最新文芸情報


2010.7〜8

 8月31日…ネットで話題になっている日本体育大学のパフォーマンス『集団行動』(8分52秒)に驚愕!確かにこれは凄い。途中、3分あたりでいったん皆が座るけど、1分後に再び怒濤の展開になる。客席からの素人の撮影でこの迫力。テレビ局が複数のカメラで本格的に撮影すれば、さらに神技が伝わるハズ。世界各地で実演して欲しい!//明日9月1日は映画の日。知人の情報では『ヒックとドラゴン』が良いとのこと。また、読者の方からは、上映中の『シルビアのいる街で』を薦めて頂きました。『シルビア〜』は東京、大阪、京都、愛知…と順番に各地で公開される模様。予告編(3分7秒)のシットリとした空気感がめっちゃ好み。//お薦めホッコリ音楽第20回は“アメリカ”(これがバンド名)の『名前のない馬』(3分49秒)。「旅を始めたとき俺は人生を見つめていた」「雲ひとつない空が広がり、気温はとても暑く、大地はカラカラに乾いていたが、大気には音楽が満ちていた」「俺は名前のない馬に乗り砂漠を旅している/雨に当たらないってことは最高だ/砂漠では自分の名前をずっと覚えていられる/ここには俺を傷つけるような奴はいないからな」「そこでは植物や、鳥や、岩や砂までもが生命の環を作っていた」「九日後、俺は馬を手放したのさ/なぜって、砂漠は海に変わったからだ」「都会の地下にだって大地の心はあるが、人々はそこに愛を与えようとしないのさ」。馬で灼熱の赤い砂漠を越えていく感じが好きで、昔からよく聴いていた。//今朝のラジオ出演、なんとか放送事故だけは免れた(汗)。早朝から緊張でガチガチになっていたら、友人がオンエア直前に「たくさんの人達にいっぺんに電話してると思えば、超幸せじゃん」とメールをくれた。おかげで幾分気楽に。友よ、ありがとう!
 8月30日…来年の大河ドラマの主役、“お江”の遺髪墓が京都にあり、巡礼時のレポートをアップ。彼女の墓を建てたのが、江戸城で対立関係になった春日局というのが興味深かった。それにしてもこのお江!調べれば調べるほど、なんちゅう波瀾万丈の人生。逆に今まで大河の主役にならなかったのが不思議なくらいだ。//『あの人の人生を知ろう〜鑑真和上』のコーナーに、先月10年ぶりに再巡礼した際の画像を追加アップ(奈良・唐招提寺)。平城遷都1300年祭の実物大・遣唐使船の画像も数点入ってます。//お薦めホッコリ音楽第19回はバッハ『神よ、憐れみたまえ』(5分18秒)。地の底から音符が湧き出てくる、そんな冒頭。なんというか、聴いてるうちに、自分の身体が静かに海の底に沈んでいく感じ。沈んでいくけど怖さはない。沈みつつ浄化されていく印象。奇跡の一曲。パイプオルガンによって音色が変わるので、もっと高音が欲しい人はコチラ(5分6秒)のバージョンを!//31日の朝7時43分頃から約10分間、関東圏のラジオ局・ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』に出ます。テーマは墓巡礼。緊張で舌を噛みまくり、頭が真っ白になるのは目に見えているので、お聞きになった方はボロボロっぷりを笑ってやってクダサイ!(>_<)
 8月29日…今夜の龍馬伝。「武市さん…以蔵…長次郎…みんな、行ってくるぜよ」と薩長同盟の現場に向かうシブイ場面から、なぜか同盟そっちのけで「ちっくと待ってつかーさい。わしは新選組の屯所に行ってくるき」に。脚本家は何をトチ狂ったのか!?中岡慎太郎も登場せず、テレビの前で憤死寸前。弥太郎が龍馬を売ったり、現場の俳優・スタッフは、支離滅裂な展開に「これでは龍馬がアホすぎる」と誰も異を唱えなかったのか。/それに時間配分がおかしい。45分のうち薩長同盟はラストの正味5分強。同盟はついでって感じだった。史実では、薩長の双方が「同盟を結んでくれ」と切り出せなかった理由は、先に言った方が“お願いする”立場になるからだ。メンツが邪魔をして言えない。話し合いが10日目になって、長州の桂が帰り支度を始めた時に龍馬が到着。龍馬は桂を説得した。「長州の体面云々、一応うけたまわろう。しかし元来、薩長の和解はこの日本国を救わんがためなれば、一藩の私情は忍ばざるべからず!」。次に龍馬は西郷の部屋に行き、強い立場にある薩摩が折れるべきと訴えた。西郷いわく「龍馬に無情を痛論された」。その結果、西郷は桂の心情を察して自分から同盟を申し込むことを約束し、歴史的快挙となった。龍馬伝ではここをバッサリ。龍馬最大の見せ場なんだから、寺田屋のおかみとの会話シーンに時間を割くより、同盟シーンをじっくり描いてくれ〜い。/今回は良いシーンもあっただけに残念過ぎる。フィクションの要素を入れるのは構わない。あくまでもドラマなんだし。重要なのは、人物の行動に一貫性があること。なにはともあれ、これまでに何度も熱い涙を流させてくれたこの大河。来週の寺田屋事件、神回になるよう期待してます。(T_T)※緊急性のない当確テロップにも脱力。//シリーズ最高傑作の声もあるジョジョのキラー・クイーン人形が、29日現在アマゾンで2割引強。にっくき転売屋のせいでモノによっては3倍の値になるので(ザ・ワールドとか)、ゲットするなら今が狙い目っす。(Ama)※猫草も付いてマス!
 8月28日…5日ぶりとなるお薦めホッコリ音楽第18回は『ユー・ライト・アップ・マイ・ライフ』(3分37秒)。もう、このタイトルだけで既に感動。サビの歌詞は「あなたは私の人生を明るく照らしてくれる、あなたは私に希望を運んでくれる/あなたは私の日々に光を与えてくれる」。この“あなた”は、親友、恋する人、尊敬している人、誰に置き換えてもジーンとくる。たまらんとです。//連日のように、“戸籍上は生存している”高齢の人が見つかったと「記録更新」が報道されているけど、昨日とうとう1810年生まれという「200歳」の大台にのった人が長崎・壱岐で発見された。1810年というとショパンと同じ年になる。2年前にベートーヴェンが運命を作曲しており、フランスはナポレオン全盛の頃。ここまでいくと、役所の怠慢云々より、歴史のロマンを感じていまう(笑)。//龍馬が高杉晋作から貰ったピストル「モデル2アーミー」(S&W社)の同型モデルを展示していた高知県の坂本竜馬記念館に、高知県警が「銃刀法違反の疑い」を通告、銃は撤去された。こういうのって、例外措置をとれないものなのかなぁ。29日の龍馬伝はいよいよ悲願の薩長同盟締結。龍馬、西郷、桂の思惑がぶつかる息詰まる心理戦が展開されるハズ。どんな演出になるのかめっちゃ楽しみ!//追記。訃報が続く中、元プロレスラーで「最強レフェリー」でもあった山本小鉄さんが他界との速報。享年68歳。小鉄さんは力道山の最後の弟子。また一人、昭和を代表するプロレスラーが逝った。御冥福を祈ります。※プロレスを愛するがゆえの辛口解説も心に残った。
 8月27日…平沢進さんの楽曲をネットでいろいろ聴いてるうちに、あるコラボ作品でアートサンダーの直撃をくらった!それは、我が洋画ベストの第1位『独裁者』の中でチャップリンが行なった「ビバ・デモクラシー!」の大演説と、平沢音楽のコラボ!(7分2秒)。この曲は反イラク戦争の思いで平沢さんが発表した楽曲。最初は静止画と字幕だけで始まるんですが、途中から声入りの動画になります!うおお、この作品を作った人と酒が飲みたい!/映画の中でチャップリンはヒンケル(ヒトラー)とユダヤ人の床屋の一人二役をやっている。諸々の偶然から、床屋はヒンケルの代わりに演説をすることになる。そのシーンのコラボだ。/アメリカ国民が欧州で起きている戦争にほとんど無関心だった1939年。ファシズムの危険性にいち早く気付いたチャップリンは、ヒトラーをパロディで批判する本作にとりかかる。アウシュビッツが建設される約1年前にユダヤ人弾圧を描き、ナチの暴走を予見していた。/真珠湾攻撃をきっかけに米が参戦するまで、米国内には反共・白人優越主義をとるナチスを支持する人間(KKK等)がたくさんいた。チャップリンは彼らの脅迫を受けながら『独裁者』を撮りきったが、後に左翼認定されハリウッドを追放されることになる。ドイツや日本で公開禁止になり、日本では完成から20年も経った1960年にようやく劇場公開された。政治的背景から上映禁止になったコメディ映画を、チャップリンが作っていることは映画ファン以外には知られていないので、皆さんも興味がある方は是非動画をご覧下さい。※ちなみにチャップリンとヒトラーは同じ年、同じ月に生まれ、4日しか誕生日がかわらない。トレードマークがちょび髭というのも一緒。//NHK人形劇の『三国志』で人形美術を担当するなど、日本を代表する人形アニメ作家の川本喜八郎さんが他界。享年85歳。今昔物語を題材にした『鬼』(7分43秒)では幽玄の世界を人形で見事に表現。『道成寺』は数え切れないほど繰り返し観た。素晴らしい作品群を遺して下さった川本さんに感謝!
 8月26日…24日に早逝した今敏監督は、商業ベースを二の次にしてでも作家性を重視する作風で、多くのアニメ作家や他ジャンルの表現者に勇気を与えてくれた。作品を観たことがないという方に、短時間でそのイマジネーションの豊かさを実感できる動画があったので紹介!映画『パプリカ』のOPシーンを中心にしたもの(4分51秒)で、サウンドトラックのPVのような構成になっている。皆さんに、冒頭のスタッフ紹介の斬新な演出を伝えることが出来て嬉しい!監督や美術スタッフの名前が夜の街に映し出され、思わず見入ってしまう。そして劇中でも流れる平沢進さんの音楽がめちゃくちゃ良い!“神曲”と言っていいだろう。/『パプリカ』は他人の夢を一緒に見たり、夢への侵入を可能にする機械が盗まれ、犯罪に使われる前に取り戻そうとする科学者たちの物語。他人の夢に侵入とか、夢の中ではエレベーターの階層ごとに内容が異なってるとか、ホテルの廊下に人が浮いてたり…あれ?どこかで見たことのある演出…そう『インセプション』だ!そう思ってたら、YouTubeに『インセプション』の予告を『パプリカ』で表現したもの(2分25秒)が既にあってテンションが上がった!※ショートバージョン(1分38秒)の方には廊下で浮いてるシーンが出てます。/今敏作品と疾走感のある平沢音楽の相性はバツグンで、『千年女優』(8分)でも爽快なサウンドが聴ける。※ちなみに劇中でヒロインが愛した男は、戦時中に満州で憲兵に思想犯として逮捕される左派の青年画家。こういうシリアスな設定自体が、一般のアニメとは既に違っている。/平沢進さんの名前は今敏監督の作品で知ったんだけど、 若い頃に別名で長州力の入場曲『パワーホール』(2分19秒)を作曲していた。そして音楽的な才能があるだけじゃなく、他のアーティストより踏み込んで反戦平和を信念に持たれている。イラク戦争の時には自身の公式サイトにこんなメッセージを載せられた『国際法を無視して殺戮を行う国家と、憲法を無視してそれに同調する日本国に抗議します。9.11アメリカ事変以降、世界は正義の名の元に行われる殺戮によって多くの罪無き人々が殺されるのを目撃しました。その勢いは今、考えられる可能なあらゆる 平和的手段による努力なきままイラクへの武力行使を開始し、日本国民はその共犯者になりました。私は今、「殺戮を許すまじ」とする世界の多くの人々の行動 と連携し、ここに抗議の音楽配信を行います』。ラブ&ピースを歌うミュージシャンは多いけれど、ここまでハッキリ明確に怒りを宣言する気骨のある人は少ない。楽曲『高貴な城』のダウンロードは該当ページから可能なんだけど、歌詞が曲と同時に出てくるニコ動バージョン(5分42秒)の方が、僕の場合は胸にいっそう迫ってきた。//今日8月26日は、2年前にアフガニスタンで命を失った伊藤和也さんの命日。あの事件以来、PCの壁紙はずっと菜の花畑の子ども達の写真。彼のことを思わない日は1日としてない。
 8月25日…傑作アニメ『東京ゴッドファーザーズ』をはじめ、『パプリカ』『千年女優』などで独自の世界観を構築し、海外にも熱烈なファンを持っていた世界的アニメ監督、今敏(こん・さとし)さんがガンで急逝。まだ46歳。本当に惜しい人を亡くしてしまった。独自の美意識で織られた今敏ワールドは、今敏監督にしか作り出せない。代わりになれる人がいない。僕は監督が、この先10年後、20年後に、どんな作品を生み出していくのか、めちゃくちゃ楽しみにしていた。でも、それを見ることはもうない。失ったものの大きさに目眩がする。/新作の構想や、様々なアイデアを持ったまま、それを実現できずに、突然人生が中断されるのことが、本人はどれほど無念だったろう。今敏監督の公式サイトに「遺書」がアップされ、読み進んでいるうちに、ますます運命の非情を思った。なぜこの人が逝かねばならないのか、理不尽すぎると、とにかくもう残念でならない。/遺書にあった言葉でとりわけ胸に迫ったのは、何度も繰り返される周囲への感謝の言葉。「みんな、本当にいい思い出をたくさんありがとう。自分の生きた世界を愛している。そう思えることそのものが幸せだ」「幸せそのものも大事だけれど、幸せを感じる力を育ててもらったことに感謝してもしきれません。本当にありがとうございました」。そして両親のこと。「寝たきりとなった私を一目見るなり母が言った言葉が忘れられない。“ごめんねぇ!丈夫に産んでやれなくて!”。何も言えなかった」。死については「いま死について思うのはこういうこと。“残念としかいいようがないな”。本当に」。そして一番最後の言葉。「世界中に存する善きものすべてに感謝したい気持ちと共に、筆をおくことにしよう。じゃ、お先に」。/“じゃ、お先に”。いろんな気持ちが胸にこみ上げてくる。このようなクリエイターの遺書を読んだのは初めて。公式サイトは全世界からアクセスが殺到していて、昨日からずっとダウンしている。でも幾つかのサイトがダウン前にコピーしたものをアップしているので、そちらにリンクしておきます。
※ドンデン返しにつぐドンデン返し、感動的な物語の中にもギャグが満載された『東京ゴッドファーザーズ』、マジでおすすめです!予告編(1分46秒)。本編もあるっぽいけど、今敏作品は画面の隅々まで細かく描かれているので、追悼の意を込めて、DVDで見て欲しいです。
 8月24日…映画、音楽、絵画など様々なアートが、いともたやすく国境を越えて行き交う様を見て、人間が理解しあえる可能性をリアルに感じている僕ですが、先日読者の方が教えて下さった海外のオタクたちの『珍・名言集』に、改めてその思いを強くした次第。日本文化に対する感想なども非常に興味深く、全部で1時間ほどある動画集を最後まで見てしまった。世代的に萌えアニメを見たことがないんだけど、アニメのヒロインを“俺の嫁”“違う!俺の嫁”といって、国籍の異なるファン同士が熱くなってるのは、見ていてなごみまくり。なかでも、アニメを題材に日本文化を語り合っているものは、「そういう見方もあるのか」と色々新鮮だった。たとえば“たい焼き”について「ワッフルを魚の形にするって、どれだけ魚が好きなんだよ(ベルギー)」とか(笑)。以下、メモった会話を紹介。
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「漫画のキャラ達は、何か鐘を付いて、その後に新年を祝うお祈りをするよね。そういうのが作法なの?」(ポーランド)
「驚くことにあれは宗教が違う。年の終わりに鐘を付くのは仏教。そしてそのままの足で神道式の新年のお祈りをするんだ。…ついでに12/25にはしっかりクリスマスを祝う」(アメリカ)
「なんて平和な3HIT COMBO」(イスラエル)
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「俺の所のチームでは、ポーカーに負けた奴が金を払い、罰ゲームに『火垂るの墓』を見ることになってたのさ。あまりに過酷なペナルティに第2回を最後に封印されたがな!」(アメリカ)
「世界でも有数の軍事力を持ち。世界でも有数の戦争をしない国。不思議な国だと思うよ」(ベトナム)
「戦争の愚かさ、戦いの虚しさを、彼らはアニメ・漫画で学んでいるのさ」(イギリス)
「空軍のパイロットを目指している。でも、もし日本と戦争になったら、日本の戦闘機が合体するのを期待して集中できないだろう」(アメリカ)
「あの街のどこかに俺が心奪われたキャラがいると思うと戦争なんてできん」(ドイツ)
「勝った所で資源はない。戦争賠償金よりもビジネスした方が得。アニメや漫画をうばっても日本人でなくてはあのクオリティは作れない。…戦争して勝っても得しないって最強の盾だろ」(アメリカ)
「戦争をしないことが一番豊かになる。彼らはそれを証明してくれている(クロアチア)」
「日本では、水と安全と萌えが、タダ同然だと聞いていたが、どうやら本当らしいな。こっちでは考えられん」(イスラエル)
「アメリカはロボに殺戮機能を付けた。ロシアはロボに諜報機能を付けた。一方日本は、美少女の外見と恋愛能力を付けた」(ポーランド)
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「(女性キャラ)ホロの虜な俺だが、ムスリムなので異教の神は崇められない。俺はいったいどうしたらいいんだ!」(イギリス)
