最新文芸情報


2011.11〜12

 12月31日…国内外、プライベート、本当にいろんなことがあった1年間だった。世界人口は70億を突破。
/今年の元旦は、まさか約2万人に尊い命が失われる大震災と津波があり、さらには原発事故からの強制避難も含めて、約33万5千人もの人々が実家を離れて年越しを避難先で迎えることになろうとは想像だにしなかった(福島では6万人が県外へ転居)。国外では、チュニジア革命から始まった“アラブの春”で、エジプト、リビアの独裁者が倒れ、911事件から10年目にしてビン・ラディンが殺害され、隣国では暴君・金正日が他界した。ギリシャの裏帳簿が引き金となったユーロ危機は収束する気配がなく、米国ではウォール・ストリートから反格差デモが各地に飛び火し、ロシアでも反プーチンの市民感情が爆発した。こうした社会変革の“うねり”はそのまま2012年に繋がっていくだろう。他にも、紳助引退などに象徴される暴力団撲滅の流れがどこまで進むか注目している。
/いまだに原発存続・官僚の利権存続に固執している野田首相は、日本国民よりホワイトハウスのご機嫌取りに必死。なんでこんな人が首相に…。「民主党は責任与党として増税から逃げない!」などと、まるで自らが悲劇の英雄にでもなったかのような自己陶酔発言を繰り返してるけど、首相の口から出る“逃げない”は、相手が庶民の時ばかり(2015年に消費税10%)、一方、相手が東電や官僚だと逃げてばかり。東電の発電・送電部門の切り離しや、公務員(警官、消防、自衛隊を除く)の給料を労働者平均水準(約402万)に合わせる話からは逃げまくっている。
/消費税の税率は最終15%が目標と民主・前原氏は言っている。国民も馬鹿じゃないから、医療・年金など社会システムが崩壊するなら必要な税率アップは受け入れる。だけどそれは、徹底的に天下りや無競争入札といった無駄金の原因を排除し、特別会計予算も全分野で事業仕分けを行い、議員定数も削減し、もうこれ以上行政が逆さまになってもスッカラカンで何も出て来ない状態になってからの話だ。未曾有の財政危機というなら、まず率先して議員や官僚が手本となる行動をとるべき。自らは何の痛みも感じず、庶民が苦しむ法案を通そうと邁進する姿にうんざり。今冬、復興財源にあてる為に公務員の給与を臨時カットする話も立ち消え、結果的に冬のボーナスが昨年よりも平均4%増えることになった…。「逃げない」と言ってるのに真逆の結果だ。2013年夏が任期満了となる衆院選で、かつての社会党のように民主も壊滅するだろう。(野田内閣の数々の悪手)。
/著名人の訃報は“刑事コロンボ”ピーター・フォーク、“世界の恋人”エリザベス・テイラー、小松左京、原田芳雄、児玉清、長門裕之、滝口順平、柳ジョージ、中村芝翫、立川談志、森田芳光など(敬称略)。
/明るい話題は「なでしこ優勝」、「平泉&小笠原諸島が世界遺産に決定」、海外はアラブを中心とした世界的な民主化の流れと、パレスチナのユネスコ加盟くらいか。
/個人的には、2月に民放で「ジョジョ立ち教室」をオンエアしたこと、9月にNHKの地上波ゴールデンタイム『セカイでニホンGO!』にてゴッホやヘレン・ケラーなど海外で感動した墓巡礼について語れたこと、4年ぶりの映画ベスト・リニューアル、悲願の近代史年表の完成、大阪と東京での読者交流会の開催、東京で探墓巡礼顕彰会の企画に2度参加、UJにおけるジョジョSBR完結とジョジョリオンの開始等々があった。今年公開された映画ベスト5は(1)ハリー・ポッターと死の秘宝 パート2※嗚呼、スネイプ先生!(2)X-MENファースト・ジェネレーション(3)ツリー・オブ・ライフ(4)ソーシャル・ネットワーク(5)猿の惑星:創世記。DVD鑑賞ならぶっちぎりで脱北者を描いた「クロッシング」。ドラマ第1位は「坂の上の雲」。漫画も収穫が多かったけど、最大の出会いは「ヴィンランド・サガ」と「ちはやふる」。こんな傑作があったとは!ゲームで驚嘆したのは「メタルギアソリッド」(後日レビュー書きます。超傑作!)。音楽で最も聴いたのは映画『トロン:レガシー』のサントラ。小説は前から読みたかったロバート・A・ハインラインの「夏への扉」。ピート(猫)の愉快な小さい魂に献杯。(*^v^*)
/一年間、サイトに遊びに来て下さって皆さん有難うございました。来年、人類にとって笑顔があふれる良い年になりますように。
 12月30日…正月の用意をしつつ、ずっとジョジョ運動会のレポを作成中。保育園が休みに入ったので、パソコンのキーボードを横から触ってきたり、何度もトイレに連れて行ってあげたりと、テンパリながらの更新(汗)。


2歳2ヶ月になって、ついにジョジョ立ち
レベル1ポージングが出来るようになった!
しかも彼は「ジョジョ」って言いながら
ポージングしてる。ジョナサンのフィギュアで
毎日遊んでいるからなぁ r(^_^;)

 12月29日…毎年この時期になると、パソコン机の側に貼っておく翌年の簡易カレンダーをネットで探すんだけど、2012年分でいいのが見つかった!A4に全部の月が収まってるのに、数字が大きめでめっさ見やすい!フォントも美しい!オススメっす!
 12月28日…国内の今年最大の出来事は東日本大震災。津波に襲われた沿岸部は、まだたくさん瓦礫が残っている。ボランティアの手がいくらでも必要だ。サイト読者の方から、「人助けに、理由はいらねぇ。誰かに何か言われたら、そう言ってやればいいさ」という精神をモットーに、現地で被災地支援を続けている“スコップ団”のことを教えて頂きました(「ほぼ日刊イトイ新聞」でも紹介)。津波の瓦礫が入り込んだ家を、一件一件きれいにしていく気の遠くなる作業。個人で向き合うと心が折れそうになるかも知れない。でも、みんなで協力すれば、1日でここまで家が甦る(2分51秒)。この動画はボランティアの様子を早回し撮影したもので、作業の流れがよく分かった。彼らの心意気に頭が下がる思い。参加希望者は案内ページとスコップ予定を参照のこと。“スコップ団”は来年3/10に活動休止するんだけど、その最終日に仙台の泉ヶ岳スキー場で花火を打ち上げる計画を立てている。その主旨にグッと来たので団長さんの言葉を紹介→『よく耳にする「3月11日を忘れないようにしよう、風化させないようにしよう」。私は、否定ではなくて、もっと大切なのは3月10日だと思っています。(略)お墓へのお菓子やお花。お供えは、合理的に考えれば無駄な事かもしれません。でも、人間だからやるのです。感情があるから、そうするのです。私達もいつか死ぬ。その時、感情が残っているのであれば、私はお供えは嬉しいと感じるだろう。今回の花火は、お供えです。雲が邪魔をしても、雲の上まで飛ばせば花火は見える。スッと生まれて、ドンとキレイな大輪を咲かせて、散る。まるで人生のようです。咲ききることが出来なかった方が大半です。だから、ドンと咲かせよう。人生のような花火を、一番感謝すべき日だった3月10日に』。
※目標は震災の犠牲になった人と同じ“2万発”とのことです。(花火詳細
//読者交流会の参加者の方(窓井さん)がブログに感想を書かれているので、発表者の方は今後の参考になるかと!
//ジョジョの奇妙な大運動会のレポを鋭意作成中!昨年1月の第6回大会と今月の第7回大会をダブルでアップする予定!
//大晦日のお薦め番組表が完成。なんと14本!見るのも録画するのも大変っすね!(汗)
 12月27日…(オフ会レポ・後編)23日14時からの読者交流会・第2部は、「やさしい&楽しい古典芸能入門」。“難しそう”と敬遠されがちな、歌舞伎、文楽、お能、狂言など日本の古典芸能が、いかに刺激的で胸がドキワクするものかを、4時間にわたり全力で解説。参加できなかった方のために、個々の魅力を伝える上で、当日にお薦めしたイチオシ舞台について、以下に簡単に解説。
能の最高傑作「道成寺」に鳥肌! 文楽の真髄「曾根崎心中」!
〔歌舞伎〕
●助六由縁江戸桜(すけろくゆかりのえどざくら)…盗まれた源氏の名刀“友切丸”の行方を追って江戸の遊郭にきた血の気の多い助六(市川團十郎)とトボケた兄(尾上菊五郎)。兄弟の養父は友切丸紛失の責任を負わされた。何とか探し出さんと、片っ端から悪党に喧嘩を売ってわざと刀を抜かせ、刀銘を確認しているが…。ギャグや笑いが盛り沢山で、お正月などハレの場で上演されることが多い楽しい作品。
●俊寛(しゅんかん)…平清盛をクーデターで打倒しようとして鬼界が島に流された俊寛(中村吉右衛門)たち。都の平重盛から恩赦が出るが俊寛は訳あって島に残ることに。別れの場面の孤独感は空前絶後!
●義経千本桜/酢屋の段…平重盛の長男平維盛(これもり)の妻子を救おうとする“いがみの権太”(片岡仁左衛門)。恩のある平家直系の血を守るため悲壮な決意。自分の妻子を身代わりに立てるシーンは落涙必至。
●夏祭浪花鑑(なつまつりなにわかがみ)…侠客の団七(中村勘三郎)は、恩人の息子の恋人を悪党に売ろうとした舅(笹野高史)を殺めてしまう。ニューヨーク公演ではクライマックスにNY市警が集団で登場し主人公を追跡。江戸とNYが一体化する画期的演出!現地の人は大喜び!
〔文楽〕
●曾根崎心中…醤油屋の番頭・徳兵衛と遊女お初は許されぬ恋を貫くため、そして悪友九平次との金銭トラブルの汚名を晴らすために心中を選ぶ。映画版(栗崎碧監督)の人形遣いは徳兵衛が吉田玉男(1919-2006人間国宝)、お初が吉田簑助(1933-)。吉田玉男さんは徳兵衛役を生涯に1136回も務めた!
●NHK『人間国宝ふたり』から義太夫特訓場面…人間国宝・7代目竹本住大夫(1924-)と弟子・竹本文字久太夫(当時45歳、入門21年)の貴重な稽古風景。雷が落ちまくり(それだけ期待されている証拠)。住大夫の師匠は人間国宝・4代目竹本越路太夫(1914-2002)。越路太夫が76歳で引退する時の言葉は「“義太夫”の修業は一生では足りなかった。もう一生欲しかった」。(Ama
〔お能〕※能は舞って歌ってコーラスもある和製ミュージカル!
能用語…シテ=主役。ツレ=シテの従者。子方(こかた)=子役。地謡(地謡)=合唱団。ワキ=脇役。ワキツレ=ワキの従者。
●道成寺…200年前に焼け落ちた道成寺(紀州)の鐘。その再興の場に女が現れ、かつて彼女が愛した僧侶と縁深い鐘に対する怨みを語り、落下する鐘に飛び込む。シテは関根祥人(よしと/享年50歳)。ドキュメンタリーに登場するのは師匠が観世清和(1959-)。二十六世観世宗家。お弟子さんが上田公威(きみたけ)。
・道成寺(人形アニメ版)…人形作家・川本喜八郎(1925-2010)の傑作。人形とは思えぬ情念の渦。海外でも絶賛。(Ama DVDは豪華11本入り!)
〔狂言〕
●靫猿(うつぼざる)…ある日、猿使い(野村萬斎1966-)が道で出会った大名(野村万作)から「弓矢入れに猿皮をかけたいので、その猿を譲れ」と命令される。泣く泣く猿(野村裕基、3歳)を手放すことを決めた猿使いだが、自分が殺されることを知らない無邪気な猿の様子に大名は心を動かされ、猿皮計画を中止して猿と一緒に踊り興じる。3歳の裕基君が40分の舞台の振り付けを覚えるのは大変。札幌公演で“でんぐり返し”を忘れ、楽屋で正座して泣きながら「すいませんでした」「(今日の事を忘れるなと言われて)ハイ、忘れません」と誓う姿に思わずもらい泣き。(Ama
●寝音曲(時間の都合で紹介出来なかった)…大名の従者が酒で酔っ払って大失敗。おかしみに溢れる爆笑舞台。太郎冠者(かじゃ)役は大蔵流・茂山千之丞(1923-2010)。映画で谷崎潤一郎を演じ、能楽協会から事実上の退会勧告を受けた反骨の狂言師。
懇親会には20人が参加!
オフ会の第3部は懇親会(18時半〜)。文芸ジャンキー・パラダイスについて忌憚(きたん)のない意見を皆で交わした。21時半まで語り合ったので、第1部から参加している人は11時間半も会場にいたことに。「最初に訪問したページはどこから?」という話題では、ジョジョや映画コーナーの人が多かったんだけど、1人「若者の悩みQ&Aから」とおっしゃった方がいて、あまり目立たないページでもちゃんと読んでくれる人がいたことが分かり、めちゃくちゃ嬉しかった。更新のモチベーションがさらに上がった!「日記が長すぎませんか」という質問には「それが苦になる人はそもそもジャンパラに来ないのでは」との意見が多かったので、あまり気にせず書き綴りますね。日記の文字の大きさは、僕としては一段階大きなフォントにしたいけど、そうするとトンデモなく縦長のサイトになるので、このちっこい字なんですよね…。日記で時事問題を取り扱うことに対しては、心配してたより肯定的な意見が多かった。懇親会で君が代起立条例の話などもタブーなしでやり(というか、僕が自分と異なる意見を聞きたかった)、個々人が抱く愛国心のどこが一致して、どこが異なっているのかが浮かび上がった。そのあたり、来年の日記で掘り下げていきたい。オフ会後、「今年1年で一番楽しい1日でした」とメールを下さった方や、「会社でやる仕事のプレゼンと違い、自分の好きなものをプレゼンすることがこんなにも楽しいものとは思わなかった!」と力説された方がいて、芸術の力はスゴイと改めて実感。同好の士が集まる空間は僕の周囲にもあまりないので、来年も最低1回、できれば2回、読者交流会を催したく思いマス!(2012年はジョジョ25周年なのでジョジョ学会も開催したい!)
※ひえろんさん、ビデオカメラでのスクリーン投影を有難うございましたッ!
 12月26日…(オフ会レポ・前編)23日に開催された当サイトの読者交流会=オフ会レポ!会場は大阪、参加者は41人で男女比は3:1くらい。遠方からの参加者は、山形、東京、千葉、高知、長野、山梨、愛知等々。10時にスタートした第1部は、オフ会恒例の参加者による“お薦めアート”の10分間プレゼン。 ここでは、「本人がアートと思えばアート」というコンセプトのもと、様々なジャンルの作品が登場。3時間半の間に14人が紹介したラインナップは次の通り→歌劇「ラ・ボエーム」(プッチーニ)オペラ/「スモーク」(主演ハーヴェイ・カイテル)映画/旧東海道の魅力2ndシーズン 静岡・三島宿〜愛知・宮宿(景観画像)/寺社仏閣の御朱印(宗教美術)/La Vie En Rose(Africando※サルサ版。原曲はエディット・ピアフ)/『静物』(ジョルジョ・モランディ)絵画/「風街ろまん」(はっぴぃえんど)ロック/「ヨコハマ買い出し紀行」(芦奈野ひとし)漫画/陰陽座の世界(陰陽座)超和製メタル/「いかすぜ!この恋」(西田敏行)/「ロング・トール・サリー」(ビートルズ)/「シャキーン!」名作選(幼児番組)/「魔界転生」(深作欣二)映画/「中央アジアの草原にて」(アレクサンドル・ボロディン)クラシック。他にご自身の絵画作品を展示し(美しかった!)、影響を受けたアートについて語られた参加者もおられました。昨年も自分で撮った写真を発表された方がいて、このようにアートに携わる方が自作品を紹介する場になるのは主催者としても嬉しいです!
プッチーニ『ラ・ボエーム』の
“冷たい手”に聴き入る。大音量
でオペラを味わうこの至福!

孤高の画家ジョルジョ・モランディ
を紹介。作品が持つ“静けさ”に
圧倒された!※発表者は
イタリア
留学をしてハマッたとのこと!
徒歩で東海道五十三次に挑戦!
昨年の日本橋→三島宿(静岡)に
続き、今年は三島宿→宮宿(愛知)。
ゴールの京都までもうちょい!
イブシ銀のヒューマン・ドラマ。
『スモーク』のラストエピソード
はクリスマスが舞台なので
今回のオフ会にもピッタリ
日本語ロックの草分け「はっぴ
いえんど」の名盤を聴く。細野
晴臣、大瀧詠一、松本隆、
鈴木茂という最強の布陣!
サルサはラテンのイメージが
あるけど、「アフリカンド」による
アフリカ人サルサを紹介。発表者
はご両親がペルー人の青年!
 
ロシア五人組・ボロディンの交響詩「中央アジアの草原にて」を、楽譜の
映像&解説付きで鑑賞!この新しい試みは“吉”!長い音符を見ている
と、中央アジアの草原を吹き渡る風や地平線がより鮮明に感じられた!
 
