“朝敵”カルト保守との戦い
早急に退位恒久法を!天皇家VS安倍官邸
〜国民の応援がなければ、このままでは陛下は官邸に敗北する〜 2017.4.15

天皇陛下の退位問題、陛下は退位のための恒久法を希望されているのに、官邸はあくまでも“一代限りの特例法”で押し切るつもりだ。安倍官邸VS天皇家で陛下が今まさに敗れようとしているんだけど、日本の右翼はこのまま陛下を見捨てるつもりなのか。本来なら、日本中の右翼が国会前に結集し「陛下が求める恒久法を!」と訴えるべき状況。日頃勇ましく軍歌を流していても、相手が官邸となった途端にこの存在感の無さ…。

一方、右翼が“反日”とレッテル貼りをしてきたリベラル側は、きちんと陛下のお気持ちを理解し、「天皇の意向に沿えば政治介入になるというなら、国民投票で解決を」と提案している。国民に『生前退位の条項を恒久的な制度にするのか』と聞くだけでいい。実にシンプル。世論調査では国民の8割が恒久法に賛成であり、国民の民意という形なら憲法的に問題ない。リベラルの僕が言うのもなんだけど、安倍・日本会議一派のようなエセ右翼ではない、本物の右翼はもっと気骨を見せて欲しい。「陛下のお気持ちを踏みにじるな」と訴えて欲しい。
陛下は昨夏の声明で「一代限りの特例法ではなく恒久法を」「摂政は置かない」「公務は減らさない」と3点を強調されていた。それなのに、安倍氏は自分に近い退位反対派の学者をかき集めて“有識者会議”を組織し、はじめに結論ありきの議論をさせ、“ほうら、有識者も恒久法に否定的”と無理やり特例法の流れを作った。同時に、官邸は不遜にも皇室イジメを行い、テレビでのお気持ち表明の報復として、陛下が信頼する側近を2人もクビに。
後世のために、陛下の切実な思いと、安倍一派のエゲツないやり方を、時系列にまとめておく。

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〔時系列整理・天皇陛下、退位恒久法を求める戦い〜国民の応援がなければ、このままでは陛下は官邸に敗北する〕

2016年7月10日、参院選で与党大勝。改憲派が勢いづく。

2016年7月13日、NHKが「陛下に退位のお気持ちあり」とスクープ。国会は皇室典範の改正を優先させなければならず、改憲ムードが吹っ飛ぶ。直後から官邸ではスクープの“犯人探し”が始まった。陛下を想う秋篠宮殿下の意を受けた宮内庁幹部(宮務主管)が、NHK記者を殿下に引き合わせる役割を担い、殿下を通じて“お気持ち”を内々に聞かされた記者がスクープという流れだった。

2016年8月8日、天皇陛下がテレビで退位のお気持ちを表明。公務の縮小に反対し、摂政を置くことも否定(摂政は根本的解決にならない)。これは自称保守・日本会議系の学者が、それまで「摂政を置けばいい」「公務を減らせばいい」と主張していたので、明らかにこれらの意見をけん制したご発言。僕は陛下が官邸・御用マスコミを信用できず、全部すっ飛ばして直接国民に語りかけたように感じた。また“象徴(天皇)”という言葉を6回も使うことで、自民改憲案の天皇の“元首”化に抵抗されているように思えた。

2016年9月26日、皇室を政治利用させぬよう官邸に楯突くような発言を繰り返していた宮内庁の風岡典之長官が退任に追い込まれる。風岡長官は陛下の忠臣だった。官邸にとっては面白くない“お気持ち表明”が決行されたことに「誰かが落とし前をつけないと駄目だ」(政府関係者)。

2016年10月1日、NHKに譲位という陛下のお心を伝えた宮内庁の西ヶ廣渉・宮務主管を官邸が事実上のクビに。西ヶ廣氏は宮家のお世話担当の責任者であり、陛下のお気持ちに間近で触れている人物。そして信頼されているからこそ、西ヶ廣氏はNHKとの橋渡しを託された。宮務主管に定年はなく前任者は10年務めたが、わずか2年半の退官であり、あからさまな懲罰人事憲政史上、皇室に報復した首相は安倍晋三だけ

2016年10月17日、安倍氏の諮問機関である有識者会議が発足(官邸が人選し、国会は無関係)。座長は今井経団連名誉会長。メンバー16人のうち“退位反対”を公言するカルト極右・日本会議系の学者、百地章(日本会議・常任理事)、八木秀次(新しい歴史教科書をつくる会)、櫻井よしこ(国家基本問題研究所)、渡部昇一(南京大虐殺の歴史捏造を正す国民会議)らが8人も選ばれ、さらに残りの退位賛成派も8人のうち6人が「特例法を容認」という、国民の大半が恒久法を求めている実態とはかけ離れたものに。特に渡部昇一氏は『WiLL』9月号で「皇室の継承は(1)種(たね)の尊さ(2)神話時代から地続きである、この二つが最も重要」「種(たね)さえ守り続ければいい」「それだけを考えればいい」と、陛下の活動や人間性を無視するような侮辱発言をしている。

