恍惚のワールド・ミュージック
    BEST50 
※テクノはコチラ


今まで自分が聴いた全ての民俗音楽から、メロディーや楽器の音色そのものの美しさを基準に、
おすすめ曲を激紹介します!各種資料を調べるだけで、ホント、膨大な時間を要しているので、
ど〜か皆さん、重宝してやって下さい。音楽は国民性そのもの。どんどん新しい出会いをしてね!

●ワールド・ミュージック・アーティストの墓写真館



ジャマイカのレゲエ・ゴッド、ボブ・マーリィー

1.トルコ                 
トルコはイスラム神秘主義のスーフィー派のメッカ。正統派イスラムではアラー(神)が地上を創ったと教えているが、スーフィー派メヴレヴィー教団は音楽とダンス(集団旋舞)を通して、その偉大なアラーとの合体&融合(!)を図る点で異端だ。そして異端ゆえに今も弾圧されている。僕はイスラム教徒ではないが、スーフィー派の陶酔感に満ちたメロディーにはすっかり病み付きになった。中世以来ペルシャの偉大な詩人は、神を通じて霊感の刺激を求めんと、そのほとんどがスーフィーだった。
打楽器の頭上を舞う、ネイ(ナーイともいう、葦の茎で出来た縦笛)の名手クツィ・エルグネルの瞑想的な音色は本当に素晴らしい。
おすすめ曲は『マカーム・イェギャー』。まったりしたけだるさがたまらない。

また、トルコといえば軍楽隊の数々の名曲を忘れてはならない。特に哀愁に満ちた行進曲『ジェッディン・デデン(祖先も祖父も)』(2分9秒)のカッコ良さは筆舌に尽くしがたい!


2.インドネシア(バリ島&ジャワ)
インドネシアは世界のどの国よりもドラム系のリズム・バリエーションが多彩で、各楽曲の計算し尽くされた緻密でエキサイティングな構成は驚嘆するほかない。

パイプオルガンより低音が出る、世界最低音楽器ジェゴク。この竹製の打楽器は巨大な物になると直径20cm長さが3mを越える。ジェゴクはたった4つの音の組合わせで曲を構成しているにもかかわらず、リズムの複雑な絡み合いとド迫力の音色で、いくら聴いても全然飽きない。おすすめ曲は『壮麗な光』。

インドネシアのもうひとつの有名な打楽器ゴングは青銅製。金属打楽器が民俗音楽に登場するのはとても珍しいが、この地域では3000年前から鋳造されていたとする説も。ゴングが2列に並んだ楽器をボナンといい、ボナンを使った演奏のことを“ガムラン”という。ガムランは地球上で最も神秘的な音楽と言われている。

ゴングの金属独特の固い音は単体で聴くと魅力に乏しいが、複数になった時の余韻はなんとも幻想的だ。音楽周期が異常に長く、512拍というとんでもないものまである。どのゴングもひとつの音程しか出せないので、本格的なガムランになると、青銅製の鉄琴“サロン”を加え40人規模の大編成になる。
おすすめ曲は『ウジャン・マス(黄金の雨)』『ガンバン・スリン』『宮廷ガムラン』。学生時代に初めて『宮廷ガムラン』を聴いた時、下宿の室内から重力が消えてゆき仰天した。

※インドネシア人の大半はイスラムだが、その中でバリ島はほとんどイスラムの影響をうけていないヒンドゥーの島だ。


3.メキシコ
穏やかな温かい気分になりたい時は迷わずメキシコ音楽だ。肩の力を抜いたマリアッチ(大衆楽団)の演奏は、聴き手に“生き続けよう”と思わせる魔法の力がある。おそらくそれは、彼らの演奏が単に脳天気に明るいだけではなく、人々の多くが絶望的貧困の中にいる悲惨な現実を、音楽で乗り越えんとする精神の気高さを感じるからかもしれない。

ハープ&ギター形式の“ソロ・ハローチョ”は、クラシック音楽だと「優雅」「上品」の代名詞のようなハープが、ラテンでは「ここまでプッツンと弾けてしまうのか!?」という面白さがある。スピード感あふれるハープって本当に爽快!

ラテンのギターを日曜の昼間にのんびりと聴きたい、そんな貴方にはスローテンポの『おとずれ』『まだら牛』がおすすめ。こういった曲がやがてアメリカに伝わりカントリーになった。
失恋してヘコんだ時はマリンバ叩きまくりの激明るい『メスティーソのホタ』で復活してちょ、アミーゴ!
※ギターの弾き語りならトリオ・ロス・パンチョスの演奏が良い。
※メスティーソとは混血のこと。


4.インド
トランス(瞑想)系民俗音楽の最高傑作は、このインドの『オリッシ』。耽美的古典舞踏の曲だ。もし無人島に一曲だけ民俗音楽を持って行けるなら、僕はこの『オリッシ』を迷わず選ぶ!地を這うようにうねるハルモニウム(手風琴、インドオルガン)の持続音に、ターラム(小シンバル)、ムリダンガム(両面太鼓)、オッサンの野太い声が絡んでゆく、もうシブイとしか言いようのない曲!音楽が哲学してる。音を聴いてるだけで何かを悟ってしまいそうだ。って、無人島でトランスする必要はないんだけどね(笑)。

一方、インドの楽器で最も有名なのはシタール。シタールは非常に長い棹(さお)を持つ弦楽器で音の余韻が美しい。弦の数はメロディー用が5弦、リズム用が2弦、共鳴弦が13弦と、合計20弦もある。この楽器の第一人者はラビ・シャンカル。その超絶的速弾きは鬼神の如しだ。