寺社で押印される朱印の魅力を熱くトーク!御朱印帳(専用帳面)を
開くと様々な書体でカッコ良く書かれた寺社名や本尊名がズラリ!
開けた瞬間、ビームが出た気が。それくらいパワーを感じた。よく見ると
ヒョロヒョロの字体の「あれれ?」というものもあり、担当の寺社職員や
僧侶で当たり外れがあるようだ。発表者いわく「目の前で書かれる
ライブ感がたまらない」。※朱印の金額はそんなに高くなく、大抵は
300円くらい。ただし、浄土真宗は朱印がない場合が多いので注意。
『ヨコハマ買い出し紀行』は温暖化で
環境激変後の近未来が舞台。文明
社会が滅びに向かっているのに、
けっして悲壮感がなく、そこが良い
そうだ。全10巻で手に取りやすい
参加者の方が描かれた作品。
水平線のように光るラインが
とても美しく見入ってしまった。
アクリルガッシュで描き上げ
つや出しニスで仕上げてマス
復活した天草四郎が幕府に復讐を
試みる「魔界転生」。柳生父子、
武蔵、胤瞬、ガラシアなどが転生し
バトルを展開。豪華俳優陣!
妖怪ヘヴィメタル「陰陽座」の
“組曲「義経」 悪忌判官”。楽曲の
壮大なスケール感と共に和を追究
したヴィジュアルにも目を見張った
Eテレ『シャキーン!』が映ると、
ウチのふうがスクリーンの真下
付近まですっ飛んできた!(笑)
10時から3時間半に渡った14人の
プレゼンが終わり、お昼ご飯タイム。
持ち寄った本やCDを皆で手に取った

//第1部では、他に初期ビートルズがコンサートの最後の曲に好んで演奏した『ロング・トール・サリー』、そして東日本大震災に関わりのある人物として、西田敏行さん(福島出身)がプレスリーのカバー曲を歌った「いかすぜ!この恋」が取り上げられた。/『リアル東海道五十三次』を発表された方は、前述したように近いうちに京都に至るので、来年は完結編のスライドを見せて下さるそうです。僕としては、次回のオフ会で第1部番外編として「旧東海道制覇記念・60分スペシャルコーナー」をお願いする所存デス!(明日に続く)
 12月25日…サイト・大阪オフ会→夜行バス→東京ジョジョリンピック→夜行バス→大阪帰着という怒濤のハード・スケジュールが無事終了!皆さんとお会いできて本当に良かったデス!この2日間のすべての出会いに感謝ッ!!
//体力を使い果たしヘロヘロなので(ドラクエでいうならHP5くらい)、一呼吸ついてから更新再開します!r(^_^;) ※今夜の「坂の上の雲」最終回に超期待!
読者交流会(12/23) ジョジョ大運動会(12/24)
 12月22日…明日23日の読者交流会(大阪※40人突破!)、24日のジョジョ運動会(東京)と立て続けにイベントがあるので、次回の更新は25日夜になります。お薦め番組情報、まとめてアップしておきますね。両会場で読者の方とお会いするのを楽しみにしています!オフ会第2部の古典芸能入門、貴重映像も交えた超入魂のプログラムっす!事前準備しながら片岡仁左衛門の名演に落涙。
//『ロード・オブ・ザ・リング』3部作の前章にあたる『ホビット』の予告がついに公開された!まだ英語版のみだけど雰囲気は伝わる。公開は来年12月。まだ1年もあるのか〜。
//童話『ジャックと豆の木』も実写映画化されるようだ。予告を見るとまるで漫画『進撃の巨人』の世界。巨人が怖すぎるんですけど!(汗)
//先日、荒木先生が朝日新聞(関東版)にアクション映画『96時間』の感想を書かれたとのこと。朝日WEBでイラストと文章がアップされています。リーアム・ニーソンが描かれてますね。荒木先生が現実の人間を描かれることはあまりないので新鮮。『96時間』は知名度は高くありませんが、僕も鑑賞してかなりテンションがあがった作品です。“悪即斬”を極めた映画。
//週末は大寒波がくるとのこと、皆さん風邪を召さぬよう温かくしてお過ごし下さいませ!
 12月21日…コナン・ドイルの『シャーロック・ホームズ』シリーズを全巻読めるサイトが話題に。挿絵入りというのも素晴らしい。探偵小説ファンには涙モノっすね!※既存の著作権に抵触しないように、全ての作品を改めて原作から翻訳し直して公開しているとのこと!
//映画監督の森田芳光さんが急性肝不全のため昨日他界。まだ61歳だった。『家族ゲーム』『ときめきに死す』『それから』『阿修羅のごとく』『失楽園』『武士の家計簿』、時代劇、現代劇、アイドル映画からヒューマンドラマまで、いろんなジャンルの映画に良作を残されてきた。円熟期に入りこれからどういう作品を作られるのか楽しみにいしていたので残念…。/映画監督の訃報といえば先月27日にカルト映画の巨匠ケン・ラッセル監督も他界されていた。ザ・フーのロック・オペラ『トミー』や生物逆進化『アルタード・ステーツ』、伝記映画『マーラー』など、僕の世代にはよく知られた監督だった。お二人の冥福を祈ります。
//サイト掲示板に入ろうとするとメンテナンス中になる不具合があったので、設定を変えてみました。これで問題なくアクセスできるかと!
 12月20日…「ベートーヴェンは我々に信じられるものを残してくれた。決して我々の期待を裏切らないものがあるとすれば、それはベートーヴェンの音楽だ」(指揮者バーンスタイン)
年末になると各地で第九が演奏される。この時期になるたびに“ベートーヴェンの生涯を文章で伝えたい”と思いつつ、その存在のあまりの大きさにたじろぎ、パソコンにむかってはひるんでいた。しかし、2011年はあまりにも世界規模でいろんなことが起き、今こそベートーヴェンの音楽(人間讃歌)が必要と痛感、夏頃から彼の生涯を書き綴っていた。一番最後の葬儀エピソードを書くあたりで近代史年表の作成に入って中断していたけど、そちらも完成し、ベートーヴェンの生涯も書き終えた。本日、ここに『あの人の人生を知ろう〜ベートーヴェン編』を公開します!音楽室のベートーヴェンは小難しい顔をしているけど、人物は極めて人間的で、たとえば50歳の時のこんな「家事日記」が残っています→「4月17日、コックを雇う。5月16日(わずか1ヶ月後)コックを首にする。5月30日、家政婦を雇う。7月1日、新しいコックを雇う。7月28日、コック逃げる。8月28日、家政婦辞める。9月9日、お手伝いを雇う。10月22日、お手伝い辞める。12月12日、コックを雇う。12月18日(たった6日後)コック辞める」。激情家っぷりが垣間見える。一方で、ベートーヴェンは自分にも厳しかった。演奏会を絶賛する批評を読んでこう語っている「私のように常に自分の限界を意識している者が、こんなに絶賛されるととても不思議な感じです」。ベートーヴェンが残した文章で最も胸を打たれたのは、聴覚を失って自殺寸前まで行った彼(当時32歳)が、死を思いとどまった経緯を書いた「ハイリゲンシュタットの遺書」。
●『ハイリゲンシュタットの遺書/わが弟たちカール(とヨハンへ)』
「私が意地悪く、強情で、人嫌いのように見えたとしても、人はその本当の原因を知らぬのだ。私の心と魂は、子供の頃から優しさと、大きな夢をなしとげる意欲で満たされて生きてきた。だが6年前から不治の病(難聴)に冒されたことに思いを馳せてみて欲しい。回復するのでは、という希望は毎年打ち砕かれ、この病はついに慢性のものとなってしまった。情熱に満ち活発な性格で、社交好きなこの私が、もはや孤立し、孤独に生きなければならないのだ。
「もっと大きな声で叫んで下さい、私は耳が聞こえないのです」、などと人々にはとても言えなかった。
他の人に比べてずっと優れていなくてはならぬはずの感覚が衰えているなどと人に知らせられようか…おお、私にはできない。だから、私が引きこもる姿を見ても許して欲しい。こうして自分が世捨て人のように誤解される不幸は私を二重に苦しめる。

交友による気晴らし、洗練された会話、意見の交換など、私にはもう許されないのだ。どうしても避けられない時にだけ人中には出るが、私はまるで島流しにされたかのように生活しなければならない。人の輪に近づくとどうしようもない恐れ、自分の状態を悟られてしまうのではないか、という心配が私をさいなむ。
医者の言葉に従って、この半年ほどは田舎で暮らしてみた。そばに立つ人には遠くの笛の音が聞こえるのに、私には何も聞こえない。人には羊飼いの歌声が聞こえているのに、私にはやはり何も聞こえないとは、何と言う屈辱だろう。こんな出来事に絶望し、あと一歩で自ら命を絶つところだった。

自ら命を絶たんとした私を引き止めたものは、ただひとつ“芸術”であった。自分が使命を自覚している仕事(作曲)をやり遂げないで、この世を捨てるのは卑怯に思われた。その為、このみじめで不安定な肉体を引きずって生きていく。
私が自分の案内者として選ぶべきは“忍耐”だと人は言う。だからそうする。願わくば、不幸に耐えようとする決意が長く持ちこたえてくれればよい。もしも病状が良くならなくても私の覚悟はできている。自分を不幸だと思っている人間は、自分と同じ1人の不幸な者が、自然のあらゆる障害にもかかわらず、価値ある芸術家、価値ある人間の列に加えられんがため、全力を尽くしたことを知って、そこに慰めを見出すことができるだろう。〜ルードヴィッヒ・ヴァン・ヴェートーヴェン」
/この時、彼が芸術の存在によって命を断たなかったおかげで、後に『運命』や『第九』が生まれ、それを今、僕らが聴くことができる。生きていればこそだ。ダンケ・シェーン(ありがとう)、ベートーヴェン!!
//フィンランドのカメラマンが、工夫を凝らして寝ている赤ちゃんを撮影したページをサイト読者の方から教えて頂きました。これはかなりホッコリきますねぇ!赤ちゃん自身は寝ているだけですが、名演出でファンタジーの世界へ!なかには“どんなけ時間がかかったんだ”と唸るものあり、見入ってしまいました。(*^v^*)
//読者交流会まであと3日!!僕が担当する第2部「やさしい古典芸能入門」のため、歌舞伎や文楽、能の資料を、鼻息荒く全力で編集中。一見、敷居が高く見える古典芸能ですが、最高の娯楽、素晴らしいエンターテインメントとして分かりやすく魅力を紹介するつもりです!複数のジャンルの古典芸能の神髄に、3〜4時間でいっき触れる機会はあまりないと思います。お正月は能や歌舞伎の放送が多いので、この講座に出ておくと存分に楽しめるかと!迷われてる方、是非!(☆o☆) キラーン
 12月19日…長かった。本当に、長かった。12年前のサイト開設当初から、いつかアップしようと思っていた、歴史認識問題を年表形式で解説を試みた近代史年表の「日本とアメリカ編」、そして「日本と東南アジア編」、さらには“天皇陛下のため”と口では言いながら、軍部のやってることは昭和天皇の気持ちと正反対だったことを解説した「昭和天皇かく語りき」、この3つの新コーナーを同時にアップ!これで、既にアップ済みの中国編、朝鮮編、台湾編とあわせて、明治維新からアジア太平洋戦争に至る近代史の全貌を、リベラルの立場から記録し尽くした。これらは何度も言ってるように、保守派を全否定するものではなく、なぜ僕がリベラルの立場に立っているのかを説明したものデス。この年表を作成している時は、読者の皆さん、特に僕と異なる歴史観を持っている方と、インターネットを通してではありますが、膝をつき合わせているつもりで書いていました。学校の授業では習わない戦争の実態、ネットで主流の保守派ブログがスルーしていることを、可能な限り要点を絞って分かりやすくまとめたつもりです。たかが個人サイトのワン・コーナーとはいえ、ある程度資料価値を持たせられるよう、あまりに意見が分かれる問題は両論併記しています。日頃から保守系サイトも見ているので、保守派が何にこだわり、それがどんな誤解から生まれているのかを分析し、タブーを恐れず直球で説明しています。「日本は白人からアジアの植民地を解放するために戦った」「日本のおかげでアジアの独立が早まった」…僕も日本人の1人として、それが本当だったらどんな良いかと思ってます。でもアジアの教科書を調べると、日本軍占領下の苦難について実に詳細に書かれており、あまりに聖戦論はかけ離れています。ガンジーは「独立は自分たちで勝ち取るから、日本の手は必要ない。アジア解放を言いながら中国を占領しているのはどういうことか」と声明を1942年(真珠湾の翌年)に出しています。「貴方がた(日本兵)が、もしインドから快く歓迎されるものと信じていられるなら、幻滅の悲哀を感じることになると、思い違いのないようお断りしておきましょう。インド独立運動の目的は、インドを解放にすることによって、イギリスの帝国主義であろうと、ドイツのナチズムであ ろうと、あるいは貴方がた日本のものであろうと、一切の軍国主義的・帝国主義的野心に抵抗する準備をインドが整える事にあります」。
/東南アジア編では、シンガポール、マレーシア、ベトナム、タイ、ミャンマー、インド、フィリピン、インドネシア、ニューギニア、ラオス、ブルネイほか、オーストラリアや南洋諸島まで範囲を広げ、戦時中に日本がどんなことを行ってきたのか国別にまとめました。同時に、軍首脳部が末端の日本兵をどう扱っていたのかも。ビルマ(ミャンマー)の「インパール作戦」は、日本兵8万6千人のうち死傷者7万4千人(うち戦死3万2千人、大半が餓死)という、近代戦史で最も無謀な作戦といわれ、日本軍の行軍ルートは延々と餓死者の亡骸が続くため「白骨街道」と呼ばれました。初耳の方は是非リンク先を。同ページには番外編として終戦後に起きたソ連軍の千島列島侵攻についても記しています。
/「アメリカ編」ではどうして勝つ見込みがないのに開戦したのか、そしてなぜ310万人が死ぬまで降伏しなかったかなどを中心に、硫黄島の戦い / 本土空襲 / 沖縄戦 / 神風特攻隊 については特別に別項立てでコラムを書いています。全てを読む時間がない方には、せめて若者が命を散らせた神風の項目だけでも目を通して頂けたらと願っています(元特攻隊員の証言が、あの戦争を美化することへの重い問題提議となってます)。そして、できれば神風と並んで最も力を込めて書いた沖縄戦の項目も!普天間移設に対する本土の人間の低い関心を、何とか高めたく、非力ながらも思いの丈を込めてコラムを書いた次第です。m(_ _)m
//サイトの読者交流会まであと4日!皆さんとお会いできるのを楽しみにしています。申し込みは前日で受け付けてます。特に掲示板の常連の方、是非ともリアル世界で会いましょう!!
//超ハード・スケジュールだけど、オフ会翌日、24日(土)のジョジョ運動会に参加するべく、東京行きの往復夜行バスを予約完了。サイト読者で参加されるジョジョ・ファンの方、会場で見かけたら気軽に声をかけて下さい。運動会後の親睦会も楽しいですよ!
 12月18日…明日、近代史年表をアップしたら、怒濤の「日記大量更新」を始めます!!年表作成にかかりっきりで、この間ずっと書く時間がなかった、映画、漫画、小説の話をいっぱい書きたい、伝えたい!
//北朝鮮の金正日総書記死去の速報。予兆がなかっただけに驚いた。

 12月16日…サイトの読者交流会(23日)まで、あと一週間!参加予定者は30人を超えました。現在、一番遠方の参加者は山形県から!他に関西圏以外では、千葉、東京、山梨、長野、愛知等々。オフ会は初めてという方も複数おられますので、迷われている方、是非×2、気軽に参加して下さいませッ!o(^o^)o

 12月15日…アカデミー賞の前哨戦となるゴールデングローブ賞のノミネート作品が発表された。最多6部門にノミネートされたのがモノクロの無声映画『アーティスト』。今の時代にあえてサイレント映画!よっぽど内容がいいんだろうねぇ。公開が楽しみ。
//近代史年表、最後の校正中!プリントアウトしたらA4で32ページもあり、我ながら書きも書いたりと。

 12月14日…渋谷にジョジョ25周年の巨大広告が登場とのこと!ぐああ、見に行きたい!裏側はDIO様!※ハチ公口を出て正面、TSUTAYAが入っているビル壁面。1月中旬までらしい。
//近代史年表、アップ前に見かえすと沖縄戦の記述が弱い。本土の人間が沖縄の受難を知らないと、普天間基地移転の世論が拡大しないので、年表に最後のテコ入れ中。
//季節がら、今週は忠臣蔵関連の番組が本当に多いですね。

 12月13日…秋から執筆中していた近代史年表。グアム玉砕戦、台湾沖航空戦まで完了し、残りの大きな項目はフィリピン決戦と硫黄島決戦のみ。沖縄戦や神風は先週の時点で先に執筆完了。14日夜か15日夜には全て完成し、ついにアップできそうな気が!
//バブル期に開園し、その後に閉園や破綻となったテーマパークを紹介しているページを見て、こんなに各地に作られていたのかと驚いた。
 12月12日…お薦め番組表で熱く語っている13日夜オンエアの『シン・レッド・ライン』ですが、僕は日本語の訳にも期待しています。というのも、この映画は戦争映画でありながらセリフの多くが“詩”に近く、DVDの字幕の中には訳が「?」のものが少なくないからデス。僕としては色んな翻訳者の字幕に触れて、この映画のさらなる深層に沈んでいきたい。
//今月24日に東京でジョジョファンの聖典、第7回ジョジョリンピック『スティール・スポーツ・ラン』が開催されます!昨年1月の第6回大会以来、約2年ぶり。第7回=第7部ということで“あの方”と関係が深いイブに開催とのこと。今年はストーン・オーシャンの設定年でもあり、荒木先生のデビュー30周年でもあり、ジョジョラーにはいろんな意味でアニバーサリー・イヤー(そして来年はジョジョ25周年!)。以前に第5回のレポで紹介したように、マニア心をくすぐる小ネタ満載の楽しいイベントです。ファンの方、是非いかがですか。※僕も行きたいんだけど前日が当サイトの大阪オフ。いつもサイトのオフ会では真っ白に燃え尽きるまで語り尽くすので、それから夜行バスに乗って上京できるのか検討中。せめて一日ズレていたら…(>_<)。
//違法操業中の中国漁船を取り締まっていた韓国海洋警察庁の隊員が刺殺された事件、大変なことになったけど韓国側はどう対応するんだろう。中国漁船は船をトゲトゲに武装するわ、取締官を殺害するわ、まるで海賊。日本としても他人事じゃないので事態の推移に注目したい。
//近代史年表、サイパン島の攻防戦まで作成。このあたりになると、南方戦線は玉砕に次ぐ玉砕で、年表をまとめていても相当辛いものがある。どう考えても、日本の指導者たちはマリアナ沖海戦に完敗した時点で降伏するべきだった…(ここから本土空襲が始まった)。
 12月11日…先日からロシアの民主化運動を注目しているけど、いよいよ社会を揺るがすような大事になってきましたね。モスクワで10万人集会とあるけど、15万人という報道もあった。
//ひたすら近代史年表・太平洋戦争編を作成。やっと1944年のインパール作戦まできた。あと1年!
 12月10日…今夜の皆既月食は午後9時45分スタート。11時5分から58分まで完全に影に入る。その後は徐々に戻り、午前1時18分に月食終了!





