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2012.1〜2

 2月29日…昨日、大阪市議会の今年第1回となる定例会(年4回)が開会した。閉会は3月16日。この約半月間に、橋下氏率いる“大阪維新の会”は、国歌斉唱の不起立教師を解雇することを定めた教育基本条例案を、議会に提出することを公言していた。僕は何度も当サイトで、不起立もまた愛国心のひとつの形であること、起立強制は内心の自由の保護を重視する近代市民社会の価値観に逆行しており(起立強制→自由になるのならまだ分かる)、時代錯誤の非民主的なものであることを強く訴えてきた。その一方で、心のどこかにちょっと油断があった。議会前の新聞各紙は、「昨年の府議会は“維新の会”が最大会派ゆえに同条例は可決されたが、市議会では過半数ではないため、この条例案は否決されるだろう」と予測していたからだ。その共産独裁国家のごとき非民主的な内容だけでなく、先日は最高裁が不起立教師への厳罰は不当と判断したこともあり、まずもって他の政党は維新の会に同調しないと思っていた。
だが、相手は敏腕政治家の橋下氏ゆえ、議会の開催に合わせてリベラル派文化人(山田洋次監督、俳優の杉良太郎さん、竹下景子さん、作家の高村薫さんら130人)が結集&会見を開き、「教育は命令と服従では成功しない。必要なのは、子どもが安心して学べる環境づくり」と声明を発表した。仮に保守の自民が賛成にまわっても、公明党(2番目に多い)が賛成しなければ過半数にならないため、維新の会は会期ギリギリまで公明を説得し続けるだろうし、採決は3月中旬になる、その頃にはより多くの文化人が反対派として行動し、議会への大きなけん制になるだろう、可決は厳しいはず…そのようにリベラル勢は考えていた。橋下氏だって、市民の充分な議論を待って採決に挑むのが民主主義と思っているだろうと…。それが!まさかの議会初日に提出&採決!そして自民・公明の“維新の会”への同調による可決!一部の文章を削っても基本部分は同じじゃん…。公明党よ、なぜ…。あなた方は、支持母体の創価学会が仏教系であることから、国家神道を進める政府によって、戦時中は大規模な思想弾圧を受けたではないか。創価学会創立者の牧ロ常三郎さんは、伊勢神宮の神札(護符)を祭ることを拒否し、不敬罪で逮捕され、あくまでも思想転向を拒否し、終戦の前年に無念の獄中死となったはないか。権力が内心の自由に介入する危険性を痛感しているはずの公明党が、どうして他の先進国には存在しない、こんな酷い条例案に賛成票を投じたのか。せめて、会期末の3月中旬まで判断を待って欲しかった!
今回、リベラル派には油断があったのか。先述した文化人の反対声明はもっと前倒しすべきだった?でも、あまりに早く声明を出しすぎても市民の反応は鈍いだろうし、会期初日というのは、これから議論を深めていく上でも、ベストのタイミングと思って昨日にしたのだと思う。だって、まさか公明が裏切る(そう書かざるを得ない)なんて予測出来なかったのだから。思想の自由を命がけで守り抜き、真冬の東京拘置所で死んでいった(栄養失調だから殺害されたようなもの)創価学会初代会長・牧ロ常三郎さんが、「国歌の45秒間、静かに座っているだけでクビ」なんて条例に賛成するとは到底思えない。他県の公明党議員は大阪市の公明市議団の行動に憤りを感じないのか?(僕は福祉政策に熱心に取り組んでいる公明党市議のことも知っているので、同党市議をまとめて批判するつもりはない。あくまでも今回の投票行動に対しての抗議です)
※別記事に橋下市長の発言「僕を生かすも殺すも公明さん次第」が紹介されていた。こういう秋波(しゅうは)を送られ、選挙協力への期待などから賛成に回ったのなら、ほんとに脱力してしまう。
//映画『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』(予告編 2分27秒)、100点どころか1万点でした!良い作品とは聞いていたけど、まさかこれほどとは!
 2月28日…(つづき・最終回/全7回※初回は2/22
●では過労死防止のため具体的にどうすればいいのか(後)
(5)ワークシェアリング(仕事の分かち合い)の導入…昨年からネット上で「日本には過労死するほど仕事があり、自殺するほど仕事がない」というフレーズを何度か見かける。社会の矛盾を見事に言い表している。明らかに仕事が一部に偏り、いびつな構造になっている。僕は2年前にオランダのワークシェアリングを紹介した動画(10分57秒)を見て、実際にオランダの人々とも何度か交流して、是非日本も導入すべきと実感した。シェアするとは、たとえば1人が10時間働いて片付ける仕事を、2人で5時間ずつ行うというもの。仕事を分け合う以上、給料は多少減るけれど、かわりに残業が完全になくなり、欧州で第1位の時短を成し遂げた(あの独仏よりさらに労働時間が短い)。導入時に賃金が下がった分、政府は減税で庶民の家計を支援した。1983年頃、オランダは14%という高い失業率に喘いでいたけど、ワークシェアリングのおかげでリーマンショック後も失業率は2%台だ。仕事を分け合うため収入は少し減るけれど、皆が仕事に就けるし、労働時間が短いから家族・友人と過ごす時間や、趣味に没頭する時間も確保できる。身体もラク。家族団らんの時間がたっぷりあるおかげか、ユニセフ調査の“子どもの幸せ指数”の結果は、オランダが先進国中で1位になった。同一労働同一賃金が法律で定められ、パートも正社員も時給は同じ。オランダ政府はパートと正社員の間で、昇進、雇用期間、保険制度などの格差をつけることを禁じ、労働者が週の労働時間を自分で決める権利を法律で保護した。たくさん稼ぎたい人は複数の仕事をやればいいし、独身であれば週3日働けば十分暮らせるという。金銭と自由時間のどちらを重視するのか、大切なのは生き方を“選択”できること
オランダは派遣労働者であっても3年間は失業手当(給与の7割)で保証してくれるし、次の仕事を見つける義務は派遣業者側にある(ウソみたいな話!)。動画に出てくる「長時間働くことよりも、いかに効率的かが重要」が印象的。
企業側は人件費が増すものの、失業者が減って社会が安定するし、国民の余暇が増えて経済活動に活気が生まれるため、結果的にプラスに働く。今年発表された“国際競争力”ランキングでは、日本27位に対してオランダは12位だ。08年の1人当たりの国民所得も、日本18位に対してオランダは6位!米英独仏より上だ。日本は派遣と正社員との間で生涯賃金にとんでもない格差がある。派遣は、ボーナスも、有休も、保険も、退職金も、すべてが無いか雀の涙だ。日本はもっと良い国に変われるはず。
経団連はふた言目には「国際競争力」「グローバル化」という。日産社長カルロス・ゴーンの年俸9億円に関しても、“グローバル視点では決して高くない”という声が経営サイドから聞かれた。よろしい。他の先進国と同じ土俵に立つというのなら、残業なし、夏休みあり、非正規と正社員の給料は同一、これら欧州と同じルールで勝負してくれ。日本だけが特別不利な条件で中国や新興国と戦っている訳じゃない。欧米だって同じ条件だ。都合の良い時だけグローバル化を引き合いに出すのはナシ!どれだけ金銭を得ても、健康あってのもの。厚労省が発表している健康被害の境界線「月45時間」(1日2時間以内の残業)をすべての経営者、労働者が意識しながら社会を築けますように。長文を最後まで読んで下さり有難うございました。
※2/24の“その2”を書くときにサンケイの『過労死の国・日本/繰り返される悲劇』(5回シリーズ)をかなり参考にさせてもらった。サンケイは経団連ベッタリの記事が多いので(原発も露骨に推進)、昨夏のこの特集にサンケイの良心を見た。こういう記事を書く人がサンケイにいて良かった。
 2月27日…(つづき・その6/全7回)
●では過労死防止のため具体的にどうすればいいのか(前)
他の先進国は一般的に残業がない。労働者を残業させないと利益を出せないような経営者は無能と見なされる。まして、残業させた上に賃金も払わないなどもってのほか。同様に、残業している労働者は、時間内に業務ができない役立たずと思われ、恥ずべき事とされる。日本も(人命がかかっているので)早くそうなって欲しく、具体策を5点ほど思案してみた(サラリーマンを念頭に置いており、働くほど腕に資産が貯まると考えている職人さんはまた別)。
※当コラムの第1回でワタミの渡邊美樹社長が140時間残業させても「労務管理できていた」と主張したことや、第2回で“大庄”が「上限100時間の残業は外食産業で一般的だ」と高裁で反論した背景には、200時間まで残業を可能にさせている任天堂や住友不動産、IHI本社(旧・石川島播磨重工)など、もっと過酷な労使協定を持つ企業の存在があるからだろう。
【5つの改善案】
(1)労基法第36条の削除/労使協定(サブロク協定)の廃止…残業を認めた第36条が削除されれば、先進国の常識である1日8時間が徹底される。“そんなの無理に決まってる!”“倒産する!”という人は、自分たちが北欧やEU諸国の企業に劣っていると認めることになるので、「日本企業だって不可能ではない」という気骨を見せて欲しい。
(2)労働基準監督官を17倍に増やす…国内の企業が約500万社あるのに、労働基準監督官はわずか3千人のみ。3千人で500万社をチェックできる訳がなく、監視の目が全く行き届いていない。1人で100社を担当する状態に持って行くためには、5万人(17倍)の監督官が必要。
(3)労働基準監督官の意識改革と権限を強化する…企業から「残業上限は月200時間」という恐ろしい労使協定が提出されても、今は「月45時間以内にしないと危険です」と伝えるだけ。法的拘束力がない行政指導(要望)しかできない。もっと、余程のことがないと45時間を超える労使協定は受理しないという毅然とした対応を望む。全国の労基署が過酷な労使協定であっても受理するから、経営者は「おカミのお墨付きが出た」と良心の呵責が薄れ、人員を補充せず無理な残業でしのごうとする。労基署は過労死をなかなか認めようとしないし(認定率約50%)、経営側に近すぎる。もっと国際労働機関(ILO)がうたう労働者保護の精神を学んで欲しい。
(4)『業務上過失致死罪』の適用…過労死が絶えないのは、これが殺人罪、重大犯罪と認知されていないことにある。日本の刑法には「業務上必要な注意を怠り人を死亡させる行為」に対して「5年以下の懲役・禁錮」や罰金刑を定めている『業務上過失致死罪』(刑法211条)がある。これまで社員を過労死に追い込んだ経営者が同法で投獄されたことはない。最高裁で係争中の“大庄”の件も、故人のご両親が勝訴しても民事訴訟なので懲役刑はない。慰謝料だけでは資産家の経営者にとって心理的ブレーキにならない。あえて踏み込んで言う。僕はワタミの渡邊社長は牢獄に送られるべきと思う。これは個人攻撃で言ってるんじゃない。「大企業は悪!」とか「経営者は敵!」なんて思っていない。社員の自殺が労災と認定されたのに、残業強要を微塵も反省していないことを表明したのはあまりに悪質で、本来なら“過失致死”ではなく確信犯も同然だ。これで何の咎めもなければ世間は渡邊イズムを認めたことになり、何も事態は改善されず、また犠牲者が出てしまう。(つづく/次でラスト!)
 2月26日…(つづき・その5/全7回)
●「Karoshi(カロウシ)」はこうして海外に伝わった
「カロウシ」を海外メディアで最初にローマ字表記(Karoshi)で伝えたのは米紙シカゴ・トリビューン。1988年11月13日、「仕事に生き、仕事に死ぬ日本人」という見出しで日本の過労死問題を1面トップで報じ、日本の発展は「労働への狂信的な献身」「経済戦争の戦死者」などの犠牲の上に成り立っていることを指摘した。シカゴ・トリビューンはその記事で「椿本精工」(現ツバキ・ナカシマ)の工場班長、平岡悟さん(享年48歳)の過労死を取り上げた。平岡さんは日勤と夜勤を1週間ごとに繰り返しながら製造ラインに立ち、度重なる早出と残業が加わり、1日当たり12〜19時間(!)の労働に従事していた。死亡前1年間の拘束労働時間が4038時間、休憩時間を除いた年間実労働時間は3663時間という途方もない長さ(前回書いたようにドイツ人の平均は約1430時間)。そして、88年の年始から51日間、まったく休みを与えられないまま2月に急性心不全で他界した。だが、経営トップは誰も逮捕されなかった。同社にはサブロク協定によって「残業は最長15時間まで可能」と定めていたからだ。15時間!正規の8時間と休憩1時間を加えると、なんと24時間拘束しても違法にならない。この四半世紀前の平岡さんの死の教訓はまったく生かされることなく、『和民』『すかいらーく』『庄や』『マクドナルド』等の従業員をはじめ、08年だけで158人が過労死・過労自殺と認定しされている。虚しい。先日は昨年5月に福島原発で心筋梗塞により死亡した労働者が初の労災(過労死)認定を受けた。
厚労省は国民の生命を守る為に存在している。そして同省は脳・心臓疾患の危険が生じる残業時間について「月45時間で注意領域、80時間で危険領域」と定めておきながら、上限なしの残業を認める『特別条項』の存在を認めるのは筋が通らない。かつて、僕はサブロク協定の存在もやむなしと考えていた。どこの国も同様と思っていたからだ。でも、墓巡礼でEU圏や北欧を訪れて、残業しなくても国家が成り立っているのをこの目で見て、さらにそれらの国は国民の幸福度指数が総じて高いレベルであることを知り、同じ人間なのになぜ日本人はサブロク協定と特別条項に過労死するまで縛られるのか、そこまでしなければ社会が成立しない無能な民族なのか、そうではないはずだと思うようになった。西洋諸国にできて日本人に不可能なはずはない。
※日本政府は少子化対策についてあれこれ議論しているけど、そんなもの欧州トップの出生率を誇るフランスを見れば一目瞭然。特効薬はある。労働者を早く家に帰らせること。そして多く休ませることだ。フランス人は週35時間労働(金曜が半ドン)、夏期休暇は5週間、保育園は無料。そりゃ赤ん坊も生まれてくる。
(つづく〜“では、具体的にどうすればいいのか”)
 2月25日…(つづき・その4/全7回)
●サブロク協定“特別条項”は労働者の命を絶つ斧〜
いまや「Karoshi(カロウシ)」という言葉は「カラオケ」「ニンジャ」のように、海外でも「カロウシ」で通じるようになった。他の先進国にはない日本特有の死因だからだ。これまで書いてきたように、国際労働機関(ILO)は「1日8時間労働」を大原則にしているし、日本の労基法も第32条で「1日8時間」と定めている。ところが、せっかくそう決めているのに、第36条で労使の協定(サブロク協定)があれば残業可能になったことから第32条の存在価値が消えてしまった。
バブル崩壊までは基本的に残業代が出たので、高給が欲しい労働者にとってはサブロク協定も価値があった。ところが、今や不況で残業代が出ないのに延々と働かされ、協定を破棄したくても解雇を恐れて労働者側は強気になれず、真綿で首を絞めるような法律と化している。
相次ぐ過労死を受けて厚労省は1998年に「サブロク協定があっても月45時間が限度」と規定したが、サブロク協定には「納期が迫るなど特別な事情がある場合、半年以内であれば“上限なく”残業させていい」とする『特別条項』があるため、過労死の歯止めにはまったく無力。08年には外国人実習生まで過労死する悲劇が生まれている。
サブロク協定の内容を見ると、外食産業だけじゃなく、有名な大企業が軒並みブラック企業ということが分かる。こちらのサイトでは『就職人気企業225社の年間時間外労働ランキング』を作成し、サブロク協定の上限残業時間を徹底的に調べ上げている。その結果、実に半数以上の6割にあたる137社が、過労死“危険領域”と国が警告している80時間以上の残業を可能とする協定を結んでいたことが初めて明らかになった。ソニー、NTTドコモ、三井物産、野村総研など50社もの名だたる大企業が上限100時間以上と規定。トヨタ、スクウェア・エニックス、ベネッセ、ユニクロ、富士通など66社が80時間以上。その他、本田技研、日産、三菱東京UFJ銀行、日テレ、日立製作所など21社は、3カ月単位で限度を設定しているため、1カ月に100時間を超える可能性があるという(よく調査したもの!)。就活人気企業に含まれない有名企業も統計に加えた場合の年間ワーストも結果が出ている。念を押すけど、厚労省は健康被害を抑えるため残業は「年360時間以内」と指導している。トップ5のワースト1位は大日本印刷の1920時間。天文学的数字。2位が任天堂の1600時間、3位がソニーとニコンで共に1500時間。4位が三菱電機、東レ、清水建設、大成建設の1200時間、5位が丸紅の1100時間だ。一方、これらの企業は社員の年収が非常に高いことでも知られている。つまり、フォローするならば、残業代がきっちり出ているから高収入ということになる。健康が第一とは思うけど…。っていうか、他国ではサービス残業の強要なんて許されないのだから、残業代をちゃんと払っていることをプラス要素にカウントせねばならぬ日本の現状が書いていて辛い。ゲームメーカーの中ではコナミが月45時間以下で、任天堂の200時間と比べると良心的なようだ。
サブロク協定は労働組合か、組合がない場合は労働者の代表が経営者と結んでおり、先のリンクでは「労使一体となって社員を死ぬまで働かせる仕組みが、大半の企業でまかりとおっている」と指摘している。
※海外の労働環境と比較した際に、馬鹿に出来ないのは通勤時間の長さ。残業時間や有休消化率(有休を使い切った人の割合は英仏独が約80%、日本は8%)と共に重要だ。なぜなら日本の通勤時間はダントツで先進国ワースト1位だからだ。主要国の片道の所要時間は米国23分、英国30分、フランス31分、ドイツ33分。一方、日本は男性79分、女性66分(総務省調査)。最長の千葉県は93分、往復3時間だ。欧米と3倍近い差があり、これが毎日何年も続くわけで、膨大なロスタイムになっている。(つづく)
 2月24日…サイトのアクセスが累計2500万件ヒット!常連の皆さん、いつも足を運んで下さり本当に有難うございます!ホント、更新の励みになります。少しでも良いサイトにすべく精進しますので、今後もよろしくお願いします。開設13年目なんですが、2500万件のうち、500万件は最近10カ月のものなので、急速に伸びていることになります。芸術論はともかく、時事問題など踏み込んだ意見について、僕と異なる見解を持たれる方も多いと思いますが、こうして耳を傾けて下さっていることに感謝しています。m(_ _)m
//5月13日(日)に大阪で映画ファンの読者交流会します!半日かけて映画の魅力を語り合いましょう!(詳細近日発表/掲示板のトラウマ映画スレ、共感しながら読んでマス)
//(前日のつづき・その3/全7回)
理由(2)“海外から見れば日本そのものがブラック企業”〜
国際労働機関(ILO)の第一号条約(1919年採択)は「労働時間は1日8時間」と定めている。残業を求める条件は厳しく、「3週間の平均が1日8時間を超えてはならない」としている。つまり月曜に2時間残業させたら、火曜〜金曜のどこかで2時間早退させねばならないんだ。日本のように長時間かつ恒常的な残業は固く禁じられている。これは第一号条約であり、基本中の基本だ。
だが、日本は93年も前に採択されたこの条約を批准していない。同条約だけではない。ILOが採択した労働時間に関する条約約10本のすべてを日本は未批准だ。ILOの元理事、中嶋滋氏いわく「一本も批准していない先進国は珍しく、日本も早く批准すべきだという国際的な圧力がある」「もしも批准をしたら即、実態が条約違反に問われてしまう。批准しないのではなく、できないと言った方が正しい」。また、ILOで批准された条約の履行状況を調査する専門家委員会の横田洋三委員長(国際司法学者/元東大教授)も「ILOの国際基準に沿って、日本の実態を変えた方がいい」と警鐘を鳴らしている。