「崇めるな。単純に彼女を愛するんだ。俺はカトリックだが月姫の吸血鬼アルクェイドに惚れ心の嫁にした」(トリニダード・トバゴ)
「なるほど!異教の友に感謝する!」(イギリス)
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●アニメグッズについて
「ポスターを手に入れたはいいが、もったいなくてピンを刺せない」(シンガポール)
「付属ポスターを部屋に貼った。もう誰も部屋に呼べない」(フィンランド)
シタジキ。安いしカワイーし、最高。壁と天井に張り付けてる」(フランス)
「アニメグッズ専門店…なんて素晴らしい存在なんだ。エルドラドは南米じゃなく日本にあったんだ!」(スペイン)
「アニメヒロインの抱き枕だと…?シーツだと?クソッ、なんて物を日本人は作り出すんだ!コレを使うことが出来る奴は呪われろ!」(カナダ)
「抱き枕の発想はありえない。あってもやろうとしない。やっても販売なんてしようとしない。販売しても買おうとしない。SHIT!何で日本は流通が成り立ってるんだよ!」(アメリカ)
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●その他
「俺は飽きるまで同じアニメを見続けるというポリシーがある。さようなら、世界の皆。もう俺はここから逃げられない」(フランス)
「俺たちがキャラやストーリーで盛り上がっている時、同じ作品で彼ら(日本人)はキャラの視線、爆風、ゴミの動きで盛り上がるんだぜ」(フランス)
「あいつらはいつだって正しく間違えているのさ」(アメリカ)
YouTubeニコ動、それぞれシリーズでアップされてる。海外に広がる日本のオタカルチャーは究極の平和産業かも。(*^v^*)
 8月23日…19日発売された『ウルトラジャンプ9月号』(Ama)に、ちばてつや先生と荒木飛呂彦先生の対談が載っていて、食い入るように読んだ。現在、ちば先生は文星芸術大学でマンガ専攻講師をなさっていて、学生に次のメッセージを伝えておられました→「私はマンガを見て感動してマンガを描くだけじゃダメなんで、小説を読みなさい、と学生たちによく言うんですよ。芸術に触れたり、詩を読んだり、そういうのを全部吸収して、それで溢れ出てきて初めて、それが自分の作品に生きるから」。これを聞いて思い出したのが黒澤監督の言葉。「世界中の優れた小説や戯曲を読むべきだ。それらがなぜ“名作”と呼ばれるのか、考えてみる必要がある。作品を読みながら湧き起こってくる感情はどこから来るのか?登場人物の描写やストーリー展開に、どうして作者は熱を入れて書かねばならなかったのか?こういったことを全て掴み取るまで、徹底的に読み込まなくてはならない」「自分の人生経験だけでは足りないのだから、人類の遺産の文学作品を読まないと人間は一人前にならない」。多くの人生体験を見聞きし、他人の気持を想像する力を養う。“一人前になる”というのは、他者の立場で物事を見ることが出来る人間になることだと、僕は受け取っていマス。//お薦めホッコリ音楽第17回は、『わが傍らにいまし給え』。この曲はバッハの作品番号“BWV”508番が付いているから、長年何の疑いもなくバッハが作曲したと思ってた。日記を書くに当たって曲情報を調べていたら、なんとこの曲はバッハが自分の奥さんのためにまとめた、“ボク(バッハ)が選んだお薦め曲集”に入っていたもので、同時代の作曲家ゴットフリート・ハインリヒ・シュテルツェル(Stoelzel)のものだった!YouTubeを見ても、殆どの映像でバッハ作品の扱いになってるから、クラシック・ファンでも誤解している人が多いんじゃないかな。こういう、作曲家が選んだ別の作曲家のお気に入り曲って興味深い。“そっか〜、バッハはこういう曲が好きだったんだ”って、人となりが分かって身近に思える。『わが傍らにいまし給え』はミサ曲ゆえコーラス版(2分20秒)が基本だけど、どの楽器で演奏しても素晴らしい。特にギター版(2分48秒)が極上で、演奏している爺さんも優しげだし、音色に温もりがあって、耳を傾けていると人生や体内の濁った部分が浄化されていきそう。わずか3分未満の曲なのに、心の中のいろいろ壊れた部分が修復される。音楽の力に感謝。ピアノ版(3分9秒)もジックリと聴いてしまう良い演奏ッス。
 8月22日…『龍馬伝』の第34回“侍、長次郎”。これまでの最多爆涙回は、半平太が妻との朝食中に捕縛される第21回。次が半平太と以蔵が散る第28回。その後には、死ぬ直前の父親に家族で世界旅行をする夢を語った第7回、収二郎が“夢のようじゃった”と果てた第20回が続いたんだけど、今回の第34回が号泣と共に3位にランクイン。饅頭屋のせがれの長次郎は、海外に渡って世界を見たいという一念から密航を決意。だが不運にも英国行きの船は出港当日に嵐で出発できず、逆に鎖国破りの計画に気付いた長崎奉行から追われてしまう。長次郎は自分の行動が原因で、親友の龍馬たちまでが奉行所に目を着けられることを恐れ、悩んだ末に腹を切った。/奉行所に渡航計画がバレたことを知った長次郎が絶叫するシーンは、これを書いている今も、思い出すだけで胸が締め付けられる。大泉洋ってあんなに演技が上手かったのか!取り調べを受けたグラバーも小曽根も、長次郎の渡航計画を一切喋らなかった。商人の魂の中に男気を見た。/元々、饅頭屋のせがれだった長次郎は、最後に腹を切ることで武士となった。享年29歳。奉行所に呼び出されて長次郎自害の理由を尋問された龍馬は、しっかりと町奉行の目を見据えてこう言った「近藤長次郎は、侍ですき。侍がわけあって、腹を切ったとです。それをあれこれ詮索することは、無用にござりますき!」。そしてラストシーン。龍馬は生前の長次郎と、酒を酌み交わす約束をしていた。長次郎を弔った後、龍馬は料亭で2人分の料理を頼み、膳の杯に酒を注ぐ。「約束通り…今夜はおまんと2人で呑むがぜよ」。膳の上にそっと置かれた長次郎の小さな写真、部屋に静かに響く三味線の音、芸妓の舞…。/滝泣き。文章にすると、ありがちでベタな演出に引くかも知れない。でも、ここに俳優たちの神演技と心に染みる音楽が加わると核融合反応を起こし、こちらは感情の針が振り切れてしまう。番組最後の旅紀行コーナーで、現存する長次郎の切腹時の袴の切れ端が映し出された。そこに血痕がついてたのを見てダメ押し。嗚咽。長崎にある長次郎の墓に行かねば…。最終回まで、あと14回。//不調が続いていたマリナーズのイチロー、2打席連続ホームランを含む3安打。前人未踏の大リーグ新記録となる10年連続200本安打まで、あと41本。問題の残り試合数は39試合。1試合に1本のヒットでは達成は無理という厳しい状況だけに、この3安打は大きい。うーん、緊張する。//今日で子どもの風ちゃんは生後300日。最初の数ヶ月は3時間ごとにミルクを飲むだけで、喜怒哀楽も殆どなく、起きているか寝ているかだった。それがここ1ヶ月ほどで急速に“人間”になってきた。喜怒哀楽がハッキリしてきて、だんだん意思の疎通が可能になってきた。妙なたとえだけど、人間が生まれていく瞬間を見ている感じ。生命体としては10ヶ月前に誕生してるんだけど、ここ最近は他の生物から人間に変貌していくのを目撃しているようだ。出産に立ち会った時も命の出現に驚異を感じたけど、今も別の意味で圧倒されている。
 8月21日…うおおお!グーグルの画像検索システムが進化し、思わず声を上げてしまった!これまでは10枚〜20枚ずつ、小出しにしか閲覧できなかったのに、ドッバァアアアアと表示されるようになった!試しに「金閣寺」と入れると、眩しいほど豪華絢爛な画面に!絵画はもっと凄い。ゴッホと入れて腰を抜かした!0.07秒で画像34万件とか、もう何がなんだか!しかも、ど〜ゆ〜仕組みか分からないけれど、同じ画像があまりダブってない。機械の目が絵を見分けているのか?0.07秒で?まったく、人間は数年前まで想像もできなかったような便利なツールを作ってしまうもの!モネレンブラントで検索しても至福の境地に。人物写真でも、ジョン・レノンと入れたら初めて見る貴重な画像にいっぱい出会えた。ここまで効率よく画像情報を検索できる世の中になって、PC技術を開発してくれた人に感謝したいと思うのと同時に、自分がもう40歳を過ぎていることがマジで悔しい。25歳、いや、30歳の頃にこのツールが出ていたら、40歳になるまでに、どんなに画像関係の資料を調べる時間を節約できただろう!むろん、ネット普及前の時代に、図書館で文献を調べるのは、手間はかかっても楽しい作業だったし、探していた画像資料を見つけた時の達成感もハンパじゃなかった。でも、このグーグルの新機能はまったく次元が違う。超絶に便利すぎる!しかし、若い人を羨ましがってもせんなきこと、これからは便利になったこのシステムを有効に使わせてもらおうじゃないか!//夏の甲子園は沖縄の興南が日本の頂点に!初めて真紅の大優勝旗が沖縄に渡った!しかも春のセンバツに続く快挙。県民の皆さん、おめでとうございます!//深夜にオンエアされた史上初のバイロイト音楽祭の生中継、ワーグナーの楽劇『ワルキューレ』を五臓六腑で堪能した。この音楽祭のチケットは、毎年過酷な争奪戦があり、簡単に手に入るものじゃない。それをリアルタイムで鑑賞できるとは、エライ時代になったもの!学生時代は下宿でFMラジオにしがみつき、このバイロイトの録音放送を聴いていた。たいていは年末・深夜の放送だったので、バイロイト=半纏(はんてん)&コタツ&みかんというイメージになってしまった(笑)。それを家に居ながらにして、デジタルの高画質で味わうことが出来るとはッ!なんとも隔世の感があるなぁ。※一点だけ独り言。あのブリュンヒルデは…。オペラ歌手だから力士体形なのは分かるけど、それにしてもガタイが良すぎ。雰囲気がジブリ・アニメの肝っ玉母さん。心の中のブリュンヒルデ像を違いすぎるよ〜。//お薦めホッコリ音楽第16回はティモシー・B・シュミットの『ソー・マッチ・イン・ラブ』(2分16秒)。歌詞はウンザリするほど激甘→「星が頭上できらきら輝くなか2人で海辺を散歩するとき/僕たち2人はとっても愛し合っているって思う/僕と君だけ、誰もいない/とても愛し合っている」。もうお好きにどうぞって感じ(笑)。でも、メロディー&コーラスが素晴らしいのでつい聴いてしまう。ヒューイ・ルイスのアカペラ版(2分14秒)もグッド。
 8月20日…1945年7月に米国ニューメキシコ州で世界初の核爆発実験が行われ、その成功を受けて翌月に広島、長崎へ原爆が投下された。以来、1996年に包括的核実験禁止条約(CTBT)が採択され、98年に爆発を伴う核実験が停止するまで、53年間に世界各地で実施された核実験数は実に2053回にのぼる。キューバ危機(1962)の翌年に米ソ英が部分核停止条約に調印するまで、3カ国だけで約500回も地上で核実験を行ない膨大な死の灰を撒き散らし、米ソ英が地下核実験に移行してからも、遅れて核保有国となった仏、中国は大気圏内で核実験を続けた--。/箱根ラリック美術館のキュレーターで映像作家の橋本公さんが制作した『1945-1998の核実験』(9分52秒)を読者の方に教えて頂き、息を飲んで見入った。ニュース映像などは一切使用せず、世界地図だけで表現している。制作者の橋本さん曰く「どの国の人々にも理解してもらえるように、文字はいっさい使用せず、地図上の光の点滅と実験回数を示す数字だけで、いつ・どこで・どの国が何回、核実験を行ったかがわかるようにしました」。1998年まで表示が終わった後に、国別にリプレイされるラストを見て、よくもまあ核大国は自国以外に好きな場所で実験してくれたものだと、腹が立つやら呆れるやら。半世紀の愚行、ここにあり。//今週の『ゲゲゲの女房』は、水木さんが南方戦線で体験した一番悲惨な出来事、「玉砕が命令だから生きていることが許されなかった」という記憶が描かれた。月曜からずっと南方戦線のエピソード。朝ドラでここまで戦争を再現するのは初めてだと思う。無駄に玉砕するよりも、ゲリラ戦の方が敵にダメージを与えられると考えた兵士が、“玉砕をしなかった責任”で切腹とか、もう日本軍は無茶苦茶。//お薦めホッコリ音楽第15回はバッハの『目覚めよ、と呼ぶ声あり』(3分35秒)。ギター版(3分26秒)も良い感じ。
 8月19日…独ソ戦ではナチス・ドイツの戦車隊がモスクワまで数十キロの距離まで迫っていた。この状況からソ連側が反撃し、最終的にベルリンを陥落させることができたのは、日本軍の侵攻に備える為に満州国境に配備していた精鋭部隊を、援軍としてヨーロッパ戦線にどんどん送れたからだ。これが可能になったのは、近衛内閣の重要ブレーンだった尾崎秀実が、ソ連のスパイ・ゾルゲに「日本は南方に進撃しソ連を侵攻しない」と情報をリークしたから。ゾルゲと尾崎は逮捕され終戦の9ヶ月前に絞首刑にされた。独ソ戦、ひいては第2次世界大戦の結果を左右することを、ゾルゲと尾崎という2人の男が行った。どこかの国王や大統領じゃない。そのゾルゲの墓は現在東京の多磨霊園にあり、同じ墓地に尾崎秀実も眠っている。尾崎の墓は三島由紀夫の斜め後ろ。思想的には両極にあるような尾崎と三島がすぐ近くというのも不思議な巡り合わせだ。墓巡礼レポ、これまではゾルゲ尾崎秀美をセットにしていたけれど、2人をわけて、それぞれに大幅加筆をしてアップしました!//お薦めホッコリ音楽第14回は、スティービー・ワンダーの『心の愛』(4分20秒)。ロンドンのスタジオ・ライブ版はコチラ(4分53秒)。原題は「I just called to say I love you 」。大まかに歌詞の内容をまとめるとこんな感じ→「新年の祝いとかヴァレンタインとか春の花が咲いたとか、ハロウィンとかクリスマスとかじゃなく、今日は普通の日なんだけど、ただ“愛してる”って言う為に電話したんだ。シンプルに“こんなに君を想ってる”って言う為だけに電話したんだよ。一言“愛してる”って言いたかったんだ。それは、心の一番深いところから湧き上がってくる想いなんだ」。ハァ〜、ホッコリ。//NHKのまちかど情報室で紹介してた、“ポテトチップスつまみ機”の『ポテチの手』(Ama 動画が笑える)。確かに、これがあれば本を読みながらポテチを食べても汚れなくていい。ありそうでなかったグッズ!
 8月18日…巡礼ルポの芥川龍之介を加筆。今回彼の生涯を調べなおしていて、自宅の2階(書斎)で致死量の睡眠薬を飲んだ芥川が、そのまま孤独に死ぬのではなく、階下に降りていって、3人の幼い子どもと妻が眠る寝室に入り、そばに横たわって死んだことを知った。家族の寝顔を見ながら死ぬことを選んだんだ。“最期に顔を見たい”と思える人間が周囲にいたこと、それは彼にとって救いかも知れない。絶命した芥川を前にした時の気持ちを夫人はこう書き残している「私は主人の安らぎさえある顔(私には本当にそう思えました)を見て『お父さん、よかったですね』という言葉が出て来ました」。/体に追いすがって泣き叫ぶのではなく、「よかったですね」と語りかけた夫人。そんな言葉が出るまで、どのように芥川が苦しんでいたのかは、死後に公開された遺作『歯車』に書き留められている。「誰か僕の眠っているうちにそっと絞め殺してくれるものはないか?」で幕を閉じる戦慄の短編小説。学生時代、『歯車』で芥川の繊細な心に触れた僕は、悩める青春の日々の中で“仲間が見つかった”と孤独感が薄れ、辛い時に頑張れたことが何度もあった。芥川は自死を選択したけれど、僕か彼が生まれて来てくれたことに感謝している。※YouTubeに晩年の芥川(当時35歳)を撮影した、超貴重な動画(1分18秒)がアップされてマス!※衝撃の遺作『歯車』は既に著作権フリーになっており、青空文庫で全文が読めます。PCの画面で小説を読むと、目が異様に疲れるんだけど、芥川の作品は大半が短編なので、PC向けの作家かも。青空文庫には多種多様の作品がアップされており、『あばばばば』という聞いたこともない短編にも出合えた。ボランティアで打ち込んで下さった方に感謝。//お薦めホッコリ音楽第13回はバッハ『主よ人の望みの喜びよ』。今回もピアノ版(4分)、パイプオルガン版(3分57秒)、合唱版(3分36秒)、いろんなバージョンでお楽しみ下さい。ずっとバッハが続いていますが、あと4曲いきます!//19日のお薦め番組、平日で星3個は久々!ウキぺディアの話とか面白そう。
 8月17日…お薦めホッコリ音楽第12回はエルトン・ジョンの『Your Song/僕の歌は君の歌』(4分4秒)。“僕にはあまりお金がないけれど…”と語り出す、美しいメロディーのラブソング。様々なCM、ドラマに使われており、誰でも一度は聞いたことがあると思う。でも、多くの洋楽同様、全体の歌詞はあまり知られていない。ちょうどYouTubeに対訳付バージョンがアップされていたのでそちらを紹介。エルトンの声はいつ聞いても優しく響くねぇ。※最近、洋楽動画に日本語字幕付きが多くなってきたので有難いッス。//スミマセン、盆明けで目が回るほど仕事に追われており、今回の更新はこれだけで…バタッ。

