洋楽ゴッド・ミュージシャン
        TOP200 (夭折リスト) (テクノ) (邦楽)


ジミ・ヘンドリックス
1970.9.18没 享年27歳
ジャニス・ジョプリン
1970.10.4没 享年27歳
ジム・モリソン
1971.7.3没 享年27歳
1970年9月から1971年7月までの10ヶ月の間に、3人の天才ミュージシャンが立て続けに亡くなった。ロック史上、
最も悲劇的な10ヶ月だ。彼らは奇遇にも全員が27歳、名前の頭文字も同じ“J”だった。(死因はオーバー・ドラッグ)


●ミュージシャンの墓写真館


     以下、アーティスト&順位根拠のアルバム&コメント
             ※年表はグループなら結成年、個人は生年で。


(注)皆さんがお気に入りのミュージシャンが入ってない場合、僕が“未聴”と思って頂いて間違いないです。

このランキングはミュージシャンに優劣をつけたものではなく(芸術にランクは無意味)、あくまでも管理人が人生に
影響を受けた人物や曲順です。いろんな洋楽と出合う為のきっかけ、入門用として書いているので、より本格的な
内容については専門的なサイトが多数ありますので、是非そちらをご参照下さいネ。(*^v^*)




1.ザ・ビートルズ('59)〜ホワイト・アルバム('68)
それまでパーティのダンス音楽としか見られていなかったロックを、「芸術」の域にまで昇華させたのがビートルズだ。たいしてギター・テクニックが上手いわけもなく、美形メンバーが揃っているわけでもないが、約250曲に及ぶ全ての曲が聴き込めば聴き込むほどスルメイカのように味の出てくるフレーズで、しかも歌詞カードはそのまま詩集となりえるほどの完成度の高さ。他人が作った曲を演奏するのが一般的だった当時、バンド・メンバー自身が全曲の作詞作曲を手がける(初期を除く)のは異例だった。
サウンド的にも、ロック、ブルース、インド音楽、前衛モノ、ヘビ・メタ、パンクなど、あらゆるジャンルにまたがる音造りをしており、聴く側は舌を巻かざるをえない(特に『ホワイト・アルバム』はスゴイ。音の万華鏡!)。
彼らはアルバム作りにも革命をもたらした。それまでアルバムといえばシングルの寄せ集めに過ぎなかったのに、彼らはひとつのコンセプトを立て、その路線にしたがって楽曲を作った。アルバムの全曲を通して、一つの作品としたのだ!
中期以降はラヴ・ソングを殆ど歌っておらず、自己と対峙する内省的な曲ばかりで、完全にそこいらのアイドル・ロック・バンドとは一線を画している。ダントツの一位!
(初代ベーシストのスチュアート・サトクリフは脳腫瘍の為21歳で亡くなっている)

「ビートルズの曲はバッハのフーガにも匹敵する美しさだ」(レナード・バーンスタイン)指揮者

★ビートルズの偉大な記録
・64年全米シングル・チャートの1位から5位までを独占!
・史上初めてスタジアムでライブを敢行!
・「ストロベリーフィールズ・フォーエバー」で業界初のMTVを制作!
・全世界に衛星を使ってライブを同時中継したのも彼らが初。
・コンセプト・アルバムを制作!


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01年11月29日、元ビートルズのジョージ・ハリソンがガンで逝った(58歳)。彼は4人の中では一番知名度が低かったけど、その作品はどれも珠玉の名曲ばかり。
僕はジョージの曲の虜なので、彼の評価が不当に低いことに以前から歯ぎしりしていて、学生の頃は友人たちに、「これ、ビートルズの超名曲ベストなんだ!」と、中身を“すべてジョージの作品だけ”にしたテープを無理やり渡して、ジョージ布教作戦を鼻息荒く敢行していた。

ジョージの作品は…
●バラードのメロディーがこの世のものとは思えんほど美しい!(“サムシング”“ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス”“ヒア・カムズ・ザ・サン”他)
●ブラックな歌は歌詞がハンパじゃなくキョーレツ!(“ピッギーズ”“タックスマン”他)
ピッキーズ(豚ども)→「♪パリッとノリのきいたシャツを着た豚ども。至るところ豚だらけ。大勢の豚どもが豚並みの人生を送り、フォークとナイフをしっかり握って自分たちのベーコンを食ってるのさ」
タックスマン(税金徴収人)→「♪税金の仕組みをお教えしましょう。あなたの取り分が1なら私の方は19です。全額徴収されないだけでも感謝なさい。私は税金取り、そう税金取りなのですよ」
●哲学的な歌詞が炸裂するインド系の曲ではシタールが響き渡り、聴いてるとトリップしそうになる!(“ウィズイン・ユー・ウィズアウト・ユー”“ジ・インナー・ライト”他)
ウィズイン・ユー・ウィズアウト・ユー→「♪僕たちはひとつだということに気づいた時、生命は豊かにあふれ出す。君の内側に、そして外側に…」

このように個性的な曲が多く、ジョンやポールとはまた違う独自の“渋い”魅力がある。僕が一番好きな曲は『ホワイト・アルバム(正式名はザ・ビートルズ)』に入っている“ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス”!メロディーラインが実に切なく、歌い出しは「君たちを見ていると愛は心の中で眠っているようだ」というもの。感動の4分45秒をぜひ皆さんも味わって欲しい!(ちなみにギターでエリック・クラプトンが参加している)

4人もいたメンバーが、もうポールとリンゴの2人だけになってしまい、本当に寂しくてたまらない。(ジョージ、ポール、リンゴとジョンの息子のショーンorジュリアンがステージに立つのを一度は見たかったが、今となってはそれも永遠に不可能な夢になってしまった…)

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※ジョンもリンゴも幼児期に両親が離婚し、さらにジョンはポールと同様、少年時代に母親と死別している。みんな寂しさを音楽で癒していた。
※魔性の女パティ・ボイド…彼女はジョージに名曲「サムシング」を書かせ、ジョージの妻となってからもエリック・クラプトンを虜にして名曲「レイラ」を書かせ、最終的にはクラプトンの妻となって「ワンダフル・トゥナイト」を書かせた。
※ジョン、ポール、ジョージがマリファナ不法所持で逮捕経験アリ。


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★ビートルズの入門ならホワイトアルバム、赤盤、青盤のコンボが最強!これを聴き込め!
   

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★追記〜ビートルズ『LOVE』レビュー!
06年の暮れに発売されたビートルズの“新譜”『LOVE』。過去の曲をプロデューサーが再編集した作品を新譜と銘打つのは微妙だし、ファンの評価は賛否両論だけど、僕の感想は断然“賛”!っていうか、試聴した当のポール・マッカートニーが「“これだ!こうしたかったんだ!”と思った。僕ら全員がその出来の良さに驚いたんだ。このアルバムはビートルズを復活させた」と誉め、リンゴ・スターが「ビートルズの曲が更によくなるなら大歓迎さ」と称えて公認してるんだから、ファンが「新譜と認めない!」とか息巻いてるのも何か変。この1枚のアルバムには全26曲という多数の曲が収められているけど、リミックスの原曲に使用された曲は実に120曲以上!制作者の1人、ジャイルズ・マーティンは「アルバムを聴いたらビートルズへの愛がなし得た仕事と分かるでしょう。技術に頼ったパッチワークではありません。僕の尊敬の念そのものです」と言い切ってるけど、実際に聴いてみるとその言葉には確かに説得力があった。僕はもう、冒頭1曲目の『ビコーズ』を聴いただけでいきなり感動のピークに達し、頭の回路はショート、あとはプスプスと体から煙をあげながら最後まで恍惚と聴いてた。“ビコーズ”はビートルズがコーラス・グループとしての神髄を見せてくれる、最高にハーモニーが美しいアカペラ曲。そこにポールが自宅の庭で録った小鳥のさえずりや虫の羽音など、僕らの側で生きている生物の息づかいが入っている。わずか2分半の曲だけど「空が青いから僕は泣きたくなる」という切ない歌詞と共に、人生のすべてが入っている感じ。続いて「♪JoJo was a man〜」と軽快に始まる『ゲットバック』、ヴァイオリンを掻き鳴らす『エリナ・リグビー』、ジョンが生前に“100年経っても色褪せない曲”と豪語した『アイ・アム・ザ・ウォルラス』、新バージョンで優しくソフトに演奏される『ストロベリーフィールズ・フォーエバー』、別々の曲が合体した衝撃の『ウィズイン・ユー・ウィズアウト・ユー』、ジョージがE・クラプトンの家で作った『ヒア・カムズ・ザ・サン』、新たな弦楽器の導入にオノ・ヨーコらが賛成した『ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス』、かつてBBCがドラッグ使用を煽るとして放送禁止にした『ア・デイ・イン・ザ・ライフ』、今回ポールのベースが強調された『ヘイ・ジュード』、コンセプト・アルバム誕生となった『サージェント・ペパーズ』等々、これでもかと名曲が続く。曲間を繋げるのは遠くの方で(空の彼方というイメージ)で鳴っているビートルズ・サウンド。子供時代の記憶を掘り起こされる感じで、これが無性に泣けてくる。フィナーレは『愛こそはすべて』。“愛があれば何もいらない”と歌い上げるこの曲は何度聴いても胸が熱くなる。曲の最後はメンバーが'65年にファンに語った「おやすみ」という言葉で締めくくられている。完璧。関係者に夢を有難うと礼を言いたい! ※ビートルズ 『LOVE』



2.ピンク・フロイド('66)〜狂気('73)
“ドラッグなしでトリップできる”と巷で言われるように、その幻想的、宇宙的な音空間は、一種の「秘教」に近い雰囲気を漂わせている。浮遊感のあるメロディーと、内面世界を徐々に解剖していく精神八つ裂き系歌詞のドッキングは、時に聴く者を発狂寸前まで追い込むが、そのえもいわれぬ緊張感にファンは病みつきになってしまうのだ。心臓の鼓動音で始まるアルバム『狂気』は、特にメガ・ヒットした曲が含まれているわけでもなく、聴いて楽しくなる内容でもない(むしろ落ち込む)のに、米国だけでアルバム・セールスは驚異の1500万枚オーバー、30年近くもチャートにランクイン(ギネス公認記録)している。ビートルズですら成し得なかった快挙を達成しており、どれだけ奥の深い完全無欠のアルバムかというのが分かる。ピンク・フロイドを聴く時は、いつでも救急車を呼べるようにケータイを手に持って聴いて欲しい。(初代リーダーは精神を病み病院で療養していたが'06年7月他界)。
※ピンク・フロイドは日本でライブした際、「歌詞がわからないと意味がない」として、当時のレコード会社に歌詞カードを作らせて観客に配った。
※現在、様々なミュージシャンがライブで使用している円形スクリーンはピンク・フロイドが開発したシステム。客席後方から音を出すサラウンド効果も彼らが最初に試みた。
※『狂気』は現在3500万枚のセール!

『狂気日食』(抜粋)

♪この手に触れるものすべて 目に映るものすべて
舌で味わうものすべて 五感で感じるものすべて
創造するものすべて 破壊するものすべて
行為のすべて 言語のすべて
出会う人間すべて 軽視するものすべて
現在あるものすべて
過去に埋もれていったものすべて
未来に訪れるものすべて
あの太陽の下ですべてが調和を保っている
しかし
その太陽は徐々に月に侵食されていくのだ
※Moonは狂気の象徴

  「狂気」。ピンク・フロイドのジャケットは風変わりなものばかり

3.レッド・ツェッペリン('68)〜V('70)
ロバート・プラントのハイトーンで扇情的なヴォーカル、ジミー・ペイジのブルージーな男泣きギター、重戦車の如く突き進むリズム隊。威風堂々としたゴシック建築のような構成美を放つ数々の楽曲。まさにハード・ロックの“王者”の名に恥じぬものばかり。どの曲にも圧倒的な風格を感じる。かの名指揮者ヘルベルト・フォン・カラヤンをして「パーフェクト」と言わしめた彼らの音楽は向かうところ敵なし。ドラマー(ジョン・ボーナム)の死が悔やまれる。代表曲の「天国への階段」はこの後の『W』にはいってるが、僕は「移民の歌」「貴方を愛しつづけて」「タンジェリン」が入ってる、この泥臭い『V』がイチオシ!
※ボーナムはスクリュードライバーを40杯飲んで窒息死。

07年12月10日、ロンドンで一夜限りの復活ライブ開催。チケット発売日に2万枚の券に対して100万人が予約したことで、その不動の人気ぶりが話題になった。ライブ前にBBCが慈善オークションにチケット2枚をかけたところ、落札価格は1880万円!1枚で940万円というスゴイことに。慈善の意味があるにせよ、このチケット代には驚愕。しかし、落札者の“そこまでしても観に行きたい”という気持はすっげー分かる。『移民の歌』(2分24秒)のカッコよさはハンパじゃないし、『天国への階段』(10分30秒)はドラマチックな名曲だ。
中でも僕が一番好きな曲は、男の悲哀120%の激渋ブルース『貴方を愛しつづけて』。

『貴方を愛しつづけて』(8分16秒、最初の1分半は前奏ギター)
※映像に妙な特殊効果があって最初は観にくいと思うけど、だんだんこのドロドロの情念の世界にハマッていくと思う。歌詞は殆ど“呪い節”に近い。多くの男は実際この通りで、そんなに強くないんだと女性には主張しておきたい。

♪俺は7時からずっと働いている、毎夜11時までな
こんな人生にはもうウンザリだ マトモと思えない
俺は最高の、そう最高のピエロだったよ でも出来る限りのことをしてきたつもりだ
お前を愛しているよ、こんなに愛しているんだ、可愛いお前を
お前を愛し始めてから俺は心配で気が変になりそうだ どうか救っておくれ
みんなが俺にこう言うんだ“あの娘に悪気はなかった”と
でも俺はずっと苦しみ続けた 聞いてくれ、頼む聞いてくれ、俺は本当に精一杯やったんだ
俺は7時から毎晩11時まで働いてきた だが、こんな人生にはもう耐えられない
ベイビー、本当に限界なんだ お前を愛し始めてから心配で正気を失いそうだ
もうカンベンしてくれ(※ここでギターが1分20秒の激泣き間奏)
俺は泣いたよ、涙は雨のように流れたさ この雨が見えないか?
この叫びが聞こえないか?よく聞いてくれ
俺がドアをノックするとお前は「もう会いたくないの」と言った
そして裏口がバタンと閉まった どうせ新しい男が出て行ったんだろう
嗚呼、ずっと独りで働いてた、毎夜11時まで こんな人生にはもうウンザリだ
分かりきってることだ
ベイビー、お前を愛し始めてから心配で気が狂いそうだ
お前を失うなんて辛すぎる、あんなに頑張ったのに…

なんという絶望的な想い。今苦しい恋をしている野郎は、ジミー・ペイジのギターが一緒にむせび泣いてくれる。ビバ、レッド・ツェッペリン。

 カ、カ、カッコ良すぎーッ!あり得ない!!