経団連の中には長時間労働の理由を「日本人の勤勉さ」「真面目な国民性」に変換している人もいる。勤勉・真面目、その通りだが、そこにつけ込んで残業代も払わず過労死させていることを他人事のように思ってないか。そもそも、長時間労働が“国民性”にされてしまったのは対外戦争を始めてからだ。日清戦争の2年前、明治中期(1892年)の日本の官庁の就業時間は春(4〜6月)が8時〜16時、夏(7、8月)が8〜12時で午前だけ(!)、秋冬(9〜3月)が9〜17時という短さで、しかも今のEU諸国のようにバカンス=約20日間の夏期休暇があった。日清・日露戦争を経て、大正後期(1922年)にバカンスが廃止され、3年後に『女工哀史』が発表され、日中戦争が勃発し、首都・南京陥落の翌年(1938年)、泥沼化していく戦況の中で夏期もフルタイムで勤務するようになった。昔から仕事の為に家庭やプライベートを犠牲にしてきたわけじゃない。
戦前&戦後も日本人とドイツ人は勤勉な民族として世界に認知されているけど、労働者がたどった運命は正反対だ。今のドイツはEU圏でもトップを行く短い労働時間で知られている。09年の調査では日本人が毎日2時間の残業で年間2300時間働いているのに対し、ドイツ人は約1430時間という、驚きというか、ショッキングともいえる差が出ている。ドイツの労働者には夏4週間&冬2週間のバカンスがあるうえ(交代で休暇とかじゃなく、会社がまるまる休みになる)、週35〜40時間労働が徹底されているため、このように短い労働時間が実現した。ちなみに一人当たりのGDPは日本とさほど変わらない(2010年/日本16位、独19位)。
日独労働者の勤務時間の差“約1000時間”を8時間労働で計算すると125日分に相当する。実に日本人は年に4カ月も多く働いていることになる!ドイツは石油が出るわけじゃないし、むしろ海洋資源は日本が圧倒的に豊富だ。同じ時代に生き、同じ先進国で、ここまで差が広がっている。長時間のサービス残業は生産効率を落とすうえに、他人と交流する気力も時間も奪い、身も心も疲れ果てさせ、先進国では異例の高い自殺率(毎年3万人以上)の大きな要因になっている。
過労死弁護団全国連絡会議の尾林芳匡弁護士は、パリで開催された労働法の国際会議で次のスピーチを行い反響を呼んだ。「国際競争力をつけるために、労働者を保護する規制は緩和されてきたが、どんな競争にもルールは必要だ。労働者の生命と健康を危険にさらす競争は、不公正ではないか」。日本が真に国際社会で名誉ある地位を求めるならフェアな戦いが必要だ。相手が「1日8時間、週40時間」という国際ルールを守っているのに、こちら側だけが掟破りのエンドレス・サービス残業では公正な競争とは言えない。資本主義の戦いは、新しいアイデアや顧客へのサービスによって行われるべきで、従業員の待遇の悪化を競ってはいけない。労働者の命はポーカーのチップではないのだから。(つづく/次回「サブロク協定は労働者の命を絶つ斧」)
 2月23日…(つづき・その2/全7回)
しかし、僕はここで渡邊氏を執拗に個人攻撃するつもりはない。理由は(1)飲食業界全体に長時間労働の傾向があること(2)海外から見れば日本そのものがブラック企業、この2点だ。順に説明しよう。
(1)飲食業界に蔓延する長時間労働
●2007年に居酒屋チェーンの『庄や』(大庄/東証1部上場)で働いていた吹上元康さん(享年24歳)が入社から4ヶ月後に急性心不全で急死した。この間の残業時間は月平均112時間で厚労省の過労死ライン=80時間を超えていた。問題はそれだけではない。入社前に伝えていた月給19万4500円というのは、80時間の残業をした場合の金額であり、「本来の支給額は12万3200円」ということを吹上さんは入社3週間後の新入研修で初めて知らされた。つまり、“大庄”は「サービス残業しないならその分給料から天引きするぞ」と、最初から危険領域80時間まで働くことを前提に給与体系を構築していたんだ。吹上さんのご両親は同社を告訴し、地裁、高裁とご両親が勝訴しているけど、会社側の上告により最高裁の判断待ちとなっている。“大庄”については、労使協定であるサブロク協定についても、厚労省が上限とした月45時間を大幅にオーバーする「半年を限度に月100時間」という条項を作っており、一審判決で「労働者への配慮がまったく認められない」と糾弾されている。この批判を受け、“大庄”は2審の場で同業13社のサブロク協定を提出。同業者には月135時間に設定した企業もあったことから、「上限100時間の残業は外食産業で一般的だ」と反論した。おそらく最高裁の判決は年内に出る。この裁判は非常に重要だ。なぜなら、ご両親は会社だけではなく、社長など経営陣4人に対し「安全配慮を怠った」と民事訴訟を起こしているからだ。最高裁でも勝訴すると、過労死に追い込んだ大手企業・経営陣の“個人責任”が初めて確定する。有罪になれば、「80時間なんて残業にならない」「160時間〜200時間だってある」、そんな声も普通に聞かれる外食産業への影響は計り知れない。
※“大庄”の事件は会社だけなく社長ら幹部も個人的に訴えられているので詳細に書いた。他にも外食産業の過労死は多い。
●すかいらーく…2007年10月18日、非正規社員の店長が脳出血で他界。死亡直前は月200時間以上(!)の残業。すかいらーく系列では他にも『グラッチェガーデンズ』の店長が月150時間以上の残業で脳梗塞となり2004年8月15日に死亡している。
●マクドナルド…2007年10月19日、社員が勤務中にくも膜下出血で他界。直前3カ月間の残業時間は月90〜120時間。(参考URL
こういった外食業界の“常識”の中にドップリ浸かっているワタミの渡邊社長であればこそ「労務管理できていなかったとの認識はありません」と、臆面もなく言い放てるのだろう。だが、『すかいらーく』のように店長クラスではなく、『和民』で過労死認定されたのは新人の若い女性社員。入社からわずか2カ月で死に至ったことは業界的にも異常なことなんだと、社長にはその自覚くらい持って欲しいし、そうでなければ故人が救われなさ過ぎる。
※(2)の“海外から見れば日本そのものがブラック企業”についてはまた明日。
 2月22日…「体が痛いです。体がつらいです。気持ちが沈みます。早く動けません。どうか助けて下さい。誰か助けて下さい」。大手居酒屋チェーン「和民(ワタミ)」で働いていた26歳の女性社員が、悲痛な声をメモ書きし、入社から2か月後にマンションから飛び降り自殺したことが労災と認定された。厚労省は脳・心臓疾患の危険が生じる残業時間について、月45時間(1日約2時間)の残業で注意領域、80時間(1日約3時間半)で危険領域と定めている。だが死亡女性は時間外労働が月140時間を超え、朝5時までの深夜勤務が連続1週間続き、休憩時間もろくになく、さらに貴重な休日もレポート提出やボランティア研修への参加が強制され、まったく心身を休める時間がなかったという。冒頭の言葉は自殺の1ヶ月前のもの(08年他界)。
ネットでは彼女の死に対するワタミ社長・渡邊美樹氏(前・都知事候補)のツイートに非難の嵐が起きている。渡邊氏いわく「労災認定の件、大変残念です。四年前のこと 昨日のことのように覚えています。彼女の精神的、肉体的負担を仲間皆で減らそうとしていました。労務管理できていなかったとの認識は、ありません。ただ、 彼女の死に対しては、限りなく残念に思っています。会社の存在目的の第一は、社員の幸せだからです」。反省するどころか、真っ向から労働局審査官の方が間違っていると開き直っている。審査官は「業務の負荷が主因で適応障害を発病し、自殺を思いとどまる力が著しく阻害されていたと推定できる」と認定しているのに、渡邊社長の自己正当化の言葉の端々から“女性の弱さが原因”“サポートが評価されずむしろ自分は被害者”という思いがにじみ出ている。
労働基準法第32条は「1日に8時間を超えて労働させてはならない」と定めており、例外として雇用主と労働組合の協定がある場合はそれ以上の残業を認めている(第36条/サブロク協定)。ただし、サブロク協定があっても“平成10年労働省(現・厚労省)告示第154号”では残業の上限を「1週間15時間、1ヶ月45時間、年間360時間以内」と指導しており、「1ヶ月45時間」が公の限界点だ。ところが、渡邊社長は“140時間超え”(実際は休日も仕事の延長なのでもっと多い)という事実を完全に棚に上げ、「労務管理できていなかったとの認識はありません」という驚愕の発言をしている。さらには別のツイートで、現在取り組んでいる海外事業に関して「バングラデシュで学校をつくります。そのことは、亡くなった彼女も期待してくれていると信じています」と、氏が死に追い込んだ故人を利用し(恥知らずにも)美談にすり替えようとしている。一般常識と遊離したヒンシュク発言の連発。普通なら「今後はこのようなことにならぬよう再発防止に取り組みます」と声明を出すところだけど、新入社員が過労死に追い込まれても「会社の存在目的の第一は、社員の幸せだからです」と言い切るのは狂気の沙汰。このような人物が都知事にならなくて本当に良かった。
しかし、僕はここで渡邊氏を執拗に個人攻撃するつもりはないし、視野を広げねば問題を根本的に解決できないと思っている。理由は明日の日記で。
※この件へのネット界の反応はコチラコチラが象徴的。
 2月21日…居酒屋チェーン『和民(ワタミ)』の社員が過労の精神ストレスで自殺したことについて、ブラック企業問題は社会構造を変えねば根本的解決には結びつかないので、どうすれば生産的な方向に議論を持って行けるか考えながら日記を書いており、ちょっと更新に時間がかかってマス。
 2月20日…育児ブログの方にも書いたけれど、幼児の救急医療について大事な情報と思ったのでこちらにも。先日のEテレ『すくすく子育て』は子どもの救急医療の特集で、どういう状態なら救急車を呼ぶべきかとか、家庭で可能な応急処置を知りたい時は「電話番号“#8000”の小児救急電話相談にかければ、最寄りの相談窓口に繋がります」と言っていた。#8000!出産の時に産婦人科でその番号を教えてもらっていたのに、不覚にもずっと忘れていた。ちなみに要救急車なのは、頭部の打撲後「泣かない(通常ならビックリ泣きするはず=意識がもうろうとしている)」「吐く」「ぶよぶよのたんこぶができる(皮下出血が激しい)」「けいれん」というケース。また、番組では、ボタン電池を飲み込んだり、洗剤を飲み込んでしまうなど、そういった中毒症状に関しては、「中毒110番というものがあります。大阪だけが24時間対応してくれるので、072-727-2499にかけることをお薦め」とのことだった!
//24日深夜の『宮沢賢治の音楽会』、とても楽しみな企画。BSじゃなく、地上波でやればもっと多くの人が楽しめるのになぁ。アニメ映画『銀河鉄道の夜』の音楽を担当した細野晴臣さんも登場するとのこと。ジョバンニとカムパネルラが別れる時の『別離のテーマ』(3分10秒)や、幻想的な『エンドテーマ』(4分15秒)を演奏して欲しいな。※『銀河鉄道の夜』にはタイタニック号の悲劇も登場する。細野さんの祖父はリアルにタイタニック号の日本人生存者なんだよね。
 2月19日…民主化運動へ激しい武力弾圧を行っているシリアのアサド政権に対し、直ちに弾圧停止を求た「対シリア非難決議」が先日の国連総会で賛成多数により採択された。内訳は、賛成137カ国、棄権17カ国、反対が12カ国。治安部隊が子どもまで殺害しているのに、反対票を投じた国が12カ国もあることが信じられない。その愚かな12カ国の名前は、ロシア、中国、北朝鮮、イラン、ベラルーシ、ジンバブエ、エクアドル、ボリビア、キューバ、ニカラグア、ベネズエラ、そして当事者のシリア。反対国が掲げた理由は「主権国家への必要以上の介入だから」とのこと。そんな悠長なことを言っている状況ではない。中露の反対は安保理で拒否権を発動したことから予想できたけど、他の10カ国(南米が多い)に呆れてしまった。反米政権とはいえ、それはそれ、これはこれで、シリアの民衆を見捨てるような行為はしちゃいかんだろ…。キューバ革命&南米の英雄ゲバラは「お前ら何で反対票を入れてるんだ!」とあの世で激怒していると思う。僕はリベラルだけど、この件では南米の左派政権にはついていけない。※追記。新たに住民100人死亡の速報
/中国は世界各国から非難されたことに逆ギレして次のように反論している。「昨年11月25日のキューバに対する国連総会の決議(米国によるキューバへの経済制裁中止を求める決議)では、アメリカとイスラエルだけが反対した。12ヶ国はこの時より多いではないか」。このキューバ制裁中止決議は20年連続で採択され、186ヶ国が賛成し(日本も棄権せずちゃんと賛成した)、反対は米国とイスラエルのたった2カ国だけだった。僕は中国に反論の口実を与えない為にも、米国とイスラエルには国連を軽視した態度をこれ以上とらぬようマジで願ってる。
/結局、今のイランの核開発問題にしても、約1万発も核ミサイルを持っている米国がどの口でそれを言うかという状態なので、まず自ら襟を正して見本を見せないと説得力がなさ過ぎる。オバマ氏は大統領のうちにもっと核弾頭の削減を強力に進めて欲しい。
//僕は大河『平清盛』を熱烈に応援しているんだけど、視聴率低下のテコ入れとして、本編が始まる前に“今日の見どころ”コーナーが始まったのは超脱力。世の中には最初にハイライトを見て“おっ、今日は面白そう”とそのまま見る人もいるだろう。でも、僕のようにいわゆる“映画上映の前にパンフレットを読まない派”も多いと思うんだ。なんで「さぁ今から見るぞ!」と意気込んでるときにネタバレのオンパレードをするかな。次回予告も厳密にはネタバレだけど、あれは一週間前で記憶も薄れてるから別に良い。でも放送直前のネタバレは勘弁!どうしてもやりたいのなら、せめて19時59分にやって欲しい。それなら、僕は20時から録画しているのでネタバレが入らない。
/それと『平清盛』でドン引きになってることをもうひとつ。ここのとこ毎回のようにラブシーン(っていうかH)が登場するけど、あれはどうしても必要な描写なのか。全国のお茶の間が凍りつく(NHKにしては)ハードなシーンにヒヤヒヤする。主人公のラブシーンであれば、まだ物語の流れとして出てくるのも分かる。でも、清盛のラブシーンではなく、上皇(退位した天皇)のものばかり。主人公以外の人物であれば“こういうことがありました”とナレーションで済ませるとか、これまでの大河のようにシーンそのものは描かなくても、事後の描写で(龍馬と加尾のように)“営み”があったことを暗に知らせるとか、いくらでも演出方法はあると思う。砂ぼこりが舞う町や、服の破れている武士とか、そういうリアル路線はOKだけど、詳細な寝物語は無用。良いストーリーを続けていれば、必ず視聴率は上昇していくので、番組前ハイライトや本格ラブシーンのような変手を使わず王道を突き進んで欲しい。
//ノルウェーの画家ムンクの『叫び』がサザビーズで競売に。落札予定価格は64億円以上とのこと。個人が落札すると金庫や蔵に入れてしまうので、美術館が落札するよう願ってマス。
 2月18日…先日のNHK『歴史秘話ヒストリア』の“井原西鶴”編では、コミカルな戯作(大衆文学)を発表し続けた西鶴を、上方お笑いの元祖として紹介していた。そしてそのお笑い精神をリスペクトする気持ちが“鶴”の文字を継承することとされ、現在の「鶴瓶」「仁鶴」「鶴光」など“鶴”が受け継がれているという(笑福亭の初代は松鶴)。江戸時代の井原西鶴と平成の鶴瓶が鶴で繋がったのは新鮮だった。
//出版大手の講談社が、6月から著作者の許諾が得られたすべての新刊を、紙と電子で同時刊行すると発表。講談社が踏み切ったことで、一気に他社も追随するかも。電子化すると紙の値段や印刷費用が丸ごと浮くわけで、グッと安く出来るはずだけど、その辺は是非考慮して欲しいところ。※僕は読書しながら、重要に感じたページの端っこを折ったり、アンダーラインを引きまくるので、紙媒体の好きだなぁ。書き込みも出来るし…。何より電源がなくても読める安心感がある。
//機密指定を解かれた英公文書によると、1950年代に英情報機関MI5がチャップリンを共産主義者と疑う米政府の依頼で(当時は赤狩り中)、家系のことなど人生の背景を探る為に素性調査を行ったところ、どこからも出生記録が見つからなかったという。この記事で、チャプリンにフランス誕生説や少数民族ロマ(ジプシー)集落誕生説など出生の謎があることを初めて知った。
(追記)読者の方から、「このロイターの記事は冷戦期に米英当局が作り上げたデマで、チャップリンはロンドン生まれ」という日本チャップリン協会会長のつぶやきを教えて頂きました。有難うございました!
//マニアック・ネタ。『装甲騎兵ボトムズのベルゼルガよりかっこいいロボットは存在しない』というまとめスレをよんで同志の多さにニンマリ。スレ住民の平均年齢が高そう(笑)。こういう風に、会ったこともない人と、ボトムズ・メカの渋さを語り合えるのがネットの良いところっすね。個人的にはイプシロンのストライクドッグ(グーグル画像)にドーパミン大放出。※ベルゼルガは西洋の騎士風メカ。
 2月17日…ブッシュ政権の頃に始まった米国の教育改革が、10年経って失敗に終わったことを検証した『競争の果て』(12分)が参考になった。米国では全国一斉に学力テストを行い、その結果をもとに全校をランク付けし、校長・教師に“成果”を求めた。当初は校長・教員への“ハッパがけ”だったのが、やがて「学力の低い学校は閉鎖」「評価の低い校長はクビ」「成果を出さない教員はクビ」と懲罰が前面に出るようになり、たとえばワシントン市では5年間で23の公立学校がを閉校になり、266人の教員が次々と解雇された。学力レベルの低い学校は、低所得家庭の多い地域にあり、その地域で学校が閉鎖されたことで、ますます子どもの学力が落ちるという悪循環が起きている。/“競い合う”ことは悪いことじゃない。しかし、人間の価値が“点数”という数字に集約されるため、テストの結果に直接反映されない芸術や体育の時間がカットされていった。クラスの平均点が悪ければ解雇されることから、学力テストの前日になると、成績の悪い生徒に「明日は学校に来なくてもいい(=テストを受けるな)」と電話をかけるような教師まで出た。やがて、校長・教師が学校ぐるみで組織的に採点結果の底上げをする不正が横行していることが発覚し大問題になった。/これは非常に難しい問題だ。クビになりたくないため点数改ざんを行う教師に、教育者の自覚がないと批判することはたやすい。でも結果的に教員の不足をまねき、新人教師もストレスで続かずという事態になり、子ども達から学ぶ機会を奪っては本末転倒だ。紹介した動画では、学校に競争原理を持ち込んだ人物の1人が「失敗だった。改革ではなく破壊だった」と総括しており、点数中心主義の行き過ぎに警鐘を鳴らしていた。
//現在、宇宙には運用を終えた衛星やロケットの残骸など直径10センチを超える“宇宙ゴミ”が約1万6000個も点在し、毎秒数キロメートルの猛スピードで地球の周囲を回っている。宇宙船やステーションに衝突すれば大惨事だ。アニメにもなった漫画『プラネテス』はそういった宇宙ゴミの掃除屋が主人公だけど、リアルにスイス・ローザンヌ工科大の宇宙センターが「宇宙ごみ」清掃計画を発表。実現は5年以内という。全世界がこの計画に協力して計画が1日でも早く軌道に乗るようサポートしないと。
//荒木先生公式サイトに今後のジョジョフィギュアの原型が大量にアップ。ナランチャと5部ポルポルが格好良い!