 8月16日…米ライフ誌が「1960年代にもっとも影響力のあった人物」として、ビートルズと共にその名をあげた“ポップ・アートの神様”アンディ・ウォーホル。巡礼ルポを加筆したのですが、その過程で1983年にオンエアされていた、ウォーホルの登場するCMをYouTubeで発見。TDKのビデオテープのCM(15秒)なんだけど、まさかこんなレア映像までアップされているとは…YouTube恐るべし。
●傑作オペラ『カルメン』(前奏曲/2分26秒)を作曲しながら、その成功を知らずに36歳で他界したビゼーの巡礼ルポを加筆。彼の墓は銅像が盗まれたんだよね…。
●中世ヨーロッパで最も有名なカップル、哲学者アベラールとその弟子エロイーズの巡礼レポを入魂加筆。22歳差もなんのその、約千年前の炎のラブレターは顔から火が出る驚愕の内容。
//お薦めホッコリ音楽第11回はバッハ作曲&グノー編曲の『アヴェ・マリア』(2分52秒)。音源は演奏者不明なんですが、バイオリンもピアノも情感たっぷりで素晴らしいです。歌詞付きのシンセサイザー版(2分49秒)は背景のラファエロの絵がグッド。声入りはカウンターテノールのスラヴァ版(2分38秒)が一番音質が良いみたい。
 8月13日…帰省の為、次回の更新は16日の夜になります。//SF小説の父、フランスの作家ジュール・ヴェルヌの墓参レポを加筆。//ナポレオン3世の帝政に反対して、21歳の若さで凶弾に倒れた若きジャーナリスト、ヴィクトール・ノワールの墓参レポを加筆。//数名の読者の方から、「11日の朝日新聞・朝刊の第9面でオピニオン欄を見つけられなかった」と連絡を頂きました。調査してみると、なんと関東版は第11面でした!ギャース!全国版用の記事でも、発行される地域でページが異なるんですねぇ。勉強になりました。

