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2021.3〜4

●4月30日…〔今日の良かった〕日本学術会議が踏ん張っておりエールを送りたい。政府との対立は半年を超えたが、まだ心は折れていなかった。同会議は去年10月に就任する新しい会員の候補として、定数の半分にあたる105人のリストを法律に基づいて提出した が、菅総理大臣はこのうち6人を任命せず、理由も非公開とした。
そのなか、今月下旬に開かれた日本学術会議の定例総会において、「総理大臣は学術会議の推薦に基づいて任命し、法律が定めた会員数を満たす責務を負っている」「いまだ任命されていない6人の候補者を即時任命するよう要求する」と声明を出した。
任命拒否された6名は、政権に批判的な態度をとったことが原因とみられている。

国が何かを政策決定する過程で、反対意見を検討することで短所を補い、より優れた内容にできる、それが民主国家の強みだ。独裁者の周囲をイエスマ ンだけで固めた政権では、非科学的なデータに基づいた思い込みによる政策をストップできなくなってしまう。アジアの某国では民主国家であるにもかかわらず、殆ど誰も使用しない小さな布マスクに260億円も血税を注ぎ込んでし まった例がある。政府中枢に対して学術的な見地から直言できる人材を絶対に排除してはだめだ。多様な意見に日頃から接していれば、「この方法ではうまくいかない」と分かったときに柔軟に対応できるし、それが国を発展させる力になる。

//う〜む、『クラシックTV』のレ・ミゼラブル特集、なんであんなことに…。曲はどれも素晴らしく、登場するミュージカル俳優さんの歌唱は圧巻。なのに司会者の清塚さん、台本作家の指示で無理に言わされているだけと思うけど、ずっとゲストのトレンディエンジェル斎藤さんに酷いこと言い続けてた。真面目な話でも常に揚げ足取り…。相手が芸人さんだから何を言ってもいいわけじゃないし、あれでは清塚さんのイメージまで悪くなりかねない。Eテレのスタッフはどうしてあの映像をそのまま流しても問題ないと判断したのだろう。
むろん、いじり・いじられから生じる笑いもあるでしょう。でも全ての人間の魂の輝き&他者へのリスペクトを描く『レ・ミゼラブル』紹介に毒舌や意地悪な笑いは不要だった。特集を見る前に期待していた人間讃歌体験と全く違う し、僕は笑えなかった…。
※次回のタンゴ音楽のピアソラ特集、期待してます。前番組の『ららら♪クラシック』でもタンゴ音楽編は神回だったので。
●4月29日…〔今日の良かった〕「米国が戻ってきてくれてうれしい」(メルケル独首相)。「米国をパリ協定に戻してくれてありがとう」(ブータンのツェリン首相)。気候変動を軽視してパリ協定から離脱したトランプ氏と対照的に、バイデン大統領は温室効果ガ スの削減について非常に積極的。先日閉幕した気候変動サミットは米国主導で進み、米国は2030年の削減目標を05年比で50〜52%とし、オバマ政権時に掲げた目標値を「ほぼ倍増」させた。英国もまた2035年までに1990年比で78%削減するという世界が驚く目標を発表した。日本は30年度に13年度比で46%削減する目標を公表、ブラジルのボルソナーロ大統領はアマゾンの違法な森林伐採を2030年までになくすと約束した。

現在、世界全体の二酸化炭素排出量の4割以上を中国とアメリカが占め(中国が全体の28%、アメリカが15%)、ぶっちゃけ気候変動対策成功の可否は米中にかかってるといっても過言ではない。先月、バイデン政権の閣僚級高官が初めて訪中し、両国は共同声明で温室効果ガスの排出削減に向けた対策を協力して進めていくと宣言。軍事面や人権問題などで対立する両国が、この問題では手を結ぶと非常にはっきりしたメッセージを出した。
ケリー特使「中国とはいくつかの主要な問題ですれ違っている。それは確かだ。だが気候については別問題だ」。中国の気候変動担当特使「大きな前進だ。中米両国が気候変動問題で共闘することで合意した」。
ちなみに中国は昨秋の国連総会で、二酸化炭素の排出量について「2030年までにピークに達し、2060年までに実質ゼロを実現できるよう努力する」と表明している。中国の最近の電気自動車普及、太陽光・風力発電施設の大幅増設はその一環だろう。世界の石炭火力発電所は半分以上に当たる1058カ所が中国に集中しており、公約実現のためには588カ所を閉鎖しなければならず、平坦な道ではない。この面では政治問題を超えた各国の協力が不可欠だ。
マーシャル諸島のカブア大統領「私たちの国はかろうじて海面からの高さを保っている。気候変動への行動は太平洋の国々の将来と安全保障に直結している」。
●4月28日…〔今日の良かった〕Eテレ『日曜美術館』で紹介された浮世絵師・喜多川歌麿(1753−1806)の言葉がカッコ良すぎて思わずメモ!

「近ごろ蟻のように湧き出した“木っ端絵師”どもが、ただ色彩を頼りに下手くそな絵を描き、異国にまで恥をさらしているのが嘆かわしい。私が美人画の神髄を見せてやる」

※歌麿は幕府や武士階級の風刺画なども描き、晩年に手鎖50日の刑をくらうほどの反骨者。墓所は世田谷区の専光寺。

 

//YouTubeの『もの凄い作業をしている気分になれる作業用BGM』のコメント欄が楽しすぎる!
●4月27日…〔今日の良かった〕ゴールデンウィークのお勧めテレビ番組を一挙アップ。5/5にBSで名作映画『大脱走』(主演スティーブ・マックイーン)をやるのが嬉しい!昔はしょっちゅう再放送されていましたが、BS(NHK)ではめっちゃ久しぶりと思う。

//『ドラえもん』『バビル2世』『仮面ライダー』など、僕の世代に近い人は誰でも一度は口ずさんだことがあるであろうアニメソング・特撮ソングの名曲の数々を創造した、作曲家の菊池俊輔さんが24日に肺炎で他界された。享年89。菊池先生の曲は、アップテンポの曲はめちゃくちゃカッコ良く、バラードは哀愁をたたえていた。
追悼の想いを込め、わが愛する菊池作品の曲名を以下に記します。

行け!タイガーマスク(『タイガーマスク』OPテーマ)
みなし児のバラード(『タイガーマスク』EDテーマ)
バビル2世(『バビル2世』OPテーマ)
たたかえ!キャシャーン(『新造人間キャシャーン』OPテーマ)
おれは新造人間(『新造人間キャシャーン』EDテーマ)
ゲッターロボ!(『ゲッターロボ』OPテーマ)
とべ!グレンダイザー(『UFOロボ グレンダイザー』OPテーマ)
がんばれドカベン(『ドカベン』OPテーマ)
ああ青春よいつまでも(『ドカベン』EDテーマ)
王者・侍ジャイアンツ(『侍ジャイアンツ』OPテーマ)
大空魔竜ガイキング(『大空魔竜ガイキング』OPテーマ)
すきだッダンガードA(『惑星ロボ ダンガードA』OPテーマ)
ドラえもんのうた(『ドラえもん (1979年のテレビアニメ)』OPテーマ)
ドラえもん・えかきうた(『ドラえもん (1979年のテレビアニメ)』挿入歌)
ワイワイワールド(『Dr.スランプ アラレちゃん』OPテーマ)
忍者ハットリくん(『忍者ハットリくん』OPテーマ)
レッツゴー!! ライダーキック(『仮面ライダー』OPテーマ)
ぼくらのバロム・1(『超人バロム・1』OPテーマ)
戦え!仮面ライダーV3(『仮面ライダーV3』OPテーマ)
がんばれロボコン(『がんばれ!!ロボコン』OPテーマ)

この他に、ドラマの分野でも『Gメン75テーマ』『暴れん坊将軍』など多数。
面影(『Gメン'75』エンディングテーマ)、いいですね。菊池先生、素晴らしい作品を有難うございました。

※どれも名曲ですが、わがトップ5は(1)バビル2世(2)とべ!グレンダイザー(3)ゲッターロボ(4)みなし児のバラード(5)ドラえもんのうた(次点)戦え!仮面ライダーV3、です。
●4月26日…〔今日の良かった〕アカデミー賞、昨年に続いてアジア系の映画人が大躍進!監督賞は中国出身、助演女優賞は韓国人俳優。印象に残ったスピーチがたくさんあるので近日中にまとめます。

//東京、大阪、兵庫、京都の4都府県を対象に、3度目の緊急事態宣言が出された。当面は5月11日までとのことだけど、現在大阪は日本で最もコロナ感染者が多く、1000人超えの日が続いており、いつ減少傾向になるのか定かでない。生きていくためには誰しも仕事をせねばならず、補償なしに家に閉じこもることはできない。行政の本気度が試される。

//銃乱射事件が続発する米国。数日前にも物流大手フェデックス社で発砲事件があり、15人が死傷(うち8人死亡)の惨事が起き、犯人の元従業員(19歳)はその場で自殺した。まだ4月なのに、アメリカでは今年に入り銃暴力で1万2395人が亡くなり、147人が乱射事件で亡くなっている。

「もう祈りは十分だ。行動を起こす時だ」「アメリカの銃犯罪は国際的な恥だ」。今月、バイデン大統領は就任後初となる銃規制策を提案。アメリカで銃を購入する際、銃砲店では犯罪歴をチェックされるが、インターネットで購入する場合は何のチェックもないうえ、犯罪で使用される銃の8割がネット通販で購入されたものという。また、「ゴーストガン」と呼ばれる家庭用組み立てキットも大問題で、製造番号がなく犯罪で使われても追跡ができない。
日本や欧州から見ればあり得ない銃管理のゆるさだ。バイデン氏は、軍が使うような高性能ライフルや大容量弾倉の販売禁止、装具の規制強化、手製銃の普及防止、購入時の身元確認厳格化などを訴えている。銃産業(全米ライフル協会)はいつも「銃は悪くない。使う人間が悪いだけだ。車と同じ」と反論しているけど、身元確認厳格化にまで抵抗しているのは、さすがに訳が分からない。
●4月25日…〔今日の良かった〕人生は何が起きるか本当にわからないもの。アクシデントが起きても、プラスの面を見て生き続けたいと思う。日本ではほとんど知られていない南米チリのフォークシンガー、ビクトル・ハラのことを公共の電波で紹介出来たことを「今日の良かった」としてここに刻みたい。

本日17時から約2時間にわたってNHKラジオ第一放送『ちきゅうラジオ』にゲスト出演し、墓マイラーとしてロック&ポップスミュージシャンの巡礼エピソードを紹介しました。この日のために3カ月前から入念に準備し、打ち合わせもバッチリ。万全の体制でオンエアー開始です。
当初はスタジオ入りの話もあったのですが、コロナ禍が収まらず大阪からリモート出演となり、ノートPCを使ってスカイプ(ネット電話)でNHKのラジオセンターと中継を結びました。手元には、緊急連絡用のスマホと、資料を見るためのiPadがありました。
開始20分ほど、その3つの着信音がいっせいに鳴りました。「うそっ!」。本番中なので遮断したのですが、再びの呼び出し音。 スマホを切っても、iPadを切っても、呼び出し音は鳴り続けています。ノートPCを閉じるとリモート中継まで切れてしまう。もう大パニックです(汗)
スカイプをやめてスマホで直接スタジオと繋ぐと、今度はノートPCのスピーカーからの音声がスマホに入ってハウリングです。さらに大々パニックです(滝汗)。
ここで放送はいったん中断され、スタジオトークに切り替わりました。額縁に入れてルーブル美術館に飾れるほどの、完璧なまでの放送事故となりました。

落ち着いて何が鳴っていたのか調べると、フェイスブック付属の電話でした。メッセージアプリの電話は、フェイスブックを閉じていても鳴ることを知りませんでした。後から分かったのですが、フェイスブック電話を丸ごとオフにする機能はなく、フレンドさん全員をブロックするか、過去のやり取りすべてが消えるメッセージアプリ削除しかないとのこと…(僕は創始者ザッカーバーグに会いに行って、オン・オフ機能を追加するよう直談判したい)。

“着信音、いったい何の要件だったのだろう?今はかけてこないようお願いしないと”と、先方にこちらから連絡すると「ネットでラジオを聴きたいので聴き方を教えて欲しい」というものでした。「わ〜ん、すみません、いま生放送中なんです。録音じゃないんです…」「ええっ!」。この方は、前から放送を楽しみにされていた、とても良い方で頑張って聴こうとされていたことに感謝しています。
ただ、数分後に放送再開したときも僕はまだ頭が真っ白で、時間短縮になった分、どのエピソードをカットするかで混乱が続き、ジョン・ボーナムの話でもとの軌道に戻ってこられました。その後、皆さんのお便りのコーナーで交流しているうちに、本来のペースに完全復帰、18時に全国のニュースを挟んでからは、ワールドミュージック関係でレゲエの神様ボブ・マーリィーと、伝説のフォークシンガー、チリのビクトル・ハラを予定通り紹介でき、胸をなで下ろしました。

どんな失敗からも教訓を得られるもの。今後、生放送でラジオに出るときはネット上の干渉を受けない家の電話を必ず使うようにし、トラブルに備えて、「もしもの時はどの話をカットして先に進めるか」まできちんと決めておくことにします。映画俳優編、作家編など、いつかまた話せる機会がありますように。

※番組後半で触れたチリのフォークシンガー、ビクトル・ハラの人生とお薦め曲について以下のページにまとめています。彼は1973年にチリで軍事クーデターが起きた際、独裁政権に抗議する市民7000人と共にスタジアムに連行されました。市民への拷問や処刑が始まると、ビクトルは抵抗歌を歌って人々を励まし、怒った軍人に機関銃を乱射され、40歳で生を終えました。

僕が初めて聴いたビクトル・ハラの歌『耕す者の祈り』(3分1652秒)

『耕す者の祈り』
♪起き上がれ そして山をごらん
川の流れを魂の風を
起き上がれ そして両手をごらん
育ちゆき 君の兄弟たちの手を握るために
共に行こう 血の絆に結ばれ
今日が明日に繋がっていくんだ
僕らを貧困へと支配するものから解放しよう
正義と平等の王国を我らのもとへ
共に行こう 血の絆に結ばれ
今も そして僕らの死のときも
●4月24日…〔今日の良かった〕アップルから新発売されるというiPhoneの周辺機器「AirTag(エアタグ)」に期待。これを荷物や財布、鍵束など様々ものに装着すると、紛失時にスマホ上で位置を探せるという。価格は29ドル(3800円)で今月末に発売とのこと。歳のせいか「あれどこ行った?」「これどこ行った?」が日々多発。試しに使ってみたい。また、海外の墓巡礼で最も心配なのは荷物の置き引き(特に電車)。エアタグが普及することで、犯罪の抑止効果になるといいな。
※どれくらいの距離まで有効なのだろう?大陸を超えても有効なら、飛行機の荷物が別便に紛れ込んだときにすぐ発見できていいのだけど。
●4月23日…〔今日の良かった〕先日Eテレでアンコール放送された『ETV特集/エリザベス・この世界に愛を』、製作者の良心を感じたドキュメンタリーだった。
日本の難民認定率はたった0.2%しかない。近年、入管施設(入国管理局の外国人収容所)で4年を超える長期収容で精神病になったり、難民認定されない絶望から自殺者が何人も出ている。被収容者は約1200人。番組は入管施設に収容された外国人の命を守ろうと奔走するナイジェリア人女性エリザベスさんの活動を描く。