2016年10月18日、『別冊宝島 天皇と皇室典範』において首相ブレーン、日本会議系の学者・八木秀次氏が「官邸は退位反対派に“おことば”の内容を事前に漏らしていた」と得意気に自爆告白。お気持ち表明の前週に官邸スタッフから“おことば”の概略を知ったという。官邸が極右陣営に「おことば」の内容を先に報告したのは、お気持ち表明に先手を打って反対派に備えさせ、カウンター的に反対論を流して世論が恒久法に傾かぬようにする狙いがあった。
※ちなみにこの八木秀次氏は、天皇・皇后が日本国憲法を高く評価していることに対して、2014年に『正論』誌上で「両陛下のご発言が、安倍内閣が進めようとしている憲法改正への懸念の表明のように国民に受け止められかねない」「宮内庁のマネジメントはどうなっているのか」と苛立ちをぶつけている。「天皇は我が国の国家元首であり、祭り主として『存在』することに最大の意義がある」(八木氏)

2016年11月7日、有識者会議の初回ヒアリングで平川祐弘東大名誉教授(日本会議別働隊「美しい日本の憲法をつくる国民の会」代表発起人)が“陛下はちょっとおかしい”と暴言。「ご自分で拡大された天皇の役割(被災地や戦地訪問等)を絶対的条件にして、それを果たせないから退位したいというのは、ちょっとおかしいのではないか」「外へ出ようが出まいがそれは一向構わないことであると、陛下に申し上げる方がいらっしゃるべきだった」。陛下は憲法に定められた“国民の象徴”の役割を果たすべく尽力されているのに、平川氏はまるで天皇がわがままで役割を拡大したかのように言わんばかり。なぜこうも上から目線なのか。この後、第2回ヒアリングで櫻井よしこ氏は「譲位ではなく摂政を置かれるべき」と退位に反対、陛下が否定していた「摂政」設置に執拗にこだわっている。

2016年11月30日、秋篠宮さまが51歳の誕生日に記者会見。陛下のお気持ちを聞いたのは「かなり以前」で、「折々にそういう考えがあるということを伺っていた」。その上でお気持ち表明について「考えてこられたことをきちんとした形で示すことができた、これは大変良かった」「様々な制限がある中、最大限にご自身の考えを伝えられた」。この会見は秋篠宮さまが涙目をされていたのが印象的だった。秋篠宮さまは2011年に「定年制はやはり必要になってくると思う」と話している。

2016年12月1日、天皇陛下の4歳の頃からの旧友がメディアで異例の証言。明石元紹氏(82)は幼稚園の頃から赤坂離宮で陛下と遊び、一緒に日光への疎開も経験。戦前から学友として交流が続いている。お気持ち表明の3週間前に陛下から電話があり、以下のように打ち明けられた。陛下はご自身のことを“僕”と呼んでおり、親密ぶりが伝わってくる。
「今度の(退位の)話については、僕は随分前から考えていた。天皇の在り方は歴史上いろいろな時代があった。特に明治以前の天皇については途中で譲位をしたり、いろんな形でいらした天皇はたくさんいる。それが、いろんな結果を生んだのは確かだ。けれど、譲位は何度もあったことで、僕が今、そういうことを言ったとしても、何もびっくりする話ではない」
「摂政を置いた方が良いという意見もあるようだが、僕は摂政という制度には賛成しない。(大正天皇のときに、昭和天皇が摂政になられたときに)国の中に二つの意見ができて、大正天皇をお守りしたい人と摂政の昭和天皇をもり立てようとする二派ができ、意見の対立のようなものがあったと聞いている。僕は、摂政は良くないと思う」
「この問題(退位)は僕の時の問題なだけではなくて、将来を含めて譲位が可能な制度にしてほしい
「天皇が元気なうちに譲位することは合理的だ。四六時中、象徴天皇としての活動ができないのであれば、若い世代にバトンタッチするのが当然」
私的な会話とはいえ、退位の在り方について陛下の具体的な考えがこれで明らかになった。明石さんは陛下からの電話内容を明らかにした理由について、「有識者会議の議論は陛下の考えとは違う意見が多く、陛下が気の毒だという義憤からだった」。有識者会議で退位を認めない意見があることについては「80歳を超え、すでに定年を迎えた高齢者にいつまでも働けと言っているのと同じ。大変失礼な発言だと思う」「友人の一人としては陛下の意をくんだ結論を早く出して欲しい」と訴えた。