 8月12日…お薦めホッコリ音楽第10回はレゲエの神様、ボブ・マーリィの『ワン・ラヴ』(2分53秒)。“ひとつの愛、ひとつの心、みんなで団結して幸せになろう”と繰り返されるピースフルな歌。夏の青空に吸い込まれていきそう。ボブは享年36歳。もっと長生きしてたくさん歌を聴かせて欲しかったな。※マーリィ巡礼レポ//巡礼コーナーのジョン・ボーナムを大幅加筆。1970年代を代表する世界的ロック・バンド、レッド・ツェッペリンの天才ドラマーです!※『移民の歌』(4分7秒)はテンションあがりマス。一番有名なのは『天国への階段』(10分15秒)。
 8月11日…本日の朝日新聞(朝刊9面)を読んで、当サイトに初訪問して下さった方、はじめまして!新聞記事で触れていた墓巡礼レポートはコチラのコーナーになります。人名別の目次(外国人/日本人)や、地域別の目次(海外/国内)もあります。/今回の記事は「お墓参り」がテーマであるにもかかわらず、「民族や文化が違っても音楽や絵画が胸を打つのは人類が分かり合える証拠」「人生は生きるに値する」といった、芸術論、人生論も載せて頂き、記者の方に心から感謝しています。文字数制限があるなか、文芸研究家として最も伝えたかったメッセージが入り、ほんと、涙がチョチョぎれるほど嬉しいです(脱サラして10年、やっと光が見えてきた気が…)。なぜ僕がこれほど芸術家や作家を恩人と感じているのかは、こちらの「なぜ芸術はスゴイのか!?〜初来訪の方へ」に記しています。文字通り全身全霊を込めて書いた一文ですので、未読の方は、一度だけでも目を通して頂けたら、本当に、本当に、有難いです!※新聞に少し載っていた“カジポン・マルコ・残月”というペンネームの由来は、こちらのプロフィール欄で詳しく説明しています。//毎日真夏の太陽がギラギラと輝いていますが、あと3週間で芸術の秋が到来!『おすすめ展覧会2010年下半期版』を作成したので、鑑賞の参考に是非どうぞ!チョイスした展覧会は20本。今年最大の話題は、仏のサルコジ大統領が「これらの絵画がまとめてフランスを離れることは2度とない」と断言し、“ベスト・オブ・オルセー”といわれる東京の『オルセー美術館展』なんですが、これは8月16日が最終日。もうあと5日しかないので、お時間の都合がつく方はお早めに!来年にかけて全国を巡回するボストン美術館秘蔵の「浮世絵名品展」も期待大です。公式サイトを見て保存状態の素晴らしさに仰天しました!//

8/11朝日朝刊 8/8読売朝刊
カラーで大塩平八郎巡礼やダニー・ケイの写真を載せて下さった読売のF記者、『あなたがいたから、僕がいる』という素晴らしいタイトルを付けて紹介して下さった朝日のO記者、両氏に改めて感謝、心から感謝!なんというか、無人島で沖合いに向けて手を振っていたのをついに気付いてもらえたような心境です。その意味でも、最大の恩人はサイト読者の皆さん!/若い読者の方に伝えたい。今回のことでも、また初めて荒木先生の前でジョジョ立ちした時にも感じたこと。それは、ひとつのことを続けていれば必ず何か形になるということです!
 8月10日…墓巡礼レポ、天才ギタリストのジミ・ヘンドリックスについて大幅加筆。彼がステージ上でギターに火を付け粉々に粉砕するモンタレーのライブ(6分8秒※大暴れは3分45秒から)を久々に見て、あらためて鳥肌。ジャズ・ベーシストのジャコ・パストリアスも加筆。長生きして欲しかった!/また、先日京都で豊臣秀吉の墓を訪れたので画像を追加しています。大坂の陣のきっかけとなった「国家安康」「君臣豊楽」の釣鐘は秀頼のコーナーにアップ。//明日11日(水)の朝日新聞・朝刊に登場します!先日の読売は西日本版でしたが、今回は全国紙!“オピニオン”という社会提言のページに出ます。様々なテーマについて議論を深めていくコーナー。1300字のロングインタビューなので、よろしければ是非御一読を!(昼2時くらいまでは全国のコンビニにもあると思います)
 8月9日…“日本人で初めて世界一周を行ったのは誰か?”そう問われても、答えられる人は少ないと思う(僕も知らなかった)。知人が教えてくれたコチラのページによると、仙台藩の津田夫(つだゆう/1744-1814)なる水夫で、ロシアへの漂流後に、デンマーク→英国→ブラジル→南ア→タヒチ→ハワイ→日本と、12年をかけて帰国したとのこと。江戸時代に世界を一周するなんて凄いなぁ。帰国時は61歳。伊能忠敬や間宮林蔵のように、もっと教科書で教えればいいのに。//砂を固めて立体化するサンドアート。現在、茨城県日立市の海岸でフェスティバルが催されているんだけど、2週間をかけて制作した作品がイタズラで粉々にされたという。これは酷い!実行委員会は作品を撤去するそうだけど、愚考の記録として“あえて”残しておいた方がいいかも。見た人はいろいろ考えると思う。//9日24時15分からNHKで再放送される『封印された原爆報告書』は、個人的に今年第1位のNHKスペシャルです!これまで語られなかった投下後の日米政府の動きを掘り起こし、番組そのものが被爆者(特に死亡した子ども達)へのレクイエムになっている。//お薦めホッコリ音楽の第9回はバッハの『トッカータ・アダージョとフーガ BWV564』(3分37秒)。短い曲だけど郷愁感のあるメロディーがジンワリときて、たぶんもう1万回くらい聴いていると思う。※こっちの演奏(4分20秒)もいいけど音が小さいので音量をあげる必要アリ。(*^v^*)
 8月8日…「肩書きがなくては己れが何なのかもわからんような阿呆共の仲間になることはない」(南方熊楠)。先日、熊楠の故郷の紀伊田辺を訪れたので、「あの人の人生を知ろう〜南方熊楠編」に、彼が暮らした家や書庫(資料室)、その他の画像を追加アップしました!//原爆投下から65年目を迎えた広島。一昨日の平和祈念式には初めて国連事務総長が参列しただけでなく、なんと米国からルース駐日大使が初出席。また核保有国でこれまで出席を見送っていた英仏両国も参列した。ここまでくるのに65年かかったけれど、とにかく史上初めて核攻撃を受けた街に、国連や核保有国の代表が集まったのは画期的なこと。核軍縮の気運に弾みがつく。一方、国内に目を向けると2つの大きな反核団体、旧社会党系の原水禁と共産党系の原水協が、対立&分裂したまま。この現状を嘆いた被爆者の方は「地球上から核兵器を廃絶するために大同団結してほしい」と声明を発表している。被爆者は高齢化が進んでおり、「あと何年生きられるかわからない。目的は一つなのだから今こそ力を結集しなくては」と切実に訴えている。両団体は被爆者の思いを第一に優先して、早く和解して欲しい!//日本音楽著作権協会(JASRAC)が、ノーギャラのボランティア演奏会でも楽曲の著作権使用料を支払えと迫ってるニュース。なんでこうなるのかな。普段、生でクラシック演奏を聞く機会がない人が、こういうボランティア公演で良い音楽に触れて、将来CDを購入したりするのに。こんなことしてちゃ、ますます一般市民がクラシック音楽から遠ざかってしまうよ。//現在ブレイク中のAKB48。あまり知識がないので、友人が薦めてくれた『ポニーテールとシュシュ』(4分31秒)を鑑賞。ぶっちゃけ、まともに聞くのはこれが初めて。最初は親衛隊(ファンクラブ?)の恐ろしいまでの団結力に圧倒されていたけど、だんだん曲に聴き入っていった。なんといってもコーラスがきれい。半音下がる感じの難しい音程も、心地良くハモってる。そして往年のマイ・リトル・ラバーを思わせる“キミ”“ボク”系の詞。アイドルだから女性視点全開の歌詞と思ってたら、少年視点の恋の歌だった。なるほど、これなら男でも気持ちが入っていきやすい。ちょっとファンの気持ちが分かった気が。//本日の読売新聞(関西・中国・四国版)の記事から当サイトにアクセスして下さった方へ。新聞上では文字数が限られているので、なぜ大塩平八郎が素晴らしいかを、コチラのコーナーでもっと詳しく説明しています〜!
 8月7日…ネットで話題になっている「ファンタジーを感じる10の場所」。映画『未知との遭遇』のデビルズタワーや、マダガスカルの奇岩地帯など、目を見張る光景ばかり。中でもノルウェーの“トロルの舌”がキョーレツ!画像を見ているだけで手の平に汗がにじんだ。//明日8日(日曜)の読売新聞、関西・中国・四国地方版に、大塩平八郎を巡礼した時の記事が掲載さます!※追記。関西版は15面の「くらし」面。カラーです!光の具合でえらく老けて見えるのがチョット残念(笑)//ジョジョの作者、荒木飛呂彦先生は今年50歳なんですが、20歳頃からほとんど外見が変化していないので「別の生命体では」とジョークで言われている。その荒木先生の肖像画像を使ったパズルを発見。めっさ地味なゲームだけど、ファンにはたまらないっすね!(笑)//お薦めホッコリ音楽の第8回はライチャス・ブラザーズの往年のヒット曲『アンチェインド・メロディ』(3分45秒)。伸び伸びと歌い上げるヴォーカルが心地良すぎる!//詩人・茨木のり子さんの作品と人生を紹介した『あの人の人生を知ろう〜茨木のり子編』を加筆&再構成。有名な『自分の感受性くらい』は、四半世紀連れ添ったパートナーを49歳でなくし、以後、31年間の一人暮らしを始めることになった茨木さんが、戦時中の自分や、現在の精神状態と向き合って書いた固い決意表明だった。