素晴らしいワインレッド!
なんて美しいんだ…!!
大阪23時20分現在、皆既月食中!



午前1時、月食終了直前。
地球の影がよく分かる。
スケールがデカッ!! (☆o☆)
 12月9日…10日夜、良い皆既月食が見られますように。雲が心配。//歴史年表、完成したら8日に遡ってアップする所存!//沖縄史の知識がない一川防衛相も、山岡“マルチ”消費者相も、問責決議案が可決してもなお続投を認めるほどの人物とは思えない。不適任もいいところ。なぜこうも国民世論から遊離した政治を進めるのか。野田首相も、その周辺で御輿を担いでいる閣僚も政治センスがダメダメすぎる。
 12月8日…寒波到来。9日は初雪の地域がたくさんあるとのこと。皆さん、お風邪を召さぬよう。
//むーん!9月下旬からずっと作成し続けている近代史年表の太平洋戦争編、真珠湾奇襲・日米開戦70周年に合わせるべく奮闘中。とんでもないボリュームになってきた。戦跡巡礼の体験、元兵士の手記、これまでに見た様々な戦争ドキュメンタリーの知識を注ぎ込んだ、我が歴史観の集大成!これがアップされた暁には、歴史認識を巡る不毛な意見の対立はなくなる…はず。若者が右とか左とか関係なく、生産的思考でこの国を築いていくための年表にしたい。
(追記)年表ついに完成しました!アメリカ編、そして東南アジアです!
 12月7日…「クリスマスとハロウィン、2つのお気に入りの祝日をくっつければパワーも楽しさも倍増すると考えたのが作品誕生のきっかけなんだ」(ティム・バートン)。発売中の時計雑誌『クロノス日本版 1月号』に連載の映画コラムを載せています。今回選んだのはこの季節にピッタリの『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』!世にクリスマス・ムービーは数あれど、最も人気を集めているのはバートン製作のこの映画。クレイアニメ(粘土人形アニメ)による傑作ファンタジー・ミュージカルだ。人形を少しずつ動かして生命を吹き込むため、24種のポーズを撮影して“1秒分”、3年がかりで1コマ1コマ撮影された、途方もない労力が注がれた作品だ。この映画は、独創的な人形の造型や親しみやすいメロディーの楽曲の数々、細部まで作り込まれた小物、凝りに凝った背景、ポジティブ思考の主人公の魅力などにより、公開から約20年経った今もファンが増え続けている。
物語の舞台は、狼男、半魚人、ミイラ、魔女、コウモリ男、ゾンビ、吸血鬼ブラザーズらが仲良く暮らす『ハロウィン・タウン』。住民は人を驚かせたり怖いことが大好き。主人公ジャックは“カボチャの王”の異名を持つ骸骨男で、外見は恐ろしいが優しいハートを持ち、物腰は紳士的。そしてあの手この手で人を驚かせる天才だ。この年のハロウィン祭もジャックの演出のお陰で大いに盛り上がり住民は大喜び(全住民が登場するオープニング曲『This Is Halloween』の日本語版 3分9秒。楽しい!)。
ところが、ジャックの気分は沈んでいた。「毎年が同じ事の繰り返し。見知らぬものに出会いたい。世界は広い、何かがあるはず」。月夜の墓地で虚しさを歌い上げるジャック。彼は人生を物足りなく感じ、新しい生き甲斐を探していた(このシーンがまっこと叙情的で素晴らしい。『ジャックの嘆き』 3分12秒/字幕ないけど雰囲気は伝わるかと!)。その彼がある日クリスマスの存在を知り、「ハロウィン・タウン住民の手でクリスマスをやろう!」と盛り上がる。サンタには“休暇”をとってもらいジャックが代わりにプレゼントを子ども達に届けようとするが、ハロウィン・タウンの住民は、ジャックを含めてクリスマスが何かを正確に理解しておらず、喜ばせる=怖がらせると解釈し、おぞましく不気味なオモチャを一丸となって作り始めたから、さあ大変!(続きは映画をご覧あれ!)
/制作スタッフの熱い意気込みを感じる至福の76分。ファンタジーやホラーの要素が絶妙にブレンドされ、恋愛映画としても後味が良い。「地位や名誉なんかより、見知らぬものに逢いたい」という想いも、多くの人の共感を得る部分だろう。骸骨やツギハギのグロテスクなキャラが、次第に可愛らしく、かつ、優美に見えていく不思議!その生き生きした動きは、粘土であることを開始早々から忘れさせた。劇中に登場するのは約60キャラ、のべ200体。ジャックの頭部だけで400種類も作成された。様々な魅力に富んだ本作だけど、僕が感銘を受けたのはジャックが失敗した時の立ち直りの速さだ。ティム・バートンいわく「ジャックは自分を納得させてやる気を出させるのが上手い。自己動機づけの天才で、しかもそれを歌いながらやってのける」。約20年前に初めて観た時、正直言って彼の切り替えの速さに反発を感じた。歌一曲で立ち直ることに違和感があった。でも、40代になった今、人生をしのいでいくには「やるべきことはやったから前に進もう」という軽快なバイタリティーが重要なのだと思うようになった。壁に毎回全力でぶつかっていたら心身が持たない。バートンはジャックの自己問答“お得意の激励演説”と讃え、ジャックが「語り継がれる物語も残した」「見失ってた自分を取り戻した」と肯定面を見つめ、“ほら穴深く身を隠したい。百万年後に僕は発見され…”とドン底から始まった歌が、いつの間にかスッキリしてやる気満々の内容となり、歌い終わるや即行動するフットワークの軽さを愛している。クリスマスを必死になって科学分析しようと没頭するあたりも、何とも微笑ましい。そしてサリー。彼女はただのボロ人形ではなく深い魂を持っている。悲しみを誰かに分かって欲しいと思っている。感情移入せざるを得ない。
/かつてバートンはディズニーの社員で、ナイトメアー・ビフォア・クリスマスの企画を持ちかけたという。だが、ダークな世界観や、米国では人形アニメ(ストップモーション・アニメ)が不人気ゆえ却下された。そればかりか、バートンはディズニー・キャラ特有の瞳が描けなくてディズニーを追い出されている。その後、別会社で『バットマン』『シザーハンズ』などをヒットさせて実績を作り、20年かけてようやく映画化が許された。ディズニーとしては異色作だが、本作は興行的にも当たり、いわば古巣に戻って凱旋をあげた形。「CGでは暖かみと立体感が出ない」と人形アニメにこだわったバートン。CG全盛期の現代でも本作のキャラクターの質感は再現できていない。まさにストップアニメーションの頂点を極めた一作。
「この映画ほど客入りを熱望した作品はない。映画は最初の1ヶ月で客入りが悪ければ失敗作。本作は7年かけて人気が出た。そんな奇跡が起きたのは僕の作品でこれだけだ」(バートン)
※『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』(Ama リマスター版が1700円!)
※あのマリリン・マンソンが『This Is Halloween』のリミックスを歌っていた(3分22秒)とは!このリミックス、大音量で聞くとテンションあがる!
//天気予報がちょっと心配だけど、今週の土曜10日夜、日本全国で皆既月食が観測できるとのこと。空の高い部分で月食になり、これほど好条件なのは11年ぶりなんだって。
 12月6日…毎年この時期になると、ウィキペディアをクリックする度に、真剣な眼差しで「寄付メッセージをお読み下さい」とジッと見つめられますね。僕も一年に一度だけ、この場を借りてアマゾンの話を。ウチのサイトは文字や画像が多く、広告が入るとページ表示がさらに重くなって遅くなる為、ページ上下のどこにも広告を入れてません。文章の間に広告が入ると読み難くなりますし。一方、サイト運営のため大型サーバーや有料掲示板(こちらも無広告)をレンタルしており、その維持費は年間10万円以上。その全額は無理だとしても何割かをサイトから補助できればと、アマゾンの検索ボックスをこの上に設置しています。ここから注文して頂けると約4%が還元されるので、皆さん、アマゾンを利用される時は是非そちらから入って頂けると助かります(購入先がアマゾン直営でなくても有効)。ただ、この“4%”というのも甘い話ではなく、世界同時不況でアマゾンもシビアになり、09年秋から一商品につき千円という上限がつきました(うーむ!)。だから3万円以上の商品は、仮に100万円のプレミア品が売れても、やはり還元は千円に…。最近ネット界で“アフィリエイトで成功”とかあまり聞かなくなったのはそういう事情です。
/そのような状況の中、当サイトのアマゾンは皆さんのご厚意もあってマイペースで稼働しており、昨年はサイト維持費の半分までまかなえました。今年は7割近くになりそうです。この1年、当サイトのアマゾンを使って下さった方に心から御礼申し上げます。本当に有難うございました!そして、以下の高額商品を今年購入された方→ダイソン羽なし扇風機、キャノンEOS 60D、ウォークマン、iPod、セイコー・ブライツ(!)、自動掃除機ルンバ、サイクロン掃除機、温水便座、マックス・ビルの掛け時計、イデオンDVD-BOX、テクニカ・アンテナケーブル、グレン・グールドセット、富士通スキャナー、ペイント・ソフト、ブルーレイソフト&本体セット、EPSONカラリオ→これらは個々に上限(千円)還元されており、僕からはお名前も何も分かりませんが、“管理人へのエールのつもりで”と、そのようにクリックして頂いたのであれば、その志はしっかりと届いています!リアルに助かりました! (>_<)
//暴力団排除条例が全国で成立し暴力団追放の機運が高まるなか、暴力団との関係を断とうする企業や役員の自宅などが拳銃や手榴弾で襲撃される事件が今年に入って相次ぎ、去年の2倍以上(27件)に上っている。先月は北九州市で建設会社役員の男性が2人組に襲われ、拳銃で殺害されるという酷い事件まで起きている。警察庁は企業関係者保護のため対策を強化する方針を決めたとのこと。その昔、ヤクザの美学は堅気に迷惑をかけないというものだった。それが、自分たちと訣別したという理由だけで、民間企業の役員を2人がかりで襲って射殺するなど卑劣さが度を超している。もっとマスコミはトップニュースで暴力団と戦っている企業や警官の動きを何度も伝えて援護しないと。
//「プーチンなきロシアを」と数千人がモスクワで退陣要求デモ。反権力のジャーナリストが次々と暗殺されているロシアにあって、これは非常に勇気のいる行為。“アラブの春”はNYの反格差デモに繋がったけど、ロシアにも改革の波が押し寄せているのかも!
//オフ会参加予定者が20名を越えました!迷われている方、この機会に是非!
 12月5日…以前に宇宙の広大さや、大型恒星の笑ってしまうくらいの巨大さを比較した動画を紹介したことがあったけど、新バージョンが出来てたり、画質が格段にアップしているので、以下に3本紹介します。僕にとっては、小さなことにクヨクヨせず前進できる特効薬のような動画デス(笑)。※ある意味、救命ロープ動画かも。
地球と恒星の大きさ(2分34秒)…おい!うぉい!うぉおおい!ってなっていく。地球はケシ粒以下。飛行機で一周するのに1100年かかる星まである。ひょえ〜。後半の音楽はブレードランナーのエンディングだけど、前半のこの壮大なクラシック音楽はなんて曲だろう。→読者の方から映画「エイリアン」のサントラと教えて頂きました!有難うございました!
宇宙-星の大きさ比較(1分5秒)…カメラワークの躍動感がグッド!“太陽ガンバレ!”ってなった。(*^o^*)
宇宙の極限(5分56秒)…地球を出発して宇宙の果てへ出発し、また戻ってくるという約6分の動画。精神衛生上にも非常に良い動画!
//静かなドラマを見ている時、CMになった瞬間に突然ボリュームが上がってビックリすることがある。で、慌てて音量を下げ、ドラマが再開するとセリフをよく聞くため再びボリューム・アップ。こういう煩雑さをなくすため、民放連が来年10月から音量差を解消するという。有難いけど1年先かぁ。春からやればいいのにね。
 12月4日…ここのとこの強行軍に加え、子どもから風邪をもらって38.4度。それ故、今日は短めで。
//“江”の最終回を見て、なんだかんだで面白い大河だったなぁと。そりゃ、過去の名作大河から比べりゃ脚本にユルユル感はあったけど、浅井の姫から見た江戸幕府の樹立は新鮮だった。秀頼と淀の最期もじっくり描かれてたし。一度だけ“へうげもの”古田織部が出てきたのもグッドサービスだった。1話も欠かさず最後まで見られたのは、信長、秀吉、家康という一番ドラマチックな時代が描かれたことも大きい。そして久々に次の言葉を刻もう…“天地人”とは何だったのか、と。
/っていうか!“江”のエンディング後に流れた来年の大河『平清盛』の予告が素晴らしすぎる!あの映像美と画面の緊張感は何事!?音楽も劇的!『龍馬伝』のスタッフかと思って慌ててウィキで調べたけど、演出家は違っていた。でもあの空気は龍馬伝のソレだった!こりゃ、ひょっとすると神大河になるかも!?初回放送は1月8日。うおお、待ち切れん…!公式WEBにも特報動画があるけど、江の後の予告編の方が数百倍良かった。
//ロシアでプーチン批判の若者たちを一斉検挙。言論の自由が保証された本当の民主国家に早くなれますように!動画の中で、逮捕された若者が護送車から「ロシアは変わるべきなんだ!」と叫んでいる声がマジで切実で、たまらん気持ちになった。
 12月3日…(上京レポその5/映画ファン・ミニオフ会)
11/28の19時に新宿の新宿武蔵野館(映画館)前に集合。実際に顔を合わせるまでどんな雰囲気の人が参加するのか見当もつかなかった。でも不安はゼロ。オフ会に来るほどメチャクチャ映画が好きで、そして文芸ジャンキーの読者、この2点だけで充分だった。深い意味で“同族”と分かっていた。年齢は大学生から50歳手前の紳士まで様々。挨拶を交わしてネットカフェのカラオケルームにGO!話し始めてすぐに場の空気が調和した。愛するものが同じという、圧倒的な安心感。言葉の通じない異国から、誰でも言葉が通じる故郷の村に帰ってきた感じ。マニアックな映画ファンが周囲にいなくても、ここでは多数派だ。最初に軽く自己紹介をした後、さっそく各自が洋画第3位のタイトルをあげ、理由も語った。あがったのは次の映画だった(司会をしながらメモったので書き忘れがあるかも、汗)。
●洋画3位…ダンス・ウィズ・ウルブズ、プロジェクトA、ギャラクシー・クエスト、インビクタス、評決、猿の惑星(旧)、博士の異常な愛情、サンライズ、グレン・グールド27歳の記憶、ガタカ、ダークナイト(ダークナイトは1位でも出てた)
皆が一通り理由を熱弁した後、終了予定時間が22時だったので、一本あたりの時間を短くしないと1位までいかないことが分かった。それで、魅力を語るのは「一作品2分以内」ということに。続いて邦画の話題になった。
●邦画3位…椿三十郎、三丁目の夕日、サマーウォーズ、ソナチネ、日本のいちばん長い日、血と骨、田園に死す、茶の味、バーサス、風の谷のナウシカ(英語版も良いらしい)
次は再び洋画。
●洋画第2位…ニュー・シネマ・パラダイス、太陽がいっぱい、ターミネーター2、チャップリンの黄金狂時代、ダンサー・イン・ザ・ダーク、老人と海(実写版スペンサー・トレイシー主演)、トゥルーマン・ショー、ツリー・オブ・ライフ、ぼくの伯父さん、ゾンビ、カストラート
●邦画第2位…七人の侍、男はつらいよ・寅次郎恋やつれ、悪夢探偵、鉄男、水俣病その20年、怪談、西鶴一代女
ここでいったんティーブレイク。せっかく飲み放題のドリンク・バーがあるというのに、寸分を惜しんでトークしていたのでまだ飲んでいなかった(笑)。休憩後、サイトにアップしている「名画の条件」「NG映画の条件」「映画ファンの鉄の掟」に加えるべき条項や異論がないか話し合い、いよいよ第1位の発表に!
●洋画第1位…ショーシャンクの空に、ダークナイト、グラン・トリノ、エイリアン、ウェスタン、ミスト、ライムライト、サクリファイス、トーチソング・トリロジー、チェネレントラ(ジャン・ピエール=ポネル演出版)、チャップリンの独裁者
●邦画第1位…おくりびと、乱、東京物語、砂の女、ゴジラ(第1作)、ルパン対複製人間、火垂るの墓、丹下左膳餘話・百萬兩の壺、運命じゃない人、ドラえもん・雲の王国、となりのトトロ
この“ベスト3本発表会”で感動したのは、映画のタイトルを言うだけで「おお〜っ!」と歓声があがったり、自然と拍手が湧いたり、思わず握手を交わすなど、何かしら反応があること。“みなまで言うな、タイトルだけで気持ちは分かる”くらいのテンション。参加者は互いに相手のランキングに敬意を払い、またよく話を聞いていた。この時点で21時40分。3時間などすぐに経った。残り20分で大急ぎで好きな監督、男優、女優の第1位をあげていった。
●監督編…ウディ・アレン、黒澤明、シドニー・ルメット、宮崎駿、サモ・ハン・キンポー、北野武、スピルバーグ、ルキノ・ヴィスコンティ
●男優編…ダスティン・ホフマン、クリント・イーストウッド、仲代達矢、モーガン・フリーマン、アル・パチーノ、ハリソン・フォード、ベニチオ・デル・トロ
●女優編…ダイアン・キートン、メリル・ストリープ、ナタリー・ポートマン、高峰秀子、ジョディ・フォスター、シガニー・ウィーバー、岩下志麻、中尾幸世、ジェニファー・ロペス、クレア・ブルーム(「ライムライト」のテリー)、ナタリヤ・ボンダルチュク(「惑星ソラリス」の妻役)
“ナタリヤ・ボンダルチュク”なんて聞いたことない女優だったけど、ソラリスのハリーと知ってハイパー覚醒。「彼女は茶系の服が本当によく似合う」とか語り合った。“一作品2分”という制限時間では全然話し足りなく、別れ際、「今度は6時間コースでいこう」「いやオールナイトで」という話になった。予告しておくと、次回は『ジャンル別ベスト1』の発表デス。コメディ、アクション、ミュージカル、SF&ファンタジー、恋愛、ミステリー・サスペンス、伝記物、ヒューマンドラマ、ホラー、アニメ、戦争、スポーツ、ドキュメンタリー、西部劇(邦画は時代劇)、それぞれ洋画と邦画の1位を語り合いたい!最後、23時に新宿から夜行バスが出るのを皆で見送ってくれて感動した。千葉、横浜、埼玉から参加している人もいるのに、そんなに遅い時間まで見送ってくれて、みんな本当に優しい。楽しい時間を有難うございました!
  
