最新文芸情報


2014.5〜6

●6月30日…僕が尊敬する報道カメラマン・石川文洋さん(76歳)のコラムが6月20日の朝日に出ていたので紹介。
『(集団的自衛権を問う)「国益のため」一番危険 石川文洋さん』
→安倍晋三首相は、国民の安全を守るのが政府の義務と言っている。それが国益につながると。ただ、この国益というのが一番危険なのです。日中戦争や真珠湾攻撃も、すべて国益という名の下で行われた。4年間取材したベトナム戦争では200万人もの民間人が殺されました。これも米国の国益によるものです。
米国はイラク、アフガニスタンと、色んな国で戦争しているから危険なんです。首相は集団的自衛権を認めても他国の領域に行かないと言ってますけれど、いったん、たがを外してしまえば後は崩れていくだけです。その時の政権次第でどうなるかわかりません
一番怖いのは、自衛隊が殺したり殺されたりする危険性がぐっと近づく。犠牲者が出れば、ナショナリズムというのが起こってきます。これが目に見えない怪物みたいなものでね。今まで反対だった人がこのままでいいのかという声に変わっていくんですよ
どんなきれいごとを言っても戦争は殺し合いで、国家によるテロです。それを避けるための日本のあるべき姿は平和外交しかないんです。でも、今の流れは逆行しています。世界から見ても、戦争ができる国になりつつありますから。
なのに、多くの国民がその危険性に気づいてない。私の故郷である沖縄の基地に関しても、現地の人には気の毒だけど抑止力のために必要だと。そう言う人が圧倒的です。流れを止めるためにもっと声を上げなくてはいけない。(元記事

//明日の集団的自衛権容認の閣議決定に抗議するため、官邸前に人々が集まっているとのこと!※22時、3万5千人!これだけの人が集結しているのに、NHKの「ニュースウォッチ9」は官邸前抗議行動を一切無視。露骨すぎるだろNHK!

〔ツイッターから〕

セナ@senna1994may1
昨夜、官邸前の集団的自衛権の解釈改憲反対抗議行動を報道した局、テレ朝、TBS。スルーした局、NHK、日テレ、フジ、テレ東。スルー局は御用メディア決定か。今日の抗議行動も無視するか要注目。 それにしても受信料取っ
て公共放送の使命放棄のNHKって何なの?

弁護士川口創@kahajime
「日本が集団的自衛権行使容認、でアメリカの戦争に巻き込まれる」との指摘があるが、むしろ「日本国民が安倍氏の戦争に巻き込まれる」というほうが正しい。

Hemmi Tatsuo @camomille0206
アルジャジーラ記者を逮捕したエジプト政府に抗議して、世界中のジャーナリストたちが声を上げている。BBCでは言論封鎖を抗議し、口に黒テープを貼って記者やキャスターが1分間沈黙した。メディアの声は本来はそれほど重い。にも関わらずNHKはなんだ。進んで政府公報を買って出る権力の走狗。

きっこ @kikko_no_blog
自民党と公明党だけで勝手に日本国憲法を変えて戦争のできる国にするのなら、日本が戦争に巻き込まれたら自民党の支持者と創価学会員だけで戦えよな。

兵頭正俊 @hyodo_masatoshi
関西の学会、婦人部を中心に、創価学会には集団的自衛権には反対が強い。それをねじふせ、立党の原点まで捨てて賛成するのは、愚かである。賛成すれば、自衛隊から死者が出る。反撃のテロで市民の死者も出る。それにすべて責任を負えるのか。そこまでして権力にしがみつきたいのか。

孫崎 享 @magosaki_ukeru
集団的自衛権は米軍の戦略に自衛隊を使用するシステム。尖閣無関係。邦人保護に米艦はでない。イラク戦争時の対スペイン爆破事件(191名死亡)の如くテロを国内に呼び込む。

Haiji Mimura @mimurahaihai
日本と世界では、「大人」の定義は全く違う。日本では、社会の不正を見ても、事を荒立てずに穏便に済ませる人間を大人と呼ぶが、世界の基準では、このような人間は共犯者と呼ばれる。特に民主主義の進んだ欧米では、例え周り全員と反対でも、自分の意見を表明できる人間でなければ大人ではない。

山崎 雅弘 @mas__yamazaki
しかしNHKは、天皇や皇太子の護憲的な発言は公式の記者会見ニュースから平然とカットするようになり、一方で改憲派の集会はその主張内容まで国民に向けて「丁寧に説明」するようになった。小さい扱いであまり注目を浴びないようにして、改憲への流れが普通だという空気をさりげなく作り始めている。

きっこ @kikko_no_blog
「政府自民党は日本製の武器を自由に輸出するために武器輸出三原則の見直しを進めているが、武器輸出に慎重な公明党に配慮するため、これまでの「武器」という名称をすべて「防衛装備品」に変更する考えを示した」とのこと。出ました!中身は同じなのに呼び名だけを変えて国民を騙す自民党の伝統芸!

桜@青い太陽 @leftatack
憲法9条はなぜ必要か?安倍総理、貴方のような人がいるからです。
●6月29日…昨年の参院選で公明党・山口那津男代表は「平和を党是としているのは公明党だけだ」と訴え、憲法解釈変更による行使容認は「断固反対」と明言していた。行使容認の賛成は明らかに公約違反じゃないか。
創価学会の池田大作名誉会長はかつて2001年の西日本新聞のインタビューにこう語っていた→
「戦争に道を開く可能性がある憲法改正には絶対に反対すべきだ。公明党は与党としてさまざまな次元で決断を迫られることがあり、政策の選択や転換で苦しむこともあると思う。だが、結党精神を失えば存在意義はない」(参考記事)。
ところが今、憲法改正どころか、解釈改憲という禁じ手に賛成しようとしている。連立維持の為に問題だらけの秘密保護法に賛成し、憲法軽視の解釈改憲に理解を示す公明党執行部の姿と、池田氏の“結党精神を失えば存在意義はない”という言葉とのギャップに戸惑っている。まして先日スクープされたように、北側副代表が自民党に集団的自衛権の行使条件の下書きを密かに渡していたとあっては、結局のところ、自民党公明派という派閥も同然じゃないか。
僕は学会員ではないから、今の公明党に池田氏がどれくらい影響力を持っているのか分からない。だけど、事ここに至っては、もはや公明党執行部の暴走を止めることが出来るのは池田氏の鶴の一声しかないのに、動かないということは安倍氏の無茶苦茶な憲法解釈を受け入れているのだろうか…。今年は公明党の結党50年という重要な節目。それをこのような形で迎えて本当に良いのか。山口代表は弁護士出身。内閣法制局が半世紀以上も違憲と判断してきた集団的自衛権を、たかが数年で入れ替わる内閣が、好き勝手に解釈変更で容認して良いわけがないと分かっているはずなのに!

/いとうせいこう氏のツイート「立憲主義から“その時の与党”主義へ。それは国家なのか」。

//新宿駅前で集団的自衛権容認に反対して男性が焼身自殺を図った事件(容体不明)。ネット動画をはじめツイッターなどで大騒ぎになっており、夜7時の『ニュース7』でトップニュースにくると思ったら、とうとう30分間完全にスルー!安倍政権に都合の悪い出来事はとことん無かったことにする気か。

//そして北朝鮮。なんで金王朝は集団的自衛権容認を閣議決定する直前に、ミサイル発射訓練をやって安倍政権を“応援”するのか。いつもこういうタイミング。
●6月28日…ミュージカル「レ・ミゼラブル」でどこか憎めない小悪党テナルディエ役を長く務めるなど、舞台やCMで活躍した俳優の斎藤晴彦さんが27日に心不全で他界。享年73。斎藤さんの歌うクラシックの替え歌が楽しかった。ご冥福を祈ります。

//ぐああ!ジョジョアニメ第13話、関西はワールドカップ時間延長で放送休止(涙)!なんてこった!来週、2本やってくれると信じている…。
●6月27日…ミュージックビデオは5分前後の間に様々なアイデアが入っていて力作が多い。サイト読者の方から教えて頂いた米ロックバンド“オーケー・ゴー”の『The Writing's On the Wall』(4分16秒/再生回数800万超え!)が凄すぎてビックリ。視覚トリックをこれでもかと使っており、一発撮りの緊張感もあって、グイグイ引き込まれた。パソコンの小さな画面ではなく、劇場の大スクリーンで観てみたい!
●6月26日…報道ステーションのスクープは大きな論議を呼ぶだろう。都議会のヤジ音声を独自分析した結果、これまでニュースに出てこなかった、えぐいヤジが次々と判明(4分51秒)。これでロクに調査もせず幕引きなどあり得ない。まるで小学校の学級崩壊。あと、塩村議員の過去の発言を叩いている論客は、その誹謗がまったく次元の違う話ということを考えた方が良い。こちらのブログには特派員協会で行った会見後の海外記者の反応が載っており、いかに都議会の対応が大甘か分かる。デンマーク人男性ジャーナリスト「デンマークの政党がこのような行為を見つけた場合には、直ちに公開します。もし女性に不平等な政党という評価を受けたら、誰も投票しないので、その政党は死に絶えます」。
●6月25日…まったく有権者を馬鹿にした話だ。6/20付けの西日本新聞のスクープによると、6/13に自民・高村正彦副総裁が「叩き台を作ってみた」と公明側に提案した自衛権行使の「新3要件案」は、実は公明党の北側一雄副代表が内閣法制局に原案を作らせ、自民・高村氏に渡したものというではないか!北側氏は「この紙を見たのは初めて」と明言したが、それは大嘘だった。この数日前に公明党執行部が密かに集まり、“まず連立ありき”という政治決断が下され、解釈改憲を受け入れるため自民と公明の「落としどころ」を探ったという。何もかも猿芝居。公明幹部は「元々の文言より歯止めが利くようになった」と言っているが、自分で作った原案に、自分でツッコミを入れているだけ。

『高村試案(提案・北側公明副代表)〜集団的自衛権容認の新3要件』
(1)わが国または他国に対する武力攻撃が発生し、わが国の存立が脅かされ、国民の生命、自由および幸福追求の権利が根底から覆されるおそれがある。
(2)他に適当な手段がない。
(3)必要最小限度の実力行使にとどまる。
※管理人注…(1)は現在の個別的自衛権で充分対応できる。(2)は漠然としすぎ。(3)はあまりに非現実的。戦闘が始まれば“最小限度”など吹っ飛ぶ。

公明党執行部は、身内の議員まで騙している。6/17に公明党が開いた会合で、所属議員から「被爆国として個別的自衛権の範囲でやりくりしながら、不戦の誓いを守ってきたのではないか」「政府が示した事例で集団的自衛権が必要だと主張する議員が一人もいないのに、なぜ行使容認の閣議決定案の議論に入るのか」と異論が噴出し、6/19の会合でも「高村試案には地理的制限がない」(中東に自衛隊が引っ張り出される)といった慎重論が相次いだ。その『高村試案』が公明党執行部の「下書き」をベースにしたものであることを公明党の一般議員は知らない。政府筋は「公明党幹部から『まだ騒ぎますけどすみませんね』と言われた」という。つまり、“もうちょっと抵抗するフリをするけどヨロシク”ということ。完全に出来レース。
メディア腐敗が深刻なのは、このカラクリをせっかく西日本新聞が暴露したのに、NHKはニュースで流さないし、リベラル寄りの新聞も不自然なまでにスルーしていることだ。なぜ大手メディアは伝えようとしない!首相動静を調べてみると、西日本新聞がこのスクープを載せた6/20夜、安倍氏は毎日新聞の山田孝男特別編集委員、読売新聞の橋本五郎特別編集委員、福山正喜・共同通信社社長らと会食している。案の定というか、もはやギャグ。マスコミは中立性を保つため、任期中の権力トップと距離をとれ!

//「内閣総理大臣は憲法を解釈する権限を憲法上有していない」(大浜啓吉/行政法学者)。過去の日記にアップした集団的自衛権容認の問題点を、ひとつのページにまとめました。崖っぷち!

//“ほかのヤジ主は特定しない決議案”を都議会が可決。都議会は、まったく自浄力がないことを世界に見せつけた。セクハラは一般企業だと即懲戒。欧米なら一発で議員生命アウト。だが、都議会ではセクハラ野次を行った議員に辞職勧告もなければ、他の野次を言った人物も特定せず。完全に逃げた。都議会は「女性の権利など、どうでもよいことなのだ」と公言したも同然。ネットの保守系掲示板では予想通りの塩村あやか都議バッシング。野次を浴びせた方ではなく、野次を受けた側を「傷つく方が悪い、弱い」と非難。なんだそりゃ。
田母神氏「どうして女性蔑視なのか私にはよく分からない」。こんなことも分からないから、田母神氏は元女性自衛官とのセクハラ訴訟で敗訴したんじゃないのか。今回の野次事件は、内容の酷さもさることながら、鈴木章浩都議が「私じゃないし、野次なんて聞こえなかった」とウソを言い続け、どうにも誤魔化せなくなってから「私でした」と言ったことでも、議員としての資質を問われている。見えないところから弾を撃って、コソコソしてるってのが情けない…。
それにしても、あれだけハッキリと声がマイクで拾われているのに、斜め後ろにいた自民・吉原修幹事長に聞こえない訳がない(寝てたのか?)。NHKの音声解析で複数の野次議員の存在が確認されているのに、いまだに党をあげて隠蔽しているのだから話にならない。都議会自民の女性議員は何をやっているのか。自民の中にもしっかり苦言を呈した都議がいるだろうから、そういう都議を中心に立て直して欲しい。

//世界の壁は厚かった。なんと厚いのか。だが、ランキング世界8位(日本46位)のコロンビア相手に、ボールの保持率もシュートの本数も日本が上だった。シュートの決定力さえ上がれば…!

//脱法ハーブ関連の事件が多発。容易に手に入るなんておかしい。
●6月24日…(つづき/必読!立憲デモクラシーの会:緊急声明まとめ・後編)
★阪口正二郎(一橋大学・憲法学)
安倍氏は首相に返り咲いてから、憲法第96条の改憲要件を「3分の2」から「過半数」に緩和しようとしていた。その理由について「国民に憲法を改正するチャンスを与えるためだ」と言っていた。ところが今は、いち内閣が自分たちの考え方だけで憲法解釈の変更によって集団的自衛権の行使を容認しようとしており、明らかに2年前の安倍氏の民主主義論と矛盾している。当時の議論に忠実であれば、国民に意思を問う憲法改正によって行うべきということ以外ないはずなのに、なぜか今回は国民の意見は聞かなくてもいい、内閣の、しかも私が決めればいいのだという話になっている。非常に異常な事態だ。

★千葉眞(国際基督教大学・政治学)の要点。
・欧州にはNATO(北大西洋条約機構)という集団安全保障体制への依存過多が結果的に冷戦を持続してしまったという反省があり、1970年代以降、軍事的な集団保障体制への依存度を弱め、OSCE(全欧安保協力機構)を設立して、各国間に信頼醸成のメカニズムを作り、冷戦構造を克服しようとする試みが始まった。1995年には常設事務局をジュネーブに設置し、OSCEの役割は一段と強化された。これら、対話と信頼醸成のメカニズムを駆使して平和を確保する「非軍事的」な安全保障が米ソ冷戦の終結への一要因となった。現在ではさらに非軍事的な安全保障体制が進化し、「協調的安全保障」が提唱され、カナダ、ニュージーランド、オーストラリア、ASEANなどが、それに基づく手法を採用している。一方、安倍政権がやっている事は、現代の安全保障論からいえば時代遅れもいいところで、中国や北朝鮮を仮想敵国に仕立てあげ挑発しようとしている。日本は非軍事の安全保障を機軸とし、これまでの平和憲法の「非戦」の信用力と信頼醸成を中心にした平和構築外交を推進すべき。
・安倍氏の個人的な諮問機関、安保法制懇の問題点について。この団体は、憲法を骨抜きにし、立憲主義を破壊することに手を貸した。憲法の定める改正手続きを否定し、立憲主義を葬り去ろうとする政権に尻尾を振り、学問的および職業的良心を持つはずの人たちが、それを捨て去ってまで暴挙に加わった。そして、時の政権の支配をやりやすくするために、政権に利用されることを知りながら、その意向に節操を売り渡した。政権と一枚岩になってしまい、政権にお墨付きを与えるだけの御用学者集団に成り果てた。これを徹底的に批判していく必要がある。

★西谷修(立教大学・思想史)
・安倍氏は(靖国参拝など歴史問題で)「向こうが折れないから悪いんだ」と言ってつっぱり、それで「集団的自衛権」で守ってもらおうと、「遠い友だちの戦争を手伝うんだ」といきがっている。その異様さをちょっと考えた方がいい。そんなふうに考えて、そんな振る舞いをする人たちというのは、もうほとんど病理学的な名前がつくような事態だと思う。実際安倍首相が、安保法制懇にしろ、内閣法制局にしろ、NHKにしろ、集めてくる人たちは、我々の社会常識から考えれば、極めて異様な人たち。そこに加わっている学者という人たちも、学会でも極めて特殊な少数派。そういう人たちが国の舵を取り、それを動かそうとしている。それが政府の息がかかっているということで、メディアに、テレビに取り上げられる。それに対して、おかしいといった反応が出てこないことが、今の日本社会の異様さを示している。

★小森陽一(東京大学・日本文学)
安倍晋三という政治家個人の「歴史的使命」のために、総理大臣が国民である自衛隊員の命を人身御供に出していいのか。

★杉田敦(法政大学・政治学)
「立憲デモクラシーの会」は、安全保障についての考え方は違っても、憲法についての考え方が同じならば一緒にやっていくという前提で集まっている。そういう趣旨の会であるにもかかわらず、ここまで安全保障論議をせざるを得なくなったのは、安倍氏や安保法制懇が彼らなりの安全保障論を持ち出すことによって憲法を空文化、無効化しようとしているからに他ならない。法制懇座長代理の北岡伸一氏は「憲法より安全保障のほうが大切であり、憲法なんか道具にすぎない」という言い方をしており、安全保障について、時の政府がフリーハンドで判断できるように憲法上の抑制をすべて外したいと主張している。そういう主張をされると我々としては、「憲法が大切であり、立憲主義をないがしろにすると国家そのものが保たないですよ」と言わざるをえなくなる。
憲法に9条という形で、安全保障を大きく制約する規定が設けられているのは、世界で一般的なやり方ではない。しかし、それこそが、戦後日本が一貫して追求してきたプロジェクトであり、この意義というものを改めて強調せざるを得ない。戦後日本では、戦前から戦中の経験をふまえて、政治に何らかの歯止めを設けないと、政治そのものが破たんしかねないと考えてきた。政治が暴走する危険が大きい。そういう判断のもとに、憲法9条等にある種の歯止めの役割を期待してきた。“それはもう古い”というのが容認派の主張だが、古いというからには政治が自ら武力行使の歯止めになること、その議論ができるということを示して欲しい。
イラク戦争では「サダム・フセインが大量破壊兵器を持っている」というガセネタに基づいて日本も協力した。これについてその後、アメリカではかなり政治的な厳しい議論があり、イギリスでもブレア政権に対して極めて厳しい追及が行われたが、日本では何も行われていない。そして、政治家や政治学者として、イラクへの介入を推進した人々が現在、集団的自衛権行使を進めようとしている。まずは、かつて安全保障について適切な判断ができなかったことの反省をした上でなければ受け容れられない。
現在、容認派は「必要最小限」というレトリックを使ってなんとか突破しようとしているが、この必要最小限という言葉は、戦争のやり方に関する基準「交戦法規」であって、戦争や武力行使をやるかどうかの基準「開戦法規」ではない。これを意図的にごまかして、「集団的自衛権を認めても、めったに手は振り上げません」と印象操作をしている。この「必要最小限」というのは歯止めにはならず、結局、すべて政治家の判断にお任せということになる。北岡氏ら容認派は「政治家は選挙の洗礼を受けるからいいのだ」といった乱暴な議論をするが、泥沼のような戦争に入ってしまった後で、いくら選挙で与党を倒したって取り返しはつかない。まずはイラク戦争の検証を徹底的にやってから、この問題を提起して欲しい。
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以上。第一線の憲法学、政治学者たちの渾身の声明。これから国民としてどうすればいいのか、思索の参考になればとまとめました。
●6月23日…先日、保守とリベラルの垣根を越えた学者たちによる「立憲デモクラシーの会」が組織され、集団的自衛権容認に反対する声明を出した。会見を開いたのは、小林節(慶應義塾大学名誉教授・憲法学)、阪口正二郎(一橋大学・憲法学)、杉田敦(法政大学・政治学)、中野晃一(上智大学・政治学)、山口二郎(法政大学・政治学)、千葉眞(国際基督教大学・政治学)、西谷修(立教大学・思想史)、小森陽一(東京大学・日本文学)の8名。
この会見で非常に鋭く、かつ、分かりやすく政府方針(解釈改憲)の危険性・問題点を指摘していた。内田樹氏のサイトに全文が載っているけど、なかなかのボリューム。それゆえ、忙しい方のために要点を整理。
※各教授の声明など、要約にあたって専門用語などを読みやすい言葉に置き換えたり、順番を入れ替えたりしていますが、原文にない意見を僕が拡大解釈して入れるようなことはしていません。基本的に重要箇所の抽出です。
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〔立憲デモクラシーの会:緊急声明〕

(1)内閣の憲法解釈の変更によって憲法9条の中身を実質的に改変する安倍政権の「方向性」は、憲法に基づく政治という近代国家の立憲主義を否定するものであり、「法の支配」から恣意的な「人の支配」への逆行である。
→野党時代の自民はまともなことを言っていた。民主党政権下の2010年、自民党は『月刊自由民主』(2月号)の中で「憲法は、主権者である国民が政府・国会の権限を“制限”するための法であるという性格を持ち、その解釈が、政治的恣意によって安易に変更されることは、国民主権の基本原則の観点から許されない」とはっきり書いている。いわば「立憲デモクラシーの会」の立場は、2010年の自民党の見解と全く同じ。閣議決定による憲法解釈の変更をもし許せば、日本も非民主国家のように『法の支配』ではなく『人の支配』の国になってしまう。

(2)首相が示した集団的自衛権を必要とする事例は、軍事常識上ありえない「机上の空論」である。また、抑止力論だけを強調し、日本の集団的自衛権行使が他国からの攻撃を誘発し、かえって国民の生命を危険にさらすことへの考慮が全く欠けている点でも、現実的ではない。
→日本が米軍を守る為に集団的自衛権を行使して武力攻撃を一緒に行えば、相手側に「日本は戦争を仕掛けた」と解釈される。当然、報復があり、結果的に全面的な戦争参加につながり、かえって国民を危険にさらしかねないという側面を、安倍氏は意図的か、あるいは無知ゆえか無視している。日本海沿岸には多数の原発があり、通常兵器による戦争は、すなわち、核戦争を意味する。そのような脆弱な国土を作っておいて、武力攻撃を行うという事をどこまで真面目に考えているのか。※そもそも、米国側は米軍艦船に一般邦人を載せることを過去に断っているし、現在も想定していない。

(3)「必要最小限度」の集団的自衛権の行使など、実戦では困難であり非現実的。
→同盟軍と一緒に戦っている最中に、「必要最小限度を超えた」という理由で日本が単独で戦線を離脱するなど実際には不可能。武力行使の基準が「放置すると我が国の安全に重大な影響を及ぼす可能性がある」という不明確なものであり、集団的自衛権はいったん行使をすれば歯止めがなくるのは明らか。憲法9条の「交戦権の否認」とも真っ向から対立している。

日本は戦後ずっと、多少の政治的な考えや立場の違いはあっても、戦争はやらない、少なくとも外国に軍隊を送って人を殺すようなことはしない、他国を荒らさない、といった枠組みを守ってきた。それをベースに日本は国際貢献をやってきたという実績がある。その60年の努力の積み重ねを、ただひとつの内閣が消し去ろうとしている。
米国がイラクの不都合な体制を壊して、その結果どうなったかといえば、あの国はもはや何十年にもわたって安定的な社会ができないような場所になってしまった。それがまたさらに色々な所に飛び火し、アメリカが20世紀に築いてきた国際的威信の元手がすべて崩れてしまった。それと同じように、日本もこれまで築いてきた信用の原資を実質的に失うことになってしまう。

