ本人に替わって、このポスターに首相をやらせた方が良いのではないか」//ジャイアント馬場とタッグを組むなど、昭和を代表するプロレスラーがまた1人他界。ラッシャー木村さんが肺炎のため死去(享年68歳)。マイク・パフォーマンスがユーモラスで、全日本の中継で何度楽しませてもらったことか。御冥福をお祈りします。
 5月23日…今日の龍馬伝第21回『故郷の友よ』は“神回”だった。半平太が捕えられ切腹を覚悟しているのに「ちっくと出かけてくる」と妻に告げるシーンから、勤王党の若者達が一斉に捕まる様子、弥太郎が苦労の果てに初めて商売で成功する場面、岡田以蔵がズタボロになりながら新選組に包囲されるラストまで、最後の10分間は泣きっぱなし!一昨年に高知まで半平太や以蔵の墓に行ったせいか、彼らの存在がリアルに感じられ完全没入。18時からのハイビジョン、20時からのNHK、22時からの衛星放送と、1日に3回も同じ番組を見たのは初めて。そして3度とも泣いた。泣きすぎて頭がズキズキする。マジで体調を崩した。ドラマ用に史実が脚色されていると分かっていても、名セリフ、俳優の熱演、映像美、神BGM、すべてが融合すると、滝の如く涙が溢れる。半平太が自分を逮捕にきた役人を無視して、妻と将来の夢を語り続けているシーンは、大河史に残る名演出だった。勤王党の若者達は視野が狭かったけど、世の中を良くしたい、国土を守りたいという思いは本物だった。それだけに、その情熱が時代に摘み取られたことが残念だ。/今回からついに新選組が登場。以蔵の追手が近藤、土方、沖田と分かった瞬間、これはヤバイと思った。今までの敵とは次元が違うというか、大河を見ていて新選組をあんなに怖く感じたことはなかった。毎週こんなに密度の濃い大河を見てると、この先どんな歴史ドラマを見てもスカスカに見えそうで、ある意味不安っす(汗)。
龍馬伝に登場する新選組のカッコ良さは異常!
//今年はアニメ『伝説巨神イデオン』の30周年記念の年!それなのに、まったく話題にならないことを悲しんでいたら、なんと女優の坂井真紀さんがツイッターで「イデオン見てると正直ヱヴァが霞んで見えます。ファンの人には悪いけど」とつぶやき、往年の富野ファンが感涙にむせぶ事件が発生。僕の中で坂井真紀さんの好感度が一気にMAX!彼女は40歳なのでほぼ同世代。やはりこの年代でイデオンを観ていた人は、今でも圧倒的にあの作品を支持していることが分かって嬉しかった!(注)エヴァが駄作と言っている訳ではない。3日後に出る「エヴァ:破」のDVDも買うつもり。要するに一般のロボットアニメに比べればエヴァは100点だけど、イデオンは1億点ということなんデス。
 5月22日…2日前に紹介したアイスランドのバンド、シガー・ロスのPVでオススメをもう1本。英国BBCの自然ドキュメント「プラネット・アース」とのタッグで作られた『Glosoli』(6分16秒)は、南極の美しい絶景と音楽がマッチしてグッド!サビとオーロラのコラボに鳥肌!//映画評論家の故・淀川長治氏は、日本の優れた芸術をいつも海外が先に評価して、慌てて日本の評論家が真価を認めるという繰り返しを嘆いていた。“世界のクロサワ”と讃えられた映画監督・黒澤明もその1人。本日、『あの人の人生を知ろう』コーナーに映画監督“黒澤明編”をアップ!執筆に半月を費やした、渾身の黒澤明伝。名前は有名でも人生は意外と知られていない黒澤監督。大好きだった兄の自殺や、監督が61歳の時に起こした自殺未遂事件(全身に21箇所ものカミソリ傷)、完成作の大幅カット、日本の映画会社からの冷遇、晩年は常に資金難に苦しむなど、その人生は決して順調なものではなかった。角川映画をはじめアイドル映画全盛期に、重いストーリーの作品を撮っていた黒澤監督。日本の映画会社は「暗いテーマの映画はヒットしない」と資金を出さなかった。そんな黒澤監督を助けてくれたのは、フランス、旧ソ連、アメリカだった。特にフランスは映画を第一級の芸術と認めていて、映画制作に国家が補助金を出している。ジャック・ラング仏文化相は黒澤に資金を提供する時にこう言った「日本で黒澤さんのような人が映画資金の調達が出来ないというのは不思議だ」。黒澤はこう答えた「日本の映画界の首脳部は、新しいことはやろうとしない。映画を愛していないし、理解しようとしない。首脳部から私はむしろ嫌われている」。1943年(初監督)〜1965年の22年間に23本も撮っていた黒澤が、制作費不足のために1966年〜1998年(他界)の30年間に7本しか作ることが出来なかったのは、日本人として痛恨の極み。俳優・仲代達矢いわく、「黒澤監督はトルストイの大長編小説『戦争と平和』の映画化を計画していた」。これは観たかった!もし国家予算で黒澤を援助していたら、『戦争と平和』をはじめ、さらに20本ほど後世の人類への遺産が生まれていたに違いない。日本政府の映画文化への過小評価に涙が出てくる。フランス政府が黒澤監督に、最高位となるコマンドゥール勲章を授与した2ヶ月後に、日本政府も慌てて文化勲章を贈るとか、監督が他界した時も、日本政府より先に仏の大統領が追悼声明を出しているとか、どうしてもっと自国の芸術家を応援できなかったのだろう。真にもって残念至極。最後に一言。なんといっても命は大切。もし黒澤監督の自殺が未遂に終わってなければ、その後にカンヌ映画祭で最高賞に輝いた『影武者』も、アカデミー協会が80年代の最高傑作と讃えた『乱』も、この世になかった。嗚呼、生きていればこそ!
 5月21日…龍馬伝の高杉晋作の配役が発表された。抜擢されたのはドラマ『白洲次郎』で熱演した伊勢谷友介!次郎役でカリスマ的なオーラを漂わせていたので、彼が高杉になると聞いてめっさ楽しみ。初登場は7月18日放送分とのこと。/前回の龍馬伝『収二郎、無念』、切腹を言い渡された収二郎(宮迫博之)の表情に涙腺決壊。「(獄中の収二郎に切腹命令を伝えにきた半平太、涙ながらに)すまん…収二郎、全てワシのせいじゃ…ワシが勤王党を作らんかったら、おまんを誘わんかったら…こんなことにはならんかったぜよ…許してくれ収二郎」「(拷問を受け傷だらけの顔で泣き笑う収二郎)何を言われるがですか先生!土佐勤王党が無かったら…ワシはどうなっちょとが…武市先生についていったけん…攘夷の旗頭になれたがです。帝の使いにもなれたがです…まるで…夢のようじゃった!」「先生などと呼ばんでくれ…呼ばんでええ!」「切腹は…武士の誉れでしょう?有難き幸せ!加尾(妹)に伝えてつかんさい…兄は幸せじゃったと!」。血まみれ、泥まみれの顔で“幸せじゃった”。宮迫の演技力は定評があったけど、ここまで凄かったとは!あと、松平春嶽(しゅんがく)公の夏八木勲の演技にもシビレた。なんという存在感!//バットマン“ダークナイト”に登場した渋いバイク「バットポッド」(650cc)が販売中。価格は約900万円!(爆)空を飛行するような体勢で運転するので、ライダーが感じるスピード感はハンパじゃないんだろうねぇ。//ゲーム『パックマン』30周年を記念して、5/24までグーグルのトップページにてパックマンが無料で遊べるとのこと!「検索」ボタンの横の「Insert Coin」ボタンを押すとゲームがスタート。操作は矢印キーかクリックで。256面までクリアーすると何かサプライズがあるそうだけど絶対無理!