※スローテンポの恍惚系とは趣が異なる、超ハイテンションな声楽形式“カヤール”の曲もまた魅力的。
※切なさ系ではヒマラヤ地方の歌『嘆きの歌』がおすすめ。

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《HP読者より》
『ニキル・ベナルジーって人のシタールを聴いてみることを、太鼓判おすすめします!多分輸入版であると思うんですが、“リリカル・シタール”と評されているよーに、とっても、とーっても、美しいですよっ!それと、シヴ・クマール・シャルマーって人の、サントゥール(ハンマー・ダルシマーとか楊琴のような楽器)もおすすめです。でも、最近は「インド音楽はやっぱりボーカルだぜ!!」と思ってる、今日この頃です。ビーンセン・ジョーシーの声はビブラートが物凄すぎる!M.S.スブラクシュミ(女)の宗教歌は和めます』〜Kさん


5.韓国
朝鮮半島の音楽には独特の節回しがある。3拍子のリズムに身を切るような情念がこもっているんだ。
“アリラン”は朝鮮民族の代表的な民謡。土地によって色々と種類は多いけど、いずれも「アリラン アリラン アラリヨ」「アリ アリラン スリ スリラン」などの句が繰り返される。僕が聴いたのは『密陽(ミリャン)アリラン』。

“パンソリ”は李朝後期(〜1910)に発生した語り物音楽で、長大な物語を1人の歌手が扇子とハンカチを握りしめ、1人のチャンゴ(太鼓)の伴奏だけで数時間に渡って歌い上げるという、世界民俗音楽史上最も過酷なものだ。現在は「春香歌」「沈清歌」「水宮歌」「興夫歌」「赤壁歌」という5つのパンソリだけが伝承されている(映画『風の丘を越えて』はパンソリの真髄を極めようとする芸術家たちの魂の記録。必見っす!)。

他、朝鮮の雅楽(文廟楽)は、それぞれの音の末尾がクイッと上向きに跳ね上がるので、ゆっくりした展開の中にも力強さを感じるので好き。

楽器の音色で僕のお気に入りは加椰琴(カヤグム、12弦の琴)。加椰琴は1500年も昔から彼の地で愛されてきた。一音ごとにプルプルとビブラートがかかっていて、音色に生命力を感じる。加椰琴のおすすめ曲は『鳥のうた(鳥打令)』『カヤグム・サンジョ』。

※チャンゴは朝鮮民族の伝統音楽全てで重宝される両面太鼓。皮面をバチで叩いて演奏する。左右の皮面で音の高さが違う。


6.タンザニア
タンザニアでは小さな木箱に金属の板鍵盤を並べた親指ピアノを“イリンバ”という。親指ピアノはアフリカ各地で愛用されている楽器で、タンザニアのものは特に大型なので超響きまくる。名手フクウェ・ザウォセのイリンバは音の奥行き感と解放感がすごい。おすすめ曲は『ソテ・トゥリフラヒア』。


7.エジプト
エジプトの音楽は息の長い流れるようなメロディーが特徴。主役はウード(アラブ版ギター)。アラブの音楽が欧州と違うのはシャープやフラットという半音が“さらに”半分に分割されているのだ!これを考えただけでも、どれだけアラブの旋律が表情豊かなのか容易に想像がつくだろう。

※ウードは東に行って琵琶となり、西に渡ってギターとなった。だから正確にはウードはアラブ版ギターなのではなく、ギターが欧州版ウードなんだよね。


8.グルジア
人々が集まると歌っちゃう、歌好きの合唱大国グルジア。おすすめ曲は聖者グメルトを讃えた『ツミンダオ・グメルト』。天から光で全身が包み込まれるような、とてつもなく美しい名曲中の名曲だ!

※国の位置はロシアとトルコの間にある。


9.ペルー
南米のインディオがインカ帝国の時代よりさらに古代から、アンデスの高地や谷あいで親から子へと歌い継いできた音楽をフォルクローレという。

フォルクローレの楽器の中で僕のお気に入りは、何と言ってもパンパイプ(別名シーク、ナイ)。パンパイプは様々な長さの植物の茎をイカダのように並べて巻き、そこへ上から息を吹き付ける楽器。紀元前から存在してたので、打楽器を除けば世界最古の楽器だ(南米の他では、遠くルーマニアでも現役だ)。とても柔らかい音色で何時間聴いても全然飽きないッス。

ケーナも植物の茎で出来たアンデスのフルート。ケーナの神様と呼ばれるアントニオ・パントーハの演奏は、聴く者の心を虜にするよ。
他に好きな楽器はチャランゴ。これはアルマジロの甲羅を使ったアンデス版ギターだ。乾いた音が軽快で良いんだ。

インカ帝国の末裔、インディオの音楽は欧州の音楽と違って基本は5音階。そのシンプルさが邦楽と似ていて馴染みやすいのか、日本でも『コンドルは飛んでゆく』『高原のどこかで』『谷間のカーニバル』『風とケーナのロマンス』などペルーの音楽はとても人気がある。

哀愁に満ちたフレーズの多いアンデスの民謡。まっすぐに心の一番奥深いところにストンと落ちてくるのを、僕は楽しんでいる。


10.パキスタン
パキスタン・カシミール地方から黒海周辺、果てはモロッコまで“ラバーブ”という弦楽器が人々に愛されている。アラビアンナイトを彷彿させる異国情緒溢れる音色を出すので、僕はメッチャ大好き!トゥムバクナリという太鼓も良く響いてグー。おすすめ曲は『彼の歌を聞いた時』『母の乳を飲んだ時』。