こんな感じで映画LOVEを吠えまくり!アッという間の3時間。体感時間は30分
 12月2日…(上京レポその4)
11時に池袋駅へ戻った後、巣鴨の染井霊園へ。駅のロッカーに荷物を預け、全力で墓地まで走る。時間が計画より1時間押していた。染井では海軍軍縮条約締結に尽力した若槻礼次郎元首相、軍に対抗して国際協調主義外交を訴えた幣原喜重郎元首相、初代ウルトラマン&ウルトラセブンに名作を多数残した実相寺昭雄監督、高村光太郎&智恵子、二葉亭四迷、岡倉天心などを巡礼。いつもなら近所の寺の芥川龍之介にも挨拶するんだけど、時間は既に12時半。曇っているので16時には薄暗くなってしまう。次の目的地が三鷹の西の多磨霊園ゆえ、大急ぎで駅に戻った。一刻も早く、西へ!
/山手線で新宿に戻り衝撃的なことを知る。僕が乗りたかった中央線が事故で停まっていた!なんとしてもJR武蔵境駅から京王多摩川線に乗り換える必要があり、ひたすら運転再開を待つ。結局13時半に着くはずが15時すぎに…。
/多磨霊園は都内最大の墓地。甲子園球場約33個分!陽が落ちる16時半まで、90分間ノンストップで巡礼した。墓参計画を立てた人物全員を参られないのは明らかだった。誰を巡礼して、誰を断念するか、辛い選択に迫られる。日米開戦やドイツとの同盟に反対していた井上成美海軍大将、アッツ島で玉砕した山崎保代中将、軍部穏健派ゆえ二・二六事件で暗殺された斎藤実元首相、天皇機関説を支持して同じく二・二六で暗殺された渡辺錠太郎教育総監、タイの人々にホトケの司令官と言われた中村明人中将、他に敗戦の責任を感じて自決した軍人を中心に墓参した。軍上層部には言いたいこともあるけれど、少なくとも戦後に自慢気な保身回顧録や他人への責任転嫁を綴った自伝を出している人物と異なり、人として筋を通している。やがて完全に日が暮れ、まったく彫られた文字が読めなくなり、インパールで奮戦した桜井省三中将の墓にたどり着けなかった…無念。
/この日は18時半から新宿で映画ファンのミニ・オフ会があるので、待ち合わせ30分前に現地に着くため、17時過ぎに多磨駅に向かった。駅について愕然とした。またしても事故で運転休止。結局、新宿に30分前に着くはずが30分の大遅刻。しかもツイッターで現状報告しようとすると、ケータイがフリーズしてアップできない…。この日の映画ファン・オフの参加者は13名。集合場所に着くと寒空の下みんな待っててくれていた。思わず道路に両手をついた。
/東京はしょっちゅう電車が止まると聞いていたけど、郊外への往復で1日に2度も…。2年前、知人が欧州行きで成田に向かう途中で事故が発生し、フライトに間に合わなかったことを思い出した。尊い命が失われたわけで、それに比べれば、巡礼やオフ会、欧州行きが大したことないのは分かる…オフ会や欧州行きは次回があるけど自死には次がない点でも。(以下、テーマが繊細なので文字反転でいきます)→
でも彼の欧州行きは3年前から仕事の日程を組んでやっと職場で休暇許可をもらったものだった。機会を逸し、以降も渡航できていない。彼は「法律で鉄道自死を禁止して欲しい」と真顔で言っていた。いわく「今から死のうとしている人間に法を遵守せよというのはナンセンスだけど、日本人は非常に真面目な民族なので、死に際しても法は犯すまいと考えるはず」と語っていた。確かに、日本人の気質を考えると激減するかも知れない(元々、周囲に迷惑をかけないことを美徳とする価値観を共有しているし…)。/作家、芸術家には自死を選ぶ人が実に多く、僕もその行為を全否定しない。10代の子には世界の広さを知る前に自死を選択して欲しくないけど、大人が熟慮の結果出した結論であれば、(その人なりの事情があると思うので)それを頭ごなしに否定できないし、否定する人を“何様か”って思う。/サイトで命の重みについて常々語っているのに、社会の犠牲者でもある鉄道自死者に何かを言うのは矛盾している…それは重々分かっている。死に場所に電車を選ぶのは、無理解な社会に対する最後の反逆かも知れない。或いは、ラクになりたい一心で発作的に自死する人が過半数なのか。前者であれば、僕も社会の一部として連帯責任があり、怒りを向けられても言い訳できない。後者であれば最終的な行動にワンクッション入れて再考を促すためにも駅ホームの自動防護柵の設置を早急に進めるべきだ。とにかく鉄道自死だけはあまりに影響力が大きすぎる。友人が主張する法律で禁じるというのは、あながち的外れなものではないと近頃感じている。※行政、地域社会、家族の精神的サポートが非常に重要という、その大前提のうえで語っています。(つづく)
 12月1日…(上京レポその3)
深夜3時にネットカフェで沈没した後、6時半に起床。7時半から青山霊園で2日目の巡礼開始。とにかく、昨日発見できなかった陸軍穏健派の永田鉄山中将を探さねば。友人たちが墓石を目撃したという立山地区で、ひとつひとつ名前を確認していく。1時間経過。ダメだ、どうしても見つからない。この頃になると、僕は「永田」ではなく、ネットに公開されている鉄山の墓画像の後方に写っている別人の墓を探していた。その人は珍しい名前だったので、そちらを探す方が容易に思われたからだ。このアプローチが功を奏し、9時半にとうとうお墓を発見できた!メインストリートからは奥まった場所にあり、墓石の方向も周囲とは異なる方角だったので、“一向に見つからないハズ”と納得した。50歳で暗殺された永田中将。死の半年後には二・二六事件が起きており、存命なら東條も台頭せず極端な右傾化を避けられただろうと、死を悔やみ悼んだ。その後、作家の星新一さんや、馬術の五輪金メダリストで硫黄島守備隊として玉砕したバロン西中佐(『硫黄島からの手紙』にも出てた)、『坂の上の雲』が再開するので秋山好古陸軍大将、初代警視総監の川路利良、白虎隊の生き残りの方などを墓参。昨日谷中で教えて貰った橋本龍太郎元首相の墓も見かけた。墓前にたくさん恐竜のフィギュアがあり(龍ゆえ)、誰かが書いた「日本が大変です!助けて下さい!」のメッセージが置かれていた。
/青山霊園で本懐を果たし、続けて池袋のサンシャイン60へ。この巨大ビルが建っている場所には、かつてGHQが戦犯を収容した巣鴨プリズンがあった。幾人かはこの血で露と消えている。その中には状況的に同情すべき人もいて、跡地を示す石碑の前で合掌したかった。ところがサンシャイン60の敷地は広大で、どこに石碑があるのかサッパリ分からない。インフォメで尋ねると、案内されたのは巣鴨プリズンとは関係の無い“さざれ石”の展示オブジェ。最終的に、隣接する東池袋中央公園の中に追悼碑があることが分かった。石碑の前には平日なのに花がいっぱい。公園管理人のおじさんの話では、終戦日・お盆の前後は大量の供花で埋もれるそうだ。正面の碑文は「永久平和を願って」。背後に巣鴨プリズンの説明文があり「戦争による悲劇を再び繰り返さない為、この地を前述の遺跡としこの碑を建立する」とあった。(つづく)
 11月30日…明日12/1は映画の日!断然『1911』をお薦め!レッドクリフのスタッフが描きあげた辛亥革命。ジャッキー・チェンが出演100作品目にこのシリアスな歴史映画を選んだだけはある。清王朝を倒して選挙で大統領を選ぶシーンで、孫文が民主主義の素晴らしさ、人々が投票で指導者を選べることの価値を力説しているのは、国民に投票権がない現在の中国政府への皮肉にも聞こえた。「革命のすべてにギロチンが必要なわけではない」というセリフも良い。見応え充分の力作!“映画を観た”って気持ちになった!※孫文役の俳優のカリスマ感がハンパない。(公式WEB
//(上京レポその2)
(11/27)17時に『谷中霊園巡墓会』が終わり、僕はすぐさまお台場へ向かった。目的は18時から始まる『“墓マイラーと古墳めぐり”トークバトル』。古墳ファン2人と墓マイラー2人が、互いに魅力を語り合うというもの。トークバトルといっても両者は根底で通じるものがあり、トークセッションに近いかも。墓マイラー側は、“あの”「珍寺大道場」道場主で、現代の信仰シーンに詳しい小嶋独観さん(すごいサイト!)、そしてイラストレーターのあきやまみみこさん。古墳ファン側は、古墳めぐりカルチャーを牽引する古墳ギャル@古墳シンガーのまりこふんさん、街歩きを通して古墳を愛でる“大衆食堂の詩人”遠藤哲夫さん。
トップバッターのあきやまさんは、東京の著名人の墓や、沖縄で神様の墓と伝承されるアマミチューの墓所などを紹介。沖縄は一般市民の墓が非常に大きく、文化の違いなどにも着目されていた。
2番手はまりこふんさん。嬉々とした表情で古墳ワールドを語られこちらも幸せな気分に。「前方後円墳のクビレがたまらない」「八角墳のセレブ感は古墳界のデヴィ夫人」「コフンにコーフン!」と様々なカタチの古墳をスライドで紹介され、“グッドデザイン賞は双方中円墳”“アイデア賞は上円下方墳”など、突き抜けた切り口が新鮮だった。古墳体験ツアーの参加レポートも楽しく、僕も来年の野毛古墳まつり(世田谷区主催)に参加したいと思った。復元土器を使って赤米、ドングリなど古代食を調理し、食べられるとのこと!ちなみに古墳の数は全国に約12万基あり、陵墓(天皇の墓)以外なら登ったり石室に入れる古墳もある(稲荷山古墳、石舞台古墳など)。
3番手の小嶋独観さんは、墓石の代わりに樹木を植える樹木葬(長倉山・知勝院)や、日本在住のイスラム教徒のために、一般には禁じられている土葬が認められている山梨県文殊院(土葬可能自治体に位置)などの現地レポート。樹木葬の墓参では、山火事防止のため線香・ロウソクなど火気厳禁とのこと。イスラム墓地では、イスラム男性と結婚した日本人女性の墓が多いことを知り、山梨県だけじゃ親族は墓参が大変だろうと、他地域でもこういう特例墓地の必要性を感じた。あと、田舎で時々見かける“田んぼの中の墓”は、まだ法整備が進んでない時代に、“力を持つ者に田んぼを横取りされない為の農民の知恵”という見方にナルホドと合点。
4番手は緊急ゲストとして、僕がルーマニアの陽気な墓と、美しい天皇陵20選のスライドを上映。前者は墓マイラーとして、後者は古墳ファンとして語った。
ラストの5番手は60代半ばの遠藤哲夫さん。中沢新一さん作成の古地図片手に、古代関東へ想いを馳せるアースダイバーとして、古墳がかつての海岸線に沿って点在することを指摘。“理由は分からないけど気持ちが晴れやかになる場所”に古墳は造築されていると、地図や写真で解説されていた。元々古墳だった場所が神社になっているケースが多数あるという(神社の森は古墳のなごり。参道で石段を登るのも古墳の丘ゆえ)。
/このイベント、当初の予定は18時〜20時だったけど、終わってみれば90分オーバーの21時半。それだけ濃い内容だった。※コチラの方もイベント・レポを書かれていマス!
/その後、22時に就労支援NGOの役員をしている友人と渋谷で会って、ヤクザと対立する分野では脅迫を受けていることなどを聞き、身の安全をマジで祈った。ヤクザは悪質な人材派遣業もしており、就労支援側も大変。
/午前0時に宿となるネットカフェを探索開始。いつもは上野や高田馬場のネットカフェだけど、翌朝の青山霊園再突撃を考えて渋谷に宿泊。ネカフェの値段は極端に変わらないけど、問題はシャワーの順番。数が少ないと、順番待ちがえらい時間になる。2件まわって「3時にシャワーOK」といわれ脱力。3件目に入ったセンター街のマンボーで“待ち時間ナシ”といわれ即決。翌日の墓巡礼の資料を調べた後、去年のサイト・オフ会で読者の方に薦められた漫画『鈴木先生』を3巻まで読んで3時に号沈。作中に出てきた「心を亡くすと書いて“忙しい”」という言葉に“わかる”と思わずメモ。これ、ほんと意識しておかないと危険っすよね。(つづく)
 11月29日…(上京レポその1)
27日の朝7時に東京到着。渋谷で夜行バスを降りた後、最近来日外国人に人気があるという『富士そば』に初入店。卵、薄揚げ、ネギ、わかめ、天かすがのって400円。体も温まったし良い感じ。食後、六本木の青山霊園に向かい8時に到着。青山では作家や幕末の志士の墓を中心にいつも巡礼しているけど、今回は昭和初期の政治家や開戦に反対していた軍人の墓参をメインで行った。何度か日記に書いたように、僕はいま今年12/8の太平洋戦争70年に向けて、あの戦争に関する歴史年表を執筆中。既にアップ済みの日中史、日朝史、日台史の執筆を通しても感じたことだけど、調べれば調べるほど、決して「日本がやった戦争は仕方なかった」わけじゃなく、当時から政治家や軍部の中に、勇気を出して戦争反対を訴えた人がたくさんいたことが分かった。特に、留学や海外駐在経験のある人物は、内外の国力差を熟知しており、軒並み大陸での戦線拡大や日米開戦に反対していた。でも、そういう人々は軍部や右翼テロの標的となり、次々と暗殺・脅迫によって表舞台から消えていった。「現代の価値観で当時を語るな」という意見は正論となるケースもあるけど、あの戦争に関しては不適切であり、当時の価値観でも開戦は無謀無思慮かつ人命軽視のさいたるものであったことを、多くの故人がリアルタイムで指摘している。
青山霊園では、反軍演説を国会で行った斎藤隆夫議員や軍縮条約締結に尽力した加藤友三郎海相(後に首相)、国際協調主義を訴えて二・二六事件の標的になった牧野伸顕内大臣、失敗したものの近衛・ルーズベルト会談実現に尽力した豊田貞次郎海軍大将など約15名を巡礼した。ところが、この青山訪問の主目的だった陸軍穏健派の代表格、軍務局長・永田鉄山中将の墓がどうしても見つからない。永田中将は戦争強硬派の軍人に暗殺され、もしこの人が生きていれば日米開戦は回避されたと言われている人物だ。霊園管理事務所で尋ねても“資料にない”との返事。ウィキにはこの霊園にあると書いてるのに…。ウィキ情報をガセネタではと疑った。13時から日暮里・谷中霊園で開催される巡墓会に参加するため、ギリギリの12半まで墓石を見て回ったけどついにタイムアップ。断腸の思いで青山霊園を後にする。
※吉田茂元首相の墓石も、あるべきはずの場所になくて焦った。何度も来てるのに、いつの間にか更地になっていて呆然。隣接する麻生家の墓がポツンと残っていた。事務所に問い合わせると「今年6月頃に神奈川の方へ改葬され墓石は撤去された」とのこと!通りでいくら探しても見つからないハズ。
//13時ジャストに日暮里駅に到着し、ダッシュで集合場所へ。『谷中霊園巡墓会』を主催している探墓巡礼顕彰会は、僕が墓マイラー界で最もリスペクトしている歴史&お墓好きの団体。この団体の主催企画に参加してハズレだったことがない。常に期待以上の充実感を味わっており、だからこそ大阪から足を運んでいる。参加費はテキスト代込みで1500円だけど、仮に1万5千円でも僕は参加していた。それほど素晴らしいので、事前にこの日記でも案内してたんだけど、定員まで約10名ほど余裕があったのが残念至極だった。この団体は、歴史上の知名度は低くても、生き方に感銘を覚えるような故人を選んで墓に案内してくれ、墓前でその人生を熱烈に語ってもらえるので、今回もメモをとりまくった。中でも、維新期に侍から警察官になった人物を情熱的に追っかけている河内貞芳さんによる解説は、故人たちの不遇もあって毎回のように胸を鷲掴みにされる(河内さんが話すと故人が目の前に立ち現れるかのよう!故人への愛がほとばしっている!)。また、歴史ドラマの映像をパネルにして、故人の生涯をビジュアル的に解説する金子千滋さんは、その方法で故人への親しみを高めることに成功しており、僕もこういう企画をする時は是非参考にようと思った。黒坂拓哉さんは僕より20歳近くも若いのに、大名や公家の墓への造詣がハンパなく深く、“この子は10年後、20年後にどうなってるんだろう”と、同じ墓マイラーとして楽しみでならない。
/そして!僕が発見できなかった永田中将の墓情報を聞いたところ、金子さんも黒坂さんも「青山霊園の立山地区で確かに見た」とのこと。僕はウィキに不安を感じていたので、この目撃情報でテンションがあがり、当初の予定を変更して翌朝も青山を再巡礼することにした。(つづく)
//沖縄防衛局長が不適切発言で更迭。基地移転問題で沖縄県民を軽視するような発言を、女性を傷つけるたとえで表現するなど、耳を疑うような話だった。米軍基地撤去運動の原因となったのが少女暴行事件なのに、こんなたとえで基地問題を語ることに唖然。民主政権になってからも被災者の感情を逆撫でするなど不適切発言が後を絶たない。相手の気持ちを考えて発言できる人物が国政の中心に来て欲しい…。
 11月25日…明晩から上京するため、次回の更新は29日の夜になります。番組情報をドドンとアップしておきますネ!
//28日の映画ファン・ミニオフは、ネットカフェのパーティー部屋(カラオケ部屋)を借りることが一番安いと判明。1時間400円でドリンク・バー付きとか、新宿でその値段で借りられることにビックリ。こちらの店で開催しますね!
 11月24日…英国のTotal Film誌が史上最高のアニメ映画50本を発表。海外目線ではジブリ作品等がディズニー作品と比較してどの位置にランクインしているのかが分かって興味深い。ベスト30は(30)眠れる森の美女(29)ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ!(28)ファンタスティック Mr. Fox(27)ペルセポリス(26)もののけ姫(25)PERFECT BLUE(24)スキャナー・ダークリー(23)ダンボ(22)ファインディング・ニモ(21)ライオン・キング(20)ウォーターシップ・ダウンのうさぎたち(19)ファンタジア(18)ナイトメアー・ビフォア・クリスマス(17)ウォーリー(16)アラジン(15)ファンタスティック・プラネット(14)アイアン・ジャイアント(13)ロジャー・ラビット(12)火垂るの墓(11)シュレック(10)ジャングル・ブック(9)戦場でワルツを(8)Mr.インクレディブル(7)サウスパーク・無修正映画版(6)となりのトトロ(5)AKIRA(4)白雪姫(3)美女と野獣(2)千と千尋の神隠し(1)トイ・ストーリー。『白雪姫』が歴史的価値を含めて永遠に第1位と思っていたので、4位という結果に驚いた。トイ・ストーリーは実際に脚本が良いんだけど、1位がセル画アニメではなくCGというのも時代の変化を感じる。映画.comによると『攻殻機動隊』が35位、『ナウシカ』が37位、『ハウル』が46位に入っているとのこと。『千と千尋』はオスカーに輝いているから知名度が高いのは分かるけど、日本人に人気の『トトロ』が英国人の心も掴んで6位という高順位に入っているのが、文化を超えて繋がってる感があって嬉しいっすね。それと、『火垂るの墓』が『アラジン』『ライオン・キング』より上っていうのも、英国でそれだけ多くの人が観ていることの証左でありグッとくるものがある。今敏監督が長生きしていればTOP10内に入る作品を間違いなく生み出していたと思い早逝が残念。ジブリ以外では『AKIRA』が5位と大健闘っすね!(我がアニメ第1位の『イデオン』は国際版がないのかな?)
//私事だけど今日で44歳になった。ひょえ〜!44年もこの世に滞在している感覚は全くないんだけど、まさに光陰矢のごとし!来年は四捨五入すると50!信長の時代なら「人間五十年」でもう死んでる。なんかホント焦る!いろいろ焦る!やりたいこと、やらねばならぬことが山積しているため、これからはますます時間をどう使うのかシビアな判断を迫られることになる。30分番組でさえ見るべきか躊躇することが増えた。マグロはえらの筋肉がないので、泳いでいないと酸素を取り込むことができず絶命するという。いま、そんな感じ!
//昨年末の文芸ジャンキー・パラダイスのオフ会で強力にお薦めされた漫画『パーム・シリーズ』(獣木野生)を一気に最新34巻まで大人買い。約3ヶ月ヤフオクで全巻出品を待ち、ついに落札!