エリザベスさんは祖国ナイジェリアの女性差別的な風習から逃れるため訪日、だが差別をナイジェリアの文化として判断されて難民と認められず、入管施設に収容された。そこで彼女は驚愕する。日本の法律では収容に期限がないため、被収容者の多くが心の病になっており、自殺者を試みる者が相次いでいた。
母国に送還されれば命の危険がある人でも、日本側はなかなか難民認定せず、先が見えない不安から被収容者は心が折れてしまう。「孤立感」が死へ追い込むと痛感したエリザベスさんは、自身が10カ月後に解放された後、毎日のように入管施設を訪れ、絶望している人々と面会を重ね (一日10人)、「あなたは一人じゃないよ、私がいるよ」と声をかけ続けてきた。
番組では、本当に病気なのに仮病と疑われて医者をなかなか呼んでもらえず、7時間も放置されて死んでしまった被収容者(カメルーン人)の悲劇も伝えられ、「これは本当に日本のこと?どこかの独裁国じゃなくて?」と目を疑った。
2019年にはナイジェリア人男性が長期収容に抗議するハンストの末に餓死した。容体を懸念した医師が当局に「仮放免」を勧めた事実を、入管庁が隠していたことも発覚した。

現在、国会では入管法改正案が審議されているが、時代錯誤で、他国の人権弾圧を非難できないほど酷い内容。国連が法案の段階で「国際的な人権水準に達していない」と日本政府に懸念を伝える異例の事態になっている。改正案の問題点は…
・収容期間の上限は依然として設けられないまま。
・難民認定申請中は故国に送還しないとする規定を改め、3回目以降の申請は強制送還を可能にする。(既に2回却下されているエリザベスさん等はもう申請できなくなる)

政府は長期収容を解消する策として、「収容に代えて、家族や支援者の監督下で生活できる選択肢を設ける」と法案に盛り込んだ。これは一見前進のようだが、収容か否かは入管の裁量次第であり、収容期間の上限もない構造は放置されたままだ。
・親族や支援者ら「監理人」の下で暮らすことを認める監理措置という仕組みを導入するが、認めるか否かは入管当局次第で裁判所の審査はない。
・引き受け手の「監理人」には違反行為を当局に通報する義務があり、「守るべき人を告発するようなことはできない」と、監理人を辞退する支援者が出てくる。
・施設を出ても監理措置では就労が認められず(2018年に安倍政権が就労を禁止=偽装難民防止のため)、健康保険もなく、どうやって生きていくのか。
2007年以降、入管施設に収容中に死亡した外国人は17人にのぼる。
野党側は
「期間の上限を定めるべき」
「難民認定部門を入管当局から独立させるべき」
「収容の可否を裁判所が判断するようにすべき」
と提案。人道的配慮からも、これらを導入すべきであり、現状のままの強行採決は許されない。

※エリザベスさんは現在53歳。被収容者に寄り添い「自殺してはだめ、私を母親と思って。あなたにこの世にいてほしい。自分が死んでも誰も悲しまないとか思わないで。私は本当に悲しむ」と言い続けており、かつてインドで世間から見放された人々を救っていたマザー・テレサと姿が重なりました。そんな人が日本にいるんです。
「お母さんだと思って話していいよ」

※コロナの三密を避けるため、コロナ禍前に1200人(全国17の入管施設)いた被収容者は、今年3月時点で305人になっている。
※難民や移民の受け入れを考えるとき、最も納得できたのはハーバード大のマイケル・サンデル教授(政治哲学)の次の言葉だ。
「どの国に生まれつくかは“運”だ。ある者は裕福な国に生まれ、ある者は貧しい国に生まれる。それは自分の行いによって決まるのではなく“運”に過ぎない。たまたま豊かな国に生まれた人が、他国の人間は受け入れないと言う権利がそもそもあるのか」

【追記】その後、入管法改正案(改悪案)は見送りになりました!よかった!
●4月22日…〔今日の良かった〕先日16日に発表された日米首脳会談後の日米共同声明。52年ぶりに台湾問題が取り上げられ、「日米両国は、台湾海峡の平和と安全の重要性を強調するとともに、両岸問題の平和的解決を促す」と明記。また、中国の人権状況にも踏み込み、「(日米両国は)香港及び新疆ウイグル自治区における人権状況への深刻な懸念を共有する」とした。台湾、香港、ウイグルという、中共政府が最も触れて欲しくない問題をすべて盛り込んだ。
バイデンの就任前、日本でも一部の保守論客や新興宗教関係者が「バイデンが大統領になれば中国の手下になる」と主張していたが、そういう投稿をしていた人は、書き込みをこっそり消すのではなく、きちんと謝ってほしい。悪質なデマが、どんなに人を分断し、疑心暗鬼にさせたか。

//インドでコロナ新規感染者が1日あたり過去最多の「30万人」、とんでもない人数に。首都では酸素ボンベが不足し、酸素ボンベの奪い合いや強奪事件が発生。「感染が収束しつつある国はインドに酸素ボンベを送れ」と国連が早く呼びかけないと。
●4月21日…〔今日の良かった〕アンダース・ハマー監督「香港で基本的人権が奪われていく様子を国際社会に訴えたい」。アカデミー賞まであと5日。今回、米国の映画関係者は気骨を見せた。香港の民主化運動・大規模デモに参加した若者の姿を描いた映画『ドゥ・ノット・スプリット』をアカデミー賞の短編ドキュメンタリー部門の候補作品に選んだのだ。
昨年、中国の映画市場はアメリカを抜いて、初めて「世界第一位」の年間興行収入を叩き出した。今やハリウッドにとって、中国で公開されるかどうかがビジネス面で運命の分かれ道となっている。近年のハリウッド映画を観ていると、中国の観客を意識したエピソードが挿入されるケースが、『ゼロ・グラビティ』の頃から一気に増えたように思う。
香港市民に寄り添った『ドゥ・ノット・スプリット』のノミネートに中国政府は反発し、中国共産党機関紙の人民日報系の環球時報は「受賞すれば中国でのハリウッド映画公開に悪影響を及ぼす」と圧力。当然、ハリウッドの映画人はこの事態を予測したうえでノミネートしており、中国市場を失うリスクよりも、言論の自由や公平な選挙を求める香港人の思いを重視する姿勢を明確にした。米アカデミー協会のメンバーに敬意を表したい。日本でも『ドゥ・ノット・スプリット』をEテレでやってくれないかな。
●4月20日…〔今日の良かった〕沖縄戦に動員されて多くの女学生が亡くなった「ひめゆり学徒隊」の体験を伝える「ひめゆり平和祈念資料館」(糸満市)が、今月展示を一新して開館とのこと。17年ぶりのリニューアルで、平和な頃の学校生活を紹介することで、来館者がひめゆり部隊の気持ちを想像しやすくなっているという。語り部を引退した元学徒のお婆さんは新しい展示を高く評価し、「私たちの体験、気持ちまで受け取ってくれた」「これなら分かるかも」と拍手。コロナ禍が去ったら沖縄に行きたい。
●4月19日…〔今日の良かった〕子どもが生まれた2009年から育児ブログ(風詩花伝)を書き始め、まっさらな生命体が、だんだん自我が芽生えて、“人間”になっていく過程があまりに新鮮で、ダーウィン的観察者として連日記録していた。そして、彼が小学校に入ったあたりで、初期の育児が一段落したこともあり、ブログの更新は一息ついたカタチになった。
そして気がつけば、もう今月から小学6年生!嘘だろう、速すぎるじゃないかと思うと同時に、最近の会話はアートから歴史、世界情勢に及んでおり、子どもとの対話を通して自分自身を発見することもあり(何かを子どもに説明しようとする時に、自分で分かっていない部分がクリアーになる)、6年生の一年間、4月から3月の卒業まで、6年ぶりに毎日更新することに。そういうわけで、4月1日〜18日分までが既にアップされています
サイト読者の方で、ふうの赤ん坊時代のブログを読んで下さっていた方、ヤツはこんな感じになりました。そして、彼と鑑賞した映画やドラマで良かった作品の感想も育児ブログの方に綴っています。衛星放送で観たガイ・リッチー監督の『シャーロック・ホームズ』2作、NHKの江戸川乱歩シリーズ(満島ひかりさんが男装の明智小五郎)、市川海老蔵が若き信長を演じた民放ドラマ『桶狭間』など、いろいろです。

※コロナ禍が収束に向かっていくあろうこれからの一年、修学旅行は実現するのか、どれくらい友達と時間を過ごせるのか、100年に一度と言われるパンデミックの特殊状況下での「小学生ラストイヤー」であり、特別な時代という意味でも後世に向けて記録する所存です。

※年を取ってからできた子なので、彼が30歳になって育児の相談をしたくなったときに、20年後の僕は70歳代半ばなので、もしかすると…の可能性があります。でも、あの育児ブログを見れば、父がどのように育児を考え、子どもとどう向き合っていたか、悲喜こもごものすべてが刻まれているので、まるで目の前に父がいるかのように感じられると思うのです。その理由からも、色々と世の中や人間の「光と影」がわかってきた6年生の彼との一年間を記録することは意義あるものと思っています。
●4月18日…〔今日の良かった〕出演予定番組の情報解禁!2時間の生放送なんて初めてなので、本番中に緊張で失神するかもですが、次の日曜(4/25)17時からNHKラジオ『ちきゅうラジオ』で墓マイラー・カジポンSPやります。全力で墓巡礼の魅力を伝えます!
今回はロック&ポップス編。プレスリー、ジミヘン、ジョン・レノン、マイケル・ジャクソン、ミュージシャンの墓前ではファン同士の交流がよく生まれます。レジェンドとなったロック&ポップスターの墓所や巡礼エピソードを、心を込めて、そして鼻息荒く語り尽くします。どうか放送事故をやらかしませんように…。
※海外に同時放送(NHK国際)されるので、海外在住の方も聴取可能とのことです。 
※皆さん御多忙と思います、長丁場ですので、後日の「聴き逃し配信」でのんびり楽しんでいただけると幸いです。
リンク先(公式HP)は1時間表記になっていますが、全国のニュースを挟んで18時台もずっとやります。そっちはレゲエやフォークなどワールドミュージックも入れる予定です。
●4月17日…〔今日の良かった〕実写映画『ガンダム』の製作が発表され、監督は米映画『キングコング:髑髏島の巨神』のジョーダン・ボート=ロバーツに決定。あの『パシフィック・リム』を手がけたレジェンダリー・ピクチャーズとサンライズが共同制作とのこと。脚本は海外ドラマ「LOST」の人気作家。なかなかの布陣だ。ガンダムの実写映画には、2000年にガンダム20周年を記念してカナダで製作された『G-Saviour』があるんだけど、クオリティがイマイチで黒歴史扱いされている。今回は大資本のネットフリックスもかんでいるし、スピルバーグの『レディ・プレイヤー1』でガンダムの知名度が上がっているので、本格的なSF作品になる可能性が大。今度こそ、決定版となるハイクオリティーな実写ガンダムを!

//ガンダムといえば、5月上旬に最新作『閃光のハサウェイ』公開が迫っている。富野監督がテレビカメラの前で「鬼滅、潰しに行く。エヴァを潰す」と怪気炎、こちらも出来映えが楽しみです。

  富野節は健在!今年で80歳
●4月16日…〔今日の良かった〕ここ数年の海外アニメで最高傑作が爆誕です!
「ディズニーはこんな所にまでたどり着いたのか」と、公開中の『ラーヤと龍の王国』を鑑賞し圧倒されました!内容が2021年の世界情勢と重なり、思いっきり胸に刺さりました。
これまで自分の中で、100点満点中“1億点”を叩き出した異次元クラスの海外アニメは、オモチャの視点から“出会いと別れ”を描いた『トイ・ストーリー3』、生と死、命のリレーを取り上げた『リメンバー・ミー』の2本だけ。
そして今、新たに1億点ムービーとして『ラーヤと龍の王国』と加えることができる喜び!ユーモア、アクション、物語のテンポ、映像美、すべてが第一級なのはもちろん、なんといっても作品メッセージが素晴らしい!

  

当初、この映画を観る予定はありませんでした。まずタイトルが平凡。「もう観る前からストーリーがわかる。おそらく友達になった龍と冒険して、ロマンスもあって、最後は涙の別れで龍が龍の王国に帰る友情物語。そういうの、もうお腹いっぱい」となっていました。
ところが、クチコミサイトを見ると軒並みの高評価。好奇心を刺激され、その理由を自分で確かめたくなり鑑賞。…ただの冒険ものじゃなかった!ロマンスは1秒もなし!予想とまったく違った!
(以下、大きなネタバレなし)『ラーヤと龍の王国』はこの世界をどういうものにしたいのかを問う映画。劇中では5つの国が敵対し、相手への憎しみと偏見に凝り固まっている。かつて魔物が世界を襲ったとき、龍が人類を救ってくれたが、今度はその龍の力をめぐって人類が戦いを始める有りさま。ラーヤも少女時代に悲劇を体験し、極度な人間不信に。人を信じられないラーヤが、他者を疑うことを知らない善意にあふれた龍シスーと出会い、どう変わっていくのかが見どころ。引き裂かれた世界を修復し、バラバラになった人々を結束させるためにはどうすればいいのか、何が必要なのか。

2人の共同監督は作品をこう語る。
カルロス・ロペス・エストラーダ共同監督「この映画は団結の力についての映画です。まったく異なる背景と思想を人々が協力すれば、一人ではできない大きなことも成し遂げることができることを描いています」
ドン・ホール共同監督「ラーヤは子どもの時に、他者を信じる心が深く壊されてしまいました。これはラーヤが“信じる”ことを学ぶ旅なのです」
本作に登場する心を持たない魔物ドルーンは、触れたものをすべて石に変える恐ろしい存在。言い換えると、それに触れられると、人は心を失って石になってしまう。劇中では魔物ドルーンのことを「人間の争いから生まれた疫病」と説明している。コロナ禍にあって「疫病」というキーワードはリアリティがある。ここでいう「疫病」は憎悪、偏見、戦争を象徴するものとして語られている。人が協力しないと「疫病」を克服できないこと、それを僕らは身をもって学んでいる…。

あまり他人が「号泣した」「大感動した」と言っているのを聞くと逆に醒めてしまうし、ハードルも上がりきって「それほどのものか?」となる恐れがあるため、過度に作品を絶賛するのは避けたく、あくまでも個人的な事例として呟きます。「見たこともない想定外のクライマックスに全細胞が感電、上映後、マスクはエグ泣きでべっちょべちょであった」と…。ほんと、今の時代だからこそお互いを信じ合うことが大事だと、平時以上に実感できました。
作品の舞台は東南アジア(インドネシア、ベトナム、タイなど)にインスピレーションを得た古代アジア。コロナ禍以降、欧米ではアジア人への差別的なヘイトクライム(憎悪犯罪)が多数報告されており、その意味でもアジアをモチーフにした名作を生み出してくれたディズニー制作陣に感謝です。「よくぞこのタイミングで作ってくれた!」と。