11.ブルガリア
ブルガリアは欧州の最東に位置し、隣国のトルコに500年間も支配されていた。その混じり合った東西の文化がブルガリアン・ヴォイスを生んだ。ブルガリアン・ヴォイスはあくまでも地声で歌われるのが特徴だ。その美しさを存分に堪能できるのが『夜の集会』。楽器付きなら、カバ・ガイダ(バグパイプ)に女声が加わった『ハイドゥク』(義賊)が壮大なスケールで圧倒されることウケアイ。

しかし、ブルガリアン・ヴォイスの真の魅力は単に美しい調べだけではなく、強烈な不協和音の嵐にある。聴き手を不安感に陥れながら、なおも聴き込ませるその妙は『小鳥の歌』で味わうことが出来る。


12.チリ
チリといえば、地方に住むインディオ民謡に、自分で新たに歌詞を付け歌ったビオレータ・パラとビクトル・ハラをぜひ聴いて欲しい!ビオレータはしわがれ声の失恋歌を残し49才でピストル自殺をした。また、ビクトル・ハラは僕が知る限り人類史上最高の声を持っていたと思うが、1973年チリの軍事独裁政権に反抗して34才の若さで虐殺された(彼はギターを弾けぬように両腕を折られ、指をめちゃめちゃに潰された後、機関銃を全身に撃ち込まれた)。日本語の歌詞カードが付いたベスト盤CDが1枚だけオーマガトキ社(SC−3125)から発売されているので、皆さんもなんとか手に入れてあの声を自分で聴いてみて!一生のうち一度は「人間がこんな声を出せるのか」という、あの驚愕体験をして欲しい!


13.アメリカ
インディアンの音楽ではキオワ族の『オクラホマ・トゥー・ステップ』がおすすめ。これは非常にダイナミックな舞踏音楽で興奮間違いなし。カントリー系ではバンジョーやマンドリンが速いテンポで弾きまくられるブルーグラス『ホワイト・ハウス・ブルース』がファンキーで良い。そして今やフォークソングも世界に誇る民俗音楽。古い順に、ウディ・ガスリー『わが祖国』、ピート・シーガー『リトル・ボックス』、ボブ・ディラン『戦争の親玉』がおすすめ。彼らは弱者切捨ての政府を批判し、人種差別に反対し、反戦を歌いあげた。

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《HP読者より》
『ハワイ音楽でおすすめは、ケアリィ・レイシェル。今までに4枚のアルバムを出しています。彼はもともとはフラを教えるクム・フラで、チャントにも造詣が深く、フラと音楽の両面からハワイの伝統文化の復興活動をリードしているアーティストの一人。英語で歌も歌っているけど、そのほとんどはハワイ語。彼のファースト「カワイプナヘレ」は30万枚のセールスを記録してハワイの音楽史上もっとも売れた作品となっています。4枚目の「メレラナ」は、ハワイのグラミーとも言われているナ・ホク・ハノハノ・アウォードで賞も取ったし…売れてるからオススメするのではなく、売れるのには理由があるといったカンジです』〜Y・Kさん


14.スコットランド(英国)
スコットランドはケルト世界でありイングランドとは全く文化が違う。バグパイプは世界各地にみられるが、それらは殆どが伴奏専用。それに対しスコットランドのはソロ楽器として伝えられてきた。

ケルト・ハープは音色の温かさがたまらん。陽だまりそのものって感じ。ケルトハープで聴く『ブライアン王の行進』は古い絵本を読んでいるかのような錯覚に陥る。

スコットランド民謡で有名かつイチオシなのが『アメージング・グレース』と『スカボロフェア』。


15.ジンバブエ
ジンバブエではアフリカ名物の親指ピアノを“ムビラ”という。奏者は複雑極まりないメロディーを紡ぎながら、同時に即興の歌を付ける。おすすめ曲は『仮小屋』『涙』。特に『仮小屋』は15分以上あるので、聴いてる内にトリップしてしまい、還って来れなくなる可能性も…!


16.ブラジル
ワラビティ族の笛やワウワラ族の子守歌など、今もアマゾン川流域のジャングルに住むインディオたちの素朴な音楽が良い。一方、それとは完全に正反対だけど、こちらも素晴らしいのがリオのカーニバルのエスコーラ・ジ・サンバ。超ハイテンションで熱気に溢れる音楽は文句なしに魅力的だ。サンバとはブラジルにやって来たアフリカ人たちから生まれた、4分の2拍子の非常にテンポの速い舞踏音楽のこと。

1958年、作曲家のアントニオ・カルロス・ジョビンと歌手でギタリストのジョアン・ジルベルトが、サンバにジャズのエッセンスを加えたボサノバ第1号の『想いあふれて』を完成。1963年にグラミーを獲った『イパネマの娘』は世界中にボサノバ・ブームを巻き起こした。

※ボサノバの意味は“新しい傾向”。


17.セネガル
セネガルなど西アフリカにはグリオと呼ばれる吟遊詩人が古代からいて、コラ(コーラ)という美しい音色の弦楽器を今も巧みに演奏している。おすすめ曲は『ディアカ』。

一方、バラフォン(マリンバ)と太鼓の絡むウオロフ族の音楽は、その洗練されたリズム感に舌を巻かずにはおれない。これもおすすめ。


18.アルゼンチン
アルゼンチンといえばタンゴ、タンゴといえばカルロス・ガルデル、そしてピアソラ。ガルデルはそれまで音楽だけだったタンゴに、初めて歌詞を付け歌った男だ。“喉に涙を持つ男”と呼ばれるように、声が水分を含んでいて一度聴いたら忘れられない。ピアソラはタンゴの作曲家であると同時に、超一流のバンドネオン演奏家だ。彼が作曲した曲やその演奏は、まさに生命の大爆発。ピアソラは聴く者の感情のバランスを良い意味でどんどん崩していく。ワールド・ミュージックの中で最高度にエネルギッシュな部類に入る。