  なんとか来月のオフ会までに読破したい (>_<)
//来年2月のアカデミー賞授賞式の司会者が、伝説のコメディアン、ビリー・クリスタルに決定!素晴らしい!芸術的とも言える“間”の取り方を堪能できる。3ヶ月後がメッチャ楽しみ!
//絵本『ウォーリーを探せ』がまさかの映画化。いったいどんな内容にするんだろうね。画面がチカチカしそう(笑)。
 11月23日…落語家・立川談志さんの訃報の速報が。享年75歳。自身でつけた戒名が「立川雲黒斎家元勝手居士」(たてかわうんこくさいいえもとかってこじ)と豪快。現在落語家でただひとりの人間国宝・桂米朝さんのコメント「惜しい噺家を亡くしました。わがままな性格から、いろいろと世間に物議を醸したこともありましたが、実は“むちゃ”を演じていたような気がします。ああ見えても、談志は神経の細やかなところがあるんです」。手厳しい発言をテレビでよくしていた談志さんだけど、交流のある人ほど“温かい人”と言っており、そういう話がこれからどんどん出てくると思う。ご冥福を祈ります。
//今度の日曜日、大阪は知事選と大阪市長選のダブル選挙。府民として誰を応援すべきか、非常に難しい。現職の平松氏は万年赤字と言われていた市営地下鉄を黒字に変えたけど、公務員の裏金や不祥事が時々報道されていた。テレビの公開討論を拒否したことも大きなマイナス点だ。一方、橋下氏は安易な原発再稼働に反対しており、電力大手に毅然とした態度を取っている。利権団体を解体するという方向性も支持できる。だけど、橋下府知事が誕生してたった3年間で、大阪府は2151億円も借金が増えた。
氏は知事選の公約で「新規に府債を発行しない」としていたのに、実際は逆に府債を1300億円以上も増やしている。就任後に「府財政を黒字にした」というのはウソで、府債の大量発行で赤字を隠してるだけだった(大阪市は財政改善、大阪府は悪化/表参照Q-1=超分かりやすい)。企業の倒産件数は全国的には減少しているのに、大阪では増加しているのも大問題。大阪は中小企業が密集している町なのに、肝心の中小企業支援は、ものづくり支援予算が07年度比44%、商業振興費が5分の1まで激減している。中小企業は大阪の生命線。その振興費を削って経済が活性化するわけがない…。結果、橋下府政3年間で府税収入は4千億円も減った。大阪市(平松市長)の借金は減っているのに、大阪府(橋下知事)は増えていることをどう評価するか(参考リンク)。
/あと、橋下氏率いる維新の会は、
府議会に“君が代不起立の教師はクビ”条例を提出している。思想・表現の自由を守り大切にしてきた先人作家・芸術家を深くリスペクトしている文芸ジャンキーとして、到底受け入れられないもの。良心の自由は民主主義の要(かなめ)だ。超保守派の石原都知事でさえ、不起立=解雇まで踏み込んでいない。戦前の憲兵隊のようで、あまりに時代錯誤。以前にも書いたけど、 起立しない教師は日本を愛してないワケじゃない。むしろその逆。一方的に“不起立=反日”と決めつける人がいるけど酷い誤解だ。不起立教師は国旗と国歌だから抵抗しているんじゃなくて、かつて侵略戦争の象徴だった日の丸と君が代だから教育者として葛藤しているんだ。戦時中に教師は国家・天皇への忠誠を教え込み、子ども達を次々と戦地に送り出した。それゆえ学校行事では、特に卒業式という、子ども達を新たな世界に“送り出す”晴れの場では、過去に重みを感じている教育者であればこそ、君が代を歌うことが出来ないんだ。右とか左とかそういうレベルの話じゃない。反戦の立場から卒業式の度に悩み苦しんでいる人を、僕らの社会は権力者が作った“ルール”で強制排除していくのか、それとも「思想・良心の自由は重要」と保護していくのか。愛国心にはいろんな形があるのに、為政者が決めた愛国心のカタチだけが「正解」で、それ以外の愛国心は認めないなんて近隣や中東の独裁国家のようだ。日本ペンクラブ(浅田次郎会長)も反対声明で「思想信条によって人が序列化されたり、差別・弾圧されたり、また職場や地域や国から追われることに反対」と主張しているように、この条例は表現の自由にたずさわる者にとって極めて危険なもの。僕としては、日本が内面の自由に高い価値を見出す社会になって欲しい(この件に関しては僕と異なる意見を持っている人もいると思うけど、それが反対意見であっても僕は尊重します。価値観が個人で異なるのは当然だから。でも、意見が違う=解雇・排除というのが、いま維新の会がやろうとしていることなんデス)。愛国心を育むのは歴史教育でなく、現在の世の中のあり方。恒常的な大人社会の腐敗を正すことこそが何より重要。※以前、この問題について頂いた質問や反対意見をQ&Aにまとめたものを近日アップする予定なので、メールや掲示板でのご意見はそれを読んでからにして頂けると助かります。
/おそらく、27日の選挙では橋下氏&維新の会が圧勝するだろう。世間のイメージは橋下氏が改革者、平松氏が既得権側。世に閉塞感があるんだから改革者が勝つのが当然。維新の会に言いたいのは、世論調査で明らかなように、市民にとっての争点は「市政改革」「景気向上」であって“不起立教師解雇”じゃないこと。大量得票を理由に思想弾圧を強行しないよう願ってる。カジノ誘致もマニフェストに入ってるけど、知らない人が大半。カジノは不要。/キャリア官僚でありながら政府・官僚批判の急先鋒に立つ元通産省・古賀茂明さんに立候補して欲しかった!
//荒木飛呂彦公式WEB、黒バージョンのブチャ、試作品のアバッキオとナランチャが良い感じ!元絵になった扉絵をぜひ再現したい。重ちーもキーホルダーに(笑)。
 11月22日…28日の映画ファン・ミニオフですが、当日新宿で空いてる店を探しまわるのは大変なので、事前に駅周辺のファミレスに予約を入れることにしました。その関係もあって、申し込みの締め切りを26日(土)15時までにしようと思います。よろしくお願いします。m(_ _)m
//仕事で『北斗の拳』のコラムを書く為に、数年ぶりに読み返しているのですが、鬼神モードの“山のフドウ”の手に、子ども時代のユリアが生まれたての小犬を乗せるシーン、あれはグッときますね。「おれはその小犬のあまりのか弱さに、ただ、たじろいだ…」。この、小さな命を前に“たじろぐ”という表現が、個人的に鮮烈だった。似たような感覚を味わうことはあるけど、なかなか言葉で表せなかった。「たじろぐ」に“これか!”って思った。/ケンシロウの「久しぶりに人間にあった気がする…」も重い言葉。ここでは気高い人間性を持つ人物のことを言っている。/その他、南斗六星のシュウの言葉「(今反乱を起こせば時期尚早で無駄死にとなるため)今動くことはない。お前たちの中にある心が動いただけで充分だ。その心がいずれこの世に再び光をもたらすであろう。心ひとつひとつが大きな束となった時に」も良い。“心が動いただけで充分”、この言葉はこれまで読み飛ばしていた。若い頃は何でもすぐに結果や変化が欲しかったので、むしろ反発していたかも。漫画にしろ小説にしろ、読み返す年齢でヒットする部分が異なるのが面白い。
//掲示板、レスしました。いつも書き込みが遅くてスミマセン。
 11月21日…ヨーロッパの国債危機が、ギリシャからイタリアに飛び火し、新たにハンガリーまでピンチに。人類の文明が誕生して5千年以上。大きな世界大戦も2度体験している。過去の愚行の反省を含めた“知の蓄積”をもってコトに当たれば、直面している危機を乗り越えられると思いたい。マジで。そうでなければ、何のための文明の発展、技術進化か。/食糧について言えば、先日NHKで、現在世界には広大な耕地面積があり、穀物生産量は年22億トンにのぼるという。これは「100億人」を養える量だ。ちゃんと計算して分配すれば、穀物による食糧危機は起きないし、数字上では余っている。でも穀物をバイオ燃料にしたり、家畜(主に食肉)のエサにしたり、マネーゲームの対象にするため、武力で奪い合ったり餓死者が出ることに…。/食肉関連の穀物消費量はハンパない。特に牛肉。
●肉1kgを作るために必要な穀物の量
・ニワトリ…4kg
・ブタ…7kg
・ウシ…11kg!
世界の肉の年間消費は1980年代に1億5千万トンだったのが、20年後の2000年代には2億5千万トンに急増(1.6倍)。中でも中国の1人あたり年間消費量は20年で約3倍(2.7倍)に膨れあがった。もともと中国では牛肉を食べる習慣がなく、肉といえば鶏肉か豚肉だった。牛肉ブームの火付け役は、米・日・韓の食品業界。ハンバーガー店、ステーキ店、牛丼店などで中国の人々は牛肉に美味しさを感じるようになり、今や日本人28kgに対して中国人は50kgも肉を食べているという。人口が多い国なので消費が3倍になれば影響もでかい。
※ただ、世界一牛肉を食べてる米国人の消費量は“125kg”とケタ違いで、中国の50kgの比じゃない(汗)。将来的にはインドの人口が中国を抜くけど、インド(ヒンズー)では牛が神聖な動物であり、食べられることはない。これ以上穀物事情が悪化して欲しくないという意味でヒンズーに感謝。米国人が肉食を今の半分に抑えてくれたら、かなり世界の台所事情は改善されると思うんだけどな…。
 11月20日…ピクサーの映画は本編の前に短編が併映される。それらはとても面白いのにテレビ放映ではカットされているので、YouTubeで次の2本を見つけてマジ嬉しい。
『リフテッド』(4分50秒)…「レミーのおいしいレストラン」と併映。宇宙船の操縦試験に挑戦するドジな宇宙人を描いたコメディ。表情が実に豊か。
『デイ&ナイト』(5分51秒)…「
トイ・ストーリー3」と併映。個人的にはピクサー短編の最高傑作と思う。ストーリーは極めて単純。そしてシンプルゆえに力強い。→擬人化された“昼”と“夜”が出会い、最初は未知なる相手を全否定。互いに自分がいかに優れているかを自慢しあい大喧嘩。でも、やがて昼も夜も両者は同じ世界に存在していることに気付く。そして…!メッセージ性のある作品なので、削除されないことを祈ってマス。(>_<)
※動画説明文によるとBGMが公開版とは異なるとのこと。でも多くの人がプラス評価しているように、これもアリかと!めちゃ高画質。コオロギの鳴き声など小さな“音”が効果的に使われているので、ある程度大きな音量で視聴されることをお薦めします。
//モスクワで開催された日本文化フェスティバルでロシア人によるコスプレ・イベントがあった模様。NHKニュースでもこの模様を映していたけど、欧米人キャラを現地の人がやった時のハマり具合(完成度)はハンパないですねぇ。
//エジプトは“アラブの春”で独裁政権が倒れたけど、その後、利権を守ろうとする軍部が民衆を弾圧し、再び流血の事態に。民主化に至るこの生みの苦しみが、早く終わりますように。
 11月19日…2009年、2010年の年末に続き、今年も当サイトの読者交流会の季節がやってきました!12/23(祝)に大阪にて『第16回文芸ジャンキー・パラダイス/オフ会&懇親会』を開催します!今回も参加者有志がお気に入りのアートを紹介する“お薦めアートまつり”(持ち時間10分)、管理人による芸術入門ガイド、懇親会(忘年会)の3部構成になります。昨年は午前10時スタート午後10時終了という、文芸トライアスロンに近いものになりました(笑)。昨年に発表された方も、この1年で新たにハマッたものなどを語って頂ければ嬉しいです(自作品の紹介も可)。10分も話せないという人は、5分だけ好きな作品を語るのもアリですし、シャイなので発表せずに聴き方に徹するのもモチロンOKです。前回&前々回の様子なども含めて、画像付きの告知ページを作成したので、参加希望者はそちらから申し込み下さい。今年の第2部は、初心者向けの日本の伝統芸能入門をやります。歌舞伎、文楽、お能、狂言、落語、津軽三味線などの鑑賞講座デス。「古典芸能に興味があるけど接し方が分からない」という方、僭越ながら全力でその魅力を吠えさせて頂きます!※お正月は歌舞伎や能の番組が多いので、この入門講座で基本的な知識を知っておくと、それらをより楽しめるかと!(☆o☆)
//11月28日(月)に新宿で18時半から行うミニオフ会、当サイト映画ファンの夕べ『映画を語ろう会』の告知ページもコチラに作成したので、映画好きの方はご覧下さいませ!※遅れて参加される方にはツイッターを使うか個別で対応します。
//本日発売のウルトラジャンプの『ジョジョリオン』、一気に物語が動きましたね!聞き覚えのある名前が続々!
//日本シリーズ、第7戦までなだれ込み!→ホークス8年ぶり日本一!
 11月18日…ファッション・ブランドのベネトンは「広告はまやかしの幸福を描くのではなく、企業の社会的姿勢を示すものであるべきだ」(参照リンク)というポリシーのもと、過去に人種差別への批判、エイズ救済、若い兵士の血まみれのシャツを通しての反戦など、様々な社会問題を扱った広告を展開してきた。
/そして今月に入って打ち出した広告がまた激インパクト。合成写真を使って「Unhate(反・嫌悪)」をテーマに、現ローマ法王ベネディクト16世とイスラムの高名な指導者アフマド・アル・タイーブ師のキスシーンのほか、オバマ大統領と胡錦濤国家主席のキスシーンを演出している。ヴァチカンは激怒し法的処置をとるという。米大統領の相手は10年前までなら間違いなくプーチン。それが胡錦濤というのが時代を象徴している。今回のキス・シリーズには、他にもイスラエルのネタニヤフ首相&パレスチナ自治政府のアッバス議長、そして金正日総書記と韓国の李明博大統領という、こちらも話題を集めそうな組み合わせがある(リンク先下部)。電通もこういう広告を出せばいいのにな。
 11月17日…ちょうど10日後となる11/27(日)に、東京で2つの墓マイラー・イベントがあります。今回、僕は“参加者”としてハシゴするつもり。
谷中霊園巡墓会…日暮里にて13時より。歴史ある谷中霊園で、幕末・明治の人物を中心に巡礼。主催は僕がリスペクトしている探墓巡礼顕彰会。同会の企画にこれまで2度参加しましたが、複数の研究者が「情熱的に」「分かりやすく」解説してくれ、本当に大阪から参加して大正解でした。歴史ファンは是非お薦めです!
「墓マイラーと古墳めぐり」…お台場にて18時より。古墳めぐりの魅力や、アジア各所のユニークな墓を紹介してもらえるとのこと。ちょうど古墳について知識が欲しいと思っていたので、個人的にはナイスタイミング!実際に自分の足で各地の古墳を巡っている人から、どんな話を聞けるのかすごく楽しみ。
どちらのイベントでも、サイト読者の方は気軽に声をかけて下さいネ。最近読み始めた方のために、小さな著者近影画像を当ページ最下部に貼っておきます(これくらいならモニターは割れないでしょう、笑)。
//マイ洋画ベスト1000の第1位は『チャップリンの独裁者』。この映画には独裁者ヒンケル(ヒトラーのパロディ)と顔がそっくりだった為に、演壇に担ぎ出された男が世界や兵士に向けて語る有名な演説(6分/字幕付)がある。どの言葉もチャップリンの信念に裏打ちされた胸を打つものなんだけど、友人がこの大演説に現代社会の映像をコラボ編集した動画(3分38秒)を教えてくれた。こちらには字幕はないけど、先述したリンクを見ておくと意味が分かりマス。PCに詳しい人がこの動画に字幕をつけてくると良いんだけど…!(>_<)
 11月16日…長きにわたって更新作業中だった洋画ベスト1000+αが4年ぶりにアップ完了!「アバター」「ダークナイト」「トイ・ストーリー3」「カーズ」など過去4年間に鑑賞した作品が新たに加わり、旧作もいろいろ順位が入れ替わってます!ベスト1000の一覧表はコチラ。そして各作品ごとのレビューはコチラから!300位以降のレビューは随時書き込んでいきますが、とにもかくにも300位までは全部コメントを入れました。新規分、加筆分がわかるよう、一覧表に記号を入れてあります。先日アップした邦画の一覧表にも新規・加筆の印が入ってます(Uさんアドバイスを有難うございました)。
//11月下旬に仕事で上京するので、「文芸ジャンキー/ミニオフ“映画を語ろう会”」を開催しようと思います!11/28(月)、平日で申し訳ありませんが、新宿で18時半から皆で好きな映画のことをマッタリ&気さくに話しましょう!
★参加者が各自で事前に選んでおくこと
・洋画ベスト3(余裕があれば10位まで)
・邦画ベスト3(同上)
・好きな監督ベスト3
・好きな男優ベスト3
・好きな女優ベスト3
集合場所は新宿駅前の「新宿武蔵野館の1階入口、映画ポスター前」(MAP)です。会費無料。人数によるけどスタバかマックか、どこかに入るつもり。叩き台になるような簡単な映画資料をコピーしていきますので、参加希望の方はこの特設アドレスに名前を書いてメールを下さい。質問もそのアドレスで受け付けます。オフ会後、23時の夜行バスで関西へ帰る予定。(*^v^*)
//大阪での12/23のオフ会は今週中に詳細をアップします。
 11月15日…洋画ベストの更新がいよいよ大詰め。自分の中で評価が拮抗している作品はYouTubeで予告編を見直したり。『トイ・ストーリー2』で描かれたカウガール人形ジェシーの思い出シーン(2分43秒)、これを見ると、ほんとオモチャを大切にしようって思う。たまらん…。(T_T)
//映画『パラダイス・ナウ』レビュー。ゴールデン・グローブ賞最優秀外国語作品賞、ヨーロッパ映画賞脚本賞、ベルリン国際映画祭・青い天使賞に輝いた2005年のパレスチナ、仏、独、蘭の合作映画。パレスチナ問題をパレスチナ人視点で描いた数少ない作品。主人公の2人の青年が、腹に爆薬を巻き付けイスラエルへ自爆テロに向かう過程を描いた衝撃作。僕は一般市民を標的とした無差別テロには絶対に反対だ。それだからこそ、なぜ自爆テロの志願者がこんなにも多いのか、その動機を以前から知りたいと思って いた。この映画では普通の若者が自爆テロの実行役に選ばれ、両親には秘密にしたまま組織のビデオカメラの前で遺言を吹き込み、イスラエル人が利用する路線 バスに乗り込む過程を追っている。
見終えた今、テロには断固反対という立場は変わらないけれど、パレスチナの若者が直面している八方塞がりの絶望感、心の尊厳を現在進行形で踏みにじるイスラエルへの怒り、天国への熱烈な憧れ、そういうことから志願者が絶えないという現状が理解できた。劇中では、テロ犯に“そんなことをするな”というアラブ人も出てくるし、命の重みがマヒしているような過激派幹部の描写(メシを食いながら“片手間に”テロを指導)もあり、単純に過激派を支持する作品ではないことを念押ししておく。以下、強く印象に残った爆弾テロ反対派との主人公の会話(論争)を紹介。→「教えて、なぜこんなことを!」「分かるだろ。平等に生きられなくとも平等に死ぬことは出来る」「平等の為に死ぬことが出来るなら、平等に生きる為の努力をするべきじゃないの」「あんたのいう“人権”でか?」「それも一つの可能性よ。とにかくイスラエル側に殺す理由を与えないの」「無邪気だな。自由は戦って手に入れる。不正がある限り自分を犠牲にする者はいるんだ」「犠牲なんかじゃない、ただの復讐よ!人殺しは皆一緒。人殺しに犠牲者も占領者も違いはないわ」「奴らには飛行機があって空爆してくる。俺たちは何もない、自爆して対抗するしか方法がないんだ」「見当違いよ。何をしてもイスラエル軍の方が強いのよ、武力では勝てないのよ」「死だけは常に平等だ。俺たちは天国に行ける」「いい加減にしたら!?天国なんて頭の中にしかないわ!」