 5月20日…初めて見た時はピンと来なかったミュージック・ビデオが、数年後に見返して胸に突き刺さることがある。アイスランドの4人組バンド、シガー・ロス(アイスランド語で“勝利のバラ”という意味)の『消えた都』に入っている曲『Vaka』(7分20秒、“ヴァカ”はアイスランド語で“無題”という意味)が、僕にとってまさにそれ。このPVは彼らが2003年にMTVのヨーロッパ・ミュージック・アワードにて最優秀ビデオ賞を受賞した作品だ。描かれているのは“核の冬”。とても静かな作品。子ども達が屋外で遊んでいる様子を映しているだけなのに、無性に泣けてくる。大人たちが愚かな行動をとった為に、この子たちを巻き込んでしまった。拳を振り上げ声高に反核を訴えるのも大事だけど、こういう感情を抑えた表現が、かえっていつまでも心に残ったりする。//3月下旬に韓国海軍哨戒船「天安」が沈没し、46名もの乗組員が死亡した事件。状況証拠から北朝鮮の魚雷攻撃が理由のようだ。停戦中に魚雷を発射し、これほど多くの命を奪った以上、国際社会の制裁は避けられないだろう。それにしても不可解なのは当の北朝鮮の反応。昨年11月の銃撃戦の復讐であれば、いつものあの国なら「南に正義の鉄槌を下した」とか大袈裟に戦果をアピールするのに、今回は血相を変えて全面否定。ここから考えられるのは2つ。(1)北朝鮮はデノミにも失敗して経済は破綻状態。国民の怒りが指導部に向かないよう、外部に緊張を作って目を逸らそうとしている。(2)北朝鮮軍部の暴走。金正日は体力の衰えと共に軍をコントロールできなくなってきて、今回の独断専行を許してしまった。うーむ、どちらにしろ、この問題は持って行き方が難しい。//北教組から不正資金提供を受けた民主の小林千代美議員が辞職へ。事件発覚から何ヶ月経ったと思っているのか。辞職の判断が遅すぎ。離党勧告を出せない民主執行部。こういう自浄能力のないところが支持率急落に繋がってるのに、なんで分からないのかな。もどかしい。//カンヌ映画祭に出席しているイランの名匠キアロスタミ監督が、言論の自由を奪うイラン政府に抗議の会見。2ヶ月前、反体制映画を製作していた映画監督が、自宅から治安警察に連行されたまま帰って来ないという。イラン映画界を代表するキアロスタミ監督が、自らの保身に走ることなく、国際社会に向かって自国政府へ抗議声明を出している姿、その勇気に感動した。//英国ロック界の重鎮エルビス・コステロが、来月イスラエルで開催する予定だったコンサートをボイコット。理由は「国家安全保障の名の下にパレスチナの人々を威嚇し、屈辱を与え、もっと酷いことをしている」「(イスラエルでのコンサートが)無実の人の苦しみについて何も考えていないと受け取られることがある」とのこと。さすがはコステロ。キアロスタミ監督といい、世界各地で表現者は今日も戦っている。
 5月19日…世の中には“いったいこの雑誌の存在を知っている日本人は何人いるんだろう”と考えてしまうような、マニアックな雑誌がある。『月刊石材』もそのひとつ。巻頭から巻末まで、話題はお墓のことばかり!広告は全部石材屋さん!そのコアな月刊石材5月号に僕の墓トークが掲載されています。テーマは“子ども達をどうやってお墓参りに誘うか?”。彼岸やお盆に墓参するのも大切だけど、僕は良いことがあった時に「こういうことが体験できたのも先祖が命のリレーをしてくれたおかげ」って感謝してマス。また、人生の岐路に立った時、勇気をもらう為にベートーヴェンやゴッホの墓へ行ったりする。そんな風に墓を身近に感じていれば、子ども達も自然体で墓参に行くんじゃないかな。『月刊石材』はアマゾンになかったので本屋で手に入るか不明だけど、図書館によっては置いてるみたいです。//フランスでカンヌ国際映画祭が開幕。カンヌのパルムドール(最高賞)は個人的にハズレがないので、今年も結果が楽しみ。北野監督の『アウトレンジ』は上映後に拍手が3分半続いたとのこと。パルムドールの発表は23日。//史上最強の生物『クマムシ』のゲノム解読へ。クマムシは全長1ミリ足らずの小さな微少動物(昆虫ではないらしい)。151度の高温、ほぼ絶対零度の極低温、深海底より高圧の7万5千気圧、これらの極限環境で生存できる驚異の生物。飲まず食わずで9年生き延びた例もある。僕ら人間には想像も出来ないタフな体が、どんな遺伝子情報で受け継がれてきたのか興味津々だ。//近畿日本ツーリストがマイケル・ジャクソンの命日に合わせてゆかりの地を巡る特別ツアーを募集。この記事の中に“マイケルの眠る墓地で献花”とあり、思わずフルテンションになった。なぜか!マイケルが眠るのはロスのフォレストローン墓地のプライベートエリアで、一般人は入ることが出来ないからだ!この機会を逃すと墓前に行くことは2度と不可能かも、そう思って本当に墓前で献花できるのか問い合わせてみた。ガーン。答えは非情だった。やはり墓前まで行くことは出来ず、当日はマイケル用に献花台が設置されるので、そこに花を捧げるとのこと。嗚呼、ファンを大切にしていたマイケルは、自分が隔離された墓に眠ることを望んでなどないはず。マイケルの親族は、彼を普通の公共墓地に移してあげて欲しい。//YouTubeにエヴァンゲリオンの使徒を4分で鑑賞する動画があった。こうやって一気に見ると、どの使徒もデザインが斬新で魅了される。編集された方、ごくろうさま!