フォルクローレ歌手で素晴らしいのはアタウアルパ・ユパンキ。彼は政治的弾圧や社会的不平等に抗議し続けた歌手で、その精神はラテンアメリカ全体の若い音楽家の心を捉えた。それは社会や政治を公然と非難した歌詞をかかげた若者のムーブメント「ヌエバ・カンシオン(新しい歌)」につながって行く。彼らは「ヌエバ・カンシオン」を通じて教育や生活水準の向上、団結などを訴えた。


19.日本
大陸の三絃が琉球に伝えられ三線(さんしん)となり、それを関西の琵琶法師たちが三味線に変化させた。
浄瑠璃とは三味線を伴奏にした語り物だ。

大阪では浄瑠璃が人形劇と結びついて文楽(人形浄瑠璃)になった。この文楽でセリフを語る時の節を義太夫節といい、喜怒哀楽を見事に表現している。三味線の種類は太棹(ふとざお)で、音色が厚くとても迫力がある。

一方、江戸では浄瑠璃が唄として発展し、唄浄瑠璃の常磐津(ときわづ)節、清元(きよもと)節、新内(しんない)節が誕生した。これらは中棹の三味線を使い、音色が柔らかいのが特色。
常磐津節の三味線はとても自然体で、おっとりとした味わいがある。上記の中では一番古い。清元節は特に歌舞伎の伴奏として発展した。発声は技巧的で速度や強弱の変化に富み、装飾的な旋律が多い。新内節は哀切な語り口が胸を打つ。


長唄(ながうた)の場合は、三味線(細棹)に笛や打楽器(大鼓、小鼓など4種類)が加わり大編成になる。歌詞がひと続きでまとまっている。
端唄(はうた)は小唄より技巧を必要とせず明快。楽器と声の関係は、歌が主、三味線が従。小唄の母。
小唄は小曲を三味線の爪弾き伴奏で歌う。爪弾きとは撥(ばち)を使わずに指で弾くことで、とても柔らかい音がする。端唄とは逆に歌が従、三味線を主としている。基本的に端唄よりも速度が速い。

浪花節(浪曲)は三味線の伴奏にあわせ、節を付けて歌う部分と語りの部分を1人で演じる。“忠臣蔵”や“森の石松”など義理人情の世界を題材としたものが多い。
謡曲は能の音楽パート。能の作者のことを「謡曲作者」という。謡曲作者には、世阿弥をはじめ、観阿弥らがいる。室町から600年、非常に歴史が古い。

三味線を伴奏用としてではなく、ソロ楽器として芸術的に完成させたのが初代高橋竹山。彼は魅力に富む旋律を自ら作曲し、三味線の新奏法も次々と生み出した。彼が自身の半生を三味線に託して語った即興曲『岩木』は涙なくしては聴けぬ傑作中の傑作!

和太鼓も良い。長野県のお諏訪太鼓のように、日本には神へ音楽を奉納する文化がまだ残っている。
日本の舞曲(?)で僕のお気に入りは『炭坑節』。前奏のあのワクワク感は何と表現すればいいのだろう。労働歌としての歌詞も良い。

●雅楽
雅楽における調については基準音がD(レ)の場合壱越調(いちこつちょう)となり、以下、E(ミ)=平調(ひょうぢょう)、G(ソ)=双調(そうぢょう)、A(ラ)=黄鐘調(おうしきちょう)、B(シ)=盤渉調(ばんしきちょう)、E(ミ)=太食調(たいしきちょう)といった具合。
雅楽の代表的名曲『平調・越天楽(ひょうぢょう・えてんらく)』は、大気中に音楽が広がっていくさまをありありと体感出来る!『太食調・還城楽(たいしきちょう・げんじょうらく)』もリズミカルでGOOD。

合奏の標準編成は笙(しょう)・篳篥(ひちりき)・龍笛(りゅうてき)の管楽器が各3人、琵琶(びわ)・箏(こと)の絃楽器が各2人、鉦鼓(しょうこ)・鞨鼓(かっこ)・太鼓(たいこ)の打楽器が各1人の計16人編成。演奏は龍笛の音頭から始まり、笙・篳篥・琵琶・箏の順に参加してゆく。

ハーモニカの原型となった笙(しょう)は鳳凰の形をしており天を、空を舞う龍の鳴き声に例えられる横笛“龍笛”は空を、篳篥は地(人)をそれぞれ表している。この天、空、人の3者が合奏することで1つの宇宙を表す。雅楽の合奏では琵琶と箏(こと)はメロディーを担当せず、もっぱらリズム専門だ。打楽器は十種類以上あるが、最もよく使う組み合わせの釣太鼓・鉦鼓・鞨鼓を総称して「三鼓(さんこ)」と呼ぶ。

楽器だけの合奏を「管絃」と言い、舞を伴うものを「舞楽」と言う。「舞楽」には中国やインドが起源の唐楽(とうがく)、朝鮮半島が起源の高麗楽(こまがく)の2種類があり、唐楽による舞楽を左方(さほう)、高麗楽による舞楽を右方(うほう)と呼ぶ。高麗笛は龍笛よりも一音高く、神楽笛は一音低い。
左方と右方はビジュアル的に見分けがつき易い。朱を基調とするのが左方装束で、緑を基調とするのが右方装束だ。また、左方の小物は金色で統一されており、右方の小物は銀色で統一されている。左舞はメロディーで舞い、右舞はリズムで舞うといわれている。