2017年12月末、東京新聞のインタビューで有識者会議座長代理の御厨貴・東大名誉教授が“はじめに特別法ありき”。「十月の有識者会議発足の前後で、政府から特別法でという方針は出ていた。政府の会議に呼ばれることは、基本的にはその方向で議論を進めるのだと、個人的には思っていた」と吐露

2017年1月10日、「文藝春秋」17年2月号に陛下の旧友・明石氏が官邸の本音を暴露。明石氏は昨年7月に天皇からの電話を受けて、陛下の“本当のお気持ち”を官邸に知らせるために知人を介して麻生太郎副総理に打診。杉田博官房副長官を紹介され、ビデオメッセージ公開の2日前(8月6日)に首相官邸で面会すると、杉田氏から「恒久法は国会議員の総意を得るのは大変むずかしい」と言い放たれた。明石氏いわく「当時は、まだ有識者会議すら設置されていなかったころです。にもかかわらず、まるで一代限りの特例法で対処することを、すでに決めているような口ぶりでした」「あのときの杉田氏の態度を思い返すにつけ、有識者会議で専門家の意見を聞いているふりをしながら、実際には政府の方針は初めから決まっていたのではないかと、勘ぐらざるを得ません」。そして「安倍晋三総理はじめ、いまの政治家の方々からは、皇室の問題にきちんと向き合おうという姿勢が見られない」と強く批判。

2017年1月23日、有識者会議が「論点整理」を公表し、安倍氏に手渡した。“今の天皇に限り退位を可能とする特例法の制定が望ましい”と伝え、政府が検討する「一代限り」の方針を後押し。メンバー16人のうち、退位そのものに反対が8人、退位賛成だが一代限りの特例法で良いが6人、肝心の陛下が求める恒久法(皇室典範の改正)を支持したのはたったの2人!「論点整理」には恒久法への賛成意見10項目に対し、反対意見を倍以上の23項目もあげ、“一代限りの退位が望ましい”と強くにじませた。安倍氏に送り込まれた自称保守論客たちは、普段は「今の憲法は米国の押しつけだ!」と憲法を叩きながら、こういう時だけ「天皇の“お気持ち表明”は憲法に抵触する」と憲法重視のダブルスタンダード。

2017年4月11日、朝日新聞が宮内庁からのリークを掲載。1月23日の有識者会議の記者会見では、今井敬座長が“一代限り”とした理由として「譲位はもともと非常に問題」「皇統の継続に非常に問題がある」と語った。宮内庁関係者によると、この言葉に天皇陛下は“納得がいかない表情を浮かべた”という。天皇は立場的に政治的発言ができない。だから、“納得がいかない表情を浮かべた”という表現になる。この報道はケタ違いに重要だ。陛下の表情を近くで見ることが出来るのはごく僅かな人間だけ。これ以上ないというほど明確な意図のもとで、“納得がいかない表情を浮かべた”情報が国民へのメッセージとしてリークされている。だが、このニュースがテレビで大きな話題になることもなく、多くの国民は気づかずにいる…。
※官邸は譲位(退位)があたかも極めて異例のことのように印象操作しているが、第124代昭和天皇までの歴代天皇のうち、約半数の「58人」が譲位している。陛下は「譲位は歴史的にも驚くようなことではない」と周囲に語り、承久の乱など一時期をのぞけば、譲位があったからこそ平和に代替わりできたとの歴史認識も“繰り返し”口にされたという。

来週21日に(もはや“朝敵・逆賊”の)有識者会議が最終提言を出す予定。陛下に「ちょっとおかしいんじゃないか」と絡んだ平川氏や、「天皇は種さえあればいい」という失礼な渡部氏、「皇居の中で祭祀だけすればいい」の櫻井氏らが、どんな冷酷な最終提言をするのか心配だ。皇太子殿下はもうすぐ60歳。今回、議論を先送りしても20年後に同じ問題が起きてくる。だからこそ、陛下は子や孫のことまで考えて、退位を可能にする法整備を求めてこられた。この問題は何も難しくない。皇室典範第4条を次のように改正するだけでいいんだ。「天皇は、皇嗣(こうし、お世継ぎ)が成年に達しているときは、天皇自身の意思に基き、皇室会議の議を経て退位することができる」。

※ネット掲示板に自称保守派が「今の天皇は愛国心が足りない」と書いてて椅子から転げ落ちそうに。安倍政権の誕生以降、これまで見た中で最強インパクトの書き込みだ…。





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