 2月16日…金曜夜の『アバター』地上波初登場、めっさドキワク。クライマックスの名セリフがどんな風に日本語で訳されるか楽しみだなぁ。公開時は3D映画として話題になったけど、立体じゃなくても圧巻の映像美が味わえる。むしろ、意識が画面中央に集中し過ぎないので、より隅々まで鑑賞できるかも。音楽も素晴らしいし、美麗な地デジだし、万全の態勢でガッツリ録画したい。
 2月15日…発売中の『クロノス日本版3月号』(Ama)に連載の映画コラムを載せてます。今回は今年が公開70周年であり、ヒロインを演じたバーグマンの没後30周年にあたる往年の名作『カサブランカ』。
/社会的な混乱期にあって映画界は明るい希望を描き人々を元気づけてきた。『カサブランカ』もそのひとつ。この映画は1942年、ナチス・ドイツとの戦争真っ只中で撮影された。昨年、米アカデミー協会は、これまでにアカデミー作品賞に選ばれたすべての作品(歴代82本)の中から、『カサブランカ』を第1位に選出した。まさに映画の中の映画。
/本作の制作中はまだドイツ軍が優勢であり、欧州の未来がどうなるのか分からなかった。カサブランカはフランス領モロッコ最大の都市。撮影2年前にフランスはドイツに屈服し、親ドイツ派が政権を樹立。カサブランカのドイツ将校は占領こそしないものの我が物顔で振る舞っていた。映画はこの社会情勢を背景としたロマンスであり、反ナチスを前面に掲げている。
/ 『カサブランカ』は公開翌年のアカデミー賞で、作品賞、監督賞、脚色賞に輝いた。2006年、全米の脚本家約1万人が所属する米脚本家組合(WGA)は「偉大な脚本歴代ベスト101」を発表し、『カサブランカ』を1位の最優秀脚本に選出。実際映画史に残るセリフが多い。例えば主人公(ハンフリー・ボガート)と女友達の会話。「昨夜はどこへ行っていたの?」「そんな昔のことはもう忘れた」「今夜は会える?」「そんな先のことは分からない」。有名な“君の瞳に乾杯”は原文が「Here's looking at you, kid」。名訳であり、このセリフは劇中に4度も登場する。
ロマンティックなセリフがある一方で、常にブラック・ジョークが飛び交う映画でもあり、登場人物がミネラル・ウォーターの“ヴィシー水”の空き瓶をゴミ箱に捨て、蹴り飛ばすのも皮肉が効いている(当時、仏の親独政権はヴィシーにあった)。若い亡命夫婦に逃走資金を与えるために、わざと主人公がギャンブルで負けるシーンは、男気を感じさせる心憎い演出だ。劇中で最も印象に残っているのは、ナイト・クラブでドイツ将校らが愛国歌『ラインの守り』を唱い、それに対抗して反ナチの闘士がバンドに仏国歌『ラ・マルセイエーズ』を演奏させ、店内の客が総立ちになって大合唱するシーン。銃弾を使わず歌でドイツ将校を蹴散らす上手い演出。今でこそ大戦でドイツが敗北することを知っているけど、この映画は現在進行形で欧州が炎に包まれている中で作られたもの。レジスタンス仲間の「今度は俺達の勝ちだな」という言葉に反撃前の連合軍の決意を感じる。
/ラブ・ストーリーとしての『カサブランカ』は“誰も悪くない三角関係”。ヒロインが事実上の二股状態なんだけど、バーグマンの美しさが観る者の思考力を奪い、“やむなし”という気持ちにさせる(笑)。クランクインの段階でも男2人のどちらと結ばれるのか決まっておらず、両パターンを撮影することになったという。この映画のように、戦争を背景としたロマンスは星の数ほどあるけれど、「1942年制作」という時代の空気は特別なものがあり、そればかりは他の時代では再現不可能だ。
//ニュース映像で聞いた民衆の声に、事態の深刻さをあらためて認識。王族が支配する中東バーレーンで民主化運動が始まって1年が経ったけど、シリアやリビアに比べて世界からの注目度が低い。特に酷い無関心ぶりなのがイギリスで、英政府はロシアがシリアに武器を輸出することを問題にする一方で、市民に銃を向けるバーレーンに対して、昨年も武器輸出を続けていた。リンク先のニュース動画でバーレーンの亡命者が「イギリス政府は間違いを犯し続けています。もう十分です!もう十分です!」と叫んでおり切実さが伝わる。別の民主活動家も「アメリカもイギリスもバーレーン政府を一度として責めたことはありません。戦略的に重要な同盟国だと話すばかりです」と焦燥感をあらわにしている。(ニュースサイトの動画はすぐに削除される。まだ残っていますように!)
 2月14日…読者掲示板で教えて頂いたアート情報を3つ紹介!
●ゴッホ作品(星月夜)の絵画アニメーション
うおお!ゴッホの絵がうねり、グルグル回っている!美しいし、音楽もとても良い!リンク先の動画を再生したら是非最大画面で味わって下さい!
●ドラえもん『45年後…』(6分20秒)
45年後から大人になったのび太がやって来て、“もう一度少年時代を味わいたい”“少し変わってくれ”とお願い。ママに叱られているときの、のび太の嬉しそうな顔が印象的。YouTubeのコメント欄に「親が叱ってくれるという幸福」とあったけど、まさにその通りだと思った。この作品は同人漫画ではなくリアルに藤子・F・不二雄先生の作品。先生の他界後に発表されたことから『ドラえもんプラス』(先生の選集ではない)というコミックスの5巻に入っているとのこと。作中に出てくる次の言葉が、晩年の先生からのメッセージに思えた→「君はこれからも何度もつまづく。でもそのたびに立ち直る強さも持っているんだよ」。
●グラミー賞の主要3部門を制覇した女性シンガー・アデル!
ひょえ〜!なんという圧倒的な歌唱力!っていうか、声質が素晴らしすぎる!ジャニス・ジョプリンのシャウトとはまた異なる、ハートにガツンとくる声!これぞ天が与えた歌声。アデルは23歳の英国人。最優秀楽曲賞と最優秀レコード賞に選ばれた『Rolling in the Deep』(3分54秒)の動画で分かるように、ルックス的には一般にちやほやされる細い可愛い系アイドル歌手とはちょっと違う。そんなものは、第一声を聴いただけでどうでもよくなった。ウルトラ格好良い!毒舌家で知られる作家スティーブン・キングが絶賛した『Rumor Has It』(3分45秒)でもソウルフルな声にノックアウト。途中のバラードがヤバすぎる。2曲とも3分台の短い楽曲なのに強烈なインパクト。昨日の日記で紹介した音楽ビデオ・メドレーにアデルを登録したので、さらに聴きたい方は是非どうぞ!これで再生されると広告が入らないのが良い。(2番目に再生されるスローナンバーもグッド!)
※昨年リリースしたアルバム『21』は全世界19カ国で1位を獲得し、既に1700万枚を突破。全米ビルボードチャートでは発売以来39週連続でトップ5位以内を記録し、マイケル・ジャクソンの持つ38週連続の記録を抜いて歴代1位に!(『21』/Ama
/読者の皆さん、いつも様々な情報を有難うございます!(>_<)
 2月13日…これはスゴイ。ネットで話題になっている、好きなミュージシャンの動画を自動で次々再生してくれるサイトはかなり重宝。僕の場合、作業用にエンヤ特集YMO特集をかけたり、クラシック音楽にも対応してるのでショパン特集を流したり。まだ使い込んでないのでいろいろ遊んでみたい。
//最近、YouTubeの再生前に広告が急激に増えている気が。利益も必要なのは分かるけど、ちょっと多すぎる。5秒でスキップできるならともかく、強制的に15秒再生するCMまで出てきた。しかもCMが「金を借りろ」とか勘弁してくれ。これまでなかっただけに実にうっとうしい。動画をクリックした人は、みんな「早く見たい!」って思ってるんだから、動画前のCMは“空気読めよ…”って企業イメージが逆に悪くなる。アコムも逆効果と気づけばいいのに
//NASAが発表した国際宇宙ステーションから見えるオーロラが美しすぎる。先日太陽表面で大規模な爆発があったことを書いたけど、あれがオーロラを活発にさせた。YouTubeにあがっていた短い動画(35秒)はオーロラ&夜景の他に、最後に彗星が遠方に入っていて神秘的。公式サイトでは動画が次々とアップされているけど、ちょっとデータが重い。地球の夜景を楽しみたい方はコチラ(3分14秒)がオススメ。






カナダ上空とのこと。
これは目の保養になる
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 2月12日…大河『平清盛』の熱烈ファンの仕業ではないと思うんだけど、鎌倉にある平家の宿敵、源頼朝の墓が破壊された。画像を見ると上部が欠落している。事件が起きたのは昼過ぎ。僕は過去に2度ここに巡礼してるけど、鶴岡八幡宮の近くで途切れなく墓参者が来る場所だ。既に容疑者は逮捕されたという。どんな理由があろうと、墓を破壊なんかしちゃいけない(1989年にも壊されたそうだ)。
//昨日の米大統領選・共和党候補者選びに補足。ロムニー氏を猛追しているのは若手のリック・サントラム候補。この人物は候補者の中で最も過激なキリスト教原理主義者&保守右派。ブッシュが大好き。同性愛者を差別し、あらゆる人工中絶に反対、そしてダーウィンの進化論を否定し、神による天地創造説を信じている。タカ派のサントラム氏だけは大統領になって欲しくない。僕は平和主義・ヒューマニズムとしてのキリスト教は好きだし、キリスト教を題材にしたルーベンスやレンブラントの絵画、バッハのミサ曲に感動する。人間キリストの優しさに心を打たれ、イスラエルのゴルゴダの丘、ゲッセマネ、ナザレ、ガリラヤ湖やワイン&魚の奇跡を行った場所、最後の晩餐を行った場所、ピラト提督の判決を受けた場所、バプテスマを受けたヨルダン川などを巡礼し、生誕地のベツレヘムには2度訪れている。だけど、キリスト教保守が押し付ける一神教特有の排他性や進化論の否定、同性愛を全否定する態度には賛成しかねる。/サントラム氏が最終候補者になれば、新興のパロディカルト宗教『空飛ぶスパゲッティ・モンスター教』の信者が激増するだろう。2005年にカンザス州教育委員会が「学校教育で進化論と並行して“何らかの知性”による創造説=インテリジェント・デザイン(ID説)も教えるべし」とする動きを見せたことに対し、これと対抗する為に“預言者”ボビー・ヘンダーソンによってスパゲッティ・モンスター教=略してスパモン教は創始された。ヘンダーソン氏はキリスト教を否定するのではなく、キリスト教右派の論理をそのままパクッて「平等のため、進化論とID説だけなく、スパゲッティ・モンスターが人類を作ったという説も学校教育で教えるべきだ」と主張している。有名なスパモン信徒ブログは、「キリストがスパゲッティ・モンスターの息子ではないという実験的証拠を見付けた者に25万ドルを払う」と約束した。これは「証明できない=真実である」という論法を使った巧みな皮肉だ。
●『空飛ぶスパゲッティ・モンスター教』の主な教義(ウィキより)
・宇宙は大酒を飲んだ空飛ぶスパゲッティ・モンスターによって創造された。
・最初に創造したものは、山、木々、小人一人。古代人の身長が低いのはスパゲッティ・モンスターの触手によって頭を押さえられていたからであり、現代人の背が高いのは人口増加によりスパゲッティ・モンスターの触手の数が足りなくなったからである。
・祈るとき、「アーメン」の代わりに「ラーメン」と言う。
・天国にはビールが溢れ出すビール火山とストリッパー工場が約束されている。地獄はビールの気が抜けていてストリッパーが性病持ちであるという事以外天国と同じである。
・ブッシュ(元大統領)をはじめとする「進化論以外の創造説も学校教育で教えるべきだ」と主張する人々は我々の代弁者だ。
・教祖や教団にお布施をする代わりに、そのお金は「貧困をなくす」、「病気を治す」、「平和に生きて、燃えるように愛して、電話の通話料を下げる」のに使う。
--等々。最後の「お布施はこう使え」という内容が良いね。
※このスパモン教の普及の成果によるものだろうか、05年にカンザス州で可決された「ID説を同時に教えよ」論は、翌年の選挙でこれを決定した委員が全員落選し、07年に再び「進化論だけを教える」に方針が戻った。(スパモン教の情報を下さった読者の方、有難うございました)
 2月11日…米ポップス界の女王、ホイットニー・ヒューストンさん急死の速報に驚く。まだ48歳。ここ10年ほど麻薬依存に苦しんでいたとのこと。名歌『オールウェイズ・ラヴ・ユー』(4分36秒)を聴き彼女を偲ぶ。
//今年は米国の大統領選挙。オバマ氏と対決するため共和党の候補者選びは、各州ごとに勝利者が変わるなど接戦になっており、僕も注目している。個人的には穏健派のロムニー氏が来ればいいなと思ってるけど、今日のメーン州の党員集会で、僅差で2位になったロン・ポール氏の公約がリベラルの僕でさえビックリなので紹介。ポール氏の信念は他国に対する徹底した不介入主義。「海外に展開する米軍の存在が紛争を生んでいる」が持論。それゆえ、共和党に所属しているにもかかわらずイラク戦争の開戦に強く反対した。先月は「私は中東だけでなく、日本や韓国からも部隊を引き揚げる」と演説し、日韓から米軍を撤退させることを公約にした。在日米軍の完全撤退!オバマ氏でもそんなことは言わない。ポール氏はアンチ・ウォール街、アンチ・軍産複合体、アンチ・国防省(ペンタゴン)、CIAの廃止(!)、愛国者法の廃止まで訴えている。当選すればベトナム撤退を考えていたケネディの二の舞にされる恐れもあるけど、76歳という高齢もあって怖いものがないんだろう。日本の隣りには中国、北朝鮮という非民主国家があるけど、自衛隊は世界第2位の優れた海戦力(イージス艦6隻!)を持っており「防衛」に限っていえば敵ではない。在日米軍全面撤退を公約している人物が大統領候補者にいる事実を見て(しかも少なからず支持を集めている)、日本の民主党は“絶対に普天間の部隊を沖縄から動かせない”という凝り固まった頭を、もっと柔らかくして欲しい。※ただ、ポール氏を全面支持できるかといえば僕は躊躇していまう。なぜなら、不介入主義の一環として国連脱退を訴えているし、福祉予算の大幅カット、国民皆保険反対など、庶民派とは言い難い側面を持っているからだ。
//福島第一原発2号機が78度まで上昇。80度になれば冷温停止状態とはいえず(100度の誤差20度内に含まれる)、あと2度まで来ている。頼むわ…。(2/13追記。温度計の故障?
//台湾と言えば、東日本大震災で100億円を超える巨額の義援金を集めてくれるなど、その親日ぶりに日本人としては深く感謝したい国。その地にあって、日本人の女性タレントMAKIYOと友人がタクシー運転手を暴行し、台湾の検察から起訴された事件は残念極まりない。当初は被害者のような言い方(「胸を触られた」→ウソと判明)をしていたのも、恥としか言いようがない。運転手からのシートベルト着用要求に腹を立てて、意識不明になるまで暴行を加えたといい、弁護の余地なし
//今日はアクセスが多いと思ったら、Gigazineさんが『カーズ様文鎮』の紹介記事でジョジョ名場面集のページにリンクを貼ってくれていた。ジョジョ立ちページはよくリンクされるけど、名場面集はあまり貼られないので嬉しい!
 2月10日…アニメーターの低賃金・長時間労働は手塚先生の頃からずっと問題になってきた。サイト読者の方が教えて下さった取材動画(9分)を見て、これほどまでに事態は深刻なのかと驚いた。登場するアニメーターさんは、1日10時間働き、月に4日しか休みがないのに、給料は月10万円。動画を1枚描くと200円、どんなに頑張っても月に500枚が限界(だから10万円)とのこと。業界全体を見ても、20代の年収は平均110万円、30代で214万円。ワーキングプアであり、職業として成り立っていない。
/低賃金の背景として、デジタル化で昔のように枚数を描けないのに、固定給ではなく歩合制のままということがある。すごく簡単な動画でも1枚にカウントされるため、従来はそれで枚数を稼いでなんとか給料の足しにしていた。ところが、現代は簡単な絵は全部コンピューターでやり、難しく時間がかかる絵ばかりを人間が描くことになった。1枚あたりの作画時間が増える=当然仕上げた絵の数が減るわけで、収入も減少してしまった。
/YouTubeのコメント欄を読むと、制作費は1話2千万とか結構出ているのに、テレビ局や広告会社(電通など)が巨額の“中抜き”をおこない、アニメ会社には2割程度しかお金がまわってこないとのこと。国産アニメの質が劣化すると、テレビ局や広告会社も結果的に利益が減るのに、生活維持が困難なレベルまでアニメーターの給料を低く抑えるのは逆効果と思うんだけど…。
/そのキツイ業界にあって、ジブリは他社に先駆けて固定給を導入した(さすがは宮崎さん!)。おかげで、ジブリのアニメーターは生活に追われず絵の完成度にこだわることができる。ハイクオリティで定評のある京都アニメーションやシンエイ動画も固定給になったという。この流れが加速して、素晴らしい芸術を生み出す環境が整いますように。
※米国の業界では技術職扱いで年収約600万以上が相場とのこと。
//見るからにに寒そうなカナダの道路標識
//熱が38度。インフルエンザじゃないと思うけど、頭がズキズキ…。
 2月9日…11日の深夜にBSで故ベジャール振り付けの『ボレロ』がオンエアされる!世の中にたくさんバレエダンサーがいるけど、ボレロを踊ることを許されたダンサーはごく一部。ニコラ・ル・リッシュのボレロ動画は、既にYouTubeにアップされている(後半パート部分※画面拡大推奨/7分49秒)ので、BS視聴環境にない人はご参考に。リッシュ氏のボレロは初めて見たけど、すごくシャープでキレがある。顔や髪型が伝説のジョルジュ・ドン系なので、時折オーバーラップして見えた。この録画はカメラの台数が多く、様々な角度からベスト・アングルで捉えている。他のダンサーのボレロ映像ではあまり映っていなかった舞台上の群衆の動きがよく分かり、ソロと群舞によるダンスの対話&ハーモニーを楽しめた。間違いなく永久保存版。/ボレロ動画を検索していて、シルヴィ・ギエム(女性)のボレロも発見(9分52秒)!画質はリッシュ版より落ちるけど、音はかなり良い。ほとんどのボレロがソロが男性なので、女性によるボレロはめっさ貴重。元々この演目はヨーロッパの港町の酒場で、女性がテーブルで踊っているのを水夫たちが取り巻くという設定。初演もダンサーは女性だった。ジョルジュ・ドンのインパクトが強すぎて男性メインのイメージになっており、ギエム版は原点回帰といえる。この時、ギエムは44歳。まったくその年齢を感じさせない跳躍や、柔らかな動きに驚愕っす。
//コッポラ監督の『ドラキュラ』の衣装でアカデミー賞に輝き、マイルス・デイビスのアルバム「TUTU」のジャケットデザインで日本人女性初のグラミー賞を受賞した国際的アートディレクターの石岡瑛子さんが1月21日に他界(享年73歳)。また、今日は漫才コンビ“太平サブローシロー”として1980年代の漫才ブームの中心にいた大平シローさんが55歳で他界。シローさんは“日本のジョン・ベルーシ”と言われ、頭の回転が速い上にものまねが非常に上手く、僕らの世代では「天才」と呼ばれていた漫才師。今でも当時を振り返ってサブシロが一番面白かったという意見をよく聞く。サブシロは人気のピークで吉本興業に背を向け独立したことから(シローさん当時32歳)、怒った吉本が徹底的なサブシロ潰しを行い、完全に仕事を干されてしまった。それまでテレビに出まくってたのに忽然と姿を消してしまい、一般人の僕でも吉本の非情さにビビッた。サブローは詫びを入れて吉本&テレビに復帰したけど、シローはだいぶん後になるまで詫びなかった。今、吉本興業のギャラが安いとか、せっかく稼いでも殆ど持って行かれると芸人がトーク番組でボヤいても、なかなか独立に踏み切ることができないのは、サブシロがたどった運命を見ているからだ。シローさん、たくさん笑わせて頂きありがとうございました。
//先日、ここの日記でさんざん大河『平清盛』をベタ褒めしたのに、前回の第5話は「伏線を仕込む回」でほとんどストーリーが先に進まず(前半、宮中描写に15分って長すぎ!)、しかもタイトルが『海賊討伐』なのに、その準備をしているだけで終わってしまい、もう冷や汗がでるやら脱力するやら。日記を読んで5話から見始めた方、いつもはもっと濃い内容で、感情を揺さぶるシーンもあるので、どうか今後も『清盛』をよろしくお願いします。次回の第6話は本当に海賊討伐があり、しかも海戦シーンには建造に3カ月をかけた8隻の木造船と、総勢200名のエキストラが登場。期待大!
 2月8日…『ブレードランナー』『エイリアン』など傑作SF映画を世に送ったリドリー・スコット監督の新作SF映画『プロメテウス』の予告編(1分11秒)が公開された!内容的には『エイリアン』第1作の前日談になるそうだ。緊張感漂いまくりの予告編に見入った。日本公開は8月!