「地獄で生き続けて行くよりも、想像上の天国の方がマシだ。占領下は死んだも同然それなら別の苦しみを選ぶ」「残された私たちはどうなるの?こんな作戦で勝利すると思う?あなたの行動が私たちを破壊するのよ。そしてイスラエルに殺す理由を与えることになるの」「理由がなくなればどうなるって言うんだ?」「彼らは殺さない。この戦争を理論的な戦いに持って行くことはできるわ」「イスラエルの方にモラルがないんだ、そんな理論が通じるはずない」。※予告編(1分49秒)
//俳優の山本太郎さんが脱原発の旗手となったことで民放各局が距離を置くなか、NHKは17日夜8時からの海外取材番組に山本さんを抜擢!インドネシアの密林の奥地に暮らす人々を訪ねるとのこと。バラエティーにチョイ出しとかじゃなく、あえて1時間番組を任せるところにNHKの凄味を感じた。電力会社が大手スポンサーじゃないからできるワザっすね。
 11月14日…番組表にも書いてますが、16日にオンエアされる南アフリカの映画『ツォツィ』は超お薦めデス!ツォツィとは“悪たれ”のこと。治安最悪の南ア・スラム街を舞台にしたヒューマン・ドラマ。マンデラ氏いわく「自分もかつてはツォツィだった」。予告編(1分46秒)※実に良い予告編!
//アクセスが殺到している「ゆるキャラグランプリ」の公式WEB。ゆるキャラは、ご当地マスコットのこと。都道府県をクリックすると、地元にどんなゆるキャラがいるのか分かって面白い(現在346体登録済み)。ゆるキャラの数は、東京16体、大阪17体と拮抗してると思ったら、“埼玉39体”で別次元だったのでウケた。埼玉すごい。いろんなゆるキャラが登録されてるけど、夕張の“メロン熊”にユルさはあるの?(笑)
//僕は亡き父が酒豪→糖尿病だったので、酒は月一回、そして炭水化物をなるべく控えようと心がけてるんだけど、うどん、パスタ、白ご飯の美味しさは格別で、つい大盛りにしたい誘惑にかられる。でも人工透析になれば週3回4時間拘束されるので、海外の墓巡礼なんて不可能になるし、失明、四肢壊死だってある。糖尿病の怖さを語り合うスレを読んで身が引き締まった。やたらと喉が渇く人、尿意が近い人、要注意です。ペットボトル症候群もヤバイ。
//仕事中に流している音楽は、サントラ、クラシック、ビートルズが多い。サントラは『トロン:レガシー』『インセプション』『劇場版イデオン』『龍馬伝』が多い。どれも緊張感が漂っていて、僕のくたびれた脳を刺激する。最近は民俗音楽風のものが好きで、梶浦由記さんの楽曲も増えてきた。YouTubeで久々に『暁の車』(5分)を聴き、“良い曲だな〜”としみじみ感じ入ってると、海外の人がコメントで“私は日本語が分からないけど声の質やメロディーがめちゃくちゃ心地良い!”的なことを書いていて、なおさらグッときた。音楽の力は偉大。
 11月13日…「まだ観てないか、観て熱狂的なファンになったか、そのどちらかしかいない」と言われる傑作SF映画『ブレードランナー』。15日(火)の13時からBSでその『ブレードランナー』の“メイキング・ムービー”がオンエアされます!わざわざメイキングを流すなんて極めて異例。つまり、それだけこのメイキングが素晴らしいということ!そこには30年前の若きハリソン・フォードやリドリー・スコット監督が映し出されている。スコット監督は完全主義者で知られ、たった1ショットの撮影に8時間も費やすことも。本作は特撮場面を30回も撮り直したので大幅に予算オーバーしてしまった。ある映画関係者が「ブレードランナーのような作品は2度と作られない」と言っていたけど、メイキングを見るとそれはけっして大袈裟ではないと思う。世界観(未来のロサンゼルス)の独創性、ロボットが生命の尊さを語るという哲学的な脚本、役者の名演、カメラマンの高度な撮影技術、ヴァンゲリスの荘厳な音楽など、すべてが奇跡的に融合している。以下に美術チームの苦労話をいくつか紹介。
●ある美術スタッフが撮影に初参加した時に言われた言葉が「ようこそ地獄へ」。理由は監督に美術の知識がある為に、その場のひらめきでどんどんデザインが変更されるから。
●美術担当者「監督は警察署セットのマグカップ1個、ペン1本選ぶのに、100個のマグカップと100本のペンを買わせてから、ひとつだけ選んだ」「費用が心配で監督と話し合った。物事が大ごとになりキリがなかった。主人公の部屋(アパート)は5万ドル(約600万円)の予算だったのに17万5千ドル(約2100万円)になった。私だったらアパート1つに大金をかけない。そんな必要はない。でもリドリーと話し合うと…必要になった
●資金提供者はセットの建築現場に来て顔から血の気が引いたという。“何もかもを”作っていたからだ。美術担当者「“イスなんて作らずに買えばいいだろう”と言われた。だが店では買えないんだ。全てが美術館級の出来栄えだった」
●美術スタッフのクルー達が“完成した”と思ってるセットにリドリーがきて、「よし、この調子で作ろう」といわれ茫然としたという。あり得ない完成度が求められた。
//この映画の本編となる『ブレードランナー/ファイナル・カット』は同日22時からのオンエア。完成度をあげるため、ハリソン・フォードの息子に父の衣装を着せてまで追加撮影している。まだCGが導入される前のミニチュアを使ったSF映画だ。メイキング、本編とも、地デジで録画してぜひ永久保存版に!
※僕は映像特典のメイキング・ムービーが観たいが為に、かつて約2万5千円もするコレクターズセットを買ったでござるよ。まさかNHKが放送する日が来ようとは(嬉しいような悲しいような!)。
//11月27日の夕方に上野で予定していた映画ファンのオフ会ですが、仕事の都合で28日(月)夜に新宿で行うことになるかも…スミマセン!
 11月12日…北海道の利尻島で撮影されたという「ラピュタの雲」(2分半)。強風なのに雲は殆ど位置を変えなかったという。不思議な形だね。
//前回のEテレ『仏像拝観手引』で興福寺の有名な“阿修羅像”の解説をしてたんだけど、あの像の足下の土台が「州浜(すはま)座」という“波打ち際”と知って電気が走った。大抵の明王は固い岩場に立っていたり、邪気を踏んづけたりしている。でも、阿修羅は今にも波で崩れ去りそうな砂の上。これは阿修羅の数奇な運命(ほとけ軍→正義感が強すぎて慈悲の心を失い魔物化→釈迦の説法で改心・ほとけ軍に復帰)の象徴というか、揺れ動く心を反映しているよう。阿修羅像は怒りと哀しみが入り混じった瞳をしているので、それだけでも胸にくるんだけど、これからは台座を見ただけでジーンときそう。※余談だけど、先日読書中に口の中へ子どもが何かお菓子(?)を入れてきたと思ったら、PCの側に飾ってた阿修羅像のフィギュアの腕だった!それがポッキリと折られていた(涙)。自分の口から阿修羅の腕が出てくるなんてシュールすぎるよ、セニョール…。
//チャンピオンRED連載の『ジャイアントロボ』、「バベルの籠城」編が始まってビッグ・ファイア=バビル2世のカリスマに諸葛孔明が感涙むせび、黄帝ライセ=ヨミがジャイアントロボと拳を付き合わせるなど、毎回ハイテンションの極み。OVAのメンバーが再結集してアニメ化されないかなぁ。
//知人の家でUCガンダムの最新エピソード(第4話)を視聴。公式WEBに出ている内容だけ話すと、今回はジオン残党軍が大暴れ。“あの”ジュアッグ、ゾゴッグ、ドワッジ、ドム・トローペン、ザクマリン、デザート・ゲルググなど、初代ガンダムが放送打ち切りになっていなかったら出てくる予定だったトンデモ系モビルスーツやMSV系が大量登場。男6人で観ていて「うおおおお!」と何度も歓声があがった(笑)。緻密な背景画にも圧巻。バーの皮椅子の質感とか、ブリッジ内のモニターとか、どこまでリアルに描き込むんだと脱帽。クライマックスの音楽も良かった。それにしても、声優さんって凄い。ブライトを担当している成田剣さんは、故・鈴置洋孝さんと違和感ゼロ!「スタンバっておけ!」とか、声質までそのまんま!※ちなみにファースト・ガンダムが第52話まで続いていたらこう展開していた
 11月11日…新しくバージョンアップされたホンダのロボット“ASIMO ”の動画を見て仰天。走ったり、サッカーしたり、片足ジャンプしたり、いろんなアクションが出来るだけじゃなく、3人の人間が同時に喋ったことを全部聞き分けて、個別に返事していることに驚愕。まるで聖徳太子!(1分34秒)
//今日のスケートNHK杯、女子ショートの鈴木明子さんの演技が素晴らしかった!浅田選手のアラビア風の衣装もこれまでと雰囲気が違って新鮮。嬉しいことに、NHKはホームページでいろんな選手の動画をアップしている。鈴木選手の演技を未見の方は是非。レオノワ選手もダイナミックで良いですね。右側に技の名前が出てくるので勉強にもなる。
//前回の『江』、真田幸村が家康の本陣の中で死ぬとか歴史改変はあったけど、淀と秀頼がジワジワと追い詰められ、自死を決意する過程はもの悲しさがよく表現されていた。和平交渉に失敗し、秀忠に火矢を放たれ、鉄砲隊に一斉射撃され、側近や侍女が次々と散っていき、母子並んでの自決。泣けた。でも、一番可哀相なのは淀の妹“はつ”かも。実母が死んだ時と同じシチュエーションで(目の前で門が閉まってお別れ)、再び姉とも別れることになった。夫も病死しているし…。はつの墓所は福井県小浜市とのこと。まだ未巡礼なので早く墓参したい。
 11月10日…NHK『クローズアップ現代』でTPP問題のヤバさを分かりやすく解説していたので、“これは良い資料になる”とYouTubeにリンクを貼ったところ、12時間後には削除されていた。高い受信料を払ってるんだから、NHKはこういうのは残しておいてくれ。タレント・歌手が出ていない(事務所の権利問題がない)ニュース解説なのに…。官邸から圧力でもあったのか?「関税ゼロの影響」として僕がメモったのは→
(1)農水省の試算の結果、食料自給率は現在の40%から13%にまで激減。ちなみにフランスの自給率は173%、米国132%、ドイツ101%、中国と英国とロシアが99%、豪州に至っては333%だ。それが日本は13%になる。一部の経済学者は「この40%という数字はカロリーベースであり、生産額ベースでは69%だ」と主張しているけど、それでも自給率はまだ欧米先進国より低いし、TPPで自給率が減ることがあっても高くなることはないと各方面で指摘されている。※カロリーベース計算の価値を無意味と決めつけるのも問題が(参考リンク)。
(2)同じく農水省の試算結果で、「米農家の90%、小麦農家の99%が農業をやめる」という驚愕データが。他にも、酪農業では牛肉で75%、豚肉で70%が壊滅。逆にダメージの少ない分野では、りんご9%、柑橘類9%、茶25%、鶏肉20%という試算だった(だから影響の少ない茶農家はTPPに賛成だったりする)。
(3)TPPの対象は農業の他に19項目あり、労働市場、金融、保険、投資環境など、外資の標的になりそうなものが盛り沢山。外交能力に乏しい日本の政治家・官僚が、百戦錬磨の米国を相手に有利な条件など引き出せるのか。
(4)過去5年間でロシアや中国など様々な国が、天候不順で不作になった農産物の“輸出制限”を行った。自国民の食糧確保を優先するための禁輸処置だ。政府が国民を優先するのは当然のことだろう。外国の農産物に頼っている日本には深刻な事態だ。いくら日本にお金があっても売ってくれないんだから。世界規模の乱開発、気候変動、人口爆発で、20年以内に必ず食糧危機が起きるといわれているのに、国内の農家や酪農家を廃業させてどうするのか。
以下、朝のニュース解説でメモったことも追記。
(5)推進派は二言目には「アジアの成長を取り込む」というが、あまりに経済規模が違いすぎて、実質的には日米間の自由貿易協定(FTA)になる。 水田など田畑の規模をいくら拡大しても、栽培面積が広大な米国や豪州には太刀打ち出来ない。
(6)「平成の開国」という言葉も政府は好きだが、既に日本は12カ国以上の国・地域と自由貿易協定を交わしており決して閉鎖的ではない。その証拠に、既に農産物の輸入大国と化している。
(7)なぜ二国間の経済連携協定EPAや自由貿易協定(FTA)でなくTPPなのかがよく分からない。
(8)農協の利権が問題になってるけど、農協の改革はTPPと関係なく進めなきゃならないこと。(9)野田政権は「TPPに参加すれば、GNPが10年間で2.7兆円増える」と“効果”を主張するけれど、言い方を変えれば「1年あたり2700億円にしかならない」ということ。日本のGNPは約500兆円。換算すると、「年収500万円の人は2700円だけ収入が増えます」ということ。たったそれだけの“効果”のために、農家から生産意欲を奪い取るTPPに加わろうとしている。
 11月9日…集英社のWEBにTPP反対派・中野京大准教授の警鐘が掲載されていたので、特に重要と感じた部分を抜粋紹介。
「昨年12月に合意に至った米韓FTA(自由貿易協定)が、韓国側から見て、いかに無惨な内容だったかをお話ししましょう。韓国は、アメリカが韓国の自動車市場に参入しやすくなるよう、排ガス診断装置の装着や安全基準認証などの義務に関して、米国から輸入される自動車は免除するという“例外”をのまされました。さらに韓国では、日本と同じく国内ニーズが高い小型車に優遇税制を設けていたが、これもアメリカの要求で大型車に有利な税制に変えさせられました。そしてFTAによる関税撤廃で急伸した韓国産自動車の輸出がアメリカの自動車産業を脅かすようなら“関税を復活する”という規定も加えられたのです。手段を選ばないアメリカのこうした攻勢が、TPP交渉参加後は日本に及ぶことになります。
自動車業界では、まず日本のエコカーが標的となるでしょう。米国車の多くは、現時点では日本政府が定めた低公害車の基準を満たしておらず、エコカー減税の対象外。これをアメリカに「参入障壁だ」と指摘されれば、韓国のように泣く泣く優遇税制を撤廃せざるを得なくなるでしょう」
「TPPで最も懸念されるのは、投資家保護を目的とした「ISDS条項」。これは、例えば日本への参入を図ったアメリカの投資企業が、国家政策によってなんらかの被害を受けた場合に日本を訴えることができるというもの。訴える先は日本の裁判所ではなく、世界銀行傘下のICSID(国際投資紛争解決センター)という仲裁所です。ここでの審理は原則非公開で行なわれ、下された判定に不服があっても日本政府は控訴できません。
さらに怖いのが、審理の基準が投資家の損害だけに絞られる点。日本の政策が、国民の安全や健康、環境のためであったとしても、一切審理の材料にならないんです。もともとNAFTA(北米自由貿易協定)で入った条項ですが、これを使い、あちこちの国で訴訟を起こすアメリカを問題視する声は少なくないのです。そんな“人食いワニ”が潜んでいる池に日本政府は自ら飛び込もうとしているわけです」。
//昨日に引き続き、洋画ベストを鼻息荒く更新中。この行程でDVD再販の吉報を知った。1987年にアカデミー外国語映画賞に輝いたデンマークの傑作映画『バベットの晩餐会』は、11年前にDVD化されて廃盤となり、アマゾンで約8万円という超絶プレミア価格を叩き出している(中には12万8千円って狂気プライスも!)。洋画ベストの更新にあたり再検索をかけたところ、なんと今月26日に2926円で再販されるとのこと(しかも画質アップ)!あの優しい漁村の人々にまた会えるッス!
//12日のお薦め番組、NHKフィギュアが3つの時間帯に別れていることもあり、大変な数に。書くだけで1時間弱かかったけど、この作業は効率化できないんだよね…。(1)TV情報誌からアンテナに反応した番組を自分で選ぶ(2)次に番組ホームページで内容をチェック。イマイチなら却下(3)内容を30時程度にまとめる。ポイントを自分で絞るため、どうしても時間がかかる。番組名だけ貼っても何も伝わらないし…。お薦め番組が少ない日は15分くらいで済む。その時はラクだけど、各局もっとガンバレって思ったり。r(^_^;)
 11月8日…仕事以外の時間をすべて洋画ベスト更新に注ぎ込み中。4年も更新しなかった為にこれほど大変なのであり、これからは毎年必ず年末に更新しなくては。
//ハリウッドの映画ポスターを13種類に分類したブログ!着眼点が面白いし、力作!「片眼アップ系」「足の間から系」がこんなにあったとは(笑)。
//NHKはTPP参加の賛成派と反対派を5人ずつくらいスタジオに呼び、ゴールデンタイムに緊急討論特番をオンエアすべき!問題は農業だけじゃない。一度変えてしまった制度を「もう元には戻せない」という“ラチェット規定”、経済活動において問題が起きた時の第三者機関の審議が「非公開」なうえ「上訴不可」という“ISD条項”などトラップの匂いがプンプンするけど、ホント大丈夫なのか。カナダやメキシコは自国領土に有害廃棄物を埋めようとする米国企業を排除した際に、NAFTAの“ISDS条項”を引き合いに「自由競争を妨害した」と米国企業に告訴され、億単位の賠償金を支払わされた不条理な事例があるとのこと。
 11月7日…9日&10日のお薦めテレビ番組、いろんなジャンルがあって、アップしていて楽しかったデス。(*^v^*)
//目下、洋画ベストを鋭意更新中。今後の流れとしては、洋画ベストUP→近代史年表の日本と米国・東南アジア編UP→漫画ベスト更新UP、これを12/23に予定している当サイトの読者オフ会(大阪)までに完了したい。それと並行して、11/27(日)夕方5時から東京上野で、映画ファンのミニ・オフ会も計画中。今週中に詳細をアップするので、東京エリアの映画ジャンキーの方は予定を開けておいて下さいネ。
 11月6日…2007年秋に更新して以来、4年間もそのままだった邦画ベストをやっとこさ更新!「おくりびと」「サマーウォーズ」「ザ・マジックアワー」「ポニョ」「新版エヴァ」など近年の作品が加わり、ベスト300からベスト333に増え、旧作の順位も随所で入れ替わってます。年齢を重ねると、過去に低評価だった作品に新たな魅力を見出したり、印象がどんどん変わっていきますね。ベスト333の一覧表はコチラ。そして各作品ごとのレビューはコチラから!引き続き、洋画ベストの更新作業に取りかかります。洋画は1000本なので3倍大変!
//ドラマの妖怪人間ベム、良いですね。“人間になりたい”と願っている彼らの目の前で、自殺をしようとしする人間…いろいろ考えさせられる。ハッピーエンドになって欲しい。
//今年新たに世界遺産に認定された岩手県平泉の観光PRイラストを荒木先生(東北出身)が描かれました!奥州藤原氏3代の人物画の背景に、中尊寺金色堂が見えている。中央でジョジョ立ちっぽいポージングをしているのが初代・清衡公、騎上にいるのが二代目・基衡公、頭部アップが三代目・秀衡公とのことデス(情報を有難うございました!)。この3人がそのまま登場する歴史モノとか発表されないかな。荒木先生に観光イラストを依頼した岩手県知事はグッジョブ!
 11月5日…先月末に出た少年ジャンプ47号の『ワンピース』に、「うおお!」と思わずメモった台詞があったので紹介。いま、ワンピースでは、人間と共存する道を模索する魚人グループと、人間を皆殺しにすべしという魚人グループが戦っている。ルフィたちは共存派に加勢しているけど、武闘派(反人間派)がここまで人間を恨む背景には、人間が魚人を差別してきた歴史がある。共存派は「人間すべてが悪ではなく、ルフィたちのような理解者もいるから、そこに賭けよう。時間がかかっても、人間が差別や偏見を捨てる日を信じて頑張ろう」と考えている。それゆえ共存派は懸命に武闘派を説得するが、人間への憎しみに囚われた武闘派は、同じ魚人である共存派に対して“人間に尻尾を振る裏切り者”と皆殺しにすべく攻撃してきた。武闘派リーダーは吠える「おれ達は選ばれた!!復讐という『正義』を受け継ぐ為に!!!悪しき下等種族(人間)よ!!!この報復におれ達は命を捧げる!!!」。この言葉に対して、かつて共存派の指導者(母親)を武闘派に暗殺されたフカボシ王子が叫ぶ。→