●自分の感受性くらい

ぱさぱさに乾いてゆく心を
ひとのせいにはするな
みずから水やりを怠っておいて

気難しくなってきたのを
友人のせいにはするな
しなやかさを失ったのはどちらなのか

苛立つのを
近親のせいにはするな
なにもかも下手だったのはわたくし

初心消えかかるのを
暮らしのせいにはするな
そもそもが ひよわな志しにすぎなかった

駄目なことの一切を
時代のせいにはするな
わずかに光る尊厳の放棄

自分の感受性くらい
自分で守れ
ばかものよ
 8月6日…現在発売中の時計雑誌『クロノス日本版9月号』(Ama)に連載の映画コラムを書いてます。今回とりあげた映画は、酷暑を吹き飛ばす納涼ムービー、SFホラーの『ミスト』!今まで見たホラーの中で一番恐かった作品。いつも文芸映画などを中心に紹介しているのに、ホラーを許可してくれた編集部に感謝。しかし、この作品はジャンルではホラーになっても内容は哲学的で、奥の深さではそこいらの文芸大作を凌駕する。なんといっても、監督と原作者があの傑作ヒューマンドラマ『ショーシャンクの空に』のフランク・ダラボン&スティーブン・キング!『ミスト』についてダラボン監督はこう語る「異常な状況に追い込まれた時、普段隠された人間の本質がむき出しになる。だからホラーやSF映画の方が、リアルなドラマよりも鋭く現実を描くこともある」。/映画が始まってすぐに分かることなので書いちゃうけど、これは怪物が登場するモンスター・ムービーっす。舞台はアメリカ北部メイン州の田舎町。ある日、主人公デヴィッドが息子ビリーを連れてスーパーマーケットで買い物をしていると、屋外で突然サイレンが鳴り響き、頭部から血を流した男性が店内に駆け込んでくる。「霧の中に何かがいる!表に出るな!」。町全体を包んでしまった霧。この謎の霧の発生源は軍の施設だった。スーパーには店員を合わせて100人以上が閉じ込められてしまう(出たら殺される)。/ぶっちゃけ、軍の実験うんぬんのモンスター映画は、これまでにゴマンと作られてきたし、それだけでは目新しさゼロ。これがなぜ“一番恐かった作品”になるのか。それは、劇中で本当に怖いのは怪物ではなく人間であることが暴かれるからだ。スーパーの人々の反応は4つに分かれた。(A)手に入れた情報を分析し、怪物たちから身を守る方法を検討するデヴィッドたち“対策派”(B)怪物の存在をまったく信じようとせず、外に出ようとする“現実拒否派”(C)パニック状態で嘆くばかりの“悲観派”(D)この災厄を“最後の審判”と盲信している“天罰派”だ。「怪物などバカバカしい」と言って出て行った“現実拒否派”は、すぐに餌食となって店の前に下半身だけが転がった。やがてガラスが割れ、続々と店内に侵入していくる異形の動物たち。拳銃は一丁しかなく、人々は棒や松明(たいまつ)で戦うが、犠牲者が続出する。怪物たちが去った後、“悲観派”の中に自ら命を絶つ者が現れ始める。聖書を振りかざすミセス・カーモディは、当初変人扱いされていたが、怪物の攻撃によって恐怖が激増し思考停止に陥った人々は、「神を信奉すれば救われる」という目の前の“解決策”にすがり、わずか2日間で彼女を教祖とする過激なカルト教団が誕生する。“聖書通りの生き方をしない人間が悪の根源”“聖書を信じない者は死ぬべき”。彼らは客の1人をリンチし、生け贄として店外に放り出した上、「(旧約聖書のイサクのように)次は子どもを捧げよ!」とビリーに迫る。必死で息子を守ろうとするデヴィッド…。物語は全てが凍り付く衝撃のラストシーンに向かっていく。/『ミスト』では怪物を恐れた結果、人間同士が殺し合う。スーパーにはまだどっさり食料が残っていた。皆が互いの声に耳を傾け、協力していれば殆ど犠牲者も出ず助かっていたかもしれない。どの登場人物も自分が正しいと思い込み、一致団結の方向には向かわなかった。出演者のオスカー女優、マーシャ・ゲイ・ハーデンの言葉が重い→「この映画は恐怖が人間を暴力に駆り立てることを描いています。それはアメリカの今の状況とよく似ています。イラク侵攻を911テロの前からブッシュ政権が計画していたことが判明しましたが、テロの恐怖を利用してそれを正当化できました。今のアメリカではキリスト教を掲げる人々が戦争を支持し、同性愛者たちを糾弾しています。でもKKKだってヒトラーだって神の名を語っていたことを忘れてはいけません」。人々は姿の見えない敵に脅え、最良の対処方法を話し合わず、簡単に武器を手に取った。その結果、混乱に拍車がかかり、さらに多くの血が流される。SFホラーの枠を超えて、現代を生きる人々へ様々なことを語りかけてくる作品だ。※DVD『ミスト』(Ama)。YouTubeには超ネタバレゆえ鑑賞前に見るのは厳禁の動画が。ラスト前のアレが出てくるシーン!(1分43秒)映画を既に見た人だけクリック!
 8月5日…(奈良巡礼2日目のつづき)午後1時、2代綏靖(すいぜい)天皇を巡礼。径16mの円墳。続いて、3代安寧(あんねい)天皇、4代懿徳(いとく)天皇と巡礼。3kmほどの距離に初代から4代までが集まっている御陵黄金地帯。懿徳(いとく)天皇陵は正面に樹木が対称に配置されており、構図的にとても美しい。猛暑を忘れて見入ってしまった。以降は、28代宣化天皇(付近にまったく日陰がなくフラフラ)、8代孝元天皇(本日初の水入り壕つき)と巡り、29代欽明天皇の御陵へ。この御陵は参道が変わっていて、普通は階段の上に御陵があるのに、ここだけは階段の下にあった(御陵を参拝者が見下ろす感じ)。たまたま待機小屋に職員がいたので、こういう形態の御陵が他にあるのか質問したら“たぶんここだけ”とのこと。小屋の中に「先手必勝」と墨で書かれた紙が貼られていたので、好奇心から尋ねてみると、「この時期はどんどん雑草が生えるので、草刈りを後回しにすると大変なことにるんです。だから“先手必勝”!」。こういう陰で頑張っている方がいるおかげで、全国の御陵はいつ訪れてもスッキリと美しいんだよね。あと、御陵の手入れで大変なのは、壕の水辺にヘビが多いことだって。あれは何度遭遇してもビックリするとのこと。/この時点で午後2時半。次は駅2つ分を自転車で移動して42代文武天皇の御陵へ。途中に壁画で有名な高松塚古墳があった。文武天皇陵は灼熱の世界!無風の直射日光。ガンダムで言うソーラレイ。足下の砂利が太陽を反射し、僕は上下からチーン。橿原・飛鳥の天皇陵を全て巡礼し、橿原神宮駅に戻って自転車を返却したのが午後3時半。続いて、今回の奈良巡礼の最後の目的地、御所市へ向けて列車で移動。そこから5代孝昭天皇、6代孝安天皇、35代皇極天皇(37代も斉明天皇の名で兼任)と徒歩やバスで巡る予定だったけど、もう5ミリしか足が上がらず、日没までに間に合いそうもなかったので、タクシーを使ってしまった。嗚呼、パラダイス!冷房が効きまくり、御陵から御陵へ瞬間移動。4千円の出費は痛かったけど、そう何度も御所市まで来られないので、その値打ちはあったと思う。/3つの御陵の感想。孝昭天皇陵は生活道路に面して敷地が狭く、正面から巡礼できなかった。どうしてこうなった、という印象。孝安天皇陵は山中にあり、全体に高さがあるため、石造りの古代遺跡っぽい。アンコール・ワットを思わせる神秘的な雰囲気。最後に訪れた皇極(斉明)天皇陵は「238段」も石段を上らねばならず、脳と体の回路を遮断して自動操縦モードで登りきった。そして手を合わせ、全ての天皇陵でいつもそうするように、この世界全体が少しでも良い方向に進むよう力添えを願った。/本レポートの締めは、最後に乗ったタクシーの話。2日間の炎天下・自転車巡礼で僕が相当ヘロヘロにヤツれて見えたのか、運転手さん(60歳ぐらい)が、「これ、私のだけどアンタが食べなさい!」と、パンとオニギリと水をくれた。嗚呼、なんて優しい運転手さん!実際、朝から忙しくて何も食べてなかったので、これはめちゃくちゃ嬉しかった。それはもう、泣けるほどウマかった!ビバ・奈良!
対称になった樹木などが
美しい懿徳(いとく)天皇陵
運転手さんの優しさが身に
染みた!※後部座席にて
 8月4日…奈良巡礼2日目。超快晴。37度の予報にビビリつつ、雨ならレンタサイクルを使えないのでお天道様に感謝。まずは近鉄奈良駅から徒歩圏内の第9代開化天皇の御陵(ごりょう)へ。ちなみに、天皇、皇后、太皇太后(天皇の祖母)、皇太后(天皇の母)に限って葬られた場所を「陵」と呼び、その他の皇族は普通に「墓」になる。開化天皇陵は商店街の中にポツンとあり、“こんなところに御陵が!”と驚いた。御陵前の門が9時を過ぎても閉まっていたので、“ここは普段から閉まってるのかな?”と帰りかけると、宮内庁職員の待機小屋(掃除道具などがある)に人影が見えたのでノック。待機小屋はどの陵にもあるけど1997年の人員削減で無人だらけになったんだ(厳密には有人だけど、1人の職員が複数の御陵を管理し、掃除しながら移動しているため留守が多い)。で、門のことを尋ねると、まさに今から開けるところだった。「うおお!」。陵前の門が開く様子を見るのは初めてだったので、墓マイラー的にちょっと興奮(カンヌキを外して開門するだけなんだけど)。昨夜の講演で参加者の方から、「天皇陵も神社の御朱印のように記念スタンプの陵印(りょういん)をもらえるんですよ」と教えて頂いたので、待機小屋で押してもらおうと思ったら、「付近一帯の御陵の陵印は、全部橿原市の事務所にある」とのこと。人員不足に陥った宮内庁は、全国に点在する歴代124名の陵墓を5つの監区(ブロック)に分割し、陵印も分けて保管しているんだって(陵印だけ欲しい人は、124箇所に足を運ばなくても、この5箇所の事務所に行けば全部揃うのか〜)。この日は午後から橿原市を巡る予定なのでちょうど良かった。/次に奈良駅の近くで自転車を借り、称名寺へ。同寺には室町時代の茶人で“わび茶”の創始者・村田珠光が眠っている(あの一休さんの弟子)。到着後、さっそく墓地に入ったもののそれらしい墓がない。困っていると、通りがかったご住職が案内して下さった。珠光の墓は墓地ではなく、お寺の庭の一角にあり、しかも風化して名前が完全に消えていた。これは絶対に自力では発見できない!ご住職が不在じゃなくて良かったぁ!墓石の側には、珠光がお茶をたてる時に使用したという井戸が残っていた。墓前で手を合わせ、一休和尚や利休に会ってきたことを報告。次に向かったのは45代聖武天皇の御陵。聖武天皇は東大寺や大仏で有名。メジャーな天皇だけに御陵もかなり巨大だった。隣は光明皇后の御陵。古代の天皇陵では夫婦が並んでいるのはとても珍しい。そこから奈良市北部の43代元明天皇&44代元正天皇の御陵へ。ゆるやかな上り坂がずっと続き、まだ10時台なのに体感温度は80度を突破(笑)。御陵の前を500mほど行き過ぎて引き返し、道を挟んで並ぶ2つの御陵に墓参した。その後、自転車を返却し、近鉄電車で「橿原神宮前」駅に正午前に到着。さっそく再びレンタサイクルを借り、初代天皇の神武天皇陵へ。前回は建国記念日に訪れたので街宣車だらけだったけど、平日はとても静かな参道。御陵の前に15分ほどいたのに、誰とも会わなかった。そして、今朝教えてもらったこの監区の事務所へ。陵印が30個もズラリとあるのは壮観だった!個々のハンコが大きいので、神武・開化・聖武天皇の3人分をスタンプ。今度来る時は分厚い台紙帳を持参せねば。(長くなるので、ここで分けマス!)
開門の決定的瞬間ッス!
※開化天皇陵にて
豪華!陵印30箇所セット
※菓子折にも見えますね♪