  サイケな「V」のジャケット

4.ジャニス・ジョプリン('43)〜チープ・スリル('68)
「ブルースには誠実なものを感じる。ペギー・リーにはないわ」
※ペギー・リー…激甘の白人ポップスの大御所。

「自由とは何も持たないことよ」〜以上、ジャニス

ジャニスは若干27歳で夭折したシンガーだが、死後30年が経過した現在でも、まだ彼女を超えるシンガーは現れていない。音源が残っていなかったらこう書いても信じてもらえぬだろうが、幸い今は安くCDが手に入るので、ぜひその耳で確認して欲しい。自分で自分の肉体を切り刻む様な壮絶な彼女のヴォーカルは、人類滅亡のその日まで音楽ファンに語り継がれるだろう。軟弱な邦楽ポップスが聴けんようになるかも。
死後に発表されたアルバム『パール』の5曲目「生きながらブルースに葬られて」は、レコーディング中に彼女が他界したので伴奏オンリーだ。これは泣く!


『コズミック・ブルース』
 
♪時は流れゆき 友は去ってゆく
私は生き続ける それがなぜかも分からず
孤独な一日を何とかやり過ごすだけ
25歳になったけどどうにもならない
子どもの頃となにも変わりゃしない
だけど構やしないわ これからだって遅くない
誰だって心に火が燃えている
それをつかみ死ぬまで燃やしぬくわ

だから私が手を差し出す時は
あなたに分かって欲しいの
ベイビー 私の歌を歌うわ

※この曲は映画「JANIS」中の、1970年7月(夭折する3ヶ月前)、カナダ・トロントLIVEが最強。

  「チープ・スリル」のジャケットはコミック

5.ジミ・ヘンドリックス('43)〜エレクトリック・レディランド('68)
言わずと知れた人類史上最高のギタリスト。彼は孤高に輝く大巨星であり、その存在が他のギタリストと比べられることはまずない。日本ではヤードバーズ出身のクラプトン、ジミー・ペイジ、ジェフ・ベックら3人(全員ヤードバーズ出身)をロック3大ギタリストと呼んでいるが、これにジミ・ヘンを入れて4大としないのは、もはや彼が神であり、人間ではないと思われているからだ。ライヴでは客席にジョン・レノンやミック・ジャガー、それにクラプトンもいた。つまり彼はミュージシャン達に崇拝される“ミュージシャンズ・ミュージシャン”だったわけだ。彼もまた27年の短い人生だったが、どうだろう、天寿をまっとうしたように思えるのは僕だけだろうか?

‘67年モンタレー・ポップ・フェスティバルのビデオはぜひゲットして欲しい。ジミ・ヘンのカリスマ・ステージが存分に収められている。目を閉じ口を半開きにして恍惚とギターを弾きまくる姿や、歯を使ったり、背中にまわして曲芸プレイしている姿が映っている。圧巻はギターにキスをしたあと油をかけて火を放つシーン。彼は燃え盛るギターを振り回して粉々に叩き割り、スピーカーから高音のノイズが流れ客が怯えまくっている。
曲間のトークもクール。客席に対して「俺はアンタらにサンキュー、サンキューと連発しない。媚びているようで全身が怒りに震えるからだ」とか、ベトナム反戦の立場から「愛国心を持つなら地球に持て。魂を国家に管理させるなよ」と笑いながらサラリと言いのける彼。こんなミュージシャンはどこにもおらん!

  ジミはガムを噛みながら歌ったりする。これもあり得ない(笑)

6.ドアーズ('65)〜ハートに火をつけて('67)
ドアーズの音楽は霊的で幽幻なたたずまいが特徴。彼らの音のゆらめきは、バンドにベースがおらず、代わりにキーボードがいたことから生まれた。まるで重力が消滅してしまうかのような独特の妖しい響きと、男の僕でさえクラクラしてしまうジム・モリソンの官能的ヴォーカル、そして神秘的な歌詞が、バンド全体に神がかった魔力を与えていた。
ジミ・ヘン、ジャニスの死の9ヶ月後に、ジム・モリソンも夭折した。3人ともイニシャルはJ、全員が享年27歳という戦慄の偶然だ。Jの悲劇に合掌。

「僕は純粋な幸福感を歌にしたい」(ジム・モリソン)

  ファースト・アルバムにして大曲の「ジ・エンド」を吹き込んだ彼らはカリスマに

7.ジョン・レノン('40)〜ジョンの魂('70)
彼はCIAのブラックリストに載るほど、国家権力を批判する発言を繰り返していた。彼が暗殺されて一番喜んだのは米国政府だろう。現代のミュージシャンはラブソング一色で殆ど政治的発言をしないし(特に日本はね)、たまに声明を出すときは環境問題がその大半だ。もちろんエコロジーは大切だが、自然を守れと言うアピールはイメージ・アップにつながるし、発言への反発も少ない。ジョンは自分の名声を逆に利用して、とにかく反核・平和運動に燃えまくった。ベトナム反戦運動では、戦争で大儲けしている軍需産業を糾弾したおし、死の商人を震え上がらせた。結果、右翼の敵は増えまくり、活動への脅迫も多かったという。自宅の玄関前で背中から4発も銃弾を浴び、無惨に撃ち殺されたジョン。犯人は熱狂的ファンと名乗っているが、僕は単純に信じることはできん。この混乱した現代に彼がいないことは、我々人類全体にとって、あまりにも不幸なことだ。
※「人々は本気で平和を求めれば、それを手にすることが出来ると心から信じている。問題はそれが可能だってことを彼らが知らないことだ」(J・レノン)

『ハッピー・クリスマス』(不肖カジポン訳)

♪ハッピー・クリスマス、キョーコ!※ヨーコの声。キョーコは前夫との娘。
ハッピー・クリスマス、ジュリアン!※ジョンの声。ジュリアンは前妻との息子。

さあ、今宵はクリスマス
一年が過ぎ去って また新しい年が始まるね
君にとって今年はどんな一年だったのかな?
今宵はクリスマス みんな 楽しんでるだろうか
親しい人たち 愛しい人たち 老いた人たち 若い人たち
ベリー・メリー・クリスマス そしてハッピー・ニュー・イヤー
来年が何の不安もない良い年になるよう祈ろうじゃないか

今宵はクリスマス
弱い人たち 強い人たち お金持ちの人たち 貧しい人たち
世界はこれでいいとは思わないけど、ともかくハッピー・クリスマス
肌の黒い人たち 白い人たち 黄色い人たち 赤い人たち
さあ この辺で争いをやめようじゃないか
ベリー・メリー・クリスマス そしてハッピー・ニュー・イヤー
来年が何の不安もない良い年になるよう皆で祈ろうじゃないか

今宵はクリスマス
一年が過ぎ去りまた新しい年が始まろうとしている
僕らにとって今年はどんな一年だったろう?
ともかくハッピー・クリスマス
みんなが楽しい時を過ごせたらいいな
親しい人たち 愛しい人たち 老いた人たち 若い人たち
ベリー・メリー・クリスマス そしてハッピー・ニュー・イヤー
来年が何の不安もない素晴らしい年になるよう祈ろうじゃないか

もし君がそう望めば戦争は終わるんだ 今すぐに戦争は終わるんだ!

ウォー・イズ・オーバー、イフ・ユー・ウォント・イット
ウォー・イズ・オーバー、ナウ!


『イマジン』※山本安見氏の日本語歌詞をベースに、完訳に挑戦!

想像してごらん 天国なんかないって
試してみれば難しいことじゃないよ
足下に地獄がないように 天にはただ空しかないってことサ
想像してごらん すべての人たちが
今日という日のためだけに生きてるってことを

想像してごらん 国境なんかないって
簡単なことさ
殺し合いのもとがなくなるってことだよ 宗教さえもないんだ
想像してごらん すべての人たちが
平和に暮らしている姿を

僕を夢想家と思うかも知れない
でも僕ひとりじゃないはずさ
いつの日か 君も僕らに加われば
この世界はひとつに結ばれるんだ

想像してごらん 財産なんかないって
これはちょっと難しいかもしれない
欲張りや飢えの必要もなく人はみな兄弟なのさ
想像してごらん 僕らみんなで
世界のすべてを分かち合っているって

僕を夢想家と思うかも知れない
だけど僕ひとりじゃないはずさ
いつの日か 君も僕らに加われば
この世界はひとつに結ばれるんだ

※動画

  優しい光の美しいジャケット

8.ボブ・マーリィ('45)〜ライヴ!('75)
キング・オブ・レゲエ、またはレゲエ・ゴッドの名を冠するボブ・マーリィ。夏になると彼の歌が街角に流れるが、一体どれくらいの人がちゃんと歌詞の意味を知って聴いているのだろうか?

ジャマイカは非常に貧富の差が激しく、人種差別やマフィアの暗躍など、ハッキリ言って若者たちが夢を持って未来を語れる情況ではない。改革を試みようとする者は次々と暗殺されてきた。ボブはそのジャマイカが危険度マックス・ボルテージだった1970年代に、歌を歌うことで革命を本気で起こそうとしたド根性ミュージシャンなのだ!自ら革命家と公言していた彼の歌は、当然、世の不正に対する怒りや告発、そして正面きっての闘争宣言だった。1975年、体制側を敵にまわした彼の自宅に覆面をした集団が乗り込み銃を乱射、彼は病院で奇跡的に一命をとりとめた。

普通ならそこでビビッて活動を停止するのだが、その後のボブは以前にもまして鬼神の如く歌いまくり、彼の生き様は抑圧され沈黙を強いられた人々に大きな勇気を与えた。残念ながらガンのために36歳という若さでこの世を去ったが、母国では民衆の英雄として今もその名は音楽と共に熱く語り継がれている。
彼の代表曲『ゲット・アップ・スタンド・アップ』の歌詞で「死んだ後の天国を楽しみにせず、生きているこの世を天国にしようじゃないか」というのは、本当に素晴らしいと思う。
日本によくいる「夏はやっぱりレゲエね」とファッションでボブの歌を聴いているヤツ、貴様ら鉄下駄ウサギ跳び100周じゃあ〜!

※ちなみにレゲエでよく見る三色旗だが、あれは緑が大地、黄が太陽、赤が血を表している。


『ノー・ウーマン・ノー・クライ』※このスローなレゲエ・バラードは聖歌のように美しい作品だ。

♪女たちよ泣くな 女よ泣くんじゃない
俺は覚えているよ トレンチタウン(スラム)の政府の建物の庭に
昔よく2人で座って偽善者どもを観察したもんな
そう、善良な人々の中にヤツらが混ざるのをね
そんな中で出会った大切な友人たち…
人生の戦いの中で一人 また一人と友は散っていった
どんなに輝く未来がやって来ようと 昔の日々は忘れられやしない
だから今は涙をぬぐうんだ

女たちよ泣くな 愛した男が倒れても
女よ泣くんじゃない

俺の進む術はこの足しかない だから俺は行かねばならない
すべてはうまくいく きっとうまくいくさ!

名曲『3羽の小鳥』をYouTubeで発見!