※このコラムを読んでも“1億点”の理由がピンと来ないかも知れません。それはクライマックスについてネタバレになるので何一つ書けないからです!(雄叫び)
※ちなみに劇中でラーヤが乗っている動物の名前「トゥクトゥク」は、スリランカの三輪ミニタクシーの名称です。
※物語冒頭のラーヤの父親の言葉「私が一歩を踏み出す」、これ、人生のあらゆる局面で使える言葉と思いました。
※書き終えてビックリしたのですが、まだ上映中なのにアマゾンプライムで既に鑑賞できます。新作なので2980円しますが…。公開中の配信はコロナの影響でしょう。ただ、巨大なスクリーンと大音響がラーヤの世界に没入させてくれるので、できるだけ劇場の鑑賞をお勧めします。
※余談ですが国産アニメの劇場映画MYベスト5は1位から『伝説巨神イデオン』『風の谷のナウシカ』『ルパン三世カリオストロの城』『銀河鉄道999』『さらば宇宙戦艦ヤマト』。ええ、思い出補正入りまくりです。

  

  

『ラーヤと龍の王国』予告編(2分25秒)ネタバレを避けた良い予告編
●4月15日…〔今日の良かった〕ファミリーマートは、家庭で余った食品を店頭の回収箱で預かり、必要な人に届ける「フードドライブ」の活動を全国で順次展開するという。画期的だ。コロナ禍で食糧支援のニーズが高まるなか、各地のNPOと連携して“子ども食堂”などに届けるそうだ。

世界では8億人以上(約9人に1人)が十分な量の食べ物を口にできず、栄養不足で苦しんでいる。一方で、売れ残りや食べ残し、賞味期限などを理由に世界の食料生産量の3分の1にあたる約13億トンの食料が毎年廃棄されている。異星人が地球人を観察したら、狂気の沙汰にみえるだろう。
日本は自給率が低いにもかかわらず世界有数の食品廃棄大国であり、毎日、大型トラック(10トン車)約1700台分、東京ドーム5杯分の食品を廃棄している。日本では、まだ食べられるのに廃棄される食品は年間612万トンに達し、これは飢餓で苦しむ人々に向けた世界の食糧援助量の年間約420万トン(2019)の1.5倍に相当する。援助より廃棄の方がずっと多いという…。

フランスでは2016年に革命的な法律が誕生した。「賞味期限切れ食品」の廃棄を禁止する食品廃棄禁止法が施行され、大型スーパーマーケットなどにおける賞味期限切れ食品の廃棄が禁じられたんだ。400平方メートル以上の店は、あらかじめ契約した慈善団体に寄付するか、家畜の飼料や肥料に転用することが義務付けられ、違反した場合には最大で約8万4000ドル(約1千万円)の罰金または最大2年の禁固刑を課される。今年7月からは飲食店にドギーバッグ(食べ残しの持ち帰り箱)の提供が法的に義務付けられるという。
欧州では廃棄対象になった食品のみを扱ったスーパーマーケットやレストランが開業しており、新たなビジネスとなっている。こうした廃棄禁止の動きは、衣料や他の分野にも広がり始め、たとえば英国のブランド「バーバリー(BURBERRY)」はシーズン後に売れ残り商品を焼却処分していたが、2018年に焼却をストップ、リサイクルや寄付を行っているとのことだ。

冒頭で触れたファミリーマートが回収するのは、賞味期限まで2カ月以上ある未開封の缶詰や米、乾物など。現段階は取扱店舗が限定されているものの、その数を増やしていくといい、この動きが他社に拡大していくことを期待したい。
●4月14日…〔今日の良かった〕現在、日本には外国で起きた深刻な人権侵害に制裁を科す法律がない。先週、議員立法をめざす超党派の国会議員連盟が設立総会を開き、衆参53人の国会議員が参加。立憲、国民、維新だけでなく、日中関係を重視する立場からこれまで慎重だった公明、共産からも議員が参加したといい、これは「人権侵害制裁法案」が実現するかも。是非、早期の成立を。
●4月13日…〔今日の良かった〕吉野家の挨拶が「いらっしゃいませ」から「おはようございます」「こんにちは」に対応変化とのこと、大賛成。海外は店員と客の立場が対等であり“お客様は神様”なんてことはない、神様ではなく共に人間。店員に大声で怒鳴るなどモンスタークレーマーが度々問題になるのは、店員を対等と思っていないから。
墓巡礼で海外の小さな雑貨屋に入るときとか、いつもこっちから「ハロー」と言いながら入っている。これにはアジア人を見慣れない人に「私は安全な人です」とアピールする意味もある。店員を下に見て、ムスッと入って、黙ってお金を投げ出し、ムスッと帰るのは何か違うと思う…他者へのリスペクトという点で。
※これもよく言われることだけど、海外だとスーパーのレジ係は椅子に座って仕事をしている。日本みたいに立ちっぱなしじゃない。イオンにしろダイエーにしろ、大手のどこか一社が椅子を導入すれば、一気に潮流が変わるのでは。ぜひ英断を。中には立ってる方がいいという店員さんもいるのでそこは選択式で。

//小室圭さんと眞子内親王、結婚への強い意志が伝わる。若い2人があんなに結婚したがっているのだから、もう外野がとやかく言わなくていいと思う。ノートラブルで生きてきた人なんていないのだから。

//ミャンマー軍の民主化運動弾圧、当初は威嚇射撃していたのが、いまや「目に映るものすべてに発砲している」という状況に。犠牲者は700人を超え、夜間にデモ参加者の住居に侵入して子どもにまで発砲するとか、けが人を生きたまま火に投げ込むとか、残虐さも加速している。兵士は自国の市民を殺すことに対して、もはや麻痺しているとしか思えない。殺すことに慣れる前に阻止せねばならなかったのに、国際社会はゆるい経済制裁だけ&国連は常任理事会でロシアと中国が反対するため厳しい非難決議を出せず…。国軍がこんなに強気なのは、経済的に関係の深い中国が内政不干渉を理由に傍観しているため。また、ODAで援助額トップのわが日本も遠回しな批判にとどまっている。シリア内戦もロシアが独裁者アサドの後ろ盾になり最悪の人権状況が続いているし、欧米諸国は自分の国のコロナ対応で手一杯だし、ほんと、どうしたらいいのか。
支えになるのはガンジーの次の言葉だ。
「私は失望するといつも思う。歴史を見れば真実と愛は常に勝利を収めた。暴君や残忍な為政者もいた。一時は彼らは無敵にさえ見える。だが結局は滅びている。それを思う」
●4月12日…〔今日の良かった〕「このグリーンジャケットを日本に持って帰ることがうれしい」。昨日、ゴルフの松山英樹氏が日本人初のマスターズ優勝!氏にゴルフ界最高の栄誉「グリーンジャケット」が贈られた。6年前、タイガー・ウッズは「彼は進歩している。メジャー大会で優勝するのは時間の問題だ」と称え、その予言が的中した。
マスターズは世界のトップレベルの選手しか招待されない大会。前チャンピオンが予選落ちする事もあるほど難易度の高いコースであり、ゴルフ界でマスターズ優勝よりも凄いことはない。ネットでは松山氏の偉業を、(他のスポーツで例えるなら)「サッカーでW杯優勝」「五輪男子100メートル走金メダル」「ウィンブルドンで優勝」と祝福、「もはや漫画の世界の話」との声も。おめでとうございます!「日本人にはできないんじゃないかと思われていたことを、覆すことができたと思う」(松山英樹)。

//《ベルトラン・タヴェルニエ監督(1941-2021)訃報に寄せて》

 

「君は動く詩だ」(映画『ラウンド・ミッドナイト』)

これは実体験から確信しているんだけど、すべての芸術は出会い方が本当に大事。それによって一気にその分野に興味が湧くか、“今は別にいいや”になる。
仏像を好きになったのは、みうらじゅん氏といとうせいこう氏が深夜番組の『見仏記』でユーモアたっぷりに魅力を熱弁していたのを偶然見たことに始まるし、少女漫画は萩尾望都さんの傑作群を友人が教えてくれたから、フィギュアスケートはプルシェンコとヤグディンの死闘をミニ番組でたまたま見たから、文楽は映画版『曽根崎心中』を運良く見せてくれた人がいたから、そういうラッキーな出会いが僕を新たな世界にのめり込ませてくれた。

その意味でサックス奏者とファンの友情を描いた映画『ラウンド・ミッドナイト』は、僕にジャズを聴くきっかけを与えてくれた特別な作品であり、ベルトラン・タヴェルニエ監督は大恩人だ。先月25日、そのタヴェルニエ監督が79歳で他界された。カンヌ映画祭やベルリン映画祭で受賞歴を持つ監督だけど、近年は現場から遠ざかっていたことから、訃報はほとんどニュースに取り上げられなかった。それもあって少し想いを綴ります。

1986年、大学時代にレンタルビデオ屋でアルバイトしていたとき、店先に『ラウンド・ミッドナイト』のポスターが貼られた。当時の僕はビートルズやレッド・ツェッペリンなど英国ロックとクラシックばかり聴いていて、ジャズと言えばBGMっぽいビッグバンドの演奏や、メロディーがあってないようなフリージャズのイメージしかなく、積極的に聴こうと思わなかった。ところが『ラウンド・ミッドナイト』のポスターに一目惚れ。濃いブルーの闇をバックにサックスを奏でているクールさに思わずレンタル、鑑賞後、見える世界が変わった。

この映画の冒頭、パリのブルーノート(JAZZライブハウス)の外で、貧乏でチケットを買えないジャズファンが、雨に打たれながら換気口からもれてくるサックスの音を聴いているシーンにいきなり引き込まれた。通行人に「地下鉄代を貸してくれ」と言われ「金があったら中に入っている!」とファンは叫ぶ。そして曲が終わると店の外で至福の表情。そのファンの男は兵役中に好きなジャズメンのライブを聴くために兵舎を抜け出し、懲罰房にブチ込まれた過去がある。映画を見ているうちに登場人物のジャズ愛にどんどん感化された。

当映画のサックス奏者は、身を滅ぼすほど酒に溺れ、自分や周囲を不幸にしている。当時19歳の僕は、「なんで浴びるほど飲酒するんだろう」と疑問を感じていた。その謎を、劇中の次の言葉がクリアーにしてくれた。

「毎晩創造(演奏)するということは、それがどんなに美しいものでも、死ぬほど苦しいんだ」

ジャズはアドリブ(即興)が命。そして前夜と同じアドリブを演奏すれば、人間としてまったく成長していないのと同じ。だから、新たなアドリブを創造し続けねばならない。その産みの苦しみを連日味わい、酒に手が伸びてしまう。映画では酒ですんでいるけど、現実ではドラッグがジャズ界を席巻、チャーリー・パーカーは命を縮め、コルトレーンもマイルス・デイビスも一時はボロボロになった。この映画で過酷な戦いに挑むジャズメンに心酔し、翌日さっそく映画に名前が出てきたレスター・ヤング、コールマン・ホーキンスなど初期の巨匠のCDを片っ端から聴き始め、レスター・ヤングを通して名花ビリー・ホリディの存在を知った。

この映画と出会わずともいずれジャズを聴き始めたかもしれない。でもそれは40代、50代、もっと後だったかも。19歳という年齢で『ラウンド・ミッドナイト』と出会えたお陰で、ジャズに親しみを感じられるようになり、クラシック、ロックだけでなく、ジャズにも身を浸す喜びを知った。タヴェルニエ監督にいくら感謝してもしきれない。旅立たれたタヴェルニエ監督に心から「メルシー・アンフィニモン(全身全霊のありがとう)」を捧げます。

※『ラウンド・ミッドナイト』はハービー・ハンコックがアカデミー作曲賞を受賞し、ジャズ・サックス奏者のデクスター・ゴードンがアカデミー主演男優賞にノミネートされた。
※この映画は実在のジャズ・ピアニスト、バド・パウエルがパリで活動していた頃の体験が元になっており、ファンの青年にもモデルがいる。
※僕は『ラウンド・ミッドナイト』鑑賞の14年後、2000年にアメリカへジャズメンたちの墓巡礼に出発しました。多くがNYのウッドローン墓地に永眠(野口英世もここ)。
※映画『ラウンド・ミッドナイト』 予告編
●4月11日…〔今日の良かった〕宮崎駿監督はナウシカのモデルとして平安時代の『堤中納言物語(つつみちゅうなごんものがたり)』に登場する『虫愛(め)づる姫君』をあげているとのこと、古典の授業は記憶の彼方ゆえ、ウィキ先生を参照。
主人公の姫君は、美しく気高いが、化粧せず、お歯黒を付けず、ゲジゲジ眉毛のままで引眉(ひきまゆ)せず、平仮名を書かず、可憐なものを愛さず毛虫を愛する風変わりな娘。彼女は昆虫を飼育し、側の者に昆虫の名前を付けている。そんな姫君に風流な貴公子が興味を持ち、蛇の作り物で驚かそうとする。貴公子は姫を可愛いと感じ「なんて残念!なぜそんな変わった心を持っているのですか?」と歌を贈ると、姫君は「人間、悟ってしまえば何も恥ずかしいことなんてない」と取り合わず、「第2話に続く」と終了。ところが第2話は現存していない。書かれなかったのか、行方不明になったのか。この魅力的な人物の後日談が知りたいな。
●4月10日…〔今日の良かった〕米製薬ファイザーと独ビオンテックは共同開発したワクチンのコロナ発症を防ぐ効果が半年後も91.3%だったと発表。また南アフリカの変異株にも効果があるという結果も同時に公表した。当初、効果がどれだけ続くか不安視されていたので、半年後も有効で良かった。

//昨年11月から軍事衝突が起きているエチオピア。市民は民族対立の巻き添えになり600人が犠牲に。目の前で夫(35歳)を撃たれ、家を燃やされ、火の中に夫が投げ込まれ、そのすべてを見ていた7歳の娘が気を失ったという、女性の言葉があまりに悲痛で…。「夫を失い、何もかも失った。私は人間が嫌いになった。自分がその人間であることにも耐えられない」。絶句。
●4月9日…〔今日の良かった〕この報告書は沖縄の人、そして自然保護派への援護になる。歴代米国政府に政策提言を行ってきた米シンクタンク戦略国際問題研究所(CSIS)が、最新報告書で「米軍の(沖縄)辺野古基地は完成する可能性が低い」と指摘。理由は「7万1千本も杭を打たなければならない軟弱地盤は明らかに不安定」。
埋め立て地の土壌は“マヨネーズのような”柔らかさで、建築物は沈み傾くと散々指摘されてきた。既に県民投票で辺野古基地にはノーが突き付けられたのに、政府はまったく耳を貸さずに「辺野古が唯一の移転先」と機械のように繰り返している。沖縄だけでなく、米国内でも完成を疑問視する動きが出てきており、ここでいったん工事をストップするべきだ。
本当に国防のことを考えるなら、使い物にならない新基地に「約1兆円」も税金を注ぎ込むのではなく、その1兆円はもっと有効に使うべき。
「辺野古基地建設に反対する者はスパイ」と一部の保守論客は煽っているが、完成しない基地の建設にこだわるのは、予算と人材が無駄になるという点で自国への攻撃も同然の愚行であり、本来タカ派こそ怒るべき事例。
しかも世界的にも貴重な海洋資源に満ちた、宝石のように美しい海は2度と戻らないという…。