“催馬楽”(さいばら)は和歌に曲を、“朗詠”(ろうえい)は漢詩に曲を付けたもので、共に平安時代に日本で作られた流行歌だ。催馬楽の名曲『簑山(みのやま)』は荘厳な響きが聴き手を圧倒し、朗詠の『嘉辰(かしん)』は高音部分の浮遊感がなんともたまらない。こういった歌曲の伴奏では、笙(しょう)は和音を出さず単音を奏でている。

雅楽の演奏会の最後は、唐楽で太食調の曲『長慶子(ちょうげいし)』で締めくくられる。

※日本の民謡は10音音階。
※古代日本の2大名人は蝉丸と彼から秘曲を伝授された源博雅。
※雅楽から生まれた言葉〜「打ち合わせ」…打楽器で拍子をとって合奏すること。「ろれつが回らない」…呂(ろ)と律(りつ)という音階の名前。


20.ジャマイカ
レゲエは1960年代末に誕生し、70年代にボブ・マーリーが海外に広めた。ンチャッ、ンチャッとはねる裏拍のギター、地を這うベース、乾いた音のドラムの上に、メッセージ性の強い歌詞を載せるのがレゲエの特徴だ。ボブは貧困層の現実を背景にした反権力の歌詞、アフリカ回帰をスローガンとするラスタ主義の運動などで、社会変革を訴え続けた。81年、ガンのため36才で夭折する。おすすめ曲は『ゲット・アップ・スタンド・アップ』『ワン・ラブ』、そして魂のバラード『ノー・ウーマン・ノー・クライ』。


21.スペイン
スペイン南部アンダルシア地方に1800年代から伝わるフラメンコ。

フラメンコは大きく3種類に分類される(以下のカンテとは歌のこと)。
●カンテ・グランデ…激しく深遠な歌詞と、重厚で感傷的な音色が特徴。演奏者が自らの魂の奥底を語るフラメンコの真髄。代表曲は『ソレアレス』。
●カンテ・チーコ…愛や自然などの日常的なテーマを歌った明るく可憐な曲が多い。代表曲はお祭りで定番の陽気な『アレグリアス』『ブレリア』。
●カンテ・インテルメディオ…上記の中間。重々しさを抑えオリエンタルな音色を持つものが多い。曲は『マラゲーニャ』『ティエント』『ペテネラ』など。

フラメンコ・ギターではメロディーを弾くだけではなく、打楽器のように指で胴体を叩く。伝説的なフラメンコ・ギタリストはラモン・モントーヤ。甘くきらめく歌声で後世に名を残したのはラ・ペルラ・デ・カディス。
現在のスペイン・ギター界の巨匠はパコ・デ・ルシアで、彼は作曲能力もズバ抜けて高い!

※俗にいう“ファンダンゴ”とは、アンダルシア地方の民謡のこと。


22.キューバ
僕は映画『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』で目覚めたクチなので、今は徐々に勉強しているところ。それにしても、あの“渾身の力を抜いた”演奏は気持が良かったな〜。

キューバのルンバは2種類に分かれる。ひとつはアフリカ色の強い打楽器と歌の音楽で、これが本来のルンバ。一方、社交ダンスのルンバに使われるものは正式には“ソン”といい、アフリカ的リズムとスペイン的メロディがミックスされた音楽。

あと、陽気なキューバっ子がダンスの時に重宝する2つ一組のドラム、コンガは盛り上がるね!


23.フランス
フランス語の美しさが最大限に引き出される歌、シャンソン。シャンソンには約100年の歴史があり多くの名曲が戦前に生まれた。イブ・モンタンが歌う『枯葉』はメランコリックなメロディーで、何度聴いても胸に沁みる。薬物中毒になり48才で逝ったエディット・ピアフの『水に流して』『愛の讃歌』は感動系。軽く粋なスタンダード・シャンソンは『セ・シ・ボン』。
戦後しばらくシャンソンは世界的にも人気があったが、やがてメロディーより歌詞を重視する方向に進んだので、仏語が解らない者には退屈なものとなった。3拍子のシャンソンは4拍子のロックと融合出来ず、現在もフランス音楽界は世界からかなり孤立している。

最近フランスの若い音楽家の中で大人気の伝統楽器がハーディ・ガーディ。この日本人があまり聞き慣れぬ名の楽器はけっこう歴史が古く、900年前から仏中部で愛されてきたとのこと。ハンドルを回転させて音を出す機械仕掛けの楽器というのが好奇心をそそる。音色はバグパイプにそっくり。

北フランスではアコーディオンが最もポピュラーで、素朴な舞曲『ビニウ』が楽しい。


24.アイルランド
アイルランドといえばジグ。ジグは2拍あるいは3拍の軽快な舞曲で、映画タイタニックで主人公らが踊りまくってたので御存知の人も多いだろう。

ジグとは別だが、アメリカに移民したアイルランド人が残した『オー・ケイ・ヘイ・ジョー』は素朴で美しいメロディーが良い。


25.トンガ
トンガには『ファイカヴァ』という名曲がある。これはカヴァという天然ドラッグ系の飲み物を作りながら歌う、男たちの労働歌だ。枯淡な雰囲気の中に荘厳さが混じっている素晴らしい曲だ。