//参加資格15〜17歳限定の若手バレエ・ダンサーの登竜門、スイス・ローザンヌ国際バレエコンクールで神奈川県の高校2年生・菅井円加さんが優勝!第1次審査に合格した19カ国79人が競い合い、決勝に21人が選出。その中で、審査員9人の「全員一致」という圧勝!欧州には国立バレエ学校があるけど日本にはない。そのハンディを突き破った。この権威あるコンクールで日本人が1位になったのは熊川哲也さん以来23年ぶり。菅井さんが凄いのは古典舞踊部門だけじゃなく、現代舞踊部門でも1位を獲ったこと!クラシックもOK、モダンもOKという実力派。国内のコンクールを総なめし、初めての海外大会でいきなりの栄冠。優勝者は有名バレエ団への入団が1年間無料で認められるため、英国ロイヤルバレエを希望しているとのこと。天性の才能もあると思うけど、ニュースのインタビューを見ていると、3歳の頃から毎日5時間練習していたり、バレエ教室の友人が「高校に通いながら、みんなが帰ってからも夜11時半まで1人で練習している」と感服していたり、超努力型の天才という印象。コチラ (1分12秒)のYouTube動画は今回のローザンヌの模様を、そしてコチラ(1分)では国内大会の模様がアップされている。手足の伸びやかさ、柔らかさがが尋常ではなく、素晴らしい表現力。今後の活躍が非常に楽しみ!
//ディズニー社が3月17日に無料BS新チャンネル「Dlife(ディーライフ)」を開局する。スカパーやWOWOWなど有料BSが多いなか、人気の海外ドラマやバラエティーを無料で放送するそうだ。外資系初の無料チャンネルが黒船となり、現行の有料BSがもうちょい安くなるといいな。
//今日だけでアクセスが5万件を突破したので、何が起こったのかとドギマギしてたら、グーグルのトップページが江戸時代の画家・伊藤若冲になってたんですね。アクセスはこのページに集中してました。グーグル先生、恐るべし!
 2月7日…(2/6のつづき・ラスト〜初回は1/29)
1987年10月、冒頭に記した秋の沖縄国体が始まる。日本ソフトボール協会会長の弘瀬勝氏は、競技会場となった読谷村に対して、「日の丸掲揚、君が代斉唱をしなければ別の場所で開催する。他県での開催も考えられる」と通告し、何年も前から国体開催の準備をしてきた村長は苦悩の末に従うことを選んだ。
弘瀬氏が競技前日にチビチリガマ参拝を行うことが発表されると、集団自決で家族を失った村民が“参拝を阻止しよう”と話し合った。ガマの前に集まったソフトボール協会関係者に知花さんは「ここは日の丸・君が代によって教育された村民が多数自決した場所だ。そこに参拝するということが、どういうことなのか考えてほしい」と訴え、弘瀬氏には「日の丸を押しつけたあなたがなぜ参拝するのか」と抗議した。
この翌日、知花さんは野球場で日の丸を下ろし火を放った。胸の内に、読谷高校卒業式の女生徒の行為に、大人として応える義務があるという思いもあった。知花さんは警察出頭前に会見を開き、“読谷村は米軍の上陸地点だった”“今も村の47%が米軍基地”と切り出した。
「沖縄は天皇・日の丸・君が代によって、徹底的に教育され『動物的忠誠心』とまで言われたほどに、戦争に動員されていった。その結果が20万人の戦死者であり、集団自決なのです」「集団自決は自分が愛するからこそ、自分の手にかけていくという、親が自分の子どもを、兄弟を手にかけていくという、想像を絶する悲しい出来事です」「日の丸を先頭に君が代を歌い、天皇を崇拝し、総動員されていったのが沖縄戦なのです」。そして、同地に住む者として日の丸掲揚は受け入れられないこと、スポーツに『日の丸・君が代』は必要ないこと、読谷村は国体成功のために一丸となって準備を進めてきたことを語った。
この事件は大きな波紋を呼んだ。脅迫電話が続き、2日後の深夜に知花さんが経営するスーパーが放火され、店舗の一部が焼けた。6日後には、右翼が真っ昼間にハンマーを手に店に殴り込みをかけ、買い物客がいる前で店内をメチャクチャに破壊した。そして右翼はこともあろうに、集団自決のあったチビチリガマ前の『世代を結ぶ平和の像』を無惨に砕き、銛(もり)を地に突き立て「国旗燃ヤス村二平和ワ早スギル天諌(てんちゅう)下ス」と書かれたビラが貼り付けられた。
/前述したように、僕はこれらの報道をずっと新聞やニュースで見ていたので、“政府はめちゃくちゃなことをする”と憤っていた。ロードローラーで人の心を押し潰していくように見えた。そして、国旗国歌法が可決する際の「政府は国旗・国歌の法制化に当たり、国旗の掲揚に関し義務づけなどを行うことは考えておりません」という首相答弁が“なかったこと”にされていく過程をリアルタイムで見てきた。今だって全国の0.6パーセントの面積しかない沖縄の地に、75パーセントもの米軍基地が集中しており、素直に日の丸・君が代に向き合えない人がいると思う。普天間のことにしろ、政府の冷淡な対応が続いているし。こうした、戦中、戦後の経緯を踏まえて、不起立教師は立てないでいる。愛国心がないからじゃない、苦しみを感じている人に共感できるからだ。旗や歌は愛国心を計るバロメーターではなく、自国の文化への深い愛こそが、真の愛国心だと僕は思っている。
※米国の星条旗焼却写真から読谷村の日の丸焼却事件を思い出し、この長いコラムになりました。最後まで読んで下さり有難うございます。m(_ _)m
 2月6日…(2/5のつづき〜初回は1/29)
そして、通達の翌々年(1987年3月※国体の半年前)、卒業式を迎えて沖縄では生徒達の反乱が続発した。
●北谷高校…卒業生400人が「日の丸掲揚」に抗議し、会場内に入らず外で待機。学校側が掲揚を断念したことで、卒業生は会場内に入り大きな拍手の中で式が始まった。
●中部高校…全卒業生が「会場に日の丸があれば、舞台の菊の花を撤去して抗議の意思を表そう」と事前に申し合わせ、一人一人が菊の花を持って退場。さらに一人の卒業生が日の丸を舞台の下に放り投げた。教頭と生徒との言い合いの後、ついに卒業生が「もう式はやらなくていい」と一斉に退場。結局、掲揚は中止され卒業式が再開された
●読谷高校…女子生徒が壇上から日の丸を引き下ろし、友人と共に3人で旗の撤去を訴える。その生徒に向かって教頭は「あんた、成人だったらこれは犯罪行為だよ」と叱りつけると、生徒は「誰が賛成しましたか!生徒は賛成しましたか!」と叫ぶ(卒業式の主役である生徒には掲揚について何の説明もなかった)。彼女は会場を飛び出すと、旗を体育館横のドブに突っ込んで塀の外に投げ捨てた。この様子が記録された『ゆんたんざ沖縄』(6分)がYouTubeにアップされていた。この動画だけいきなり見ると、ドライな人は彼女の絶叫に、“何を熱くなってるんだ”と引いてしまうかも知れないけど、背景にある読谷村の筆舌に尽くし難い歴史を考えると気持ちを分かってもらえると思う。事件後、読谷村では女学生を非難する声は出ず、賞賛の拍手が圧倒的だった。
6月、塩川文部大臣(塩じい)が教育委員会総会で「国旗・国歌を大切にする教育を積極的に進めてほしい」と要請。
8月、沖縄国体が近づき今度は「君が代」が問題となってくる。
●豊見城中学校…吹奏楽部の一部生徒が君が代の練習を断り、国体開会式の参加を取り消された。部員は一人ずつ職員室に呼ばれ「演奏するか、しないか」を問われ、親から「国体に出られるかどうかの踏み絵にするのはおかしい」と声があがった。
10月、国体2週間前。
●沖縄市立山内中学校…テニス競技の開会式で君が代合唱予定の女子生徒たちが斉唱を拒否し合同練習がストップ。「学校が歌えと命令したら絶対に国体に出ない」と反発。
●浦添市立仲西中学校…吹奏楽部の生徒たちが演奏を拒否し、国体事務局が父母に演奏させるよう要請する。生徒は最後まで君が代演奏を拒否したため、国体当日は電子オルガンの演奏に差し替えられた。(つづく)
 2月5日…(2/1のつづき〜初回は1/29)
米国の若者が星条旗を焼却した事件をきっかけに、日記で諸外国の国旗・国歌の取り扱いを考察してきた本稿も、いよいよ佳境に。
/先日、ある人から「不起立教師は、たかが1分間起立して口をパクパクする真似がどうして出来ないのか。それで角が立たず丸く収まるのに」と質問され、結局そこのところが伝えきれてないから、僕がいくらここで憲法第19条(心の自由の保護)の価値を訴えても、教師の苦悩が届き難いのだと感じた。そして、僕は一番大事なことを語り忘れていたことに気づいた。日の丸・君が代を教育現場に導入するに当たって、生徒がどれほど反発したかということだ。不起立教師の話ばかりで、生徒のことを語っていなかった。1985年から卒業式での義務づけが始まり、僕はその時高校3年だったから、当時の混乱をすべて覚えている。特に沖縄では立て続けに大きな事件が起きたので、それを紹介することで、不起立教師に貼られている“変わり者”“自己中心者”というレッテルが正当なものではないことを証明したい。
/1987年10月26日、沖縄県読谷村(よみたんそん)でその“事件”は起きた。沖縄初の国体において、ソフトボール競技の開始式の最中に、スコアボード上の日の丸を地元住民の知花昌一さん(当時39歳/スーパー経営)が引きずり下ろしライターで焼却したんだ。知花さんは“国体の開始を15分遅らせた”ことを理由に威力業務妨害で逮捕された。何が知花さんを駆り立てたのか。太平洋戦争の沖縄戦では県民約60万人のうち、現地徴兵された島民も含めて20万人が死んだ。実に、3人に1人だ。米軍が上陸したのがまさにこの読谷村であり、日本軍が本土上陸の時間稼ぎのために内陸部へ撤退した後、取り残された村民はガマと呼ばれる2つの洞窟に逃げ込んだ。シムクガマに逃げ込んだ約千人に対し米軍が投降を呼びかけると、人々は「米兵は赤鬼」「降伏者は非国民」と日本軍から教え込まれていた為に、投降を拒否して竹槍で突撃しようとした。偶然、避難民の中にハワイへの出稼経験者2人がいて(比嘉平治氏、比嘉平三氏)、「アメリカ兵は一般人を殺害しない」と人々を説得し、さらに2人が米軍と交渉したことで、 殆どの住民が助かった。だが、もう1つのチピチリガマでは「生きて虜囚(りょしゅう)の辱(はずかしめ)を受けず」と82名が集団自決してしまう。このうち半数以上の49名が子どもだった。自決と言っても赤ちゃんは自分で死ねない。“米兵に殺されるくらいなら自分の手で”と親たちは我が子を包丁、鎌、ナイフで刺し、油に火を放った(最初に18歳の娘さんが「お母さん、私を殺して」と叫び、それが引き金となって集団自決が始まった)。それから27年後の1972年5月15日、沖縄は日本に返還された。島民は米軍基地が撤去されると期待したが、変わったのは国籍だけで基地の大半はそのまま残った。「本土防衛の捨て石となって県民20万が死んだのに…」と、沖縄の人々には日本政府への不信と失望が渦巻いた。復帰の13年後(1985年)、中曽根首相が靖国神社を公式参拝し、文部省は全国の公立学校に式典での日の丸掲揚、君が代斉唱を徹底するよう初めて通達を出す。2年後の沖縄国体に皇太子が出席するため、日の丸・君が代なしで国体を行う訳にいかなかったという背景もある(正式に日の丸と君が代が国旗・国歌となったのは、これより14年後の1999年)。この通達を受けて沖縄の教育現場では大混乱が起きた。1985年時点で、掲揚・斉唱している学校はゼロ。県教育委員会から校長や教頭に猛烈な圧力がかかった。(つづく)
 2月4日…ゴッホの伝記ページを作成にするにあたって、書簡集や同時代の画家の証言など読みまくってるんだけど、めさめさグッと来たのは親友の若い画家ベルナール(11歳年下)が記録した葬儀の様子。ゴッホは37歳で自殺したので、ベルナールは当時26歳。青年に殉教者の死は強いインパクトを与えた。葬儀は真夏の7月末、ヒマワリの季節だった。「遺体が安置された部屋の壁には、晩年の作品すべてが掛けられていた。それは彼を取り巻く後光のように見えたが、絵が輝かしく天才的であるだけに、彼の死は我々画家にとっていっそう悲しいものだった。棺には質素な白布が掛けられ、大量の花が置かれていた。それは彼が愛したヒマワリや黄色のダリアなど黄色の花ばかりだった。黄色は彼の好きな色で、彼が芸術作品の中だけでなく、人々の心の中にもあると考えた光の象徴だった」「午後3時に遺体は友人たちの手で霊柩車に運ばれた。(弟の)テオがずっとすすり泣いているのが哀れだった…。外は狂おしいほど太陽が照りつけていた。私たちは故人の人柄について、彼の芸術家としての勇気、画家の共同体の夢、彼から受けた影響について語り合いながらオーヴェールの丘を登った。彼が葬られる共同墓地はまだ新しく、新しい墓標が点在しているだけだった。青空の下、収穫間近の麦畑が眼下に広がっていた。気候はまさに彼の好みにぴったりで、彼はまだ幸福に生きられたのにと思わずにはいられなかった」。葬儀には画家ピサロや画材屋タンギー翁らも参列し、埋葬時にゴッホの数少ない友人・ガシェ医師は、涙に暮れながら告別の言葉を捧げた。「彼は誠実な人間で、とても偉大な芸術家だった。彼には人間性と芸術というたった2つの目的しかなかった」。
 2月3日…女流画家シュザンヌ・ヴァラドン(ユトリロの母)が、パリの画塾でゴッホを目撃した時の話を読んで、ゴッホの孤独感がヒシヒシと伝わってきた。「彼は(画塾に)重いカンバスを抱えてやってくると、光線の具合の良さそうな片隅に立てかけ、誰か(他の画家たち)が注意を払ってくれるのを待っていた。しかし、誰もそれを気にとめないでいると、絵に向かい合って座り、会話には殆ど加わらず、みんなの視線をうかがい、やがて疲れ切ってその最新作を抱えて立ち去った。けれども次の週にはまたやって来て、同じパントマイムを繰り返した」。うーん、切ない…。//ゴッホに関するド本気熱血ページを作成中で、それで更新に時間がかかってます。
 2月2日…シリアが大変なことになっている。昨年3月から独裁者アサドに対する反政府デモが続き、これまでに政権側の激しい弾圧で5千人以上が殺害されてきた。そして、とうとう1日で300人以上の市民が犠牲になる事件が発生。迫撃砲などで無差別攻撃が行われたという。/一刻も早く国際社会が一丸となり、さらなる市民虐殺を止めさせなきゃいけない事態なのに、国連安保理が緊急採決したアサド政権への「人権侵害の即時停止要求」を、信じ難いことにロシアと中国が「あくまでも内政問題」として拒否権を発動、安保理決議案は否決された!勘弁して欲しい。ロシアと中国の人権軽視は目に余るし、米国はいつもイスラエル批判に拒否権を使うし、もう5大国から拒否権を奪うべき。あの拒否権のおかげで、丸腰の市民を殺すような狂った弾圧を繰り返す政権が延命され、独裁者にも“国連は黙認してくれる”と誤ったメッセージを伝えることになる。
//ロシアで大規模「反プーチン」集会!全力で支持!氷点下20度にもかかわらず12万人以上が参加し、これはソ連崩壊後最大規模のものという。ロシアにも真の民主化の春が来ますように!
 2月1日…(1/30のつづき・その3)米国の若者が星条旗を焼却している写真をきっかけに、では米国以外の主要国はどのように学校で国旗・国歌を扱っているのかを調べてみた。橋下氏&大阪維新の会が成立を狙っている“君が代不起立教師は解雇”条例と比較したいという気持ちもあった。
●イギリス
(国旗)学校内に国旗が掲げられたり、学校行事において国旗が掲揚されることはない。
(国歌)学校行事において演奏されることはない。
●ドイツ
(国旗)特に規定はなく各州に扱いは任されている。
(国歌)同上。
●フランス
(国旗)国旗掲揚の義務を定める法令はないが、全ての公的機関で掲揚。
(国歌)通常、学校では演奏されない。
●イタリア
(国旗)公立学校では正面入り口上部に掲揚されている。
(国歌)通常、演奏される機会はない。
→●ロシア
(国旗)学校での国旗掲揚を義務づけた法令はないが式典で掲揚。
(国歌)学校での国歌演奏を義務づけた法令はないが式典で演奏。
●中国
(国旗)学校は毎日国旗を掲揚し、また毎週一度及び特別な記念日に国旗掲揚の儀式を行わなければならない。※通常、毎月曜に儀式。
(国歌)学校は国旗掲揚の儀式及び慶賀の式典、スポーツ大会等において、国歌の斉唱を求められている。
※ここまでの主要国のソースは、前回同様1999年に作成された旧文部省のレポート
●日本
(国旗)政府指導により学校式典で掲揚。
(国歌)政府指導により学校式典で演奏。橋下氏は起立しない教職員は例外なくクビにすると明言、条例が可決目前。
このように、欧州では国旗に比べて国歌の扱いがアバウトなのが分かる。英国ではそもそも学校行事で掲揚・演奏自体がなかったりする。逆に突出して厳格なのは一党独裁政権の中国だけど、大阪の場合はさらにそれの上をいく「解雇」という、世界でも類を見ない罰則規定を導入しようとしている。中国よりも内心の自由をないがしろにすることについて、橋下・石原氏の意見を聞いてみたい。「中国の国歌・国旗強制は悪、日本の国歌・国旗強制は善」って言うのかな。教育社会学者の藤森修一氏はもっと多くの諸外国における国旗国歌の扱いについて調査しており、リンク先の後半で紹介されている(調査データは1985年のものでちょっと古い。でも参考になる)。何カ所か恣意的(左派寄り)であってもデータが丸ごと間違っていると反証している人は見当たらず、一定の信憑性はあると思う。(つづく)
//橋下市長が自分の退職金3953万円を84%カットして629万円へ減額する方針を明らかに。こういうところは本当にスゴイ。どこの地方自治体も財政事情がピンチなんだから、本来高額退職金はあり得ないんだけど、なかなか自ら身を切ることは言い出せないもの。松井一郎大阪府知事も先に85%カットを宣言しており、まことに天晴れ。
//カナダの島で撮影されたセントバーナード42匹との散歩(2分)、ビジュアル的なインパクトもさることながらコメントの呼吸描写=HAHUHAUの繰り返しに噴いた(笑)。
//日本の秘境画像を集めたまとめサイトを見て、無性に旅に出たくなった。関西在住なのに白髭神社のこと知らなかった。北海道の釧網本線、乗ってみたいなぁ。竹田城址はかなり幸運じゃないとラピュタ状態は見られないとのこと。
 1月31日…大袈裟かもしれないけど、日曜に『平清盛』が見られるだけで、一週間頑張れる。『龍馬伝』の時もそうだった。昔なら月曜のジャンプ発売が、本来は憂鬱な月曜を“待望の月曜”に変えてくれていた。12月までずっとこの楽しみがあると思うだけでモチベーションが上がる。/『清盛』第4回は、武士として初めて帝に謁見できる殿上人に出世した忠盛(清盛の父@中井貴一)が、武士を見下し差別する貴族たちの前で舞いを踊らされ、馬鹿にされ、酒を顔にぶっかけられ、それでも舞い続けて滑って尻もちをつくシーンが強烈だった。側でその姿を見ていた清盛は父を情けないと思っていたが、物語が進むなかで、いかに踊り続けていた父が“大人”であったか、カッコ良かったかを理解する。/いつもは中井貴一のカリスマ演技がズバ抜けて印象に残ったけど、今回は源氏の棟梁である源為義役の小日向文世の名演も光っていた!この大河では平家全盛期の源氏がいかに辛酸を舐めていたかが描かれており、虐げられた源氏が後に大逆転することが分かっていても同情してしまう。小日向さんはトホホな役柄がめちゃくちゃ上手い。/このドラマは何度も「この王家の犬め!」とか「わしは王家の犬では終わりたくない」という台詞が出てくる。放送開始時、天皇を王と呼ぶことが一部で問題にされていたけど、「この天皇の犬め!」「いつか皇室にに思い知らせる」なんて、そんな台詞を大声で連呼するドラマをNHKでは作れなかったと思う。その点からも王家で統一して良かったんじゃないかな。/文芸ジャンキーとして嬉しかったのは、和歌のシーンで武士の佐藤義清(藤木直人)が活躍する描写があったこと。あの佐藤義清こそ、後の天才歌人・西行!こんなに早い段階から西行にスポットが当たって嬉しい。日本史上最凶の怨霊とされる崇徳帝も登場したし、今後が益々楽しみになった!