 5月18日…宮崎県の畜産農家に大打撃を与えている口蹄疫。殺処分対象の牛や豚は13万頭に迫る勢いという。この状況を受けて、東国原知事は県内に非常事態宣言を発令。01年に口蹄疫が英国で猛威を振るった時、英国政府は400万頭以上の家畜を殺処分にした。今年の1月に韓国で広がった口蹄疫は、5ヶ月が経った今でも収まっていない。日本政府は発生地から半径10km以内の牛・豚をすべて殺処分すると発表。なんとか、これで封じ込めが成功するよう祈るばかりだ。/今回、自民・谷垣氏の行動は早かった。先月27日に東国原知事が支援を要請すると、翌日には宮崎に足を運んでいた。一方、赤松農水相が現地入りしたのは2週間後の5月10日(その間に9日間の外遊)。政府が対策本部を設置したのは17日。なんと、最初の感染確認から約1ヶ月も経っている。この事態について赤松氏は「私自身はやってきたことに全く反省、お詫びすることはないと思っている」とコメント。目が点になった。この言葉を聞いて畜産農家はどう思うだろう。政治家には“結果責任”というものがある。結果的に感染拡大を止められなかった=方法が間違っていたのに「全く反省はない」って、なんでそんな言葉が出てくるのか。自民・宮崎の江藤拓議員が衆院農水委員会の中で、赤松氏に対し「(地元の畜産農家は)あなたが来てくれるのを待ってたんですよ。私なんかよりも。大臣が来てくれて、“ごくろうだね、大変だね、だけど国はあらゆる対策、万全の対策を講じるからくじけずに頑張ってくれ”と言って欲しいんです。心のケアが一番必要。それが出来るのはあなたなんです。私なんかじゃないんです」と訴えていたのが心に残った。鳩山首相は“今は責任論ではなく感染防止に全集中を”という。確かにそれはそうなんだけど、赤松氏がGW中の外遊から帰国して最初に向かった先が、栃木県の民主党議員の後援会。これでは宮崎の畜産農家はやりきれない。せめて、現地に乗り込んで陣頭指揮を取るくらいの気持ちが欲しい。初動対応の遅れ、農水業の最高責任者であるという自覚のなさ、これらを考えると赤松農水相の更迭は避けられないと思う。
※9日の日記で僕は「支援策を農水相はいち早く打ち出した」と書いた(不十分な支援策だけど)。これは、9日の時点でネット上には「赤松農水相は何も指示せず外遊に行った」とデマが流布されていたからだ。首相と幹事長の秘書が政治とカネの問題で起訴されるなど、今の民主党政権のグダグダを見て怒りたくなるのは分かる。だが、“民主憎し”の思いが強いばかりに、情報を捏造してまで政権を叩くことは、宮崎で起きている悲劇を利用していることに他ならない。本当に被害農家のことを心配しているなら、政治利用などできないはずだ。それゆえ、僕は「発生が確認されたその日のうちに政府が対応した内容」を列挙した。僕なら政府をこう批判する。「初動で発表した支援策は助成金に関するものばかりであり、感染阻止の為に防疫チームを大量派遣するという内容ではなかった。後者こそ緊急に行なうべきだった」と。※19日追記。この報道によると、赤松農水相は“半径10km殺処分”について「ここまで広がっている以上は、チマチマやってもしょうがないから、そこまでやるかという所まで踏み込んでやりたい」と述べたとある。ということは、赤松氏自身もこれまでの対応が全力ではなく、“チマチマやっていた”と思っていたということか。初期のうちに全身全霊で挑め〜ッ!超脱力。

 5月16日…グハーッ!締切り前の仕事が重なっており、次は17or18日の夜にアップします!せっかくアクセスして下さったのにスミマセン!(>_<)
※番組情報、カレンダー、ブログのみ更新。
 5月15日…親について詠まれた、ジンワリとくる良い川柳がある。「母の日の花は枯れても捨てぬ母」「たったあれだけなのに母は嬉しそう」「とび出して守られていた事を知る」。新聞社の調査によると、先日の「母の日」に、母親にしたことで最も多かったのは、1位「何もしていない」(51.1%)、2位「花などのプレゼント」(27.3%)、3位「料理や掃除などの手伝い」(6.9%)、4位「電話」(5.6%)という結果に。1位の“何もしていない”に仰天。いやはや、本当に育児は大変っす。毎日大量にある汚れ物の洗濯、食事の用意、風呂、寝かしつけ、オムツ交換、朝晩の保湿クリームの塗布、寂しいと泣くので抱っこ…。夫婦で役割分担しても、とにかく時間がない。僕は映画ファンであるにもかかわらず、もう3ヶ月近くも映画館に行けてない。こんなことは学生時代以来、この四半世紀で初めてのこと。子1人でもこれなのに、2人の子や3人の子を育てている親には、まっこと頭が下がります。母の日に何もしなかった方、“遅くなったけど”と今からでもいいので花を贈りませう〜!※もう母の日前の高い“特別価格”じゃなくなってるだろうし(笑)//公開中の『のだめカンタービレ劇場版・後編』って、ピアノの吹替えが“あの”ラン・ランだったのか!ラン・ランは演奏が始まると全身がピアノと完全に一体化する。音楽の喜びが耳からも目からも伝わってくる。DVDまで待つつもりだったけど、劇場の大音量で聴いてみたくなった。※ラン・ランのショパン『別れの曲』(5分38秒)。美しすぎて意識が飛びそう。そして、チャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番(第1楽章の途中まで/9分44秒)も発見!//今月10日、NY出身でファンタジー・アートの第一人者フランク・フラゼッタ氏が死去。享年82歳。雄大なスケールの絵で、世界のSFファンの心を奪った巨匠に黙祷。※イラストを紹介したブログ
 5月14日…近年、ゴッホの弟テオが残した100通の手紙が新たに公開された。衛星放送で先日オンエアされたゴッホ兄弟のドキュメンタリー『炎の絆』は、2人が交わした手紙を中心に構成されたNHK入魂の作品で、実に素晴らしい内容だった。僕の心に残った4通の手紙を紹介したい。すべてゴッホからテオへの手紙だ。
●自分のことを野良犬と呼ぶ、この孤独。「(人々は)僕を家の中に入れることに恐怖を感じているのだ。ちょうど大きな野良犬を家に入れたのと同じなんだ。犬は濡れた足で部屋に押し入る。皆の邪魔をし、やたら大声で吠える。要するに汚いケダモノなのだ。いいだろう。だがこのケダモノにも人間らしい魂がある。犬には違いないかも知れないが、人間の魂を、それもとびきり敏感な魂を持っている。おかげで人々にどう見られているかが分かるのだが、これは普通の犬に出来る芸当じゃない」
●ゴッホは生前に絵が1枚しか売れず、生活費を画商の弟から援助してもらっていた。兄貴として大きな負い目があり、その心の重荷から逃れようとする手紙。「僕は君が送ってくれる金を、自分で稼いだものと考えたいんだ。だから僕は毎月君に作品を送る。その作品は金の見返りだから、それをどうしようと全く君の思うままだ。たとえズタズタに作品を引き裂いてしまっても僕は何も文句は言えない。僕は、もっと、もっと、前に進みたいんだ。その為にはどうしても金がいる」
●ゴッホ兄弟は浮世絵を500点以上も収集するほどの熱狂的な浮世絵ファン。次第にゴッホの興味は、浮世絵からそれを生んだ日本人へと移っていった。これは日本人としてメチャクチャ嬉しい手紙!
「日本の芸術を研究すると、明らかに知恵者であり、哲学者であり、しかも才能に溢れた1人の人間(歌川広重)に出会う。今その人はどんな風に生きているのだろうか。地球と月との距離を研究しているのか、ビスマルクの政策を研究しているのか。いや、そうじゃない。その人はただ、草の芽のことを調べているのだ。しかし、その1本の草の芽から、やがてあらゆる植物を描く道が開かれる。四季の変化を、山野の風景を、動物を、人間を描く道が開かれる。まるで自らが花であるかの様に、自然の中に生きている素朴な日本人が、僕らに教えるものこそ真の宗教ではないだろうか。僕たちは決まり切った世間の仕事や教育を捨てて、自然に還らなければいけない」
●自殺したゴッホのポケットに一通の手紙があった。テオは兄への仕送りで生活が非常に苦しかったが、自分の赤ん坊に兄と同じヴィンセントと名前を付けるほど、深く兄を慕っていた。その兄からの最後の手紙。テオはこれを読んで号泣したと思う…。「弟よ、これまで僕が常々考えてきたことをもう一度ここで言っておく。僕は出来る限り良い絵を描こうと心に決めて、絶対に諦めることなく精進を重ねてきたつもりだが、その全生涯の重みをかけて、もう一度言っておく。君は単なる画商なんてものではない。僕を介して君もまた、どんな悲惨さをもくぐり抜ける、絵の制作そのものに加わったのだ。ともかく、僕は自分の絵に命をかけた。そしてその為、僕の理性はもう壊れてしまったも同然だ」
現在、ゴッホ兄弟の墓は隣接し、2人の墓石はツタの葉で一緒になっている(テオの妻が植えた)。弟への“君も絵の制作に加わったのだ”という一文が、一体化した墓と重なり、番組終了後もしばし涙腺決壊…。NHKさん、ぜひ地上波のゴールデンタイムにこの番組の再放送を!