26.コンゴ(旧ザイール)
アフリカ大陸の最深部コンゴ。この周辺に住んでいるピグミー族は親指ピアノを“リケンベ”と呼んでいる。イトゥリ森の入口にあるマンバサ宿のおじさんが熱演したバラードが日本でCD化されているので買った。よくこんなマニアックなのをビクターも発売したよな〜。


27.トリニダード・トバゴ
カリプソ音楽とは西インド諸島トリニダード島の演奏のこと。名物楽器はスティール・ドラム。これは1940年代にトリニダード島で、米軍が捨てた石油のドラム缶から考案されたものだ。鉄板にでこぼこをつけて30以上の音色が出せるように工夫されている。


28.タヒチ
古代タヒチの宗教歌『ヒネメ・タラヴァ』はテクノでも演奏されたりする世界的に有名な曲。非常に厚みがある女声コーラスに、ド迫力の男性コーラスが切り込んでいくダイナミックな曲だ。聴き終わった時は一陣の風が吹き抜けていったような爽やかな印象を受ける奇跡の一曲だ。


29.バハマ
カリブ海の島国バハマ。スローなギターに歌を載せた『バイ・アンド・バイ』を聴くとアメリカ南部の黒人音楽のルーツがここにもあることがよく分かる。めちゃくちゃカッコイイ曲だ。


30.フィジー
打楽器のラリは木をくり抜いて太鼓にしたもの。『座舞踊』という曲で多数のラリが0.1秒の狂いもなく完璧に揃ったアンサンブルを聴かせ、僕は心底からおったまげた


31.ポルトガル
港町リスボンで発展したポルトガル独自の哀歌“ファド”。人生の悲哀を切々と歌い上げるファドの女王、アマリア・ロドリゲスの心深く響く声に涙すべし。


32.中国
中国の琵琶は日本の琵琶より音域が格段に広く、中にはギターよりもフレットが多いものさえある。また、クァンズ(笛)ののどかな音色と相性がバッチリあい、両者が共演した『長安の春』は絶品だ。

中国の古琴(7弦)は3千年前の古代から人々に愛されてきた。山河の美しさを讃えた『流水』は必聴。現代中国最高の名手は呉文光。


33.モンゴル
世界には様々な歌唱法があるが難しさ(珍しさ)ナンバーワンは、一人で二声を出すこのモンゴル名物ホーミー唱法だろう。スケールのでかい『聖なるドゥンジンガラブ山の賛歌』には圧倒される。

モンゴルには馬をテーマにした曲がたくさんある。『小さな淡黄色の馬』は360度地平線って感じの曲だ。空もすごく高い。オルティン・ドー(長い息)という歌唱法はめちゃくちゃ息が続き、どう歌ってるのか分からないけど聴いててこっちが酸欠になりかける(笑)。

モンゴルで有名な楽器は馬頭琴(モリン・フール)。これは馬のしっぽの毛を弓と本体に張った楽器だ。また、ギターでいうネックの先が馬頭型に彫られている。


34.フィンランド
フィンランド名物カンテレは指板が2つある10弦打楽器。北欧のイメージにぴったりの非常に澄んだ音色を奏でる。


35.イラク
イラクの音楽とはまたマニアックだが、美しいカヌーン(アラブの琴)の響きに載せて歌う『ナツメの実』は、ぜひおすすめしたい名曲だ。


36.ミャンマー(ビルマ)
ビルマといえば竪琴(13弦、正式名称サウン・ガウ)。この楽器の名手はウー・ミン・マウン氏。水滴が光りながら落ちていくような竪琴の音に、うっとりとため息を漏らしてしまう。

ほか、金属弦の楽器ドウンミンも音がひとつひとつ輝いて素晴らしい。


37.ギリシャ
僕は『水夫の踊り』という1曲に数年間も虜になっている。ブズーキ(ギリシャ版ギター)の、ボレロを思わせる同じパターンのリズムの繰り返しが、やたらめったら気持良いのだ!


38.ルーマニア
ルーマニアではパンパイプを“ナイ”(ペルシャ語で葦)と呼ぶ。ナイは国民にとても人気があり名人も多い。弦をスティックで打つ楽器“ツィンバロン”の金属的な音とも相性が良い。おすすめ曲は『外は月夜で』。


39.マダガスカル
バリハ(ヴァリハ)はマダガスカルの国民的楽器で、竹筒の周囲に18〜22本の弦が張られているもの。ハープ系の澄んだ音色に惹かれて僕は衝動買いしたが、今は完全にただのインテリアと化している(しかも見えない場所で…)。おすすめ曲は『リツォ・ヴァリハ』。名手ランダフィゾン・シルヴェストルの指魔法に酔うべし。


40.ハンガリー
ハンガリー民謡は躍動的なリズムと語りかけるような歌唱法の絡みが素晴らしい。また、同国はロマ(ジプシー)音楽が人々の支持を集めていて、『オリエントの歌』などの人気曲にその歌心が反映されている。


41.イタリア
1400年も昔からローマ・カトリック教会に伝わるグレゴリオ聖歌。美しく透明感あふれるメロディーは、教会音楽らしくストイックな抑制が効いており、歌が1オクターブを越えることはほとんどない。無数にある聖歌の名曲の中で、僕のイチオシは『天よ、上より雫をしたたらせよ』。気が遠くなるよ、コレ。

一方、イタリア大衆音楽の代名詞カンツォーネは民謡の意味。『オ・ソレ・ミオ』『サンタ・ルチア』が超有名。


42.アフガニスタン
アフガニスタンという名は、激しい内戦や大仏を粉々にした破壊的イメージがつきまとうが、あの土地はもともと東西の文明の十字路であり、文化的には非常に好条件にあった。音楽も各文明の長所を残してきたのだろう。

おすすめ曲は『雨の歌』。曲名とは裏腹にとても明るい響きのする極彩色の曲だ。


43.ロシア
ロシア製ギターともいえるバラライカは三味線と同じで3弦。胴体が3角形なのが特徴的だ。小刻みに震えるトレモロ弾きが聴き手をノスタルジックな気分にさせる。

ロシア民謡はどれも愁いを含んでいて心の琴線に触れる。有名な民謡でおすすめなのは『カリンカ』『黒い瞳』『ポールシュカ・ポーレ』。


44.ブルンジ
重低音アフリカンドラム軍団に血湧き肉踊る。文句なしにカッチョイイ!