★小林節(慶應義塾大学名誉教授・憲法学)
集団的自衛権の本質は「同盟国の戦に我が国は無条件で駆けつけて参戦する」。この事が忘れられて、「尖閣諸島は危ないでしょう」「やる事は少しだけだから」「限定的だからいいでしょう」と何か細かな状況論議に変わってしまっている。9条はどう見たって、文言と歴史的背景からいって、海外派兵を厳禁しているとしか読めない
「必要最小限(の武力行使)」という言葉は安全弁のように言われるが、「必要です」といって武力行使が始まったら、無限の安心感を持つまで、「だって必要を感じるから」と歯止めがなくなる。
憲法9条のおかげで、戦後日本が戦(いくさ)働きをしないできたという事は、“こんな大国があるのだ”という、自民党が好きな言葉で言えばユニークな「国柄」になる。私は本当にこの国の国民でよかったと思う。今の世界の中でこんな大国で、武器を振り回さない、我慢強い国民がいるという事がこれからの世界にとってどれほど重要か。この国の「国柄」を捨てることの恐ろしさというか、もったいなさを感じる。

★中野晃一(上智大学・政治学)
自民党が野党時代に採択した平成22年綱領の中に「意に反する意見を無視し、与党のみの判断を他に独裁的に押し付ける国家社会主義的統治とも断固対峙しなければならない」という一節がある。当時は民主党の政治主導というものをそういった形で批判していた。しかし昨年、麻生副首相の“ナチスの手口を見習え”発言があった(麻生氏「(戦前ドイツの)憲法は、ある日気づいたら、ワイマール憲法が変わって、ナチス憲法に変わっていたんですよ。誰も気づかないで変わった。あの手口学んだらどうかね」)。正確にはナチス憲法というものは存在せず、ワイマール憲法が全権委任法によって無効化されて、ヒトラーの独裁制が成立したわけだが、麻生氏は日本においても、憲法について法律どころかその前の段階として、閣議決定によって憲法を無効化してしまおうと主張。
しかもそのやり方が、国民をバカにしているようにしか思えない。腹話術師(安倍氏)が人形(安保法制懇)に対して、極端なことを言わせて、そのあとで腹話術師が「そんなことはできないだろう」とたしなめたような形で、あたかも何かが良くなったような形で、とんでもない暴論を通そうとする猿芝居。その意図はハッキリわかっているにもかかわらず、マスコミは猿芝居に付き合っている。これほど政党システムが壊れたことは戦後の日本ではなかった。もし公明党が、腹話術の人形をやらないといえば、今度は維新の会、みんなの党が、人形をやりますよと待っている。
特定秘密保護法が成立したことで、これから安全保障は軍事機密という形で国民の議論から益々遠ざかっていくことが決まっている。その中で、安全保障に関して、政府が武力攻撃を必要と判断したものに対して国民が関わっていく余地はなくなってくる。政府が“巻き込まれる”という形を作り上げ、自衛隊員にもしものことがおきたら、マスコミは勇気を出して批判できるのか。今、これだけの状況でも議論できていないのに、実際に日本人に死傷者が出た時に「そもそも戦うべきでない戦争なのだ」と政権批判がどこまでできるのか。
安倍氏は「限定容認論」という形で、とにかく通してしまえば、トロイの木馬を一頭でも通してしまえば、あとは城壁がないも同然と分かっている。マスコミは猿芝居と知りながら、毎日毎日、どうでもいい議論をとにかく報道し続け、あたかも政権が時間を使って何らかの妥協をしたような形を見せる演出に加担している。まさに、麻生副首相がナチスを引き合いにした憲法の無効化が目の前で行われている。
(つづく)
●6月22日…この発想はなかった。集団的自衛権容認に反対する市民有志が新宿区・信濃町の“公明党本部前”で「しっかりしろ」「妥協しないで」と人間の鎖。同党の支持母体、創価学会には集団的自衛権に反対する声が多いと聞く。だが、公明党執行部は早々に連立維持を宣言し、条件によっては容認する気配。日本のリベラルが今なすべきことは、公明党執行部に対して、「みんな見ているぞ」とアピールすること。山口那津男代表あてに“解釈改憲反対”の要請書を本部職員に提出したところ、「公明党はまだ何の意思決定もしていない。完全にニュートラルな状態です」との返事。これに対し市民有志は「ニュートラルでは困ります。入れてはいけないギアがある。ぶれずに頑張ってほしい」と訴えた
秘密保護法強行可決の際、反対派は国会と首相官邸に向かったが信濃町には行かなかった。公明党執行部は党の看板が“平和と福祉の党”であり、本部にデモ隊は来ないと思っているだろう。学会員の反対派の声だけでは党執行部を動かせない。リベラルが結集して公明党執行部に“解釈改憲を許すな”とプレッシャーをかける必要がある。抗議ではなくエールというスタンスで大群衆が党本部が向かえば、無視する訳にもいかなくなる。
半世紀以上も、歴代首相や法律のプロ集団である法制局が認めてこなかった集団的自衛権。日本が直接武力攻撃を受けていないのに、他国を攻撃するなど憲法が許すはずがない。憲法軽視もはなはだしく、法治国家、立憲政治の否定だ。国民投票で問うこともせず、内閣の解釈だけで憲法の中身を変えられてはたまらない。

//昨夜のEテレ『ETV特集 鬼の散りぎわ〜文楽・竹本住大夫 最後の舞台』、ここ数年で最も感動したドキュメンタリーだった。68年間の修行の日々と、引退公演。途中で何度もエグ泣き。日本中が大騒ぎになっていないのがもどかしい。6/27に再放送あり!
/今夜の『民族共存へのキックオフ〜“オシムの国”のW杯』も見応えがあった。3つの民族で内戦をしていた国が、民族間の憎しみを乗り越えて代表チームを作ってW杯に出場。
●6月21日…被爆者を「死に損ない」と侮辱したり、公害患者に「金が欲しいのか」と中傷する人々が出てくる背景は何なのか。日本社会の何が病んでいるのか。鋭い現状分析に定評がある東京新聞「こちら特報部」(6/12付)にて、『広がる不寛容と憎悪』という読み応えのあるコラムがあり、関西在住で読むことができない僕のために友人が書きだしてくれたので以下に紹介。

『広がる不寛容と憎悪〜反戦や護憲すべて攻撃』(東京新聞6/12)
語り部への攻撃は被爆者に限らない。水俣病認定患者で熊本県水俣市立水俣病資料館「語り部の会」の緒方正実会長(56)宅には、水俣病公式確認から58年の犠牲者慰霊式が開かれた5月1日、匿名の中傷電話があった。
緒方さんのインタビューがテレビで放映された直後だった。年配の男性らしき電話の主は、応対した緒方さんの妻を「58年もたったのにいつまで騒ぐのか」「金が欲しいのか」と罵倒した。妻が「水俣の苦しみを教訓に生かすために世界に被害を伝えている」と説明すると、一方的に電話は切れた。その夜は計3回、同一人物から同種の電話がかかってきた。
緒方さんは「電話してきた個人を批判すればいいという問題ではない。行政の啓発が足りないから今も偏見や差別が続く。根っこには、国が経済成長を優先させて被害を隠し、有効な対策を取らずに被害を拡大させたことがある」と緒方さんはみる。
(長崎証言の会)森口貢さんは「平和な日本をつくりたいから被爆者は語っている。そのために原爆と今とをつなげて話さなければ意味がない。それが、改憲や集団的自衛権の行使を訴える政権側からすれば、反日のように捉えられてしまう」と嘆く。
なるほどネット上では、戦争や被爆の体験を語ることは「反日教育」とのレッテルを貼られ、誤った情報が流布される。例えば、「明治天皇の玄孫」として発言する作家竹田恒泰さんはツイッターで、長崎の暴言問題について「被爆者を自称して一時間一万円で生徒に被爆体験を語るふりをし、実際は反日思想を植え付ける話をしていた模様。平和教育はもうやめたほうがよい」と書き込んだ。森口さんが被爆者であることは言うまでもない。さらに一万円とは「時給」ではなく、交通費や日当の総額だ。
こうした風潮は、「在日特権を許さない市民の会」などによるヘイトスピーチデモの社会問題とも通底する。そこには日本の植民地支配への反省はない。
ヘイトスピーチに反対する市民団体「のりこえねっと」共同代表の辛淑玉(シンスゴ)さんは、「ひと言でいえば近現代史への無知が原因だが、今の中高生はネットから情報を得る。被爆者を特権階級だとする言説が出回る中で、暴言を吐いた当事者は、むしろ自分を『正義の味方』と思っているかもしれない」と指摘する。
問題の生徒に反省文を書かせてもネットで礼賛されていれば、悪いことだと認識するのは難しい。被爆者や公害病患者への攻撃は、弱者を切り捨て、戦争のできる国を目指す安倍政権の方針にも沿っている」
「事実関係を調べず、権力者に盾つくものを悪とみなす空気がまん延している」と憂えるのは、評論家の太田昌国さんだ。「歴史に真正面から向き合わず、誤ったネット情報に頼る。市民や労働者の当然の権利であるデモやストライキさえ、非合法だと考える。それが自らの権利を損なうことに気付かず、弱者を攻撃している
一方、専修大の岡田憲治教授(政治学)は「平和教育そのものが嫌いだから語り部を攻撃するわけではない。反戦や護憲を説く人や、それを後押しするメディアに嫌悪感を抱いているからだ。国家や日本人に反省を迫る人々や言論をすべて攻撃するという『習慣』がついた人が増えている」と分析する。
「不寛容な言葉の数々は、とても思想と呼べるレベルではない。一連の問題から浮かぶのは、現状への不満を解消するために弱者が弱者を攻撃するという自暴自棄的な現象だ」。

//NHKがますます安倍政権のポチになるのか。安倍氏のお友だちで極右的な発言を繰り返している籾井勝人NHK会長が、従来は年1回の局長級以下の人事異動について、「今後は必要に応じて随時、人事異動を行っていきます」と宣言。これって「オレ様の言うことを聞かないと速攻で左遷するぞ」「いつでも干すぞ」という脅しじゃないか。不定期化の目的について籾井会長は「職員が異動の時期を意識することなく職務に専念できる」と説明するが意味不明。むしろ、異動時期が年1回で固定されている方が、制作スケジュールが立てやすいじゃないか。受信料を払っている国民が、もっと籾井会長の独裁を批判し報道の独立性を守らねば。
NHK大河『八重の桜』の最終回では、当初は明治政府の間違いを堂々と批判していた新聞が、やがて国民に戦争開戦を煽っていく御用新聞に成り果てた様子を描き出していた。八重もハッキリと保守メディアの姿勢に異を唱えていた。もうそういうシーンも出てこなくなるのかな…。

//安倍政権と大手マスコミの癒着監視の意味も込めて、僕も首相動静を追っていこう。取りあえずここ1ヶ月の記録から。
・5/15 島田敏男NHK解説委員、時事通信の田崎史郎解説委員、毎日新聞の山田孝男特別編集委員、朝日新聞の曽我豪編集委員ら報道関係者と会食。
・6/13渡辺恒雄読売新聞グループ本社会長と食事。
・6/18時事通信の西沢豊社長、田崎史郎解説委員、渡辺祐司社長室長らと食事。
・6/20読売新聞の橋本五郎特別編集委員、毎日新聞の山田孝男特別編集委員、福山正喜・共同通信社社長らと会食。
メディア以外では、5/18に俳優・津川雅彦と会食、5/20に評論家・金美齢事務所で宴。

●6月20日…他の先進国でこんな野次(ヤジ)がありえるのか?“野次は議場の華”という言葉もあるけど、人として絶対に言ってはいけない野次もある。18日の東京都議会の本会議において、塩村文夏都議(35/みんなの党)が妊娠・出産の支援政策を質問している最中に、自民都議らが座る一角から「お前が早く結婚すればいいじゃないか」「産めないのか」といった野次が飛んだ。明らかにセクハラや個人攻撃に当たる。塩村都議が声を詰まらせながら質問を続けると、「おい、動揺しちゃったじゃねえか」と別の野次も飛んだ。塩村都議は席に戻った後、ハンカチで目をぬぐった。塩村都議「悩みがある女性に、否定するような野次が相次ぎ、皆さんで笑っていた。質問を進めていくうち、とても悲しい気持ちになった」。

オリンピックの開催を控える東京都議会でこんな品性の欠片もない野次が飛ぶ情けなさ。“産めないのか”で笑う男性議員たち、彼らは男にとっても男を貶める敵だ。こんな都議の給与に年間2500万も税金を投入しており、僕が都民なら税金を返せと叫びたくなる。
この問題を深刻にしているのは、塩村都議が「同調するように面白おかしく取る方たちがいた。不妊で悩む人の顔も浮かんだ」と嘆いているのに、都議会自民幹事長の吉原修議員が「誰が発言者か特定しない」と明言し、幕引きを図っていることだ。自民の鈴木章浩都議「わからないと思いますよ。野次なんて、いちいち聞いている人、いないですから」、自民・来代勝彦都議も「私はそんな野次は聞いていない。聞こえなかったですね」と発言者の特定に極めて消極的。ニュース音声(3分48秒)でも分かるくらい大きな声なのに、聞こえないはずないだろう!うやむやにするつもりなのだ。議場で傍聴人が野次を飛ばすことは規則で禁じられ、違反すれば議長の命令で議場外に連れ出される。暴言議員に椅子を用意することはない。重大な処罰を望む。「今回の野次はおもてなしと正反対。本当にこの街で五輪を開催できるのか」(乙武洋匡さん)。

※都議会の野次といえば2012年の自民・鈴木隆道都議(目黒区)も最悪だった。東電事故に関連して除染対策をめぐる都の姿勢について質問を行っていた大山とも子都議(共産)に対し、鈴木都議「放射能浴びた方がいい。正常になるんじゃないか」と野次。大山都議は「福島の人が聞いたらどう思うか。ひどい話だと思う」と抗議。この件について鈴木隆道都議は「弁解することは何もない」とのこと

//決して許されない野次については、先日、原爆の語り部に向けられた「死に損ない」発言もそう。森口貢(みつぎ)さん(77)は原爆投下11日後に長崎市中心部に入り、入市被爆をした。現在は長崎の証言の会事務局長として、目撃した街の様子などを伝えている。その森口さんが横浜の修学旅行生(中3)を爆心地の近くに案内していると、別行動をしていた男子生徒5人が近づき、「死に損ないのくそじじい」と大声を上げ、周りの生徒に向けて「笑え」「手をたたけ」などと言ったという。森口さんいわく「こんな経験は初めて。被爆69年となり、戦争や原爆をひとごとと感じているのだろうか。本気で向き合ってもらえなかったことが悔しく、悲しい」。

この報道に胸を痛めていたところ、あの自称皇族・竹田恒泰氏が目を疑うツイートを書いた→「年寄りに暴言は良くない。だが語り部の森口貢氏は、被爆していないのに被爆者を自称して一時間一万円で生徒に被爆体験を語るふりをし、実際は反日思想を植え付ける話をしていた模様。平和教育はもうやめたほうがよい」。
この後、竹田氏は指摘を受け間違いに気付くが、謝罪することもなくさらに批判を加速。たしかに森口貢氏は、原爆投下11日後に長崎市に入ったため、法的には被爆者とされる。しかし、彼が見てもいない原爆投下の実態について、被爆者として、しかもそれを有償で生徒に語るのはおかしい」「森口貢氏がやっていることは、平和教育の名を借りた反日教育である。修学旅行で平和教育をすること自体、弊害が生じていることに、そろそろ気づくべきだ」「森口氏は仲間と反戦活動をしに英国にまで出かけていき、内4名が「平和を乱した罪」で逮捕されている。筋金入りの反日プロ市民」。
どこから突っ込めばいいのか。とにかく順に反論していきたい。

・「被爆していないのに被爆者を自称して」→完全に被爆者。11日で放射能が消える訳なし。
・「一時間一万円で生徒に被爆体験を語るふりをし」→「時給」ではなく交通費や日当の総額だし普通の相場。安いくらい。っていうか!それを言うなら竹田恒泰氏は自分が皇族でないどころか、父親さえ生まれた時は既に平民なのに、あたかも元皇族のように振る舞って講演活動しているのはどうなんだ。しかも竹田氏が要求するギャラは20万〜150万と高額。
・「反日思想を植え付ける話をしていた模様」→自分で直接森口さんの聞いた訳でもなく、“模様”という言葉をつけてネット上で誹謗していいのか。そもそも原爆批判って反米じゃないか。竹田氏基準では“戦争の悲惨さを語るヤツは反日”ということ??
・「有償で生徒に語るのはおかしい」→平和活動を有償でやるのがおかしいのなら、竹田氏も“愛国活動”の講演やテレビ出演を有償でやらずギャラ無しでやるのが筋。
・「修学旅行で平和教育をすること自体、弊害が生じている」→どういう論理でこの結論が導き出されるのか、頭の悪い僕には理解不能。
・「森口氏は仲間と反戦活動をしに英国にまで出かけていき、内4名が「平和を乱した罪」で逮捕されている」→書き方に悪意がある。森口さんは反核運動で英国の唯一の核ミサイル基地を訪れた。竹田氏は「平和を乱した罪」と大袈裟に書いているが、逮捕された4人はゲートの前で道路に寝転んだだけ。しかも翌日には全員が何の罪にも問われることなく釈放されている。さらに言うなら、逮捕されたのは被爆者の森口正彦さんであって、竹田氏が侮辱している森口貢さんとは別人。つまり正確に書くなら「森口氏は同じ長崎被爆者の仲間と英国に反核を訴えに行った。核基地のゲート前で平和的に抗議していた仲間のうち4名が逮捕され、翌日には全員無罪で釈放された」。むしろ被爆者としての核兵器廃絶にかける強い思いに敬意を感じる。
・「筋金入りの反日プロ市民」→非難されるべきは原爆を使用したトルーマン大統領や、その状況を作った日本の戦争指導者なのに、原爆の被害者を反日扱いとかマジなのか。
ほんと、宮内庁は「明治天皇の玄孫という肩書きでヘイトを垂れ流すのはやめろ」と警告文を送った方が良い。宮内庁が黙認するから被害者が増える一方だ。竹田氏は自分が中学生より酷いことを言ってる自覚がない。解雇した慶応の判断は正しい。

【追記】高円宮典子さま(25)と出雲大社禰宜(ねぎ、神官)の千家国麿さん(40)の婚約報道で、竹田氏が出したコメントに仰天。竹田氏は自分が“旧皇族”どころか“皇族”と言い切っている。目が点。→竹田恒泰氏「同じ皇族として、大変めでたいことですから、心からお喜び申し上げたい」。スポーツ報知の記事(最後から5行目)。ここまでいくと皇室詐欺。今のところ、竹田氏がツイッターでスポーツ報知に訂正を求めたという情報はない。
【追記2】真剣に竹田恒泰対策を呼びかけている人が。支援リンク貼っておきます

//W杯の対ギリシャ戦、立ち上がり10分、日本の動きが初戦よりも圧倒的に良いですね!個々に連動している感じ。→前半30分、どんどんシュートしている。→前半37分、ギリシャのキャプテンにレッドカード!→前半終了0-0。ギリシャ、人数減ってからの方が攻撃力上がってる(汗)。こぼれ球からのミドルシュートが怖い。→後半、遠藤がキャプテンで参戦。→後半15分。ギリシャCK4連発、川島防ぎきる。→後半25分大久保、内田、シュート惜しい!→あと5分。ゴクリ。→遠藤FK、枠に入ってた。惜しい。延長は4分!→ぐああ、引き分け。シュート16本!ほんとに、あともうちょいだった。可能性はまだある。ギリシャがコートジボワールを下し、日本がコロンビア(6/25朝)を高得点で倒せれば、得失点差でなんとか…!(>_<)

//ジョジョリオン最新回、ついにヤツが出てきましたね。そして無性にメロンパフェが食べたくなりコンビニで250円のをゲット。憲助に「せいぜい安く満足してろッ!」と言われそう(笑)。ちなみに相田みつをの言葉で僕にとってのベストワンは「私がこの世に生まれてきたのは、私でなければできない仕事が何か一つこの世にあるからなのだ。それが社会的に高いか低いかそんなことは問題ではない」。
●6月19日…「安倍政権で急速に進められている雇用の規制緩和は、ことごとくパソナの利益になるものばかり」(元法大教授・五十嵐仁氏=政治学 )。
人材派遣最大手パソナグループ(南部靖之代表)の闇。5月17日にミュージシャンのASKAが薬物使用で逮捕されたとき、まさか政界中枢の政治家の名前が次々と週刊誌に出てくる事態になるなど想像もしなかった。ASKAと一緒に逮捕されたパソナ南部代表の元秘書・栩内(とちうち)香澄美さんは東京・元麻布にあるパソナグループの迎賓館「仁風林」で出会ったという。2人が情事に薬物を使用したことが逮捕の決定的証拠となった。以下、『週刊FLASH』『サンデー毎日』『日刊ゲンダイ』『週刊実話』『女性自身』『週刊新潮』などの情報を整理する。週刊誌を情報源として日記を書くのは抵抗があるため、逮捕から1ヶ月、当日記にはパソナについて何も書かなかったけど、大手新聞がスルーしているため、果敢に斬り込んでいく命知らずの週刊誌を頼るしかない。

・パソナ迎賓館『仁風林』では大物政治家、高級官僚、芸能人、スポーツ選手、テレビ局報道担当者など様々な著名人が接待を受けている。週3回もパーティが開かれることも。
・毎回フランス料理など高級料理のフルコースが振る舞われ、高級ワインも飲み放題。参加者いわく「驚くべきことに会費がないんです。一度も払ったことがない」。
・“接待”しているのは南部代表お気に入りのパソナ関係者の美人女性社員たち約30人。逮捕された栩内さんもその一人で大人気。南部代表も栩内さんを気に入り、彼女のために南青山の高級マンションを会社が借り上げていた。“接待”にはいろんな内容がある。「仁風林」で薬物汚染がなかったのか?
・南部氏からパーティーの運営を一任されてきたのは、財務省から天下った上斗米(かみとまい)パソナ常務執行役員。『仁風林』接待パーティーには各省の幹部クラスが何度も参加。
・『仁風林』の壁には南部代表と政治家が握手した写真がずらりと飾られている。

★パソナと政治家の蜜月ぶりが注視されている4点
(1)田村憲久厚労相は昨年2月に「仁風林」で接待を受けた。ジャーナリストの佐々木実氏「田村厚労相はアウトですよ。厚労省は、従業員の再就職を推進した企業に支給する『労働移動支援助成金』を昨年の2億円から300億円に大幅に拡充させた。関係が直接的すぎるのです」。
※労働移動支援助成金…間接的なリストラ支援。従業員を転職(リストラ)させる企業に国がお金を出す制度。企業が再就職支援会社(最大手パソナ)に払う費用について、従来の助成額は「転職成功時」に限って1人につき最大40万円補助していたのが、今年の3月からたとえ転職に成功しなくても、従業員の転職先探しをパソナなどに頼めば10万円を助成し、上限も40万円から60万円に拡大。しかも、これまで対象外とされていた大企業にも国から助成金が出るようになった。
この制度拡充を主張したのが、パソナ会長であり、産業競争力会議のメンバーを務める竹中平蔵。「労働力の移動と言いますが、要はリストラ促進助成金です。従業員をクビにすると助成金を受け取れる。昨年の第4回産業競争力会議で、竹中氏は『今は、雇用調整助成金と労働移動への助成金の予算額が1000対5くらいだが、これを一気に逆転するようなイメージでやっていただけると信じている』と発言しています。その言葉通り、労働移動支援助成金は、本当に2億円から一気に300億円に増えた。この巨額の税金が、人材サービス業のパソナなどに流れ込むわけです。これが自社への利益誘導でなくて何なのでしょう」(五十嵐・元法大教授)。
労働者の悪夢はまだある。リストラ支援金に150倍の予算がついた一方で、これまで従業員を不況で一時休業させる際に、経営者が払う休業手当の一部を国が助成する「雇用調整助成金」は、1175億円から545億円に大幅減額された。従業員を無理して雇い続けるより、さっさとリストラした方がお得と国が勧めている。