//昨日の“国旗・国歌”のつづきは明日に。仕事終わらず…。
//なんという東北の豪雪。温暖化なのにどうして?と疑問に感じていたら、温暖化で北極海の氷が減ると低気圧の進路が変わり、日本近辺に寒気が入りやすくなるんだって。(参照記事
//ジョジョ4部のジオラマ『JOJORAMA』公式サイトの超ミニゲーム“由花子のデラックス・クイズ”がツボった。緊張感あるなぁ。ワンゲームにつき4問出題。
 1月30日…(つづき・その2)アメリカ合衆国憲法は1788年に発効した世界最古の成文憲法。成立の3年後(1791年※モーツァルト没年)、“連邦政府の権限が強くなり過ぎないよう制限をかける”ことを目的に、トマス・ジェファーソンらが提案した人権保障規定『権利章典』(修正10条)が実施された。最も有名なのは“修正第1条”で、市民の信教、言論、出版、集会の自由、請願権を保障している。「連邦議会は国教を樹立してはならない。信教上の自由な行為を禁止する法律を制定してはならない。言論や出版の自由、人民が平穏に集会し、また苦痛の救済を求めるため政府に請願する権利を侵す法律を制定してはならない」(修正第1条)。
それから約150年後、戦時中の1943年にウェストバージニア州の学校において、宗教上の理由で星条旗への表敬を拒んだバーネット姉妹が退学処分となり裁判になった(国旗を国家の偶像と見なした姉妹は、偶像礼拝を禁じた戒律に従った)。このバーネット事件の連邦最高裁判決は「国旗への表敬強制は憲法修正第1条の目的である、知性および精神の領域を侵犯するものである」。
以降、近年に至るまで、数多くの同様の判決が出た。以下は、教育社会学者の藤森修一氏がまとめた星条旗に関する判決一覧。
●1970年 フロリダ地裁判決
「国旗への宣誓式での起立拒否は、合衆国憲法で保障された権利」
●1977年 マサチューセッツ州最高裁
「バーネット事件で認められた子どもの権利は教師にも適用される。教師は、信仰と表現の自由に基づき、国旗への宣誓に対して沈黙する権利を有する」
●1977年 ニューヨーク連邦地裁
「国歌吹奏の中で、星条旗が掲揚されるとき、起立・着席の選択は個人の自由である」
●1989年 連邦最高裁判決(テキサス州法が国旗焼却を犯罪としていることへの判断)
「我々は国旗への冒涜行為を罰することによって、国旗を聖化するものではない。これを罰することは、この大切な象徴が表すところの自由を損なうことになる」(カジポン注。僕が控えた当時の新聞記事には次の一文もあった「星条旗はこれを侮蔑視する者さえも保護する」。同判決には条件がある※詳細後述)
すると、この判決に不満を持った米の政治家が、同年秋に上院で国旗焼却を罰する“国旗保護法”を成立させた。そして…。
●1989年 連邦最高裁判決(“国旗保護法”に対する判断)
「国旗を床に敷いたり、踏みつけたとしても、表現の自由として保護されるものであり、国旗の上を歩く自由も保証される」
●1990年 連邦最高裁判決
「連邦議会が成立させた国旗保護法は言論の自由を定めた憲法修正1条に違反する」※詳細後述
以上、WEBから要約。本当にこの通りなら、実にリベラルな判決で個人的には嬉しいんだけど、1999年に文部省(当時)がまとめた資料を見て、僕は混乱した。『4.諸外国における国旗,国歌の取扱い(1)』という項目の米国を見ると、「(国旗の)尊重義務及び侮辱に対する罰則も連邦法で規定」とあった。うおーい!罰則あるじゃん!そこでさらに調べ続けて、ついにヒントとなる貴重サイトに出合った。この問題を徹底的に調べている人がいた!1989年のテキサス州法・国旗焼却罪に対する連邦最高裁の判断は、「政治的デモンストレーションに適用される限りにおいて違憲」というものだった。つまり、イタズラなどで焼却するのは有罪、政治的デモンストレーションで焼却するのは無罪ということだ。そしてこの判決に反発して連邦議会が同年に制定した国旗保護法についての1990年の連邦最高裁判断は、「国旗保護法という法令自体は合憲だけど、やはり政治的主張で焼却した者を罰するのは違憲」というもの。藤森氏のまとめだけ見ると、まるで米国では国旗に何をしても良いみたいに思えるけど、国旗冒涜に関する罪は存在している。あのまとめを好意的に解釈すると、「国旗焼却という行為は政治的アピールしか考えられず、しかもその場合は無罪なんだから、事実上、米国では国旗に何をしても許されると言っていい」となるんだろうけど、やはりそれでは説明不足というか、保守派から「まるで国旗保護法そのものに違憲判決が出ているような書き方だ!」って叩かれると思う。ちなみに、米国において国旗を掲揚しなかった場合の罰則規定は見当たらなかったとのこと。
/あと、先の文部省ページによると、
「(3)連邦法により,国旗掲揚中の国歌演奏に際しては,国旗に向かって起立することが規定されている(学校での義務付け規定は特にない)」
とのこと。(学校での義務付け規定は特にない)の一文は文部省が入れたもの。掲揚&演奏中は起立する義務はあるけど、学校式典で掲揚・演奏を義務づける規定はないということか。
(つづく。このテーマ、あと2回取り上げマス)
//マンガ『HUNTER×HUNTER』のコスプレ集(ゾルディック・ファミリー/使用人/キメラ=アント編/王とコムギ)、どれも完成度の高さに驚愕。未読の人には伝わり難いかも知れないけど、衣装だけじゃなく、原作キャラが持ってる独自の雰囲気まで再現できてる人も多いッス!(リンク元
 1月29日…米国ではCEO(企業トップ)1人あたりの年収は、1970年に労働者45人分=社員が500万なら2億2500万だったのが、2006年は1723人分=86億円(!)まで超爆増。ここ30年でとてつもない格差が生まれた。
/昨秋から始まった米の反格差デモは、真冬になってしばらく動きがなかった。このまま沈静化していくかと思いきや、昨日カリフォルニア州オークランド市で約400人が逮捕されるという過去最大規模の反格差デモが起きた。長期戦に備えて活動拠点を確保するため、寒さをしのげる空きビルを占拠しようとしたデモ隊と、これを阻止せんとした警官隊が衝突したんだ。残念なことに暴動に発展し、市役所に流れ込んだ一部デモ隊に内部が破壊された。反格差デモは徹底して「非暴力」を貫かないと、人々の幅広い支持を得られぬばかりか、権力側に弾圧の口実を与えることになる…。
/この騒動を伝えた報道写真の中に、アメリカ国旗を焼いているものがあり衝撃を受けた。国旗焼き捨ては君が代不起立どころじゃない過激なものだ。画像を見る限り焼いているのは米国の普通の青年たち。タリバン兵じゃない。果たして星条旗を焼く彼らは“反米的”で愛国心がないのか?僕が感じたのは、「1%の金持ちと99%の貧乏人という、今のアメリカは俺達の理想からかけ離れすぎている」という現状への怒りだ。国旗が憎いのではなく、旗が象徴する国の体制に対する抗議の意志。自国を愛するがゆえの行為であり、民主国家の“表現の自由”ここに見たりという思い。国旗は時と場所で意味合いが異なる。デモで焼却している彼らでも、五輪では1位選手の星条旗に感動すると思う。人々はそれが分かっているから、メデイアも彼らを売国奴と騒ぎ立てないのだろう。
/しかし、自由の国アメリカでも、以前は国旗焼却という行為が、表現の自由に含まれるかどうかが、連邦最高裁まで巻き込む騒ぎになったことがあった。明日の日記ではそのあたりを掘り下げようと思う。(つづく)


リンク先に元画像あり
敵対国家の国民ならともかく、自国民が国旗
を焼くという行為は、人によっては信じられ
ないものに映るだろう。だが焼却もまた愛国心
の表明として受容できる社会的土壌が米国
にはあり、そういう部分はホント表現の自由を
大切にしているというか、「自由の国アメリカ」
を名乗るだけのことはあると思う。
※スパイク・リー監督の『マルコムX』も冒頭で
巨大な星条旗が燃えるシーンから始まる。
 1月28日… 日本海側の大雪、とんでもないことになっていますね。亡くなった方も既に50人以上と大型台風並み。2月2日が寒気のピークとのこと、お気をつけ下さい。
//ガンダムの放映30周年を記念して、2009年にお台場に展示された“実物大ガンダム”(高さ18m)。翌年にはバンダイの工場があるガンプラの聖地・静岡駅前で威容を誇った。その後、ガンダムの行方はどうなるんだろうと思っていたら、なんと今年の4/19から東京臨海副都心にガンダムの世界観を体感できるテーマパーク『ガンダムフロント東京』がオープンし、敷地に常設展示されるという!ぜひ東大寺南大門の仁王像のように、会場ゲートの左右にガンダムとザクを展示して欲しいもの。集客効果を考えると、絶対にザクもあった方が良い。都が助成金を出してあげられないものか。/ファン的には、その勢いで鳥取砂丘にグフ、富士の麓にドム、横浜港にゴック&ズゴックを設置して欲しいッス(笑)
 1月27日…国際ジャーナリスト組織「国境なき記者団」が179カ国を対象に、民主主義のバロメーターとなる重要指標「世界の報道自由度ランキング2011」(英語)を発表。(1)フィンランド&ノルウェー※同率1位(3)オランダ&エストニア(5)オーストリア(6)アイスランド&ルクセンブルク(8)スイス(9)カーボベルデ(10)カナダ&デンマーク。この後にスウェーデンが続いており、北欧勢は国民幸福度も高いしさすが(残業もなし)。日本は原発事故の情報隠蔽により、前年11位から20位へ後退。また米国も反格差デモの弾圧によって20位から47位に急落している。アフリカは独裁国家が多いイメージがあるけど、大陸沖合の島国カーボベルデ共和国がアフリカの国として初のトップ10入り(9位)。中東では民主化運動「アラブの春」を反映して、チュニジアが164→134位に、リビアが160→154位へと順位を上げる一方、エジプトではムバラク打倒後も軍最高評議会が民主化要求デモを弾圧しており、127→166位と逆に転落した(エジプトは再革命があるかも)。ロシアも142位とかなり低い。ワースト10は最悪な国から順番に(1)エリトリア※北朝鮮より酷いってどんな世界かガクプル(2)北朝鮮(3)トルクメニスタン(4)シリア(5)イラン(6)中国※低ッ!(7)バーレーン(8)ベトナム(9)イエメン(10)スーダン。スーダンは170位だけど、2011年7月に分離独立した南スーダンは111位。元々同じ国でも半年でこれほど違いが出ていることからも、国民性よりも政治のあり方が自由にとって重要というのが分かる。
//上のコラムで中国のワースト6位を指摘したけど、23日からチベットで中国政府のチベット政策に抗議するデモが起きており、これを弾圧する治安部隊の発砲で6人が死亡している(記事)。チベットでは昨年3月から10ヶ月間に16人もの僧侶が、 中国政府の抑圧に抗議して焼身自殺を図っている。国連も日本政府も動きが鈍すぎる…。北京五輪前のダライ・ラマの日本での記者会見「中国政府は私を悪者のように言う。別に私はどう言われてもいい。言論の自由というのは、私を悪く言う自由もあるということだから。だけど、チベットには今言論の自由がない。現実に今、何百人も殺され、何千人も逮捕されている。そして中国本土の人たちはそれを知らない。 私はそれを悲しく思う。どうかチベットを助けてください。誰よりも中国本土の人に言いたい。あなたたちの兄弟であるチベット民族をどうか助けてください」※過去コラム、チベットの文化破壊について(リンク切れがあったので貼り直しました)
 1月26日…先日、東京大学地震研究所が発表した地震予測が、その内容の衝撃度から大きな話題になっている。これまで日本政府は首都圏にマグニチュード7クラスの直下型巨大地震がくる確率は“30年以内に70%”としてきたけど、同地震研究所は『今後4年以内に70%、30年以内に98%』と発表した。根拠は震災後にM3以上の地震の発生頻度が5.5倍に増加していること。東日本では小さい地震が頻発しており、大地震の確率が跳ね上がったという。
政府が試算した首都圏の被害は、死者1万1000人、倒壊家屋85万棟、経済的損失112兆円。これほどの大災害が“4年以内”に70%…。東大の地震研究所も、この見解を発表するのは、社会的影響力を考えて葛藤があっただろう。それでも発表に踏み切ったのは「東日本大震災が起き、大地震はしばらくないと考えてしまう人がいるが、他の地域での発生確率はむしろ高まっていると認識してほしい」(東大地震研究所・平田直教授)との危機感から
いたずらに不安を煽る気はない。ただ、こういう予測が出ていることを知っておくことは無駄じゃないと思う。地震による死因の8割は家具転倒と建物崩壊。関東圏の読者の皆さん、せめて寝る時は頭の周囲に家具のない場所をお選び下さい。※NHKの実験では、タンスの下にストッパーをかませても震度6強の揺れでは無意味だった。即、倒れていた。タンスと天井の間にツッパリ棒をかませ、ストッパーと併用すればL字型家具以上の補強効果をあげ、震度6強でもまったく倒れる不安はなかった。ツッパリ棒&ストッパー最強!
【耐震基準について】…新耐震基準は1981年6月以降着工の建物に定められ、これはM8の巨大地震を想定している。震度7程度でも大丈夫。一方、それ以前に着工された建築物はM5〜7、震度5強程度の地震を想定。古い家屋やアパートに住んでいる方は、補強工事が終わっているのか確認しておいた方がいい。
 1月25日…大河『平清盛』の第3回もすごく良かったので、見逃した方は土曜昼の再放送を是非!テレビドラマの枠を超えているというか、毎回、映画を一本観たような満足感がある。前回は「俺は自由に生きるぜ」といきがっている青年清盛が、自分に“自由”が可能だったのは、清盛の知らないところで周囲の人間が助けてくれていたからと気づく。男泣きした清盛が、次回からどんな行動をとるのか楽しみだ。俳優陣では中井貴一が今回も素晴らしい名演で、なんかもう、セリフがなくても、ただ座っているだけでシビれてしまう。たった3回でそこまで惚れた!
※この大河は仲間を「輩(ともがら)」と呼んだり、武士や宮中間の聞き慣れない言葉が多く、“あれ?今なんて言ったんだろう?”と首をかしげることがしばしば。そういう時に便利なのが、地デジの「字幕表示」機能!最近のテレビにはほとんどこの機能がついている。皆さんもリモコンに“字幕”というボタンがあれば一度押してみて。日曜洋画劇場などでも、音声を英語に切り替え、字幕表示させれば、オリジナルと同じものを楽しめマス!
 1月24日…(抑えておきたい原発関連報道・つづき)
●東電が有力10議員のパーティー券を多額購入するなど“厚遇”していたことが判明。どんどん出てくる原発マネーと政治家の繋がり。
東電は業界にとっての“貢献度”を議員ごとに査定。そのランク付けをもとに関連企業数十社が優先的にパーティー券を購入していた。近年の上位ランク10人は、自民では麻生太郎、甘利明、大島理森、石破茂、石原伸晃の5氏。元自民では与謝野馨、平沼赳夫の2氏。民主は仙谷由人(おいおい…)、枝野幸男(マジか…)、小沢一郎の3氏。石破氏は東電の株を4813株も保有しており、これは全議員の中でダントツ1位。氏は関西電力の株も2150株保有している。娘さんも東電社員。石破氏は事故後に「原発は維持すべき」と発言し続けていた。また、石原伸晃氏は兄弟の良純氏が芸能界きっての原発推進派で知られる。
●国会の事故調査委員会が本格的に活動開始。この質疑の中で、事故直後の3/14に放射性物質の拡散予測システム“SPEEDI”の結果を米軍に提供する一方で、枝野氏が国民には「SPEEDIは壊れていた」と虚偽の発表をしていたことが発覚。もっと早くデータを公開していれば、避難民がより高い放射線量の方向へ逃げる事態は起きなかった。3月17日の時点で米側がいち早く「80キロ圏内の避難勧告」を米国民に出した根拠はここにあった。
●僕はこの事故調査委員会の動画を見たけど、ある委員が「07年の新潟県中越沖地震の経験がありながら、東電は地震と津波に対して対応が甘かったのではないか」と指摘したのに対し、東電の山崎副社長がまるで他人事のように「忠実に対策を取ってきたと思っているが、もう少し考えなければならないということがあるならば、考えていきたい」と答えていたので目が点に。これだけの惨事を引き起こしておきながら“もう少し考えなければならないということがあるならば”って、なんで仮定なのさ…。
●毎日新聞が1/22に原発マネーと国立大学の癒着をスクープ。東大や京大など11国立大学の原子力関連研究に対し、06年から事故が起きるまで、国や原発企業から少なくとも104億8764万円もの巨額資金が提供された。資金提供の条件は「原子力推進であること」。こうした大学研究機関の教授が、ニュース番組で原発の安全神話を繰り返し語ってきた。
●『原発事故“全取締役に責任なし”、株主へ東電が通知』。企業というものはここまで厚顔&開き直ることができるものなのか。“歴代東電役員の甘い安全対策は背任行為である”として、東電の株主が損害賠償を求めて提訴するよう請求したところ、東電の監査役は「調査の結果、想定外の自然災害だから過去の取締役は誰1人責任がない」と結論。多くの専門家が事故前に警鐘を鳴らし、“想定外”でなかったことは明らかになっているのにまだ言うのか。“想定外”ではなく“事故防止策の金がもったいないから想定したくない”だろう…。この監査役の判断に呆れた株主側は、今月末、歴代役員に計約5兆5千億円を会社に賠償するよう求める株主代表訴訟を東京地裁に起こすという。大賛成。裁判所が経営者責任をどう認定するのか注視したい。
//今年のアカデミー賞のノミネート作品が発表された!(リンク先に詳細あり)最多ノミネートとなったのはスコセッシ監督の冒険ファンタジー『ヒューゴの不思議な発明』。スコセッシといえばハードなギャング映画のイメージが強いけど、本作は少年が主人公。日本公開は3月1日から。
 1月23日…最近、立て続けに政府・電力会社関連の酷いニュースが続いた。現在、54基ある原発のうち定期検査などで実に49基が停止。最後の5基も4月末に定期検査で停止するため、政府・電力会社は「再稼働ありき」でなりふり構わぬ行動に出てきている。
●電力会社が原発を再稼働させるためには、(1)ストレステストの結果を原子力安全・保安院が判断して許可(2)国が許可(3)地元自治体が許可、この3段階をクリアーする必要がある。第1段階のストレステスト結果について、1/18に専門家会議が関電・大飯原発の2基に「問題なし」という判断を出した。当日の専門家会議は、主催の原子力安全・保安院が一般傍聴を禁止して市民を追い出し、密室で行った為に会場は大荒れになった。「傍聴したい」と会場から出ない脱原発派市民について、メデイアの表現は真っ二つ。再稼働慎重派のTBS、朝日は「傍聴者を閉め出す形で開催」と会議を批判的に伝えた。逆に原発推進派の日テレやフジテレビは「山本太郎さんら市民団体が“乱入”」と報道。結局、専門家会議は3時間半遅れで“傍聴不許可”のまま開催された。確かに脱原発派の中には感情が高ぶって先鋭化している人もいるけど、それは一部であり個別対応するべきこと。これほど未曾有の大災害となったのに、密室で安全性を議論していい訳がない。この日、市民が閉め出される一方で電力会社はオブザーバーとして出席が認められていたのも“再稼働ありき”だ。
審議非公開というやり方は、専門家委員の中からも疑問の声が出て、2人の委員は抗議を込めて退席し次のようにコメントした「私は公開するのが原則と思う。それを排除した形で(審議に)出るわけにいかない。再稼働していい原発はひとつもない」(後藤政志委員/浜岡・柏崎・女川原子炉格納容器設計者)、「傍聴を認めないで密室で議論して結論を出すやり方はおかしいと思う」(井野博満委員/東大名誉教授)。混乱が起きたことについて、枝野経産相は「会議の妨害は絶対に容認できない」と委員達に頭を下げて謝罪していたが、あの映像を見て、「あんたが謝るのは推進派委員じゃなくて、排除した市民の方だろう」とツッコミたくなった。そもそも、公聴会の冒頭で「前回見学者から審議を阻害する発言があった。また繰り返されたらその場で傍聴者は出て行ってもらう」と宣言すればよかったのだ。それを始めから「市民参加禁止」でやろうとするから押し問答になってしまう。山本太郎さん「乱入って報道されてますけど、僕ちゃんとパス持って入ってます。入る時も皆さん会釈してくれました。密室でなく堂々と公の場で議論すればいいだけのこと」。
/日テレやフジが卑怯と思うのは、なぜ山本太郎さんらが専門家会議への疑念を訴えていたのか伝えていないこと。関電や専門家委員が「想定を超える地震や津波に襲われた場合でも耐えられる」と判断した根拠にある“想定”は、すべて福島原発事故“以前”のデータ(まだ福島の事故は原因究明が終わってないため)。これは大問題で、“NHKの良心”水野解説委員も「そんな事故前の甘々のデータでテストしても説得力がない」と指摘していた。さらに、安全委は中立的であらねばならないのに、班目委員長を含む3割近くの24人の委員が原子力業界から計約8500万円の寄付を受けていた。ストレステストの専門家会議の司会進行役の岡本孝司委員(東京大学教授)も原発メーカーの三菱重工から200万円の寄付を受けている。岡本氏は事故当時“何も心配ない”と連日解説していたので記憶している人も多いだろう(岡本氏へのヒゲ抗議)。こうした寄付は使途の報告義務がなく、研究者が扱いやすい金銭支援であり、朝日がスクープするまで詳細は明らかにされなかった。また、東京新聞は委員のうち山口彰・大阪大大学院教授が原発メーカーから3385万円もの高額寄付を受けたことを伝えている。グリーンピース・ジャパンが出した次の声明を僕は断固支持→「今回の委員の中には、原子力業界から金銭の寄付を受けている委員もいるため、まずこの委員たちをストレステスト評価委員から除外し、評価委員の再選出とストレステスト評価基準の策定を行うまで、ストレステストとその評価プロセスを凍結する必要がある」「審査基準も示されず、安全評価の意見聴取会も一般開放もしないストレステストへの信頼感は低く、最初から結果は「(再稼働)妥当」という答えが決まっていたのではないかと強い不信感をもつ」。専門家会議がGOサインを出したストレステストの結果は、今後国際機関であるIAEAが審査するけど、IAEAも基本的に原発推進でチェルノブイリの被害を常に過小評価してきた組織。到底、公正な結果は望めない。何万人でデモをしても、何十万人の署名を届けても、経産省や東電前で座り込みをしても、推進派は絶対に原発を止めようとぜず、“見切り発車”で再稼働させようとしている。(つづく)
//太陽表面で大規模な爆発があり、放出された高エネルギー粒子が地球に向かっており、北海道では25〜26日に「オーロラ」が見える可能性があるという。一方、大磁気嵐となって人工衛星がダメージを受けたり精密機器に影響が出る恐れもあるとのこと。
//ギリシャの偉大な映画監督、テオ・アンゲロプロス監督訃報の速報が。新作映画の撮影中に交通事故の犠牲になったとのこと。享年76歳。これはショック!