Three Little Birds(3羽の小鳥)
 動画3分33秒
何も心配することはないよ
すべてきっと上手くいく
何ひとつ気に病むことはないさ
どんな小さなことも必ず上手くいくよ

今朝、目が覚めて朝陽と微笑みを交わした
3羽の小鳥が玄関口で甘い歌をさえずっていた
汚れなき純粋なそのメロディー
「私たちのメッセージを伝えましょう」と
三羽の小鳥は歌い出した


“レゲエ”という言葉自体は、ジャマイカ英語の“レゲレゲ”(抗議する)からきている。1968年にトゥーツ&ザ・メータルズが『ドゥ・ザ・レゲエ』をヒットさせたことで定着した。

ンチャッ、ンチャッと裏拍ではねるギター、地を這うメロディックなベース、そして渇いた音のドラム。そこへ社会改革を訴える歌詞を乗せたのがレゲエだ。過激な歌詞の内容とは裏腹に、ゆっくりとしたレゲエのリズムは、まるで心臓の鼓動のように身体の芯に響く。“レゲエはメロディーが単純すぎて10分も聴くと飽きてしまう”、こう思う人に僕は言いたい、“それは10分だからだ”と。2時間ぶっ続けで聴けば、鼓動がリズムと完全に調和してしまい、全身が音楽と一体になる快感から逃れられなくなるハズ!身体の最深部で味わう音楽、それがレゲエの魅力だ。


  

  (いざボブ・マーリィの墓へ!ド根性爆裂巡礼ルポ)


9.レディオヘッド('92)〜OKコンピューター('97)

センチメンタル・ハードロックの雄。美しいメロディーラインと高い文学性を持った歌詞、内省的な音楽世界は昨今のアイドル系ロック・バンドと一線を画している。ヴォーカルのトム・ヨークの切ないヴェルベット・ボイスに、エモーショナルなギター・サウンドが絡み合い、もう訳わかんなくなるほど鳥肌。現役バンドの最高峰!!

  90年代を代表する名盤となった!

10.ザ・フー('64)〜四重人格('73)
闘志ロジャー・ダルトリーのヴォーカル、 ジョン・エントウィッスルの神秘的なベース、 キース・ムーンの狂気のドラム、探求者 ピート・タウンゼントのギターが化学反応して大爆発したザ・フー。ステージの最後にドラム・セットとギターを粉々にする派手なパフォーマンス(マイクを振り回したり楽器を破壊したのはフーが最初)が話題になった彼らだが、音楽的にも十分注目に値する。ロックに乗せて劇が進行する“ロック・オペラ”を新たに創り上げ(「TOMMY」)、NYのメトロポリタン歌劇場などクラシックの聖地にロックを流すという偉業を果たす。この「四重人格」もストーリー性重視のロック・オペラで非常に聴き応えがある骨太の逸品だ。ドラムとベースがリード楽器で、ギターがリズムをキープしたバンドはザ・フーだけ。
タウンゼントは自分の投げたギターが頭を直撃し何針も縫う大ケガをしたが、ザ・フー最強のキャラは奇人キース・ムーン。演奏中に奇声を上げ、ライブ中に泥酔してドラムに吐いたりした。ドラム・テクニックは超人的でアドリブの嵐。天衣無縫で同じ演奏がない。ザ・フーは世界で一番巨大音のバンドとしてギネスに載ったが、それはキースのドラム音がデカ過ぎて、他のメンバーがボリュームを上げないと自分の音が聞こえなかったからだ。

生まれて初めて行ったライブがザ・フーだった。1989年当時、僕は英国にホームステイ中だったので、偶然再結成LIVEを見れたのだ。僕はアルプスのような欧米人が壁になり、全然ステージが見えぬのではと心配したが、フーのメンバーは演奏中やたらにジャンプしまくるので頭だけは見えた(笑)。最後にお約束の楽器破壊があり、お客さんは大満足。隣にいたおばちゃんは40代。フーの歴史を感じたぜ。
(ダイナマイト・ドラマーのキース・ムーンは“レッド・ツェッペリン”の名付け親)

★04.7.25 初来日LIVEレポート!!

  映画『さらば青春の光』はこのアルバムを題材にしたもの

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『マイ・ジェネレーション』

みんな俺に圧力をかけてきやがる
(それが俺達の世代)
ただ愛しあっているだけなのに
まったく奴らは冷たいよなあ
年をとる前に死にたいぜ
すべて消し去ってもかまわない
俺達の言うことを、いちいち揚げ足取るんじゃねえ
センセーションを巻き起こそうなんて考えちゃない
そういう時代なんだよ 俺達の世代は
それが俺達の世代 ぶっ壊してやれ

“ザ・フー”が「Hope I die before I get old(年をとる前に死にたい)」と歌った、約30年前のライブ『マイ・ジェネレーション』(4分、演奏は17秒から)は、フーの演奏を見たことがない人は必見デス!このライブ映像の最大の見所は、キースのクネクネ変態ドラム!ドラムを叩くというより、ドラムと融合しているみたい。彼の演奏は全ての音に“オカズ”が入っている為、コピー不可能。ロックバンドの映像といえばヴォーカルとギターばかり映っているのが普通だけど、冒頭からキース、キース、キース!どれほど生前の彼にカリスマ性があったかよく分かる。あと、彼らは演奏の最後に大暴れするので、初見の人はそっちの方もたまげると思いマスッ!
※この曲の動画はコチラも有名(2分54秒)。無表情にベースを弾きまくるエントウィッスル、ラストに廃墟の中でぶっ倒れているキースに「ヘイ!」ってロジャーが声をかけているのが可笑しい!


11.エンヤ('62)〜ウォーター・マーク('88)
超完全主義者の彼女は、まさにスタジオ・ワークの鬼。ダビング技術を駆使して、ヴォーカルからコーラス、楽器演奏まで全て一人でやってのける才女。大成功した今でも故郷アイルランドの片田舎で静かに暮らし、流行とは関係のないところで自分の音楽をより深いものに熟成させている。ケルト民族としてその心を大切にしている彼女は、アルバムの中にケルト語で歌い上げたナンバーをいくつも挿入している。英語だけで構成しないところに、エンヤの非商業的精神を見た。

  ケルト語の歌、ホント落ち着きます

12.キング・クリムゾン('69)〜クリムゾン・キングの宮殿('69)
絶望と否定のロック。このクリムゾンのCDを聴いている時、僕は明らかに“クリムゾンのCDを聴いている自分”に酔っている。それくらいクリムゾンの音楽世界は他のバンドと異なるオリジナル空間にある。クラシックの最終進化形態かも。クリムゾンの“絶望の美学”“滅びの美学”は、病んでいる心をたちまち虜にしてしまうことウケアイだ。攻撃的な悲観主義の爆発を味わって欲しい。
(このデビュー・アルバムはビートルズの名盤『アビイ・ロード』をチャートの1位から引きずり落とした!)

  あまりにインパクトのあるジャケット(汗)

13.トム・ウェイツ('49)〜クロージング・タイム('73)

ダミ声酔いどれ詩人トム・ウェイツの、市井の人々の暮らしを見つめる優しい眼差しと、そこから生まれ出た歌詞、それを歌い上げる“しわがれ声”に出会った者は、傷ついた魂の最良の避難所が手に入ったと確信するであろう!ピアノ弾き語りの名手。

 

14.スティービー・ワンダー('50)〜キー・オブ・ライフ('76)
視覚、嗅覚、味覚のハンディ・キャップをものともせず、数々の名曲を生み出してきたスティービー。盲目のミュージシャン、レイ・チャールズに憧れて音楽の道に入った彼は、12歳でヴォーカル、ピアノ、ドラムを完璧にマスターし、13歳の時に史上最年少で全米1ヒットに輝く。黒人ミュージシャンのヒーロー。『キー・オブ・ライフ』は2枚組みのアルバムだけど、そのバラエティーに富んだ楽曲の数々は、とても一人の人間が作ったものとは思えない!

 

15.ガンズ・アンド・ローゼズ('85)〜ユーズ・ユア・イリュージョン1('91)

近年で最も成功したスーパー・バンド。一見ざっくりとラフに作られているようで、その実メチャクチャ緻密な構成を持った彼らのロックは、何度聴いても全然飽きない。スラッシュとイジーのツイン・ギターは無敵。89年、ヒット・チャートのTOP5に2枚のアルバムを同時に送り込む快挙を果たした。

  

16.ボブ・ディラン('41)〜フリーホイーリン・ボブ・ディラン('63)
嗚呼、そのたたずまい、シブすぎ。ビートルズと同世代でありながら、彼に影響を与えた孤高のシンガーソング・ライター。本人は「俺はプロテスト・ソング(抵抗歌)なんか歌っちゃいないぜ」とうそぶいてるが、社会悪に激怒した数々の楽曲はプロテスト・ソング以外の何物でもない。初期の単独ギター弾き語りスタイルから、バック・バンド付エレキ・ギター路線に転向した際、信者から猛烈なブーイングを浴び、ライブが中止に追い込まれた。しかし、フォーク・ロックというジャンルを確立したことで、今やその高評価は不動のものになっている。本名ロバート・アレン・ジンマーマン。


『戦争の親玉』(抜粋) 

♪おい 戦争の親玉たちよ
大砲を作るおまえら 大きな爆弾を作るおまえら
壁の後ろに隠れるおまえら デスクの後ろに隠れるおまえら
おまえらに言っておくぞ
おまえらの正体は丸見えだ

おまえらが引き金をセットし
他人に引かせておいて隠れて見てる
おまえらは最悪の恐怖を振りまいた
まだ生まれず名前もない
俺の赤ん坊をおびやかしている

ひとつ聞きたいんだが
おまえらのカネはそんなにいいものか?
カネあれば許してもらえるとでも思っているのか?
やがて思い知るだろうよ
おまえらの死が人生を清算する時
おまえらの儲けたカネをすべて積んでも
魂を買い戻せっこないってことを

おまえら死んだら棺桶について行き
おまえらが墓穴に下ろされ死の床につくのを見届けてやる
そしておまえらの墓の上に立って
おまえらが死んだことを確かめてやるぜ

  当時の恋人と。ボブ自ら一人フライデー状態(笑)

17.ピーター・ガブリエル('50)〜W('82)
衝撃の一曲目『リズム・オン・ザ・ヒート』。この曲は精神分析学者ユングがアフリカである部族の祭りに接し、彼らが一瞬の内にトランス状態に陥るのを目撃して、自分の学問が無意味だったと悟り精神が崩壊する過程を歌にしたものである。P・ガブリエルは声にストイック(禁欲的)な響きを持っており、他のミュージシャンでは味わえない独自の法悦を我々に与えてくれる。彼が手がけたサントラ『最後の誘惑』や、アルバム“US”に含まれる『河は流れて』も超傑作。

「この地上で唯一恐れるべきは、人間である」(カール・ユング)

 

18.クイーン('72)〜オペラ座の夜('75)

僕をビートルズに続いてロックにハマらせてくれたのが、このクイーンだ。とにかくどの曲もメロディーラインが魅力的だし、フレディ・マーキュリーのハイトーン・ヴォイス&コーラスがめちゃめちゃ気持ち良い。そしてギター(ブライアン・メイの自作)の音色はエッジが鋭くカッチョイイ。クイーンのサウンドには、ロック、ジャズ、オペラ、ダンス音楽など、あらゆるジャンルの音楽が融合されていた。20年間、一度もメンバー・チェンジをしないというのは、この業界ではとても珍しいこと。
アルバム『オペラ座の夜』には名曲“ボヘミアン・ラプソディ”が入っている。この曲の歌詞は人を殺した直後の発狂状態を歌ったものだと御存知だろうか。スンゲー歌だ。11月24日、僕の誕生日に死んだフレディにアイ・ミス・ユー。
※クイーンはメンバーは多彩なことでも知られている。フレディはデザインセンスに優れ、4枚目のアルバムまで彼がジャケットを手掛けている。ロジャー・テイラーは歯科大を中退してロックの道に。生物学の単位も持っている。ジョンは電子工学の名誉学位を持つ。ブライアンは天文学者だ。


『ボヘミアン・ラプソディ』(抜粋)

♪ママ 僕は今、人を殺してしまった
奴の頭に銃の引き金をグイと引いた 奴は死んだ
ママ 始まったばかりの人生を僕はこんなに簡単に捨ててしまった
ママ 泣かせようと思ってやったわけじゃない
明日になって僕が戻らなくても、どうか一人でちゃんと生きていって
そう まるで何事もなかったかのようにね…
もうすべて手遅れなんだ 僕の時間は終わってしまった
恐ろしくて全身の骨が震え たえまなく苦痛に襲われている
さようなら みんな 僕はもう行かなくちゃ
みんなに別れを告げ現実に立ち向かうんだ

僕、死にたくないな…
時々こう思うんだ いっそのこと生まれてこなければ良かったと…
僕は貧しい哀れな男さ 誰一人愛しちゃくれない
頼む 助けてくれ!僕の中から悪魔を追い出して欲しい!

ああ僕に石をぶつけ唾を吐きかけるつもりだな
僕を愛するふりをしながら、野垂れ死にさせるつもりだろう
ああ こんな仕打ちはひどいじゃないか
すぐにここから この苦境から逃げ出さなくちゃ

…だけど結局はね、全然たいしたことじゃないのさ
誰だってそう思ってる これはたいしたことじゃないんだ
風がどっちを向いて吹こうとさ…

 

19.ディクシー・チックス('89)〜テイキング・ザ・ロング・ウェイ('06)

2007年の第49回グラミー賞の主要部門を独占!殺害予告まで受けた、その波乱万丈の物語を別ページ『ディクシー・チックスの戦い』にアップしましたッ!