※田村厚労相に接待の有無を質問した大西健介民主党衆院議員「安倍政権は派遣法改正など労働市場の流動化を推し進めています。その恩恵を受ける企業(パソナ)から、監督官庁の厚労相が接待を受けていたというのですから、その理由を質さねばなりません。田村さんはよっぽど嫌だったのか、質問前に『本当に(質問を)やるのか?民主にブーメランするぞ』と強い調子で迫ってきましたよ」。このブーメランとは民主のタカ派・前原誠司グループが「仁風林」に足を運んでいることを指す。前原議員の妻・愛里さんははパソナ南部代表の元秘書。「仁風林」で出会ったとも。僕は前原議員が大嫌いなので是非民主にブーメランをぶつけて欲しい。

(2)複数の週刊誌が“逮捕された栩内香澄美さんに最近熱を上げていたのは小野寺防衛相”と実名。これは看過できない話。なぜなら、パソナグループのベネフィットワンが、防衛省の福利厚生を一手に引き受けているからだ。隊員を含む約26万人の個人個報をパソナが保有している。モロに利権に絡む企業から防衛大臣が接待を受けていいのか。僕としては自衛隊員の個人情報を、うさん臭いパソナに渡して欲しくない。(ベネフィットワン該当ページ
※6/21追記。自衛隊関係者の方から、「以前はベネフィットワンだったけど、使い勝手が悪いため、JTBベネフィットに変わった」と連絡を頂きました。名前はそっくりだけど、あくまでもJTBの会社ということで、これについてもう少し経緯を調べます。

(3)麻生財務相とパソナ竹中平蔵が山分けする「派遣利権」553億円…安倍政権による女性登用促進策が、政権メンバーの関連企業によって既に利権化。中小企業庁が昨年度から始めた「中小企業新戦力発掘プロジェクト」は、主婦を実習に受け入れた中小企業に1人あたり5000〜7000円の助成金を支払う制度。支援事業の財源は「人材対策基金」という国の基金で賄っており、この基金は麻生内閣時代の2008年度に創設された。当初、基金の規模は中小企業向けに72億円でスタートしたが、どんどん国費を積み増し、安倍首相になってから一気に282億円が投じられ、今は総額553億円に膨らんでいる。この事業の受託企業に、2年連続で竹中氏が会長を務めるパソナと、麻生大臣の弟・泰代表が率いる福岡の人材派遣大手アソウ・ヒューマニーセンターが選ばれた。中小企業庁の関係者「特にパソナには基金を元手に通算120億円以上の予算が流れた」。
※ちなみに基金創設時の中小企業庁トップの長谷川栄一・元長官は、第2次安倍政権発足時に首相補佐官兼内閣広報官として政権中枢に入った。現在、長谷川氏は首相のゴルフにも同行する側近中の側近。

(4)高市早苗政調会長の地元事務所にはパソナから継続的にスタッフが派遣されている。政府の「若者・女性活躍推進フォーラム」でも高市議員はパソナを絶賛。ところが、高市議員の資金管理団体や政党支部の政治資金収支報告書をいくら調べても、パソナとの具体的な金銭上のやりとりを示す記載は一切、出てこない。これについて高市事務所の会計責任者は「パソナへの支出は政党支部の報告書の『人件費』の項目に他の秘書やスタッフの給与と一緒に計上している。パソナにいくら支払っているのかは言う必要がない」。この説明には“無理がある”と指摘されている。「通常、派遣スタッフの給与は派遣元のパソナが支払っているはず。政党支部が支給していない給与まで『人件費』に計上すれば、報告書の『虚偽記載』の疑いが生じます。報告書の人件費が総額記入のため、結果的にパソナとの契約内容を隠せる“ブラックボックス”であることを理解した上での説明で、語るに落ちるという印象です。この方式がまかり通れば、仮にパソナが無料でスタッフを派遣するなど、高市氏側に便宜を図っていたとしても外部に知られずに済んでしまう。本来なら企業からの寄付行為にあたり、事実上の“裏献金”の可能性があるにもかかわらずです」(神戸学院大教授・上脇博之/政治資金オンブズマン共同代表)

それにしても、知れば知るほど竹中平蔵は恐ろしい男。パソナ南部代表と竹中氏は20年来の友人。
2003年、小泉内閣の経済財政担当相だった竹中氏のテコ入れで改正派遣法が成立。これにより、派遣対象が専門職から製造業にまで拡大し、2000年に約33万人だった派遣社員は8年後に約140万人に激増し、非正規労働者が労働者全体の3分の1を占めるまでになった。これに連動して、パソナの収益は03年5月期から08年5月期に、1356億円から2369億円と1.75倍に急伸。2007年、そのパソナの特別顧問に竹中氏が就任!就任の翌月(第一次安倍政権下)、官僚の天下り斡旋を全廃する代わりに、総務省の人材バンクから情報提供を受けた人材派遣企業が、国家公務員の転職を支援する制度が始まり、パソナが選ばれた。数ある同業者の中からパソナが受注できたのは竹中氏が特別顧問になったお陰か。この2年後、竹中氏はパソナ会長に就任。
一方、同時期に竹中氏はなんと韓国の李明博大統領(竹島上陸を強行)のブレーンだったことが先日暴露された。韓国は日本以上に労働条件が悪化し、セウォル号が船長を筆頭に非正規だらけに。

★あるブロガーが、政界=パソナ=芸能界の戦慄の関連図を作成。超タブーのバーニング代表取締役の名や、川田亜子アナ、飯島愛さん、脅迫を受けていた吉松育美さんの名なども。どこまで真実か分からないけど、川田アナの死の状況など謎が多すぎる。
とにかくこのヤマは大手新聞がスルーを決め込んでいるので、怖い物知らずの週刊誌記者の機動力が頼り。冗談抜きで命がけの取材になると思う。執念で真実に迫ろうとする姿勢に脱帽。

//多重人格を取り上げた「24人のビリー・ミリガン」や脳手術が生んだ天才の悲劇「アルジャーノンに花束を」が世界的ベストセラーとなった米作家ダニエル・キイス氏が肺炎で他界。享年86。“ビリー・ミリガン”はジョジョ5部でも重要リンク。
●6月18日…昨日、東京の日比谷野外音楽堂で集団的自衛権に反対する人々が5000人も集まり、その後「憲法こわすな」と国会周辺をデモ行進(東京新聞)(田中龍作J)。今朝の朝日はトップ面に集会の様子をカラー写真入りで伝えた。ところが!コチラの情報によると、読売新聞は都心に5000人が集まったこの集会を完全に黙殺し、一行たりとも記事にしなかったという。読売の渡邊会長は何度も安倍氏と会食しており親密なのは分かっていたけど、そこまでするか。読売新聞の善良な心ある記者さん、本当に今のような会社のあり方で、いいのですか。

//新右翼の一水会顧問・鈴木邦男氏(70)は、かつてテロを公然と肯定し、左翼文化人への脅迫など過激な実力行動で検挙されたこともある人物。その鈴木氏が昨日の中日新聞で右派サイドから見た安倍政権の危険性について語っている
→(鈴木)『昔は米国に押しつけられた自衛隊は、だめだと思っていました。でも今は、軍隊の概念を変えたと誇りに思っています。僕はかつて、自衛隊の人に「攻めてくる国もないし災害救助に専念すればいいじゃないか」と話したことがあります。ところが、彼らの答えは「それは違う」でした。敵を殺し、自分も死ぬかもしれないという訓練をこなしてこそ、災害救助もできると言うのです。実際、彼らは東日本大震災の過酷な現場で救出作業や遺体の搬送などを行いましたが、もし災害訓練だけだったら足がすくんでいたかもしれません。
未曽有の災害でもパニックにならない。まさに軍隊の進化形と言えます。私が理解できないのは、おそらく世界中の軍隊がそうありたいとうらやむ自衛隊に対し、自民党が劣等感を持っていることです。憲法解釈の見直しは、他国の軍隊と同じように自衛隊に血を流せと迫っているようなものです。集団的自衛権の行使が認められれば、日本はイラク戦争のような米国主導の侵略戦争に加担し、巻き込まれていきます。
昨年、ある女子中学生が大阪の在日朝鮮人を「大虐殺したい」と演説したそうです。この発言を聞いた米国人記者は「震災後、世界は日本に同情的だったが、発言は世界を凍り付かせることになる」と言っていました。終戦記念日に靖国神社で、軍歌を歌いながら行進する集団もいました。
海外の人はニュースなどで、このような日本の風潮と集団的自衛権の問題を重ね合わせて見ています。そして、日本はまた戦争を始めるのではないかと疑っている。それを日本に対する敵意だと受け止めて、安全保障を強化しなければいけないというのはおかしな話です。』
※鈴木邦男氏の発言では次の言葉にも共感「僕は今の憲法は押しつけ憲法、占領憲法だと思ってますけど、自由のない自主憲法よりは、自由のある占領憲法のほうがずっといい」。

//これは朗報。自民の末端組織から集団的自衛権に「待った」の動きが。安倍政権が今国会中に閣議決定を目指す集団的自衛権の行使容認について、自民党岐阜県連が「性急すぎる」として、県内全市町村の議会議長に「全国で公聴会を開くなどの方法で、結論を出すべきだ」など慎重な議論を求める意見書を議会で採択するよう異例の要請。県議会でも同様の意見書を採択し、政府に提出する方針とのこと。岐阜で始まったこの動きが全国の自民県連に広がりますように!

//W杯ザック・ジャパン、ギリシャ戦に向けて吹っ切れた模様。よかった!
●6月17日…昨日の朝日新聞でスクープされていた「有事に際し“米艦で邦人救出”を米拒む 過去の交渉」をどうして他のメディアはもっと取り上げないのか。これは安倍氏が国民相手に何度も説明している集団的自衛権の行使が必要な例え「邦人を運んでいる米艦を自衛隊が守れなくていいのか」がまやかしということじゃないか。
→1997年に日米両国は、「日米防衛協力のための指針」(1978)を改定する際、朝鮮半島有事で日本が米軍を支援する見返りとして、避難する日本人を米軍が運ぶ「非戦闘員救出作戦」(NEO)を協力分野に加えることで合意。対日協力の目玉になるはずだった。しかし98年にガイドラインに基づく協力内容を定める周辺事態法をつくる際、米側の強い意向で「非戦闘員救出作戦」はメニューから外された。米軍が海外の自国民らを救出・保護する作戦では、国籍による4段階の優先順位があり、米国籍、米国の永住許可証の所有者、英国民らが優先で、日本人は最後の『その他』に位置づけられている。首相ら政府は年内に集団的自衛権の行使容認を決める前提で、米国とガイドラインの再改定交渉に臨む方針だが、政府関係者は「再改定の主要なテーマにも邦人救出は入っていない」と語る

//フランス在住のサイト読者Roasさんが著名フランス・メディア『L'Express』に掲載されたコラム「国家主義の波に呑まれる安倍政権」を日本語に全訳して下さいました。安倍氏が首相に就任して以来の一連の右傾化が、海外からどのように見られているかが分かる貴重テキストであり、一読をお勧めします!

《要約》※訳文の全文リンクはコチラ
日本列島に嫌な風が吹きすさぶ。原因は歴史修正主義者とレイシスト。彼らの存在は経済に悪影響を与え、日本と近隣国の緊張に拍車をかける。軍国主義の過去を懐かしむ人々がこの流れを歓迎している反面、同盟国は懸念する。
2013年12月26日、安倍首相は再任一周年を記念して、米副大統領ジョー・バイデンの警告を無視し、東京裁判で裁かれたA級戦犯を合祀している靖国神社を参拝した。中国や韓国にとっては、軍国主義の日本を象徴する場所。安倍首相は日本の政治史においてもっとも国家主義を重んじる政治一家の生まれ。
日本とその隣国である中国と韓国は、南京大虐殺のような戦いや出来事に関する歴史認識を巡って今も火花を散らしている。韓国人を初めとする10万人規模の女性が、旧日本軍の兵士に売春を強要された従軍慰安婦問題も熱を帯びている。しかし、安倍氏がこの只ならぬ雰囲気を気にかけている様子はほとんどない。中国や韓国の抗議を無視して参拝したということは、旧日本軍による蛮行に関する1993年(河野談話)と1995年(村山談話)の正式な謝罪を台無しにしたことと同じである
3月3日、国会議員10人を含む約500人が、1993年の「談話」の見直しを政府に要求。集会では、談話を公表した河野洋平官房長官(当時)が裏切り者とみなされ、談話そのものがウソで固められているとした。参加者には桜田義孝文部科学副大臣も含まれている。

『国家主義者が作る日本人共通の歴史認識』
深刻な兆候はほかにもある。首相の知り合いで、NHK新会長に就任した籾井勝人氏は、就任記者会見で慰安婦問題に触れ物議を醸す。NHK経営委員の百田尚樹氏は神風特攻隊の小説の作者であり、任命の4ヵ月後、「南京大虐殺はなかった」と唐突に言い放った。
日本の高校ではいつまでたってもまともな歴史教育がなされず、これらの20世紀の出来事を多くの日本人が知らないまま、そして気づかぬうちに否認しながら大人になる。国家主義者たちは、政治や経済の世界でどんどん影響力を持つようになり、無数の言い落としや忘却をちりばめながら日本人共通の歴史認識を作り上げる
「何も悪いことしていないのに、何故謝らなければならないのですか?」と声を荒げるのは、極右媒体“国民新聞”の編集長藤田裕行氏。この新聞は、ネット上で極右団体や人が盛んに流し広める究極の歴史修正主義に賛同している。ネトウヨと呼ばれる彼らにとって、日本は防衛のために戦争を始めた。なぜなら安全が侵されていたからだ。そのため東京裁判は何の意味ももたない。国家主義者たちにとって、日本は一切の謝罪の理由も持たないのである。
「エリート層がこのような歴史認識を持てば、安倍氏の信条と合致するというだけで、その考え方がいとも簡単に世の中に広まってしまう。」と、中野晃一上智大学教授(政治学)は考察する。安倍氏の名が知られるようになったのは、90年代、侵略戦争を公式に認めた政府(村山談話)に反対の意思を示した頃からである。
日本人1億2600万人のほとんどが平和や周辺地域の友好維持を願っている。しかしここでは受動性が圧倒する。「しょうがない」と皆で言い合っている間に、SNSなどから国家主義者の意見がどんどん広まっていく。場合によっては脅しにも聞こえるレイシストの言葉が、様々な問題に直面する社会に“くいこんで”いくのである。「中国の経済成長や韓国のそれとセットで語られる失われた20年が、欲求不満を蓄積させ自己顕示欲を増大させている」そう注意喚起するのは反政府系新聞の編集長。

『目の敵にされる在日韓国人』
日本ではここ数年、街並みがヘイトスピーチ劇場と化す。ネット上の過激な触れ込みに乗せられ、大抵の場合、在日韓国人を標的にする。最も有名な団体、在特会(在日特権を許さない市民の会、2006年設立)は、少なくとも言語表現上、最も乱暴な団体の一つとして知られている。3月17日、在特会のメンバーは、「朝鮮人死ね!」などと叫びながら新大久保のコリアタウンでデモを行った。中国人を激しく非難する者もいれば、コメ社会に食パンを持ち込んだ白人を責める者もいる。
書店では嫌中嫌韓の見出しが驚異的な売れ行きを見せている。2013年、保守派の週刊誌、週刊文春は全49号中、48号で韓国や中国の話題を扱った。「よく売れるから」と某記者は言う。
変貌は選挙結果からも見てとれる。2月9日、東京都知事選挙で、田母神俊雄が12%の得票率を得た。自衛隊の空軍航空幕僚長だった彼は、南京大虐殺や慰安婦問題を捏造呼ばわりしながら選挙戦を戦った。彼は、安倍晋三が会長を務める国家主義議員連盟「創生日本」の事実上の応援を受けていた。

『お金がなくなれば、残るのは身元だけ』
国家主義論に影響されやすいのは若者である。と同時に、日本の労働人口の40%を占める彼らは、最も生活に不安を抱える世代でもある。お金がなくなれば、残るのは身元(国籍)だけ。政界は沈黙に包まれている。民主党は2012年の大敗以来、党内分裂が絶えない。
憎悪に満ちた発言に対抗できる手立てはほとんどない。日本にはあらゆる形の人種差別を排除するための規制がなく、ヘイトスピーチを罰することができない。政府は表現の自由に限度があることを認めているが、メディアはというと、真剣に議論を展開する様子もなく、無力に見える。
記者たちは、匿名で不安を覗かせることはあっても、その思いを記事に表すことはない。読売新聞の会長渡邉恒雄は、先に可決された秘密保護法さえ是認している。この法律は、1925年に制定された治安維持法と瓜二つであると、一部の人々にみなされている。治安維持法は反政府者が抑圧され軍国主義を煽るきっかけとなった。
「安倍氏は自身の言動が国外に及ぼす影響に気づいていないようです。過去を優先し未来をないものと見なしています。」とテンプル大学現代アジア研究所所長ロバート・デュジャリック氏は強調する。事実、安倍氏の姿勢は私たちを不安にさせる。しかし、自身を選出した日本においては、その姿勢は彼に有利に働いているようにみえる。
●6月16日…『官邸が約175万人分の署名を受け取り拒否』。11日、憲法学者や作家らによる市民団体「戦争をさせない1000人委員会」が憲法解釈変更による集団的自衛権行使容認に反対する集会を開き、反対者約175万人分の署名を衆参両院に提出したが、首相側から受け取りを断られたという。175万人分の署名の受け取り拒否なんて聞いたことがない。自分と考えが異なる相手の意見は、まったく聞く気がないということか。政治のトップにいる人間は、異なる意見にこそ耳を傾け、それを踏まえて政策を練っていくのが近代市民社会のリーダーだろう。思い通りにならない相手の意見は「見たくない聞きたくない」という官邸の対応は幼稚すぎる。

//マジでこんな酷いこと言ったのか。原発事故の汚染土壌などを保管する中間貯蔵施設建設をめぐり、石原伸晃環境相は16日、難航している県側との交渉について「最後は金目(かねめ)でしょ」と、交付金など金銭で解決するとの見方を示した。元々、石原環境相の評判は悪かった。石原氏は計16回開かれた中間貯蔵施設建設の住民説明会に一度も出席せず、各会場では大熊、双葉両町民から「なぜ大臣が直接説明しないのか」などと批判が相次いでいた。その上でのこの発言。どこまで被災者の気持ちを踏みにじるのか。「金なんて要らない。家に帰りたいという人がほとんどだ」と大熊町の避難民。同町仮設住宅自治会長「金銭問題を前面に出すこと自体、住民の思いを理解していない証拠だ」。

//食料はギャンブルの対象にしてはならない、グローバル投資家が行っている食物に対する投資は禁止すべきと、何度か主張している当サイト的には、フランシスコ・ローマ法王の次のニュースが嬉しかった。→16日、ローマ法王は食料不足の責任の一端は金融市場の投機にあるとの見解を示し、「食料価格に対する投機は恥ずべき行為であり、われわれ人類の最貧困層への食料供給を著しく危うくするものだ」と指摘。「金融の世界において倫理が再び正当な役割を果たすことが重要だ」と述べた

//「嫌韓本を断ち切る本」として、関東大震災の直後に起きた日本人による朝鮮人虐殺の実態を、現場の地図入りで詳細に紹介した『九月、東京の路上で(加藤直樹著)』(Ama)がベストセラーになっているとのこと。最近は中国や韓国を蔑視し、差別感情を煽る書籍が多いため、そうではないマトモな歴史検証本が正当な評価を得ていることが嬉しい。僕もさっそく注文。本の帯に書かれている詩人・萩原朔太郎(当時37歳)の言葉「朝鮮人あまた殺され その血百里の間に連なれり われ怒りて視る、何の惨虐ぞ」。
関東大震災直後に、混乱を利用して朝鮮人独立運動家を摘発しようと考えた内務大臣・水野錬太郎、警視総監・赤池濃(あつし)、警視庁官房主事・正力松太郎(後の読売新聞社長)らは、軍と警察を通して「暴徒化した朝鮮人が井戸に毒を入れ、放火して回っている」「爆弾を持っている」というデマを日本中に流した。市民は流言を信じ、震災から4日間で3689もの自警団が組織された。軍の一部から銃剣、日本刀を貸し与えられた自警団は血眼になって朝鮮人を探した。朝鮮人は日本語の「ジュ」の発音が苦手で「チュ」と言ってしまうことから、自警団は朝鮮人らしい人間を見つけては「15円55銭」と発音させ、うまく言えなかった者をその場で処刑、又はリンチにした。
死者数は当時の東大教授・法学博士の吉野作造の調査が2613人余、半島系新聞が6661人、内務省調査が231人と、議論が分かれている。また、方言を話す地方出身の日本人や聾唖者(聴覚障害者)も、朝鮮人と誤解されて59名が殺害されており、女子・子供を含む在日中国人200余名も殺害されている。
●6月15日…秘密保護法の廃止法案を通すため野党が一丸とならきゃいけないときに、民主党はいったい何を考えているのか。今国会で、秘密保護法に反対する野党議員が参議院に同法廃止法案を提出したんだけど、民主党議員は誰1人同調しなかった。発議したのは福島みずほ(社民)、山本太郎(新党ひとりひとり)、小池晃(共産)、糸数慶子(沖縄社大)、賛同議員は社民党の吉田ただとも氏、共産党の吉良よし子氏ら12名。昨年末、民主党は同法案に反対していたじゃないか。安倍ファシズム政権を止めるためには民主党がリベラルに覚醒しないとダメなのに、野田・前原のようなタカ派がいては第2自民党のままで期待できない。秘密保護法廃止法案に同調しない民主党になんの存在意義がある?