45.パナマ
大衆音楽ではアフリカ系のダンス音楽“タンボリト”が、歌詞に社会変革へのメッセージ性があり良い。
伝統曲でおすすめ曲は『トゥーナ』。中米の、しかも真ん中の国だけあって、白人と黒人の血が入混じったグルーヴ感がリズムにある。


46.ソロモン諸島
ソロモン諸島は南太平洋に位置する。手拍子の乱れ打ちに重なるパンパイプの合奏が素晴らしい。


47.オーストラリア
オーストラリア北部の先住民アボリジニの楽器ディジィリドゥー。これは楽器というか、白アリが穴を開けたユーカリの枝だ。それに息を吹き込んで音を出す。けっこう大きな楽器で、大地に響く低音が魅力。僕はこの楽器をゲットしたが、鼻で息継ぎしながら延々と音を切らずに吹き続けるという循環呼吸法が、どうしても出来ない!っていうか、息をしながら息を吐くなんて動物学的に不可能だと思うんだけど…でも、実際に出来る人がいるんだよね、何人も。う〜む、訓練あるのみだ。


48.ナイジェリア
ハウサ族の「間」を大切にするリズム感が最高。一弦ギター“ゴゲ”が大活躍。

49.スーダン
スーダンにはウード(アラブ版ギター)の天才ハムザ・エル・ディンがいる。僕のおすすめ曲『ヘラ・リサ(よいこらしょ)』は畑に水を汲み上げる時の労働歌。ハムザのシブイ声で聴いて欲しい。


50.チャド
2弦リュート“ケレリ”が良い。北アフリカ、チャドのトゥブ族の間では、男性が成人した女性の前で歌をうたうのは不道徳とされているそうだ。いろんな文化が世界にはあるよね〜。



お気に入り楽器
〜1位ウード、2位パンパイプ、3位シタール、4位カリンバ(ムビラ)、5位ジェゴグ


●BEST圏外からの聴きどころ

モザンビーグ…ティンビラ(木琴)
ガンビア…コーラ(21弦ハープ)
ニジェール…クントゥギ(1弦ギター)
グアテマラ…マリンバ(木琴)
ウルグアイ…タンゴ音楽
フィリピン…ミンダナオ島のゴング。竹笛サッゲイポの音。
エチオピア…クラール(世界最古の弦楽器)。音はなんとなく三味線に似ている。
コロンビア…おすすめ曲『サン・アントニオの子守歌』
ボリビア…ペルーと同様、アンデスのインディオ音楽が良い。
西サモア…南太平洋の西サモアの舞踊曲『マーウルウル』は
肩の力を抜いたコーラスが良い。


●民俗楽器豆知識
チター系…弦が楽器本体の端か端まで張られている。例えば琴もそう。
リュート系…ギターや琵琶のように弦が棹まで張られているもの。
ウード…アラブのリュート属の楽器。ネックが短く、フレットがない。
ガット弦…動物の腸から出来た糸。
ラットル…いわゆるガラガラ。
ペンタトニック…5音音階のこと。西洋音楽の音階は7音だが、民俗音楽では5音が多い。
ダルシマー…共鳴箱にはられた金属弦を、バチやハンマーで打って演奏する中東起源の楽器。
チェンバロ…ピアノの前身楽器。伊語。音量は一定で強弱がつけられない。
英語ではハープシコード、仏語だとクラブサン。


《HP読者より》
イランのサントゥールの、"Dastgah Shur"(読み方よく知りませんすみません)は、まるで「音でアラベスク模様を編んでいる」って感じで大好きです。アラビア音楽独特の「中途半端な音程」に抵抗がなかったらお勧めです。(サントゥール好きッ子さん)

トルコの「サズ」は弦が細くて割と高音がでる楽器です。以前にトルコの方を一月ほどぶらり旅してきたのですが、小さな村のアットホームなレストラン(?)で老人がサズで弾き語りしてくれました。薄暗い店内に漂うサズの高音と老人の声の低音が何とも言えない哀愁を漂わせ、不覚にも涙を流してしまいました。ぜひ一度聞いて見てください。サズの音色は素晴らしいです。(dapipさん)



●ワールド・ミュージック・アーティストの墓写真館





おすすめテクノ20選

コンピューター音楽のテクノは、一般にクラシックの対極のように思われてるけど、実は天を突くゴシック建築のように荘厳で重厚な楽曲もたくさん存在する。単純にメロディーとリズムがハモッているだけではなく、リズムそのものも幾重にも重なりハモッてて、リズム・パートを聴いてるだけで思わず美しさに落涙することがある。歌詞がないもの(もしくは英語のもの)は思索の邪魔にならないので、僕は仕事中に聴くことも多いデス。※聴いてるうちにトリップしちゃうトランス系は仕事の手が止まってしまいますが…。
ただ、名曲は多いけれど、それは“良く探せば”という条件付きであり、全く音楽的な深みのない、大量消費型の、箸にも棒にもかからない曲が大半なのも事実。なので、ここでは「これは百年残るぞ!」と思って僕が愛聴しているオススメ20曲を紹介します!