//今日メモった雑学。
・「赤玉子も白玉子も栄養価はほぼ同じ」
・「ツタンカーメンをツタン、カーメンで切るのは間違いでツタンク・アメンで切るのが正解。正確にはトゥト・アンク・アメン」
●4月8日…〔今日の良かった〕福岡県警で16年にわたって暴力団対策(工藤会担当)に尽力した藪正孝氏(65)のインタビュー記事、参考になったのでメモ。
・ましなヤクザはいても、いいヤクザなどいない。「任侠」「ヤクザ」を題材にした映画や漫画でヒロイックに描く作品の影響で暴力団に親近感を持つ人が多くいるが、全く違う。真の実態を一人でも多くの人に知ってほしい。社会に寄生して犯罪を繰り返す暴力的・持続的犯罪組織だ。もめ事解決など「必要悪」との声もあるが、とんでもない。その原資は犯罪で得たお金だ。
・暴力団をなかなか「壊滅」できない理由。暴力団を必要としている層がなくならない。まず、トラブル解決のために「みかじめ料」を支払ったり、工事金額の一部を提供する人がいる。暴力団をつぶすにはここを徹底的に叩かないといけない。敵本体を支える土壌をたたく。
・コロナ禍で一般社会からの「みかじめ料」が減り、特殊詐欺や覚醒剤が資金源になっている。ある準構成員は覚醒剤だけで年間1500万円を得ていた。
・竹やりでB29とは戦えない。暴力団捜査には欧米並みの武器が必要。日本で暴力団幹部の脱税が立件されるのはまれだ。マフィアを抱えるイタリアには財産没収制度がある。マフィア側が表向きの収入をはるかに超える財産を持っていて、その入手先を説明できないと没収できる。山口組トップはかつて10億円、ナンバー2は15億円の保釈保証金を支払い、保釈された。大金の原資は何か。イタリアの没収制度をせめて指定暴力団トップに適用できれば資金面で大きな打撃を与えられる。
・容疑者が他人の犯罪を明らかにすると見返りを受ける「司法取引」は検察官の権限だが、警察がもっと使えるようにしてほしい。証人・協力者の保護制度も必要だ。証言者の氏名や住所の変更、経済支援を法的裏付けに基づいて実施する制度がいる。でなければ、協力者が殺されてしまう。現在は逃亡先への旅費や入居敷金、携帯電話契約費用を捜査費でまかなっているが、これでは限界がある。
・壊滅の対象は暴力団であって組員ではない。元組員の就職を支えるため、県暴追センターは元組員を雇った企業に給付金を支払っている。離脱や就労支援にも福岡県警は力を入れており、組員や元組員は暴力追放運動推進センターに連絡をほしい。番号は092・651・8938(ムゴイヤクザをヤっつけよう)だ。
※指定暴力団は工藤会を含め全国に24あり、最多は山口組(神戸市)の約4100人(19年末時点)。工藤会はかつて約790人いたが「頂上作戦」により現在は約220人まで減った。
●4月7日…〔今日の良かった〕私事ですが、先日フランスで発行されている日本人向け雑誌にフランスの著名人の墓巡礼コラムを執筆したところ、パリの銀行からユーロで原稿料の振り込みが。外貨でギャラをもらうなんて、人生最初で最後のことだろうし、テンション爆上げ。あと、外国から入金された場合、日本の銀行から手紙で通知がくること、そして自動的に両替されることを知った。ユーロ決済の仕事をしたことで、今後は「国際的に仕事をしていますが何か?」と豪語しよう(笑)。それにしても、よくウチのサイトに気づいてくれたもの。ホームページを起ち上げていなかったら、間違いなく入ってこない仕事だった。
●4月6日…〔今日の良かった〕これまで外食や買い物をする際、税込みの総額がわかりにくかった。今月から消費税込みの総額表示が義務化され、税抜き価格オンリーはNGとなりわかりやすくなった。具体的には「100円+税」の表示だけではダメで、「110円」の表示が必要に。100円ショップの場合、表の看板はOKだけど、店内では税込み価格の表示が必要とのこと。
●4月5日…〔今日の良かった〕うおおおお!祝!ジョジョ第6部アニメ化決定ィイイイイ!本日、アニメ版ジョジョの歴代主人公を務めた声優が全員集合するイベントがあり、何か重大発表があるのではと以前から囁かれていた。第6部アニメ化は、これ以上ない最高のサプライズだった!
6部主人公の能力は“糸”を自在に操るというもの。糸は人と人、魂と魂、運命と運命を繋ぎ、紡いでいく。ジョジョはどの部も素晴らしいけど、第3部〜第5部の人気に対し、第6部は少し遅れをとっており、正当な評価を受けてないようにみえる。
それもあって、僕は「一番好きな部は?」と聞かれると「6部です!(キッパリ)」と叫んできた。これまでアニメ版は、原作で語られていない部分のオリジナル補足が時々あり、それがとても良い感じに世界観にはまっていた。第6部でもそのあたりにナイス補足が入ると思う。
女性が主人公というあたり、昨今の世界の潮流に鑑みても、タイムリーなものになっているのでは。
そして、エンディング曲もめっちゃ期待。これまで荒木先生がエンディング曲をすべてチョイスしてきたから、今回も先生の選曲になるはず。どんな曲になるかなぁ。友人はジミヘンの「ストーンフリー」、僕は満を持してのビートルズ「ゲットバック」とみているけど、さてどうなるか。
放送日はまだ未発表だけど、春に発表して秋のオンエアというのが一般的なので10月頃には徐倫に会えると思う。めっさ楽しみ! 特報動画(1分)

※徐倫役の声優ファイルーズあいさんのコメントにグッと来た。あいさんの父親はエジプト人。第3部と第6部を繋ぐ象徴的なキャスティングになったと思う。

ファイルーズあいさん
→「ジョジョの奇妙な冒険」は私が声優を目指したきっかけであり、私の人生にはなくてはならないとても大切な作品なので、出演させて頂けることを知った時はまさに「スタンドも月までブッ飛ぶこの衝撃」というか…本当に言葉が出てこなくて、12年間追い続けていた夢が叶ったことの喜びで涙が止まりませんでした。特に学生時代に、徐倫の強く美しい姿を見てたくさんの勇気をもらっていたので、そんな大好きで1番の憧れである徐倫を演じる機会を頂けて、本当に言葉では形容できないほど感謝の思いでいっぱいです。
空条徐倫は私が今まで出会った中で、世界一勇敢で美しくて強くて愛情深い、素晴らしい人間です。12年前から彼女に対する憧れの気持ちは変わっていません。そんな彼女と一緒に奇妙な冒険ができることが本当に嬉しいですし、私もアフレコを通じて、徐倫のような「スゴ味」を身につけられるように、命を込めて演技させて頂きます。
●4月4日…〔今日の良かった〕大河『青天を衝け』、毎回ほんと素晴らしいです。幕末のややこしい人間関係をわかりやすく描いているし、俳優さんも農村の自然描写もみんな良い。
今夜の幕府パートは大老・井伊直弼(なおすけ)の演出が新鮮だった。これまで「安政の大獄」を引き起こした冷徹な男として、直弼は憎い悪役に描かれることが多かった。
『青天を衝け』では気弱で繊細、「茶歌ポン」とあだ名をつけられ悪夢にうなされるような人物。 それを岸谷五朗さんが好演し、将軍・朝廷・開国派・攘夷派、そのすべてに板挟みになり、苦悩しながら闇落ちしていく過程が見事に描かれている。次回は「桜田門外の変」、“優しい鬼”の最期を見届けたい。

   
●4月3日…〔今日の良かった〕本日、東映が「仮面ライダー」生誕50周年企画として庵野秀明氏が脚本・監督を務める映画「シン・仮面ライダー」の制作を発表!再来年の3月に公開予定で、完全新作映画とのこと。庵野監督「(仮面ライダーの世界を)現代に置き換えた作品を、そしてオリジナル作品を知らなくても楽しめるエンターテインメント作品を目指し、頑張ります」。テレビ版の第1作は1971年4月3日に放送を開始、それに合わせて本日の発表となった。
●4月2日…〔今日の良かった〕10年にわたる内戦で犠牲者38万人以上、人口の半数以上が家を追われ、「今世紀最悪」とされる人道危機に直面するシリアの人々。先日、国際会合でシリアに対し今年分として計約44億ドル(約4800億円)の支援が表明された。国連のグテーレス事務総長は「多くのシリアの人たちが国際社会を信頼しなくなったかもしれないが、私たちは(問題解決を)手助けできる」と呼びかけた。支援金の内訳は、ドイツが約11.2億ドル(約1230億円)、米国が約6億ドル(約660億円)、日本が約2.1億ドル(約230億円)など。ドイツは日本の5倍、さすがだ。
難民の半数以上は子どもたちで、戦争しか知らない世代が出てきている。民主化を受け入れず、武力で弾圧した独裁者アサドと、支援者ロシアのプーチンは、人道に対する罪で国際法廷に立つべき。

//コロナ禍のステイホームで、大人用のレゴブロックが大人気とのこと。
●4月1日…〔今日の良かった〕子どもが遊んでいるゲームに『マインクラフト』(開発者はスウェーデン人)というのがあり、そのBGMがめっちゃ好み。静かで、透明感があり、少しもの寂しさがある。僕はそのゲームをやってないのに、YouTubeで音源を探して作業BGMとして重宝している。何か原稿を書いているときや読書のときにちょうどいい。リラックスできて仕事がはかどる。ちなみに、2022年に実写映画が公開されるとのこと。どんな映像になるのかまったく予想できないっす。
『マインクラフト サウンドトラック』(156分!)

//ドラマ『北の国から』などで知られる名優・田中邦衛さんが3月24日に88歳で他界。老衰とのこと。素晴らしい個性派俳優さんでした。哀悼の意を表します。

  味わいのある演技で魅了
●3月31日…〔今日の良かった〕先日のホワイトハウスに掲げられた半旗から、アジア人差別を許さないというバイデン大統領の決意が伝わる。
この34年間、墓マイラーとして欧米を訪れて変化を感じたのは、バブル期の頃は初対面の人から「コンニチハ」と言われていたのが、いつの間にか「ニーハオ」と言われるようになり、路地を歩いていても「ヘイ、チーナ(中国人)!と声を掛けられるようになったことだ。
※正確にいうと、旧社会主義国の東欧は日本より中国・ベトナムと親交があったため、東欧では日本人には見られなかった。
いまや、西欧も米国も「ニーハオ」「シェイシェイ」だ。米国では、真顔で「日本は中国のどの辺にあるんだ」と聞かれたこともある。時々出会う日本通の人とは日本映画やアニメの話になった。何が言いたいかと言うと、多くの欧米人には、日本人、中国人、韓国人の外見上の区別はついていないということ。僕らが黒人を見てケニア人とガーナ人を見分けられないのと同様に。

米国ではコロナ禍以降、アジア人差別に根ざした暴力事件、憎悪犯罪が急増し、日本人が重傷を負う事件が続発。東本願寺ロサンゼルス別院は灯籠が倒され窓ガラスが割られ放火された。ロサンゼルス別院は今年がちょうど創建百年。ハワイ(米国)、サンパウロ(ブラジル)と並ぶ大谷派の海外別院で米国の拠点寺院だ。だが、最も深刻なのはニューヨークで、アジア人への憎悪犯罪が2019年比べて「9倍」に跳ね上がっている(全米平均は2.5倍)。
この現状のなか、ジョージア州アトランタでアジア系女性6人を含む8人が死亡した銃撃事件が発生。冒頭で述べたように、ホワイトハウスにはバイデン大統領の指示で犠牲者を追悼するため半旗が4日間掲げられた。バイデン氏はハリス副大統領とともに即アトランタを訪れ「全米で憎悪や暴力が隠されてきた。沈黙は共犯だ、声を上げていく」「米国に憎悪の居場所はない」と演説、人種差別に断固として立ち向かう考えを示した。ハリス氏も第2次大戦時の日系人の強制収容などの歴史に触れ、ツイッターに「アジア系アメリカ人に知ってほしい。私たちは沈黙しない、暴力には必ず声を上げる」と投稿した。

  バイデン氏が命じた半旗

トランプ前大統領が新型コロナを「中国ウイルス」と言及し、アジア系憎悪を繰り返し煽った結果、アジア系への暴力や差別が広がり、とんでもないことになった。もともと米社会の一部にあった黄色人種への蔑視感情を焚き付けてしまった。中国政府がコロナ感染拡大の情報を隠ぺいしたことは非難されて当然だし、最初のロックダウンが武漢で断行されたことからも、中国がコロナと結びつけられるのは仕方がない。だけど、小学生がいじめで人名と菌をくっつけて「○○バイ菌」と使うように、国名(中国の場合は黄色人種全体になる)とウイルスをセットにして呼ぶことは、憎悪犯罪に直結しかねず、WHO(世界保健機関)がやめるように何度も警告していた。ところがトランプ氏は自身の政策ミス(マスク軽視など)で米国が世界最大の感染地となった責任から逃れようと、「中国ウイルス」を連呼して批判をそらすことに血道をあげた。
バイデン氏は就任直後、「ウイルスを発生地名で呼ぶことは中国系などのアジア系アメリカ人への差別や憎悪を生む」と、新型コロナを「中国ウイルス」「武漢ウイルス」と呼んではならないとする大統領令を出した。今月上旬の演説でも「アジア系が(新型コロナの)スケープゴートにされている」と、アジア系への犯罪を強く非難していた。

日本の一部保守層はトランプ氏に感化され、現在もまだ「中国ウイルス」「武漢ウイルス」を意図的に使っている。菅首相もバイデン氏のように、その呼び方を禁じるよう声明を出すべきだ。香港人やウイグル人への弾圧、ミャンマー軍事政権への肩入れなど、中共政府に対する憤りは僕も強く持っているけど、差別感情を暴走させる言い方はもうやめるべき。日本の保守系雑誌の表紙に「中国ウイルス」の文字が躍っているが、その危険性をわかっていない。かつて南アフリカでアパルトヘイト(有色人種差別政策※1991年全廃)が実施されていた際、日本人は「名誉白人」として扱われていた。それゆえ、いま40代以上の人は「日本人は特別」という感情を持っているのかも。ハッキリ言っておきたい、人種差別主義者にとっては、日本人・中国人・韓国人はみんな同じイエローであり、「名誉白人」は幻想だと。「中国ウイルス」を使い続けることは、人種的には自分で自分の首を絞めるようなもの…。
最後に念押し。報道だけ見ていると、欧米でのアジア人差別に憂鬱になりがちだけど、圧倒的多数の人は分け隔てなく親切!そこを何よりも強調しておきます。