 5月13日…紀元前3千年のヒンズー教の誕生を皮切りに、ユダヤ教、仏教、キリスト教、イスラム教が次々と世界へ広がっていく様子を、視覚的に表現した宗教地図の動画(1分55秒)が、短時間で宗教史の流れが分かって役に立った。中世はイスラム教が世界最大の勢力になっていたのか。最後にキリスト教がアメリカ大陸と広大なロシアを抑えたことで、一気に大逆転していく様子が“信長の野望”チックで見入った。//英国の総選挙で政権交代がおき、過去200年間で最年少となる43歳の新首相が誕生した。このデビッド・キャメロン氏より若い首相は、1812年に就任したロバート・ジェンキンソン(当時42歳)のみという。初代首相ウォルポールは1676年に就任。その頃の日本は4代将軍家綱の時代。そう考えると、英首相の歴史は古いねぇ。オバマ大統領は48歳、ロシアのメドベージェフ大統領は44歳であり、いつの間にか世界でリーダーシップをとる米英露のトップが全員40代に。フランスのサルコジ大統領も55歳で若い方。世界的に世代の入れ替わりが起きているみたい。※ちなみに鳩山首相は63歳、胡錦濤主席は68歳。//文章を書いている時に、ついやってしまいがちな“の”の三連発。リンク先に改善案が紹介されているので、“の”を多用される方はご参考に。//この夏、富士急ハイランドに実物大エヴァンゲリオン初号機の胸像が出現。上半身だけって寂しいけれど、渚カヲルやコクピットも再現されるというから、ファンは楽しみっすね。
 5月12日…本日で文芸ジャンキー・パラダイスは開設11年になりました!いつも足を運んで下さる読者の皆さん、本当に有難うございますーッ!o(≧∇≦)o//最近読者の方から、「ホームページを作ろうと思うのですが、アクセス増加のアドバイスがあれば教えて下さい」「実際問題、アフィリエイトで稼げますか」というメールを何通か頂いてます。もっとアクセスの多いサイトは無数にありますし、パソコンの技術的な知識もない僕ごときの意見が参考になるか分かりませんが、自分の体験談でよければこの2つの疑問について書きます。
1.アクセス増加について…当サイトでは、墓巡礼、ジョジョ、仏像、ガンダム、映画コーナーなどが人気ですが、それらのコーナーは頻繁に更新するわけではないので、これだけで再訪を期待するのは厳しいです。いかにして再訪して頂くか。これまでの当サイトのアクセス数の変化から、次のタイミングでアクセスが増えたことが分かります。古いものから順番に(1)サイト日記のスタート(2)掲示板の開設(3)恩人カレンダー導入(4)おすすめ番組情報を掲載(5)人生の名言をアップ(6)お絵描き板の設置(7)天気予報(8)ヤフー・ニュース(9)子育てブログ開設、この9段階を経て今のアクセス数になりました。そこから見えてくるものはただひとつ、「毎日“変化”するコンテンツを置くこと」です。ありきたりの結論ですが、これに尽きるかと!名言コーナーだけは3日おきの更新ですが、それ以外の8つは全てが毎日変わっています。再訪された方が“無駄足になった”と感じないよう、何か新しい情報を用意していることが大切なんだと思います。そういう意味では、読者の方が作品や情報をアップして下さる「ジョジョお絵描き板」や「ジャンパラ・アート・カフェ(掲示板)」の存在にとても助けられています(投稿者の皆さん本当に有難うございます&いつもレスが遅くてスミマセン!)。あと、天気予報とニュースは僕自身も重宝しています。
2.アフィリエイト(広告)について…この話題を正面から語るのは初めてかも。ぶっちゃけでいきます。世の中には広告収入だけで10万、30万と稼ぐ猛者もいるとのこと。逆に聞きたいです、「どうすればそんなに儲かるのか」と!(笑)現在サイトや絵板用に2つの大容量レンタルサーバを借りており、kajipon.comのドメイン代・転送サービス代も含めると年間のサイト維持費は10万円オーバー!無料サーバを利用することも考えたけれど、強制的に広告が出てしまうので、あれは本当に読みにくい…。いろんな企業から「トップに広告を貼りませんか」「クリックで副収入を」と勧誘があり、時々誘惑に負けかけるけど、やせ我慢して全部断っています(笑)とはいえ、せめてサイト維持費の半分だけでも入ってくれば助かるのが本音。そこでアマゾンの登場!(売れると4%前後入ってくる)。ところが見事にこれがサッパリ。時々日記にリンクを貼るものの、マジな話、ここ半年ほど日記から何か売れたためしはナシ!ゼロ!(爆)検索ボックスもあまり利用されず、アマゾンのBESTを集めた特設ページも気恥ずかしさからコッソリ置いた為に閑古鳥(入口は上部にあるんですが、訪問者は1日5名以下)。結論を言うと、年間の利益はサイト維持費の半分にギリギリ足りないくらい。先月は3千円台。そんなものです。今回、質問に便乗し、恥を忍んで宣伝します。皆さん、同じアマゾンに注文するなら、この日記の下にある検索ボックスか、上部の特設ページから是非!すると約4%が入り、それが維持費に繋がります。そしてアマゾンさん、もっと還元率をアップして下さい〜!(>_<)
//2012年に公開予定のCGアニメ映画『宇宙海賊キャプテン・ハーロック』(松本零士原作)の宣伝画像にシビれた。これはカッコイイ!憂いのある表情が素晴らしい!