(注)以下の20曲は大ボリュームで聴けば聴くほど、その素晴らしさが五臓六腑に染み渡るッス!(☆o☆)
(注)4ツ星が最高点。なおタイトルは「曲名」であり、アルバム名ではありません。基本的にオムニバスCDから見つけた曲なので、アルバム名が不明なのです。スミマセン。※印の5曲以外は07年5月時点でネット検索でヒットしています。

★★★Ave Maria (Creator SAI)…シューベルトのアヴェ・マリアをテクノ化!
★Hard Motion (Sonic.M)…眩しいストロボのように音が点滅してクラクラ。
★Twisted (スヴェンソン&ギーレン)…宇宙系。音域に奥行き&広がり。
★ロスト・イン・ア・ドリーム (マタンカ)…宇宙系。スケールがあり、しかもテンポ快調。
★★天使/Tenshi (グリエラ)…ヴァンゲリスの壮大な調べをフューチャー。
★★Green heaven (Vincent de Moor)…上昇感とシンセの細かい動きに涙ポロポロ。※
★See Me Here (Orson)…女性ヴォーカル入り。流れる感じが心地良し。※
★パルサー (マウロ・ピコット)…ロボット・ダンス。メカメカしいぜ。
★★★レガシー (プッシュ)…哲学的ともいえる音の深み。宇宙の果てで演奏されているよう。超トランス。
★★★ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ウエスト (DJガートVSマルセル・ウッズ)…伸びやかな女性ヴォーカルに骨抜き。背中から羽!泣ける!
★★★★Choose Freedom (SYSTEM・F)…これも哲学的、そしてものすごいスケール。緊張感と高揚感の入り混じった音色に120%トランス!同じ人類が作ったものと思えない!※演奏は“Ultravibes”の可能性アリ。
★Escalator (Head Strong)…キャッチーなメロディーなのに雄大。※
★★★★Air (DJ Mental Theo vs DJ C7)…バッハの教会音楽をテクノ化!究極の音の厚み!いったんメロディーを分解し、超ドラマチックに再構成。奇跡の曲!帰って来れないッス!号泣!
★LA2000 (DJ Peran)…“ツァラストラはかく語りき”をフューチャー。
★★It's Grim Up North (KLF)…後半がありえないスケール感!聖歌エルサレムの鳴り響く荘厳なクライマックスに卒倒寸前。
★★Dead cities (V-ONE)…DNAのらせん階段を昇っていく感じ。音がグルグルまわりながらエンドレスに続く。激トランス。※
★★★ディジリドゥー (エイフェックス・ツイン)…太古の森でテクノってる。アボリジニの楽器を使ったトランス最高峰の一曲!
★★★★ガール・ボーイ・ソング (エイフェックス・ツイン)…“初めて聴くのになぜか懐かしい”そんな郷愁感に満ちた名曲中の名曲!弦楽器とテクノのコラボ。
★★★MASS (YMO)…YMOの名曲の中で、最もストイックかつ激シブの一曲!!
★★エピローグ〜後奏 (YMO)…元祖癒し系。就寝前のテクノはこれで決まり。おやすみなさい。『テクノデリック』に入っています。





《HP読者より》
tenshi(グリエラ)や、Green Heaven(Vincent De Moor)等をお好きならば、私的に下記の曲がオススメです!

・Alane<trouser ehthusiasts orgasmic apparition mix> (Wes)
・Life Is Going (Cicada)
[morning tracks 2 (Ki/oon Records)収録]
※Life Is Goingは、明け方!って曲です。夜明けの海辺でこの曲を聴いてみて下さい。Alaneは、もう大感動。正に荘厳、Trance Anthemです。(原曲も宗教音楽的なポップスで、和みます。)

・Niji-morning track- (FLIP FLAP)[morning tracks 1 (Ki/oon Records)収録]
※電気グルーヴ”虹”のカバーです。透明感あふれるVo.にやられました。

・Fly Away (Vincent De Moor)[各種トランスコンピアルバム]
※カジポンさんの言葉を借りるなら「宇宙系」でしょうか。超有名曲ですが、サビの切なさがたまりません。〜以上、ZORROさん

http://www.purple-eye.com/pee/default.asp?というHPはかなりすごいです。System FのレーベルのTSUNAMIの親会社のpurple eyeのHPなんですが、手に入りづらいアナログ盤の音源をフルで聴けます。

左側メニューから「Artists」を選ぶと右にアーティストがズラッと表示されるので、その中からアーティストを選んだ後「Discography」から曲を選んで聴く形式です。
System F=Ferry Corstenなので、彼のページは2箇所。加えてDJ Tiestoとの企画Gouryellaもありますので、実際関連ページは3つになってます。個人的には、Gouryellaの『Gouryella(Armix)』がイチオシです。

現状では宇宙へ行くのに膨大な資金が必要ですが、System Fの音楽は聴きながら目を閉じるだけで良い、現時点で世界で一番安価かつ美しい宇宙旅行だと思ってます(笑)〜以上、ATOさん
※カジポン追記…僕は同サイトのGouryella『Walhalla』の「Vocal Extended」と、『Gouryella』の「Gigolo mix」が大好きです!あとSystem f『Ignition Squence Start』の「Original」(後半ヤバすぎ)、『Cry』の「DJ Sash & Pedro Del Mar Remix」。


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