※米国のアジア系アメリカ人は約1700万人いるが、全人口(約3億3500万人)に占める割合は約5%とかなり少ない。

〔追記〕今日、65歳のアジア系女性がNYの路上で何度も蹴られている痛ましい映像が報道された。頭部を狙っており殺す気なのか。この後、犯人は逮捕された。近くの警備員は見て見ぬ振りをしており、この警備員も処罰されたとのこと。
https://www.youtube.com/watch?v=R98J6yZCzOQ (57秒)
●3月30日…〔今日の良かった〕祝!大河ドラマの最高峰『黄金の日日』(1978年制作)、4月4日から毎週日曜早朝にBSで全話再放送決定!43年ぶり!
庶民の視点から戦国時代を描いた異色の大河ドラマ。冒険あり、ロマンあり、信長、秀吉、家康も登場。戦乱の世にあってヒューマニズム炸裂、名シーンだらけの壮大な大河!
〔主な配役〕
呂宋(ルソン)助左衛門/商人(六代目市川染五郎/現・二代目松本白鸚)
杉谷善住坊/鉄砲鍛冶(川谷拓三)
石川五右衛門/義賊(根津甚八)
豊臣秀吉(緒形拳)
石田三成(近藤正臣)
織田信長(高橋幸治)
徳川家康(児玉清)
千利休(鶴田浩二)
今井宗久(丹波哲郎)
主題曲(池辺晋一郎) 『黄金の日日』テーマ曲※これは神曲!
●3月29日…〔今日の良かった〕中国でウイグル族に対して深刻な人権侵害が続いているとして、欧州連合(EU)が中国当局者らへの制裁を発動し、EUへの渡航禁止やEU域内の資産の凍結を科した。中国政府や当局者の責任を問う制裁は1989年の天安門事件以来であり32年ぶり。米国も歩調を合わせる形で当局者2人への制裁を発表した。EUは昨年末、中国と投資協定の締結で基本合意していたが、経済より人権問題を優先した形に。
●3月28日…〔今日の良かった〕25日のEテレ『植物に学ぶ生存戦略5 話す人・山田孝之』、今回も傑作でした。なかでも3本目、ブナ科の樹木の果実ドングリが秀逸だった。1本の木から何万ものドングリが作られるが、すべてのドングリが成長してしまうと土の養分の奪い合いになる。そのため、成長するものとしないものに分けられるが、それをやるのがリス。ドングリは他の哺乳類の大好物でもあるため、リスはドングリを見つけると土に埋めて隠す習性がある。ところがリスは、自分がどこにドングリを埋めたのか忘れてしまう。こうして、ラッキーなドングリだけが発芽し成長していく(貯食散布)。
番組では、前半でドングリ・システムをジャニーズと比較、200人以上在籍するジャニーズジュニアからスター街道を歩めるのはごく一部、その命運を故ジャニー喜多川氏が握っていたことを紹介。
後半では、リスの「忘れる」という事象を考察、その能力をしたたかに利用している職業として「政治家」とパネル付き解説。「政治家にとって不利益な事件があった場合、のらりくらりと対応しながらはぐらかし、いずれ国民が忘れてしまうのを待ちます。そして案の定、国民はすっかり忘れてしまうのです」「しかし、忘れることは悪いことでではありません。人間は寂しくつらい記憶を忘れることが出来るからこそ、ここまで生存できたと言えるでしょう。大事なことは“何を忘れてはいけないか”、なのです」。お見事!





山田孝之氏のアフレコ Eテレとは思えないカオスすぎるパネル(笑)
●3月27日…〔今日の良かった〕3日前、この日記で取り上げたばかりのNHKBS1『国際報道2021』が、明後日から深夜に地上波NHK総合でもオンエアされることに!いま世界で何が起こっているのか、その背景には何があるのか。世界各地の放送局から届くニュースで構成される本格派の国際ニュース番組であり、キャスターと各国特派員が現状を分かりやすく伝えてくれる。カルチャー、エンターテインメントの情報も充実しており、中盤には世界のユニーク映像もある。まずこの番組で流れた海外ネタが、NHKの他番組で使用されている印象。ここが一番早いと思う。世界を身近に感じる40分、是非毎日録画を。

//Eテレ『ららら♪クラシック』が昨夜で最終回に。放送開始は2012年、9年の歴史に幕。司会が俳優・高橋克典さんになったのは4年前。実直・温厚な人柄で番組はより魅力的に。高橋さん、167回もの楽しい司会を本当にありがとう。
●3月26日…〔今日の良かった〕50代半ばに近づきつつあるいま、映画にしろ小説、漫画にしろ、何かを楽しむ際に「人生の残り時間」を意識するようになり、「もうすべての名作を味わう時間は残されていない。これからは限られた “選択”が重要になる。どの作品と出会い、時間を共にし、生を終えるかだ」と考えるようになった。
スペイン語の著作物で(聖書を除いて)世界中で最も多く出版されているノーベル賞作家ガルシア=マルケス(1927−2014)の小説。その代表作であり、1967年に発表されるやいなや世界各国でラテンアメリカ文学ブームを巻き起こし、20世紀文学の最高傑作のひとつに数えられる、『百年の孤独』(鼓直訳)をついに読破。この本を購入したのは2007年、14年も本棚に飾ったままだったが、「文芸を愛する者なら読んでいなければ恥」と言われるほどの作品であり、これ以上は先延ばしにできないと手に取り、この1週間で一気に読み進めて読了。いやはや、実に濃密な時間でござった!

『百年の孤独』は中南米の架空の開拓村マコンドを舞台にした、100年間7世代にわたるブエンディア一族約20人の叙事詩的年代記であり、「愛」と「孤独」が全体をつらぬくテーマになっている。革命に生きる者もいれば、発明に明け暮れる者、道ならぬ恋に身を焦がす者、中には「はずみでこの世に迷い込んできた人間」もいて、皆が常軌を逸するほどエネルギッシュに生きている。日常生活の中に当たり前のように現実と非現実=超自然的現象(予言や幽霊)が入り混じる「魔術的リアリズム」の作風にクラクラ。体温まで感じる狂熱の性描写に目まい。脇役まで全員キャラが立っていてマコンド村の住人の息づかいが聞こえてきそう。この小説の2ページ分だけで、そこいらの小説一冊分のストーリー展開があり、それが約470ページも続く!長編ではあるが、ユーモアに富んでいるため堅苦しさはなく、「何だこれは、何が起きているんだ」とどんどん読み進めた。登場人物の名前が似通っているため度々混乱したが、巻頭の家系図が役に立った。

巻末の解説を担当した作家・梨木香歩さん(「西の魔女が死んだ」作者)は「時間と空間を猛スピードでアクロバットに移動するジェット・コースターにのり、次々にやってくる膨大な情報量の波に打たれ、呑み込まれ、くぐり抜ける恐怖と快感。こういう圧倒的な語りを前に、一体どういう“解説”が可能なのだろう。全く途方に暮れてしまう」と心情を吐露されているが、まったく同感。マルケスの「語り」が上手すぎる。20世紀文学の金字塔を体験できて良かった。
※ガルシア=マルケスはコロンビア出身だが、リベラルな思想からコロンビアの独裁者ゴメス大統領や後継者ロハス・ピニーリャ将軍からにらまれ、この小説が刊行された60年代から70年代にかけて、メキシコやスペインで亡命生活をおくっている。ラテンアメリカの代表的詩人パブロ・ネルーダがチリの軍事クーデターで亡くなった時、マルケスは「(チリの)ピノチェト将軍の軍事政権が消滅するまでは新しい小説を書かない」と宣言している(その後、ネルーダ夫人の説得で独裁者の内面を描いた『族長の秋』を執筆)。

※マルケスの墓は母国コロンビアの一族ゆかりの地カルタヘナに。実家近くのカルタヘナ大学に付属するラメルセド修道院に胸像付きの墓があり、各国からファンが墓参に訪れている。僕がカルタヘナを訪れ聖ペドロ・クラベールの墓参をしたのは2003年、まだマルケスは健在だった。他界はその11年後。なんとか再びコロンビアを訪れ不世出の文豪に墓参したいもの。

  
(左)2003年当時のカルタヘナ。黄色やオレンジに壁を塗った家が多い
(右)海外サイトで見つけたマルケスの墓。この写真にめっさ感動した。『百年の孤独』の脇役に、マウリシオ・バビロニアという悲運の青年がいる。不思議な人物で、彼は常に黄色い蛾に取り囲まれていた。マルケスの墓の周囲を黄色い蛾が飛び交う幻想的な光景、その美しさに、何か薄幸だったマウリシオ・バビロニアの魂が救われたような気がした。
『百年の孤独』(アマゾン) 低得点レビューに「読み辛い」とありますが、それは最初の30ページくらいで、そこからは言葉のグルーヴ感が生まれてきて、あの「語り」のリズムが病みつきになります。しんどいのは最初だけ!登場人物の名前が似通っているのも確信犯で、混乱まで快楽になるというか、それもグルーヴをもたらします(笑)
●3月25日…〔今日の良かった〕私事ですが、子ども(小5)がゲームで初めて感動の涙を流しまし
た。それは『ドラゴンクエストV』。
「空を飛べるってなんて気持ち良いんだろう…行けなかったとこ全部行ける…この音楽も体がふわっとする」
そう言って、何度も涙をぬぐいながらゲームを続けていました。1988年、33年前の古いゲームです。最新美麗CGでなくとも涙腺を決壊させるドラクエV、恐るべし!

 
※このラーミアという大きな鳥に乗るまで、大変苦労をしたので、やっと乗れたという安堵感もあったのだと思います。
※僕はてっきり、ゲームで流す最初の涙は、仲間のために誰かが身を犠牲にするなど生死がからむシーンと思っていました。こういう、ただ大空に羽ばたくだけのシーンも子ども心に響くのですね。
●3月24日…〔今日の良かった〕いま一番面白い、というか見応えのある番組は、平日22時からのNHKBS1『国際報道2021』。他のニュース番組では短時間しか取り扱わない国際情勢をじっくり伝えてくれ、視野が広がる(この番組だけでもBSに加入する意味がある)。

先日、バイデン政権初の米国と中国の米中外交トップ会談があり、バチバチの論戦を伝える報道に見入った。大統領選前、一部トランプ支持派は「バイデンが大統領になれば中国に尻尾を振る」「バイデンは中国の手下」とデマを拡散していた。それに対しバイデン支持者は「バイデンは人権重視だからトランプ氏のように甘くない。トランプが中国に厳しくするのはお金が絡んだ貿易の時だけ」と反論していたが、まさにその通りになった。
米中会談初日冒頭からブリンケン国務長官は「我々は中国の行動に対する深刻な懸念について議論したい」と切りだし、「ウイグル、香港、台湾、サイバー攻撃、同盟国に対する経済的な威圧は、ルールに基づく秩序への脅威だ。この問題を提起するのが義務だと感じている」と言い切った。これに対し中国外交トップの楊(ヤン)共産党政治局員は米大統領選の混乱や連邦議事堂襲撃を念頭に「米国内の多くの人が自国の民主主義をほとんど信頼していない」「(深刻な黒人差別を例に)米国こそ人権などの面で多くの問題がある。ブラック・ライブズ・マター(黒人の命も大切だ)運動は最近始まったわけではない」と指摘、双方が非難を繰り広げる大荒れのスタートに。ブリンケン氏は「我々も完璧ではないし間違いも犯すが、問題を無視したり隠したりせず、正面から向き合ってきた」などと反論し、楊氏も「これがあなたたちの対話のやり方か。外交儀礼を守るべきだ」と気色ばんで反発した。予定では10分の冒頭発言が1時間超に延長された。
「ウイグル、香港、台湾など議論したい」 「米国民は自国の民主主義を疑っている」

一方、米露もぶつかっている。ロシアでは野党指導者や反プーチンのジャーナリストが次々と怪死し、近年も野党のナワリヌイ氏が毒殺されかけた。バイデン氏は米ニュース番組のインタビューで、記者から「プーチンは殺人者だと思うか」と問われ、「はい、思います」と明言。さらに「その代償は近々わかるでしょう」と続けた。ロシアの人権弾圧に目を瞑ってプーチン氏と蜜月だったトランプ氏とは大違い。これに対するプーチン氏の声明は「アメリカ大統領の健康をお祈りする。これは社交辞令ではない」。毒殺未遂があったばかりなのでこのメッセージは怖すぎだ。続けてプーチン氏は「米国こそ殺人者だ。米国は広島と長崎に核兵器を使った。これは軍事的には全く無意味で民間人の虐殺だった」「米国は先住民に対する虐殺や奴隷制度を棚上げにして他国を非難している」と指摘、これは実際その通りであり米国はぐうの音も出ないだろう。ただロシア(旧ソ連)は終戦のどさくさに攻めてきて北方領土を奪ったのでそれをスルーしてるのは違和感ある。
「プーチンは人殺しか」「そう思う」 「米国は世界で唯一原爆を使った国だ」
とにもかくにも、急務である気候変動対策は大国間で協調が必須であり、対立してでも譲れない部分はそれとして、協調可能な部分を積極的に話し合う必要がある。幸い、米中露は険悪な空気の中でも「対話こそ重要」と基本姿勢を打ち出しており、人類全体にプラスになる着地点を目指して欲しい。
●3月23日…〔今日の良かった〕
「自分の命と作品を天秤にかけたら作品の方が上なんです」(庵野秀明)
「庵野は血を流しながら映画を作る」(宮崎駿)
昨夜のNHK『プロフェッショナル 庵野秀明SP』、本当に見て良かった。エヴァンゲリオン完結編がなかなか公開されなかったため、産みの苦しみの中にいるのかなと予想はしていたけど、あれほど七転八倒していたとは。
初めてカメラが最深部まで入ったエヴァの制作現場。ありきたりな表現やアングルではダメだと、「つまらない」「これじゃない」と、満足のいく絵にたどり着くまで探究を続ける庵野氏(60)。何度も台本が練り直され、挙げ句にはそれまで出来ていたものを全部白紙にしてゼロから再開、その繰り返し。スタッフは混乱する一方で「いつものことです」と達観。
庵野氏への密着取材は4年間に及び、これは2006年の放送開始以来、この15年間で最長とのこと。
1996年のテレビ放送後、最終回を見た否定派の視聴者が「庵野は作品を投げ出した」と酷評、庵野氏はネット上の書き込みに《庵野秀明をどうやって殺すかを話し合うスレッド》とあるのを見て、「それを見てもうどうでもよくなって。アニメを作るとか、そういうのはもういいやって」と、アニメ制作への熱意を失い、自死を2度考えたという。1度目は電車への飛び込み、2度目は会社の屋上からの飛び降り。苦悩する庵野氏を見て、ジブリの鈴木プロデューサーが実写映画の製作を勧め、しばらく映画を撮っていた。
やがて「エヴァを終わらせる義務がある」と新劇場版シリーズ3作を発表したが2012年の3作目の『Q』公開後、うつ状態になって4年間エヴァから距離を置くことになる。自身が監督した『シン・ゴジラ』(2016)が大ヒットした後、エヴァ完結編の製作が再開。絵コンテを使わず、俳優を実際に演技させて最高の動きを絵に起こすという実験的な手法をとる。理由は「自分で絵コンテを描くと、それ以上のもの(動き)が生まれないから」。苦闘に次ぐ苦闘が続く、稀代のクリエイターの実像に迫る75分スペシャルだった。
※『ナウシカ』のクライマックスで20代の庵野氏が担当した溶ける巨神兵の咆哮と攻撃は、何度見てもすごい迫力。
「自分の命と作品を天秤にかけたら作品の
方が上なんです」、これ大袈裟ではなかった
この駅、このベンチ!完結編を
観た人はこのカットに胸熱かと