 5月11日…昨日の日記で僕は米国人政治学者が語る「同じ日本人である沖縄住民が米軍からひどい扱いを受けているのに他の日本人はなぜ立ち上がろうとしないのか理解できない」という言葉を太字で紹介した。この、沖縄県民が米軍から受けている“ひどい扱い”が何を差すのかを考えた時、本土の人間は“戦闘機の騒音”“墜落の危険”を想像する人が多いと思う。沖縄出身の僕の友人いわく「本土に来て分かったのは、沖縄で報道されている米兵の犯罪がほとんどニュースで流れないこと」。つまり、米兵が引き起こす様々なトラブルもまた、深刻な問題になっているんだ。2005年のデータでは、1年間に起きた米兵絡みの事件・事故の件数が、北海道3件、東北178件、北関東144件、南関東334件、近畿0件、中国・四国50件、九州34件なのに対し、沖縄はたった一県だけで1012件というケタ違いの数にのぼっている。1012件というと、1日に約3件の事件が起きているということだ。しかもこれは防衛省が把握した事件のみの数字であり、地位協定に阻まれた泣き寝入りは含まれていない。もちろん、真面目に頑張っている米兵もたくさんいる。だけど、徳之島の人々があれほど猛烈に基地の受け入れを拒否するのは、こうしたことも大きな理由になっている。/戦後の沖縄は、本土に復帰するまで27年間も米国に支配されていた。その間の米兵の犯罪は女性に対する凶悪犯罪だけでも膨大な数になり、リンク先には1945年から1995年までの主な事件が掲載されている。前述した地域別の犯罪件数の比較は保坂展人氏のブログで知ったんだけど、同ブログには2004年から09年までの最近5年間の主な事件がまとめられていた。日本を守るはずの米軍が日本人を傷つけてどうするんだ。/こういうデータを全部知ったうえで、本土の人間はこれから先も沖縄に基地を押付けるのか、そしてそんなことが人として許されるのか考えなくては。//民主党が政権をとった直後の昨年9月以来、日本国内では自殺者が減少し始め、4月の自殺者数は昨年4月と比べ18.7%の大幅減少に。前年同月より減ったのは衆院選挙翌月から8カ月連続というから、これは単なる偶然ではなく、自公政権で切り捨てられ、苦しんできた人が時代の変化に希望を見出しているからだろう。どうかこの期待がこれ以上失望に変わりませんように。//去年のニュースだけど、人間に救出されたスズメの画像、かわいいなぁ。
 5月10日…海兵隊出身で元CIA顧問という米国の大物政治学者チャルマーズ・ジョンソンが「日本人は団結して普天間基地の無条件閉鎖を訴えるべき」と主張した驚愕のインタビューが、ダイヤモンド・オンラインに掲載されていた!僕は6日の日記で「普天間基地は米国内へ無条件撤去すべし」と書いたけれど、自説にもっと根拠が欲しく、あの基地の必要or不必要について米国側の専門家の意見を知りたいと思っていた。氏が語った内容を以下にまとめる。目からウロコ!
(1)在日米軍はすでに嘉手納、岩国など広大な基地を多く持ち、世界最大の米海軍基地(横須賀)もあり、これで十分。米国には普天間飛行場は必要なく無条件で閉鎖すべきだ。また、米国は世界800カ所に軍事基地を持つがこんなに必要ない。パワーバランスを維持するためなら、せいぜい35〜40の基地で事足りる。
(2)海兵隊ヘリ部隊の訓練は広大な敷地(普天間の約3倍)をもつ嘉手納基地でもできるし、米国内の施設で行うことも可能。地元住民の強い反対を押し切ってまで代替施設を作る必要はない。このような傲慢さが世界で嫌われる原因になっていることを米国は認識すべき。
(3)日本では中国や北朝鮮の脅威が高まっているが、日本にはすでに十分すぎる米軍基地があり、他国から攻撃を受ける恐れはない。もし中国が日本を攻撃すれば、それは中国に最高度の悲劇的結果をもたらすだろう。中国に関するあらゆる情報を分析すれば、中国は自ら戦争を起こす意思はないことがわかる。中国の脅威などは存在しない。それは国防総省や軍関係者などが年間1兆ドル(100兆円※米国の国家予算は3兆ドル)以上の安全保障関連予算を正当化するために作り出したプロパガンダ(宣伝行為)である。過去60年間をみても、中国の脅威などは現実に存在しなかった。北朝鮮も攻撃が「自殺行為」になるとわかっていると思うので、懸念の必要はない。
(4)米軍再編計画では普天間の辺野古移設と海兵隊のグアム移転がセットになっているが、米国政府はグアム住民の生活や環境などへの影響を十分に調査せず、海兵隊の移転計画を発表した。そのため、グアムの住民はいま暴動を起こしかねないぐらい怒っている。グアムには8千人の海兵隊とその家族を受け入れる能力はなく、最初から実行可能な計画ではなかった。
(5)普天間基地が存在している最大の理由は、普天間の海兵隊航空団と嘉手納の空軍航空団の縄張り争い(海兵隊と空軍の予算の取り合い)。すべては米国の膨大な防衛予算を正当化し、軍需産業に利益をもたらすため。
(6)日本政府はどんどん主張して、米国政府をもっと困らせるべき。これまで日本は米国に対して何も言わず従順すぎた。日本政府は米国の軍需産業のためではなく、沖縄の住民を守るために主張すべき。歴史的に沖縄住民は本土の人々からずっと差別され、今も続いている。それは、米軍基地の負担を沖縄に押しつけて済まそうとする日本の政府や国民の態度と無関係ではないのではないか。同じ日本人である沖縄住民が米軍からひどい扱いを受けているのに他の日本人はなぜ立ち上がろうとしないのか、私には理解できない。もし日本国民が結束して米国側に強く主張すれば、米国政府はそれを飲まざるを得ないだろう。
(7)そもそもこの問題は1995年の米兵少女暴行事件(小学生女児が米兵3人から性的暴行)の後、日本の橋本首相(当時)がクリントン大統領(当時)に「普天間基地をなんとかしてほしい」ということで始まった。この時、橋本首相は普天間飛行場の移設ではなく、無条件の基地閉鎖を求めるべきだった。沖縄では少女暴行事件後も米兵による犯罪が繰り返されているが、米国はこの問題に本気で取り組もうとしていない。日本の政府や国民はなぜそれを容認し、米国側に寛大な態度を取り続けているのか理解できない。米軍基地は世界中に存在するが、こういう状況を容認しているのは日本だけであろう。もし他国で、たとえばフランスなどで米国が同じことをしたら、暴動が起こるだろう。民主党政権下で、米国に対して強く言えるようになることを期待する。(元記事リンク
---なんという心強い提言!このチャルマーズ・ジョンソン氏は、東西冷戦の終結と共に世界が軍縮に向かうと思いきや、湾岸戦争、アフガン戦争、イラク戦争と戦争が続くことから、100兆円産業になってしまった米国の軍事産業が、利益をキープするために戦争を必要とし続けると警鐘を鳴らしている。こんな人もちゃんと米国にはいる。日本のマスコミは防衛利権の中心にいる米軍制服組の発言ばかり伝えず、沖縄県民の気持ちに立った米国人の意見もちゃんと伝えて欲しい。マジで。