 

20.エルビス・プレスリー('35)〜MEGAエルヴィス
学生時代はプレスリーの魅力がちっとも分からず、「プレスリー」という言葉は僕の辞書では“悪趣味”“ド派手”“カン違い”と同義語だった。デビッド・リンチ監督の『ワイルド・アット・ハート』を観て大ブレイク、今では家の扉にサン・スタジオのステッカーを貼っている。

 

同20.ケイト・ブッシュ('58)〜愛のかたち('85)

様々な武勇伝(レコーディング直後にブッ倒れ、そのまま病院に担ぎ込まれる)に象徴されるように、極端にキレまくったケイト女王の歌世界は、それはもう巷のガール・ポップとはほど遠い、ほとんど三途の川の岸辺で聴いているような現世と来世の間にある音楽だ。くれぐれもアチラに連れて行かれぬよう、気を確かに持ってお聴き下され(特に7曲目の“氷の下”は要注意)。


『氷の下』

♪なんて素晴らしいの どこもかしこも真っ白
河はすっかり凍りついて
氷の上には誰もいない
ひとり私が勢いよくスケートしてるだけ
氷の奥がミシミシと鳴り
銀色のヒールが雪を蹴散らす
氷の下で 何かがうごめいているわ
氷の下 水の中で動き回り
冷たい水から這い上がろうとしているの
“わたしよ”
誰かあれを助けてあげて
“わたしよ〜っ!”

 

21.ライ・クーダー('47)〜パリ、テキサス('84)
このCDは同名の映画のために作られたサントラ。CDのスイッチを入れた瞬間、スピーカーからテキサスの荒野の砂粒がこぼれ落ちてくるかと思うほど、乾ききったスライド・ギターの音がバリバリにシブいアルバムだ。男ならこのアルバムとウイスキーを持って棺桶に入りたいと思うハズ。
(最近、管野よう子という作曲家がライ・クーダーに匹敵する様ないぶし銀の曲を次々と作っているので、カントリー・ブルースは男の専売特許だと思っていた僕は、驚きと戸惑いを隠せない。菅野よう子、恐るべし)

 

22.U2('78)〜アクトン・ベイビー('91)

アイルランド出身。公然とグリーン・ピースの過激闘争路線を支持し、様々な社会運動に飛び込んでいる超硬派でド誠実な彼らは、ショー・ビジネスやマスコミに全く媚びることのないその姿勢を含めて、まさに現在進行形でロック界のキング・オブ・ハート。「世の中には政治と音楽は無関係だと主張するヤツがいるが、そんなヤツらはクソ喰らえだ!」と言い放つ彼らに心からリポビタンDを贈りたい。

バブル時代、日本のプロモーターが金で続々と外タレを呼びまくってもU2だけは頑として来日してくれなかった。当時の日本が、アパルトヘイト政策をとっていた南アと世界一盛んに貿易していたからだ。紙や木材用にインドネシア&タイのジャングルを丸裸にしていたこともU2の逆鱗に触れた。「日本のように下劣で野蛮で非道徳的な国は世界中どこにもない」とボロクソにこきおろしていたので、スンゲー恥ずかしくなったことをよく覚えている。
U2の音楽はここ数年どんどん進化しており、この先も目が離せない。

★ヴォーカル・ボノのインタビュー映像(9分47秒)!「21世紀だろ?これほど裕福になり、力を持ち、技術を持っているのに、もう少しうまく出来ないのか」。アフリカの貧困問題や環境保護に熱心に取り組み、偽善者と中傷されても笑い飛ばし、ロック・スターとしての名声を社会運動の為にフル活用しているボノ。リンク先の約10分の映像は、本気で世界を変えたいという彼の『覚悟』がズドンと胸底に届く、貴重なインタビューだった。「(アフリカの為に)施しを求めているんじゃない。正義を求めているんだ!」「ブッシュを自分のバンドに入れようとした(笑)。目的を達成する為なら悪魔とだってランチをするよ」「夢を見るのは大事さ。でも夢見るだけならずっと寝てた方がマシだね!」
※以前にアップしたコラム『不屈のロックバンドU2』をまだ未読の方は是非御一読を。“命懸けで歌う”とはこういうことデス!


 

23.ポリス('77)〜白いレガッタ('79)
パンクとレゲエを合体させたポリス。初めて白いレガッタを聞いた時、とにかくそのリズムのカッコ良さに、部屋中をのたうちまわるほど感動した。特に一曲目の『孤独のメッセージ』は世の中から疎外されていると感じている者には、人生最大の名曲になるのでは?ポリスはまだ正式解散をしてないんだし、後生だから新作出してって感じ。

『孤独のメッセージ』(4分)

♪オレは絶海の孤島の漂流者だ
今日もまた寂しい一日が始まる
こんな孤独に堪えられる奴なんているもんか
絶望に叩き落とされる前に救い出してくれ

世界に向けてSOSを送るんだ
人の住む世界に向けたSOSを送ろう
誰か受け止めて欲しい
お願いだから 誰か拾い上げてくれ
この瓶詰めのメッセージを

オレが手紙を海に流して一年が経った
そもそも期待する方が間違っていたのさ
今の俺を支えるものは希望だけ
愛は人を立ち直らせることもできるが
人の心を打ち砕くことだって出来るのさ

世界に向けてSOSを送れ
頼むから 誰か拾い上げてくれ
この瓶詰めのメッセージを

今朝 オレは散歩に出て目を疑った
無数の瓶が浜辺に打ち上げられていたんだ
そう、寂しいのは俺だけじゃなかったんだ
放置された無数の漂泊者が家を求めてるんだ
SOS 助けてくれ

  若きスティングがカッコよすぎ!

24.オーティス・レディング('41)〜ソウル・バラードを歌う
あのいやがうえにも盛り上がってしまうテンションの高いヴォーカルは、人類の宝だったのに。ヒドイよな、飛行機が墜ちてしまうなんて…。26歳とは酷い!

 

25.ローリング・ストーンズ('62)〜ベガーズ・バンケット('68)
すっかりオヤジバンドになったが、カリスマ性はいまだ衰えず。しかし、なんぼなんでも大阪ドームでチケット1万円は高すぎ。まして惚れた女のために2枚もチケットを買い、しかも当日に相手の女が会場に来なかったロンリー野郎の怒りと悲しみを、貴様ら何と心得ておるのか!・・・ということで、半券ではないサラのチケットありますが、誰か買いませんか?

 

26.ブライアン・イーノ('48)〜オン・ランド(輸入物)('82)
時間の流れという感覚を麻痺させてしまうイーノのネオ環境音楽は、歯医者の待合室に小さいボリュームで流れている様な、単に耳当たりの良い安っぽいヒーリング・ミュージックではない。音のゆらぎの中に終末思想が見え隠れする、非常に深遠な音世界なのだ。楽譜なし、展開なしの“永久時間”に酔え!

「私の目指す音楽は、機械による偶然の産物だ」(ブライアン・イーノ)

 

27.スティング('51)〜ナッシング・ライク・ザ・サン('87)

あのシャープかつハスキーな声は虜になる。政治的なメッセージは実にまっとう。

『孤独なダンス』(抜粋)※チリの独裁者ピノチェト将軍を名指しで批判した歌。

なんでここの女性たちは一人で踊っているのだろう
どうしてみんな目に悲しみがあるのだろう
なぜここにいる兵士たちは石の様にこわばった表情をしているのか
彼らが目をそらすものが何か私にはわからない
彼女たちは失われた人と踊っている 彼女たちは亡くなった人と踊っているんだ
彼女たちは見えない人と踊っている 彼女たちは苦しみを口に出さない
彼女たちは父と踊り、息子と踊っている
彼女たちは夫と踊っている 彼女たちは孤独に踊る 彼女たちは一人ぼっちで踊る
それが彼女たちに許された、たったひとつの“抗議”の形なんだ

ピノチェト将軍、あなたは苦しみの種をまいてきた
あなたを支えているのは外国の資金だが いつかその資金も止められるだろう
拷問を加えても報酬は支払われなくなり 銃を買う予算もなくなるだろう
あなたには、見えない息子と踊る母の姿を思い浮かべることができるかい

いつの日か、彼らのお墓の前で踊ろう いつの日か、自由を唱おう
いつの日か、歓喜の声をあげようじゃないか そしてまた踊るんだ

 

28.アディエマス('95)〜アディエマスU“蒼い地球の歌声”('97)
イギリスのコーラス・ユニット。クラシック、ケルト音楽、アフリカン・ビート、ロックの融合に、奇跡的に成功した。非常にスケールの大きい、情感あふれるハーモニーを聴かせてくれる。女性ヴォーカル(ミリアム・ストックリー)の深みのある低い声の響きは“大海”“大平原”そのもの。宇宙がそこにある感じだ。作曲を担当しているカール・ジェンキンスは60歳前後。どうりで楽曲に風格があるはず!

 

29.プリンス('60)〜ゴールド・エクスペリエンス('95)
メロディー作りの天才だけど、僕はそれ以上にリズムラインの天才だと思う。あの変幻自在のリズム変化には、過去の大作曲家たちも茫然自失だろう。ポップでありながら終末感が漂ってるのがスゴイ。ギター、キーボード、ドラム、ダンスと何でもこなす。

 

30.ラモーンズ('74)〜ロコ・ライヴ('91)
惜しくも解散したが、活動期間中(20年以上)に発表した全ての曲が、約2分しかなかったのは驚異的。普通、長年ロックバンドをやっていると色んなジャンルの音楽にも挑戦したくなると思うのだが、ラモーンズの場合、デビューアルバムを聴いてもラストアルバムを聴いてもどちらが先に作られたのか分からん。その変化しない鋼鉄のスタイルこそが、ひとつの美学を確立していた。
※01年4月15日ヴォーカルのジョーイ・ラモーンが癌の為に死去。享年48才。
※04年9月15日ギターのジョニー・ラモーンも癌の為に死去。享年55才。

76年7月のロンドン公演であった有名なエピソード。出番待ちをしている彼らの元へ一人の若者が現れた。
「僕ら“CLASH”っていうバンドをやってるんです。でもまだヘタだから、もっと練習しないと人前で演奏なんて……」
「バカヤロウ! いいか、俺たちだってヘタクソだよ。そりゃヒデエもんだ。でもなあ、上手くなるまで待ってたら、ヨボヨボになっちまうぜ!」(ジョニー)

 

31.ビョーク('65)〜ホモジェニック('97)
怨念炸裂。ビョークはあまりに感受性が豊かなため、喜怒哀楽のすべての感情が先鋭化しており、聴いていると何だかハラハラしてしまう。誰も超オリジナルな彼女のスタイルを真似ることは不可能。このアルバムで「オール・イズ・フル・オブ・ラヴ」に出合えたのは一生の宝。

 

32.ディープ・パープル('68)〜マシン・ヘッド('72)
名曲「ハイウェイ・スター」のエキサイティングで爽快な疾走感!この曲は30年経った今でも、全ハードロックの楽曲中の“カッコ良い曲NO.1”に君臨している。ギターのブラックモアはバッハをリスペクトしてソロを弾いたという。イントロから我々を別次元に連れていってしまう奇跡の一曲!
※ドライブ中に聴くとあっという間に免停になるので御注意を。

 

33.キャロル・キング('42)〜つづれおり('71)
同性から圧倒的に支持されている彼女。歩んできた人生を感じさせる深みのある歌詞がいい。乾いた声質は長時間聴いていても疲れない。大御所シンガー・ソングライター。

 

34.グレイトフル・デッド('66)〜デッド・セット
リーダーのジェリー・ガルシアが死んだ時、アメリカ本国ではプレスリー、J・レノンの時と同じレベルの報道スケールだった。葉っぱと縁の深いこのバンドは、ついに最後まで来日出来なかった。日本の警察は厳しいもんな。7時間に及ぶライブもざらだったという。(ライブでは写真撮影、録音OKという、ファンにフレンドリーで開放的な彼らだった)

 

35.エアロスミス('70)〜ゲット・ア・グリップ
一見派手な印象のロックだけど、よく聴くと抑え気味のメロディーラインも多く、ロックが内に秘めている莫大なエネルギーに空間ごと呑み込まれてしまう。あの歳でまだ最高傑作が出てきそうなモンスターバンドだ。もっと順位を上にすべきか。お薦め曲は『リヴィング・オン・ジ・エッジ』『ドリーム・オン』。この2曲は絶対100年残る。

 ←1989年ロンドンのタワー・レコードのサイン会で激写したデス!

  発売時、店で試聴して冒頭のカッコよさに卒倒しかけた

36.ビーチ・ボーイズ(不明)〜ペット・サウンズ('66)
アルバム『ペット・サウンズ』の帯にある“悲しいほど美しい”というのは最高のコピーだと思った。本作はブライアン・ウィルソンがスタジオにひきこもり、ほぼ一人で創り上げた執念(怨念)の一作。狂気と紙一重の美を味わえる。ブライアンはサーフィン好きのノーテンキ野郎ではない!