//W杯初戦の日本VSコートジボワール。恐怖のドログバ。たった1人の選手がピッチに登場するだけで、こうも試合の雰囲気が変わるものなのか。本田選手の鮮やかなシュートで先制点を獲っていただけに、逆転負けをしたのは残念だしもったいなかった。あの2点目はちゃんとマークしていたら防げたかも…。安易なパスミスが辛い。
★FIFA発表のW杯直前の最新ランキングによると、日本は46位。コートジボワールは23位、ギリシャは12位。3戦目のコロンビアは8位でイタリア(9位)やイングランド(10位)よりも上!ぐおお、ファイトだザック・ジャパン。
●6月14日…イラク北部で違法な処刑と殺害が横行。過激派武装勢力が、軍兵士、警官、政府と関係がある民間人を捜し回り、“関係者”という理由だけで見せしめの処刑を行っている(国連発表)。イラクの宗教対立を見ていると、本当に憂うつになる。フセイン政権崩壊後、マリキ政権はイスラム教シーア派をひいきする政策を行い、スンニ派には冷淡だった。これはフセインがスンニ派を優遇し、シーア派を抑圧していたことの裏返しだ。結局、マリキ政権に反発したスンニ派が武器を取り、2011年にイラク戦争が終結して以来の大規模戦闘が起きている。なぜマリキ政権はこうなることが予測出来なかったのか。シーア派にもスンニ派にも等しく接する政治を行っていれば…。
●6月12日…昨日、日本の3大宗派のひとつ「真宗大谷派」(寺院数8600寺、信者数533万人)がホームページに「この度の集団的自衛権の行使容認への動きに対して、深い悲しみと大きな危惧を覚え、強く反対の意思を表明するものであります」と“集団的自衛権の行使容認に反対する決議”を載せた。
近年、真宗大谷派は憲法九条擁護、秘密保護法反対などリベラル姿勢を全面に出しており、政府批判に後ろ向きな宗教者が多いなかで、ハッキリとものを言う姿勢に喝采を贈りたい。
真宗大谷派のこうした平和運動は、先の大戦で戦争遂行に協力したことへの反省にたっている。そこで、同宗派の戦時中の反戦僧侶・竹中彰元(しょうげん)について語りたい。先日訪れた関ヶ原にてゲットした資料や、ウィキペディアを参考にしながら以下に生涯を要約。

《竹中彰元》(1867-1945)…岐阜県垂井町出身。真宗大谷派の僧侶。彰元(しょうげん)は秀吉配下の名軍師・竹中半兵衛の縁戚にあたる。彰元は半兵衛の祖父・竹中重氏が400年以上前に建立した明泉寺に生まれ、同寺の住職を務めた。9歳で出家し、現・大谷大学や現・東洋大学にて学ぶ。仏道をよく修め、50歳で第23代東本願寺法主、彰如から「彰」の字を下付され、出生名の慈元から「彰元」に改名。模範的僧侶として順調に階級をあげていった。
1931年(64歳)、日本の大陸侵攻のきっかけとなる満洲事変が勃発。日本社会が軍国化していく中で、真宗大谷派も次第に右傾化していく。第24代東本願寺法主は教義を捻じ曲げて明治神宮、靖国神社、伊勢神宮と続けて参拝し、1937年(70歳)、盧溝橋事件が7月に勃発して日中が全面戦争に突入すると、事件翌日に真宗大谷派は早くも開教師に「支那駐屯軍・従軍布教」を命じ、政府が正式に大谷派に要請する前から率先して戦争へ協力する態度を示した。
この流れを危惧した老僧・竹中彰元は、盧溝橋事件の2カ月後、在郷軍人相手に戦争を批判し、村民から反戦姿勢を糾弾される。その翌月、彰元は近隣の仏教寺院で僧侶6人に「戦争は罪悪であり、人類の敵である」と述べ、この言動に反発した2人の若い僧侶が翌日に役場へ通報し、半月後の10月26日に彰元は逮捕された(若い僧侶が彰元の胸ぐらを掴み「非国民」と罵ったという)。彰元は陸軍刑法第99条(造言飛語罪=デマ流布罪)に問われて岐阜地方裁判所に送致され、翌年3月禁固4カ月の実刑判決が下る。彰元はこの判決を不服として控訴。控訴審では彰元の友人や、彰元を慕う明泉寺の檀徒が嘆願書を提出し、執行猶予3年を勝ち取った。
この裁判を受けて、真宗大谷派は彰元の僧侶の位を最低まで落とし、その布教使資格を3年間剥奪した。同時期に治安維持法で検挙された他の反戦僧侶、林霊法(浄土宗)、大隈実山(日蓮宗)、細井宥司(日蓮宗)らは所属教団から処分を受けておらず、真宗大谷派の処分の重さが際立つ。彰元は敗戦2カ月後の1945年10月21日に77歳で他界。死後、浄土宗の林霊法が明泉寺まで弔問に訪れたという。

1987年、大谷派は「全戦没者追弔法会」を開き戦争協力を公式に謝罪、1995年に「不戦決議」を宣言する。「人間のいのちを軽んじ、他を抹殺して愧じることのない、すべての戦闘行為を否定し、さらに賜った信心の智慧をもって、宗門が犯した罪責を検証し、これらの惨事を未然に防止する努力を惜しまない」(不戦の誓い)。
翌年、日露戦争に反対し無実の罪で大逆事件に連座、大谷派を破門となり、無期懲役となって獄中で自殺した高木顕明(けんみょう/享年50)の名誉が回復された。世紀をまたぎ、2007年に真宗大谷派主催の「復権顕彰大会」が明泉寺で開催され、竹中彰元に対して熊谷宗恵宗務総長が謝罪、同宗派の処分を取り消す「宗派声明」が出され、処分から70年目に名誉回復が果たされた。

  
 ※明泉寺山門脇。画像はWikiから
たとえ権力に睨まれても反戦を貫くのが、釈迦の弟子たる宗教者。連立与党には権力のうまみがあるだろうが、仏道を歩む者は強い信念で非戦を訴えて欲しい。
※僕は関ヶ原の巡礼から帰宅した後に、この「戦争は罪悪である」と彫られた石柱が垂井町にあることを知った。ガーン、知っていたら絶対に訪れていたのに!
※俳優・植木等の父、植木徹誠は三重県の伊勢市で大谷派・常念寺の住職をしていたが、「戦争というのは集団殺人だ」などと子供たちに話をして、「治安維持法」違反により4年間も投獄されたとのこと。植木等の“等”は、人間すべて平等から名付けたという。
●6月11日…ウルトラ宗教右翼「幸福の科学」の大川氏が、サッカー日本代表・本田選手の守護霊に単独インタビューに成功したと宣伝中。わけがわからん。本田選手の守護霊いわく「いまやってるのはサッカーだけど、宗教の方で使ってくれるって言うなら、おたくさまの伝道局長をやれと言われればいつだってできる」「(ビッグマウスは)周りを洗脳し伝道してるんです。言葉の魔術師として伝道してるんですよ」。本田選手が「幸福の科学」の伝道局長を希望する?こういう著名人の霊(まだ本人が生きている)を呼び出してまで自己宣伝に利用する商法って、道義的に問題はないのか。釈迦の生まれ変わりを自認する大川氏は、幸福実現党の選挙公約で「非核三原則の撤廃と核武装推進」を訴えた。慈悲心の大切さを説き、虫の殺生さえ禁じていた釈迦が、核兵器を持てなんて言うか?離婚した前妻に対して守護霊を呼んで罵詈雑言を浴びせかける大川氏だが、釈迦がそんなことするか?選挙の度にあらゆる選挙区で候補者を立てられる豊かな財力と人材が脅威。
●6月10日…修復作業が終わった姫路城の囲いが3年半ぶりとれた。先日の天守最上部公開に続き、第一層からすべて見えるように。瓦まで白い城って他に見たことないからインパクトあるなぁ。“白鷺城”の異名に納得。
  内部公開は来年3月下旬から。(元記事
●6月9日…日本国憲法には「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起ることのないようにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する」(前文)、「武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」(第9条)とある。しかし今まさに、政府の行為(集団的自衛権の容認)によって国民(自衛隊員)の生命が危険に晒されようとしている。日々伝えられる報道では、日増しに公明党が集団的自衛権容認に傾いており、いつ迎合するかと危惧している。「限定的容認」などあり得ない。そんなもの、拡大解釈で何とでもなり、歯止めになんかならぬことは過去の歴史が証明している。今一度、簡単に問題を整理。
(1)日本が直接攻撃されてないのに他国を武力攻撃していいのか。
(2)しかもその場合、相手国にとっては日本から先制攻撃を受けたことになるが、それでいいのか。※相手国の国民は「日本を攻撃していないのに撃ってきた。卑劣な日本」と考える。
(3)日本から攻撃を受けた国(国民)は、日本への報復を考える。東京が国際テロの舞台になる危険性が格段に上昇し、しかもテロ犯は「我々は被害者」「報復のため」と考えている。この地獄の釜のフタを開ける覚悟を日本の全国民ができているのか。
(4)中国や北朝鮮の攻撃が念頭にあるなら、日本側が攻撃を受けたときに「個別的自衛権」で反撃できる。なぜ、地球の裏側や中東で同盟国が始める戦争に参戦することになる「集団的自衛権」が必要なのか。
(5)50年以上も法律家や歴代内閣が認めてこなかった集団的自衛権を、ときの首相が自由に解釈していいのか。首相が変わるたびに、集団自衛権を行使したり、しなかったりと判断できるなんておかしい。
(6)自衛隊員が国境の外で殺し殺される立場になるのに、憲法解釈の変更を首相周辺だけで押し進め、判断過程から国民の気持ちが無視されている。安倍氏は正々堂々、「9条を改憲して戦争できる国にしたい」と国民投票で信を問うのが筋ではないのか。
--日本の同盟国が常に正義とは限らない。アメリカはデマ(大量破壊兵器)を信じてイラクに攻め込んだ。日本を守るために高い志を持って訓練している自衛隊員を、他国の石油資本家や武器商人をリッチにさせるための戦場に、国民として送り出す訳にはいかない。
※創価学会の人へ。首相官邸が充分な論議もせず、国民の審判も受けず、集団的自衛権の容認に突き進んでいる現状と、それを認めようとする公明党上層部に疑問を持っている方は、是非とも公明党議員にあなたの意見を伝えて下さると有難いです。(解釈改憲は“法の支配”の否定であり、認めてはいけないと思いませんか)
※当サイトからリンクを貼っているリベラル系ブログの管理人さんが「公明党が集団的自衛権に反対して、連立離脱する根性を見せてくれたら、今から向こう3年、すべての選挙で公明党候補に投票します。男の約束。」と宣言
※安倍氏がいつも国会の答弁で例に出す、「日本人を運ぶ米国の軍艦を守る」「米国本土を目指すミサイルを撃墜する」が、軍事の専門家から見ていかに非現実的な例かなど、以前ここに書いた内容を特設ページにまとめています。

//仕事で他県を訪れた際に、関西圏であまり見かけないコンビニがあるとちょっと覗きたくなる。北海道ではまだ入った事がないセイコーマートをよく見かけ、気になっていたら最新報道で「顧客満足度4年連続第1位」に輝いたとのこと。4年連続はスゴイ。同店の歴史は古く、セブンイレブンよりも先(国内最古参)。人気の秘密は店員が弁当を店内で作っているホットシェフで、これを北海道在住の読者の方も絶賛されていた(弁当のご飯を店内で炊き、パン生地も店のオーブンで焼いている)。関西にも出て来ないかな。8月冒頭に千歳と旭川で仕事が入っており、そのときは是非セイコーマートにデビューしたい。
●6月8日…史跡巡りをしていると、以前の訪問時と周囲の景色が異なることがよくある。中でも、坂本龍馬の最期の地である「近江屋跡」(京都市中央区)は、その最たるものだ。先日、同地を訪れた際にまた変化しており驚いた。




2008年、初巡礼時。
『坂本龍馬・中岡慎太郎遭難之地』
と刻まれた石碑があるだけ。
殆どの通行人は気付かずに素通り。
後方の店舗は京阪交通社。
2010年、大河
『龍馬伝』
オンエア!
後ろの店舗が
「サークルK」に変わり、
案内板登場!
店内には
龍馬グッズの
特設コーナー



そして今年2014年。
店舗が回転寿司屋「京のとんぼ」
になり、さらには龍馬の肖像画と、
墓所がある霊山墓地までの
地図が設置されていた!
(お花も供えられている)
わずか6年の間に、史跡が寂しい石柱オンリーから、案内板&肖像画&ゆかりの地MAP&献花台&鉄柵と大進化を果たした。こういう変化を見るのも、史跡巡りの醍醐味だったりする。それにしても背後のお店、旅行会社→コンビニ→回転寿司と短期間で目まぐるしく入れ替わりすぎ(汗)。ちなみに、池田屋事件のあった池田屋跡も、この数年でパチンコ屋から居酒屋に変わっている。

●6月7日…大作『ポンペイ』、見に行く気満々だったのにボロクソの評判…。予告編(1分半)はめちゃ面白そうなのに!
//トム・クルーズ主演のSF『オール・ニード・イズ・キル』の予告編(2分半)、BGMで流れる曲がカッコいい。誰の歌だったか。
//今後の期待作は、公開日順に
『300 スリーハンドレッド 帝国の進撃』(6/20)予告編※ザック・スナイダー!
『トランセンデンス』(6/28)予告編※ジョニー・デップ!
『GODZILLA』(7/25)予告編※渡辺謙が画面を引き締める。そしてゴジラがデカッ!
『るろうに剣心 京都大火編/伝説の最期編』(8/1・9/13)予告編※2カ月連続公開
『猿の惑星:新世紀(ライジング)』(今秋)予告編※ちょっと予告で見せすぎな気も(汗)
●6月6日…憲法は重大な危機にある。解釈の変更で、日本が攻撃を受けていないのに、自衛隊が他国軍を攻撃するなど平和憲法が許すはずがない。
僕は昨年末、秘密保護法制定に荷担した公明党に激怒した。この怒りは秘密保護法が廃止になるまで続く。一方、公明党の支持母体である創価学会は5月16日に、「集団的自衛権を限定的にせよ行使するという場合には、憲法改正手続きを経るべきである」という主旨のコメントを発表した。マジで嬉しかった。リベラル野党が壊滅した今、「現憲法は集団的自衛権を認めていない」「今の国会で閣議決定するのは困難」と言い続けている今国会の公明党に本気でエールを送っている。実際問題、公明党が折れたら閣議決定されて一巻の終わり。安倍政権の方針に、最も強く抵抗しているという創価学会婦人部がホント頼り。公明党が連立離脱まで視野に入れて、徹底抗戦してくれるとまっこと有難いのだが…。
憲法学者は、保守派、リベラルという立場の違いを超えて、ほぼ全てが自民案に反対している。先月末に結成された「国民安保法制懇」には改憲派の憲法学者、小林節慶大教授も加わっている
阪田雅裕・元内閣法制局長官「憲法解釈を一政権の手で変えるのは立憲主義、法治国家の破壊。集団的自衛権は国のあり方を変える問題で、正面から憲法改正を問うべきだという点でわれわれは一致している」。
●6月5日…岐阜探訪の際、S氏が「このCDを聴いて下さい」とカーステでアイスランドのバンド「シガー・ロス」の透明感あふれるアルバム『Takk... 』(65分/全編アイスランド語。Takkは“ありがとう”の意)や『Hvarf/Heim (消えた都)』(72分)を聴かせてくれ、すっかり僕もシガー・ロスのファンになった。S氏いわく「シガー・ロスを空気の澄んだ夜明け直後に聴くのが至福の極み」。
これまでにもオフ会やサイト掲示板でシガー・ロスを薦められて気になっていた。もっと早く聴き始めればよかった!
 
※“シガー・ロス”はアイスランド語で「薔薇、勝利」。レディオヘッドのメンバーがシガー・ロスの音楽性に惚れ込んでライブの前座に抜てきし、世界的に名が知られるようになった。
●6月4日…(6/1 岐阜探訪ラスト)
・17:40 関ヶ原の戦い決戦地…西軍の本陣手前の平地。三成の首を狙って東軍が殺到した場所。
・17:50 石田三成/島左近陣(西軍本陣)…三成の陣跡からは関ヶ原が見渡せる。解説の音声テープが流れ合戦の様子がよく分かった。当初、かなり西軍有利に進んでいた。裏切りさえなければ…。闘将・島左近は三成の右腕。
・18:20 黒田長政&竹中重門陣跡…親友だった黒田官兵衛の子と、竹中半兵衛の子が同じ陣地でタッグ。うおお、泣けるぜ!
・18:35 細川忠興陣跡…なんと昨年完成したばかりの石碑。現在進行形で関ヶ原古戦場は動いている。
・18:40 田中吉政陣跡…合戦後に逃亡中の石田三成を捕らえた吉政。三成「それがしを捕らえたのがお主で良かった」。胸熱。
・18:45 徳川家康最後の陣地…家康が戦場の真ん中に築いた本陣。猛烈プレッシャーで小早川は決断。
・18:50 東首塚…塚の側の石碑の文が胸を打つ。内容は後述。
・18:55 井伊直政&松平忠吉陣跡…最後の訪問地はJR関ヶ原駅のすぐ近く。この井伊&松平が一番槍の功を挙げた。
関ヶ原で最も感動的な陣跡。黒田官兵衛の
子・長政が子ども時代に信長に殺され
かけた時、竹中半兵衛が命がけで助けて
くれた。半兵衛は早死にし、関ヶ原では
半兵衛の子・重門と、親友の長政が同じ
陣地で共闘している。2代にわたる友情!
黒田(青旗)と竹中(白旗)の旗が
交互に並ぶ高台。戦場の全景が
見えることから、この場所からあげた
狼煙(のろし)が東軍開戦の合図となった



西軍・石田三成本陣。東軍は本隊の秀忠軍
4万が信州で真田勢に足止めされ遅刻。数の
上では西軍有利だった。裏切りがなければ…
関ヶ原古戦場の昨年からの新名所、
細川忠興陣跡。他の武将より石が高級。
忠興はこの出陣で妻ガラシアを失った

家康最後の本陣跡。合戦後、ここで首実検
を行った。説明板の首級ゴロゴロ絵は、
小さい子はトラウマになるんじゃ…(汗)
東首塚の石碑。文面が胸に染みた。
以下、詳細
東首塚の石碑の内容全文→「英傑なる徳川家康が東国に於いて勢力を拡大したため、石田三成は豊臣政権不利と見て旗を掲げた。慶長5(1600)年9月両勢力はここ関ヶ原において激突したが、内応などの戦況の急変により三成側は大敗を喫した。家康は床几場において首実検をした後土地の人に、全ての首や遺骸を、東西二か所に首塚を造り葬らせた。東軍に敵対した、西軍将士に罪がないとは言えないが、主君秀頼のために命を捧げたことに他ならず、憎めるものではない。故に、豊臣の危機に直面し犠牲になった者を納め葬ることは、仁義に厚い心得の成し得ることであり、まさに家康の教えが、今の世に泰平をもたらしたと言えよう。将来この首塚が、丘や谷に変り果てることの無いよう乞い願うものである」。
・19:00 すべての探訪予定地を巡ってS氏の車に戻った瞬間、カーナビの照明が夜間モードになった。ドンピシャで陽が沈んだ。早朝に宿を出て、朝食も昼食も移動中の車内にてコンビニおにぎり。熱中症が報道されるなか、真昼の松尾山登山。「こんなにハードとは思ってませんでした」とS氏。よくぞ最後まで付き合って下さった。感謝!
旅の終盤、疲労した僕は墓の写真しか撮らなかったけど、S氏は美しい景色があると、どんなに疲れていても構図を工夫しながらシャッターを切っていた。美に対するこだわりは僕以上。感服!
●6月3日…(6/1 岐阜探訪その3)
・15:25 瑠璃光寺/島津豊久墓…大垣市(関ヶ原古戦場から南下)。西軍・島津軍が戦場を中央突破で脱出した際、伯父義弘を逃がすため討死した豊久の墓。墓所を示す案内石柱の側に、まったく別人の墓があり、しかもその場所から豊久公の墓が見えないため、多くの人がこのトラップで別人の墓を墓参している気が。僕は帰る直前に気付いた。危なかった!※この頃、暑さのピーク。列島は地域によって36度に達していた。S氏と励まし合う。北上し、古戦場に戻る。
・16:00 烏頭坂(うとうざか)/島津豊久碑…豊久が負傷した場所に石碑。
・16:15 本多忠勝陣跡…徳川四天王。戦場で一度も負傷しなかった最強武将。ゲームではロボット化。
・16:35 藤堂高虎陣跡…「武士たるもの七度主君を変えねば武士とは言えぬ」と豪語。中学校の敷地に陣跡があり、初めての人は驚く。
・16:40 西首塚…合戦の戦死者数千人の首級を葬った塚。昔から付近の民衆が供養している。
・16:50 福島正則陣跡…先陣争いに燃えていたガチの武闘派。合戦当日の斬り込み隊。
・17:05 宇喜田秀家陣跡…西軍の主力部隊。1万7千もの兵を揃えて戦場に。林道の木洩れ陽が美しい。
・17:20 関ヶ原戦い開戦地/小西行長陣跡…宇喜多VS福島、島津VS井伊で始まった。元々の開戦地碑はもうちょい南にあったとか。それゆえ今は小西陣と重なっている。
・17:30 島津義弘陣跡…戦国のバーサーカー。少数の兵で東軍の有名武将たちに大ダメージ。

島津義弘陣跡。ここから東軍を中央突破! 東軍・本多忠勝陣跡。島津軍を追撃
「島津豊久公墓所」の石柱。だが左後方
の墓は全く別人!本物は右の木陰の奥
こちらが島津豊久の墓!島津本隊を
逃がすため、しんがりで防御し戦死!漢!
石田や徳川の旗が共に並ぶ珍しい光景。
両軍の数千人(!)の首級を葬った西首塚
宇喜多秀家の陣跡は山林の奥に。
森林浴をしながらこの道をずっと歩く

(つづく ラスト)
●6月2日…(6/1 岐阜探訪その2)
【岐阜/関ヶ原古戦場】
11時すぎに関ヶ原合戦の古戦場に到着。関ヶ原は広い。車で移動しているのに、19時の日没まで7時間も滞在することになろうとは!東軍→西軍→東軍と巡った。
・11:15 浅野長政陣跡。このあたりが、戦場の西端。
・11:30 山内一豊陣跡。地元の人に尋ねながらたどり着く。
・11:40 桃配山/徳川家康本陣跡(最初)…合戦開始時点の東軍本陣。その後、家康はなかなか裏切らない小早川に圧力をかけるため、戦場のど真ん中に本陣移動。
・12:00 竹中氏陣屋…関ヶ原は竹中半兵衛の子、竹中重門の領地。陣屋の前に半兵衛の銅像があった。
・12:15 禅幢(ぜんどう)寺/竹中半兵衛・小西行長墓…父・半兵衛の菩提を弔う為、重門が播磨・三木城跡から改葬。ちょうど大河『軍師官兵衛』では半兵衛の最晩年をやっており、テレビを見て墓参に来た人がいっぱい!ひっきりなしに墓前にファンが来る背景には、谷原章介さんの名演もあると思う。/同じ墓地に眠る西軍・小西行長は関ヶ原の戦いの後伊吹山中で捉えられ、六条河原で斬首された後、竹中家により此処に葬られた。キリシタン大名だが世間体をおもんばかってか墓石に十字はなし。



墓所にかわいい「半兵衛くん」の旗が。まさか半兵衛も自分が400年後に
キュートキャラになって町おこしに一役買うとは夢にも思わなかったろう
半兵衛の五輪塔

次々と訪れる半兵衛ファン!5年前に訪れたときは旗もなく他に誰もいなかった。感動!
・12:50 稲荷神社…黒田官兵衛の息子・松寿丸(長政)が匿われていた竹中屋敷跡。カーラジオが熱中症の危険を訴えまくっている。
・13:20 松尾山/小早川秀秋陣跡…S氏と「身体が辛いからこそ、まだ何とか動けるうちに山を登ろう」。炎天下の一番暑い時間帯に登山。尾根を上り下りしながら山頂(293m)の陣跡に着いたのはジャスト14時。40分で登頂。絶景が広がり、ハンパない達成感。同時に、合戦の主戦場までの遠さから、小早川秀秋は最初から本気で戦う気がなかったことを理解。陣跡には『松尾山にてちょっと一言』という題のメッセージノートがあり、登山者が思い思いの言葉を書いていた。ポーランド人やドイツ人の歴史マニアもいて驚く。笑ったのは西軍ファンが大きく書き殴った「金吾のクソバカタレが!」という叫び。“金吾”は秀秋の官職名(朝廷警護の官職・左衛門督の唐名「執金吾」が由来)で、歴史マニアにとって金吾といえば小早川秀秋。書き手は秀秋に怒りつつも、ちゃんと教科書に載っていない呼び名まで知っているのが良い。15時に下山完了。トータル1時間40分。
写真中央、山頂の白いのぼり旗までGO! トラップ!途中のこの分かれ道は絶対右へ!
やった!山頂だ!のぼり旗が見えた! 秀秋が見ていた光景。主戦場まで遠すぎ!

松尾山頂上にて。ヘトヘトの野郎同士でツーショット 「小早川陣跡 ちょっと一言」
小早川秀秋=金吾へ雄叫び。文字から感情が伝わってくるぜ! 既に3冊目
 
(左)謎のメッセージ「私の真ん中に俺が帰ってくる」(右)お爺ちゃんファイト!