//深夜2時7分からBSプレミアムでベートーベンの光輝く傑作『ピアノ協奏曲第5番“皇帝”』をピアノ界のカリスマ、クリスティアン・ツィマーマン(当時33歳)が演奏。1989年の貴重なライブ映像で、指揮のレナード・バーンスタインは翌年に他界。ウィーン・フィルの音色も美しい。※YouTubeにもあります https://www.youtube.com/watch?v=uj8w0Sm7l-M
●3月22日…〔今日の良かった〕日本音楽著作権協会(JASRAC)が音楽教室のレッスンで演奏する生徒の演奏にまで著作権料を支払うよう求めていた問題で、18日の知財高裁が「生徒の演奏には著作権が及ばず、JASRACに著作権料の請求権はない」と判断、よかった。生徒の演奏は自らの技術の向上が目的であり、収益を目当てにした行為じゃない。こんなとこまで著作権料が求められると、音楽という芸術そのものが生活から遠いものになってしまう…。
一方、講師の演奏は著作権が及ぶと判断された。講師の演奏は生徒(公衆)に聞かせるのが目的であり、生徒からは授業料を徴収しているため、支払い義務が命じられた。判決後、JASRACは記者会見で「結果を承服することができない」と上告を検討とのこと。う〜ん、上告しないでほしい。講師は有料、生徒は無料でいいやん!
●3月21日…〔今日の良かった〕地域住民の提訴から9年、東海第二原発(日本原子力発電)の運転差し止めを命じる判決を水戸地裁が出した(18日)。画期的だったのは、初めて「住民の避難計画の不備」が理由になったこと。
過去に耐震性など安全面が運転差し止めの理由になることはあったけど、今回はずさんな避難計画が問題に。福島の東電原発事故では車で逃げる際に渋滞になり、避難に時間を要した。水戸地裁は「原発から30キロ圏内に住む人の避難計画が十分ではない」とし、避難計画の実効性がないところでは原発は運転できないと指摘。他の原発にしても、渋滞や道路の寸断など起こりうる障害をトコトン考えているか疑わしく、確実に他の原発訴訟に影響を与えるであろう重要判決となった。

//「ルパン三世」「未来少年コナン」「じゃりン子チエ」などで作画監督を務めた名アニメーター、大塚康生さんが15日に他界。享年89。元麻薬取締官事務所勤務という異色の経歴。日本初のカラー長編アニメ「白蛇伝」や「長靴をはいた猫」などを手がけ、後輩として東映に入ってきた宮崎駿、高畑勲の才能を見いだした両名の師匠的存在。「ルパン三世 カリオストロの城」の原画など素晴らしいアクションの数々を手がけた名匠。哀悼の意を表します。
●3月20日…〔今日の良かった〕なんとも夢が広がるニュース。世界初の宇宙ホテル「ボイジャー・ステーション」が2027年に開業予定との報道!ホテルは24のモジュール(部屋)からなる輪の形状をしており、回転しながら地球を周回(輪を回転させることで人工重力を発生)。キューブリック監督の「2001年宇宙の旅」に登場した宇宙ステーションとそっくり。ステーションの中心付近に来ると重力はなくなり、ステーションの外側にいくにつれて重力を感じるようになる仕組み。
「ボイジャー・ステーション」は、バーやレストランのほか、地球では不可能なことをして楽しむ娯楽サービスを用意、滞在者は普通にベッドやシャワーを楽しめる予定とのこと。

…って、2027年といえばわずか6年後じゃないか!僕はこういう話が出てくるのは20年先と思っていた。1度に400人も滞在できるといい、びっくりだ。計画企業のトップいわく「人々に宇宙旅行の黄金期がすぐそこまで来ていることをわかってもらいたい。早いスピードで近づいている」。
※とはいえ、初期宇宙ツーリズムは極めて高額、ヴァージン・ギャラクティックは準軌道宇宙飛行の乗客に1人1回の旅行で25万ドル(約2700万円)の価格設定を考えている。いったい宿泊代は幾らになるのやら(汗)。ただ、ボイジャー・ステーションのチームは「最終的にはクルーズ船での旅行やディズニーランドに行くのと同じ感覚で泊まれるようにしたい」と抱負を語っており、早く安くなるよう切望!

  
CNNが報道した宇宙ホテル「ボイジャー・ステーション」完成予想図
●3月19日…〔今日の良かった〕NHK(BS)の放送ラインナップにクラシックファンは狂喜乱舞。明晩から6日連続で、貴重なコンサート映像やオペラ映画のラッシュ!これ全部DVDで買い揃えたらどれだけかかるか。嗚呼、ありがたや。

3/20(土)
・23時57分BSプレミアム『伝説の名演を再び!3大テノールコンサート』…31年前、1990年ローマ・カラカラ浴場で開催された「世紀のイベント」が甦る。ホセ・カレーラス、プラシド・ドミンゴ、ルチアーノ・パヴァロッティ、3大テノール奇跡の共演を放送!プッチーニやヴェルディのオペラの名曲だけでなく、『ウエスト・サイド・ストーリー』の「トゥナイト」、『キャッツ』の「メモリー」といったミュージカルナンバー、「オー・ソレ・ミオ」「アマポーラ」 「黒い瞳」「帰れソレントへ」などの親しみやすい曲も熱唱。めったに放送されない豪華コンサートの90分!
3/21(日)
・23時20分BSプレミアム『ミラノ・スカラ座 新シーズン開幕ガラ』…スカラ座が総力を結集して開催した2020年12月のガラ公演。ロベルト・アラーニャ、イルダール・アブドラザコフ、スカラ座ゆかりのスター達が披露した名アリアの数々と優美なバレエ。
3/22(月)
・24時45分BSプレミアム『伝説の名演を再び!ヴェルディ「レクイエム」』…1967年に収録されたカラヤン指揮ミラノ・スカラ座管弦楽団のヴェルディ「レクイエム」。パヴァロッティ、コッソット、ギャウロフ、プライスという名歌手たちとの深みのある名演。
・深夜2時11分BSプレミアム『伝説の名演を再び!クレーメルが弾くブラームスのバイオリン協奏曲』…若き日のクレーメルがバーンスタイン指揮ウィーン・フィルと共に繰り広げる白熱の演奏。1982年収録。
・深夜2時53分BSプレミアム『伝説の名演を再び!ツィマーマンが弾くブラームスのピアノ協奏曲第2番』…ツィマーマンとバーンスタインによるいぶし銀の演奏。1984年収録。
3/23(火)
・24時45分BSプレミアム『伝説の名演を再び!ツィマーマンが弾くベートーベンのピアノ協奏曲第3番・第4番・第5番「皇帝」』…1989年に収録された孤高のピアニスト、ツィマーマンと晩年のバーンスタイン指揮ウィーン・フィルの共演!この「皇帝」は特に名演です!!放送してくれるなんて夢みたい!!
3/24(水)
・24時45分BSプレミアム『伝説の名演を再び!ヴェルディ歌劇「リゴレット」』…シャイー指揮ウィーン・フィルとパヴァロッティ、グルベローヴァほか名歌手たちによるオペラ映画の傑作(1981年収録)
3/25(木)
・24時45分BSプレミアム『伝説の名演を再び!プッチーニ歌劇「蝶々夫人」』…フレーニ、ドミンゴら20世紀を代表する名歌手たちがカラヤン指揮ウィーン・フィルの演奏にのせて歌うオペラ映画(1974年収録)
●3月18日…〔今日の良かった〕札幌地裁で画期的な判決が昨日出た。“同性婚が認められないのは「婚姻の自由」などを保障した憲法に反する”として、北海道の同性カップル3組が国に損害賠償を求めた訴訟で、地裁は「同性婚を認めない民法や戸籍法の規定は、法の下の平等を定めた憲法14条に違反する」と初判断を示し、「婚姻で生じる法的効果の一部すら受けられないのは、合理的な根拠を欠いた差別だ」と述べた。
民法などは、婚姻は異性間でなければできないと規定するが、判決では「(性的指向は人の意思で選択や変更はできず)性別や人種などと同様のもの」と指摘。同性カップルも「(相続権など)婚姻で生じる法律上の利益は等しく受けられるものだ」とした。

自治体レベルでは同性カップルの権利に配慮した施策が渋谷区など80近い地域にあるものの、法的拘束力はないため、パートナーとして登録されても、配偶者控除、医療費控除の合算、相続税の優遇、養子の共同親権などは認められない。
海外では既に約30の国・地域が同性婚を認めており、主要7カ国で法整備が手つかずなのは日本だけ。日本人と同性婚した外国人は来日しても配偶者ビザを得られず、身分が不安定になっている。今回の原告たちは、同性婚が法律で認められるよう立法化を求めていくとのこと。

原告団のコメント
「違反するとはっきり言ってくれて涙が出た。本当にいい判決を出してくれた。明日結婚できるわけではないので頑張っていきたい」
「この2年間、裁判官に話したこと、心を込めて判決文を読んでくれた。一生忘れない」
「夢のようです。国が真摯にとらえて、検討してほしい」
「感動しました。日本が変わる第一歩になってほしい」
●3月17日…〔今日の良かった〕インド政府がビットコインなど暗号資産(仮想通貨)を禁止する方針を打ち出した。ビットコインなど仮想通貨は、犯罪組織がマネーロンダリング(資金洗浄)に容易に利用でき、決済の度に大量の電力消費が必要で気候変動問題を悪化させるうえ、社会が多用すると深刻なサイバー攻撃を受けたときに大混乱に陥ることから、僕は過度な普及を危惧していた。インドが検討している法案では、取引だけでなく、国内で保有することも禁じるという。既に所有しているインド国民は、半年以内に売却する義務が生じ、従わなければ罰則が科せられる予定。法案が成立すれば、インドは主要経済国として初めて暗号資産の保有を禁止することになる。中国はマイニングと取引を禁止しているが、保有は禁じていない。
30年後、世界のGDPランキングは中国、インド、米国の順とみられている。インドが禁止して他国が続けば、過度な普及は抑制されるだろう。

※ビットコインの電力消費問題…ケンブリッジ大の調査によるとビットコインの年間電力消費は55.33Twh(テラワット時)と推計されており、この消費量はひとつの国家、イスラエルやチリなどの年間消費電力以上となる。ビットコインはたった1回の取引で707.6 Kwh(キロワット時)の電力を消費し、これは米国の平均的な家庭の3週間強の消費電力に相当する。
ビットコインが1回の取引で生み出す二酸化炭素は、Visaカードの約75万回分(!)の決済が生み出す二酸化炭素の量に匹敵する。
背景にあるのはマイニング(採掘)。これはビットコインの取引データを承認する作業で、他人より早く承認を行うことで報酬としてビットコインを受け取ることができるため、企業や国家が膨大な電力を使って大量のコンピューターを動かし、マイニング競争に血道を上げることによる。価格が高騰するとビットコインマイニングはさらに活発になる。
決済の度に大量の電力消費が必要になるのに、数十億人が使い始めたらどうなるのか。環境保護のため電力消費を抑える努力と逆行、その環境的な負の側面は計り知れない。
●3月16日…〔今日の良かった〕政府が明確にアイヌ民族への差別にノーの声明を出したことに拍手。しかも対応が早かった。「アイヌ」とは“人間”を意味する言葉だけど、12日放送の日本テレビ『スッキリ』でアイヌ民族のドキュメンタリー後の謎かけで「あ、イヌ」と犬のイラスト付きで芸人さんが発言。この芸人さんにも、犬の絵を描いた人も、字幕テロップを付けた人も、もちろん悪意はない。でもこの言葉は、アイヌ民族が和人から長年侮蔑的に、そして典型的なイジメの言葉として使われてきたもので、トラウマを呼び起こすタブー中のタブーのものだ。
※アイヌの権利回復に取り組む「コタンの会」代表の清水裕二さん「小学生のころ、まさにその言葉で後ろ指をさされ笑われた。まさか全国放送で流れるとは。怒りで体が震えた。差別の芽は常にある」。

コトが深刻なのは、当該コーナーは録画パートであり、オンエアまでに多くの人間が関わっていること。民族名に「犬」という言葉をかける行為の差別性に、番組では誰も気づけなかった。後日、MCの加藤浩次氏は「私は自分が北海道出身であるのにその場で指摘できなかった」と悔いた。

加藤勝信官房長官は15日の記者会見で、「アイヌの人々が先住民族であることを知っているとの回答が91%になるなど国民のアイヌの人々や文化についての理解は深まってきている」「(その中で)アイヌの人々を傷つける極めて不適切なものであり、誠に遺憾だ」「報道のあった先週12日には担当部署を通じて日本テレビに厳重な抗議を申し入れた」と明かした。そして「アイヌの人々がいわれのない差別を受けない社会全ての国民が相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に向け、アイヌの歴史、文化などに関する教育活動や広報活動などを通じ、国民の理解を深めるよう引き続き努力する」と述べた。

ネット上では一部保守右派が「アイヌは存在しない」論を展開しているけど、加藤官房長官はそれを政府見解で完全否定した形になった。これを立憲共産など野党ではなく自民が言ったことがホント重要(野党が言ってもなかなか耳を傾けてくれない)。かつては自民議員から「単一民族」発言が飛び出したことを考えると、今回の官房長官の声明は隔世(かくせい)の感がある。菅内閣の功績として記憶しておきたい。

※アイヌの苦難の歴史と、19歳で夭折したアイヌ文化伝承者・知里幸恵さんの生涯をまとめた『あの人の人生を知ろう〜アイヌの光となった知里幸恵』編を新たにアップしました!前から書きたかったテーマでもあり、できるだけわかりやすく記したつもりです。よろしければ是非!
●3月15日…〔今日の良かった〕本日グラミー賞の授賞式が開かれ女性ミュージシャンが大活躍、主要4部門を独占。テイラー・スウィフトは史上4人目となる、3度目の最優秀アルバム賞受賞者となった。テイラーは白人保守層がメインリスナーのカントリーポップ界にあって、大統領選では民主党バイデン支持を公言、トランプに「がっかりだ」と言われながらもリベラルな姿勢を明確にし、言うべきことを言ってきた。この『フォークロア』は夜半に静かに耳を傾けたくなる、落ち着いた楽曲が並ぶ。堂々の最優秀アルバム。レコード賞のビリー・アイリッシュ「エブリシング・アイ・ウォンテッド」はオフィシャルPVが切ないのに感動もあり…あれは心に残る。