 1月22日…スター・ウォーズには世界中に熱狂的なファンがいることが知られているけれど、各国のファンが15秒ずつ第1作(一番有名なエピソード4)を再現したノーカットのフルムービー『Star Wars Uncut』(2時間3分/制作期間は3年!)が話題になっている。スター・ウォーズを見たことがない人には、このファン・ムービーのスゴさが伝わり難いと思うけど、マジでオリジナルの全シーンを映像化しており、しかも、実写、模型、CG、あらゆる表現方法を駆使して見飽きないものになっている(驚愕!)。オリジナル同様、冒頭2分のテーマ曲後、スターデストロイヤーの宇宙戦から始まります!※日本語字幕版、アップされないかなぁ。
//小説『銀河英雄伝説』には良いセリフが多い。今日思わずメモった言葉。
「結局、愛国心とは、ふりあおぐ旗のデザインがたがいに異なることを理由として、殺戮を正当化し、ときには強制する心情であり、多くは理性との共存が不可能である。とくに権力者がそれを個人の武器として使用するとき、その害毒の巨大さは想像を絶する」。ふりあおぐ旗、つまり国旗のデザインが異なることを理由に殺戮を正当化、ときには強制する…こういう言い方も歴史を振り返れば確かに可能。
//前回のNHK『歴史秘話ヒストリア』で紹介されていた源氏と平氏の因縁が勉強になった。頼朝は平家を壇ノ浦で滅亡させたけれど、頼朝の子孫から権力を奪った北条氏は平氏出身。以降、北条氏(平氏)→足利尊氏(源氏)→織田信長(平氏)→明智光秀(源氏)→豊臣秀吉(平氏)→徳川家康(源氏)と、ずっと源氏と平氏が天下を取り合っている。武将達は意識していたのか単なる偶然か分からないけど歴史は面白い。
//男子テニスの錦織(にしこり)選手、全豪オープンでベスト8に入りましたね!ウィンブルドンの松岡修造選手以来、17年ぶりの4大大会8強入り(全豪では80年ぶり)。次の試合が楽しみ。
//大阪のデパート業界の収益が15年ぶりにプラスになった。このまま景気回復に向かって欲しい。
//なんか冷蔵庫の中にいるみたいな寒さっすね。寒波で暖房があまり効かない。
 1月21日…宇宙がいかに広大かをCGで解説した動画をいろいろ見てきたけど、アメリカ自然史博物館(NY)が制作した『The Known Universe』はヒマラヤ発→宇宙の果て→ヒマラヤ着を6分半で表現しており、美麗映像とコスモな音楽が心地良く最高クラスのデキだった!現世から遊離したような、神さま目線の浮遊感覚を味わった。ぜひ最大画面で壮大な旅を味わって欲しい。時々画面の下に出ているのは“光年”などの距離情報。地球の周囲の無数の軌道は人工衛星のもの。その後の軌道は月。70光年離れると青い光で包まれるけど、あれは人類の電波が現時点で届いている距離(つまりそれより遠い惑星に異星人がいても、UFOで来ない限り人類の存在に気づけない)。さらに離れると宇宙が扇状に見える。ホントは球形だけどまだ未観測部分があるため扇状に表示されているんだって。ふ〜、贅沢なひとときだった。
//アメリカは科学が非常に発達しているけど、その一方で宇宙誕生は「ビッグバン」か「神の天地創造」かで、ビッグバンを信じていない人が58%ズバ抜けて多い(日本は9%)。あくまでもリンク先の情報だけど、半分以上の米国民が宇宙は神の創造によって誕生したと思っている。州によっては学校で進化論を教えてないというし、アメリカは面白い国だ。こちらのサイトには海外の反応が紹介されていて、自虐的なコメントが可笑しかった(「すまない、我々は悲惨なほど不適当な教育システムになっており、今努力しているところだ。だが他のいろんな国を侵略もせねばならず、このような小さなことはすり抜けてしまうんだ」とか…汗)。別に神が創った説でも良いんだけど、“58%”はあまりに突出しているッス。
//インド映画のSF超大作として2年前から話題になっていた『ロボット』が日本上陸。5月に公開決定。クライマックスはド派手アクションが40分も続くそうだ。映画サイトの予告編は圧巻&爆笑!っていうか奇怪ッ!
//エストニア出身の把瑠都が大関10場所目で初の優勝。把瑠都はエストニアの教科書にも載っているんだって。おめでとう!
 1月20日…大河ドラマ『平清盛』は第2話もめちゃくちゃ良かった!これから1年間、日曜日が楽しみでならない。平太が「清盛」と命名されるんだけど、改めて“清盛”という文字を見るとすごく良い名前。“清”と“盛”っすよ!実母が処刑された場所で慟哭する清盛にもらい泣き。魔王のような白河上皇は第2話の最後に崩御。伊東四朗はたった2話分の出演なのに、あの怪演でずっと語り継がれるだろう。/第1話の時に感じたテーマ曲の違和感(武士の物語なのに静かなピアノで幕開け)も、2回目に聴くと前回ほど感じず、むしろ平安時代末期の歌謡集『梁塵秘抄』(りょうじんひしょう)から、よく次の歌を選んで持ってきたと思う!→
「遊びをせんとや生れけむ、戯れせんとや生れけん、遊ぶ子供の声きけば、我が身さえこそ動がるれ」(遊ぶために生まれて来たのだろうか。戯れるために生まれて来たのだろうか。遊ぶ子どもの声を聴いていると、感動のあまり私の身体さえも動いてしまう)
詠まれたのは1180年前後というから約830年も昔。子どもの遊び声に感動している大人…本当に良い歌だと思う。この歌が“清盛”のテーマ曲に挿入されているんだ。清盛の実母は歌舞の名手である白拍子(遊女)。こうした背景もあって歌を入れたのだろう。次の第3話は清盛のライバルとなる源氏の御曹司が登場する。どんな出会い方をするのかドキワクだ。
/一方、兵庫県の井戸敏三知事は「画面(映像)が汚く、兵庫の観光も影響を受ける」「薄汚れた画面を流さなくてもいい」「鮮やかさのない画面ではチャンネルを回す気にならない」」とNHKに苦言。冗談ではない!平安時代はアスファルトなんかないし、もっと砂ぼこりが舞っていいくらいだ。これからどんどん平家の衣装は華やかになっていくんだから、少し待っていればいいのに。気が早すぎる。NHKは外野の声に左右されず、これからも渋い映像でガンガン攻めて欲しい。※後日、NHK側が「演出は変えない」と反論してますね。
//ジョジョのマニアック・ネタをYouTubeで発見!といっても、アップされたのは数年前だから、皆さんの方が先にご存知かも。リゾットが主人公の『魁!パッショーネ高校』(3分25秒)。手描きジョジョが良い味を出している。『DIO様 in スーパーマリオ』(3分31秒)は実際のゲーム画像を取り込んで合成(?)したようなんだけど、こんな映像も作ることが出来るんだねぇ。ジョジョは25周年だし、深夜枠でも良いので全話アニメ化されないかな(せめてカプコン3部のような全キャラ格ゲーを!)。
 1月19日…最近“言葉”の力(真価)を実感したことがあったので、ちょっと私的な呟きを。昨年の6月、君が代不起立教師を擁護するコメントをここに書いたところ、多くの反対意見を掲示板や個人メールで頂きました。それからというもの、僕は近代史年表を作成したり、折に触れて「愛国心のカタチには色々あり、不起立も日本を愛すればこそ」と説明を試み、そして“ルール論”を語る方には、憲法第19条(内心の自由の保護を規定)の重要さを訴えてきました。その結果、大きな変化が。一昨日、最高裁判決に関する日記で再び不起立教師を擁護したところ、以前なら即座に届いた反対意見のメールがほぼ皆無で、その代わりに数名の方から、「以前は不起立に反発していましたが、あの年表を読んでから、反日や売国というレッテル貼りはちょっと違うなと思うようになりました」「今も不起立には違和感を持っていますが、以前と違って異なる考えを排除するのではなく、そういう意見が存在することを認められるようになりました」とお便りを頂きました。僕はサイトの読者が管理人と同じ意見であらねばならぬと全く思っていませんが、個人的にはこの半年間、ずっと歴史問題を皆さんと膝をつき合わせて語ってきたつもりなので、「彼ら(教師)に賛成はしないけど、気持ちは理解できる」という声が増えたのは涙がチョチョ切れるほど嬉しいです(言葉が“生きた”ことが胸熱)。サイトTOPに掲げているヴォルテールの言葉をアレンジして、「私は不起立教師の意見には反対だ。しかし、彼らが着席する権利を、私は命にかけて守る」と書いて下さった方もいました。大型掲示板などでは、論破を目的とした挑発・罵り合いという不毛な対立を見かけることがあります。しかし、この件に関する僕のスタンスは、不起立・起立のどちらの“君が代観”が正しくて、どちらが間違いかではなく、“不起立者が起立者を認めているように、起立者も不起立者を認めて欲しい”というものです。いろんな考えの人がいて国が成り立っており、ギスギスした息苦しい社会に走らない為にも、「寛容さ」が何にも増して重要だと思うのです。「寛容さ」の価値は、ある意味国家にとって石油や金銀に勝るものであり、この国が物質的には豊かなのに先進国トップクラスの自殺率になっているのは、「寛容さ」が失われつつあることも無縁ではないと思います。とにかく、たとえ議論の結論が一致しなくても、「前向きな平行線」と「後ろ向きな平行線」では印象が全く異なり、前者の結果に触れる機会が増えたことが嬉しいデス。
//朝ドラ『カーネーション』の“ほっしゃん。”の演技が実に素晴らしい。彼が扮する野心家の北村は、横柄に見えて小心&純粋。なんちゅう人間味が溢れるキャラ。2日連続で彼の演技にホロリときた。このドラマで大化けした“ほっしゃん。”は、いろんなドラマに出てくると思う。キャスティングした人もエライ。
 1月18日…ジョージ・ルーカス監督が大作映画から引退宣言。いつの間にか今年で68歳。コッポラ監督は73歳。日本だって宮崎監督も富野監督も今年71歳。僕が学生時代に“若手のホープ”と言われていた監督はみんなそれなりの年になってきた。スピルバーグ監督は先月に65歳になったばかりで、ちょっと若い。ルーカス監督の新作(最後の大作)はスター・ウォーズのようなカメラワークで撮影された第二次世界大戦映画『レッド・テイルズ』。予告編(2分37秒)がド迫力!米空軍に実在した黒人部隊を描くもので、制作資金がなかなか集まらず大変苦労したとのこと(監督いわく「ハリウッドは黒人映画に冷たい。支援しようとはしない」)。イーストウッド監督が5月で82歳になることを考えると、ルーカス監督もまだ大作は作れると思うんだけどなぁ。
//また暴力団と縁を切ろうとした会社経営者が見せしめに銃で撃たれた(福岡県)。一命は取り留めたものの、腹と腕を撃たれており、犯人には明確な殺意があった。昨年11月には別の経営者が射殺されている。いつまでこんなことが続くのか。野田首相には消費税ではなく、暴力団撲滅に全身全霊をかけて欲しい。
//三重県で日本最古の“ひらがな”が発見された。平安時代後期(11〜12世紀前半)の土器の破片に「いろは歌」が書かれていた。以前に岩手県平泉で12世紀後半のひらがなが見つかっており、平安京のあった京都だけじゃなく、各地に王朝文化が幅広く伝えられていたことが分かる。
//“日本”がいつから日本と名乗るようになったのかは、従来の定説では大宝律令(701年)とされていた。ところが昨秋、中国の古都・西安で見つかった678年の墓誌に“日本”の文字がハッキリと刻まれていた。古代史の謎がまた深まった。
 1月17日…公務員に対する懲戒処分には次の4種類がある。最も重いものがクビの「免職」。2番目が「停職」(1年以下)。3番目が「減給」(1年以下、給料の2割以下)。そして一番軽いものが“注意処分”である「戒告」だ。
/昨日、「“君が代不起立教師”に対する減給・停職という都教委の重い処罰はやりすぎ」と、最高裁が示した初判断に胸が熱くなった。憲法第19条は「思想及び良心の自由は、これを侵してはならない」と定めており、この美しい条文とその精神を守る為、僕はずっと不起立教師の処分に反対してきた。不起立教師は愛国心がないわけじゃなく、愛国心のカタチ(日本を愛すればこその反戦思想)が権力者の求める愛国心と異なるだけだ。それに、教師たちには「かつて愛国心を振りかざして積極的に子ども達を戦場へ送った」という自責の念がある。僕の友人(教師)は「五輪やW杯では君が代に感動できても、学校式典では足がすくむんだ」と複雑な心境を吐露していた。まさに心の問題。それだけに、東京都で不起立を理由に処分された教職員約170人が処分の撤回を求めた裁判の最高裁判断を注目していた。
/ぶっちゃけ、判決前の僕の予想は悲観的だった。昨年5月に、「起立斉唱を教職員に命じる2003年の都教委の通達は憲法に違反せず、戒告処分は裁量権の範囲内」という判決が出ていたからだ。心の自由を軽視した戦前のような判決に落胆していた。ところが、昨日の判決は停職処分を受けた教員について、「過去2年間に3回、起立しなかったことだけを理由に停職処分にするのは重すぎ、著しく妥当性を欠く」と指摘し、処分を取り消した!また、別の教員1人の減給処分も取り消した。つまり、最高裁は「戒告(最も軽い注意処分)まではいいけれど、減給や停職は行き過ぎ」と判断したんだ。“戒告処分”は減給でさえなく、あくまでも“注意”レベル。出世を考えないのであれば教師にとって実質的に無害の処分。戒告が認められたのは残念だけど、「停職容認」というもっと悪い判決もあり得ると思っていたので、「停職」教師ばかりか「減給」教師まで救済されたのが嬉しかった!民主主義は死なず。
/言い方を変えれば、この最高裁判断は「君が代不起立だけでは戒告までしか出来ない」ということ。橋下氏は『“3回不起立で即免職”条例』を制定しようとしているけど、停職どころか減給さえ否定されたのに、免職条例が認められるはずがない。橋下氏は弁護士出身であり、最高裁判決の重さは充分理解しているだろう。この判決を受け、民主国家の価値観は「内面の自由を大切にするルール>君が代起立斉唱のルール」と認識して欲しい。個人の権利が軽んじられる近隣の独裁国家や共産国家と日本が同じになるのはゴメンだ。
【追記】この件に関する起立強制派の代表的な意見へのQ&A
(1)学校式典の主役は生徒であり、生徒のためにも起立すべきでは。
→“生徒のために”という論理の前提にあるのは「生徒は起立を望んでいるに違いない」というもの。しかし、サイト読者の高校生や知り合いの学生さんにも「“卒業式は子ども達のため”と言って、起立することが当然と語る大人がいるけれど、私のように“座っていて欲しい”と考える子どもだって存在しているんです」という子がいる。不起立を嬉しいと感じている生徒の存在が、起立を強制したがる人の頭から抜け落ちているように思う。
※僕なら自分の子が中高生になって「不起立の先生のせいで大切な式典が汚された」と思っていたら、「いろんな意見を持てる民主主義は素晴らしいじゃないか。心の自由が大切にされる日本に生まれて良かったね」って伝えるなぁ。
(2)君が代斉唱がイヤなら民間へ行けばいい。公務員なら国に従うべき。
→僕は公務員であっても良心に従って行動する権利があると思っている。なぜなら、近代史を見れば分かるように、国だって過ちを犯すことがあるからだ。日本だけじゃない。かつてのドイツも、スターリン時代のソ連も、大躍進政策で国民を餓死させた毛沢東・中国も、ポル・ポト時代のカンボジアも、大量破壊兵器がデマだったブッシュ米国も、いろんな国の政府が過ちを犯してきた。“お上の決めたことには従え”“全員ロボットになれ“なら戦前と一緒。「国から給料を貰ってるんだから、国(っていうか政府)に従うのは当たり前」という意見を聞く度に、どうしてそこまで国の権威を強調して個人の内面を軽視するのかと、ホント悲しくなってくる…。そんなことを言い出したら、公務員に選挙権があることすら「中立性を損なう」と問題になる。反民主的な職務命令には抗議の声をあげる権利があり、教育者であればいっそう心の自由が尊重されねばならぬと考えてマス。※国が過ちを犯すのは戦争だけじゃない。いま問題になってる原発だって、ズブズブの安全基準を見逃してきたのは国の過ちだ。
(3)学校はルールを守ることを教える場所。教師が破ってどうする。
→確かに学校はルールを学ぶ場だけど、同時に「社会にはいろんな考えを持つ人がいる」ことを学ぶ場でもある。その意味では、“先生ですら意見が分かれることがある”と知り、多様な価値観が存在していることを学ぶ絶好の機会だ。「権力者が求める価値観を持たねば処罰される」なんてことを教える場じゃない。それに、ルールは日常の学校生活で知っていくことで、卒業式でしか教えられないものじゃない。「教師はわがままなだけ」と橋下氏は決めつけているけど、かの福沢諭吉は「自由とわがままとの境は、他人の妨げを為すと為さざるとの間にあり」と言っている。静かに座しているだけのことが、他人の何の妨げになるとういうのか。(これについては、逆に“45秒立って口をパクパクすることがなぜその人の妨げになるのか”を根気よく起立派に説明する必要がありますね)。
/文芸ジャンキーは芸術家や作家を心底からリスペクト(尊敬・感謝)しているサイトだ。人類史において、多くの芸術家や思想家が心の自由を守る為に国家と戦い、獄中で死んでいった。彼らが命がけで子孫に残してくれた“内心の自由”を奪うような条例に賛同などできない。他人の斉唱を大声で妨害する教師がいたら僕もアウトと思うけど、約45秒静かに着席しているだけで処罰するなんてまともな民主国家じゃない。「他人が45秒黙って座っていることが耐えられない」人はもう少し心を広く持って欲しい。座ってる人も別の角度から日本を愛しているんだ。これまで20年、30年と真面目に頑張ってきた教師を、1分も満たない時間座っていたことを理由に解雇するなんて、他の先進国ではまずあり得ない。僕は、愛国心とは自国の文化を愛することであり、起立斉唱の声の大きさで決まるものとは考えていない。ユネスコの世界無形遺産に選ばれた日本の古典芸能“文楽”を「二度と見ることはない」と切り捨て、助成金を大幅カットした橋下氏がドヤ顔で愛国心を語る姿に違和感ありまくりだ(脱原発の姿勢は共感しているんだけど…!)。
※その他、僕の意見の詳細はコチラにアップしています。
//横綱白鵬に挑戦すること21回、ついに勝利した鶴竜の大相撲(22秒)に拍手。これで全勝は把瑠都のみ。幕下でも佐久間山が序ノ口デビューから負け無しの26連勝で歴代タイ。佐久間山は4年前に学生横綱になっている実力者。このまま日本人横綱を目指し駆け上がって欲しい。今場所は面白い!