(つづく)
●6月1日…岐阜県大垣市の宿にて早朝4時半に起床。S氏も頑張って起きた。4時50分にチェックアウトして行動開始。車のアクセルを踏むと、ほぼ同時に日の出。以下、昨日に続いて岐阜探訪を時間入りでレポート。
・5:00 大垣城…大垣市。関ヶ原合戦で西軍(石田三成)の本拠地となった。朝陽に照らされ金色に輝いてた!造形的に美しい城で、正面から見ると屋根が重なり音楽を奏でている印象。
三成ら西軍はこの大垣城から関ヶ原へ進撃
※岐阜空襲で焼け落ち、戦後に再建
米国と戦争しなければ今も現存し、
間違いなく国宝になっていた。無念
・6:05 龍徳寺/池田恒興(つねおき)墓…揖斐郡。池田恒興は信長と乳兄弟で森長可の義父。小牧・長久手の戦いで討死にした嫡男・元助の墓も。
・6:30 月桂院/稲葉一鉄(良通)…揖斐郡。信長・秀吉に仕えた猛将。主君からの加増を固辞するなど“頑固一徹”の由来。月桂院は門前の花壇が美しく、朝から癒やされた。
・7:30 春日局生誕地…揖斐川町は春日局の誕生地。ネットで生誕碑の存在を知ったが正確な場所は分からず、まずは同町の歴史民俗資料館へ。早朝で閉まってるのは分かってたけど、外に付近案内図があると思った。だが、案内図はなし。散歩中の地元の人も知らなかったため、警察署へ。お巡りさんが3人がかりで地図を調べてくれ、僕のアイフォンに入ってるマップに印をつけてくれた。なるほど、これならお巡りさんにとっても口頭で説明するより効率的。時代の流れを感じた!

警察署で“春日局生誕地”の場所を知る 生誕地碑は茂みの中。最初は通り過ぎた
・8:20 斉藤一族の墓…揖斐川町。春日局の父で明智光秀配下の義将として知られる斎藤利三の墓。この墓所探しが地獄だった!アイフォンに入ってるアップル地図は、「斉藤一族の墓」の公式登録地点が間違っていた!「なぜ見つからない!」「おかしい!」、地図通りにやって来たのに、いくら探しても墓所がない。山中で人もいないし聞くに聞けない。S氏と「スタンド攻撃を受けているようだ」と目まい。最終的には、警察署で“念のために”と写メさせてもらった地図と、アップル地図が異なっていることを発見し、ようやく墓所にたどり着いた。アップル地図がトラップだったとは。将来、S・ジョブズの墓参をする時に今回の一件を吠えたい。

ゴミ箱にうち捨てられた「斉藤一族の墓」
の看板。そのゴミ箱も風化して倒壊…
この森の中に墓所があった!アイフォンの
地図は別地点を表示。シャレになってない
・9:00 谷汲山(たにぐみさん)華厳寺…揖斐川町。西国巡礼の第三十三番札所、結願の霊場として有名。798年創建、天台宗の古刹。真っ暗闇を手探りで進む戒壇廻りを体験。参道で“わらじ”を購入。いつか、わらじで東海道五十三次を踏破したいもの。
・10:40 南宮大社…垂井町。美濃一の宮。鉱山や金属業の総本山。関ヶ原合戦で燃えたが家光が再建。
西国巡礼のラスト、第三十三番札所の華厳寺 華厳寺本堂前の石灯籠にたくさんのハート!
※なぜ石灯籠にハートマーク(外部ブログ)が彫られているのか。浜松東照宮の灯籠にもこの模様がある。どんな宗教的な意味があるのだろう?そんなことを考えて調べてみたら色々トリビアを知った。
・ハートマークは西洋から入ってくる前に、既に「猪目(いのめ)文様」の名で国内で使用されていた(グーグル画像)。
・イノシシは火事から真っ先に逃げるため、猪目文様には火除けの意味がある。
・灯籠の周囲に茶道具(茶せん、茶釜など)が彫られている。原形が京都の善導寺にあることから、このタイプの灯籠を「善導寺型燈籠」と呼ぶ。ただし善導寺の灯籠はハートマークではない。当初は扇子模様で、それが時代とともに変わったという説もある。
・福井県小浜市の明通寺には1270年に再建された古い三重塔があり、既にハート(猪目文様)が入っている。猪目文様が入った国内最古の建築物は何なのか、情報をご存知の方は御一報頂けると助かります。
(つづく〜関ヶ原古戦場へ!)
●5月31日…静岡駅前のネットカフェを5時45分に出発。6時過ぎのこだまの始発に乗って、名古屋に7時10分に到着。名古屋在住のサイト読者S氏が既に駅前ロータリーにて車中に待機しており、握手をかわしすぐに墓巡礼に出発した。S氏は過去にオフ会や高野山の巡歴企画に参加経験あり。20代後半の好青年。イメージは文化系の古代ローマ人。
以下、我々2人の2日間の探訪先を時間入りで記入。土地勘のある人は、この行程がいかに強行軍だったか分かると思う。初日は、名古屋からいったん南下して西尾まで行った後、一気に北上して岐阜市、そこから西進して大垣へ至った。
【愛知】
・7:15 名古屋駅前のロータリーでS氏と合流。
・7:40 建中寺(けんちゅうじ)…名古屋市。尾張徳川家の菩提寺。二代藩主・光友が1650年に建立。徳川家の墓所は個人参拝では扉が開かないことが判明。「あのう、2人は団体にはなりませんか?」。寺側「ハハ…なりません」。チャンチャン。
・8:40 八橋かきつばた園/無量寿寺…知立市。在原業平@伊勢物語ゆかりの寺。約3万本のカキツバタで有名。シーズンを過ぎたけど、かろうじて30本ほどカキツバタが残っていた。
・9:05 業平供養塔…知立市。分骨塚。現地の案内板でこの墓の存在を知り、急遽巡礼!
・9:50 華蔵寺(けぞうじ)…西尾市吉良町。吉良家の菩提寺。「忠臣蔵」では悪役にされている吉良上野介義央(よしひさ)だけど、現地では善政で慕われていた。地元では完全に悲劇のヒーロー状態。
在原業平の墓前はすぐ線路 「吉良(Kira)」。ジョジョ・レーダー反応
吉良上野介義央の墓。
故人を讃えた手前の看板拡大→


「善行という善行のかぎりをつくし」「人生の
行路ようやく終わりに近づこうするに及んで
運命はだしぬけに逆転する」 この地域
一帯では赤穂浪士の方が完全に悪っぽい
・11:25 熱田神宮…名古屋市。三種の神器の一つ、草薙の剣を御神体として祀る。修復が終わり真新しい。
・12:15 白鳥(しろとり)古墳…名古屋市。日本武尊の墓伝承。熱田神宮のすぐ近くという点に説得力。
【岐阜】
・13:35 岐阜城…岐阜市。標高329mの金華山・山頂にあり、途中までロープウェーで登る。天守閣から、はるか彼方まで見渡せた。とんでもない場所に城を築いたものとビックリ。斎藤道三の居城“稲葉山城”を信長が岐阜城に名称変更。
写真の真ん中、山頂の城が見えますか? ズーム。大きな城が信じられない場所に!
岐阜城天守閣からの眺め。眼下に長良川

民家が小さい!そら毎日こんな景色を
見てたら信長の野望も大きくなるわ
・15:10 常在寺/道三墓…岐阜市。斎藤道三の菩提寺。僕が間違えて家臣の墓に手を合わせていたら、S氏が「こっちに道三って彫ってますよ?」と指摘。あ、あ、危なかった!ディ・モルト・グラッツェ、S氏!
・15:20 濃姫遺髪塚…岐阜市。信長の正室・濃姫(帰蝶)の墓。濃姫は斎藤道三の娘。本能寺の変の折、討死にした濃姫の遺髪を持ってこの地まで逃れて来た従者が埋葬。空襲で墓石が焼失するも1975年に濃姫の墓の碑文が見つかった。
・16:15 奥の細道むすびの地記念館…大垣市。芭蕉の奥の細道紀行の終着点。3Dムービーで芭蕉の旅を再現するなど、ハイテクを駆使したハイパー文学館。これで入館料300円は絶対に安い!
「奥の細道」ゴール地点の芭蕉像 この船着き場から江戸へ帰ったという
・18:10 大垣市のシネコンで『X-MEN:フューチャー&パスト』を鑑賞。非常に面白かった!
・21:30 大垣泊。宿でテレビのスイッチを入れると「アイアンマン」をやっていた。今日はマーベルコミック・デー。ウトウトして22時過ぎに轟沈。明日は関ヶ原!




宿にチェックインしようとして
レストランの名前を思わず
二度見。「へれんけらあ」!
ここのマスターはヘレン・ケラー
を店名にするほどリスペクト
しているのか。素晴らしい…!
●5月30日…静岡探訪とオフ会の報告。夜行バスで朝6時すぎに静岡着。今夜のオフ会会場であるライブバーのオーナーK氏が車で迎えに来てくれ、さっそく市内の史跡探訪や墓巡礼を開始。訪問先は以下の通り。
・霊泉寺/穴山梅雪墓…清水区興津。武田二十四将の1人。母は信玄の姉。妻は信玄の娘。川中島の戦いで信玄本陣を守る。境内が広くて墓がなかなか見つからず、住職も不在。30分ほどで見つかったけど、斜面の高低差もあり2時間くらいかかった感じ。墓前に酒用のアイスペールと徳利があり、「酒が好きだったのか」とK氏のテンションが一気にあがる。
・龍華寺/高山樗牛(ちょぎゅう)墓…樗牛は静岡出身ではないけど、この寺から見えた富士山の雄大さに感動して、遺言でここを墓所に選んだそうだ。享年32(肺結核)。墓所には樗牛の銅像があり視線の先に富士山がそびえる。同寺は東海屈指の名園で知られ、巨大蘇鉄(そてつ)や江戸時代からの日本最古のサボテンがある(根元は樹木化。かなりの迫力)。本堂のカラフルな襖絵が素晴らしい。
・草薙神社…当地でヤマトタケルが三種の神器のひとつ、草薙の剣を使い危機を脱した。境内にJAXAもビックリの超大型打ち上げ花火がある。
・沓谷霊園/大杉栄墓…大杉は大正期の社会運動家。日露戦争に反対するなど政府に従わず弾圧を受ける。関東大震災の混乱の中、憲兵大尉甘粕正彦らに虐殺された悲劇のアナーキスト。享年38。大杉の墓が静岡にあることはあまり知られていない。3度目の墓参。
・臨済寺/太原雪斎&今川氏輝墓…葵区の巨大寺。名僧&名軍師の太原雪斎は今川氏をサポートして最盛期を築き上げた。同じ寺に眠る今川氏輝は桶狭間に散った今川義元の兄。
・瑞龍寺/旭姫墓…旭姫は秀吉の異父妹。44歳で家康45歳に嫁ぐ(共に再婚)。秀吉が政略結婚のため無理やり妹を離別させて家康に嫁がせたことから、旭姫の元夫は秀吉に抗議の切腹。旭姫の墓は家康が京都・東福寺から改葬した。
・静岡浅間神社…家康が14歳で元服した神社。
・静岡市文化財資料館…家康が関ヶ原の戦いで使用した軍配など、徳川家や山田長政に関する展示品あり。家康の真筆の書状に感動。

15時半にオフ会の会場に入り、配付資料のコピーなどトークライブの準備。JBLの大型スピーカーで聴くバッハのシャコンヌは最高。19時半にトークライブがスタートし22時半に終了。参加者は14名。平日の夜であり、東京・大阪ではないため、正直、参加者一桁も覚悟していた。それだけに、名古屋や神奈川から来てくれた人もいて感謝。トークライブ後、1時半まで3時間、みんなで色んなテーマを話し合った。この生きにくい社会をどう生きていくか、そんなことも。ある人が“悩み事に捕らわれすぎないよう”という流れで「5年前の悩みを思い出せますか」と言ったのが印象に残った。5年前だって大きな悩みを持っていたはずなんだけど、あらためて問われると思い出せない。ちょっとラクになった。他にメモったのは「ルイ・アームストロングのトランペットは、歌と同じくらいメッセージが伝わってくる」「桂米朝の落語は、他の人が同じネタをやってもあそこまで面白くならない。米朝の話芸だから別次元になる」等々。ロシアまで墓巡礼に行ったという参加者がいて、行程の大変さが分かっているだけに即握手。
僕は日記の内容がリベラルであるため、「反日売国奴」「日本から出て行け」「サイトを閉じろ」といったメールを時々頂く。自分では日本の風土・芸術・文化を人一倍深く愛している自信があるため、“出て行け”メールには、かなり「心の体力」を奪われる。一方、日々サイトを更新し続けるにはかなりの量の「心の体力」が必要だ。
それゆえ、(エネルギーを充填したくて)オフ会で“昔からサイトを読んでいます”と言ってくれた方に、「どうして文芸ジャンキーを読み続けて下さるのか」と聞いてみた。すると、ある人が「バトンの渡し方が優しいから」と言って下さった。バトン!思わず胸熱に。もしそのバトンが、芸術の魅力や偉大な先人の信念であるとすれば、僕自身、他の誰かから優しくバトンを渡されたからだ。その時の肯定的な感触を覚えているから、誰かにバトンを渡すときは同じくらいの強さで渡そうと思ってるんだ。相手の手が腫れ上がるほど強くバトンを渡したら、受け取れずに落ちるだけ。かといって弱すぎるとバトンを渡したことに気付いてもらえない。おすすめ番組情報を連日チェックしているのは、膨大なテレビ番組の中から、優しくバトンを渡してくれる人(番組)を探しているという側面もある。
文芸研究家の使命は“取っつきにくい”と思われがちなアートや文学の敷居を低くすること。そして、それらの活動を通して、人間には相違点より共通点の方がはるかに多いことを知らしめること。オフ会はこれまで、北海道、東京、静岡、大阪、ロスで開催してきた。何年かかってもいいから、47都道府県すべてでやりたいな。
トークライブの参加、有難うございました! 深夜1時、終電後も8人で喋り続ける

※今回、トークライブを採算度外視で企画して下さったライブバー「静岡フリーキーショウ」のオーナーさんいわく「音楽の素晴らしさを伝えるためには良いスピーカーを揃えたライブ会場がいる。バトン(音楽)を渡したくてこの店を作った。その意味でカジポンさんがやっていること、つまり、発信者と受け手を結びつけることの音楽版です」。実際、この夜の収入は僕の交通費でチャラ、店の利益はゼロのはず。文化を支えるために高い志で運営しているライブバーなので、地元の方、ぜひフリーキーショウさんに足を運んであげて下さい。今月は6/13(金)に友部正人さんのライブがあります。
●5月29日…サイト15周年『カジポン・トークライブin静岡』(5/30)まで、あと1日!明日19:30、皆さんとお会いするのを楽しみにしてマス!

//今夜から夜行バスで静岡に向かうため番組情報をまとめてアップしておきます。土曜に愛知、日曜に岐阜の史跡&墓巡礼を敢行するため(文芸ジャンキー版愛知・岐阜探訪MAP)、次回更新は6/2(月)の夜になります。

//明日は僕が応援している若手芸人・こどな君(26)の初めての単独ライブが大阪であります。めちゃくちゃ行きたいけれど、ちょうど静岡のトークライブと重なってしまった(涙)。「ジョジョお笑いライブ」の度に、こどな君の溢れんばかりのジョジョ愛、頭の回転の速さ&記憶力に毎回感嘆しまくり!心からのエールと共に、ここに告知させて頂きます!(ブログ
※開演19:00 場所・OCAT4階難波市民学習センター講堂 前売800円当日1000円
●5月28日…水面に天の川が反射して天地の感覚が消える、そんな体験が出来る南米ボリビアのウユニ湖。リンク先の美しい画像の数々に感動!いつかは行きたいもの。

//時事問題の話題はしばらくお休みしようと思ったのですが、政府が「残業代ゼロ案」やTPPなど、次々と押し進めようとするため、大量アップと相成りました。もちろん、一般のテレビやアート話も。5/23以降、全ての日の日記に加筆しています。量が量なので、少しずつ読み進めて頂ければ…(汗)。

//ジョジョ第3部アニメ、これまで大きな作画崩壊もなく、期待以上の完成度がキープされて嬉しい。第6話のダークブルームーン戦はタバコ規制を黒塗りで強行突破。オインゴ戦のこともあるしカットする訳にはいかないもんね。DVDでは規制解除になるだろう。野太い声の「おにいちゃん」連呼とか、アニメで声が入ると、原作では意識しなかった部分で笑ったり色々発見。そして!ED画面で例の少女に「アン」という名前が付いたことにビックリ。荒木先生がアニメ化にあたって考えたのかな?こういう部分でも今後の楽しみが増えた。第7話のストレングス戦は、相手にセリフがないため盛り上げ方が難しいと思ってたけど、ホラータッチの演出でうまく引っ張った。スタンド戦の色変化で緑色の猿になってしまったのだけ、ちょっと違和感。何の動物か分からなくなった。色変化は難しいね。第8話のエボニーデビル戦、敵の下品な雄叫びが部屋に轟き笑った。アニメで「○○噛み切ってやる」なんてセリフを言ったのは最初で最後では。チャリオッツはカッコいいね。オリジナルシーンもグッジョブというか、ポルナレフが警察で尋問されるシーンを入れることで、この後のラバーソール戦の時にポルナレフがいない理由になっていた。スタンド戦の本格的な駆け引きが始まる前の序盤でこの面白さ。これからどんどん出てくる個性的な敵キャラとの絡みがホント楽しみ!

//スウェーデン王立バレエ団の第1ソリストとして活躍している大阪出身の木田真理子さん(30)が、世界的に権威のあるロシアのバレエ賞「ブノワ賞」を日本人として初めて受賞!日本人の名前が時々あがるローザンヌ国際バレエは新人の登竜門だけど、ブノワ賞は一年間に最も活躍したダンサーや振り付け師らを選ぶバレエ賞。受賞理由は「新たな試みとして『ジュリエットとロミオ』(ロミオとジュリエットの新解釈)に取り組んだことに加え、木田さんの踊りはほかの候補と比べ技術的にも芸術的にも群を抜いてすばらしかった」とのこと。NHK教育で『ジュリエットとロミオ』をノーカットでオンエアして欲しい!
●5月27日…俳優の上川隆也さんといえば、大河『功名が辻』で主人公の山内一豊役を好演し、その後も『龍馬伝』で中岡慎太郎役(龍馬の同志)、『平清盛』で平盛国役(清盛の側近)で、人物の深みを感じさせる名演で視聴者を魅了した素晴らしい役者さん。その上川さんが民放のバラエティー番組でアニメ『ザンボット3』の魅力を“吠えた”というから驚いた。富野監督の『ザンボット3』は子ども向けとは思えないハードなストーリー。僕の世代のアニメファンなら人間爆弾や最終回のトラウマで忘れられない作品だけど、一般的には知名度が高いとはいえない。それをお茶の間に向けてプレゼンするとは!「ヒーローがヒーローでいられない物語」「最後にそれまでのストーリーが全部ぐ〜んって、ひっくり返る瞬間があるんです!」と解説したとのこと。上川さんの生年を調べたら1965年。僕と2年しか変わらない。一気に親近感が湧いた。しかもウィキを見たら、好きなアニメが『伝説巨神イデオン』『未来少年コナン』。ストライクすぎる!いつか実際にお話する機会があればいいなぁ。※『ザンボット3』はエンディング曲(1分)が良い。

//昨夜の大河ドラマ『軍師官兵衛(21)松寿丸の命』、官兵衛の父役を演じる柴田恭兵さんの神演技に圧倒された!絶体絶命の窮地に追い込まれた息子や孫を思いやる表情&涙声は、俳優が演技をしていることを忘れさせた。中谷美紀さんの演技力は定評があるけど、昨夜の演技は感情の振り幅がハンパなく、ただただ見入った。信長を裏切った荒木村重役の田中哲司さん、土牢の中で朽ち果てていく官兵衛を演じる岡田准一さんは、ここのとこずっと見応えのある心理劇を展開。つくづく、俳優さんたちの感情表現の上手さに感嘆!それなのに、視聴率がなかなか伸びない。12〜15%が定位置に。う〜ん、もったいない!昨夜の第21話は番組最後の紀行コーナーまで神回なので、未見の方は是非土曜日お昼の再放送をご覧頂きたいデス!

//中国では立て続けに大きなテロが起きている。一般市民を無差別に襲撃しており、完全に一線を超えてしまった。今日のウォール・ストリート・ジャーナルの社説(『中国政府はウイグル族の文化と自治の要求に敬意を』)にマジ賛成。ほんと、このまま傲慢な政策を続けていくと、北京、上海、あらゆる場所で取り返しのつかない悲劇が起きる。
5月26日…『TPP交渉、著作権保護期間 70年で合意へ』。これは作品にとって幸福なことなのか?著作権フリーになれば、それまでとは比較にならないほど多くの人が作品を楽しめることができるのに。レコードや文庫本、映画のフィルムは、鑑賞者がいなくても物理的には存在できるけど、誰かがそれを味わったときに魂から魂のリレーがあり、作者は受け手の心の中で生き続けることが出来る。著作権の保護期間について、TPP交渉参加12ヶ国のうち、日本やカナダなど6ヶ国は作者の死後50年としており、米国など5ヶ国は70年、メキシコは100年と定めている。僕は50年でさえ長いと思っているので、70年なんて残念過ぎる。親が子に残すものは、生前に貯金したお金や不動産で充分。作品自体は作者の死後10年ほどで、貧しい人でも鑑賞できるよう著作権フリーにして欲しい。人類全体に作品を解放して欲しい。これだけでもTPPに加盟して欲しくないよ。

★TPPについて念押しのおさらい。
(1)NHKなど大手メディアはTPPの懸念を意図的に「農業の関税問題」にしているけど、TPPの対象は農業の他に20分野以上ある。グローバル企業の本丸は金融・保険・医療。海外のハゲタカは、金融・投資の規制緩和によって国民預金1400兆と郵貯マネー250兆の計1600兆の金融資産を吸い上げようと手ぐすね引いて待っている。
(2)格安輸入食料が出回るとどうなるのか。農水省の試算による生産量減少率は「コメ90%、小麦99%、牛肉75%、豚肉70%」。逆にダメージが少ない分野は、りんご9%、柑橘類9%、茶25%、鶏肉20%。だから影響の少ない茶農家はTPPに賛成だったりする。
(3)庶民は安い食料でラッキーという甘い話ではない。過去8年間でロシアや中国など様々な国が、天候不順で不作になった農産物の“輸出制限”を行った。自国民の食糧確保を優先するための禁輸処置だ。政府が国民を優先するのは当然のことだろう。外国の農産物に頼っている日本には深刻な事態だ。いくら日本にお金があっても売ってくれないんだから。世界規模の乱開発、気候変動、人口爆発で、20年以内に必ず食糧危機が起きるといわれているのに、国内の農家や酪農家を廃業させてどうするのか。
(4)推進派は二言目には「アジアの成長を取り込む」というが、あまりに経済規模が違いすぎて、実質的には日米間の自由貿易協定(FTA)になる。 水田など田畑の規模をいくら拡大しても、栽培
面積が広大な米国や豪州には太刀打ち出来ない。
(5)「平成の開国」という言葉も政府は好きだが、既に日本は12カ国以上の国・地域と自由貿易協定を交わしており決して閉鎖的ではない。その証拠に、既に農産物の輸入大国と化している。なぜ二国間の経済連携協定EPAや自由貿易協定(FTA)ではいけないのか。
(6)TPPには「ISD条項」という毒まんじゅうが入っている。憲法<TPPという力関係だから、各国の法律が外国企業の商売を制約した場合、その企業に損失分を賠償せねばならない。実際、北米自由貿易協定(NAFTA)を結んだカナダやメキシコは、領土に有害廃棄物を埋めようとする米国企業を排除した際に、「自由競争を妨害した」と米国企業に告訴され、億単位の賠償金を支払わされた。経済活動において問題が起きた時の第三者機関の審議は「非公開」なうえ上訴不可。この第三者機関は米国にある。
(7)一度変えてしまった制度を「もう元には戻せない」という“ラチェット規定”があるため、「市場を開放しすぎた」と思っても打つ手がない。極めて危険。
(8)政府は「TPPに参加すれば、GNPが10年間で2.7兆円増える」と“効果”を主張するけれど、言い方を変えれば「1年あたり2700億円にしかならない」ということ。日本のGNPは約500兆円。換算すると、「年収500万円の人は2700円だけ収入が増えます」ということ。たったそれだけの“効果”のために、農家から生産意欲を奪い取るTPPに加わろうとしている。
※農協の利権など既得権益が問題になってるけど、農協の改革はTPPと関係なく進めなきゃならないこと。TPPに入らないと改革できないという考えがおかしい。