最優秀アルバム賞…テイラー・スウィフトの「フォークロア」※作詞作曲もテイラー
https://www.youtube.com/watch?v=THzUassmQwE (68分)
レコード賞…ビリー・アイリッシュの「エブリシング・アイ・ウォンテッド」※再生回数2億回!助手席の男性は彼女の兄フィニアス。YouTubeの字幕ボタンを押すと日本語訳が出ます。
https://www.youtube.com/watch?v=EgBJmlPo8Xw  (4分48秒)
楽曲賞…ハーの「アイ・キャント・ブリーズ」※ジョージ・フロイドの言葉
https://www.youtube.com/watch?v=E-1Bf_XWaPE (4分46秒)
新人賞…ミーガン・ジー・スタリオンが受賞。
また、4部門を受賞したビヨンセは通算受賞数が28回となり、女性アーティストとして歴代最多になった。

//2月12日から始めたダイエット大作戦、ちょうど1か月の3日前、体重が72.9kgから68.9kgのジャスト4kg減に。1か月で4kgって我ながら夢のようだ。このペースだと、4月12日に64.9kg、5月12日に60.9kgで四半世紀前の体重に戻る。理論上はそういうことになるけど、ほんとにそんな数字が実現するのかねぇ。友人が言っていた「“お腹がすいた!”という胃袋の信号は半分以上が“喉が渇いた”の勘違い、水分とるべし」というのは本当と思う。
★無理しないダイエット作戦
(朝)野菜ジュース(いくら飲んでもいい。ただし果汁なし)
(昼)野菜サラダと鳥の胸肉(野菜いくら食べてもいいけど、
ドレッシングはノンオイル)
(夜)好きなものを食べる(なるべく白米なし、欲しい時は茶碗半分)
(おやつ)カカオ85%のブラックチョコ、昆布、ノンジュガー飴、ガム
※つらいのは大好きなパンが食べられないこと。とろけるチーズのせたパンとか、デニッシュ系(メイプルシロップかけ)とかめっちゃ食べたい…。
●3月14日…〔今日の良かった〕日本のダンスグループ“シットキングス”が、チャップリンの傑作『独裁者』クライマックスに登場する大演説に振付をつけた動画(3分55秒)を友人に教えてもらい、そのクオリティーに見入った!動きのキレ、シンクロ率が優れているだけでなく、ダンスの題材に民主主義の大切さをうたったチャップリンの演説を選択したセンスが素晴らしすぎる。シットキングスは米国のダンスコンテストで2年連続優勝してブレイク。
※反戦コメディ『独裁者』はヒトラー、ナチスを風刺した作品。オリジナルの演説シーンはコチラ(6分)。チャップリンはドイツがポーランドに侵攻し第二次世界大戦が始まった1939年9月に撮影を開始、翌年に完成。その時点で米国はまだ参戦しておらず、米国内のナチス支持者から脅迫や妨害を受けながら撮影を続けた。チャップリンとヒトラーは同年同月生まれ(チャップリンが4日だけ早く誕生)、黒髪、小柄、トレードマークがチョビ髭という共通点があり、彼はヒトラーの動向をずっと注視していたという。笑いを武器にファシズムと戦った、わが人生第一位の映画。

●3月13日…〔今日の良かった〕女性議員を増やそうと2018年に施行された「候補者男女均等法」は男女の候補者数をできる限り「均等」にするよう政党に求めているが、努力義務にすぎない。それゆえ、超党派議員連盟が起ち上げられ、以下の法改正ポイントを検討中。各党の理解を得られれば、今国会にも改正案を提出したい考えとのこと。実現するといいな。
<候補者男女均等法>
・女性候補割合の数値目標設定を政党に義務づける
・セクハラ、マタハラ防止について国や自治体に相談体制整備などの対策を求める
・議会の欠席理由に育児や介護を含めることなど家庭との両立環境を整備する
<政党助成法>
・女性候補割合で政党交付金に差をつける仕組みの導入
<公職選挙法>
・衆院選の比例復活の際、男女交互に当選できるようにする制度の導入
※ちなみに、19年の参院選では、共産が候補者に占める女性の割合が5割を超え、立憲も半数に迫ったが、自民は15%にとどまっている。意外なのが公明党で、学会婦人部が強い影響力を持つものの、女性割合は主要政党のうち最低のわずか8%となっている。自民ですら約2倍あり、ここは是非、公明支持者の間で男女均等にすべきという声をあげてほしいな。

//中国の2021年の国防予算案が今年の全国人民代表大会で示され、過去最大規模かつ前年比約7%増となる約23兆円に。日本の防衛費の4倍。米国防総省は昨秋の報告書で、中国海軍の艦艇数がすでに米海軍を上回ったと指摘している。
とはいえ、米国の国防費は約83兆円であり、中国側の「我々の人口は14億人で米国3億人の5倍近くいる。だが、軍事費は米国の3分の1以下しかない」という言葉に、米国は反論できていない。辟易するのはその他の国だ。いま世界は気候変動と食糧問題、さらにコロナ禍を抱えており、本来なら軍事費に予算を回している余裕などないはず。その全額を医療と福祉に投入すべきなのに…。

かつての米ソの軍拡競争を思わせる米中の軍拡競争にうんざりなのに、日本は世界一の軍事大国アメリカと、ナンバー2の中国の間にあるというトンデモ立地ゆえ、この先の数十年、常に国際間の緊張に晒されることになるだろう。永遠に共産党支配は続かないから、いつか中国も民主化されるだろうが、それまで日本は難しい立場が続く。
90年代後半は、ソ連の民主化で世界的に軍事費が減っていたのに、911同時多発テロで対テロ戦争の名の下に軍拡に転じ、過激派イスラム国を倒したと思ったら、今度は米中の新たな冷戦が始まった。一番喜んでいるのは、武器がどんどん売れる死の商人。異常気象もコロナも、人類に今までと異なる方向に社会を変えよと示唆しているのに。ほんと、もどかしい。

//中国といえば、いよいよ香港情勢が危機に。一昨日、共産党の主導で香港の選挙制度改変が断行され、「非愛国的」とみなした立候補者を事前にふるい落とす「候補者資格審査委員会」の設置が決まった。その内容は、《選挙委員、行政長官選、立法会選の候補者の資格を審査。「愛国者」でなければ立候補を認めない》というもの。それ、「愛国者」ではなく「愛党者」だろとツッコミたい。
普通選挙の実現を目指してきた民主派は、生き残れるかどうかの瀬戸際に。愛国だからこそ、民衆の思いが政治に反映されるよう民主化を求めているのに。誰が愛国で誰が愛国でないかを、弾圧側の人間が判断する悪夢。ウイグル族
弾圧を行ったり、ミャンマーで市民殺害を続ける国軍と親密な中国には各国から抗議が集まっており、来年の冬季五輪・中国大会を中止にして、別の国で開催すべきという声が出てきている。
●3月12日…〔今日の良かった〕海外ゲストが参加する規模の国際フォーラムは、たいてい東京で開催されるため、入場料が無料でも地方の人間は気軽に参加することができない。だけど、コロナ禍でズーム会議(ネット会議)が浸透したことで、大阪の僕も、北海道の人も沖縄の人も、リアルタイムで会場のスピーチを聞けるようにイベント形式が変わってきた。
震災10年の昨日、東京永田町の憲政記念館で開催された『原発ゼロ・自然エネルギー100世界会議』は朝10時から夜10時まで12時間にわたって催され、75本の企画、登壇者100人以上という、空前の規模になった。これらはオンタイムで中継されたほか、現在は特設ページにてアーカイブ動画として視聴することができる。

僕が最も注目したのは、13:45から45分間あった、元・京都大学原子炉実験所助教の小出裕章さんの基調講演「原子力マフィアの犯罪」(動画)。震災直後、小出さんは原子力の専門家として、設計上の問題や放射能被害について警鐘を鳴らしていた人物。当初はテレビメディアに出ることもあったけど、民主党政権が原発再稼働を打ち出したことで、メディアの露出は激減した。その小出さんの最新の講演ということで心して傾聴。
小出さんは限られた時間の中で様々な情報を伝えられ、とても聞き応えがあった。小出さんは元々原子力の有効利用を夢見て科学者になった。ところが、原発一基が一年間に広島型原爆1,000発分以上の死の灰(放射性物質)を作り出すことを知り、またその死の灰を安全に10万年も保管できる場所も技術もないという事実を前に、脱原発に舵を切った。
近年、温暖化にからめて原発の必要論が再燃しているが、原発稼働には大量のウランが必要なのに、ウラン埋蔵量は少ない。「化石燃料が枯渇するより先にウランがなくなる」ため、原発は「次世代エネルギーになり得ない」と小出さんは指摘。しかもウランがなくなった後も、猛毒の放射性廃棄物は何万年も残る。

小出さん「国民が法律を破ると国家は処罰する。ならば、国家は法を守れ。日本には放射線管理区域から1uあたり4万ベクレル以上の放射能汚染物質を管理区域外に持ち出してはならない、という法律がある。だが、福島県の東半分を中心に北関東の一部まで4万ベクレル以上汚染された土地に人が住み続けている。法的には放射線管理区域となる場所に、国民を生活させてはいけない」。
後半は東電の無責任体質への怒り。東電は政府の地震調査研究推進本部による津波の予測を無視し、また格納容器が壊れる事故も想定不適当として無視した結果、破局的事故を招いた。だが、責任者は「想定外」と言い訳し、誰ひとり処罰されていない。そればかりか、新たに被爆安全神話を流し、かつては放射能を扱う職業者にのみ適用されていた「年間限度20ミリシーベルト」を子どもに適用している。これらの理不尽さを語った。こんなことでは、また原発事故が繰り返されると。

他にも小出さんからいろいろ語られたが、現在そこで暮らしている人のことを考えると、すぐに解決できない問題を書くことにためらいが生じる…。小出さんの講演のあとは小泉元首相が登壇、海外の原発視察の経験を踏まえて放射性廃棄物の処理と保管の難しさを説き、脱原発の急務を訴えた。最後に鳩山元首相、菅直人元首相が合流し、鳩山氏が「久しぶりに小泉節を聞いた。脱原発で政党をつくって党首になっていただければ、参上したい」とし、菅氏は「この10年間で原発が発生した電力は、全体の電力のたった3%、原発は建設コストが3倍になった。使用済み燃料の処理はできない。将棋でいえば完全に投了の場面なのに、投了しないと言って原子力村が頑張っているだけだ」と指摘した。

夜の部では、コロナ禍を封じ込めた台湾のデジタル担当大臣オードリー・タン氏のビデオメッセージが流れ、タン氏はカナダのミュージシャン、レナード・コーエンの次の言葉を紹介した。
『まだ鳴る鐘を鳴らせ。完璧な提案には目をくれるな。あらゆるものに裂け目はある。そこから光は差し込むのだ』、“裂け目”とは私たち自身の人間性に他なりません。私たちはその“ズレ”を通じて学び成長するのです。それが私たちの社会変革やオープン・ガバメント(開かれた政府)の取り組みを促進します。だから“裂け目”や“ズレ”をのぞき込むことを恐れてはなりません。『不完全』であることを受け入れるのです、“光”はそこから差し込むのですから」。
※東日本大震災が起きた時間に、慰霊の歌を歌った旧ソ連のナターシャ・グジーさんの透明感のある声に癒された。彼女のチェルノブイリでの体験も胸に迫った。少女時代、チェルノブイリの近くに住んでおり、事故が起きたとのこと。動画の6分10秒から。






ウランの重量比較。原爆と原発一基1年分 党派を超えて握手

●3月11日…〔今日の良かった〕Eテレの人気番組『100分 de 名著』のディレクターは、考えたうえで東日本大震災10年の直前となる3月8日の放送回に、日本民俗学の創始者・柳田国男(1875-1962)の『先祖の話』(1946)を持ってきたのだと思う。僕の大好きな一冊でもある。解説は東京工業大学の若松英輔(えいすけ)教授。司会は伊集院光さんと安部みちこアナ。以下、番組メモです。

天災などで突然愛する人を失った悲しみを抱えて暮らす人は、その苦しみの中でどう死者と向き合えばいいのか。この『先祖の話』は、東京大空襲を体験した柳田国男が、一夜にして人生を終えることになった10万人の死に衝撃を受け、生者と死者の関係を考察したもの。大切な人の突然の死に、どう折り合いをつけて生きて行けばいいのか掘り下げた。
柳田は長年の民俗学研究を通して、日本人は「死者は目に見えなくともそばにいると感じているのではないか」と思うようになった。仏教では生者と死者を分け、盆や彼岸に故人がこの世に帰ってくるとするが、より一般的な日本人の感覚では、死者はふとした瞬間に語りかけてしまうような「常に側にいる」「日頃からひんぱんに交流している」存在なのだという。これは常人(民衆)の常識、つまりどこにも書いていないけれども、みんなで大事に守っているものといえる。

柳田は、「先祖」とは生者の記憶の中だけに存在するのではなく、見えないけれども常に生者の心に寄り添い続ける「生ける死者」と考えた。一番大事な死者の“仕事”は生者を守ること。
幽霊やオカルトとは別に、そして死後の世界や霊魂があるかないかとは別に、自分の事業が孫の代で完成すると予想したり、死後に実を結ぶことに種を蒔いておくなど、「生きている間に出来ないようなことを、亡くなってからこそ自分はやってみたいと思っている」、そんな命の在り方もある。
※カジポン完全同意で、芸術家は未来を見据えて創作する人が少なくない。文豪スタンダールは「50年後の読者に向けて筆をとる」と書き、ベートーヴェンも鍵盤が増えた未来のピアノを念頭に作曲した楽曲がある。

若松教授は『先祖の話』を通して、「お墓は生者と死者の待ち合わせ場所。確実に会える場所、それがお墓」と感じるようになったという。伊集院光さん「僕は死後の世界はないと思っているけど、お墓参りは必要と思っている。それはセルフカウンセリングの場になり、自分では答えが出ないことを、故人ならどう言ったかと(墓前で)考えるときに、ご先祖様は手助けしてくれる」。

東京大空襲では一家全員が亡くなってしまうケースもあった。家がなくなってしまったら、亡き者たちはどこへ帰って行けばいいのか。この問いこそ、柳田が同書を書かねばならないと考えた動機。柳田は「私たちは新しい家を作っていかなくてはならない」と訴える。それは血縁でなくてもいい。“亡き者たちとの繋がりを豊かに持ちうる共同体”を作ることが大切。
若松教授「私たちは目に見えるものを確かだと思いがち。柳田はそうではないと、“生者と死者の繋がりが確かなように、目に見えないからこそ確かだという世界があるんじゃないのか”と、それが彼から私たちへの問いかけ」。

若松教授「宗教とは、どの宗教も“私たちの言うことを聞かなければ”と言いがち。しかし私たちと亡き者との関係はそれ以前なので、もっと自然にあって良い。死者のコトバは言語ではなく、声ではない。私たちの耳に聞こえることもなく、目に見えることもない。だけど、私たちの胸に訴えてくる何ものかだ。心の耳に沈黙として聞こえてくるものだと思うんです」。
大切な人の死は耐えがたく悲しい出来事。しかし死者のコトバを聞くことで私たちは悲しみの経験の奥に、死者との終わることのない繋がりを見出すことが出来るのではないか。