 1月16日…最近、電力会社と政府による原発存続に向けての「巻き返し」がすごい。政府は根拠に乏しい「収束宣言」を出して海外の科学者を呆れさせただけでなく、これまで40年という原発使用期限を最大60年まで延長させるという。また、東電は自らは殆ど身を切ることなく、企業向けの電気料金を約2割もアップすると宣言。電気代のアップは徹底的に無駄金をなくした後の最後の手段にせよと言ってるのに、まったく耳を傾けようとしない。送電部門を独立させる話は立ち消え、事故後にスクープされた6000億円の不正利益もうやむやになった。福島原発はそもそも津波の前に地震で大きく壊れていたことが最近の調査で判明しており、活断層に近い各地の原発があまりに危険すぎる。原発から出た使用済み核燃料を捨てる場所もない。
こうした状況を踏まえ、年末に東京と大阪で原発稼働賛否を問う「住民投票の実施」を求める署名運動が起きた。どちらも首長への直接請求に必要な「有権者の50分の1」の署名数を目標としている。
●大阪…期限1月9日で既に終了。目標4万3000人の署名に対し、12月25日時点で約1万4200人分しか集まらず極めて厳しい状況だった。しかし、正月返上で市民団体が奔走し、苦闘ぶりがツイッターやメディアで取り上げられると、急速に署名が増え始め、最終的にはなんと直接請求に必要な署名数を7千人も超える約5万人分が集まった
●東京…期限2月9日まで。1月8日時点で有権者の50分の1(約21万4200人)に対して、3分の1ほどの約7万8000人分にとどまっている。選管の審査で無効分が出ることを考慮すると30万人分が必要で、俳優の山本太郎さんらが懸命に署名を呼びかけている。目標まであと13万人。八王子市と府中市が市長選挙のために今週末まで署名禁止なのがイタイ。コチラのサイトで署名場所が分かります。街頭署名の予定表だけでなく、署名可能な店も載っています。住民投票実施に賛成の方は、近くを通った時に署名されては如何でしょう。
//DVDが普及してビデオが衰退したけれど、今度はDVD販売が2005年比べて半減しているという。地デジ化によってテレビの画質がDVDを上回り、この流れが加速した。そりゃそうだよね、有料のDVDの方が無料のテレビより画質が悪いとなると、購入を足踏みしてしまう。一方、ブルーレイ販売は好調で、今年中に売上げがDVDと逆転しそう。
//ベルセルクなど中世をモチーフにしたファンタジーには多様な西洋甲冑が登場し、デザイン性などに魅了される。“世界の鎧の歴史”を紹介したまとめサイトは目の保養になった。こうやって俯瞰的に見ると、ローマ兵がズボンすら履かず“太もも剥きだし”なのは、勇気がいる装備っすね。
 1月15日…ゴールデングローブ賞の結果が発表された!同賞はハリウッド外国人記者クラブが主催し、アカデミー賞に大きな影響を与える賞で、約70年の歴史がある。作品賞及び主演男女優賞は「コメディー、ミュージカル部門」「ドラマ部門」に分かれている。前者の作品賞は、前評判通りあえてモノクロの無声映画として発表した野心作『アーティスト』。ドラマ部門の作品賞は『ファミリー・ツリー』で、主演男優賞は僕が大好きなジョージ・クルーニー!是非、オスカー本選でもクルーニーが獲って欲しいなぁ。女優賞はサッチャー元英首相を演じたメリル・ストリープ。監督賞はマーティン・スコセッシ(「ヒューゴの不思議な発明」)、脚本賞は多くの映画人が惚れているウッディ・アレン(「ミッドナイト・イン・パリ」)。アレンの名調子が楽しみ!特筆したいのは外国語映画賞にイラン映画『別離』が輝いたこと!同作はベルリン国際映画祭で最高賞の金熊賞と銀熊賞(男優賞・女優賞)が授与され、ベルリン映画祭史上初の3冠を達成した話題作。政治的には年明けからアメリカとイランの衝突が起きていて、アメリカがイラン産原油の輸入抑制を日本など各国に要請し、怒ったイランがホルムズ海峡封鎖を警告するなど、きな臭いことになっている。ゴールデングローブ賞は前述したように外国人記者クラブが選定しており、イラン映画に栄冠を与えるという心理には、作品自体が傑作であるだけでなく、文化で国際平和&相互理解の道を築いて欲しいという願いが込められているのかも。※オバマはブッシュよりまともと思うけど、なんせ今年は大統領選のある年。国際緊張が高まると国家が一体となり大統領支持率があがるため、その誘惑に囚われないことを祈っている。
//地中海で豪華客船コスタ・コンコルディア号が座礁し、横倒しになった事故。約300mもある巨大な客船が、岩場に座礁しただけで水没寸前になってしまうとは。救出された複数の乗客が「タイタニック号のことが頭をよぎった」と語っていた。
//最近よく人工衛星が落ちてくるけど(去年は米独)、新たにロシアの火星探査機「フォボス・グルント」が軌道投入に失敗して落下中。いつか陸地に落ちやしないかとヒヤヒヤ。(追記)日本上空を通過し、最終的にチリ沖に落下した模様。
 1月14日…フライドポテトをマックシェイク(バニラ)につけて食べると、塩が甘みを引き立てて美味しく、最近はよくそんな風に食べてる。でも、間違いなく高カロリーなので、食べても半月に一度。この食べ方は米国を旅している時に、現地で何度も目撃した。/米国では小中学生の半数が“太りすぎ”と認定され問題になっている。何と言っても学校給食がクレイジー。報道では、ある日の献立例として、「ピザ、フライドポテト、チョコレート味牛乳、デザートに缶詰のパイナップル」と紹介されていた。スプーン2杯以上トマトソースが入っていれば野菜に分類されるため、「ピザは野菜扱い」となり週2回出る学校も。実際、米国の街を歩くと、やたら肥満が多いことが気になった。
/仮にマクドナルドで1日3食&1ヶ月間食べ続けたら体がどうなってしまうのか。実際にそんな調査を、ドキュメンタリー監督(モーガン・スパーロック氏)が自ら実験台となって敢行した映画が『スーパーサイズ・ミー』だ。初めてこの映画を観た時、短期間でこんなに異変が体に起きるのかと衝撃を受けた。こちらのサイトで作品を文字起こししているので、サクッと内容が把握できる。この監督は、店員に商品サイズを聞かれると「スーパーサイズで」と答える掟を自身に課していたので、マジで大変なことに。1ヶ月の実験で13キロの砂糖を摂取した計算。27日目の時点で、1年間に食べてもいい摂取カロリーの8倍ものカロリーを摂取していた。この映画が制作されたのは2004年。以降、米国では子どもの食生活を見直そうという動きが急速に広まってきた。スパーロック監督の身を挺しての検証は無駄にならなかった。※YouTubeに日本語版が全部あった(汗)。最初の5分、オープニング・タイトルまでだけでも、かなりファースト・フードに関するトリビアがいっぱいっす(全世界のマクド3万店に訪れる客は、“1日あたり”4600万人でスペインの総人口より多い等)。
//今年は世界的に選挙イヤーなんだけど、その第1弾となる台湾総統選挙は対中融和派の馬英九総統が再選。中国に飲み込まれないようにしつつ、Win-Winの経済発展を目指してくのは、国土や文化が日本より近いだけに、本当に大変だと思う。
//欧州9カ国の国債が一斉格下げ。どんどんユーロが安くなっていきますね…。3年くらい前まで1ユーロ140円くらいだったのが、今や97円。
 1月13日…うおおおお!ミャンマーで全政治犯651人の釈放キターッ!スーチーさんの同志591人も含めての完全な釈放!めさめさ嬉しい!これで各国の経済制裁が緩和され、いっきに民衆の交流も進むだろうし、僕も故アウンサン将軍やインパール戦の日本兵墓地に、なるべく早い段階で巡礼したい!
//片や今日の内閣改造、野田首相はドヤ顔で「消費税増税を強力に推し進める、最善・最強の布陣」って言ってるんだけど、そんなのが目的の“最強の布陣”なんて全然求めてない。沖縄に対して冷淡な平野元官房長官が文部科学大臣で入閣するとか…脱力。まさに日付と同じ“13日の金曜日”内閣っす。現在の民主党は完全に自民を超える保守政党。武器輸出にも積極的。真のリベラル派が大結集した政党が出来ないものか。(T_T)
 1月12日…掲示板に「原爆は最初から日本だけを目標に製造された」「ドイツに投下せず日本に投下したのは人種差別の現れ」という主旨のスレッドが立ったのですが、賛同出来る部分と、僕の見解と異なる部分があるのでその旨をレスしています(9番目のトピック)。原爆製造計画を最初にスタートしたのは“英国”であり、まだ日米開戦前のことです。そして連合軍が最初に大都市へ無差別爆撃を行ったのは、ドイツに対してであり日本ではありません。1943年のハンブルク市空襲では3万5千人の市民が死亡し、ドイツ各都市の合計は30万人以上にのぼります。日本に対しては硫黄島の戦いで米兵に膨大な戦傷者が出るまで、ずっと一般市民を狙わずに軍需工場を対象にした精密爆撃を続けていました。人種差別感情が米政府トップにあったとしても、空軍上層部の将校は「日本へ無差別爆撃を行えば過去アメリカが積み上げてきた信頼は地に墜ちる」「我々が野蛮人だったと証明することになる」と、ずっと無差別爆撃の動きに抵抗していました。米英の密約、ポツダム宣言前後動きなど、様々な切り口でコメントしていますので、この問題に興味がある方は是非。※昨秋、掲示板の設定を変更したので、以前は「メンテナンス中」で入れなかった人も閲覧可能になっていると思います。
//ミュージカル『オペラ座の怪人』25周年を記念してロンドンのロイヤル・アルバート・ホールで特別公演が催され、その舞台を記録した映画(公式サイト)が“非常に素晴らしかった”とサイト読者の方から情報を頂きました!日本国内ではアイマックス・シアターなどで約一週間ド短期で限定上映される模様(関西は1/14-1/20、奈良の1館のみ。ギャース!)。各地の上映スケジュールはコチラ。※1/25にDVD&ブルーレイ版(公式案内※音注意)が発売されるとのことデス(Ama)。〔追記〕他の読者の方によるとWOWOWで3月20日にオンエアされるそうです!
 1月11日…ほとんどニュースになってないんだけど、1月4日に『広島平和記念公園』にある原爆慰霊碑(死没者慰霊碑)に金色のペンキがかけられる事件があった。“またか”と年始から暗澹たる気持ちになった。平和記念公園は1954年に完成。原爆慰霊碑には死没者27万5320人の名簿が納められている。慰霊碑や関連施設は長年“鎮魂の場”として国民に大切にされてきたけど、2001年から毎年のように心ない行為に晒されている。
●2001.12.7 原爆慰霊碑が落書されたうえ赤ペンキがかけられる。
●2002.5.5 再び原爆慰霊碑にペンキがかけられる。
●2003.8.1 「原爆の子の像」千羽鶴14万羽放火…広島平和記念公園の「原爆の子の像」側に保管されていた原爆犠牲者を悼む折り鶴に関西学院大学4年生男子が放火。約14万羽が焼失した。「原爆の子の像」のモデルは、2歳で被爆し、後に白血病でわずか12歳で死亡した佐々木禎子さん。佐々木さんは病気の快復を信じ病床で折り続けたという。大学生は「就職が決まらずむしゃくしゃしてやった」と供述。その場にいた友人2人は傍観していた。8月6日の5日前の出来事であり社会に衝撃が走った。同大学の在校生、卒業生、教職員が折った91000羽が6日に届けられた。
●2003.10.19 同年8月に折り鶴放火事件があったばかりなのに、今度は原爆ドーム前の説明碑が黒い油性塗料で汚された(複数の手形あり)。
●2005.7.26 原爆慰霊碑ハンマー破損事件…被爆60年目の夏に平和記念公園の原爆慰霊碑の碑文が削られた。犯人は27歳の右翼団体構成員。碑文の『安らかに眠って下さい 過ちは 繰返しませぬから』の「過ち」を、“日本に過ちはない”と右翼の男が削ろうとしてハンマーで損壊。だが、碑文の中の「過ち」とは一個人や一国の行為を指すものではなく、人類全体が犯した戦争や核兵器使用を指したもの。1970年に山田節男市長が「(慰霊碑の)主語は『世界人類』であり、碑文は人類全体に対する警告・戒めである」と公式に見解を示しており、今の広島市のホームページでも同様のことがハッキリと書かれている。この慰霊碑破損事件は、まったくもって短絡的で視野の狭い犯行だ。結局、60周年の大事な平和祈念式典に修復が間に合わなかった。懲役2年8ヶ月の実刑判決(短い!)。犯人は修理費用182万円の支払いも「“過ち”を消さない限り支払わない」と拒否している。
●2006.1.11 慰霊碑破損事件から半年後、母が子を抱いた平和記念像の台座に“ボケ”と落書きがあり、平和の灯やトイレにも“ボケ”と落書き。
●2008.5.22 広島・JR三原駅前の原爆死没者慰霊碑そばにある石柱に掛けられた折り鶴約2万羽が放火され、すぐに消し止められたが1万羽が焼失した。慰霊碑は同市原爆被害者之会が03年に建立。市民が平和を願い数万羽の折り鶴を捧げてきた。同会副会長の上田孝司さん(79)いわく「原爆の被害に対する認識がない、ということなのか…」。
●2008.7.30 広島市中区の『堀川町原爆慰霊碑』が倒され正面が大きく破損。町民の犠牲者185人を追悼し50年前に建てられたもの。サラリーマン風の酔った複数の男が上に乗って遊んでいたとの目撃情報。同年の原爆の日に修復は間に合わず。
●2009.10.19 平和記念公園の原爆慰霊碑に捧げられた花束11束が引き抜かれ、撒き散らされた。犯人は37歳の右翼団体構成員。礼拝所不敬罪で検挙。
●2010.3.11 平和記念公園に約10日前に植樹されたばかりの「被爆桜」(広島市役所の敷地内で被爆)数本が竹製の支柱ごと引き抜かれる。桜はロープで囲われ被爆桜であることを説明するプレートも付いていた。
●2012.1.4 原爆慰霊碑に金色のペンキがかけられる。今回も『過ちは 繰返しませぬから』の部分が汚された。監視カメラには塗料スプレーを持った男の姿。広島市の松井市長は「原爆死没者の御霊(みたま)を冒とくするもので強い憤りを覚える」と声明。
…このように、原爆慰霊碑と関連施設は様々な嫌がらせ・悪戯の対象になってきた。しかし、冒頭にも書いたように戦後約50年はこんな事件は殆どなかった(1989年に右翼が別の碑文を損壊したけど、さすがに原爆慰霊碑には手を出さなかった)。最初の赤ペンキ事件が起きた2001年はどんな年だったのか。同年4月に小泉政権が誕生し、靖国問題などで愛国心論議が起き、小林よしのり氏ら保守論客が「大東亜戦争は正義の戦争」と盛んに喧伝した時期だ。「戦争の反省は自虐的」という意見を恐れて、学校現場で戦争のことを教える機会が減った結果が、若者による折り鶴放火などを引き起こしているのでは。保守の一部には、米国による原爆投下を虐殺行為と批判しながら、原爆被害者に対して「反核は左翼的」「平和運動が気にくわない」と鞭打つようなことを言う人がいる。原爆で同じ日本人の命がたくさん奪われたのによくそんなことを言えるもの…。現在、平和公園の主な慰霊碑は24時間体制で防犯カメラによって監視されている。そこまでせねば破壊行為や悪戯を防げない現状が日本人として誠に情けない。
  汚された碑文(2012.1.4 広島市撮影)
//今日の大相撲、把瑠都と若荒雄の取り組みで、行司さんが勝負に巻き込まれて吹っ飛んだのにはビックリした(1分24秒)。こういう光景は初めて見た。行司さんは無事だけど念のため一日休むとのこと。
 1月10日…6日の日記で紹介した渋谷のジョジョ看板ですが、読者の方から「7階のツタヤ内に露伴先生の等身大フィギュアを展示中」と画像付きで情報を頂きました!(14日まで、お急ぎを!)/ジョジョの話題をもうひとつ。昨年7月に米国人ジョジョファンによるジョジョ立ちUSAのページをアップし、それを機にウチの「ジョジョ立ち教室」にどの国から訪問者があるのか国別アクセスカウンターを貼って調査を敢行したところ、ちょうど半年が経った今月、大台の100カ国を突破しました!ジョジョ立ち限定の情報ではあるけれど、どの国にジョジョファンが多いのか、ひとつの目安(データ)にはなるのでは。※厳密にはこのトップページの来訪者もカウントされているけど、ここにはあまり海外からのアクセスがないので、事実上、国外に関してはジョジョ立ち教室のアクセス・データと考えていいデス。
●海外トップ10(2011年7/15から約半年間の累計)
(1)台湾 11201※台湾と米国はぶっちぎりの1万アクセス超え!
(2)米国 10186(カリフォルニア州だけで8048)
(3)中国 1859(うち香港が594)
(4)オーストラリア 919
(5)韓国 639
(6)ドイツ 637
(7)シンガポール 530
(8)英国 488
(9)タイ 327
(10)カナダ 268
以降、(11)デンマーク(12)フランス(13)ベルギー(14)イタリア(15)スイス(16)スペイン(17)インド(18)ブラジル(19)ロシア(20)メキシコと続く。青年海外協力隊や政府駐在員、企業商社マンなど、海外で暮らしている日本人のアクセスも少なくないみたい。アラブ圏のアクセス・トップ3はカタール(61ヒット※ドーハの空港?)。次がエジプト、ヨルダン。南米トップは前述したブラジル(119ヒット)で、次がアルゼンチン、コロンビア、チリ。アフリカはガボン(12ヒット)、ケニア(4ヒット)に次いでルワンダとウガンダからも半年に2度アクセスがあった。珍しいところではマダガスカル島、モルディブ、マーシャル諸島、レユニオンなど。※ジブチ、ペルー、ドミニカからのアクセスも多いけど、おそらく知人のアクセスなのでカウントには入れないでおきます。(*^o^*)
渋谷ツタヤの露伴像 世界ジョジョラーMAP(画像クリックで拡大)

//6月末に公開される新作スパイダーマン『アメイジング・スパイダーマン』。サム・ライミ監督の前シリーズがどれも秀作だっただけに(特に2!)、短期間で新シリーズを始める意味があるのかと思ってたけど、予告編(2分22秒)を見るとスパイダーマン視点の映像表現がド迫力で、これは大スクリーンで観たいと思った!