 8月3日…今日は朝から奈良へGO!近鉄の大和西大寺駅で自転車をレンタル。気温が36度オーバー&盆地で風がないため、熱中症にならないよう、こまめに水分を補給しつつペダルを漕ぎまくった。実は現在壮大なプロジェクトを遂行中。それは歴代124人すべての天皇陵を巡礼すること!僕は民族主義者ではないし、人間の身分に上下はないと思っている。でも、政治云々から切り離して、純粋に独自・固有の文化後継者として敬意を抱いている(崇拝とは全く別)。天皇陵(以下、御陵)へは03年から墓参を開始し、08年に本腰を入れ始めた。先月の段階で、京都を中心に46名(全体の3分の1強)の巡礼を終えていて、今回はせっかく奈良へ仕事で行くので、可能な限り御陵(ごりょう)を訪れることにした。10時に西大寺駅からスタートし、第20代安康(あんこう)天皇、11代垂仁(すいにん)天皇を墓参。安康は坂の上でいきなり汗まみれに。肌が痛いほどの直射日光。帽子が役に立つのか不安だった。/垂仁陵はデカい堀がある巨大古墳。御陵を墓参する前に必ず調べねばならないのは、正面がどこかということ。埋葬者の名前を記した宮内庁の説明板は、正面にしかないからだ。さもないと、円墳の場合など「あうう…正面はどこなんだ」と涙目でさ迷う羽目になる。今はグーグルMAPという素晴らしいツールがあるので、宇宙から衛星写真で正面を確認できる(大抵は小さな広場がある)その後、鑑真和上が創建した唐招提寺に到着。10年ぶりに鑑真のお墓参りをすると同時に、前回は改修中で拝観できなかった本堂を訪問。巨大仏像群に圧倒された。お昼頃、空にやや雲が広がり、鑑真の墓前でサン・ウェイティング。日光待ちだ。雲っているとお墓の文字に陰影ができず名前が読みにくいし、周囲の花や緑も色がくすむので、出来る限り晴れるまで待つようにしている(少しでも綺麗に撮ってあげたい!)。このサン・ウェイティング、夏は蚊との攻防がかなり辛い。また、2時間待った挙げ句、バスや電車の時間となって帰る際、途中で晴れたりするとリアルに涙がにじむ。今日は幸い20分で太陽が復活し、奈良時代に命がけで来日して下さった御礼を和上に伝えた。次に平城遷都1300年祭の取材で平城京跡へ。復元された高層の大極殿や実物大の遣唐使船にエキサイト。30分でサクサクっと取材を終える予定が、あまりの会場の広さに2時間も滞在することに。パビリオンの中に5面スクリーンを使ったバーチャル平城京があり、タイムマシンであの時代に行ったかのようだった。3面スクリーンの遣唐使物語(アニメ)もなかなかの迫力。復元・遣唐使船の甲板に出るとけっこう大きく感じた。でも船に80名&荷物が載っていたとなるとキツキツかも。会場を出たのは午後2時半。酷暑のピーク。1足歩くごとに背中を滝汗が流れる。自転車に乗って、51代平城(へいぜい)天皇、13代成務天皇、46代孝謙天皇を巡礼。付近は車すら通れないような細道だらけで、移動中、住宅地の中で方向が分からなくなり、しばし迷子に。ちなみに孝謙天皇は退位後に再び称徳と名を変えて48代天皇になった珍しいケース(2度も天皇になったのは2人しかいない)。そこからさらに神功皇后陵へ。神功皇后は自ら出陣する武闘派皇后で卑弥呼説もある人物。御陵は階段を登った先にあり、自転車をとめて這うように上がっていった。巡礼後、炎天下の疲労で動けなくなり、日陰で10分間ダウン。駅に戻ったのは午後4時。電車で2駅移動して終点の奈良駅へ。本日最後の墓参者は宮本武蔵を描いたマンガ『バガボンド』で、前半最強の壁として登場した天才槍使い、宝蔵院胤舜(いんしゅん)&師胤栄(いんえい)の2人。白毫寺町の東山霊苑に眠っている。もしも霊苑が17時閉門なら残り50分しかなく、バスは1時間に1本ゆえタクシーで駆け込んだ。ここからが大変。24時間出入り自由で助かったけど、なんせ墓域が広い!斎場の人に聞いても宝蔵院師弟の墓は知らないという。ネットからプリントアウトした墓画像を手がかりに探しまくるも、一向に見つからず。18時から別の仕事があるため焦りまくり。その時、目に飛び込んだのが市役所の電話番号。史跡に詳しい人がいるかも知れないと、イチかバチかで電話すると、男性職員で知っている人がいたァアアア!いわく「東山霊苑は東西に2箇所あるんです」。ギャフン!どうりで見つからないハズ(ジョジョのブチャなら「墓地は2箇所あったッ!」とキメるだろう)。恐ろしいことに、師弟が眠る西側の墓地は、小規模ゆえグーグル地図には載っていなかった。たどり着けるわけがない。そこからはケータイを片手に、指示されるままに走って移動した。距離にして200mほどだけど、実際は1kmほど走った感じ。自転車で御陵巡りをした後なので、体力は極限状態だった。目に見えるものを電話で伝えながら誘導してもらい、ついに墓地を見つけた時の感動といったら!市役所の人に心から感謝した。電話したのが16:50。役所は17:15までだから、あと少し遅ければ巡礼を断念して帰るしかなかった。可笑しかったのは、墓地内が「宝蔵院の墓はコチラ」という案内板だらけ(5枚)だったこと。東の墓地から案内してくれ〜い!宝蔵院師弟の墓前で足腰に力が入らなくなり、20分ほどソウルトーク。帰りは運良く1時間に1本のバスが通りかかり、スムーズに市街地へ。夜は異業種の人々が集うセミナーの講師に呼ばれていたので(これが本日メインの仕事)、会場に足を運んで21時まで墓巡礼にまつわる講座をした。参加者は僕より年上の方ばかりなので、講座後に人生相談に乗って頂いた(有難うございます!)。その後、僕は奈良駅前のネットカフェへ。東京よりも高いのにシャワーもなく、禁煙ルームもなく、脱力して横になった。3時間だけ仮眠し深夜1時から朝まで翌日の地図を調べる。なんと長い1日!//お薦めホッコリ音楽の第7回はバッハ“チェンバロ協奏曲第5番第2楽章”の楽器違いバージョン。2種類ともホント素晴らしい演奏ですーッ!→フルート版(3分12秒)/ギター版(3分20秒)
実物大の遣唐使船!(奈良) 鑑真和上ここに眠る
 8月2日…昨年度、親から虐待を受けて死亡した子どもは67名にものぼる。6日に1人が殺されていることになる。そして、先日の大阪の2児放置死事件。あまりに悲惨でニュース記事を読むたびに胸が押し潰れそうだ。3歳の女の子と1歳の男の子は、部屋の真ん中で寄り添うように裸で飢え死にしていたという。周囲は散乱するゴミとオムツ。しかも、2人が部屋から脱出できないよう、扉をテープでとめていたというから惨たらし過ぎる。マンションの住民によると、「夜中も長時間にわたって“ママー、ママー”と叫んでいた」「複数の幼い子供が、連日悲鳴のような泣き声を上げていたが、1カ月ほど前から聞こえなくなった」という。6月下旬まではまだ生きていたのだ。児童相談所への通報は3月、4月、5月とあったが、担当者は5回訪問したものの母親とは会えず、連絡するよう“メモを残してきた”だけだった。一方、5月中旬には警察にも110番通報が入っていたが、現場に向かった署員も“外から異常を確認できず”帰ってしまった。近隣の住民がこれだけ何度も通報しているのに、事実上の無策。児童相談所、警察、どちらも通報の段階では2人とも生きており、これは救えていた命だった。ベランダのゴミの山を見れば、それだけで異常事態が起こっているのが分かるのに…。子ども達が空の冷蔵庫を探していたことも痛ましすぎる。児童相談所からのメモはキッチンにあった。そもそも、虐待がばれてしまうから連絡する訳がないのだ。現行法では、勝手に鍵をあけて臨検(立ち入り)するには礼状が必要で、それには子どもの名前や生年月日が必要というが、非協力的な親を相手にあまりにも無意味な条件だ。09年度に児童相談所が対応した児童虐待は4万4210件もあるのに、臨検はたった1件だけ。残りの4万4209件は臨検なし!まったく制度が機能していない。/この若い母親を非難するだけでは問題の解決にならない。当初は愛情を持って育てていた。ブログに綴られる優しい言葉。それが2年でこうも変わってしまう。つまり、人間とはそうなってしまう可能性のある生き物。綺麗事じゃない。それを前提に制度を考えないと。海外では“虐待疑い”のレベルで警察が駆けつけ、子どもをただちに安全な場所へ隔離させるという(誤解であればそれに越したことはないからだ)。児童虐待に関しては、日本も立ち入り条件を大幅に緩和させ、手遅れにならないように法改正すべき。※こういう虐待死が報道されると、従来も心を痛めていたけれど、昨年子どもが生まれてからは、親を探している時の泣き声や、餓死に至る過程がリアルに想像できて、身を引き裂かれる思いがする。たまらない。//今週の少年ジャンプ、『ナルト』は両親が文字通り命がけで赤ん坊を守るエピソード。“親にしてくれてありがとう”というセリフに涙腺決壊。子どもが親に対して育ててくれたことを感謝する言葉はよくあるけれど、このセリフは親から子への感謝。たまらず風ちゃんを抱きしめた。//全国で高齢者の安否が不明になっている問題。こんなことがあるはずないと思ってたら、次々と似たケースが出て来てびっくり。どこまで疑惑が広がるんだろう。
 8月1日…お薦めホッコリ音楽6曲目はビートルズ『ヒア・ゼア・アンド・エブリホエア』(2分31秒)。数あるビートルズの名曲の中でも、ハーモニーの美しさはトップクラスかと!わずか2分半でこの至福感!※過去5回は“胎教音楽”として紹介してきたけど、胎教に限定したくないので、良い名前を考え中。“癒し系”“ヒーリング”はありきたりだし、“マッタリ”はちょっと違うし、意外と難しい。とりあえず、ホンワカ的な“ホッコリ”にしたけど、「ホッコリ音楽」ってパッと字を見ただけじゃ分かり難いよね(汗)。//『龍馬伝』、中岡慎太郎を演じる上川隆也の迫真の演技にブッ飛んだ!番組終了間際の、あの地面にひっくり返って天へ嗚咽する「どうしてだがじゃーッ!うわーッ!」。あまりの迫力に10回くらい巻き戻して見た。中岡は今回が初登場なのに存在感ありすぎ。龍馬と中岡。2人の運命を考えると、最終回のことを考えただけで、もう既にジワッとくるんですけど…。
 7月31日…YouTubeになくてニコニコ動画になってしまうんですが、読者の方が教えて下さった『巨匠の作画風景』(24分)、これはヒジョ〜に素晴らしい動画です!順番に、ピカソ、ダリ、ミュシャ、エッシャー、トーベ・ヤンソン、ウィンザー・マッケイ、ウォルト・ディズニー、チャールズ・シュルツ、手塚治虫、藤子不二雄、宮崎駿、平田弘史(『AKIRA』の題字でも有名)の12人の制作風景が登場。個人的には、アトリエにワーグナーの「トリスタンとイゾルデ」を流しながら描いているダリ、手元からみるみるムーミンが生まれていくヤンソン(彼女の楽しそうなこと!)、ディズニー本人がミッキー・マウスの声を担当しているアテレコ風景、そしてチャーリー・ブラウンを描くシュルツさんの映像あたりが激レアで大興奮しました!動画ならではの感動があります!//アイルランド出身の歌姫ビョークの家のあり得ない立地条件が話題に。島の形も独特で、SF映画のワンシーンみたいだ。//明日のお薦め番組は今年初めての星5個!ジブリ、尾形光琳、龍馬伝、反核、深夜のラン・ランと充実し過ぎるにもほどがある!//ガンダム・ファンの長年の悲願は、Zガンダムの放映から14年経ってもプラモデルにならなかった、究極MS「THE-O」のキット化。だが、ついに今週6日に“1/100スケールのTHE-O”が発売される!様々なザコMSが強引にキット化される中で、なぜか発売されなかった超重量級MS。例の隠し腕も忠実に再現されている模様(ただし値段も約1万とラスボス級、汗)。//胎教音楽5曲目はバッハのチェンバロ協奏曲第5番第2楽章(2分50秒)。体の奥まで音が沁み込んでいく感じが好き。この曲をピアノで演奏したバージョン(3分27秒)も高い精神性があって最高ッス。
 7月30日…31日の夜8時からNHKハイビジョンでオンエアされる『日本のいちばん長い夏』は見応えがありそう。東京オリンピックを翌年に控えた1963年、銀座の料亭で終戦を語る座談会が開かれ28人が集まった。顔ぶれは終戦当時に政府の中枢にいた迫水久常、鈴木一、松本俊一、池田純久、ソ連大使・佐藤尚武、スウェーデン公使・岡本季正、海軍の富岡定俊、陸軍の今村均、荒尾興功、一兵卒だった大岡昇平、扇谷正造、岡部冬彦、会田雄次、池部良、そして徳川夢声。ポツダム宣言発表後もソ連仲介の和平工作に期待をかけた中枢、本土決戦の完遂を主張し続けた陸軍、空襲下の市民生活や飢餓にあえぐ前線、それぞれの立場から見た終戦を語り合ったという。この座談会をドラマ化!演じるのは、田原総一朗、鳥越俊太郎、富野由悠季(!)、島田雅彦、市川森一、山本益博、林望、青島健太、湯浅卓、中村伊知哉、江川達也、立川らく朝、松平定知という濃いメンバー。劇場でも公開されるらしく、予告編(1分45秒)が熱い。//『インセプション』の中で何度も印象的に使われるエディット・ピアフの名歌『Non, Je Ne Regrette Rien/水に流して』(2分23秒)をYouTubeで発見。サントラに入ってなくてノーッてなってたけど、これで好きなだけ聴ける。歌詞の内容は「もう過去なんてどうでもいい、思い出に火をつけて皆燃やしてしまった、後悔することなんて少しもない、何もかもすべて忘れゼロから出直そう」。なるほど、歌詞がけっこう映画とリンクしてますね〜。/インセプションの無重力シーンを見て、ウォルマートの店内で人間が空中浮遊している画像を思い出した。ほんと、映画のまんま(こっちの方が先だけど)。よくピンぼけせずに撮れたもの!//胎教音楽4曲目はビージーズの『愛はきらめきの中に/How Deep Is Your Love』(4分)。美しいメロディーとコーラスが最高に心良い!ちなみにカラオケ版もあり。