 

37.デビッド・ボウイ('47)〜ジギー・スターダスト('72)
グラム・ロックのスーパースター、自称異星人のボウイの美学と魅力が炸裂した代表作。彼のゾクッとする厭世的な声はたまらん。セカンド・アルバム「スペース・オディティ」に収録された同名曲も必聴。


『スペース・オディティ(宇宙の変わり者)』(5分)

♪地上管制室より トム少佐へ
地上管制室より トム少佐へ
プロテインを飲み ヘルメットを着用せよ
地上管制室より トム少佐へ
カウントダウン開始 エンジン始動
点火装置確認 神の愛が君と共にあらんことを

10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 発射

こちら地上管制室 トム少佐へ 君は偉業をやりとげた
それから、新聞記者たちが君の着ているシャツのことを知りたいそうだ
よし、カプセルを切り離す時間だ

「こちらトム少佐 地上管制室へ、ドアから足を踏み出したところだ
とても奇妙な感覚で浮かんでいる
なんだか今日の星々はいつもと違って見える
私は世界のはるか上空でブリキ缶(宇宙船)の上に座っている
惑星地球は青く、そして私が出来ることは何もない
10万マイルも旅してきたが、私の心はとても落ち着いている
そしてどうやらこの宇宙船は取るべき針路を知っているようだ
妻にとても愛していると伝えて欲しい、彼女は分かっているが」

地上管制室より トム少佐へ
君の周囲は死の空間だ(通信回線が死んでしまった) どこか調子がおかしいだけだ
聞こえるか、トム少佐?
聞こえるか、トム少佐?
聞こえるか、トム少佐?
聞こえ…

「私はブリキ缶の周囲を漂っている 月はずっと彼方だ
惑星地球は青く、そして私が出来ることは何もない」

 

38.ニルヴァーナ〜イン・ユーテロ
ひたすら重く憂鬱、そして攻撃的なサウンドのニルヴァーナ。「ロックの核心は反体制、反権力だ。成功した俺にもうロックは歌えない。聴衆を誰一人ごまかしたくない。こんなはずじゃなかった。成功したから俺は死ぬ。」そういって、27歳でライフルを口にくわえたカート・コバーン。遺灰は遺言通りインドのガンジス川にまかれたという。

「少しづつ消えて行くよりも、燃え尽きたほうがいい」(カート・コバーン)

『smells like teen spirit』(4分56秒)

 

39.ヴェルヴェット・アンダーグラウンド('66)〜同タイトル&ニコ('67)
アンディ・ウォーホルが強力にバックアップしていたサイケデリック・バンド。まったり感がやたら気持ちいい。バナナのジャケットはみんな何処かで見覚えがあるんじゃないかな?

 

40.セックス・ピストルズ('75)〜勝手にしやがれ('77)
英国王室をクソミソにバカにした歌でこきおろしていたピストルズ。彼らは右翼団体の襲撃を受けたこともある。歌詞を変えて日本の皇室バージョンにしたら、この国だと胸にでっかい風穴が1秒であくね。最初に契約したEMIは彼らの歌詞に内容に怖じ気づいて契約を破棄、次に契約したA&Mも一週間で契約を白紙撤回した。彼らを世に出したヴァージン・レコードは豪傑。放送禁止になった曲(ゴッド・セイブ・ザ・クィーン)がヒット・チャートの1位になったのは史上初。


『ゴッド・セイブ・ザ・クィーン』

♪(エリザベス)女王陛下バンザイ!
女王は人間じゃないのさ
もう見込みはないぜ
英国は幻影に生きてるだけなのさ
女王陛下バンザイ!
本気でそう思ってる
俺たちの神に選ばれし女王を愛してるんだ
女王陛下バンザイ!
旅行者なんて金に見えるぜ
神は歴史を選んだのさ 狂ったパレードを
ああ神には慈悲がないのか
もはや、あらゆる罪は行われたじゃないか
未来がないのにどこに罪があるってんだ?
俺たちはゴミ箱に咲く花さ

女王陛下バンザイ!
本気でそう思ってる
もう見込みなんかないぜ
英国は幻影に生きてるだけなのさ

未来なんてねぇ(ノーフューチャー) お前らにはありゃしない
未来なんてねぇ 俺にだってないのさ
未来なんてねぇ 未来なんてねぇ 未来なんてねぇ…

 

41.イーグルス('71)〜ホテル・カリフォルニア('76)
イーグルスのメンバーは『ホテル・カリフォルニア』を完成した時、すごく躊躇したと思う。だって、こんなバケモノみたいな大名曲を作ってしまったら、バンドはそこでおしまいだもの。これ以上の傑作を生み出すことはもう不可能。極めてしまうと解散するしかない。

リンク先には名曲『ホテル・カリフォルニア』(7分19秒、演奏は39秒から)のライブが“完全な形で”アップされている!この曲はラストに約2分のギター・プレイがあるんだけど、残念ながらライブでは短縮バージョンになる場合が多い。しかし、この映像ではアルバム通りきっちり演奏されている!有り難い!

歌詞の内容は殆どホラー。登場する“ホテル・カリフォルニア”は米国音楽業界の象徴であり、この曲は“死んでしまったロック・スピリット”への沈痛なレクイエム(鎮魂歌)だ。60年代、ロック・ミュージシャンの多くは反体制であり、ベトナム反戦を訴え、社会の矛盾に怒りを叩き付けていた。ところが70年代に入ると楽屋の会話は「何万枚アルバムが売れた」「高級外車を何台持っている」「今度の曲は儲かる」、そういったビジネスの話題ばかりになった。この曲が発表されたのは1976年。歌詞の中に「1969年を最後にロックは滅んだ」といったニュアンスの部分があるのは、69年に“愛と平和”を掲げて開催されたロックの祭典“ウッドストック”を、ロック精神の最後の灯火と位置づけているから。巨額の投資の対象となり、焼け野原となった業界を前に茫然と立ちつくすイーグルス。曲は有名だけど歌詞を知らない人もいると思うので以下に紹介!

『ホテル・カリフォルニア』
♪夜の砂漠のハイウェイ 涼しい風が髪を撫でてゆく
コリタス草の甘い香りがほのかに漂い 遥か遠くに小さな光が見えた
僕は頭が重くなり目の前がかすんだ どうやら今夜は休息が必要らしい
ベルを鳴らすと戸口に女が現れた
“ここは天国だろうか?それとも地獄なのか?”
彼女はローソクに灯をともして僕を部屋まで案内してくれた
すると廊下の向こうで、こんなふうに囁きかける声がした
「ホテル・カリフォルニアへようこそ。ここは素敵な所。お客様もいい人たちばかり。あなたの訪問をいつでもお待ちしています」
ティファニーの宝石、ゴージャスな高級車のようなレディたちに皆が心を奪われている
中庭では人々が香わしい汗を流してダンスを踊っていた
思い出のために踊る人もいれば、忘れるために踊る人も
スピリット(酒)を飲みたいんだが」
僕がマスターに告げると
1969年からというものスピリット(心)は一切置いてありません」
と彼は答えた
このホテルは熟睡している真夜中でさえ どこからか囁きかける声が聞こえる
「ホテル・カリフォルニアへようこそ。ここは素敵な所、楽しいことばかり。アリバイを作ってせいぜいお楽しみ下さい」
鏡を張りめぐらせた天井、グラスにはピンクのシャンパン
「ここにいるのは自らの企みの為に囚われの身となってしまった人たちばかりよ」
と彼女は語る
やがて大広間で祝宴の準備が整った
人々は鋭いナイフを突き立てるが誰ひとり内に潜む獣を殺せない
気がつくと僕は出口を求めて走り回ってた
どこかに元の場所へ戻る通路がきっとあるはずだ…!
すると夜警が僕に言った
「落ち着きなさい。我々はここに住みつく運命なのだ。ホテルのチェック・アウトはいつでも可能だが、もはやここから立ち去ることは永遠に出来ないのだ

※怖ッ!(T_T)。CMソングで起用している会社は、たぶん意味を分かってないと思う…(汗)。ウッドストックが終わると、続けてジミ・ヘン、ジャニス、ジム・モリソンが早逝し、ミュージシャン達の心に穴があいてしまったようだ…。

 

42.メタリカ('81)〜ライド・ザ・ライトニング('84)
80年代、僕の青春はビートルズとメタリカがすべてだった。大阪城ホールで行われたメタリカのライヴは、1万人前後の客の中で、目に入った女性ファンは数人のみ、あとは全部野郎ばかり。メンバーが舞台に現れると、まるで地鳴りのような低音の歓声が沸き起こり、ホールの天井が低周波で崩れるかと思った。演奏が始まると「オレはこれを待ってたんやー!」と泣き出す者あり、失神する者ありで、あれはもうコンサートというより動物園。感動した。あんなのは、あの時だけだ。
91年にリリースした「ワン」は反戦ヘビメタの金字塔。死んでいく兵士の胸中を歌った曲だ。この曲があまりに素晴らしかった為、グラミー賞に急遽ヘビメタ部門が設けられた。
(初代ベーシストのクリフ・バートンはツアー中にバス事故死)

 

43.フランク・ザッパ('40)〜ワン・サイズ・フィッツ・オール
いいねー、この“何でもアリ”感が。トイレを流す音で曲が始まるなんて、アヴァンギャルドの極み。

 

44.サイモン&ガーファンクル('57)〜サイモン&ガーファンクルのすべて
孤独感あふれる歌の数々。彼らの曲もビートルズと同じく、歌詞だけで詩集たりえる。2人は小学校で同級生だった。
(彼らは当初“トム&ジェリー”のデュオ名で活動していた)


『サウンド・オブ・サイレンス』(2分52秒)※めっさ若い!!
(訳詞。究極の孤独ッス)
ハロー、暗闇くん、僕の昔なじみの友達よ/また君と話したくて来てしまったよ
ボンヤリした幻がそっとやってきて、僕の眠っている間にその種を置いていったんだ/その幻は僕の意識に宿り、今も静寂の音(サウンド・オブ・サイレンス)の中で動かない

安らぎのない夢をまどろみ、玉石を敷き詰めた狭い道を孤独に歩いた/街灯のほの明かりの下を冷気と湿気に襟を立てて/ネオンライトのフラッシュが僕の目に差し込み、夜は引き裂かれ僕は静寂の音に触れる

裸電球の明かりの中に僕は見た/1万人を超える人々を--話すことなく喋り、耳を傾けることなく聞き、歌われることのない詩を書く人々を/誰も静寂の音を呼び覚まそうとはしない

「愚か者!」と僕は言った。「君たちは何も分かってないんだ。癌のように身体を蝕ばむ静寂を」「僕の言葉を聞くんだ、僕の腕をとるんだ」/だけど僕の言葉は音もなく落ちてゆく雨のしずく/そして静寂の井戸の中でこだまするだけ…

人は自分の造ったネオンの神に跪いて祈る/ネオンサインは言葉を並べつつ、こんな警告を光らせる「予言者の言葉は地下鉄の壁や下宿屋の廊下に書かれている。そして静寂の音の中で囁かれている」


『スカボロー・フェア』(3分8秒)※美しすぎて泣ける
(訳詞。古い民謡と反戦歌の融合)
スカボロー(英国北東地方)の市(フェア)に行くのなら--パセリ、セージ、ローズマリー、タイム/そこに住むあの人に僕を覚えているか尋ねて欲しい/かつて心から愛した女性なんだ
※パセリ、セージ、ローズマリー、タイムは全部ハーブ(香草)の名前。その香りが故郷の記憶。

(以下コーラス部分が彼らのオリジナル)
木綿のシャツを作って欲しいと伝えておくれ(コーラス:深い森の緑に囲まれた丘の斜面の)/パセリ、セージ、ローズマリー、タイム(雲の上に残る雀の茶色い足跡)/縫い目も針の跡もないように(毛布と寝間着を着た山の子は)/そうすれば彼女は真実の恋人になるだろうと…(戦闘ラッパの音も知らずに眠る)

1エーカーの土地を見つけて欲しいと伝えておくれ(丘の斜面に舞い散る木の葉が)/パセリ、セージ、ローズマリー、タイム(銀色の涙で墓石を洗い)/海と波打ち際の間の土地を(一人の兵士が銃を磨く)/そうすれば彼女は真実の恋人になるだろうと…

皮の鎌で実りを刈り取れと彼女に伝えておくれ(戦場のラッパが緋色の軍勢を煽り)/パセリ、セージ、ローズマリー、タイム(将軍たちは兵士に敵を殺せと命じる)/そしてヒースの束にまとめてくれと(彼ら自身さえ、とうに忘れてしまった理由のために戦えと)/そうすれば彼女は真実の恋人になるだろうと…

スカボローの市に行くのなら--パセリ、セージ、ローズマリー、タイム/そこに住むあの人によろしくと伝えて欲しい/かつて心から愛した女性なんだ


『明日に架ける橋』(5分30秒)※最大のヒットとなった!全米6週間連続第1位&グラミー6部門制覇。
(訳詞。優しいエール!たまらん!)
君が生きることに疲れ果て思わず涙ぐんでしまう時は、僕が乾かしてあげたい/僕はどんな時だって君の味方だ/頼れる友達が見つからない時でも、荒波に架ける橋のように僕はこの身を横たえよう
※Like a bridge over troubled water.I will lay me down.