 1月9日…NHK大河『平清盛』第1話、撮影現場の熱気が伝わる力作だった。特に清盛の父・平忠盛を演じた中井貴一が素晴らしすぎる!白河上皇からある女性を斬れと命じられ、逆にその女性を妻にしたいと上皇に訴える場面は泣けた。超名演。中井貴一はどんどん良い役者になっていくなぁ。一方、非情な白河上皇を演じた伊東四朗の“怪演”もインパクトがあり、強烈な存在感を放っていた。『江』は戦国時代が舞台であったにもかかわらず、殆ど血糊が使用されなかったけど、『清盛』では全身に矢が突き刺さるわ、そこから血が吹き出すわで温(ぬる)さはゼロ。すんごい緊張感。食事しながら見始めたけど、完全に箸を置いて見入ってしまった。吹石一恵を始め女優陣も気迫がこもった演技。話のテンポも悪くなく、清盛が出生の秘密を知るのは青年になってからと思っていたので、第1話で早々に真実を知ってしまうことに驚いた。第1話で中井貴一扮する忠盛の実直な性格に胸を打たれた視聴者は、第2話以降も見続けると思う(いわゆる“ツカミOK”ってヤツ)。
/残念だったのは音楽(これは完全に好みの問題)。「龍馬伝」も「江」も、テーマ曲やBGMはサントラを購入したくなるほど名旋律だったのに、「清盛」では劇中の挿入歌以外に何も耳に残るフレーズがなかった(しかも挿入歌は別の作曲家キース・エマーソン@幻魔大戦によるもの)。物語の顔となるテーマ曲は、ファースト・サムライ清盛の波乱に満ちた生涯を表す荒々しいメロディーになるかと思いきや、まさかのピアノ独奏のしずしずとした幕開け。一度聴いたら忘れられないような、そんな特徴のある力強く、かつ美しいメロディーが聴きたかったな。個人的には「龍馬伝」の作曲家佐藤直紀さんを起用して欲しかった…。OPは映像の方は実にカッコ良く、暗闇で清盛が矢を放つシーンにシビれた。あと、ぶっちゃけ松田聖子を撮影する時は、照明を工夫して頬や口元に影が出ないようにしてあげないと、地デジの高画質だと可哀相な気が(我が家は茶の間に衝撃が走った)。清盛の少年時代の子役は、“よく松山ケンイチに似た子どもを探してきたな”と思って見てたので、後で漫才コンビ“まえだまえだ”弟と知ってビックリした。あの子、固まる演技とか上手いねぇ。
/ネット評で首を傾げたのは「番組で天皇家のことを“王家”と言っていたのは、韓国で天皇が“日王”と呼ばれているからで、NHKは売国!」という意見。平安後期、当時は「皇室」という言葉はなかったし、“天皇家”という言葉が一般化したのは明治以降。だから、維新は「“王政”復古の大号令」と呼ばれ、“皇政復古”でも“帝政復古”でもなかった。志士は「勤王の志士」であり、龍馬が加わった武市半平太の組織は「土佐勤王党」だ(勤皇ではない)。何よりも、古代の史料「平家物語」「吾妻鏡」「聖徳太子伝暦」「神皇正統紀」「大宝令」「養老令」「玉葉」では“王家”という言葉を使用しており、「花園天皇宸記」では花園天皇自身が“王家”と書いているので「王家を使用するのは売国」という考え方は短絡的かと…。ウィキの項目「後白河天皇」などでも“王家”という表記は連発されている。誰も突っ込まないのは、歴史学者の間には“王家”という言葉に違和感がないからだ。※「朝廷」という言葉は藤原氏など広く貴族まで含むため、平家が仕える主君の呼称としても王家が正しい。
/ガーン!ここまで書いたタイミングで、「大河ドラマ“平清盛”の初回視聴率17.3%は歴代ワースト3位タイの低視聴率」という報道が。…ショック!ちなみにワースト1位は「春日局」の14.3%、2位は「花神」の16.5%。“3位タイ”でなにと同率だったかというと、これが皮肉にも「新・平家物語」(1972年)。NHKとしては30年ぶりに平家視点で描いた源平ドラマだけど、またしても苦杯を舐めたことに。日本人は多くが源氏びいきで、平家は人気がないんだろうね…。壇ノ浦での最期とか、本来は平家のドラマも日本人の琴線に触れると思うんだけどなぁ。未見の方、ぜひ土曜昼の再放送をご覧下さい。
 1月8日…昨年暮れに「グーグルに属性がバレ過ぎて恐怖」という話題がネット界(特にサイト運営者)を駆け巡った。従来、アクセス解析というのはサイト管理者だけが行えるものだった。ところが、新たにグーグルが始めたサービス「AdPlanner」(アドプランナー/グーグル・アカウントが必要)を使うと、他人のサイトのアクセス数や検索キーワードのみならず、ユーザーの性別、年齢、学歴、趣味、収入まで分かってしまう。もちろんあくまでも“推測”なんだけど、なんで性別や収入まで予想できるかは、日頃の検索ボックスの使い方を分析しているようだ。ひょえ〜って感じっすね(ログイン時、「ログイン状態を保持する」にチェック入ってるし…汗)。グーグルのアドプランナーの使用方法はコチラのブログが図解入りで分かりやすかったデス。
/ちなみにアドプランナーのトップページには、“ウィキペディア米国版”の解析情報が載っている。以下に、文芸ジャンキー、ウィキ日本版、2ちゃん、荒木先生公式WEBのデータを比較してみよう。
●年齢層
ジャンパラ…1.35-44歳(35%)2.45-54歳(24%)3.0-17歳(18%)
4.25-34歳(12%)5.55-64歳(5%)6.18-24歳(3%)7.65歳以上(2%)※この推測どうなんだろ?上位が僕の年齢と近いのは分かるけど(35-54歳だけで約6割)、ジョジョファンの大学生も多いのに、“18-24歳”の層が3%ってのは違和感が…。でも、以下のウィキだって7割近くが35-54歳だし(2ちゃんも6割超え)、ネット全体で高年齢化が進んでいるのかも知れない。あと、グーグルで検索せずにお気に入りから直接訪問する人はデータに反映されないので、若い人は直リンクが多くて3%になっているのかも。
ウィキ…1.35-44歳(42%)2.45-54歳(26%)3.0-17歳(11%)
2ちゃん…1.35-44歳(42%)2.45-54歳(21%)3.0-17歳(15%)
荒木WEB…1.35-44歳(44%)2.0-17歳(25%)3.25-34歳(14%)
●性別
ジャンパラ…男性70%、女性30%※これは当たってると思う。オフ会の男女比がまさにこの通り。
ウィキ…男性68%、女性32%
2ちゃん…男性70%、女性30%
荒木WEB…男性74%、女性26%
●ユーザーの興味・感心
ジャンパラ…(1)詩(2)絵画(3)人文科学(4)史跡(5)古典映画
ウィキ…(1)アート、エンタメ(2)ニュース(3)オークション(4)東アジア
2ちゃん…(1)チャット(2)女性向け(3)人間関係(4)個人サイト(5)書籍
荒木WEB…(1)ヒーロー映画(2)玩具(3)格闘ゲーム(4)SF映画(5)コミック
●検索キーワード
ジャンパラ…ジョジョ立ち、ジョジョの奇妙な冒険、真田幸村、ニコニコ動画※リンクはYouTubeが大半なのになぜニコ動?
ウィキ…橋下徹、TPP、ブータン、田中千鶴、忽那汐里、立川談志、オリンパス
2ちゃん…2ちゃんねる、内柴正人
荒木WEB…ジョジョリオン、荒木飛呂彦、jojo
●平均滞在時間
ジャンパラ…5分30秒※ウィキや2chに完敗!でも、5分超え自体が嬉しい
ウィキ…7分20秒
2ちゃん…13分10秒
荒木WEB…短いお知らせが中心なので比較対象外
/グーグルやアマゾンが関連リンクで趣向に沿った商品広告を出してくるので、データ収集をやってるんだろなって思ってたけど、いったいどこまでこちらの情報をプールしてるんだろね。“個人情報を集めない”と公言する検索サイトが誕生すればグーグル帝国のライバルになるかも。
 1月7日… 9日深夜のNHKの実験番組『おやすみ日本』は、テレビ史上初となる“テレビの前のあなたを眠らせる番組”。番組コンセプトの記事を読んで興味津々。“終了時間が決まっていない”というのもユニーク。どうなるんだろね(笑)。
//年末年始に録り溜めていたDVDをいろいろ見たんだけど、11月の『朝まで生テレビ』に目からウロコ。なんとテーマが暴力団。田原氏いわく、暴力団を議論することについて、「やりたいけど、後が怖い」とスタッフの間でもかなり迷いがあったとのこと。当日の番組は、どうすれば暴力団を撲滅できるかという話に最初はなかなかならず、言葉の解釈の問題や、警察権力の問題を出すなど、僕は“優先順番が違う”とヤキモキしてたけど、中盤あたりから核心をつく話題になってきた。パネリストの中でズバ抜けて勇気があると思ったのは元日弁連・民暴委員会委員長の三井義廣さん。三井さんは反暴力団の先頭を走っている弁護士で、実際に暴力団に刃物で刺されて重傷を負い、一命をとりとめた過去を持っている。この三井さんの言葉を聞くだけでも、朝ナマを見た価値があった。暴力団を擁護する発言は全部三井さんがバシッと間違いを具体的に指摘していた。暴力団員は2010年度で7万8600人。一方、一年間に逮捕される刑法犯のうち、2万人以上が暴力団員。つまり暴力団員の3人に1人が刑法犯。この異常に高い犯罪率は、常に組織と犯罪がセットになってなければ出て来ない数字。仮に“良いヤクザ”がごく小数いたとしても、刑法犯率が高すぎる。番組ではそういうことも伝えていた。「取締りを強化すれば地下に潜る」という意見には「イギリスに暴力団はない」と、市民一人一人の決意で暴力団を撲滅できると語られていた。動画は2時間40分全部アップされてマス(最初の50分くらいは飛ばしていいと思う。こういう回をネットに残すのは大事)。
//先日紹介した新作バットマン『ダークナイト ライジング』の日本語字幕付きロング版予告(2分6秒)が公開された。今回もかなりのピンチに陥る様子。7月28日より全国ロードショー。
 1月6日…年末に上京した際、1月14日まで渋谷駅前で見ることが出来る、めっさ巨大なジョジョ看板を見てきた!鳥肌モノのカッコ良さだった!
スクランブル交差点に面したウル
トラ一等地!その正面ビル壁に!
連載25周年を記念
した歴代主人公絵!



上からジョナサン、ジョニィ、ジョセフ、
仗助、承太郎、徐倫、ジョルノ、
そしてまだ本名不明の8部主人公。
感無量でしばし見入った。祝25周年!
もう片面の壁面には我々に
手を差し伸ばすDIO様。悪党
なのにフェロモン出まくり。
このポージングは激難度!
1月5日…年末から作成していたジョジョ運動会2010&2011の2つのレポのうち、前者の第6回大会レポが完成!この第6回は2010年1月に開催されたので、ちょうど2年前のイベントになる。作成し終わって感じたのは、“まっこと面白きジョジョラーの祭典であった!”という感慨。参加選手の顔がとにかくみんな楽しそう。あの空間は本当にジョジョファンだけの異空間で、リアル竜宮城というか、イベントの前後と競技中では時間の流れ方が違うように感じる。こんなに幸福な世界が、1日だけとはいえ、実際に実現したことに感動。大会スタッフ(パッショーネ東京)の皆さんに心から感謝!※引き続き、先月開催された第7回大会のレポ作成に突入!


アブドゥル父のコス! 空条徐倫&エルメェス・コステロ!
ナランチャのギャングダンス まさかの上院議員 ブラックモア浮遊!
 1月4日…映画文化を支えるために、ヨーロッパ系やアジア系のマイナーな映画を、積極的に上映しているミニシアターが、映画のデジタル配信が増えて閉鎖の危機に直面しているという。従来はフィルムを映写機に入れていたけど、最近は映画をデジタルデータのまま配信を受けて上映する「ハリウッド型配信システム」を導入する大手シネコンが増えている。大手シネコンはそれによってフィルム複製費用約20万が浮き、データ配信手数料7〜9万で済んで節約できるんだって。ところが、デジタル配信用の映写機設備は700万〜1千万円と高価で、懐の厳しいミニシアターは設置できない。フィルム(35ミリ)で撮影する映画は早ければ数年以内になくなるといい、そうなれば全国286館のミニシアターのうち、設備余力のない114館は閉鎖の可能性もあるという。これまでミニシアターでインディーズ系作品を楽しませてもらってきた。お客さんが減って経営がヤバイというのではなく、上映システムが変化して存続不能というのは館主さんとしても無念だと思う。この件は館主さん個人に落ち度があるわけじゃないので、何かしら行政のサポートが欲しいところ。
//紳助が暴力団絡みで芸能界を引退してまだたったの4ヶ月しか経っていないのに、吉本興業のトップである大崎洋社長が「紳助復帰を願うのは、全社員と全タレント、全芸人の思いでもある」と正月から発言。耳を疑い、呆れ果てた。発言に対して疑問の声が上がっているのは当然だろう。紳助引退後、他の芸人が司会を引き継いだ番組は、どれも視聴率を落としていない。つまり、視聴者は司会が紳助でなくてもいいんだ。そもそも、社長のいうように、本当に「復帰は全芸人の思い」なのか?九州では暴力団と縁を切ろうとした企業人が襲撃され死者まで出ている。一般市民に犠牲者が出ている状況で、こういう発言をする大崎社長は国民と感覚が大きくズレている。
//赤ちゃんの名前を分析した日経の記事によると、昨年の震災以降、「翔」「陽」「愛」「結」「輝」「希」の6文字が入った名前が増えているという。明るさや愛を大切にして欲しいという思いが込められているのだろう。同記事は時代ごとの名前ブームを紹介していて興味深かった。男子は、戦前の「清」→戦中の「勇」「勝」→戦後の「博」「茂」→高度成長期の「誠」→1980年代の「大輔」→1990年代の「翔太」→ミレニアムの「大輝」→現在の「大翔」。そして女子は、大正の「千代」「文子」→昭和初期の「和子」→戦後の「恵子」→高度成長期の「久美子」「由美子」「明美」「直美」(美が付く名前)→1970年代の「陽子」「智子」→1980年代の「愛」→1990年代の「美咲」→ゼロ年代の「さくら」「陽菜」が人気なんだって。
 1月3日…『龍馬伝』スタッフが制作する今夏公開予定の劇場版『るろうに剣心』の特報予告編(41秒)がキターッ!めっさシブイ!近年、漫画の実写化は微妙なデキの作品が多いけど、これは超期待できる。8月25日が待ち遠しい!※原作は外伝も含めて既に購入済み。読後にレビューをアップしますね。/『るろうに剣心』は今年5月から「ジャンプSQ.」で13年ぶりに連載再開されるとのこと。こちらも話題になりそうっすね!
//クリストファー・ノーラン監督のバットマン3部作完結編『ダークナイト ライジング』のロング予告(2分13秒)もヘビーで好み。どこまであの世界観を掘り下げていくのだろう。
//『ベルセルク』の劇場版3部作、モズグズ様やガニシュカ戦まで行くと思いきや、「黄金時代」だけだったは…。でも予告(36秒)を見ると攻城戦が迫力ありそう。せっかくアニメ化するんだったらTVシリーズ以降もやって欲しかった。
//1月は卒論シーズンのド真ン中。リンク先の論文マニュアルには、論文用の「言い換え」リストがあるので参考になるのでは。“二重謙譲”の間違いはしょっちゅう僕もやってしまうので参考になった。以下、5つほど抜粋。
・「ご覧になられる」→「ご覧になる」。「ご覧になる」は「ご〜になる」で尊敬語なので、さらに「られる」を付けるのは間違い。
・「おっしゃられる」→「おっしゃる」。「おっしゃる」だけで尊敬語になります。
・「拝見させていただきました」→「拝見いたしました(しました)」。「拝」にすでに敬語表現(謙譲)が含まれ、「いただきました」という敬語表現(謙譲)が使われている。
・「お体をご自愛くださいませ」→「どうぞご自愛くださいませ」。「自愛」には「体を大事にする」という意味が含まれているので、「お体を」とすると重複表現になる。
・「お越しになられる」→「お越しになる」。「お越しになる」は「お〜になる」で尊敬語で「られる」は必要ない。
//バイオリンの名器「ストラディバリウス」(最高4億円)や「ガルネリ」は、現代のバイオリンと大差ないばかりか、むしろ現代の安いバイオリンの方が高評価だったというニュースは、クラシック・ファンには衝撃的。国際コンテストに集まった21人のバイオリニストが視覚を封じて行った、聞き比べ実験の結果なんだって。マジッすか!※追記。昨年のチャリティーではストラディバリウスが約12億円で落札。
 1月2日…正月の後半は帰省列車や飛行機の中で、幼児のキーキー声に悩まされることがあると思う。あれは本当に辛いものがある。でも、理由が分かれば、“かつて自分もそうだった”と、少しはイライラが解消されるかもしれない。コチラのサイトによると、満員電車の中で子どもが泣く時は、人が多いことの圧迫感や、動き回れないことのストレスではなく、“眠たいのにうまく眠れない”からという。子どもにとっては「眠れない=恐怖」なんだ。僕は自分で子育てするまで、同様の話を聞いても、“眠けりゃ黙って眠るだろ…”と思い、“眠れなくて泣く”という話には首を傾げていた。だけど、これは真実だった。マジで眠れない時に火がついたように泣く。リンク先の解説は例えがリアルで分かりやすい。
→「(帰省の移動で)たまらないのが、見ず知らずの子どもの泣き声や奇声である。すし詰めの中で聞くその高周波な騒音はこちらの疲労を倍増させ、苛つかせ、殺意さえ芽生えるかもしれない」「まだ最初の子を持って間もない頃、筆者は「うるせえなクソガキ黙らせろコノ!」と大勢の人前で怒鳴られた経験がある。(筆者の子は)扱いやすいタイプの子どもであったが、それでも年に何回かはどうしようもなく人前でも荒れることがあった。狂ったように泣きわめき、意味不明語を口走りながら、口の端から唾を垂らし、ハトヤのCMの魚のようにビチビチとエビ反りに暴れる我が子。勢い余って母のメガネを床に叩き落としてくれたおかげで、裸眼視力0.03の目前が滲んでいる。視力のせいか涙のせいか、もはや判然としないのであった。寒い冬なのに汗で背中はびっしょりになり、恥ずかしさと情けなさで気が遠くなりかけ、吐きそうになる。世界中が自分と我が子を憎んでいる気がした。「いっちゃってる」目をしている我が子を疎ましいとさえ思った。しかし、子がすうっと意識を失ったのはその、たった数分後であった。上気して湯気を立てている顔、髪は汗でべっちょり。ぐったりと力が抜け、すうすう寝息を立てている顔は天使のそれであったが、もう気力体力使い果たしてしまった母は、また泣けた。「なんでもう寝てるの?今の何だったの?」…何だったのかが分かるまで(子は眠いだけ)、トロい筆者の場合6年もかかった」。
あの泣き声を「眠れない!怖い!」に脳内変換してみると、“そっか、怖いのか”と、それまで泣き声の原因が分からず苛立っていた感情が、幾分静まるんじゃないだろうか。
//楽しみにしていたNHKの『新春TV放談』、一番期待していたドキュメンタリー番組のイチオシを紹介しあうコーナーが今年は消えていてガックシ。ドラマやバラエティーの秀作は、視聴率を見ればある程度内容の善し悪しが分かるけど、元々視聴率の低いドキュメンタリー番組は、この“TV放談”の評価が再放送のチェック基準になっていた。昨年はこの番組のおかげで、見逃した傑作を後に幾本か見ることが出来たのに…。来年からは是非ドキュメンタリー部門の復活を願う!
//歌舞伎の市川亀治郎さんが、4代目市川猿之助を6月に襲名する。現・猿之助さんが1986年に『ヤマトタケル』で創作したスーパー歌舞伎は、2003年に猿之助さんが脳梗塞で倒れた為、同年の『新・三国志III』を最後に新作が発表されてない。それから早9年。襲名披露の舞台がどうなるのか楽しみ。
 1月1日…2012年がスタート。読者の皆さん、本年もガンガン更新していきますので、どうぞよろしくお願いします!
//僕が初めて作家・芸術家に墓巡礼をしたのは、1987年のドストエフスキー(ロシア)。今年は“墓マイラー”となってから、ちょうど25年目になる。四半世紀が経った!過去に関東エリアの墓巡礼本を出したことはあるけど、全国編はまだ出してないので、この我がアニバーサリー・イヤーに是非刊行しようと思ってマス!








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