 5月9日…宮崎県は豚の飼育数が全国2位、肉牛が3位という、日本を代表する畜産県。 農林水産省が先月23日に同県で発生を確認した家畜の伝染病、口蹄疫(こうていえき)は急速に広まり、今や殺処分対象の豚や牛は計6万4千頭という想像を絶する頭数にのぼっている(国内の発生は10年ぶり)。640頭ではない、6万4千頭。あまりに数が多いために埋却処理が追いつかず、埋葬用地も不足し、人手も足りていない。報道によると、口蹄疫ウイルスは人には感染せず、感染した肉を食べても人体に影響はないが、その感染力は極めて高く、仔牛が発病すると高確率で死に至るという。10年前は迅速な初期対応が効を奏し、被害は約800頭に抑えることができた。今回は既に6万4千頭に達しており、これは初動を誤った人災の可能性が高く、政府の責任問題に発展するかも。ただし、ネット上で見られるような、「赤松農相は何も指示せず外遊に行った」というのは正しい情報ではない。発生が確認されたその日のうちに、被害農家への緊急資金対策として、(1)家畜疾病経営維持資金の融資枠を20億円から100億円に拡大(2)出荷時期を超えた家畜の処理や避難用畜舎の費用助成(3)輸出停止に伴い食肉処理場に滞留する原皮の処理に対する助成、これらの支援策を農相はいち早く発表している。27日には家畜共済の掛け金が払えない農家の為に、九州各県の農業共済組合に支払い猶予を要請する方針を表明し、29日は現地に感染源特定のための疫学チームを派遣することも発表している。批判には正確さが必要。//今日の『龍馬伝』、最後に収二郎が投獄され、以蔵にも追手が迫り、土佐勤王党が崩壊していく緊迫の演出に引き込まれた。半平太と龍馬の別れのシーンはスローモーションになり、これぞ王道の死亡フラグ。次週のタイトルは『収二郎、無念』。神回の可能性大!//スター・ウォーズのミレニアム・ファルコン号の造形美は目の保養になる。先月発売されたプラモデル(Ama)が欲しいんだけど、見本写真のようにリアルにするためには、優れた塗装技術が必要なんだろうなぁ…。
 5月8日…英国のデパートのCM(90秒)が話題になっている。1人の女性の生涯を、90秒で描いたものなんだけど、カメラの視点を切り替えることなく、次々と人生が展開していくのが凄い。このワンカット撮影そのものが、人生が川の流れのように続くことを象徴しているみたい。海外のCMは趣向を凝らしたものが多いねぇ。//今年の2月に彫刻家ジャコメッティの“歩く男”が、美術史上最高額(1億430万ドル)で落札されて話題になったばかりなのに、今度はピカソの“ヌード、観葉植物と胸像”がそれを上回る1億650万ドル(約101億円)で落札された。この絵は当時51歳のピカソが22歳の(4番目の)愛人マリーテレーズ・ワルテルを、わずか1日で描いたと伝えられている。文芸ファンとしてアートの評価が高くなるのはいいけれど、こんな値段になったら一般の美術館には手が出ず、投資家の投機対象になってしまう。ウーム。//最近『龍馬伝』の感想を書いていなかったのは、3週前の佐那の恋愛エピソードが長すぎたのと、勝海舟との出会い方が通説の“斬りに行った”説から変更され肩透かしをくらったこと、勝の前での内容の薄い龍馬の大演説のせいなんだけど、前回は非常に良かった!勝を斬ろうとした以蔵がいつの間にか用心棒にさせてしまうくだりは、勝&龍馬の人間の器の大きさが伝わる痛快エピソードだった。また、幸福の絶頂にあった武市半平太が、あれよあれよと孤独になっていく過程は、容堂の策略の恐ろしさに戦慄した。明日の第19回「攘夷決行」も波乱の予感。期待大!※佐藤健はどんどん演技がうまくなるね。
 5月7日…読者の方から紹介して頂いた動画を2つ。まずはチェーンソー(電気ノコギリ)の魔術師ジェイソンさんが彫り上げた、葛飾北斎の鳳凰(ほうおう、6分11秒)。大きなをチェーンソー使っているのに、まるで彫刻刀で仕上げたかのような、繊細で見事な鳥の羽にビックリ。切り株から鳥が生まれていく過程に唸りました!次は鹿児島実業高校の“男子新体操団体”(3分54秒)。コミカルな動きに抱腹絶倒。大真面目な選手、トボケた振付け、体育会系の“鬼応援”、これらが紡ぎ出すシュールな世界が実に楽しかった。是非オリンピックの公式種目に採用して欲しい!//ようやく世界経済がリーマン・ショックから回復してきたと思ったら、今度はギリシャが債務危機に陥り欧州経済が大混乱。じわじわと米国やアジアにも余波が来ている。ユーロ陣営はギリシャを救う為に財政支援を決めたが、条件としてギリシャ政府に予算の健全化を求めた。ギリシャ政府は大増税と公務員の賃金カットを発表。すると国民が激怒し、デモ、投石、火炎瓶などで政府に抗議した。この治安部隊との衝突で暴徒が銀行に火焔瓶を投げ込み、妊婦を含む3名の銀行員が焼死した。これは酷い。批判されるべきは失政を行なった前政権なのに、無実の市民を焼き殺すなんてメチャクチャ。火焔瓶を手にした若者たちを周囲の大人が止めねば。紀元前から民主主義を育んできたアテネの混乱に、ソクラテスやプラトンも草葉の陰で嘆いているだろう。//今月の12日でサイトは11周年に。昨日のような更新の後では、かつては意見が異なる方から苛烈なメールを頂くことが多かったのですが、最近はとても紳士的なやり取りに。これは、リベラルな世論が増えてきたこともあるけれど、長年の更新で僕が反米主義者ではないことや、化石左翼の親中派でもないことが、伝わっているのかも知れない…最近はそう思っています。ブログを持たれている方は、政治的な言説は炎上の元として避けがちかと思いますが、たとえ設立初期はバッシングされるようなことはあっても、長期間サイトを運営し続けることで良い方向に進んでいくと思うので、勇気を持って自分の意見を発信しましょう。時間をかけることが大切なんです。
 5月6日…普天間基地を沖縄から動かせない最大の理由として、「台湾有事の際にすぐさま介入できるから」と語られてきた。ところが、台湾の馬英九総統が米CNNのインタビューで、米国が台湾のために戦争することを「永遠に求めない」と述べた。馬総統は防衛の為に米国から武器を購入しつつも、たとえ台湾海峡が戦争に突入しても、米国が台湾のために出兵することを“永遠に”求めないというのだ(馬総統は従来の台湾指導者より中国に近い立場で知られているが、台湾人が民主的に選挙で選んだ人間)。これは普天間基地の移転問題が佳境になってきた今、非常に大きなニュースと思うんだけど、なぜか大手マスコミは伝えようとしない。/普天間は周囲に市街地・学校があり“世界一危険な基地”とされ、米国の国内法では安全基準に満たず運用ができない空港だ。本来、どこに移転するか悩むのは、日本政府ではなく米国政府だ。しかし、米国は沖縄以外への移転案を拒否した。サンゴ礁を守るために、埋め立てずに杭打ちにする案も拒否。一体、米国は何様なのかと。沖縄は日本の国土だ。国際法上、日本が出て行けと言えば出て行くしかない立場にあるのに、なんでそんな偉そうな態度がとれるのか。マスコミも問題。責められるべきは危険な基地を放置している米国政府なのに、まるで日本側に問題があるように報道している。どの国の報道機関なのかと。/台湾有事に米軍が不用となると、日本を守る抑止力としての存在価値が問題になる。米国は本当に日本を守ってくれるのか。米軍は竹島が韓国軍に支配された時に何をしてくれのか。北方領土の返還に向けて、何か効果的な圧力をかけてくれたのか。これらの問題では何の役にも立ってない。米国は日本が抜かれると本土がヤバイと思えば守るだろうけど、それはあくまでも米国自身のため。日本の領土が奪われても知らん顔だ。/僕は言論の自由を弾圧し、チベットを抑圧する中共政府が嫌いだし、最近中国海軍が日本近海を挑発的に航行することに憤っている。だけど、それでもなお「沖縄から米軍が消えると、すぐにでも中国が攻めてくる」とする意見には否定的だ。