悲しみから立ち直れない場合はどうすればいいか。若松教授「世の中は、悲しみは乗り越えるものとして語られることが多い。悲しみとは深めていくもの。本当に悲しいと思うのであれば、あなたがそれを愛したから。とても悲しいことを経験した人は、他人の悲しみも分かるようになる。東日本大震災はとても大きな悲しみを生んだ。でもそれで終わりではなく、大きな悲しみを背負ったがゆえに、愛を生む人が増えたと思っています」。
伊集院光「もしかしたら、被災地の人たちが感じた、速報値で亡くなった方のカウンター(数字)だけが増えていくあの感じ、私の好きな人が死んだのは何千人死にましたという数字ではないんだという気持ちを心から分かった人は、コロナで今日何人亡くなりました、死者の数が増えてます、減ってますみたいなことに対して、もっと深いところでその意味を感じていると思うんですね。ならば、僕らはその時どうして欲しかったかを聞くことで、補償のあり方とか情報の伝え方を学べるのではないかと思いました」。(以上)

 

「死者は生者を支え、そばで生き続けている」
「感じているけど言葉になっていないものが人々の中にある」

僕は墓マイラーとして、この柳田国男の死生観を全肯定したい。いつもそう感じているし、だからこそ墓巡礼を続けてきた。

※『先祖の話』は墓石業界では勉強会でよく採り上げられ、広く知られている。
●3月10日…〔今日の良かった〕日本ではあまり大きく報道されていないけど、史上初となるローマ教皇のイラク訪問に激感動している。「私は異教徒の兄弟の友愛を求める巡礼者として赴く」、この声明とともに、教皇フランシスコ1世(84)は3月5日から8日までイラクに滞在し、国内を精力的にまわった。ファイザーのワクチンを接種した教皇は、コロナ・パンデミック以降で初めての外遊の地にイラクを選んだ。
最初にバグダッドに入った教皇はサーレハ大統領の歓迎を受け、大統領府の演説で「(古代メソポタミア文明を生んだ)文明のゆりかごのイラクを訪問できて非常に嬉しい」と喜び、「軍事衝突が収まり暴力と過激主義、摩擦と不寛容が終結しますように」と祈った。
続いて、2010年にテロ攻撃で52人の信者と警官が亡くなったバグダードの教会でミサを行い、イラク国内の少数派キリスト教徒に触れ「この土地には古くからキリスト教徒が存在し、この国の生活に貢献している。その豊かな遺産を、今後も全ての人のために使いたいと、キリスト教徒たちは願っている」と話した。
イラクにはキリストが磔刑となった1世紀ごろから早くもキリスト教が根付いているが、相次ぐ戦乱と過激派組織「イスラム国(IS)」の暴力によって、イラクのキリスト教徒はこの20年で140万人から25万人以下まで激減、人口の1%以下となった。イスラム国は教会を破壊し、キリスト教徒に高額の税金を支払うか、改宗するか、土地を離れるか、死ぬかの選択を迫った。イラクのキリスト教徒は、教皇の訪問によって差別がなくなるよう願っているという。

6日は、シーア派の聖地ナジャフ(イラク南部)に移動し、イスラム教シーア派(イラク最大勢力)の最高権威の聖職者アリ・アル・シスターニ師(90)と会談。教皇は「異なる宗教間の協力と友情の重要性」を指摘。「相互に尊敬と対話を育むことでイラクと地域、人類の利益に貢献できる」「我々はイラクやこの地域のよりよい未来に貢献できる」と訴え、宗教や宗派を超えた連帯の必要性を強調した。シスターニ師も「宗教指導者は戦争や暴力といった悲劇をなくすための役割を負っている」と述べ「他のイラク人と同じく、キリスト教徒も安全かつ平和に暮らすべきだ」と考えを示した。
この会談後、フランシスコ教皇は、キリスト教、イスラム教、それにユダヤ教の始祖とされるアブラハム(神に救済された最初の人間)の生誕地、南部ウルを訪れて各宗教の指導者と対話集会を開き、宗教間の融和を訴えた。

7日は、イスラム国(IS)が“建国宣言”を行い最大拠点としていた北部モスルを訪問。モスルは2017年、同市の支配をめぐる9カ月の戦闘で完全に破壊された。教皇は瓦礫の中に立ち、「文明発祥の地であるイラクがこれほど野蛮な打撃を被り、古代の礼拝の場が破壊され、何千人ものイスラム教徒やキリスト教徒、ヤジディ教徒らが住む場所を追われたり殺害されたりしたとは、何と残酷なことか」「希望は憎しみよりも強く、平和は戦争よりも強い」と宣言、異なる出自や文化を持つ人々の「調和ある共存」を訴えた。
84歳という高齢の教皇フランシスコ1世のこの旅の最大の目的は、異なる宗教間の融和と協力の呼びかけ、そしてISから解放された地域を訪問し、虐殺や奴隷化の対象となった現地のキリスト教社会を癒すことにあった。いまだ治安が安定せず、テロが起きてもおかしくないイラクを、勇気を出して訪れたフランシスコ1世。僕はカトリックではないけれど、人間として心から敬意を感じている。
※同性愛に対してカトリック教会は厳しい態度を示してきた。だが昨年、フランシスコ1世は同性カップルにも婚姻関係に準じた権利を認める「シビル・ユニオン」を認めるべきだとの考えを明らかにした。また、「彼ら(同性愛者)は神の子であり、家族の一員になる権利がある。誰も見捨てられたり、惨めな思いをさせられたりしてはならない」とも。教皇は「同性愛者で、神を求める善意のある人間を、私は裁けるだろうか?」と問いかけている。
〔追記3/16〕残念ながら昨日ヴァチカンは「カトリック教会は同性婚を祝福することはできない」と公式見解を示した。法的権利は認めるべきだが祝福はできない、ということか。
※フランシスコ1世は2017年にイスラム教スンニ派の最高学府「アズハル学院」で説教を行っており、これでシーア派とスンニ派の両方とパイプができたことに!


イラク訪問前日の声明「平和の巡礼者
として他の宗教を信じる人たちと一緒に
歩み祈るという願いとともに訪問する」
教皇フランシスコ1世とシーア派
最高位のシスターニ師との会談が
実現、奇跡のようなツーショット

●3月9日…〔今日の良かった〕エヴァンゲリオン完結編、とても見応えのある2時間半だった!…とだけ今は言っておきます。まだ公開2日目なので、何を書いてもネタバレになってしまうし。

//手塚治虫先生が構想だけ残していた幻の『火の鳥・大地編』が、直木賞作家桜庭一樹さんの手で新聞小説になり、先日加筆され刊行されたとのこと。日中戦争時の中国が舞台といい、日本人には描くことが難しい時代と場所の設定。これ、なんとか手塚プロのスタッフの手で小説を漫画化できないものだろうか。
●3月8日…〔今日の良かった〕欧州の国々でコロナワクチン接種によって、高齢者の感染者数が下がるといった効果が表れ始めた。スペインの高齢者施設で新型コロナに感染した人が、1月から2月にかけて95%減少!1月18〜24日の1週間で、国内の高齢者施設で感染した人は4439人だったのが、2月15〜21日の1週間では215人にまで激減した。同時期に施設でコロナで亡くなった人も、673人から157人と77%も減った。スペイン政府は昨年12月末にワクチンが供給されて以来、施設の入居者を優先的に接種してきた。これまで2回接種できたのは約130万人で、全人口の3%足らずだけど、約35万2千人いる高齢者施設の入居者に限れば、実に94%が1回の接種を終え、2回接種した人は82%に上っている。

//エヴァンゲリオン、9日の夜に鑑賞予定。4DXのスクリーンをゲット。ネタバレが怖くてうかつにネットできない、必要最低限の利用にせねば…(汗)
●3月7日…〔今日の良かった〕墓マイラー・インタビューが翻訳され配信!
海外のかたに日本の“今”を伝えるため、等身大の日本を7つの言語で発信する公益財団法人ニッポンドットコム。先日その取材を受けました。記者さんに「墓マイラー」の様々なエピソードを語り、現在それが日本語、英語、フランス語になっています。
今後、スペイン語、アラビア語、中国語、ロシア語に翻訳される可能性があり、とても楽しみにしています。このインタビューで初めて話した内容もあり、ご一読いただけると幸いです。

※個人的にはフランス語に翻訳されたことが超絶嬉しい!フランスは作家や芸術家の墓にファンがよく巡礼する墓マイラー大国。
そして僕が2度チャレンジして墓参を果たせず涙をのんだピカソの墓がある国。僕はいつも「次は誰のお墓に行きたいですか」と問われると「ピカソ!」と答えているですが、超絶ハードルが高いんです。ピカソは現在ピカソの子孫が暮らす南仏のヴォーグナルク城(ピカソ城)の敷地に眠っているため、ピカソの子孫の友人でなければ門の中に入れてもらえません!とはいえ、ピカソの子孫とどうやって友人になれば…。こうしてフランス語でピカソ墓参の夢を発信すると、もしかすると、20年、30年後くらいに奇跡的に声がかかるかも知れず、この記事はその大きな一歩となりました。
どうか、我が想いがピカソ家に届きますように…!!

〔日本語版〕
https://www.nippon.com/ja/japan-topics/g01003/

〔フランス語版〕
https://www.nippon.com/fr/japan-topics/g01003/?pnum=1

〔英語版〕
https://www.nippon.com/en/japan-topics/g01003/cryptic
●3月6日…〔今日の良かった〕本日午後、関西の読売テレビで『笑ってコラえて!』墓マイラー編の再放送が!僕は全然再放送を知らなかったのでびっくり。事前にわかっていればアドバルーンをあげて近所の人に告知していたのに(笑)
※NHKはラジオを含めて再放送の前にいつも連絡をくれる。民放も一言でいいので連絡があると助かるんだけど、民放の場合は東京キー局が制作したものを、地方局が購入して独自に放送するシステムだから、日テレ自体は地方でいつ再放送されるか把握できないそうだ。
●3月5日…〔今日の良かった〕ツイッターにこんな投稿が。
maromiso@maromiso1さん「オーストリアでは学校が再開していますが、全生徒が週2回の無料の一斉検査をしています。大学はまだオンラインですが、来る必要がある人の為に無料の検査場が用意されています。難しい技術は使っていません。国としてどう予算を使うかの問題です。日本も違った予算の使い方があると思います。」
他国の良いところはどんどん真似しよう。
●3月4日…〔今日の良かった〕先週末、新たにジョンソン・エンド・ジョンソン社のコロナワクチンが米国で承認。先行するモデルナやファイザーのワクチンの有効性95%と比べると、66%にとどまり効果は下がるけれど、他のワクチンが「2回接種義務」「マイナス75度(ファイザー)もしくはマイナス20度(モデルナ)で保管」であるのに対し、「1回接種」「家庭用の冷蔵庫で保管可能」という圧倒的便利さが強み。超低温の保管設備を確保しにくいアフリカなどで重宝されるだろう。「1回接種、冷蔵庫、95%有効」という決定的なワクチンが完成される日も近い気がする。
●3月3日…〔今日の良かった〕ブルースを感じる大衆音楽、デュオ「T字路s」の歌声に腰を抜かした!見た目と声が全然違う。なんという圧。※『泪橋』(3分49秒)歌詞にでてくる「サリバン、ベセル」とは伝説の野外ロック・フェス「ウッドストック」が開催された土地。ニューヨーク州サリバン郡ベセル。
●3月2日…〔今日の良かった〕コロナ禍で新作映画の公開延期が相次ぐなか、アカデミー賞の前哨戦となる第78回ゴールデングローブ賞授賞式が開催され、アジア系の映画人が大きな注目を集めた。
最高名誉となる作品賞(ドラマ部門)を受賞したのは『ノマドランド』。監督は中国北京出身のクロエ・ジャオ(38)で、78年間の歴史の中で、アジア系のみならず有色人種の女性監督としては初めて「監督賞」も受賞した。女性監督としては2人目になる。
『ノマドランド』は企業の経済破綻で住居を失い、車上生活者=現代の“ノマド(遊牧民)”として生きることを選択した女性の姿を描いたロードムービーとのこと。先にヴェネツィア国際映画祭、トロント国際映画祭でも最高賞を獲得している。
中国でコロナの感染拡大が最初に起きたことから、世界ではアジア系へのヘイトクライム(憎悪犯罪)が起きている。クロエ監督が多様性重視の時代に相応しい女性であること、偏見に晒されやすいアジア系であること、この2点からも受賞を祝いたい。クロエ監督「映画作りと物語を伝えるのが大好きになったのは、一緒に笑ったり泣いたりして、互いについて学び、互いを思いやる機会を生み出すことができたからです」。

外国語映画賞には、米国に移住した韓国人一家を描いた「ミナリ」が選ばれた。米国映画だが、セリフの半分以上が韓国語であることから外国語映画賞候補に挙がった。主人公はアメリカンドリームを夢見て、妻と子供とともに農場を経営する父親。一家は様々な試練に直面するという。昨年アカデミー賞を席巻した『パラサイト』に続き、韓国関係の映画の快進撃が続いている。リー・アイザック・チョン監督「『ミナリ』は家族の話です。ひとつの家族が自分たちの“言語”を話す方法を学ぼうとしているのです。それはどんなアメリカの言語よりも、どんな外国の言語よりも深い、心の言語です」。

今回のゴールデングローブ賞は黒人も話題となり、『ユナイテッド・ステーツvsビリー・ホリデー』で伝説的なジャズ歌手のビリー・ホリデーを演じた黒人歌手兼俳優のアンドラ・デイが主演女優賞を受賞。癌で早逝した黒人俳優チャドウイック・ボーズマン(ヒーロー映画『ブラックパンサー』で有名)は遺作の『マ・レイニーのブラックボトム』で主演男優賞に輝いた。また、ピクサーアニメーションでは初めて黒人を主人公にした『ソウルフル・ワールド』が音楽賞と長編アニメーション賞を受賞した。
今後、アカデミー協会は3月15日に候補を発表し、4月25日に授賞式を行う予定だ。
※コロナ禍で劇場公開作品が激減したためネット配信分野が急成長、Netflixが今年のゴールデングローブ賞を席巻し、映画22本、テレビ番組20本と大量ノミネートされた。コメディ・ミュージカル部門ではAmazonプライム・ビデオの配信映画が話題に。映画業界は大きく変化した。
●3月1日…〔今日の良かった〕ただマイクに当たった風のゴゴゴという短い音。この何でもない風の音がロマンをかきたてる。NASAの火星探査車「パーシビアランス」が無事に火星に着陸したことは先日ここに書いた。その後、「パーシビアランス」はさっそく様々な科学データの採取を開始、その中に「火星の風の音」(動画内の15秒間)があった!
NASAいわく「目を閉じ火星に座っている想像をしながら聞いてほしい」。これは人類が聞いた史上初の火星の音であり、“生きてるうちに聞けて良かった”と感慨深く耳を傾けた。

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