//東京新聞のスクープから『国民には秘密徹底 TPP交渉 守秘義務4年間』。
→関係者によると、守秘義務契約書の素案は事務局役が作成。各国はこの素案と同内容の契約書に署名しており、日本も交渉に初参加した昨年7月のマレーシア会合で署名した。しかし日本政府は守秘義務契約の内容については「言えない」とするだけだった。契約では、交渉の批准から四年間か、批准しない場合も最後の交渉会合から四年間は交渉経過を秘密にすることを要求。各国が提案した内容や交渉にまつわる条文案など「交渉のために交換した情報」を知ることができるのは、「政府職員」のほか、「政府の国内手続きに参加していて、(情報共有の)必要がある人物」としている。米国では商工会議所や企業幹部など民間人約700人がUSTRの諮問委員を務めている。このため、こうした米大企業関係者は、参加国の国民が知ることができない交渉の過程を随時把握できる形だ。一方、日本では経済団体関係者が「日本政府も米国と同じような契約を」と要望したが、政府は「日本では制度的に難しい」としていた。(元記事
一般の国民に対しては交渉終了後も秘密主義を貫く一方、米大企業幹部など商機拡大を狙う一部大企業などは随時情報が得られる内容。条約発動から4年が経って、グローバル企業に国内をズタズタにされた後で、交渉内容からグローバル企業の本心・狙いが分かってももう手遅れ。幕末なら水戸藩士が大暴れするほどの日本切り売り条約。
●5月26日…『天皇、皇后両陛下:田中正造の直訴状鑑賞』。あまり報道されていないけど天皇、皇后両陛下が私的な旅行で佐野市の市郷土博物館を訪れたことを知って感動した。同博物館には明治時代に足尾銅山の鉱毒事件を告発した田中正造(1841-1913)が1901年に明治天皇に渡そうとしてかなわなかった直訴状が展示されているからだ。
佐野市出身の衆院議員・田中正造は、帝国議会で鉱毒被害を訴えたが聞き入れられず、1901年10月に辞職。2カ月後、帝国議会開院式から帰る途中の明治天皇に直訴し、警官に取り押さえられて直訴状を渡せなかった。直訴状には、渡良瀬川流域を汚染した「毒土」の除去や、足尾銅山の採掘を中止して毒の流出を根絶するよう、天皇から政府に命じることを嘆願した内容が書かれていた。国民の犠牲の上に文明国家は成り立たないと訴え続けた正造。
天皇陛下は正造が直訴の決行直前まで赤字で加筆、修正していたことなどを聞くと「この赤いのが訂正ね」と確かめながら、熱心にご覧になっていたという。正造の魂の叫びは、113年後に天皇陛下に届いた
足尾旅行の目的は一度破壊された自然の再生力の見学。どうして両陛下は私的な旅行でわざわざこの博物館を訪問先に加えたのか。脳裏をよぎるのは昨年10月末に秋の園遊会で、山本太郎議員が行った直訴だ。山本議員は福島県民や原発労働者の健康被害を訴えた。保守系議員を中心に山本議員はバッシングされたが、宮内庁の風岡典之長官は天皇陛下が山本議員の身を案じていることを明らかにした。そして、このタイミングでの田中正造の直訴状の見学。近年繰り返されている護憲発言同様、メッセージ的なものを感じずにはいられない。

//今月1日に発売された週刊文春によると、皇后美智子様は浦和レッズのサポーターによる差別横断幕など、「ヘイトスピーチの問題について本当に心を悩ませていらっしゃいます」とのこと。ソースが匿名ではあるけれど、最近の美智子様の会見などから考えて、信憑性のある記事と思った。

//常に他人へ敬意(配慮)をもって接しておられる天皇、皇后両陛下。それだけに、“明治天皇の玄孫”という肩書きを前面に出してヘイトスピーチを繰り返す竹田恒泰氏(39)の言動は目にあまる。僕は基本的に政治家=社会的強者しか批判しないけど、デマを流したり人種差別を煽動する人物は別。
竹田恒泰氏の二次加害発言は枚挙にいとまがないけど、その中でも最も酷いと感じたのがリンク先のツイート「韓国が慰安婦の像を作るなら、日本は、嘘をつく老婆の像でも作ったらどうだ?口をとがらせてまくしたて、片手には札束を握りしめて、ゆすりたかりをしている感じで」。

慰安婦の悲しい運命を知っていれば、人間としてこんな発言が出来ないはず。知っていて書いているのなら正気とは思えない。竹田氏は今春、慶応大の非常勤講師をクビになった。憲法学の重鎮で保守派改憲論者の小林節・慶大名誉教授でさえ匙(さじ)を投げたのだ。
小林氏いわく「彼の天皇に関する様々な論考を見て、憲法学について勉強させるために講師にしましたが、その肩書が営業の看板に使われた。注意をしても『はい、分かりました』と言って無視をする。反省を望みましたが、あまりにもみだらな話がたくさん出てきて、そういうときに慶應の講師なんて肩書が使われて、ぞっとします。だから私が定年退職する際に、“おちゃらけタレント”みたいになった竹田君も一緒に慶應から消えてもらったんです。このような状況の原因を作ったことを恥じています」(「週刊文春」5月8日/15日号 )。
かつて竹田氏は「(女性宮家問題について)私は旧皇族の男子30名以上の方に会って意見交換をしています」と『新潮45』(2012年3月号)で語ったが、旧皇族男子=1947年10月14日の皇籍離脱まで皇族だった人物は、2012年時点で65歳を超えており、伏見宮博明王(伏見家)、邦昭王(久邇家)、北白川宮(北白川家)、文憲王(賀陽家)、宗憲王(賀陽家)、健憲王(賀陽家)、邦英王(東伏見家)、誠彦王(朝香家)、恒正王(竹田家)、恒治王(竹田家)、信彦王(東久邇家)、俊彦王(東久邇家)の12名しかいない。12名でどうやって「旧皇族の男子30名以上の方に会って意見交換」ができるのか。僕のような素人でも少し調べれば簡単に分かるウソを、臆面もなく世間に向けて語っていることに目まいすら覚える。


※竹田家は存命の恒正王、恒治王が旧皇族だけど、竹田恒泰氏の父親で2020年の東京五輪組織委員会理事の竹田恆和(つねかず)氏は、竹田家が皇室を離れた翌月に生まれているため1秒たりとも皇族ではない。つまり、子どもである恒泰氏は旧皇族でさえなくただの民間人。「殿下」「殿下」と取り巻きが持ち上げている様子に“殿下じゃないよ、みんなと同じだよ…”と脱力。
●5月25日…はじめて『エコーニュース』っていうサイトを知ったんだけど、2ちゃんねるのダークサイドの取材、すごく頑張っている。2ちゃんねるはこれまでに企業の風評被害や個人情報の削除依頼を大量にスルーしてきたことが明らかになっている。一方で、有料で削除代行を行う「風評被害対策センター」のような業者は、リンク先に「当社では2ちゃんねるに投稿されたスレッドを見られないようにする削除サービスをご提供しております」「2ちゃんねるコピーサイト(まとめサイト)も削除可能です!」「削除成功率96%以上」とある。コピーサイトの多くがいわゆるアフィブログ。“成功率96%以上”が本当なら、これはどういうことなのか。“アフィブログ運営のIPがドワンゴと一致”という情報(スレッド)もある。ドワンゴの取締役は麻生副総理の甥、麻生巌氏。ドワンゴの子会社・ニワンゴの取締役が「2ちゃんねる」創設者の西村ひろゆき氏。無関係なら無関係でいい、真相を知りたい。

//『国会議員の給料5月分から月額26万円、年間421万円引き上げ』…国民は大増税される一方、国家公務員と国会議員は賃上げラッシュ。国家公務員の給料は平均8%引き上げられ、行政職平均では月額約3万円、ボーナスを含めた年収では約50万円のアップ。国会議員の給料はもっと増え、5月分から月額約26万円アップ、年間421万円(!)もの引き上げになる。これは震災復興のために時限立法で2年間実施されていた給料削減を、安倍政権が延長せずに打ち切ったからだ。復興予算が全く足りないのに筋が通らない。
リンク先の週刊ポストは次のようにぶちまけている「(復興予算の不足の)原因はシロアリ官僚たちが被災地とは関係ない天下り先への補助金や庁舎の補修、無駄な公共事業などの官僚利権を太らせるために復興予算を流用したからである。流用額は判明しただけでも2兆円を超える。ならば、そのカネは国家公務員の給料カットの継続で穴埋めすべきではないか。8%賃下げで捻出できる財源は年間およそ2700億円。彼らが流用した2兆円を穴埋めさせるためにあと7〜8年、給与カットを続けるのが理の当然だろう」。いずれ給料のカットは元に戻すにしても、少なくとも庶民への大増税の直後にやる事じゃないだろう。さすがに怒りがこみ上げてくる。
●5月24日…安倍氏が導入を検討している「残業代ゼロ」案がヤバ過ぎる。現在の法律では、従業員を一日8時間を超えて働かせる場合、経営者は残業代を支払う義務があるが、これを「時間ではなく仕事の成果」で賃金を決めようというのだ。究極の過労死促進法だし、人件費は極限までカットされ、少子化が絶望的に加速するだろう。労働者の反発を避けるため、ついこの間まで、対象を年収1千万円以上の社員に限定していたのが、最新案では年収の条件が消えてしまっている。その変わり、対象は「幹部候補」などに限定するという。幹部候補!そんなのブラック企業なら「わが社の社員は可能性の原石だ!すべての社員が未来に夢を持つ幹部候補だ!」と某居酒屋チェーンのトップあたりが既に言ってそうだ。
新たな「残業代ゼロ」案では、経営者が制度を乱用しないよう「労働組合を持つ企業を対象&本人の希望で適用する」とあるけど、多くの労働組合は経営者の言いなりでサービス残業が横行しており、従業員の発言権が皆無に等しいような職場で、立場の弱い労働者側をこんな甘い条件で守れる訳がない。また派遣法を見れば分かるように、法律というものは、いったん制定されると権力側の都合でどんどん対象が拡大されていくもの。この「残業代ゼロ」案も改悪されていくのは確実。そんな法案よりも、目の前の過労死・過労自殺から国民の生命を守るためにサビ残禁止法を作り、欧米のように労基法を違反した経営者は監獄に送ってくれ。そこまでしないと絶対に日本社会は変わらないし、少子化は改善しない。家族を養えるだけの賃金がなく、肉体的にも家に帰ったらバタンキューで、どうやって第3次ベビーブームが来るんだ?
非正規はボーナスも退職金もなく低賃金使い捨て、正社員は名ばかり幹部候補にされてエンドレスのサビ残。この国は一体どこへ向かっているのか。

//ネットで話題になっている、魔法のステッキを持つ浅田選手。もちろん合成なんだけど、ステッキの浮遊感がめちゃくちゃリアルで見入った。
●5月23日…ニュースで集団的自衛権を説明する際、朝鮮半島から米国に向けて撃たれたミサイルを日本が撃ち落とすイラストが出てくるけど、ワシントンなど米国本土を狙った場合は北極方面に向けて発射されるので日本上空は通過しないそうだ。また、軍艦は避難する民間人にテロリストが紛れ込んでいるといけないので、基本的に民間人を乗せないとのこと。なんで防衛に詳しい石破氏が「非現実的な設定です」と安倍氏の紙芝居に突っ込まないのか。

//21日の日記に「大飯原発・運転再開差し止め判決」について、個人的に感動しまくった判決内容を紹介。

//20日の日記に安倍内閣が「竹島は日米安保の対象外」と閣議決定した話、そしてネットで話題になっている、自民支持者が安倍事務所にかけた移民法抗議電話についてのコメントをアップ。支持者相手にあの対応(「政治に文句がなるならあなたが立候補すれば」「首相は国民の代表ではない」)はアウトだわ…。
●5月22日…5/16〜5/19の日記で「集団的自衛権」について、がっつりアップしました。安倍氏の会見で分かった問題点を整理。それにしても、あの会見直後(2時間後)にリベラル派であるはずの毎日新聞、朝日新聞の幹部が安倍氏と仲良く会食してたのは衝撃。ジャーナリズムの死。腹が立つやら脱力するやら。

//平成の大修理で3年半も囲いに覆われていた世界遺産・姫路城。この度、最上部の修復が終わり鉄骨が外された。屋根瓦の白い漆喰が新しくなり、姫路城の別名が“白鷺城”であることに納得!(動画1分)。8月には中段から下の鉄骨が全て取り外され全容が見られるとのこと!

//ディズニーが11月に全米で公開する新作アニメ『Big Hero 6』は日本人が主人公とのこと!主役の少年の名前はハマダ・ヒロ。予告編(1分50秒)を見るとロボットものっぽい。こりゃ公開が楽しみっすね!
●5月21日…本日、福井地裁で大飯原発の運転再開の差し止め判決を下した樋口英明裁判長に国民栄誉賞をあげたい。文章はさすが裁判長というか、明快かつ圧倒的正論。こちらにアップされた判決要旨全文や、朝日が掲載した判決要旨から、全文は長いため、特に感銘を受けた部分を紹介(「本件原発」→「大飯原発」のように、一部を読みやすく置き換えてます)。

・大飯原発に求められるべき安全性…原子力発電技術の危険性の本質と、それがもたらす被害の大きさは福島原発事故で明らかになった。本件(運転差し止め)訴訟では、大飯原発でそのような事態を招く具体的危険性が万が一でもあるかが判断の対象とされるべきで、福島原発事故後、この判断を避けるのは裁判所に課された最も重要な責務を放棄するに等しい

・原発の特性…巨大地震がおきた場合、速やかに運転を停止し、停止後も電気を利用して水で核燃料を冷やし続け、万が一に異常が発生したときも放射性物質が発電所敷地外部に漏れ出すことがないようにしなければならない。大飯原発には、冷やす機能と閉じ込める構造において次の欠陥がある

・冷却機能の維持について…被告(関電)は、700ガルを超える地震が到来した場合の事象を想定し、それに応じた対策を順次とっていけば、1260ガルを超える地震が来ない限り大事故に至ることはないと主張する。逆に、1260ガル超の地震でシステムは崩壊し、メルトダウンに結びつく。大飯原発に1260ガルを超える地震は来ないとの、確実な科学的根拠に基づく想定は本来的に不可能だ。むしろ、わが国で記録された最大の震度は岩手宮城内陸地震での4022ガルで、(大飯の耐震性)1260ガルという値はこれをはるかに下回る。被告は、700ガルを超える地震が到来することはまず考えられないと主張するが、現に全国で四つの原発に5回にわたり、想定した地震動を超える地震が、2005年以後10年たらずの間に到来している事実を重視すべきだ地震大国日本で、基準地震動を超える地震が大飯原発に到来しないというのは根拠のない楽観的見通しにすぎない。全交流電源喪失から炉心損傷開始までの時間は5時間余で、炉心損傷開始からメルトダウン開始までの時間も2時間もないなど、残された時間は限られている。

・閉じ込めるという構造について(使用済み核燃料の危険性)…大飯原発では、核燃料部分は堅固な構造をもつ原子炉格納容器のなかにある。他方、使用済み核燃料は格納容器の外の使用済み核燃料プールと呼ばれる水槽内に置かれ、本数は1千本を超える。プールから放射性物質が漏れたとき、発電所敷地外部への放出を防ぐ格納容器のような堅固な設備は存在しない
大飯原発のプールでは、全交流電源喪失から3日を経ずに冠水状態が維持できなくなる。わが国の存続に関わるほどの被害を及ぼすにも関わらず、3日を経ずして危機的状況に陥る。そのようなものが、いわばむき出しに近い状態になっているのである

・大飯原発の現在の安全性…大飯原発の安全技術及び設備は、確たる根拠のない楽観的な見通しのもとに初めて成り立ちうる脆弱(ぜいじゃく)なものと認めざるを得ない。

・被告(関電)のその他の主張について…被告は大飯原発の稼働が電力供給の安定性、コスト低減につながると主張するが、当裁判所は、多数の人の生存そのものに関わる権利と電気代の高い低いの問題等を並べて論じるような議論に加わったり、その議論の当否を判断すること自体、法的に許されないと考える
このコスト問題に関連して国富の流出や喪失の議論があるが、たとえ大飯原発の運転停止で多額の貿易赤字が出るとしても、国富の流出や喪失というべきではなく、豊かな国土とそこに国民が根を下ろして生活していることが国富であり、これを取り戻せなくなることが国富の喪失だと当裁判所は考える
また被告は、原発の稼働が二酸化炭素排出削減に資するもので環境面で優れている旨主張するが、ひとたび深刻事故が起こった場合の環境汚染はすさまじい。福島原発事故は我が国始まって以来最大の公害、環境汚染であることに照らすと、環境問題を原発の運転継続の根拠とするのは甚だしい筋違いだ

・結論…原告らのうち大飯原発から250キロ圏内に居住する者は、大飯原発の運転で直接的に人格権が侵害される具体的な危険があり、請求を認めるべきである。大飯原発3、4号機の運転差し止めを命じる。

“生存の権利”と“電気代”を並べて議論できない(倫理的に許されない)ということを、司法が明言してくれたことが嬉しい。“国富の流出”についての反論は、読んでて目頭が熱くなった。こんな当たり前のことを、3年間ほとんど訴えなかった大手メディア。この判決を機に巻き返したい。
●5月20日…先日(5/13)、安倍内閣が「竹島は日米安保の対象外」と答弁書を閣議決定。思わずニュースを二度見した。これって、韓国による竹島支配にある意味“お墨付き”を与えるに等しいわけで、日本人的にはかなり大きな出来事のはずだけど、大荒れになると思ったネット保守層が驚くほど静か。民主党政権は国際司法裁判所に提訴すると言っていたのに、安倍政権になってその話はとんと聞かなくなり、逆に竹島を奪われても日米安保条約が適用されないと宣言(政府にとって微妙な問題なので「答弁は控えさせて頂く」と答える選択もあったのに、まさかの閣議決定)。これ、もしも民主党政権が「竹島は日米安保の対象外」と閣議決定してたら大騒ぎになっているハズ。僕は自分と異なる意見を知るために保守系ブログもいろいろ見るけど、この件は不思議なほど触れられない。

移民拡大路線、前のめりのTPP、尖閣漁場の台湾への譲歩、デフレ脱却と矛盾する消費増税、消費増税直後の公務員給与増額…ネット保守層は新自由保守の安倍政権に随分裏切られている。
どこまでネット保守層は安倍氏を支持し続けるのだろうか?そんな風に思っていたら、昨日からある動画が大きな話題に。自民支持者を名乗る人物が、移民を押し進める安倍政権に抗議するため安倍事務所に電話したものだ。
今年3月、安倍内閣は入管法改正案(移民法/正式名称「出入国管理及び難民認定の一部を改正する法律案」)を閣議決定した。内容は「高度な技能を持つ外国人(高度人材)が日本で一定期間(3年を想定。現在5年)働けば永住許可」「その外国人は親族、家事使用人らを一緒に連れてきてもいい」というもの。この法案の問題点は大きく3つ。
(1)「高度な人材」の定義がないため際限なく認定される可能性がある
(2)“親族、家事使用人”という同行者の定義も曖昧で、親戚一同の移民もあり得る
(3)滞在中に失職した場合に当人や親族一同がどうなるのか規定がない
というもの。電話の人物はこれらの問題点を指摘したかったと思うけど、結論から言うと、そこまで話を聞いてもらえなかった。

電話に出た“安倍氏の国会事務所の職員”はドン引きするほど高圧的で、「首相は国民の代表ではない、選んだのは代理人(国会議員)」「あなたは山口(安倍氏の選挙区)の人?」「政治に文句があるのなら、あなたが立候補すればいい」と取り付く島がない。立候補にかかる300万の供託金を口にすると「300万円くらいコンビニで一年間バイトすれば何とかなるだろう、その努力をしたことがあるのか」とたたみかけられ、最後は「忙しいので」と切られてしまった。
この対応は酷い。日本国憲法の第43条は「両議院は、全国民を代表する選挙された議員でこれを組織する」となっており、その意味では首相だって議員なんだから国民の代表。相手が本当に安倍事務所の人間か疑う声もあるけど、電話をかけた人物は保守として有名な人物らしく、“これはガチだろう”という見方が多い。だいたい、コンビニのバイトで一年で300万円も貯金できると考える金銭感覚が異常。生活費を引いて300万貯まれば庶民はこんなに苦しまない。こんな人物が安倍氏の取り巻きと思いたくないので、ネタ動画であることを祈る。
※YouTube『“移民法案の提出”について安倍総理の国会事務所に意見を伝えた』(9分45秒)
※日本における立候補に必要な費用=供託金制度はマジで問題。アメリカ、フランス、ドイツ、イタリアには供託金制度がなく、ゼロ円。それでも選挙は成り立っている。また、供託金制度がある国であっても、イギリスは約9万円、カナダは約7万円など総じて安く、日本の300万円は突出してバカ高い

//討論番組を見ていたら、ある保守論客が「世界で集団的自衛権がない国なんて日本だけ」と言ってたけど、スイスは集団的自衛権を持っていないよ。
●5月19日…小林よしのり氏といえば、リベラル側から見ればいわゆるネット右翼の生みの親であり、僕はずっと氏に対して批判的だった。しかし、今月8日の時事通信に載った氏のインタビューを読んで、かなりの部分で意見が合い驚いた。氏は今も保守なんだろうけど、明らかに安倍・田母神系とは異なるように感じた。時事通信のリンク先はそろそろ消えそうなので、以下に転載保存。
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『行使容認は危険−漫画家小林よしのり氏・集団的自衛権を問う』

−集団的自衛権行使容認の議論をどうみる。
極めて危険だ。間違いなく米国と一緒に侵略戦争をすることになる。限定的容認論もうそっぱちで、地球の裏側で自衛隊が戦争することに国民も気付いてない。

−もともと反対だったのか。
アフガニスタン・イラク戦争から問題があると思い始めた。日本はイラク戦争の総括をしていない。大義だった大量破壊兵器はなく、実際には侵略戦争だった。北朝鮮の脅威があるから米国と戦うと言ったが、逆に危機は増している。イラクに行った当時の陸自隊長(佐藤正久参院議員)は他国軍に守られて活動するのは屈辱的だと言うが、自衛隊のメンツのために議論しているのではない。わしは護憲派ではないし、憲法9条もおかしいと思うが、改憲しても米軍の戦争に付き合うのは全く了承できない。

−安倍政権はケースを分けて行使容認を想定している。
日本の護衛艦と米艦が公海を並んで航行している時に米艦が先に攻撃を受けるのは、絶対あり得ない。そんな異常な設定で議論を急ぐ理由は、中国に対する恐怖しかない。尖閣諸島国有化以降の軍事的な挑発が怖くてしょうがないから、米国に守ってほしいというのが一番の理由だろう。

−小林さんの著作を読み、自衛隊に入隊した若者もいる。
自衛隊員は優秀だし、日本のために命令があればどこでも行くという覚悟は立派だ。だからこそ無意味に、簡単に殺せないし、死地に追いやれない。自国防衛で亡くなったら英雄として扱えばいい。でも、侵略のレッテルがはられる戦争で亡くなるのはかわいそうだ。

−解釈改憲については。
閣議決定での解釈改憲は筋がおかしい。日本では「誰が政治をやっても同じ」というニヒリズムが(安倍晋三首相の)独裁につながっている。民主主義が機能していない。

−中国との緊張は高まっている。
尖閣国有化で、日中のチキンレースが始まり、いつ戦争が始まってもおかしくない。首相が靖国神社に参拝するのは原理原則だが、この状況ではまずい。時局は変わる。何が国のためになるかをその都度考えるのは疲れる作業だ。みな原理主義に陥っているが、状況が変われば戦略も変えないといけない

−ナショナリズムの大切さを訴えてきた。
新しい歴史教科書をつくる会の活動などでナショナリズムを復活させたが、排外主義に流れてしまった。嫌韓、反中の排外主義には将来がない。いくら憎んで怖がっても、日本列島は朝鮮半島、中国とあまりに近い。憎むと最後は戦争しかなくなる。(アジアが連帯して欧米に対抗する)大東亜主義の理念をよみがえらせないとだめだ。