(1)日本を攻撃すれば多国籍軍の介入を招き、北京は制圧され、中国共産党の指導部は戦犯として全員裁かれる。日本を侵略=即、体制崩壊。自分の保身ばかり考えている中共幹部が、120%自分の命運が尽きるのに、なぜそこまでして日本を攻撃するのか。
(2)以前なら日本の科学技術や工業技術を狙う意味もあった。もちろん、今も日本は各分野で時代の先端を行くが、中国は有人宇宙ロケットの打ち上げに成功して、この分野で日本を大きく引き離し、経済全体の規模でも今年中に日本を抜き、世界第2位の経済大国になる。今の路線で成功しているのに、たくさんの人間の命を犠牲にし、また世界中から経済制裁を受けるのに、それでも日本を攻撃する説得力のある理由が思いつかない。日本の水資源を狙うという意見もあるが、その危惧には日本から水を運搬する手間と莫大なコストの計算が抜け落ちている。多くの水源は内陸部にあり採算があわないし、至る所で日本人が徹底抗戦するだろう。日本に核を使えば水は汚染されて飲めないし、陸続きならともかく、僕には非現実的な気がする。
(3)幸運なことに日本は四方を海に囲まれている。国土自体が広大な堀を持つ城。自衛隊の戦力は、敵国まで行って攻撃するには不向きだが、防衛に特化するなら最強クラス。守るだけなら米軍がいなくても自衛隊で十分。しかも、中国には日本占領の為に必要な人員を運ぶだけの艦船がない。どんな勝算があって中国は攻撃してくるのか--。
それから、日本側にとっても軍事衝突を避けねばならない理由がある。
(1)以前から言ってるように、日本は狭い国土に51基もの原発がひしめいている。どんなに軍備を増強しても、原発を目指して飛んでくるミサイルすべてを迎撃するのは不可能。
(2)日本の世界最大の貿易相手国は中国であり、もはや日本経済は中国なしでは成り立たない。また、日本の労働者の4人に1人が年収200万以下となった現在、安い中国製品がなければ生活を維持することが出来ない。※このデルのパソコンも、シャープのエアコン、東芝のテレビ、象印のジャー、スニーカー、ジョジョ・グッズまで中国製。
(3)少子化で若い世代が減っているのに、このうえ戦争で若者がたくさん死ねば、老人しか残らず国家として完全崩壊。
(4)核兵器がないので最終的に負ける(でも、核武装せよとは思わない)。アインシュタインは今度世界大戦になれば文明が滅ぶことを示唆し、「第三次世界大戦がどのように戦われるかは分からない。だが、第四次世界大戦が戦われる方法は知っている。それは棒きれと石でだ」と述べた。旧ソ連が開発した最強の水爆「ツァーリ・ボンバ」は、たった一発でヒロシマ型原爆の「3300倍」という狂気の兵器。人類はこんなものまで作るようになってしまった。日本には核ミサイルがない。日本はその気になれば核兵器を開発できるけど、ヒロシマ・ナガサキの惨状を誰よりも知っているから、「作らない」という選択肢を選んだ。人類を絶滅させかねない愚かな核開発競争に参加することを拒否した。日本は核を振りかざすアホな国より、誇りを持ってさらに先へ進む!
太平洋戦争で沖縄の人々は本土防衛の時間稼ぎのために死んでいった。「普天間は米国内へ無条件撤去」。日本政府が米国に求めるのはこのことだ。本土の人間は、沖縄県民に感謝し、これ以上沖縄に負担を強いるのは止めるべき。どうしても普天間の国外移設に反対なら、在住の県知事に「我が県に受け入れよ」と嘆願運動を始めればいい。「海兵隊の機動性が落ちるから沖縄しかダメ」という言葉が、どれほどごう慢か。そこには同じ日本人である沖縄の人々の苦しみを、自分の身のように理解しようとする気持ちが微塵もない。“沖縄には基地ビジネスで儲けている人がいる”と主張する人は、“学校にヘリが墜落することもあるけど、基地がくれば経済が活性化する”と知事に言えばいいと思う。以上。//鳩山首相の先祖の墓にペンキ。なんてことをするのか。政治に不満でも、墓にこんなことするのは絶対に間違っている。
 5月5日…若い頃の水木しげる夫妻を描いたNHK朝ドラ『ゲゲゲの女房』は、第1話こそ歴代最低の視聴率で始まったものの、その面白さが口コミで広がっていき、先日は視聴率が『だんだん』最終回以来となる“18%超え”を果たすなど、高い評価を得ている(分析はコチラコチラ)。特に5/1の第30回は個人的に永久保存版!夫妻の初めてのデートで、水木は「とっておきの場所を教えましょう、一番の場所です」といって奥さんを古い墓地に連れて行った。「ここですか?」と戸惑いがちの奥さんに、「良(え)えでしょう。調布あたりには風情のある古い墓があちこちに残ってるんです」「は…はい」「墓巡りはええもんですよ。自転車一台あれば金は一銭もかからん。サイクリングは健康にもええ。今一番凝っている趣味は墓巡りです」「はぁ…」「あ、これこれ!この墓は元禄時代のなんですよ!えらく古いでしょう!?」。墓前に野草を供える水木。そしてシミジミと墓石を触りながら「墓は面白いですよ。こうやってじっと眺めていると、墓の主と話が出来るような気がしてきます。古い墓ほど死者の気持ちが和(なご)やかなんですよ。やはり、人間も長い間死んでおると、心が寛容になるのかも知れません」。続けて付近の墓に手を置きながら「あ〜!ここら辺の墓も和やかでええ!」。奥さんは笑顔を作りながらも「墓が和やか?私にはわからん…」。「ほら、あんたも見てご覧なさい」と水木が手招き。「ハイ!」。そこには卵形の可愛い墓石。「どうです和やかでしょう?」。「あ、この辺が!」と丸みを帯びた部分を触る奥さん。水木は声が一段と高くなり「そうでしょう!」。/暗い印象のある墓巡りに陽が当たった感じ!墓マイラーとしてこんなに嬉しい墓参描写はない。中でも「人間も長い間死んでおると、心が寛容になるのかも知れません」という感覚に、まったく同感!江戸時代の墓は、墓前で手を合わせていると、なんとも優しい穏やかな気持ちになる。水木先生の“長い間死んでいる”っていう表現はユニークだなぁ。死と同時にすべてが終わるのではなく、墓となって時を過ごしている、そんなたとえ方がとても温かく感じた。(*^v^*)
 5月4日…これまでに巡礼したすべての墓を振り返って作成した“恩人墓ベスト”を3年ぶりに大更新。以前はベスト700でしたが、昨年の全米巡礼や国内巡礼を反映し、ベスト800に増えています。このランキングは、(1)故人への感情移入度(2)墓前にたどり着くまでの苦労(3)墓石そのものの渋さ、こうしたものを総合して順位をつけた、おそらくこの世で唯一無二のお墓ベスト。先述した3つのポイントの中では(1)番のウエイトが最も大きいので、ある意味、僕の人生に影響を与えた人物のベスト、僕が大好きな偉人が順番に並んでいるとも言えます。このリストは年齢を重ねるにつれて激変し、“前回は本当の凄さを分かっていませんでした!青かったです!スミマセンでした!”と、600位付近の人物がポーンと150位くらいまで上がることも多いので、自分でも更新時にその変化が楽しみだったりします。
 5月3日…(昨日のつづき)
・一の城は姫路城、二の城は熊本城ロケ。合戦地は阿蘇山。姫路城は貸し切りで撮影したわけではなく、外には一般客が普通にいる。観光用の案内放送が入らないように音声さんが非常に苦労した。
また、撮影マジックとしては…
・後半の合戦は双方が林を背後に陣を張っているように見えるが、実は林は片側にしかない。同じ林を交代で使っている(これにはビックリ!)