 7月29日…『ゲゲゲの女房』。これまでの極貧生活、苦労の日々が報われて“悪魔くん”がついにドラマ化。水木さんが一番苦しかった時代に応援してれた人々が、第1話の放映後にテレビ画面に向かって涙目で拍手をしているシーンで、思わずもらい泣き。オンエアの夜、水木さんが弱小出版社の戌井(いぬい)さんに電話をかける場面で感動の頂点。戌井さんもかつては売れない漫画家だった。しかし無名時代の水木さんの作品に惚れ込み、わざわざ出版社を起業して“悪魔くん”を刊行した。しかし、全5巻の予定でスタートした“悪魔くん”は時代の先を行き過ぎ、まったく売れなかった。そして無念の“3巻打ち切り”となり、戌井さんと水木さんは悲しみに打ちひしがれた…。それが今やテレビドラマ化。普段は感情を表に出さない水木さんが、受話器を握って涙声で「あんたの編集者としての目に狂いはなかったですな。“これはスゴイ漫画だ、絶対に当たる”と言ったあんたの言葉が、ほんとになりました!」と語り、戌井さんが感無量でそれを聞いている…素晴らしかった。信じた道を貫き、努力が実を結んだ場面は何度見ても良い。電話を終えた水木さんが、夫人とすれ違い様に肩へ黙ってポンと手を置き、その後に夫人がウルウルしている場面もたまらなかった。肩への“ポン”には、ずっと支えてくれた夫人への感謝、苦難を乗り越えた戦友との握手、そんな気持ちが見て取れた。だんだんこのドラマが、現在日の目を見ずに、孤軍奮闘している全国の全てのクリエイターへのエールに思えてきた!//23日にアップした『トイ・ストーリー3』レビューのネタバレ欄に書いた疑問について、サイト読者の方が貴重な情報を下さいました。以下【ネタバレ文字反転】最後にロッツォを拾ったゴミ収集車の運転手は、パート1に出ていたアンディの隣家の悪ガキ、シド!英語版声優が1の時の人と同じで、Tシャツも例のドクロマーク。シドは玩具に愛着がある青年に育ち、そんな彼に拾われたことで、ロッツォの荒んだ心は少しずつ良い方向に向かうかも…そんな希望を持てるオチ。シリーズ物ならではの、ピクサーの小粋な演出ですねぇ!//26日にアップしたハンス・ジマー特集に『ライオン・キング』(5分58秒)を追加しています。4分20秒付近からラストまでの盛り上がりはカタルシスたっぷり。繰り返し聴きまくり。//胎教音楽3曲目はギター版『G線上のアリア』(3分36秒)。動画の評価がエライことに。オーケストラで聴くのもいいけど、ギター1本も心にジ〜ンと浸みていいね。
 7月28日…ネットでは様々な職業の人が、自分の仕事内容への質問を受けるスレッドが人気だ。珍しい職種は読んでいて“業界はそんなシステムなのか”と感心することも多い。その中で、初めて傭兵(ようへい)というか、民間軍事会社(PMC)にいた人の体験談を読んだ。内容はイラクにいた頃の話。報道されない現地の実情なども書かれていた。「PMCは脅威が全くない(一般人の)乗用車にお遊びとして発砲するといったことは、日常茶飯事でしたし、それにより多くの市民が殺されていました。しかし、その行為を上層部が知ったとしても業績に汚点を残すとして、絶対に外部には漏らさず、その犯人は結局おとがめなしということがほとんどでした」。淡々と書かれているけれど、同僚が目の前で何人も即死しており、いつ死んでもおかしくない状況。でも、退職した理由が自らの命の危険ではなく、少年の目というのが胸に響いた→「僕は(イラクの)子供から凄い目で睨まれたんです。殺してやるっていう感じの目。おそらく被害者の関係者だと思うのですが、睨まれたわけです。彼は絶対怖いはずなんですよ。こちらは、厳つい装備を着て、銃を持っています。それでも、彼は睨んできました。その時に、この世界はなんて狂っているんだろうと思いました。せいぜい6歳ぐらいの子供なんですよ。日本だったら、ランドセルを買ってもらって喜んでいる年です。世界の不平等さを垣間見た感じがしました。それが、退職した理由だと思います」「退社してからはかの少年が夜な夜な夢に出てきます」。そして子どもが銃をとるという“チャイルド・ソルジャー”の存在についてこう語っている。「彼らが復讐のために武器をとるというのであれば、とても現実的だとおもいます。お偉いさん方は、紛争が終結しないのは、宗教だとか貧困だとか言っていますが、理由はもっと単純です。それは、復讐の応酬です。どちらかが圧倒的な力を持ち支配するまで、それはとまりません」。僕が現在や過去の紛争を調べ始めると、必ずこの“復讐の応酬”に突き当たる。「やられたらやり返せ」で憎悪と戦火が拡大し、「銃を置こう」と呼びかけた者は“弱虫”“売国奴”などと糾弾され、酷い場合は「利敵行為を行なった」としてリンチ処刑される。戦争は始めるより終わらせることの方がはるかに難しいと歴史が教えているのに、人間はなかなかここを克服できない(最近の旧ソ連・キルギス紛争も負の連鎖を止められなかった結果)。身内を殺された人間に“復讐するな”とは、当事者の心情を思うと言えない。だからこそ、人類全体が一丸となって、1発目の銃弾をなんとかして止めないといけないんだけど…。ほんと、色々と考えさせられる元民間軍事会社の方の人生話でした。//家電会社のSANYOが消滅し、パナソニックと統一されるとのこと。既に子会社化していたけど、名前もなくなっちゃうのか〜。//昨日から紹介を開始したマイ胎教音楽。非クラシック編リストの1曲目はルイ・アームストロングの『この素晴らしき世界』(2分19秒)。音質がもっと良く、最後の「オーイエー」まで入ってるのはコチラ(2分22秒)。歌詞と映像がリンクしている力作!
 7月27日…世の中にはいろんなブログがある。“はてなブックマーク”で「狂気を感じるブログ」として次のページが紹介されていた。(1)2006年から、毎日同じ自販機を撮影し続けているブログ。自販機を定点観測するという発想が斬新。何日も変化がない日が続く分、新製品が出陣したり、「つめた〜い」と「あたたか〜い」の比率が変化すると事件になる。また、4年間のデータと照合して、年度別に比較できるのも面白い。プロフィール欄の文章もウィットに富み軽快。相当の名文家です。→「手間のかかることが嫌いなので、1回の更新が5分以内で済むような根性の要らないコンテンツを考え、このようなものを始めることになりました。変化のあった日は手間がかかるので腹が立ちます」「同じ物が微妙に変化しながら繰り返される事で生まれてくるグルーブ感はテクノのようでもあります。すみません、適当なことを書きました」「嫌いな言葉は“継続は力なり”です。これほど人を侮辱する言葉はそう滅多にないと思います。その言葉は他に褒めるところのない馬鹿に贈ってあげてください。俺がその馬鹿だと思うならありがたく頂戴しておきます」「当ブログをご紹介頂くにあたり、このブログ内のすべての写真(と僅かな文章)をどのような形でご使用頂いても構いません。また、私への連絡も一切不要です(連絡を頂かない事を希望します)」。ドライなのにユーモアがある、こんな文章をサラリと書けるといいなぁ。※2年前に一度だけ本当の“開設理由”が書かれた。グッときたというか、ページ全体が違って見えるようになった。(2)こちらは4年間ずっと「おやすみー」と言い続けているブログ。先の自販機ブログはそれなりに動きがあるけれど、こちらはまったく変化ナシ!延々と「おやすみー」。冒頭に“いたって普通のブログ”と書かれているけれど、なかなかどうして。ここまで変化がないと、何かこう、凄味のようなものを感じる。固定読者がいるのも分かる気が。//サイト読者のトラリーさんが、以前僕が子どもの為にリストアップした“お薦め胎教音楽”のクラシック編、ロック&ポップス編の大半の曲を、YouTubeで発見して下さいました。今日から約半年間、両編の楽曲を毎日交互に紹介していきます。第1回は胎教の王道、キング・オブ・胎教ミュージック、バッハの『G線上のアリア』。オーケストラ版、バイオリン&ピアノ版が連続で入ってます♪※トラリーさん本当に有難うございました!
 7月26日…パラグライダーから世界の絶景を撮影した画像に思わず見入った!神秘的なラクダの影、視界の彼方まで埋め尽くすアザラシ、エチオピアの聖ゲルギウス教会、どれも別世界過ぎて非現実感アリアリ。//『グラディエーター』『ライオン・キング』『ラストサムライ』など、様々なジャンルの映画で素晴らしい楽曲を生み出し続ける天才作曲家ハンス・ジマー。彼が手掛けた『インセプション』のサントラが届き、狂ったように繰り返し聴きまくり!このヘビーで陰鬱なメロディー(1分47秒)がたまら〜ん!何層にも重なった音符の重みで、部屋中のモノと僕自身が地の底に沈んでいきそう。アップテンポの曲よりも、この混沌とした曲の方がなぜか仕事がはかどる。おそらく、音の波間に満ちる異様な緊張感が意識を覚醒させるのだろう。国内版の発売は8/4だけど、それまで待てないので輸入版をゲット。洋楽だと日本語対訳が必要なので必ず国内版を購入するけど、映画音楽は輸入盤で十分OK。しかもこっちの方が千円安い(笑)※現在Amaで1500円。僕が購入した時はさらに1100円と激安だった。【追記】このインセプションのミュージック・ビデオ(2分14秒)も良い楽曲!ハンス・ジマーの楽曲をザック・ヘムジーという人がアレンジしたっぽい。でも、サントラにはこのまま入ってなかったので、ザック・ヘムジーのオリジナルかも?調べてみたけど情報不足でよく分からなかった。【追記2】コチラで見つけたハンス・ジマーと元スミスのギタリスト、ジョーニー・マーが組んだ『インセプション』の生コンサート映像(20分)に爆涙!これぞ神ライブ。一生楽しみたい。冒頭は映画のプレミアなので、動画をライブ開始の8分30秒まで一気に早送りして、2分だけでも視聴して下され〜!(目覚めの歌も16分40秒付近に一瞬登場。っていうか、このライブのDVDを出して欲しい!)
★YouTubeで聴くハンス・ジマー名曲選
『シン・レッド・ライン』(7分22秒)泣ける!!曲名は“光”。
『ライオン・キング』(5分58秒)
『ザ・ロック』(6分27秒)
『グラディエーター』(10分)
『ラストサムライ』(3分57秒)
『バックドラフト』(10分17秒)
 7月25日…昨日刊行された『ラジオライフ9月号』(三才ブックス/Ama)の中程に、特集企画「有名人お墓巡り」が掲載されてます。今月上京した際にインタビューを受け、編集さんと一緒に東京の墓地を巡礼したものデス。上旬に出た車雑誌、中旬のビジネス誌、今回のラジオ本など、お墓とはまったく関係がないように思える雑誌でも、それぞれの編集部に墓トークで盛り上がる人がいるのが新鮮だった。やっぱ編集やってる人は好奇心旺盛というか、アンテナが大きい!//来年の大河ドラマ『江』のキャストが発表されたばかりなのに、もう再来年の大河が決定した。大河ドラマ誕生50周年となる記念すべき作品の主人公は、なんと“平清盛”!一般に“正義”とされる源氏ではなく、滅びゆく平家視点で歴史を描くとはやってくれる。『龍馬伝』の新選組が不気味な恐ろしさを持っているように、敵として登場する義経にはめっちゃ恐怖を感じるんだろうなぁ。篤姫脚本家による『江』、敗者が主人公の平家モノ、まだ2年以上楽しめそう!//今日の龍馬伝のカステラ作り、フィクションかと思ったら、海援隊にカステラのレシピが本当に残っているそうです。秋の最終章はミステリー仕立てとのこと。//太陽の約1000万倍の明るさで、265倍の巨大質量を持つ、観測史上最重量の恒星「R136a1」を英国などの研究チームが発見!場所は大マゼラン雲のタランチュラ星雲。太陽が照らせる範囲の約30倍のエリアを照らすことができるというからスゴイ!