君が落ち込み街角に立つ時、夕暮れが冷たく垂れ込める時、君を慰めてあげたい/君が暗闇に身を置き、苦痛に包まれた時は、僕が身代わりになりたい/荒波に架ける橋のように僕はこの身を横たえよう

船出の時だ銀色の乙女よ、帆を高くあげて海を渡っていこう/今こそ君は輝くんだ 君の夢はすぐそこまできている/ほら、明るく輝く光が見えるだろう もし一人が心細いなら僕が後ろからついて行くさ
荒波に架ける橋のように僕は君を安心させてあげたいんだ

※スタジオで録音中(?)の貴重な動画(2分34秒)もあったんだけど、残念ながら歌が最後まで入ってない。でも、動いてる彼らが見られるのは有難い。ガーファンクルの声もメッチャよく出てる。短いながらもファン感涙のムービー。サイモンが若干挙動不審だけど(笑)。

 

45.エルトン・ジョン('47)〜ベリー・ベスト・オブ・エルトン・ジョン
人類史上、これだけ比類ない美しいメロディーラインを短期間で大量に作ってきたのは、エルトン、モーツァルト、シューベルトの3人だけだ。オーブンの使用説明書にさえ即興で音楽を付けてしまう天才。最近はトークショウで自身の同性愛やカツラをネタにした自虐ギャグを披露している。

10代のミュージシャンが口パクでライブしている事を怒って--「僕は心のあるままに主張することを恐れてはいない。年を取ったからといって、人間が丸くなるようなことはない。年を取るだけ、周りにはびこっている不正義が見えるから、それだけ怒ることが多くなる」。

 

46.ザ・キュアー('79)〜ディスインテグレーション('89)
僕はこの手のメランコリック・ロックが大大大好きだ!ドキドキよりもゾクゾクの方が絶対良い!

 

47.KORN('94)〜KORN('94)
「ありゃりゃ?CDに歌詞が付いてないぞ?」と思ったら、ヴォーカルのジョナサン・デイビィスによる膨大な曲目解説が入っていた。“歌詞を載せないのは、音楽に耳を傾けて、そこから感じたものを大切にして欲しい”ということだった。なるほどね。赤裸々に自身の内面を曝け出すジョナサンに、聴き手は襟を正して向き合わずにはいられない。曲の途中で3分間もジョナサンが慟哭する「ダディ」を初めて聴いた時は、どうしようかと思った(汗)。ギターも迫力あるけど、デイヴィッドのスピード感のある乾いたドラムが最高に気持ち良い!

 

48.エクストリーム〜スリー・サイズ・トゥ・エヴリストーリー
どのアルバムも見事な完成度で捨て曲が一切なかった。解散は残念。もっと聴きたかったよ〜。

 

49.ドリーム・シアター〜イメージズ・アンド・ワーズ
ヴォーカルの歌唱力、演奏技術ともピカイチだったドリーム・シアター。でもメンバーにまったくカリスマ性がなかった。あー、ヴォーカルの肥満化が悔やまれる。

 

50.カーペンターズ('69)〜イエスタディ・ワンス・モア
イエスタディ・ワンスモアはぜひ日本語の歌詞カードを読みながら聴いて欲しい。胸の奥がうずきまくる。1982年、妹のカレンが拒食症で亡くなり活動は停止した。

 

51.ザ・バンド(不明)〜ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク('68)
解散ライヴの映画『ラストワルツ』。せつなかったなー。


52.ブルース・スプリングスティーン('49)〜THE “LIVE”
皮肉で歌ったボーン・イン・ザ・USAを愛国心の歌だと思ったレーガン大統領。オッサン、アンタ英語が分からんのかい!


53.ザ・スミス('82)〜ストレンジ・ウィズ・ヒア・ウィ・カム('87)
絶望的かつユーモラスというザ・スミスの音楽はハマるとジャンキー状態になる。ヴォーカルの文学青年モリッシーは英国労働者の代弁者。そして超過激なベジタリアン・シンガー。曲の冒頭に延々と男達の泣き叫ぶ声が入る「サムバディ・ラブド・ミー」は、電気を消して三角座りで聴くのがツウ。ギターのジョニー・マーが涙を最後の一滴まで搾り取ってくれる。
「僕らを身近に感じてもらう為に付けたバンド名がザ・スミスさ。英国で一番多い姓を調べたらスミスだったんだ」(モリッシー)


『サムバディ・ラブド・ミー』

♪昨日の夜 誰かに愛された夢を見た
希望なんかないのは分かってる でも孤独は傷つく心配がなくていい
昨日の夜 本当に抱きしめられていたみたいだった
希望なんかないのは分かってる でも孤独は傷つく心配がなくていい
これはよくあるお話さ 知ってるよ この悪夢はずっと続くんだ…


『ガールフレンド・イン・ア・コーマ』(抜粋)

♪昏睡状態のガールフレンド
判ってるよ ただごとじゃないんだ
昏睡状態のガールフレンド
判ってるよ 本当に危ないんだ
僕は彼女に逢いたくないんだ
彼女が助かると本気で思っているのかい?
最後の別れを告げさせておくれ
判っているよ 危篤なんだ


『ラバー・リング』(抜粋)※87年のアルバム「ワールド・ウォント・リッスン」に収録

♪孤独な心を最も激しく揺さぶる歌だって すぐに忘れ去られてしまうことは
悲しいけれどよく知られている事実
だけど心の中に入ってきて君に微笑を浮かべさせたり
涙を流させたりした幾つもの歌を忘れちゃだめだよ
君が絶望に包まれて寝室の床に横たわり
「ああ、母さん、僕の息の根を止めてくれ」って思う時もね

時の移り変わりや そこから生まれる悪事の数々が僕をまた悲しい気持ちにさせる
そこから生まれるむかつくような愚行の数々が僕をまた悲しい気持ちにさせる
だけど心の中に入ってきて君に涙を流させた歌や
君の人生の救いとなってくれた歌を忘れちゃいけないよ
そう、君ももう歳をとった
今じゃすっかり世渡りも上手くなった
でもそうした歌だけが君の味方をしてくれたんだよ


『ミート・イズ・マーダー』※これは85年の同名アルバムに収録。

♪あなたが気まぐれに炒める肉は
美味しくて肉汁がしたたるようなものじゃない
何の理由もない死
理由なき死、それは虐殺だ
笑みを浮かべてあなたが切り刻む仔牛の肉
それは殺人と同じ
あなたがお祝いで切り分ける七面鳥
それは殺戮
動物たちがどんな風に死んでいくのか知っているのかい?

台所に漂う料理の匂いも家庭的な温かさとは無関係
それでウキウキしたり良い気分になったりなどしない
ジュウジュウと焼けて血がしたたり殺戮のおぞましい悪臭がたちこめる
どこが自然で当たり前なものか
あなたが気まぐれに炒める肉
その肉が口の中に入り
殺戮の美味を味わう
No No No 人殺しと同じじゃないか
No No No ひどい虐殺だ
動物たちの泣き叫ぶ声に耳を傾けるんだ!

 

54.ザ・クラッシュ〜白い暴動
この『白い暴動』からクラッシュ伝説は始まった。多くのパンク・バンドがファーストを出した後、急速にエネルギーを失っていく中で、クラッシュはレゲエ、ジャズ、ファンク、ゴスペルなど様々な要素を取り込みながら成長を続け、3rdの名盤『ロンドン・コーリング』、ゴッタ煮の超大作『サンデニスタ!』を世に送った。02年12月22日、ジョー・ストラマーが心臓麻痺のため、50才で他界。

「パンクとは姿勢である」(ジョー・ストラマー)

※クラッシュといえば政治的メッセージ。4枚目のアルバムから表題曲の歌詞を紹介。ここでは米国、旧ソ連、中国、英国など、武力をかざす全ての大国を批判している。

『サンディニスタ!(ワシントンの銃弾)』(抜粋)

♪殺人者の道化たち 血まみれの金の男たち
奴らがまた、あのワシントン製の銃弾を撃ち始めた

チリの全ての監獄が教えてくれる 拷問される男たちの悲鳴
アジェンデを思い出せ ヴィクトル・ハラを思い出してくれ お願いだ
サンチャゴ・スタジアムのことを
またワシントンの銃弾だ

ニカラグアで革命が起きた時
人民が独裁者と戦い奴は逃げ出した
ワシントンの銃弾がなければ奴にはそうするよりなかったのだ

モスクワの銃弾が撃ち損ねたアフガン・ゲリラに尋ねてみるがいい
共産主義者に投票することを彼らがどう考えているかを

チベットの丘でダライ・ラマに聞いてみろ
何人の僧侶を中国人が殺したか

戦いに引き裂かれた泥沼で兵士たちを呼びとめ
奴らの武器にイギリス製の銃弾が入っているか確かめてみろ

 

55.ルー・リード('43)〜ベルリン('73)
低音のフェロモン声がデカダン的で、カルト的な人気がある。元ヴェルヴェット・アンダーグラウンドのヴォーカル(再結成したから現、かな?)。本人はあまりに人付き合いが悪いので、友人はほとんどいないらしい。


56.クリーム('66)〜クリームの素晴らしき世界
伝説の三人組職人集団。各自がソロに突入すると15分以上やっちゃうため、その間他のメンバーは舞台から消え、ジュースを飲んで休憩している(笑)。

 

57.エリック・クラプトン('45)〜エリック・クラプトンの歴史
ギターを弾くスピードがあまりに速すぎて、逆にゆっくり見えるため“ミスター・スロー・ハンド”と呼ばれる。ブルースにすべてを捧げた男。声も良い味が出てる。ヤードバーズやクリームで活躍したがヘロイン中毒になり一時リハビリ施設へ。克服後はソロに。このアルバムには入ってないが、転落死した愛児に捧げた「ティアーズ・イン・ヘブン」は涙なくしては聴けない名曲。


58.アレサ・フランクリン〜ゴスペル・ライブ
このゴスペル・ライブ最大の聴きどころはシューベルトのアヴェ・マリア!宇宙の彼方へ吸い込まれていきそう。


59.エニグマ〜ザ・クロス・オブ・チェンジズ
重厚、荘厳、哲学的。聴き応え充分。グレゴリオ聖歌を取り入れたりしている。


60.アイアン・メイデン('71)〜第七の予言
壮大なスケールのドラマチック・ヘヴィメタル。英国発。

★1985年3月LAライブにて
「アイアン・メイデンは悪魔か?答えはノー。悪魔崇拝者なんて死んじまうか倒れちまえばいいんだ。ああいう連中には虫酸が走るぜ」
「TVの取材でこう聞かれた“あなた方はMTVにも出ないし米国ではラジオでも流れない。それなのにLAのステージのチケットが4日間とも売り切れになるのはなぜ?”って。それは俺たちが関心を持っているのは音楽だけだからさ。洋服とかジーンズとかニキビの薬とか、くだらない物を売る手伝いはしないんだ。奴らはラジオで宣伝して金を稼ぎたいだけ。音楽には無関心さ。会場のみんなは世の中にカネより音楽に関心を持ってる人間がいるという生きた証だ」

61.イエス('68)〜こわれもの('71)
非常に緻密な音作りは、お城の石垣状態。いちぶの隙もない。バンド名は“イエス”だが、アルバム・タイトルは“こわれもの”。実に不気味な肯定だ。

 

62.アル・クーパー('44)〜赤心の歌
沈む太陽を立ちすくんだまま見つけている印象。帰るとこがない…。


63.ジェーン・チャイルド〜ジェーン・チャイルド
ケイト・ブッシュ、ビョークと並ぶ、狂乱ブチ切れ3大女性ヴォーカル(褒めてるんだよ)。特に5曲目の「あなたを信じて」は鎮静剤を打った方がいいんじゃないかって、マジで心配になる。これ一枚で消えてしまったが、インパクトは絶大だった。

『あなたを信じて』(抜粋)

♪やっと分かった 本当のことが分かった
私自身が分かった
あなたは私の宗教
あなたを信じる
あなたと私は一体になって残る
肉体や血は代わる事が出来ない
もう疑ったり恐れたりしない
あなたの言葉を聞きたい
なぜ私がここにいるのか分かったわ
あなたが あなたが私の宗教
あなたが神様である事は心から信じる
どんなことになっても信仰は変わらないわ
あなたが私の宗教
あなたを信じる

(恋愛=宗教になってしまったトンデモ歌詞だが、このうえさらに、バック・コーラスが「♪ヘーブン・アーンド・ヘール」と歌っているんだ)


64.マドンナ('59)〜バラード・コレクション
これは良いアルバムだった!マドンナの高い歌唱力を堪能できるバラード集で、新曲も含まれていた。本名マドンナ・ルイーズ・ベロニカ・チコーネ。


65.フリート・ウッド・マック('67)〜噂('77)
枯淡な味わいを感じさせるサウンド。後年のポップス路線より初期のブルース・ロックの方が好み。


66.ジーザス・ジョーンズ〜リキタイザー
ただのノリの良いディスコ・サウンドではなく、歌詞の内容がヒューマニズムに溢れている。素晴らしい。


『インターナショナル・ブライト・ヤング・シング』

♪自己紹介してくれよ
俺たちで世界を揺るがせてやろうぜ
この地球を限りなく縮めて
人々を隔てている壁を無くしちまうんだ
世界中の希望に満ちた若者たち
お前らが世界を動かす
高い空から見れば大地に境界線などない
どこだって俺たちの住んでる地球だ
いつだって俺は一人じゃない

もうくたくただ 頭で考えるのはやめて
心を解き放ち体で感じたい
若者たちの叫びが聞こえる
俺はどこにも属さない
全てに属してるんだ!


67.ブルース・ブラザーズ('78)〜ザ・ブルース・ブラザーズ
映画『ブルース・ブラザーズ』でいっきに彼らの虜になった人も多いのでは?アルバムにはジェームス・ブラウン、アレサ・フランクリン、レイ・チャールズといった大物が参加している。82年に兄貴分のジョン・ベルーシがドラッグで死亡。彼が生きていれば、この後もアルバムが続いただろうに…残念。


68.ジェームス・ブラウン('33)〜ジェームス・ブラウン・ベスト・ヒッツ
ソウルの帝王。熱い、とにかく熱い火の玉オヤジ。ムショ暮らしも体験済み。


69.ザ・ポーグス('84)〜ザ・ベスト・オブ・ザ・ポーグス
アイリッシュ音楽がブームになる草分け的存在の元気な8人組バンド。バンジョーやアコーディオンが入ったパンク・フォーク!