「疎通を失った“魚人街”(武闘派の拠点)はまるで切り離された魚人島の暗黒の感情。我々は…海底深い無法の溝(みぞ)に蓄積し続けた、いびつな“怨念”に見て見ぬフリをし!!表面ばかりを整えて前進した気になっていた!!こいつらこそが!!母上が最も恐れていた存在!!!我らはまず…“内側”と戦うべきだった!!母は魚人島の“怨念”に取り殺されたのだ!!!(略)私は心のどこかでまんまと人間を恨んでいた。死者の無念は死者のもの。“怨念”は生きる者が勝手に生み出し増幅させる幻!!!わずかに人間を恨んだせいで見落としていた魚人街の怨念は…気づけば我らでは手に負えぬ程強大な力になっていた!!!このままじゃあ!!魚人島は“人間を恨む心”で我が身を滅ぼす!!!麦わら…頼む!!!過去などいらない!!!ゼロにしてくれ!!!」。僕はこのやり取りに、大型掲示板などネットに溢れる他民族への憎悪発言のことを思った。ネットでは近隣の国民に対して、信じ難いほどの憎しみ・軽蔑を込めた言葉を書き続けている人がいる。ワンピースでは、共存派であるフカボシ王子は、自身にも心の隅に人間へのわだかまりがあったため、“わずかに人間を恨んだせいで”、憎しみを果てしなく増大させていた仲間の心を“見落としていた”と慟哭している。僕はいわゆる共存派であるけれど、領土問題その他のこともあり、心の一部に近隣国にわだかまりがある。かつてのドイツでも、不況で街中に失業者が溢れている時に、金融を支配する一部のユダヤ人に対して、“面白くない”と感じる部分があった為に、国民はナチスの抱く巨大な負の感情を見抜けずに政権を与えてしまった。フカボシ王子の自戒の絶叫は、暴走するまで憎悪を放置させておくことへの渾身の警句。リベラル派はネット界の極端な右傾化という現状から目を背け、「いびつな“怨念”に見て見ぬフリをし!!表面ばかりを整えて前進した気になっていた!!」と後悔することのないよう、よく目を開き、耳を澄ませていかなくちゃいけない。そしてこれは国内に限ったことじゃない。中国の「憤青(ふんせい)」、韓国の「愛国ネチズン」と呼ばれる保守青年たちは日本の若者以上に過激な者も少なくない。ワンピースは中韓でも非常に高い人気を誇るマンガであり、このフカボシ王子のメッセージは多くの外国人読者が目に触れるだろう。是非そこから憎悪という闇を飼い育てる危険性を汲み取ってもらいたい。作者の尾田栄一郎先生(36歳)がどんな真意から現エピソードを書いているのか分からないけれど、「退屈」と批判が多いこの“魚人島”編をここまで引っ張ってきたのは、このフカボシ王子の5ページわたる嗚咽を描きたかったからではないかと、勝手に考えている。僕の中では屈指の名編となった。昨日発売のコミックス第64巻は初版発行部数が400万部に達し日本記録を更新した。この大記録を打ち立てた作家が、「内側の怨念とまず戦うべきだった」「恨む心が我が身を滅ぼす」と伝えてくれる人で本当に良かった。
 11月4日…トラブルが起きて先月から停まっていた玄海原発4号機を、九州電力が強引に再稼働した。九電本社には「なぜ再稼働するのか」と問い合わせが寄せられ、佐賀県庁にも、再稼働を容認した古川康知事への抗議メールや電話が相次いでいる。当然だろう。九電が“やらせメール”問題の調査報告書で誠意のなさを露呈し、古川知事も辞任せず、不信感が高まっているなか、「再稼働に地元同意は必要ない」(九電)と、再稼働発表の翌日に速攻で稼働させたのだから。県民無視も甚だしい。国の対応も矛盾しまくっている。震災後、定期検査に入った原発の再稼働には安全評価(ストレステスト)という新たなハードルを課し、審査に「数カ月」をかけているのに、トラブルで停止した玄海4号機にはストレステストもなく1ヶ月以内に早期再開を認めている。トラブルが起きた原発なんだから、他以上にストレステストの必要があるのに。九電の“地元同意は不要”という不遜な態度は、大手メディアがもっと問題にすべきじゃないのか。メディアで殆ど流れなかったので、大半の日本国民がスルーし、ネットでもあまり批判されていない。
/気になる報道がもう一つ。全国最多の原発15基を抱える福井県と地元に、匿名希望の大口寄付が昨年度までに少なくとも計502億円寄せられていたことが情報公開請求で発覚した。大半は関西電力など電力業界からのもの。公的な補助金だけでも莫大な金額なのに、さらに匿名の大口寄付。利権の構図がここにも垣間見える。
/皆さんは9月中旬の東京脱原発デモでフランス人男性が逮捕されたことをご存知ですか。罪状の公務執行妨害がデッチ上げと判明し、この男性は2日後に釈放されたのですが、逮捕時に撮影されたYouTube動画に入っている罵声があまりに酷く、問題提議の意味も込めてリンク(2分8秒)を貼っておきます。保守団体の在特会メンバー(彼らは熱心な原発推進派)が、警官たちに「射殺しろーッ!」「生きたまま原子炉に叩き込め!」と拡声器を使って煽っている。脱原発を主張しているだけの一般人を“射殺しろ”とは滅茶苦茶。こういう汚い罵声は、彼らが高く掲げている日の丸をも汚すと思うんだけど。
//明日5日から公開されるジャッキー・チェンの新作『1911』、予告編(1分46秒)だけ観てもテンションがあがる。描かれるのは孫文らの辛亥革命。ジャッキーの出演100作目なんだって!「ツリー・オブ・ライフ」や「猿の惑星」を超えて、今年公開の個人的第1位ムービーになるか超期待。
 11月3日…なんか、野田首相がG20で勝手に「2010年代半ばまでに消費税を10%にする」と国際公約してるんですけど(汗)。“2010年代半ば”なんてスグ。「消費税は4年間議論すらしない」じゃなかったのか。公約に書いたことはやらずに、書かないことばかり熱心にやる民主政権。マニフェストって何だったのか。09年夏の政権移行当初は、国会運営の混乱があっても、“結果が出るまで2年はかかるだろう”と大目に見ていたけど、2年2ヶ月が過ぎてもなお、ここまで惨憺たるものとは。東日本大震災があったとはいえ、あまりにマニフェスト違反が酷すぎる。以下、簡単に整理する。
・消費税はアップしないし議論もしない→2010年代半ばまでに10%
・天下りは許さない→根絶どころか民主政権(1年間)で天下り4240人
・普天間基地は最低でも県外に移設→やっぱり沖縄で
・高速道路無料化→被災地のみ(来月から)
・最低時給1000円→まったく話題にならず
・ガソリン税など暫定税率を廃止→廃止は無理と撤回、公約改定で削除
・消えた年金記録を徹底調査 →これも話題にならず
・埋蔵金を発掘する→事業仕分けを(一部分)やったけど強制力なし
・赤字国債を抑制→震災がなくても初年度から発行しまくり
・官房機密費の内容公開します→やっぱり非公開に
・農家の個別補償制度→減反とセットになっていてあまり恩恵なし。しかもTPP加入なら国産米の価格で太刀打ちできず
・公務員の人件費2割削減→国家公務員より地方公務員の人件費が高すぎることが問題なのに、民主政権は“国家”を2割削減と言ってる。しかもそこにはカラクリが。(1)業務を国家から地方に移管しただけで“2割削減”と主張(2)新規採用を抑制&定年退職者による自然減でほぼクリア可能。結局、地域の平均所得から遊離している地方公務員の人件費にはメスを入れないし、国会議員の給料を日給制にすることもない。国は約千兆円も借金があるのだから、本当なら公務員の給料と退職金を、国民の平均所得にあわせなきゃならない状況なのに。
子ども手当→所得制限も国籍条項もなくスタートした結果、バラまきと批判され撤回。最悪なのは子ども手当の財源のため廃止された「15歳以下の扶養控除」が復活しないこと!自民や野党は「子ども手当廃止」ばかり言って「扶養控除の復活」を訴えなかった。これでは少子化対策どころか、子持ち家庭には増税になってしまう。
高校授業料無償化→唯一実現したマニフェスト。しかし、欧州には大学まで無償(或いは極めて学費が安い)の国が複数あり、日本は導入が遅いくらい。僕は少子化対策をいうのなら、保育園・幼稚園を無償化して欲しい。高校が無償化される前、都立高校の授業費は1ヶ月約1万円(年間12万8千円)だった。だが、保育園は1ヶ月で6万弱(3歳未満、収入で変化)、年間だと約70万!高校生なら本人がバイトできるけど、0歳や1歳児が働けるわけもなく、この大学並みの金額が少子化のひとつの理由になってると思う。3歳から半額以下になるけど、4月の年齢で保育料が決まるので、10月生まれのウチの子は、来年誕生日が来て3歳になっても再来年3月まで月々約6万が続く…。※ネット上には「保育料で文句を言うのは甘えだ。生む前から高いのは分かっていたはず。自己責任ではないのか」「なぜ独身者が他人の子のために税金を引かれねばならぬのだ」という意見がある。そこには、そういう人の老後の年金や薬代を支えているのが次の世代という観点が欠如している。子どもが少なくて年金制度の維持が困難になってることについて、どう思っているのだろう。僕個人には何でもかんでも行政にサポートして欲しいという気持ちはない。ただ、大学並の保育料が国会で問題になっているという声があまり聞こえないので、せめて無償化前の高校レベルにして欲しいと願ってる。「保育園・幼稚園は義務教育じゃないのでサポートしない」というのであれば、高校だって義務教育じゃなく同じ条件っす…。
・TPP加入寸前…農業だけじゃなく、生活のあらゆる面で激変が起きるのに、こんな大事をロクに議論もせず加入前提で動くなど、国民不在も甚だしい。民主党内で、全面的に戦ってるのは山田前農相だけ。公的医療が米国のように崩壊しないと言えるのか。自民よ、反対するなら是非もっと大声で!
//今週のジャンプ巻末の作者コメントに、冨樫先生が「gifアニメなるものを観ました。迫力と労力に圧倒です。面白かった」とあった。おそらく、そのアニメは、カイト編ゴン覚醒編じゃないかと。両作品とも、線画だけでものすごく躍動感が出ていて、僕も何度見直したか。原作者に讃えられ、製作者は作った甲斐があったんじゃないかな。
 11月2日…(シネマレビューその5)
●クロッシング…98点。凄まじい衝撃。北朝鮮からの複数の脱北者に対する聞き取り調査をもとに脚本が書かれた社会派作品(予告編/2分32秒)。映画の真価のひとつに、異国の人々の暮らしに触れ得ることがある。それらは世界の多様な価値観を教えてくれ、人生・社会への視野を広げてくれる。同時にまた、描かれた民衆が独裁政治に苦しめられている場合は、鑑賞後に義憤や無知でいたことへの恥、動揺、様々な感情に包まれる。主人公の炭鉱夫は、妊娠中の妻が結核になったため、薬を求めて中国に密出国し戻って来ようとする(韓国なら保健所が無料で配っている薬。北朝鮮では命がけで国境を越えないと手に入らない)。だが、予期せぬ出来事が起き、故郷の妻子との再会がなかなか果たせない。不安になった11歳の息子は父を探して越境を試みるが…。食料不足で飢餓状態の農村、文字通り“生き地獄”の強制収容所、軍人たちの残酷な暴力、子どもであっても射殺される国境線、戦慄の連続だ。正式な国交がないため、日本人は北朝鮮の一般市民の暮らしぶりを知らない。まして政治犯の収容所の実態など知りようがない。だから、北朝鮮という言葉で連想されるのは“金正日のみ”ということになる。だが、この映画を観たことで、圧制下で生きている北朝鮮の民衆をイメージすることが可能になった。これは重要なことだ。民衆が望むものはとても小さな幸せなのに、それすら踏みにじられていく不条理。先述したように、入念な聞き取り調査で再現された半ドキュメンタリー的な要素もあり、ぜひ多くの人に観て欲しい。日本のすぐ隣りで、しかも現在進行形でこの悲劇が日夜生まれている。脱北者問題を取り扱っているため、中国、モンゴル、韓国にて秘密裏にロケが行われたという。河原遊びをしているモノクロの回想シーンで涙腺決壊。2008年制作、107分。
※YouTube、英語字幕でけっこう本編がアップされてますね。
●キャプテン・アメリカ…67点。武器が盾しかないヒーロー!この設定は防衛が前面に出てグッド!活躍する時代が70年前の1941年というのもヒーロー作品では新鮮。ただこの映画版は敵ボスに魅力がなさすぎた(ワルに走った動機が弱い)。戦う相手はドイツ軍の一部隊だし、帝都ベルリンとかじゃなくどっかの森で戦っているのも極めて地味。友人の死もアッサリすぎ、一番テンションが上がったのは最後の1分ッス…。原作にはキャプテンが米政府と対立するシリアスなエピソードもあるらしいので、そういうのを映画化して欲しいな。来年のアベンジャーズに期待。
●オーケストラ!…80点。音楽が持つ“力”を描いた作品。主人公はソ連政府のユダヤ人弾圧で名門オーケストラを追われた元指揮者。30年後、ひょんなことから楽団再結成のチャンスが到来し、パリ公演に向けてバラバラになった元楽団員が再結集。だが、ブランクが長すぎて気持ちが一つにならず、音も不安定で酔いどれている。果たして無事に公演できるのか?後半のコンサートまではベタな“元楽団員の再結集もの”。いわゆるドタバタ喜劇。ラストの10数分間のチャイコフスキー「ヴァイオリン協奏曲」で空気が激変する。【以下ネタバレ文字反転】
極寒の流刑地で横死した名バイオリニストを讃えた「アンヌ=マリーのために」の一言と、出生がいわくつきの女性ソリスト(バイオリン)の音を聴いた瞬間に稲妻が走り、一気に楽団員たちが時間の壁を突き破っていく様子に鳥肌。演奏中にみるみる音も魂も甦っていく。リハなしでいきなり名演というのはアレだけど、それを許せてしまうくらいに音楽が良い。他にも、見かけがとても胡散臭かったり、見すぼらしくても、その人がヴァイオリンの弓を握って一音出しただけで、場の空気がガラリと変わり、偏見を抱いて彼を見ていた人が自身を恥じるエピソードも好き。
 11月1日…(シネマレビューその4)
●戦争のはらわた(原題クロス・オブ・アイアン)…90点。1977年制作。爆音、硝煙、絶叫、吹き飛ぶ肉体、勲章のための味方殺し、ゴミのようなプライド、第二次世界大戦を“ドイツ側”から描いた鬼気迫る戦争映画。主人公の台詞「神はサディストだ。だが神はそれを知らない」が作品を象徴している。善悪の二元論だけで戦争を描いた他の映画が馬鹿馬鹿しく見える、意表を突いたラストに呆然。救いがたい愚行が描かれる一方で、ペキンパー監督の十八番であるスローモーションの短いカットが随所に挿入され、膝から崩れ落ちる兵士や爆風で宙に舞う兵士など、凄惨なのに舞踊・バレエのような美しさもある。こんな戦争映画観たことない。
戦いの舞台は泥沼の東部戦線(独ソ)&撤退戦。この設定だけで戦史マニアは「キツい戦場だ」とクラッとくると思う。冒頭に童謡『幼いハンス』(日本では唱歌“ちょうちょ”で有名)が流れ、これをBGMにナチス・ヒトラーの台頭が描かれる。『幼いハンス』の歌詞は“ハンス坊やが冒険の旅に出て、お母さんは心配で泣いてしまった。ハンス坊やは無邪気に家を出たけどお母さんは大泣きしている”というもの。ナチスの底の浅さを暗示。
原題の“クロス・オブ・アイアン”はドイツ軍の名誉勲章“鉄十字勲章”のこと。他人から勇敢に思われたい、みんなに尊敬されたいという、子どもっぽい動機で戦争を行っている将校たちへの皮肉だ。公開時は邦題が「『悪魔のはらわた』の二番煎じ」と批判され、今もこの邦題は叩かれまくってる。実際、僕もこの題名のせいで長年観る気がしなかった。しかし、監督がイブシ銀のバイオレンス映画の巨匠サム・ペキンパーであり、多くの映画ランキングで戦争映画の最高峰と讃えられているので、2010年にDVDが再販(10年間廃盤でネットでは3万円で取引されてた)されたことを機に鑑賞。今は「なんて上手い邦題なんだろう」と逆に感心してしいる。“はらわた”という言葉が持つドロドロ感や腐臭が、人間から尊厳を奪う戦争の醜さにはピッタリだ。
主人公シュタイナー伍長(ジェームズ・コバーン)は最前線で英雄的な活躍をしながら、心底から戦争を憎み勲章を侮蔑している。上官のプロイセン貴族シュトランスキー大尉(名優マクシミリアン・シェル!)が名誉欲の権化である俗物であるため、余計にシュタイナーの男気が引き立つ。シュタイナー隊はとにかく男臭く、どの兵士も一癖ある。「肌の油が雨を弾くので風呂に入らない」奴もいる。ドイツ兵が全員ナチス党員という訳じゃないので、同じドイツ軍でも「ナチの糞野郎」と陰口を言ったりするのは新鮮だった。また、ヒトラーについては“あんな男でも選挙で選ばれた者であり従うしかない”、そんな虚しさが漂っていた。
滅びの美学を体現するブラント大佐(ジェームズ・メイソン)が、死に場所を求めるキーゼル大尉を最前線から下げる時の説得の言葉が心に染みた。「(敗戦後に)もし新しいドイツが存在するなら、建築業者、思想家、詩人が必要に…君の役割が必ずある。君に最後の命令を与える。君はいわば“より良い人々”を探し、連絡を取ること。そして一緒に“生き残りの責任”を引き受けること。ここを離れよ」。
エンディングのスタッフロールの途中で、ベトナム戦争、アフリカ内戦、中東戦争を思わせるスライドが挿入され、欧州戦線と現代のアジア、アフリカ、アラブが一瞬のうちに繋がった。ファシストを倒しても人類は戦争を克服できないばかりか、欧州の外へ悲劇が拡大している。独ソ戦を描きつつも、あらゆる戦争を対象にした普遍的な作品となり圧倒された。人間の凶暴性を過小に見てはいけない。最後に映し出される劇作家ブレヒトの言葉「世界はあの男(ヒトラー)に打ち勝った。だがあわてて勝利の歓声をあげないでほしい。あの男が這い出してきた母胎はまだ生きているのだ」にペキンパーの本気を見た。完璧すぎて泣けてくる。
【以下ネタバレ文字反転】何もかも崩壊していくクライマックスが圧巻!味方殺しをした副官トリービヒ少尉を蜂の巣にした後、黒幕シュトランスキーも当然血祭りに上げると思っていたら、シュタイナーは奴を殺さずに最前線へ引っ張り出した。同時にBGMで冒頭の童謡『幼いハンス』が再び流れる。シュトランスキーは「プロイセン貴族の戦い方を見せてやる」と“ハンス”のように誇り高く大見得→「あわわ、リロード(機関銃の再装填)の仕方が分からない」とパニック。その子どもじみた醜態を見たシュタイナーが大きく哄笑!“誇りが何になる”という「もう笑うしかない」の高笑い。仇討ちでシュトランスキーを射殺するよりもインパクトがある。ソ連軍の総攻撃を受け、崩壊する戦線に響き渡る笑い声、その無常感!ひょえ〜。しかも、先述したエンディングの現代の戦争スライドの最後にも再び笑い声が入っている。人類の愚行を全て笑い飛ばしたシュタイナー。なんちゅう映画だ!味方が犬死にした「ディモケーション!(境界線)」の合い言葉と、シュタイナーの高笑いが耳から離れない。
※ペキンパー監督はドイツ兵を主人公にした映画を作った為に、この後ハリウッドのユダヤ資本に冷遇されたという。