・冒頭の狩りのシーンでは、猪が3頭に見えるけど、実際は1頭。猪は最後に一般人のハイカーに向かっていったので猟師に撃たれ、しし鍋になってスタッフが美味しく頂いた。
・楓の方の凄絶な最期は、ホースから血柱を壁にぶつけた。
・鶴丸役の野村萬斎(武司)は当時高校生で、なかなか“やんちゃ”だった。それが、あんなにしおらしく見えるのも一種の撮影マジック(笑)
等々!前述したように会話は8時間に及んだので、他にも多数のエピソードを聞かせて頂いた。また、“乱”の現場で使われた台本を拝見できたのも幸運だった。なんと、台本の最後の文字は「惨!」だった!なんちゅうラストなのか!/こういう激レアな時間が突然訪れるから人生は面白い。引き合わせて下さった読者のGさん、本当に有難うございました!
※『乱』のメイキングはNHKとフジテレビも希望していたけど、中山さんの企画書が選ばれた。勝新太郎は『影武者』の撮影現場にビデオカメラを持ち込み監督に激怒され降板騒動を起こしたが、中山さんは熱意が伝わりビデオ撮影を許可された。中山さんは現在作家や漫画家を養成する作劇塾を主宰されてます。この日はGさんを含め3人の若い塾生が熱心に話を聞いていました。
※映画『乱』(AmaDVD/ブルーレイ
“乱”の各場面を熱く解説。
野武士のような中山さん
国宝級の“乱”の台本と、
最後の一文字「惨!」
 5月2日…長年、僕にとって邦画の第1位は黒澤監督の『乱』(1985)であり、エキストラ12万人、馬1万5千頭という作品のスケール、原作のシェイクスピア『リア王』を深い解釈で掘り下げた脚本、アカデミー賞に輝いた美しい衣装、仲代達矢やピーターの熱演、武満徹の重厚な楽曲など、すべてにおいて日本映画の頂点を極めたと思っている。まだCGがない時代だから、城の炎上シーンは本物の城を建てて(総工費4億円)燃やしている。チャップリンの『独裁者』が洋画第1位として不動であるのと同様に、『乱』を超える邦画が僕には想像できない。/そんな風に日頃から感じていたところ、サイト読者の方から「“乱”のメイキングを撮った中山市朗さんと会いませんか」と驚天動地の誘いがあり、本日中山さんの仕事場を訪れた。そして!14時から22時まで、8時間ぶっ通しで中山さんと映画談義!今から26年前、当時24歳の中山さんは半年間も黒澤監督の側で“乱”の制作過程を目撃しており、貴重な話をたくさん聞けた。メモをとった次のことからも、黒澤監督の“完全主義”がよく分かると思う!
・熊本城のロケの際、寺尾聰が振り返るシーンで背後の景色が遠くまで見えている図が欲しいと、好天で空気が澄んだ日を待ち続け、“振り返る”というワンカットのために1週間も費やした。
・髑蜑は前半の「哀れ、老いたり」のセリフを50回も言わされてようやくOKが出た。ただしこれは髑蜑だけではなく、黒澤組の撮影では日常茶飯事。木立を刀で斬る場面も、「武将らしく斬る」という図を撮るために、良い刀筋になるまで延々と斬り続けた。
・「三の城」攻防戦で老侍女が自害するシーンは、俳優が小刀で上手く喉を突けず、「もういい!そんなんじゃ死ねないだろ!」と監督が吠え、本編は喉を突く直前でカットされている。
・同城の攻防戦で馬にはねられている足軽は、人形ではなく本当に人間。片足を馬に蹴り上げられ、あのシーンでリアルに骨折している。後半の合戦では落馬シーンが約30回あるが、みんな本当に背中から落馬しているのでケガ人続出だった。(“馬は人を踏まない”というのは間違い。軍馬は人間にも突っ込んでいく!)
・馬の調教も大変。乱では多数の火縄銃が発射されるので、いきなり撮影現場に馬を連れてくると音でパニックになってしまう。その為、撮影が始まる前から、毎日馬に銃声を聞かせ続け、大きな音に慣れさせた。
・太陽の光を反射させて俳優に照らすレフ板は、赤い陣羽織の武将を撮る時は赤いレフ板で赤さをを強調させ、青い陣羽織の武将は青いレフ板で青みを強調するなど、色彩の鮮やかさにこだわっている。
・野外の祝宴のシーンでは、カメラには映らない重箱の中にもちゃんと日本料理が入っている。
・馬の足下から土煙を上がらせるために、肥料用の灰を地面に撒いている。
・合戦シーンはリアルな演出なのに、血の色だけが安っぽい玩具のように赤かったのは、戦場を絵巻物(絵画)のように描くことで、“神の目線”で人類の宿業を見せようとした。
・馬で逃げる2人の裏切者が槍で成敗されるシーンは、馬が背後から迫る槍兵に怯えて足がすくんで逃げず、俳優も馬の扱いが下手な為に、怒った監督が「今日の撮影はもうやめだ!」。監督が現場を立ち去ると、進行係が「じゃあここでお昼ご飯にします〜!」。その声を聞いて監督がクルリと向きを変え、食事に戻ってきたのが可愛かったとの事(笑)
 5月1日…以前録画した黒澤監督の特集番組を見ていたら、現代アメリカ映画界の2人の巨匠が、黒澤監督について次のように語っていた。スピルバーグ監督「黒澤監督は私の人生の師であっただけでなく、私たちの世代にとって父と仰ぐ存在でした。監督の作品から受けた恩恵と影響ははかり知れません。しかもその影響は現代映画に関わる人すべてに及んでおり、ジョン・フォード監督も黒澤監督の大ファンだったんですよ。以前、黒澤監督と東京の天ぷら屋で、朝まで映画について語り合ったことは一生忘れません」。マーティン・スコセッシ監督「黒澤監督は常に前衛的な挑戦をする人でした。壮大な叙事詩をスクリーンに紡ぎ出す才能を持ち、作品はさながら18〜19世紀の絵画のようでした。黒澤監督の演出はとても大胆で力強く、画面からは熱いエネルギーを感じます。私は今でも黒澤作品を見る度に“恐れ入りました!”と思うんです」。こういうコメントを聞くと、黒澤ファンとして本当に嬉しくなる。あのイーストウッド監督も「クロサワは自分の映画人生の原点だ」と公言し、カンヌ映画祭の会場では「ミスター・クロサワ。あなたなしでは今日の私はなかった」と黒澤監督の頬にキスをしたという。スウェーデンの名匠ベルイマン監督は「私にとってクロサワだけが神だった」と讃え、ジョージ・ルーカス監督は「黒澤監督の『天国と地獄』はサスペンス映画の最高傑作だ!」と絶賛。先日他界した井上ひさしさんが語っていたこのエピソードを思い出した→「オーストラリアに滞在していた時に、現地で黒澤監督特集が催され、そのおかげで日本人観まで好転した。パスポートだけでなく芸術の力で私達がいかに守られていることか」。








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