70.グリーン・デイ('94)〜インターナショナル・スーパー・ヒッツ('01)
歌詞の暗さとは裏腹に、メロディーはめちゃ明るく爽快!そしてパワフル!


『バスケット・ケース』(抜粋)

♪僕の泣き言を聞く時間はあるかい?僕は愚か者の一人、骨までノイローゼだよ
時々自分にゾッとする 僕はおかしくなっている ブッ飛んでるのが自分でも分かるんだ
自分の夢を分析するために精神科に行った この落ち込みはセックス不足が原因らしい
で、娼婦の所へ行ったら彼女は僕の生き方がつまらないってさ…
そして彼女が暗くなるので「もう泣き言はやめて」って言われた

 

71.クリス・レア(51)〜レインボウ
レコード会社の商業路線に背を向けて、一匹狼で音楽を作り続けているクリス・レア。雨中の車から聴こえる世界各国のラジオ放送で始まる一曲目は、「こもれび」という曲名に反して、実におどろおどろした曲だ。


『こもれび』

♪ハイウェイの道端に立ち尽くす女の人影が見えた
自分を見るような親しみ深い面影がウィンドウに映った
僕の車に向かって歩いてきて
彼女はゆっくり身体を前に傾けた
恐ろしいプレッシャーで身動きできない僕
彼女は言った
「こんな所で何してるの?お前のことが心配でお墓から出てきたのよ」
「ママ 僕は金持ちの仲間に入るんだ 自分を高く売るのさ」
「息子よそれは地獄への道なのよ」
僕は道に迷って地獄に突っ込んじまったのさ


72.フェイス・ノー・モア(83)〜エンジェル・ダスト('92)
グルーブ感のあるハードロックを聴かせてくれる。強烈なカタルシスを味わえる。


73.T.レックス('67)〜ゲット・イット・オン
白塗り化粧で性別不明、グラム・ロックの貴公子マーク・ボラン様のバンド。ゴージャスなエレクトリック・ギター・サウンドを展開した。英国で絶大な人気を誇り、最盛期にはビートルズの後継者とまでいわれていた(アルバムのジャケットを撮影したのはリンゴ・スター)。ボラン様は「僕は30までに死ぬだろう」と予言していたが、本当に29才で逝ってしまわれた。


74.ソニック・ユース('80)〜グー('91)
ノイズっぽいザクザクしたギター・サウンドがカッコ良い!


75.ユーライア・ヒープ('69)〜ベスト・オブ・ユーライア・ヒープ('71)
超名曲「対自核(ルック・アット・ユアセルフ)」を聴かずに生を終えるなかれ!この曲のラスト1分の盛り上がりは未曾有のもの。リズムの嵐、ハイテンションの極致!
(ベーシストのゲイリー・セインはツアー中に悲惨にも感電死)


76.ピーター、ポール&マリー〜テン・イヤーズ・トゥゲザー
縁側に座り、昆布茶をすするひととき。そんなホッとする空間をあなたに。


77.R.E.M.('83)〜オートマチック・フォー・ザ・ピープル
インテリジェンス・ハード・ロック。ロック・ファン=乱痴気パーティしてるアホ、という図式はR.E.M.周辺にはどこにもない。

「R.E.M.が書いたような良い曲を、2,3曲で良いから俺も書けたらなぁ…。あのバンドがどうやってああいうふうにやっているのか俺にはわかんないよ…。もう彼等は最強さ。まるで聖人のように成功に対処して、しかもグレイトな音楽を作り続けているんだから」(カート・コバーン) 


78.エマーソン・レイク&パーマ('69)ー〜展覧会の絵
なんとムソルグスキーの名曲「展覧会の絵」を、まんまロックにしてしまった冒険野郎たち。クラシックとロックを完全融合させた勇者だ。3人とも鬼のような演奏テクニックを持っている。


79.ジョー・コッカー〜ベスト・オブ・ジョー・コッカー
シンプルなラブソング「ユー・アー・ソー・ビューティフル」は世紀の名曲。彼は喉から心臓が出てくるんじゃないかって歌い方をする。


80.a-ha('85)〜ヘッドラインズ&デッドラインズ
ビジュアル系でチヤホヤされてるだけと思ってたが、実力を兼ね備えたユニットだと分かり、目からウロコが落ちた一枚。ノルウェー発。


81.ロキシー・ミュージック('71)〜ストランデッド
大人の哀愁を感じさせる。静かな悲しみが漂う。


82.キンクス('62)〜サムシング・エルス
スタイリッシュなロック・キッズ(今はもうキッズじゃなけど)。海外での人気は相当なもの。


83.ポール・サイモン('41)〜グレイス・ランド('86)
実に様々なタイプの楽曲を生み出すポール・サイモン。なんて才能豊かなのか。


84.マービン・ゲイ('39)〜ホワッツ・ゴーイン・オン('71)
社会問題を歌う硬派なソウル・シンガーだ。ベトナム反戦のメッセージを込めた表題曲「ホワッツ・ゴーイング・オン」は必聴!彼は45歳の誕生日に説教師の父親に殺されてしまった(原因は親子ゲンカ)。

『ホワッツ・ゴーイング・オン』(抜粋)

♪母よ あまりに多くのは母たちが悲しみの涙を流している
兄弟よ 同胞たちよ あまりに多くの仲間たちが死んでいく
父たちよ 戦いをエスカレートさせる必要はないんだ
分かっているでしょう 戦いでは答えにならない
愛だけが憎しみに打ち勝つことが出来る
話せば判るはずさ 一体何が起こっているのか

 

85.クロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤング('68)〜デ・ジャ・ヴ('70)
超豪華メンバーによる極上&珠玉のギター・サウンド。アコギ掻き鳴らしまくり。


86.ママス&パパス〜ベスト・オブ・ベスト
代表曲「夢のカリフォルニア」は、これ一曲でここにランキングするほど、コーラスのハーモニーが美しい傑作だ。


87.シカゴ('67)〜シカゴの軌跡
後期のシカゴは寝言を歌うばかりで腑抜けになったが、初期の頃は戦闘的でイカシてた。当初のヴォーカル、テリー・カスはなんとロシアン・ルーレットで死亡。


88.ジェネシス('68)〜インビジブルタッチ
低音に透明感がある独特のウェットなサウンドが聴きやすい。


89.TOTO('78)〜TOTO IV(聖なる剣)
安定感のある演奏で、上質のメロディー・ラインを奏でた。隙のないバンド。ちなみに日本のトイレ・メーカーとは何の関係もない。


90.10cc('70)〜オリジナル・サウンド・トラック
大ヒットした「アイム・ノット・イン・ラブ」は、ヴォーカルのクリア・ヴォイスとシンセザイザーの浮遊感ある旋律が、ドンピシャでキマッた名曲中の名曲だ。


91.バッファロー・スプリング・フィールド('66)〜バッファロー・スプリング・フィールド・アゲイン
カナダ人ミュージシャンのニール・ヤングが所属した、カントリー・ロックの先駆けとなった伝説のバンド。「ガキどもは聴くんじゃねぇ」って感じの、玄人好みのバンドだ。


92.スペシャルズ('77)〜ザ・スペシャルズ
ホーン・セクションの入ったパワフルで陽気なバンド。


93.ユーリズ・ミックス('81)〜ビー・ユアセルフ・トゥナイト
アン・レノックスの官能的なカリスマ・ヴォーカルに惚れボレ。彼女はバンドの連中と出会うまでレストランのウェイトレスをしていた。


94.スザンヌ・ヴェガ('60)〜孤独“ひとり”('87)
フォーク・シンガー。朝のカフェを舞台に日常生活を歌ったアカペラの「トムズ・ダイナー」は、たった2分の短い曲だが、音楽が文学を超えた歴史的名曲だ。

 

95.ヤズー('82)〜オンリー・ユー
低音でソウルフルなアリソン・モイエの声が実に良い。「ウィンター・キルズ」は全男性がビビリまくる曲。

『ウィンター・キルズ』

♪あなたに冬枯れ(ウィンター・キルズ)を教えてあげる
白昼夢に迷い込み車をとばしても
何処にもたどり着けない これが冬枯れ
もっともっと弱い所を探して引き裂いてあげる
あなたの目に浮かぶ苦痛は
私を残忍にさせる 執念深くさせる
あなたの涙は愉快 あなたの黄昏は喜び
わかった?これが冬枯れなのよ


96.アバ('71)〜アバ・ゴールド
大成功した北欧のコーラス・グループ。スウェーデンから世界へ羽ばたいた。代表曲「ダンシング・クィーン」は今も世界中のDJがかけまくっている。

 

97.ジェフ・ベック('44)〜ワイアード
3大ギタリストの一人、ジェフ・ベック。フィードバック奏法を開発した。粋なインストゥルメンタルを演奏しており、紳士的で上品なギターだ。


98.ロッド・スチュワート('45)〜ベスト・オブ・ロッド・スチュワート
ハスキー・ヴォイスが魅力。マネー主義でアホっぽいけど、それはそれで彼のキャラ。いにしえのロックン・ローラーの見本。


99.レナード・コーエン〜ザ・フューチャー
シニカルな歌詞、地を這う低い声。日本では無名に近いが、欧米のコーエン信者は、エルトンやU2のボノなどかなりの数。オリバー・ストーンも映画(N・B・キラーズ)で使ってた。


100.ヴァージニア・アストレイ('60)〜サム・スモール・ホープ
坂本龍一とデヴィッド・シルビアンが才能に惚れてバック・アップしている、知る人ぞ知る、そして知らない人は全く知らないイギリスの女性シンガー。暖かい陽だまりのような彼女の音楽は、人生の優しいエールだ。買って絶対に後悔しない1枚と断言したい。


101.イングヴェイ・マルムスティーン〜ライジング・フォース
ハード・ロック史上最速のギター・プレイを聴かせるイングヴェイ。演奏速度では3大ギタリストに負けないのに、なぜかいつまでたっても見世物的な扱いを受けている気の毒なミュージシャン。“感情がこもってない”“曲芸と同じ”など叩かれているが、近年は貫禄が出てきていると思う。


同101.ピーター・トッシュ〜解禁せよ
ボブ・マーリィよりさらにメッセージ色の強い、過激なレゲエ・ミュージシャン。最後は射殺された。


同101.ビージーズ〜ベリー・ベスト・オブ・ビージーズ
102.レインボー〜アイ・サレンダー
103.ナナ・ムスクーリ〜花売り娘
104.スティービー・レイ・ヴォーン〜テキサス・フラッド(ブルースの洪水)
105.ジプシー・キングズ('82)〜ジプシー・キングズ
スペイン語圏で最強の人気を誇ったバンド。リズム感が抜群に良い!


106.ニール・ヤング('45)〜ハーベスト
107.フランク・シナトラ〜ベスト・オブ・リプリーズ・イヤーズ
108.UFO〜ライヴ
109.ラッシュ〜2112
110.マイケル・ジャクソン〜スリラー

キング・オブ・ポップの名を不動にした、世界で最も売れたアルバム『スリラー』。映画並のクオリティのミュージックビデオで人々の度肝を抜いた!

【映画「THIS IS IT」絶賛レビュー】
急死したマイケルの幻のロンドン公演のリハーサル風景が映画に。“リハーサル”といっても殆どステージは完成されており、圧倒的なパフォーマスと美声を思う存分堪能できる。歌もダンスも手抜きゼロ!近年、マスコミが報道していた“マイケルはもう踊れない”“昔のように声が出ない”といった言葉を信じていた僕は本当に愚かだった。この映画を通し、今になってマイケルの真の偉大さが分かり彼に土下座したい。“ロンドン公演を嫌がっていた”どころか、観客の一人一人を喜ばせようと血の滲むような努力をしていた。0.1秒のズレもなくダンスを合わせるマイケルとダンサー達。バック・ダンサーは若者ばかり(20代と思う)なのに、50歳のマイケルの動きが誰よりもシャープでキレがあったことに驚いた。あれは50歳の動きじゃない!画面からは歌の魅力だけでなく、マイケルの温かい人間性もヒシヒシ伝わってきた。末端のスタッフにまで彼は何度も「サンキュー」「ゴット・プレス・ユー」と声を掛け、バンドの演奏者には「ここが君の見せ場なんだ」「君が一番輝くところだよ」とエールを送るなど、周囲の人々への接し方が愛情と誠意に溢れていた。信頼関係が出来ているから、クレーンで高所に立たされたマイケルに向かって、「それで半分の高さだぞ」とスタッフもジョークを飛ばせる(マイケルの返事は「なんでそんなこと言うの〜?」で可愛かった)。
特筆したいのはマイケルが120%本気で環境問題に向き合っていたこと。過度な森林伐採に警鐘を鳴らして舞台にブルドーザーを出したり、スタッフ相手に「みんな環境問題は誰かが解決してくれると思ってる。でも“誰か”って誰なんだ。自分が立ち上がらないと」「今後4年間でこの運動を形にして自然破壊をやめさせよう」と真剣に語りかけていた。
上映時間は111分。ビート・イット、スリラー、ビリー・ジーンなど懐かしい曲に酔いしれた。オーディションに合格したバックダンサーの若者が、ウルウル目で語った言葉が心に残った「人生は辛いものだろう? だから、信じられる生きる意味を見つけなければいけない。それがこのステージだ(This is it.)」。上映後に場内から拍手が起こったのも感動的だった。90点献上。
※この映画で残念だったのは日本語の歌詞が最後の一曲しか出て来なかったこと!っていうか、日本語だけじゃなく、英語の歌詞すら出なかった。WHY!?せっかくマイケルが歌詞にメッセージを込めて歌っているのに、字幕がないって配給会社は何を考えてるんだ…。今までマイケルをあまり聴いてなかった人も劇場に足を運んでいて、歌詞を知る貴重な機会なのに!DVDには是非歌詞の字幕を入れて欲しい。