−「自主防衛」を主張してきたが、何が必要か。
日米安全保障条約による「日米安保体制」という言葉がいつの間にか「日米同盟」にすり替わった。安保条約の第1条は国連中心主義をうたっているが、米国は気に食わない。一度、日米安保に戻る必要がある。侵略戦争をしないために建前でも国連中心主義は必要。個別的自衛権を強化して、自国防衛で最大限戦えるようにする。憲法改正するにしても、「侵略戦争はしない」という一文が絶対に必要だ。(以上)

※まさかウチのサイトで小林氏のインタビューを肯定的に取り上げる日が来ようとは。もちろん、対立するよりも共闘できた方が良い。保守勢力も安倍・竹中の新自由主義者と、旧来の日本社会を大切にする保守と、かなり分かれ初めて来た印象。

//読者の方が教えて下さったジョークサイト『虚構新聞』の記事「内閣府“日本を取り戻す”懸賞論文、開催中止に」に噴いた。「年金受給開始年齢240歳」って(笑)。
●5月18日…今回の集団的自衛権についての首相会見関連ニュースで、最も脱力し、また怒りにとらわれたのは、安倍氏が会見を行ったまさにその日(5/15)の夜、NHK、毎日新聞、朝日新聞、時事通信の幹部が安倍氏と会食していたことだ(読売、産経がいないのは最初から調略の必要がないからか)。以前にも書いたけど、欧米のメディア幹部は政権トップと食事なんかしない。読者に中立を疑われるし、権力に尻尾を振ってたまるかというプライドがある。だが、安倍氏は会見の約2時間後、午後8時から10時まで西新橋のすし店「しまだ鮨」で、朝日新聞の曽我豪編集委員、毎日新聞の山田孝男特別編集委員、時事通信の田崎史郎解説委員、島田敏男NHK解説委員らと会食をしている。この島田敏男NHK解説委員は秘密保護法の時も会食しており、あまりに権力に近すぎる(なんと今日のNHK『日曜討論 集団的自衛権』の司会が島田解説委員!)。ほんと、この辺のメディアと権力のズブズブから改革しないとどうにもならん。(リンク「首相動静watcher」から)
/海外の報道機関の独立性については、このブログ記事『英BBC、時の政権と距離を置くよう腐心〜運営の仕組みと具体例を見る』が詳しい。英国で国営放送BBCが政権批判を堂々と行えるのは、「報道の不偏不党が法律で規定されている上に、新聞、ネットも含めたメディア及び社会全体で報道組織の独立性を重要視する認識が確立しているためだ」とのこと。中でも注目したのがアルゼンチンとのフォークランド紛争(1982)のこと。“大衆紙が愛国主義的報道を行う中、BBCのニュース番組「ニューズナイト」の司会者は国防省の情報を「英国側(の情報)を信頼するとすればだが」と表現。「わが軍」ではなく「英国軍」と呼ぶなど、距離を置く言葉を使った。大衆紙サンは政府の情報を信じない司会者がいるBBCを「裏切り者」と呼び逆風を吹かせたが、BBCは方針を変えなかった”。脱帽。
/報道の独立性を巡っては今月16日、韓国の公共放送・韓国放送公社(KBS)の複数名の報道本部長が集団辞任を表明。「政権と密接に関わり、報道の公平性を害した者にKBSの社長を務める資格はない」と、社長の退任を求めている。NHKの幹部たちも、安倍氏と非常に親しいNHK籾井会長に対して抗議する気骨が欲しい。
【24日追記】またNHK百田尚樹経営委員が耳を疑う発言。時事通信によると、本日、自民党岐阜県連の定期大会で百田氏は講演し、自らを憲法改正派と紹介した上で、軍隊を持たない南太平洋のバヌアツ、ナウルの国名を挙げ、「家に例えると、くそ貧乏長屋で、泥棒も入らない」などと両国を揶揄(やゆ)する発言をしたという。百田氏は2月の東京都知事選の応援演説で、対立候補を「人間のくず」と非難したことなどが問題視され、NHK経営委員会が「委員一人一人が、公共放送の使命と社会的責任を深く自覚し、一定の節度をもって行動する」との見解をまとめた経緯がある。バヌアツやナウルでの対日感情は悪くないのに、なぜ他国を侮辱するような酷い発言をするのか。それが美しい日本人のあり方か?
●5月17日…(つづき)安倍氏は憲法を正式な手続きで改正せずに、強引に解釈を捻じ曲げて集団的自衛権を行使しようとしている。
集団的自衛権とは『日本が攻撃されていないにもかかわらず、アメリカ(同盟国)が攻撃されたら相手国に反撃する』というもの。相手国にすれば攻撃対象でなかった日本側から先制攻撃を受けることになる。これまで歴代内閣は、憲法第9条で戦力不保持が規定されても自衛隊を持っていることについて、「憲法は自衛権を否定してない」と自衛のための軍備を整えてきた。また、憲法第13条は国民の幸福追求権の尊重をうたっており、侵略された時に国家が国民を見殺しにしないために自衛隊を保持してきた。このような背景から、歴代内閣も大半の憲法学者も、他国の領土、領海で自衛隊が攻撃を行うことを禁じてきた(厳密にはイラク戦争で米艦船に給油したり、フル装備の米兵を航空自衛隊がバグダッドに運んでいたのは、軍事行動に参加しているのも同然だけど、少なくとも目の前の敵に引き金は引いてなかった)。
1954年の自衛隊発足以来、60年間も「武力行使を受けた時にそれを排除するための必要最小限度の実力の行使は可能」としてきたものを、「自分が武力攻撃を受けてなくても攻撃可能」と変更するのは、日本という国のあり方を激変させるものであり、少なくとも憲法の改正は絶対条件だ。安倍内閣(というより安倍氏)が、独断で解釈できるような軽いものではない。
僕はこの間、様々な憲法学者、元防衛官僚などの意見に目を通してきた。最も多く見られた意見は次の2つ。
(1)解釈改憲は“法の支配”の否定であり認められない。正々堂々と改憲を提案して国民投票にかけるべき(保守改憲派ですら法律専門家はこの意見が大半)。
(2)仮に中国が尖閣問題で日本を攻めてきた場合は、普通に個別的自衛権の対象であり憲法を改正する必要はない。行使を容認できるケースを「放置すれば日本の安全に重大な影響が及ぶ場合」と定義し
安倍氏はこの2点に何も答えていない。そればかりか、5月15日に安倍氏自ら国民に向けて行った集団的自衛権の行使容認を求める説明は、自衛隊イラク派遣に第一線で関わった元防衛官僚の柳澤協二氏がNHKや民放の討論番組で「最も集団的自衛権の事例として的外れな内容」と言っていた。

  

安倍氏は赤ちゃんや少女が米艦船に乗っているパネルを持ち出し、“この船が攻撃されるのを見ているだけでいいのか”と訴えた。これについて柳澤氏は「こんな事態にはならないし、もしそうなったら官邸の危機管理の大失態」という。その理由→
(1)ある国から攻撃を受ける場合、その前に敵国が部隊を集結させ、燃料を集め、弾薬を補給するという大きな動きが出る。これは必ず分かるし、そのために自衛隊、防衛省はずっと情報能力を蓄積してきている。逆にそんなことも分からないようでは、そもそも何の為に税金を使って仕事をしてきたのかということになる。
(2)それゆえ、情勢が緊迫した時点で、外務省は不要不急の渡航は控えるように勧告を出す。次の段階で「退避勧告」を発令。この段階ではまだ民間機が飛んでいる。民間のエアラインが何便も飛んでる間に殆どの人を引き上げさせる。戦争になれば民間人は作戦の邪魔になるため、軍事的観点から言っても早くど民間人をどかしておかなくていけない。
(3)最後に大使館員が残ったとして、常識的には米軍の輸送機など飛行機で退避するのであって、艦船に乗るなんてあり得ない。
(4)退避させるにしても、まずは弾の飛んでこない比較的安全な所に避難して頂き、ある程度状況が落ち着いてから運ぶのが鉄則。
(5)安倍氏が見せたパネルのような、邦人を載せた米艦船を自衛隊が守らなければいけないような事態は、官邸の危機管理の大失態ということになる。
動画の中で、柳澤氏は安倍氏のパネルを「個別的自衛権や警察権で対応でき、集団的自衛権はいらない典型的なケース」「非現実的な想定で国民の情に訴えている」と説明している。

/これまで日本政府は、自衛権発動のための3要素を次のように定めていた。(1)日本に対する急迫不正の侵害がある(2)それを防ぐ為の他の手段がない(3)必要最小限度の実力行使にとどめること。この3つの要件を満たさなければ、個別的自衛権であっても武力行使できなかった。安倍氏は「集団的自衛権になっても必要最小限度の実力行使は変わらない」と言う。言葉のレトリックで“必要最小限度”と聞けば受け入れやすくなるけど、日本に対する武力攻撃を排除するための必要最小限度の攻撃(個別的自衛権)と、アメリカに対する武力攻撃を排除するための必要最小限度の攻撃(集団的自衛権)は、同じ「必要最小限度」という言葉でも規模がまったく違う。アメリカを守るための必要最小限度など想像もつかない。しかし安倍氏はそこに触れずに「必要最小限度」という言葉を使っている。安倍氏は“行使を容認できるケース”について「放置すれば日本の安全に重大な影響が及ぶ場合」と定義したが、これだってあまりに漠然としており、解釈のしようで何だって当てはまる。
僕たち国民が想像する必要があるのは、安倍氏が用意したあのパネルの次に、どんなパネルが待っているかということだ。あのパネルは始まりの1枚でしかない。2枚目は戦争に突入する絵だ。殺し、殺される絵。そして戦争は始めることより終わらせることの方が難しい。3枚目は泥沼化。憎悪の連鎖で国内では爆破テロ。恐ろしいことに、日本海側に原発がズラリと並んでいる。4枚目は…兵器が前大戦より強力化している今、これがバラ色になっているとは思えない。

【結論】憲法の解釈が時の政権の意向で変更されてはたまらない。政策の安定性も損なわれる。郵政民営化の際、小泉氏は解散・総選挙に踏み切って国民に信を問うた。戦争に至る可能性がある集団的自衛権が、郵政民営化より軽い事案とは思えない。安倍氏がどうしても集団的自衛権を行使したいなら、集団的自衛権をテーマに「解散・総選挙」を実施すべきだ。そして憲法改正の国民投票も。中国や北朝鮮が脅威なら、個別的自衛権で対応できる。どうしても集団的自衛権が必要なら、最低でも行使は“日本領海のみ”という地域条項を作れ(さもないと中東に狩り出される。安倍氏が「中東派遣はない」と言っても、後の政権が判断を変えない保証はない)。こんな解釈改憲を許しては民主主義の汚点になる。「内閣総理大臣は憲法を解釈する権限を憲法上有していない」(大浜啓吉/行政法学者)。
※推薦動画『集団的自衛権を考える超党派の議員と市民の勉強会』※元防衛官僚・柳澤協二氏の講演。ホント分かりやすい。容認派の人にこそ見て欲しい。
●5月16日…戦前、護憲運動で活躍し「憲政の神様」と呼ばれた犬養毅首相。軍部の満州侵略に反対し、日本は中国から手を引くべきとの持論をもっていた犬養首相は、満州国樹立から2ヶ月経っても政府の満州国承認には慎重だった。そして1932年5月15日、海軍急進派の青年将校らは総理公邸に乗り込み、「話せばわかる」と語りかける犬養首相を「問答無用」と射殺した。駆けつけた家人に犬養首相が最期に言ったのは「今撃った男を連れてこい。よく話して聞かすから」。過去に軍部の暴走を止めようとした原敬首相、浜口雄幸首相も右翼にテロで殺害されており、ついには首相公邸に軍人が乗り込んでの射殺。軍部に逆らえば首相でさえ殺害される…護憲派は震え上がり、軍部の発言権が一気に増した。事件の11日後、海軍大将・斎藤実が首相となって政党政治は終焉。満洲国承認決議案が全会一致で可決された。1945年の敗戦まで13年間政党政治は復活しなかった。裁判所は軍部に甘く、実行部隊の軍人は首相暗殺犯にもかかわらず、死刑ではなく禁固15年となった。この軽い判決が、「クーデターをしてもたいして罪にならない」と軍部を増長させ、4年後の二・二六事件に繋がっていく。そして日本は戦争の泥沼へ。
昨日5月15日、安倍氏は会見を開き、『日本が直接攻撃されていなくても、自衛隊が海外で戦闘可能』となる集団的自衛権について、憲法改正も国民投票もせずに、安倍内閣(というか安倍氏)が憲法“解釈”で認めていきたいと説明。国会軽視ぶり、憲法軽視ぶりに絶句した。
そもそも、憲法は権力=政府を縛るものなのだから、縛られる側が解釈を変えたらいけない。例えば、憲法第14条「すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない」も、第29条「財産権は、これを侵してはならない」も、これは“国民が政府に対して命じている”ことだ。そして第9条は国民が国に戦争をさせないと決めた規定。首相には憲法を自由に解釈する権利はない。もし首相が勝手に解釈できるなら、首相が代わる度に恣意的に利用される。安倍氏はこの最も基本的な部分を理解していないように見受けられる。

/NHKが最悪なのは、安倍氏に“集団的自衛権容認”の報告書を出した「安保法制懇」のことを、まるで「政府の公式諮問機関」のごとく報道している点だ。「安保法制懇」は(1)政府の審議会ではなく首相個人の私的諮問機関(2)メンバー全員が安倍氏の“お友だち”で集団的自衛権オール容認派(3)「法制懇=法的基盤の再構築に関する懇談会」という名称なのに、法学部出身の憲法学者が一人もいない(4)国のあり方が根っこから変わる話なのに議事録もなく、会合は6回だけ、全部出来レース。メンバーも報告書も何ら権威がないのに、NHKは全くそこに突っ込まず「有識者」「安保法制懇が提出」と説明するばかり。
この事態に改憲派の憲法学者(小林節・慶応大学教授ら)でさえ、「解釈による改憲は法律上許されない。集団的自衛権を容認するなら堂々とルールに従って改憲せよ」と主張している。首相が自由に憲法を解釈できるなら、国会などあってないようなものだ。82年前の5月15日は、政党政治が終わるきっかけとなった日。後世の人々が歴史を振り返った時に、昨日の会見を「平成の五・一五事件」と呼ばないようにせねば。(つづく)
●5月15日…『キャプテン・アメリカ ウィンター・ソルジャー』レビュー。骨太SFサスペンスに喝采!浅いストーリーが叩かれた前作(第1作)と同じ脚 本家コンビとは思えない。重大ネタバレを避けつつ、これを書かなきゃレビューにならない&書いてしまっても鑑賞の楽しみを奪わないと感じたことを書きた い。
この映画はヒーローに対して2つの問いかけを行った。防御のための先制攻撃の是非と、平和のための国民監視の是非だ(予告編 1分半)。アフガン・イラク戦争以来、米軍はテロ防止を理由に、武装勢力のアジトに向けて無人偵察機を使った先制攻撃(標的殺害)を行っている。イスラエルもパレスチナ武闘派の幹部を長年ミサイルで暗殺してきた。本作品の監督ジョー・ルッソは語る。「問題はどこで立ち止まるかだ。我々が自分をより安全にするために100人を殺せばいいなら、そうするか? もしもそれが1000人だったら? 1万人だったら?100万人だったら? どの時点で貴方は立ち止まるか?」
/これまで多くのSF映画、SF文学で、近未来の国家権力による国民の監視社会が描かれてきた。それらは架空の出来事だった。ところが、9.11事件後、 米国では「テロ阻止」の名の下、政府・権力がより自由に国民を盗聴したりメールを盗み見できる「愛国者法」が、ロクな審議もなく可決された。監視システム の名は“PRISM(プリズム)”。そして元CIAのエドワード・スノーデン氏は、それらの諜報活動が、米国民に対してだけでなく、今や他国民にも行われ ていることを暴露した。現実がSFを超えた。このホットなテーマが、娯楽ヒーロー映画である本作品に反映されたことに驚いたし、あの名優ロバート・レッド フォードが出演を快諾したのもビックリ。おかげで画面が引き締まった。レッドフォードは『大統領の陰謀』『コンドル』で国家権力の諜報組織と戦う男を演じ ている。
/キャプテン・アメリカは第二次世界大戦の時に肉体をドーピングされた兵士。星条旗をイメージした衣装が象徴するように、まさに動く愛国心。1作目のラス トは、戦後、冷凍睡眠になっていたキャプテンが現代に甦ったシーンで終わった。果たして70年の眠りから復活したキャプテンの目に、愛国心を掲げて国民を 監視する行為は「正義」に映るだろうか。人々は「自由の代償」として権力からの監視を受け入れるべきなのか。
/キャプテン・アメリカはとても地味なヒーローだ。ミサイルや剣などの武器を装備しておらず、持っているのは“楯”だけ。空を飛べないから自分の足で走り、楯を投げた後は、自動で戻って来ないために拾いに行くしかない。 コスチュームはダサく、スーパーマンじゃないから銃で撃たれるとケガをする。でも、特殊能力がなくても、キャプテンはひるむことなく、ひたすら接近して相 手を締め上げる。冒頭から最後まで肉弾アクションの連続。誰が味方で、誰が敵か分からなくなる展開は緊張が途切れず、2時間16分退屈なし。量産される一 連のアベンジャーズ映画の中でも、『アイアンマン』(軍事産業の闇がテーマ)、『アイアンマン3』(ヒーローが戦闘トラウマでノイローゼ)、『アベン ジャーズ』(“正義”がヒーローによって異なる)と並ぶ、大人も楽しめる名作。オススメです。
【以降、ネタバレ文字反転】ま さか正義の味方のはずの諜報機関シールドが内側からメタメタに崩壊するとは。キャプテンがシールドから攻撃されるなんて想像もしなかった。そしてスノーデ ン化するキャプテン。キャプテンによる真相暴露の演説シーンは鳥肌モノだった。その演説を聞いた気の弱そうな職員が命がけで悪党に反抗する場面も胸に残 る。アメリカ映画である以上、平和のための予防措置を理由にシールドを必要悪として残すかと思いきや、「私たちは丸腰になった」。民主主義国家を生きる市 民として最も大切なものを守るために、勇気を出して“丸腰”になった人々。この物語をどう発展させていくのか、2016年公開の続編が楽しみだ。
●5月14日…遅ればせながら上映中の『アナと雪の女王』『キャプテン・アメリカ ウインターソルジャー』を見てきた。どちらも大満足。特にキャプテンはスノーデン事件を思わせる骨太のテーマに唸った。
・『アナと雪の女王』…子連れゆえ日本語吹き替えで見たら、これが大正解。エルサ役の松たか子さんも、アナ役の神田沙也加さんも、予想を上回る圧巻の歌唱力!特に神田沙也加さんは母親が松田聖子さんということくらいしか知識がなかったので、明るく伸び伸びとした歌声に驚き、また聞き惚れた。神田沙也加さんの歌声はデュエットの「生まれてはじめて」(1分32秒/最初が松さん、続いて神田さん)、松たか子さんの歌声は再生回数3200万回突破「Let It Go」(3分45秒)で存分に味わえる。背景のCGの美しさは驚きの連続。氷の質感ハンパなし!
設定で面白いと思ったのは、姉エルサは魔法でモノを凍らせることができるのに、自分の意志では凍らせたものを溶かすことが出来ない点だ。どうすれば溶かすことができるのか、これをテーマにしたことで物語が深まった。

/エルサは自分の魔法で他人を傷つけてしまうことを恐れ、部屋に閉じこもり世間から身を隠す。心の扉を閉ざすと、世界が冬に閉ざされてしまうのは象徴的。僕は映画を見ながら“氷の世界を溶かす方法はなんだろう”と考えてたら、童話ではお約束の「心から愛してくれる人のキスが魔法を解く」という話が出てきた。ファンタジーだし、それはそれで構わないけど、問題はエルサが引きこもっていること。これでは他人との交流がないため、真実の愛に出会うことができない。クライマックスは、ある意味究極のドンデン返し。僕は“革命が起きた”とビックリ。これまでの子ども向け映画、っていうか大人向けでもこんな展開は見たことがない。【以下ネタバレ文字反転】この作品が定義する“真実の愛”は「自分自身を犠牲にしてでも他者を大切に思うこと」。つまり、男女のロマンスじゃなくてもいい。だから、エルサの魔法を解いたのは、アナの姉妹愛だった!“真実の愛”=異性との恋愛だけではない。この展開はGOOD!ありがちな童話のオチ(男女がラブラブで互いを見つめ合う閉じた世界の愛)ではなく、もっと大きな愛がそこにある。王子も登場していたのに、掟破りのオチ。こういう内容の映画と知らず、過度に期待していなかっただけに、斬新な展開が嬉しかった。雪だるまのオラフは溶けて消えた方が観客の胸に深く残ると思うけど、そういうベタなことをせずに、ハッピーエンドを追及するのもまた良し。勇気を出して自分をさらけ出し、他人と向き合えというメッセージは健全だし普遍的。大ヒットに納得。(キャプテン・アメリカは明日に)

//三権分立とは何だったのか。憂うつだけど集団的自衛権の問題を書かねば。
●5月13日…発売中の『ワンダーフォーゲル6月号』(山と渓谷社)に“山の名作映画を探せ”という特集コーナーがあり、4人の執筆者が3本ずつ選出。僕はチャップリンの『黄金狂時代』、中国映画の『山の郵便配達』、アニメ『アルプスの少女ハイジ(劇場版)』をチョイス。“ハイジ”については1994年(20年前!)に作中の舞台となったスイス・マイエンフェルトの“アルムおんじの家”に行った話などを書いてます。※リンク先のページは、サイト初期にアップしたもので、自分のことを“ワシ”って書いてるんだよね…。その後、小林よしのり氏も“ワシ”を使ってることを知り、被るのが嫌で“僕”に変えたんだ。

//『美味しんぼ〜福島の真実編(23)』がえらい騒動になっている。読まずにコメントは書けぬと思い、昨晩今週号を買いに行ったら、初日なのにラスト2冊。これまでの流れを把握するため、「福島の真実編」がスタートした単行本第110巻を注文したので、読後に僕なりの感想を書きたく。
●5月12日…本日で当サイトは15周年!それに合わせて『2014年度版・おすすめ展覧会情報』をアップ!今年度にチョイスした展覧会は18本。目玉は秋の『日本国宝展』(東京国立博物館)と、修復が終わった「鳥獣戯画」全4巻の一挙公開(京都国立博物館)。宝塚歌劇100年を記念した展覧会も各地を巡回。個人的には菱田春草の代表作が一堂に会する生誕140年展が楽しみ。公式WEBを持っている展覧会はリンクを貼っているので、ぜひ鑑賞の参考に!