※DVDは日本語字幕が滅茶苦茶!例えばシュタイナーが捕虜(少年兵)を解放する大事なシーンはこうだ→「すべて偶発事だ。我々の側、お前の側…考えなしの…ある極限からもう一つへ。どれも上手く行かない。絶対に。だから私たちは真ん中に居る。私とお前だけの世界。家に帰れ」。なんじゃこりゃああ!他にもクライマックスの「絶滅する使命の我々ドイツ軍人はその期間を超えている」とか。グーグルの自動機械翻訳でも使ったのか?字幕担当は“須賀田昭子”となってるんだけど、「この女性は実在せず、翻訳マシーンの愛称では?」「須賀田昭子は姿無き子のパロディか」と映画ファンの間で囁かれている。
※英独合作映画で俳優は全員英語を喋ってる。混戦になるとドイツ軍もソ連軍も制服の見分けがつかず戦況が分かり辛かった。
※ラストのスライドで首に縄をかけられている女性が2度出てくるけど、あれが何のスライドか分かった方、教えて頂けると助かります。フランス解放後のナチ協力者への仕返しっぽいけど…。
※うお、YouTubeは15分リミットのはずなのにこちらに丸ごと(2時間6分)…ゴホンゴホン。字幕ナシですが雰囲気は伝わるかと。






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