★“日本語の歌詞が入ったこのマイケルの映像がお薦めです!”とサイト読者の方が紹介して下さった「マン・イン・ザ・ミラー」(5分)。今までメロディーは知っていたけど、こんな歌詞とは知らずめっちゃ感動しました!「マン・イン・ザ・ミラー」は鏡の中の自分自身に話しかける歌だった!映像の中にガンジーやキング牧師、マザー・テレサ、J・レノン、JFKも映り、ファンの熱気も素晴らしく、完全に聴き入ってしまった。以下、歌詞を抜粋しますね→
僕は人生を変えようと思うんだ
それは今までとは違う、気持ちが良くなる正しい行ないだ
食べることも充分じゃないストリートの子どもを見て見ぬ振りなんて出来ないよ
僕は鏡の中の男に問いかけるんだ、行ないを変えようと
本当に簡単なメッセージなんだ
もし、より良い世界にしたいと望むなら
まずは自分自身から変えるんだ
心を閉じること何て出来ないさ
彼は変わるんだ
行ないを変えるんだ
鏡の中に見える自分から始めるんだ
もし、より良い世界にしたいと望むなら
まずは自分自身から変えるんだ
自分を高めるんだ、分かるよね
自分自身で問題を解決するんだ
変化を起こそう
まずは自分から変わるんだ
そう、自分から動くんだ。分かるだろう?
自分が変化を起こすんだ
みんな分かってるはずだ
そう、みんな分かってるはずだ
シスターもブラザーも
みんな分かってる、知ってるはずだ
変化を起こすんだ!


111.ロバータ・フラック〜ベスト・オブ・ロバータ・フラック
112.ヤードバーズ〜ベスト・オブ・ヤードバーズ
113.アイス・キューブ〜ディス・サーティフィケイト
114.フィル・コリンズ〜II(心の扉)
115.ジョージ・ハリソン〜オール・シング・マスト・パス
116.プロコム・ハルム〜青い影
117.ダムド〜地獄に堕ちた野郎ども
118.ジェームス・テイラー・カルテット〜ファースト・シックスティ・フォー・ミニッツ
119.メガデス〜破滅へのカウント・ダウン
120.ジェファーソン・エアプレイン〜シュールレアリスティック・ピロー
121.ザ・バーズ〜ミスタータンブリンマン
122.スライ&ファミリー・ストーン〜暴動
123.フリー〜ザ・フリー・ストーリー
124.スティクス〜ミスター・ロボット
125.シンディー・ローパー〜トゥルー・カラーズ
126.オールマン・ブラザーズ〜ブラザーズ&シスターズ
127.オフラ・ハザ〜イエメン・ソングス
128.アリス・クーパー〜グレイテスト・ヒッツ
129.サム・クック〜ユー・センド・ミー
130.アンナ・ドミノ〜ジス・タイム
131.ジャム〜グレイテスト・ヒッツ
132.サンタナ〜オリジナル・グレイテスト・ヒッツ
133.トレイシー・チャップマン〜トレイシー・チャップマン
134.パブリック・エネミー〜ブラック・プラネット
135.ポール・マッカートニー〜オール・ザ・ベスト
136.ブラック・サバス〜パラノイド
137.エイジア〜詠時感(時へのロマン)
138.クリストファー・クロス〜南から来た男
139.オジー・オズボーン〜BEST OF OZZ
140.アース・ウインド&ファイヤー〜ベスト・オブ・アース・ウインド&ファイヤー
141.ボーイズ・II・メン〜クーリー・ハイ・ハーモニー+6
142.ジューダス・プリースト〜プリースト・・・ライヴ!
143.ホリー・コール〜コーリング・ユー
144.ベンチャーズ〜ゴールデンヒッツ・23
145.ダイアナ・ロス&スプリームス〜グレイテイスト・ヒッツ
146.ジェーン・バーキン〜バビロンの妖精
147.メアリー・ブラック〜暗くなる前に
148.ジェスロ・タル〜アクアラング
149.ニルソン〜ベスト・オブ・ニルソン
150.モーターヘッド〜エース・オブ・スペイズ
151.ユッスー・ンドゥール〜セット
152.デュラン・デュラン〜デュラン・デュラン
153.ギルバート・オサリバン〜トゥモロウ・トゥディ
154.ダイアー・ストレイツ〜ブラザーズ・イン・アームス
155.クラナド〜パースト・プレゼント
156.ホワイト・スネイク〜白蛇の紋章
157.ヴァニラ・ファッジ〜キープ・ミー・ハンギング・オン
158.ビリー・ジョエル〜ビリー・ザ・ベスト
159.ボストン〜幻想飛行
同159.クラフトワーク〜放射能

「ラジオランド」と「オーム・スウィート・オーム」の美しさに泣いた!あの音世界はすごい。
160.ブライアン・フェリー〜ストリート・ライフ
161.バングルス〜グレイテスト・ヒッツ
162.ジョージ・マイケル〜フェイス
163.クリフ・リチャード〜CDベスト・ナウ
164.レッド・ホット・チリ・ペッパーズ〜スーパー・ベスト!!
165.カーズ〜ハート・ビート・シティ
166.キッス〜グレイテスト・キッス
167.アニタ・ベイカー〜ラプチェアー
168.ヴァン・ヘイレン〜1984
169.ドゥービー・ブラザーズ('70)〜ドゥービーズ・ベスト!
170.サラ・マクラクラン〜タッチ
171.ジョニ・ミッチェル〜コート・アンド・スパーク
172.フリオ・イグレシアス〜愛の瞬間
173.リッキー・リー・ジョーンズ〜浪漫
174.ロバート・パーマー〜ヘビー・ノバ
175.ワム!〜ザ・ファイナル
176.グランド・ファンク・レイルロード〜アメリカン・バンド
177.ウィリー・ネルソン〜枯葉
178.スティーリー・ダン〜彩(エイジャ)
179.アラン・パーソンズ・プロジェクト〜ベスト・オブ・アラン・パーソンズ・プロジェクト
180.トーキング・ヘッズ〜ベスト・オブ・トーキング・ヘッズ
181.アリソン・モイエ〜フードゥー
182.ポール・ヤング〜アザー・ボイシズ
183.テレンス・トレント・ダービー〜TTD
184.ボズ・スキャッグス〜シルク・ディグリーズ
185.ジャネット・ジャクソン〜コントロール
186.スティーブ・ウィンウッド〜ロール・ウィズ・イット
187.リンダ・ロンシュタット〜グレイテスト・ヒッツ
188.ヨーロッパ〜ファイナル・カウント・ダウン
189.ホール&オーツ〜プライベート・アイズ
190.エヴァリー・ブラザーズ〜ベスト
191.ミニー・リパートン〜永遠の詩
192.クリアデンス・クリアウォーター・リバイバル〜C.C.R.
193.ブライアン・アダムス〜ソー・ファー・ソー・グッド
194.エリック・カルメン〜ベスト・オブ・エリック・カルメン
195.マライア・キャリー〜エモーション
196.レオン・ラッセル〜ベスト・オブ・レオン
197.マイケル・ボルトン〜タイムレス
198.スティービー・B〜ベスト
199.ボビー・コールドウェル〜シー・サイド・センチメンタル
200.AC/DC〜地獄のハイウェイ
パンテラ〜脳殺


ジョージ・ハリスンとエリック・クラプトンを手玉に取った
魔性の女パティ・ボイド。別の角度から見れば“名曲の母”!


米国を代表する音楽誌ローリング・ストーンが選出した『史上最も偉大なアルバム・ベスト500』は、ロックだけじゃなく、ソウルやジャズも含んでいて実に参考になる。ビートルズ・ファンの自分としてはトップ10に4枚も入っていて、かなり嬉しい結果だった!ちなみに500位中のトップ20は以下の通り。
1.サージェントペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド(ビートルズ)
2.ペット・サウンズ(ビーチボーイズ)
3.リボルバー(ビートルズ)
4.追憶のハイウェイ61(ボブ・ディラン)
5.ラバーソウル(ビートルズ)
6.ホワッツ・ゴー・イン・オン(マービン・ゲイ)
7.メイン・ストリートのならず者(ローリング・ストーンズ)
8.ロンドン・コーリング(クラッシュ)
9.ブロンド・オン・ブロンド(ボブ・ディラン)
10.ザ・ビートルズ/ホワイト・アルバム(ビートルズ)
11.サン・セッションズ(プレスリー)
12.カインド・オブ・ブルー(マイルス・デイビス)
13.ヴェルベット・アンダー・グラウンド&ニコ(ヴェルベット・アンダー・グラウンド)
14.アビー・ロード(ビートルズ)
15.アー・ユー・エクスペリアンスト(ジミ・ヘンドリックス)
16.血の轍(ボブ・デイラン)
17.ネバーマインド(ニル・ヴァーナ)
18.明日なき暴走(ブルース・スプリングスティーン)
19.アストラル・ウィークス(ヴァン・モリソン)
20.スリラー(マイケル・ジャクソン)
どれも音楽史を変えた歴史的名盤ばかり!洋楽をあまり聴かない人も、洋モノの基礎知識として、最低でもトップ10は一刻も早く聴いて欲しいッス!ホント、絶対に聴いて損はないですッ!(☆o☆)※僕の好きなレッド・ツェッペリンの1枚目は29位、ドアーズの1枚目は42位、ピンク・フロイド『狂気』は43位、サックスのコルトレーンは47位、ツェッペリンの4枚目は66位、フ−の『トミー』が96位。どれももっと上だと思うけど、これだけ名盤が集まると強敵ばかりだねぇ。


1995年から2002年まで平日に教育テレビで放送されていた子ども番組『ハッチポッチステーション』。主な対象は幼児でありながら、ダジャレの内容は大人向けという、親子で楽しめる名番組だった(子ども向けの番組としては歴代最高視聴率を記録)。番組内には様々なコーナーがあったけど、僕がハマッたのはグッチ裕三が替え歌を熱唱する“ホワッツ・エンターテインメント”。その一部がYouTubeに上がっていたので、以下にお薦めをチョイス!(上から順にご覧下さい)
●“うみ”“おつかいありさん”“森のくまさん”をビートルズ風に(2分4秒)…短いので未見の方は是非ご覧あれ!この2分の動画で、当番組に惚れ込むでせう!
●“母さんのうた”をアース・ウィンド&ファイアー風に(3分7秒)…このシリーズで最も映像的に凝った楽曲。特殊効果いっぱい。ラストはもうワケが分かりません!(笑)
●“クラリネットをこわしちゃった”をビージーズ風に(2分10秒)…もともとこういう曲じゃないの!?と思うほど違和感ナシ!
●“おなかのへるうた”をキッス風に(1分37秒)…人形のデキはこの曲がナンバー1。メイクもキッスのメンバーと同じ!(爆)
●“犬のおまわりさん”をクイーン風に(2分28秒)…元ネタはロック史に輝く名曲「ボヘミアン・ラプソディー」。途中のコーラス映像は、クイーンのミュージックビデオを忠実に再現しており、オリジナルを知っている人は爆笑間違いなし。
●“おはなしゆびさん”をアバ風に(1分43秒)…「ダンシング・クイーン」が“単身赴任(タンシングフニン)”に激変!
●“いっしゅうかん”をディープ・パープル風に(2分8秒)…原曲はあの「スモーク・オン・ザ・ウォーター」!替え歌になってもギター・リフのカッコ良さ健在!
●“やぎさんゆうびん”をマイケル・ジャクソン風に(1分56秒)…「ビート・イット」パロディ。グッチさんがマイケル・ハクションの名前でダンスを本気再現!
この他、放送ではボブ・マーリーやマービン・ゲイなど素晴らしい替え歌コピーがあった。全シリーズがDVD化されたら絶対に買うのになぁ。またこういう、高視聴率なのにマニアックな子ども番組が放送されることを願ってます!
※めっさ音質の良い本物のビート・イット動画(4分57秒)があった!昨年末にアップされ、既に74万回再生!これまでに何度も見てきた映像なのに、あまりのカッコ良さに最後まで見てしまう。前半のマイケルの“ピアノTシャツ”は、つい笑ってしまうなぁ。


YouTubeにはホームビデオの映像などもアップされているのですが、掲示板で紹介頂いたエミリー(15才)とフィオナ(12才)が歌う『朝日のあたる家』(2分6秒。アニマルズの大ヒット曲)に思わず聴き入ってしまった。「♪ニューオリンズのその娼家は“朝日のあたる家”と呼ばれている。たくさんの貧しい若者であふれた廃墟で、神よ、私もその中の一人なんだ…」と始まる悲痛な歌詞。2人は若いのにとてもブルージーに歌い上げるなぁ。





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