 
36歳の若さで亡くなった菱田春草の『落葉』。この透明感と静けさがたまらない!秋の国立近代美術館にて連作5作が勢揃い。

//それにしても、この15年は本当に色々なことがあった。サイト開設時はトラックの運転手や農家の補助(援農)をしていたし、結婚もまだ、子どもだっていなかった。鬼教官と初めて出会ったのが2001年。最初に友人相手にジョジョ立ち教室を開いたのは02年。03年のジョジョ6部最終回に感動してジョジョ立ちページをアップし、そのページは知人向けに作ったにもかかわらず(そもそも他に見る人なんかいないと思ってた)、ネットで予想外に拡散され、サイト訪問者が激増した。おそらく、それまで1日300人くらいの訪問者だったのが、千人くらいになったと思う。07年には荒木先生に東北大講演のゲストとして招待されるというミラクルも実現。墓マイラーとしても、筒井康隆先生、笑い飯さん、ブラマヨさん等々、思いがけず交流が実現したのはネットに作成した巡礼コーナーのおかげだ。国内外のオフ会で、普通に生きてたら(住む土地が異なるため)一生出会わない方ともたくさん会えた。すべての交流が宝。

僕が幸運だったのは、ジョジョという作品と文芸ファンの相性が最高だったことだ。ジョジョはふんだんに映画のネタや、洋楽(ロック、プログレ)、西洋美術(絵画・彫刻)、科学・哲学の話題を取り入れており、文芸愛好家とファン層が重なった(荒木先生は画家ゴーギャンやベラスケスをリスペクト)。ジョジョラーに文芸ファンが多かったおかげで、このトップページに来た人が、常連さんになって下さった(ジョジョ立ちページだけ見て立ち去るのではなく!)。今は1日平均2〜3万アクセス数だ。

ずっと文芸ネタをアップしていたのが、現在のように時事問題を大きく扱うようになったのは、東電の原発事故報道から。それまでも、小泉・竹中コンビが広めた「勝ち組・負け組」の格差拡大路線(自殺者年間3万人連続オーバー)、人材派遣会社のピンハネ野放し、イラク人質事件から日本社会に蔓延した「自己責任論」への違和感(海外の報道では、あの3人は米軍劣化ウラン弾の告発や人道支援を行おうとした人物として称賛されていた)、靖国参拝を“心の問題”と言いながら、自分の心だけ大切にして被害国市民の“心”を踏みにじる小泉氏への疑問など、当日記では時おり抗議してはいた。
今ほど時事問題に入れ込まなかったのは、ここで書かなくてもメディアが仕事をしてくれると信じていたからだ。なんだかんだ言っても、日本のメディアは独裁国と違って、権力やタブーに斬り込んでいけると思っていた。ところが、原発事故の報道を通して、メディアは本質的に戦時中と何も変わってないと痛感した。これだけ大きな事故を国と東電が起こして、しかも事故前に多くの専門家が安全対策の不備を指摘していたのに、逮捕者ゼロなんてあり得ない(安倍氏の責任)。メディアは本気で権力と戦わないし、大手広告主の電力会社に逆らえず、安全神話を無批判に垂れ流してきただけでなく、事故後も片棒を担ぎ続けている。絶句。その失望は、年末の秘密保護法強行可決で、メディア(特にNHK)が問題点を国民に積極的に伝えなかったことで一層深まった。

また、歴史教育についても、愛国心教育の名の下に“愛政府心”を押し付け、政府の失政、格差社会に対する若者の不満を、近隣国を叩くことでガス抜きさせるやり方を前に、傍観者でいることは無責任に思えた(日本政府だけではなく、中共政府も韓国政府も同じで、国民の不満を外にそらせて政府に向かぬようにするのは権力者の常套手段)。元慰安婦など戦争被害者に対する目に余る二次加害行為に対する義憤もあり、野田政権から始まった右傾化が安倍政権で加速するなか、僕が肌で感じる“これを報道しないのはおかしいんじゃないの”という話題を書く機会が増えた。

/時事ネタをアップする度に、「こんな内容の文章を書いたら訪問者が激減するかもしれない」「保守ブログでバッシングされるかも」と不安になるけど、その一方で、サイトTOPで掲げている「人間は相違点よりもはるかに共通点が多い」を長年の文芸ジャンキー生活で確信しているため、誠意を込めて語れば、たとえ意見に同意してもらえなかったとしても、異なる意見が存在することを容認してもらえるのではないかと、そう思って勇気を出して更新を続けている。

/開設から15年ということは、もしかして、読者の中には生まれた時から既に当サイトがあったという人もいるかも知れない。人生は辛いことも多いけれど、自然界は圧倒的に美しく、先人は一生かけても味わい尽くせぬほど、良い音楽、小説、絵画、多くの優れた芸術作品を遺してくれており、この世は生きるに値すると断言したい。もしあなたの側に友人が見つからなくても、これだけ(ある意味)“偏った”サイトに来ている人がいるのです。のべ4500万人。日記の上で回転している2つの地球儀には常に誰かがいます。まだあなたと出会ってないだけ。どうか、孤独感を抱えて絶望せず、文芸ジャンキーに遊びに来て下さい。僕はずっとこのまま変わりません。良い世の中にしましょう!

//文芸ジャンキー版の北陸(福井・石川)史跡&墓巡礼MAPを作成!(追記に書いたけどPC&グーグルにログインしないとダメっぽい)/5色のマーカーで、黄色(美術館、博物館)、緑色(史跡)、赤色(墓地、もしくは著名人が眠るお寺)、水色(一般寺社)、紫色(景観ポイント・行楽地)などに色分けしました。最近アップした北海道編山陰編大阪・三重編も色分け済み(山陰編は隠岐も追加)。※いろいろいじってたら、縮尺のスケールバーが出るようになった!一年以上前に作成した東京編東北&静岡編四国編は旧式マップです。
【追記】ぐああ!なぜ!?アイフォンで見たらマーカー抜きの地図になる!外で見られないと意味ないじゃん(涙)。どうなってんの?パソコンなら問題なくみれるのに…。旧式マップのみ、PCでもアイフォンでも閲覧可能…。モバイル用(スケールバーなし、涙)→北陸北海道山陰関西
【追記2】PCの方も、グーグルにログインしないとマーカーは出てこない模様。

//映画『エイリアン』でエイリアンをデザインしたスイスのデザイナー、ハンス・ギーガー氏が12日他界したとのこと。享年74。後頭部が伸びたエイリアンのイメージは、後世のSF制作者に絶大な影響を与えた。冥福を祈ります。
●5月11日…「真田は日の本一の強者なり」。な、なんと!2016年の大河ドラマの主人公が戦国時代の英雄、真田幸村に決定!少ない兵力で徳川の大軍を翻弄し、味方武将だけでなく、敵でさえ心酔させた武将の鑑。タイトルは『真田丸』、脚本は三谷幸喜氏!04年の『新選組!』で、動乱の時代を生きる若者たちの青春を鮮やかに描き出した三谷氏。真田幸村の波乱万丈の生涯をどのように見せてくれるのかめっさ楽しみ!(追記)主演は堺雅人さんに決定間近との情報。もっと武骨な雰囲気の俳優をイメージしてたから意外。

//文芸ジャンキー版の大阪・三重史跡&墓巡礼MAPを作成!探訪の参考にどうぞ。この後、和歌山、奈良、滋賀、京都、兵庫の順で加筆予定です。
●5月10日…上野の国立博物館で18日まで催されているキトラ古墳壁画展。昨年、僕は発掘現場の奈良県明日香村でこれを見るために、文化庁宛に往復葉書で応募して、抽選にとおって日時指定を受けて、やっとの思いで見ることが出来たんだよね。それを考えれば、抽選もなく時間指定もなく、自由に見られる首都圏の人はラッキーすぎるZEEE!(☆o☆)

//子どもが見ているウルトラマンギンガ。主題歌が何度か変わってるんだけど、『ウルトラマンギンガの歌〜いつか未来で』(4分13秒)は、コーラスのメロディーラインが心地よく、気がつけば鼻歌を歌ってる。中毒性があるというか、頭の中でサビがエンドレスで再生されて無限ループから逃れない時も(汗)。

//明日、やっと話題作『アナと雪の女王』『キャプテン・アメリカ ウィンターソルジャー』を観に行ける。キャプテン・アメリカ、前作はイマイチだったけど、今回は知人が絶賛しており、とても楽しみ。『アナと雪の女王』は日本での興行収入が120億円を突破し、なんとジブリの『風立ちぬ』を抜いてしまった。宮崎作品を超えるって凄いっすね。
●5月9日…松本大洋先生原作のアニメ『ピンポン』第4話の風間選手VS孔選手の激闘、アニメでここまでやれるのかという、素晴らしい躍動感&スピード描写だった!原作漫画の独特のコマ割りを見事に再現している。200点オーバーの出来映え!まだ一度も未見の人に、唯一無二の松本ワールドを体験して欲しい!だがしかし、未放送のエリアもある。《以下文字反転》大人の事情的にアレなんだけど、こちらの海外サイトで鑑賞できる。風間選手VS孔選手の試合は12分40秒付近から始まりマス!

//今年のGWで最も印象に残ったことは、自分の家系のルーツが分かったことだ。かつて、他界した父が「ウチは平家の落武者」と言ってたけど、“いつものホラ吹きだろう”と聞き流していた。ところが昨年、四国の山奥・祖谷(いや)の平家の隠れ谷に行ったところ、僕と同じ名字の家が複数あって仰天。そしてGW最終日、島根から大阪に帰ってくるときに、兵庫県の山奥にあるひい爺ちゃんの家を訪れた。曾祖父は僕が5歳の時に他界し、現在は父の従兄弟=従兄弟伯父(いとこおじ)が住んでいる。僕の実父は祖父と仲が悪かったため、それもあってか、父が最後に僕を曾祖父の家に連れて行ったのは20年以上も昔だ。従兄弟伯父は僕の顔を見るなり、「○君か?」。いっきに時間が巻き戻された。父は祖父とはうまくいってなかったが、同じ年の従兄弟伯父とはよく遊んだらしい。いろいろ昔話を聞かせてもらった。
(1)平清盛の四男、平知盛は平家最強の猛将として知られる。ご先祖は、知盛の子・知忠に仕えた家臣で、各地を転々として兵庫の山奥に定住した模様。
(2)本家に残る明治初年の文書に「この地に来たりて20余代」とある。一代が20年として400年以上前。秀吉〜関ヶ原合戦あたりの戦国時代だ。
(3)戦前まで蔵の中には火縄銃や複数の刀があったが、戦時中の物資不足により“金属供出”として軍に持って行かれたとのこと。庄屋さんの荷車が刀で一杯になったそうだ。
(4)従兄弟伯父の家には家宝として大昔の大弓が今も残っていた。
(5)曾祖父は日露戦争の日本海海戦で活躍した装甲巡洋艦「春日」に乗船。大叔父は満州からシベリア抑留されて死亡し、靖国神社に祀られている。
(6)本家の墓地に現存する最も古いものは、年号に「享保」の文字がある。八代将軍吉宗の時代だ。
(7)家紋についても実父は教えてくれなかったので知らずにいたけど、「片喰(かたばみ)紋」に武門を強調する“剣”を付けた「丸に剣片喰(けんかたばみ)」と判明。※「丸に剣片喰」自体はかなりポピュラー。
うおお…「平知盛」と言えば、平家物語では壇ノ浦で“一番最後まで”奮戦し「見るべきものはすべて見た」と語って入水した武将であり、早々に壊滅した他の部隊と違って、知盛隊にいた子・知忠であれば逃げ延びた可能性が高い。地元には知忠家臣が築いた知盛父子の供養塚も現存している。…なんというか、今まで46年間、ずっと知らなかった自分のルーツが突如として明らかになり、感無量だ。これから平家関連の史跡を巡る際はモロに感情移入しそう。

//内閣法制局は、政府が新しい法案を国会に提出する際に、その法案が現在の法律からみて問題がないか審査する機関であり「法の番人」といわれる。同局のトップが内閣法制局長官であり、歴代長官は集団的自衛権に否定的だった。
ところが安倍氏は昨年8月に、内閣法制局長官を自身の考え方に近いタカ派の小松一郎氏にすげ替えた。これは次の2点で極めて異例だった。(1)従来、内閣法制局長官は何年も法制局に勤めた法律のプロフェッショナルが就任したが、小松氏は法制局と無関係であり史上初となる外務官僚からの大抜擢(2)これまで内閣交代時に法制局長官も交代していたが、前長官は何の落ち度もないのに途中でクビにされた。

法曹界からは安倍氏の強引さに「そこまでやるか」と声があがり、退任することになった前長官の山本庸幸(つねゆき)氏は、記者会見で「集団的自衛権の行使は、従来の憲法解釈では容認は難しい。実現するには憲法改正が適切だろうが、それは国民と国会の判断だ」と述べて、政府が暴走しないようクサビを打ち込んだ。先月24日の中日新聞に2004〜06年まで内閣法制局長官を勤めた阪田雅裕氏(70)のコメントが載っており、問題点を非常に分かりやすく説明していたので引用、紹介したい。
→「集団的自衛権の行使を認めていない現在の憲法解釈は、内閣法制局が勝手に考えたわけではありません。吉田茂内閣以来、歴代の首相が一貫して言い続けてきたことです。 (略)自衛隊はなぜ「自衛隊」なのか。読んで字の通り、実力行使が認められるのは自らの国に武力攻撃があった場合に限られます。外国に出かけていって戦争に加わるようになれば、他国の軍隊と変わりません。政権が本気でそれを目指すのであれば、「日本は平和主義をやめる」と国民にはっきり言うべきです。行使を認めようとする人たちは「(同盟国が)殴られているのに助けないのか」と言いますが、殴られているんじゃなくて、他の国が勝手に殴り合いをしているわけです。仲裁することはあってもどちらか一方に味方する行為を、日本の国民は望むでしょうか。「解釈改憲」や「限定容認論」という言葉から、100%の平和主義を90%に緩めるだけで「九条はちゃんと残る」と思っている人も多い。でも、違います。解釈を変えたらすべてを失うことになる。オール・オア・ナッシングだと理解してほしい。
改憲に必要な国民投票で過半数の賛成を得る自信がないからといって、九条の解釈を一方の理論で変えてしまうのは政治の王道ではない。政治的に数が多ければ解釈すら自在に変えられるという考え方は、立憲主義の否定です。 解釈を変えるなら、合理的に説明できるものでなければならない。安倍さんがしようとしていることは、その矩(のり、範囲)を超えています。(元記事
●5月8日…あと4日で当サイトは開設15年に。“15周年記念で何かやりたいな”と思っていたところ、JR静岡駅前のライブバー“静岡フリーキーショウ”さんからトークライブの依頼が!中部・東海地方ではまだオフ会を開催したことがなく、絶好のタイミング!そういうわけで、今月30日(金)の19時半から約3時間ほど映像や音楽も使ったトークライブを敢行します(定員50名)。内容は第1部がアート入門、第2部がラジオJOJO体操、第3部が世界巡礼スライドSHOWです。「文芸LOVE」「ジョジョ」「墓巡礼」という、僕の3本柱を全面展開する3時間。第1部のアート入門は、サイト10周年の際に大阪で、そして今年1月に北海道で紹介した映像を使用します。参加費は千円(会場代)。申込みは“静岡フリーキーショウ”さんの公式WEBからお願いします。終演後、そのまま飲みましょう!(*^o^*)
●5月7日…昨夜遅くに無事帰還!鳥取砂丘から出雲大社までの地域にある史跡、墓所を3日がかりで網羅。隠れ名所の情報等、メールを下さった地元の皆さん、有難うございました!
今回訪れた場所は30箇所以上!
《鳥取》
水木しげるロードと水木先生の生家、安徳の里/安徳天皇資料館(安徳天皇陵)、鳥取藩主池田家墓所、鳥取砂丘、大伴家持の歌碑、宇倍神社/武内宿禰(たけうちのすくね)の墓、作曲家・伊福部昭先生の墓、“武人の鑑”吉川経家の墓と銅像、興禅寺/“伊賀越の仇討ち”渡辺数馬の墓、鳥取城跡、両国梶之助の墓、幸盛寺/山中鹿之助の墓、大岳院/安房国(あわのくに/千葉)から移封され里見八犬伝のモデルとなった里見忠義と8人の家臣の墓。
《島根》
出雲大社、足立美術館、松江城、小泉八雲旧居&小泉八雲記念館、出雲阿国の墓、比婆山久米神社奥宮/伊邪那美(イザナミ)の墓、須我神社※和歌発祥の地、月山(がっさん)富田城跡/山中鹿之助の供養塔、鉄の歴史博物館(たたら製鉄再現)、真名井神社、信楽(しんぎょう)寺/滝川一益墓、月照寺/松平不昧の墓、城山(じょうざん)稲荷神社、西谷墳墓群史跡公園・出雲弥生の森(弥生時代最大級の古墳群)、神門寺/塩冶判官(えんやほうがん)の墓、稲佐(いなさ)の浜、出雲日御碕(ひのみさき)灯台、宍道湖(しんじこ)。
※鳥取・境港で「水木しげる記念館」の閉館時間に間に合わなかったことが悔やまれる。天気の変化を考えると、5月4日にいったん家に戻ったのは結果的に正解だった。
●5月4日…昨日は朝から用事があって、昼前に家を出た結果、40kmの渋滞に巻き込まれた…。鳥取に着くのが日没後になると分かったため、兵庫(宝塚)まで行ったのに大阪に帰宅。それまでの行動がすべて無かったことになり、まるでゴールド・エクスペリエンス・レクイエムの攻撃をくらっているようだ…。しかもデジカメの交換バッテリーを充電器ごと家に忘れるという痛恨のミスをおかしていた。朝4時から再び鳥取に向けて出発!なので計画がすべて1日ズレ、次回更新は7日になります。天気予報、下り坂か〜。
●5月3日…連休後半、山陰地方の史跡&墓巡礼に行きます。6日に更新再開します!
文芸ジャンキー版山陰地方MAPを作成!鳥取と島根のデータが入ってます。鳥取城跡から3日で石見銀山や益田市まで行くのは無理なので、なんとか出雲大社まで目指したい。

//昨日のジョジョお笑いライブ、最高に楽しかったです!後日、レポート報告します!
●5月2日…今夜は大阪のジョジョお笑いライブを観に行きます!

//『軍師官兵衛』、荒木村重が信長を裏切っていく過程が緻密に描かれ見応えがある。村重役の田中哲司さん、まっこと鬼気迫る熱演。次回(4日)、必見。

//ジョジョアニメSC第4話、香港のレストランのエピソードが面白いなぁ。こうやって、エジプトまでロード・ムービー的に各国が紹介されていくのは、バトルとは異なる魅力があり、旅のシークエンスだけでもワクワク感が。彼らに同行しているみたい。タワー・オブ・グレーの攻撃は原作だと放送できないほどキツイ攻撃なんだけど、うまく黒い影にして誤魔化してた。

//ニール・ジョーダン監督の「モナリザ」でカンヌ映画祭男優賞を受賞した英俳優ボブ・ホスキンスさんが肺炎のため他界。享年71(4月29日)。実写映画でアニメキャラと共演した「ロジャー・ラビット」(1988)は映像マジックにびっくりした。もう26年も経つのか。名優に合掌。
●5月1日…北海道に行っていたこともあり、日記で触れる時間がなかったオバマ来日その他の時事ニュースをまとめて短評。

//オバマ訪日報道、NHKの政権ベッタリぶりは相変わらず→4/24の夜7時のニュースは「オバマ大統領が尖閣が安保条約の適用範囲を明言」と大きく伝え、政府与党の「満額回答」という声を紹介していた。米大統領自らが安保適用を言及したのは確かに大成果。でもNHKはオバマ氏が同じ会見で言った次の言葉をオンエアしなかった。「私は安倍首相に、事態を平和的に解決し、挑発的行動を取ってはならないと強調した」西日本新聞)。首相の靖国参拝はまさに挑発的行動そのもの。オバマ氏があえて“強調した”と言っていることを伝えないNHK。オバマ氏は「対話や信頼醸成の取り組みがなく、事態の悪化を見続けることは大きな過ちだということも安倍首相に伝えた」とも。
同日夜の報ステ(テレ朝)を見た方によると、そちらでは“NHKとは逆に、オバマが安倍晋三に対して中国との間で緊張を高めないよう釘を刺した点に焦点が当てられた”とのこと。NHKの政府賛美一色とは大違い。
オバマ氏は中国側への配慮として「米国と中国は強固な関係があり、中国はこの地域だけでなく、世界にとって重要な国だ」と語り、さらには「(米国と中国の間に)越えてはならない一線は引かれていない」と付け加えている。日本政府はこれまで尖閣地域に「領土問題は存在しない」と言ってきた。それに対し、オバマ氏は「もっと中国と話し合ってほしい」と念を押しており、これは米国が領土問題と捉えていることを公言したに等しいもの。“満額回答”でいいのか。

/両首脳の共同記者会見では、安倍氏がオバマ氏との親密さをアピールするために「バラクと私の間で…」「バラクは…」と“10回”もファーストネームで呼んだけど、オバマ氏が「シンゾー」と言ったのはたった1回のみ。オバマ氏の離日後、安倍氏は周囲に「(大統領は)仕事の話ばかりだった」と愚痴をこぼした。そりゃそうだろう。年末の靖国参拝で「失望」を表明したにもかかわらず、安倍氏はオバマ訪日の2日前に靖国神社・春季例大祭において「真榊(まさかき)」と呼ばれる供物を奉納。訪日の前日には国会議員147人が靖国神社に参拝しており、安倍氏はその国会のトップ。オバマ氏がうんざりしない訳がない。
このあたり、日米首脳会談を伝える両国メディアの温度差を指摘したニューズウィークの記事『米「オバマ訪日」報道は、「寿司抜き」「安倍抜き」「尖閣抜き」 』も参考になる。「(米国で安倍氏に関する報道が殆どないのは)安倍首相の名前を出すと、靖国参拝やダボス発言などの「タカ派」という紹介をしなくてはならないし、その安倍首相との良好な関係を結んだという報道になってしまっては、オバマのイメージに合わないから」。「(寿司店の会食が米で報道されないのは)一人300ドルという価格を考えると「贅沢な食事」とか「過剰な接待」というニュアンスで受け止められ、決して好印象にはならない危険があるから」。日本では中曽根首相がレーガン大統領を山荘に接待したことを“友好の美談”として語られるが、米国では「外国元首から過剰な接待を受けた」という「失点」として取り上げられたとのこと。銀座・高級すし屋での今回の接待も当てはまるという。

/オバマ氏は日本の次に韓国を訪れ、朴大統領との共同記者会見で旧日本軍の従軍慰安婦問題について「歴史を振り返った時、例えば、韓国の慰安婦の女性に起きたことは恐ろしくておぞましい人権侵害だと認識されなければならない」と厳しく批判した。一方、安倍氏は2年前に米の新聞に掲載された意見広告「慰安婦は当時の公娼(売春婦)」「日本軍は強制していない」に、賛同者として名を連ねている。“おぞましい人権侵害”と捉えているオバマ氏が“二次加害者”の安倍氏をどう思っているか…。
韓国での会見では「安倍晋三首相と日本国民も、過去はより正直かつ公正に理解されなければならないと認識しているだろう」とも指摘。この“日本人よ、わかってるよな”的なオバマ氏の言葉は、“河野談話継承の約束を守れ”のメッセージなんだけど、果たして首脳周辺が理解しているかどうか。※当報道を最初に流した時事通信は「おぞましい人権侵害」という部分に圧力がかかったのか、その後、記事を削除して「実に甚だしい人権侵害」に差し替えて掲載。余計に目立つのにねぇ。

/最近、目を疑ったのが『旧日本軍のコスプレをした人物が、自民党のスタッフに勧められて街宣車に搭乗』の記事。4/26、27に幕張メッセで開催された『ニコニコ超会議』における出来事。日本は1億2千万も人口がおり、中には日本兵コスプレで悦に浸る人間もいるだろう。問題は、仮にも政権与党のスタッフが、安倍氏や石破氏も訪れている会場で、自民党の街宣車の上にあげ、それを現場の人間が誰も止めなかったことが最低すぎる。1人も「さすがにそれはダメだろう」と言わなかったのが終わってる。日本人がどう思おうと、海外の人間からすればドイツ与党がナチ将校をステージにあげるほどの破壊力がありジョークでは済まされない。特に中韓の人々は胸が引き裂かれる思いだろう。個人が趣味で日本軍コスプレをする自由はあるが、政権与党が公の場で街宣車に乗せては絶対にいけない。どうなってんの?
※この『ニコニコ超会議』を主催した(株)ドワンゴの取締役は麻生副総理の甥、麻生巌氏。そしてニコニコ動画の開発、保守業務、市場調査を行う(株)エクストーンの取締役は麻生副総理の長男・麻生将豊氏。ちなみに(株)ドワンゴの子会社“ニワンゴ”の取締役が「2ちゃんねる」創設者の西村ひろゆき氏。
こちらには麻生将豊氏は議員出馬のため九州に帰ったとも。





「自民党公認」のたすきをした
旧日本兵が自民の街宣車の上で
敬礼。足下には『日本を、取り戻す』。
“取り戻す”ものが戦前・戦時中の
日本ならお断りする(リンク元






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