黄色い星が太陽、
そして最後方に
“一部分だけ”が
見えているのが、
驚異の「R136a1」!
 7月24日…うおお!暗いイメージのある墓参りを、少しでも明るくポジティブな印象に変えようと、当サイトで使い始めた“墓マイラー”という言葉が、『現代用語の基礎知識』(2010年版)に新語として登録されたッ!『現代用語の基礎知識』は1948年創刊であり、62年の歴史を持つ老舗辞典。なにげなく本屋で目次を見て激感動!解説文は「歴史上の人物や有名人の墓を訪ねて歩く人」となっていた。業界の知人が言うには「大手企業のCMで何度も出てくるコピーや、大ヒットしたドラマのセリフからブームになる言葉じゃなく、ただの個人サイトから出て来た言葉が掲載されるのは珍しい」とのことだった。“墓マイラー”が載ったのは「流行現象」の項目。1年でごっそり変わる項目なので、たぶん今年だけの掲載になるだろうけど、学生時代から親しんでいる辞典に載ったのは涙がチョチョ切れるほど嬉しい!

『現代用語の基礎知識』
はズッシリ1700頁(Ama
「墓マイラー」が登場!刊行は
昨年末だからサイト10年目!

もうすぐお盆だからと思うけど、NTT西日本の公式サイトが大々的に墓マイラーの特集ページを組んでいる。リンク先が掲げている、墓参を通して「日本のスターを再発見」という切り口は、分かりやすくていいかも。//沖縄駐留海兵隊の2014年までのグアム移転を断念。グアムのインフラ整備が間に合わないのと、普天間移設が難航しているのが理由。一方、米国議会の有力議員バーニー・フランク氏(連邦議員歴30年)が「米国が世界の警察だという見解は冷戦の遺物で時代遅れだ。沖縄に海兵隊がいる必要はない」と主張、米国内から沖縄駐留海兵隊の不要論が出ている。同氏は覇権主義と決別すべきとし、「海兵隊がいまだに沖縄にいる意味が分からない。台湾と対峙する中国を野放しにしたくはないが、沖縄にいる1万5千人の海兵隊員が何百万人もの中国軍と戦うなどと誰も思わない。海兵隊は65年前にあった戦争の遺物だ。沖縄の海兵隊は要らない。将来的にも活用する機会はない」と訴えている。09年の米中間の貿易額は約3660億ドルで、日米間の約1470億ドルの2.5倍にまで膨れあがっている。また、日本を訪れた米国人が70万人なのに対し、中国を訪れた米国人は171万人にのぼった。経済の結びつきが強化されるほど、軍事的な緊張は外交(言葉)で解決されていく。時代は冷戦構造から激変している。管首相はこういう米国内の声と連携して欲しい。//本日からJR東静岡駅前で18mの等身大ガンダムの展示が公式にスタート!今回はジャブロー戦バージョンでビームサーベル付。来年3月27日までの公開ッス!※別記事には“来年1月10日まで”となってるけど伸びたのかな。

 7月23日…シネマレビュー特集のラスト!
●『トイ・ストーリー3』…まず始めに!本編前に前座で上映される6分間の短編アニメ『デイ&ナイト』が100万点だったことを報告しておきたい!擬人化された“昼”と“夜”が出会い、最初は未知なる相手を全否定し、自分がいかに優れているか自慢しあいケンカする。例えばこの海岸シーン(17秒)。昼間は女性が日光浴を楽しんでいる。“夜”が同じ場所に行くとコオロギが鳴いているだけ。だが、やがて両者は同じ世界に存在していることに気付く。こちらのシーン(18秒)は、同じ空に昼は虹が出て、夜は花火が打ち上がる。互いの違いを長所として受け止めるようになる。こんな作品が観たかった!「もうトイ・ストーリーを観なくても1800円のモトはとった」って思ったよ(笑)。そして最も感動した演出は…以下【ネタバレ文字反転】特に日の出の太陽と夕陽の太陽が重なるシーンに感動!まさか短編で泣かされるとはッ!/で、『トイ・ストーリー3』なんだけど、これは必見ッス!普通、続編モノはどんどんつまらなくなるけど、この3作目は間違いなくシリーズ最高傑作!予告編は2種類ともグッと来る。ショート版予告(55秒)の「それが僕ら(オモチャ)の運命なら、どうしたらいいんだろう?」は名コピー。ロング版予告(2分37秒)は1分50秒のとこにトトロが出てます(画面左の暗がりっす)。1995年にパート1が公開されてから15年。これ以上ないという最高の形できっちり終わり、近年では珍しいシリーズ完結編となった。冒頭の大列車強盗アクションでワクワクした後、大学に行くアンディがオモチャを“仕分ける”シーンから、ラストの歴史的名シーンまで、全編にわたって涙タラタラのエピソードの連続!オモチャ達がけな気過ぎる!97点!ラテンなバズや、バービーに良い所を見せようとするケンにも爆笑した。僕は3Dで観たけれど、元々立体感のあるCGだし、2Dで十分。っていうか重いメガネが不用で画面が明るい2Dの方がお薦めかも。あと、字幕を読んでいる時間がもったいないほど画面の隅々まで遊び心満載なので、日本語吹替えをお薦め。声優陣は全員めっさ上手かった!/これだけ波瀾万丈のストーリーだと、レビューで何を書いても重要シーンのネタバレになるので以降は全部【ネタバレ文字反転】にて→2つのシーンは1億点クラスだった。まずは溶鉱炉!運命を悟ったオモチャ達が黙って手を握り合うシーンで滝泣き!彼らは、なんちゅう表情をするんだ…オロローン!バズの目を思い出しただけでまた泣きそう。そしてもうワンシーン。もちろんラストの別れ!アンディが個々のオモチャの性格や名前を紹介しながら女の子に渡す場面は、周囲の美しい緑や太陽の温かい陽射しもあって神がかっていた。アンディの「君たちは宝物」「ありがとう」の、たった2つの言葉でマジ救われるよね。それでは、こんなに誉めてるのになぜ満点じゃないのか。僕はロッツォが最後までワルのままだったのが辛かった。“カールじいさん”の悲しい冒険家といい、最近のピクサーは“悪は心を入れ替えず悪のまま”という方針を打ち出したのか?どう考えても、あそこでロッツォが善玉になる方が、子どもが喜ぶし感動も大きいのに。停止ボタンを押したけど故障していて溶鉱炉のシーンに繋がる展開でいいじゃん…。あの裏切りの瞬間、60点まで下がった。でもその後の手を繋ぐ→アンディとの別れが神脚本だったので97点まで盛り返した。アメリカ人はハッピーエンドが好きだから、ロッツォの裏切りはピクサー社内で議論になったはず。あえてあの展開にしたということは、溶鉱炉脱出後に「(ロッツォなんか)復讐する価値もない」というセリフを言わせたかったから?子ども達に、将来ああいう人間と出会った時に「復讐する価値もない」とやり過ごすようアドバイスしているのかなぁ。でも、そんなドライなことをわざわざ映画で伝えるかな。うーん、ピクサーの本心が読めない。
//岐阜県多治見で39度を突破するなど、梅雨明けと同時に列島は黒焦げ寸前。熱中症で病院に搬送される人がたくさん出ているので、皆さん、暑さ対策に気をつけて。※熱中症のメカニズム対策。塩分を摂ることも大切。
 7月22日…(つづき)シネマレビュー特集その3。
●『インセプション』…95点!こりゃまた、とんでもない映画が誕生した。超クールな2種類の予告編A(1分19秒)、予告編B(2分33秒)を観て以来、ひたすら公開を待ち、先行ロードショーで鑑賞!眠っている人間の潜在意識の奥底に潜入し、夢の世界から情報を盗む産業スパイの物語。アイデアを保管するのに一番安全な場所は自分の頭なのに、ヤツらはそこに入ってくる。大きなネタバレなしで、予告編の範囲で見どころを紹介。主人公コビ(ディカプリオ)はある事情で指名手配されており、米国に入国できず子ども達に会えない。そこで日本人実業家サイトー(渡辺謙)が“過去の犯罪歴を消去してやろう”と提案。条件はライバル会社の御曹司の頭にインセプション=情報を盗むのではなく考えを“植え付ける”というものだった。そこでコビは、3人のスペシャリストを集める。顔ぶれは、リアルな夢を作る「設計士」、様々な姿で夢に登場する「偽造師」、特製の睡眠剤を作る「調合師」。このメンバーに、コビのサポート係の「ポイントマン」、結果を見届ける「観光客」、コビ自身の6人でターゲットの頭に侵入する(正確には自分たちが設計した夢の中に対象者を招き入れる)。ところが相手は「夢を防御する訓練」を受けていて、コビたちは武装した男たちにいきなり襲われた。果たして作戦は成功するのか---。この映画は幾つかの“約束事”があり、そのルールを事前に理解している方がスムーズに物語に入っていける。
《その1》夢の世界は現実より時間経過が早い
《その2》夢の中で夢を見た場合は、一番新しい夢ほど時間経過が早い。
《その3》夢の中で死亡すると目が覚める。ただし、鎮静剤など薬物で深い眠りに落ちている時は、目覚めずに“虚無”空間に落ち、自力では脱出できない。
《その4》眠っていても聴覚からの情報に影響される
人は夢の中ではそれが現実と思っている。でも夢かどうか確認する方法は幾つかある。大抵の夢は自宅外で展開するので、「この場所までどうやって来た?」と考えて答えられなければ夢。或いは、小さなコマを回してそれが延々と回り続けていれば夢(重力がない)など。相手の夢をコントロールする方法は外部からの刺激も有効。寝室に音楽を流すと、夢の中でもその曲が聞こえて思考に影響する。面白いと思ったのは“他人の頭を簡単に支配できる”という話で、「象のことを考えるな」というセリフがある。そう言われただけで、僕は考えたくないのに象の長い鼻や大きな耳が一瞬浮かんでしまった(笑)。監督は『ダークナイト』でバットマン映画を芸術的にも哲学的にも高次元に昇華させた奇才クリストファー・ノーラン。映画史に残る革新的ムービーだ。渡辺謙にはカリスマ感すらあり、オスカーにまたノミネートされるかも!以下【ネタバレ文字反転】クライマックスに驚愕!4つの階層の夢が同時進行!時間経過の速さの違いを巧みに利用しながら、物語を破綻させずにまとめあげた。しかもコビやサイトーはワルだから、作戦が成功すると被害者が気の毒になるはず。でも後味の良い騙し方だから“まぁ、いっか!”ってなった。こんなトンデモ設定を映像化できるハリウッドはつくづくスゴイ!
●『借りぐらしのアリエッティ』…う〜ん、う〜ん。映像表現は素晴らしい。小人から見える人間の世界がとても丁寧に描かれていて、角砂糖ひとつをとっても、大きさや質感など実にリアル。ハーブティーなどの液体が表面張力で粘り気があるように見えるのも、さすがはジブリ。音の情報にも感嘆した。自然界の音、生活音、四方八方からいろんな音が聞こえてくる。音だけで情景が浮かぶ。でも…以下【ネタバレ文字反転】無理やり悪人を登場させる必要はなかったと思う。なんかもう、あのイジワルなお手伝いさんはひたすら不快で、生理的に受け付けなかった。第一、家主が楽しみにしていることを知っていながら、生け捕り目的とはいえ、いきなり鼠取り業者を呼ぶかね。小人が登場するというファンタジーだからこそ、人物にリアリティーがないといけない。僕には小人より、あのお手伝いさんの方が非現実的だった。夏休みの子ども向け映画なのに、楽しく笑えるユーモラスなシーンが殆どないのも辛い。もっと明るい陽気な物語が見たかったなぁ。いや、シリアスでも良いんだけど、それならもっとメッセージ性が欲しかった。65点。

一昨日の宇宙戦艦ヤマトのリンクから色んな関連動画に飛び、キムタク主演の実写版の最新予告(1分30秒)に見入った!山崎努の沖田艦長、いいっすね!あとはパチンコ屋のCR宇宙戦艦ヤマト(2分11秒)の超絶クオリティーを超えられるか。こりゃ公開が楽しみ!※模型のヤマト動画(53秒)、めっさ可動パーツが多くてエキサイト。この波動砲を撃ってみたい。でも4万か〜!(笑)※Ama
 7月21日…(つづき)シネマレビュー特集その2。
●『ハート・ロッカー』…イラク駐留米軍の爆発物処理班に身を置き、極度の緊張感から“戦争中毒”になってしまった兵士を描いてアカデミー作品賞を受賞。実際、イラクに派遣された米兵の戦死理由は半分以上が仕掛け爆弾。そして爆発物処理班の死亡率は他の兵士よりもはるかに高い。主人公ジェームズは873個の爆弾を処理してきた男。解除した時限装置の部品を記念品のようにコレクションしている。生死の境目に身を晒すスリルの虜になっているのか、帰還してもすぐに前線に戻って行く。キューブリックの映画に出て来そうな人物。この映画は力作だし、駄作ではない。でも、僕が求めている内容ではなかった。イラク人の心の声が聞こえてこないんだ。前半、解除現場に突っ込んできたタクシーの運転手に拳銃を突きつけて追い返すんだけど、そこに一般市民への敬意はない。砂漠地帯の戦闘ではシューティング・ゲームのようにバタバタと武装勢力が射殺される。イラク人の死があまりに軽い。“武装勢力”とはいうけれど、元々は普通の市民。なぜ彼らが銃をとって米兵を攻撃してくるのか、そこを掘り下げる事は皆無。そして“人間爆弾”になり損ねた少年の血まみれ死体の描写。米兵が戦う相手はそのように少年を“改造”する鬼畜であり、正義の米兵が勝たねばならない--そんな感情を引き起こす。なんというか、イラクから米軍を追い出すために銃をとった人間と、爆弾テロで市民を犠牲を殺して政権を揺さぶるマッドな原理主義者がごっちゃになっている。ジェームズは仲良くなった子どもを救おうとしたり正義感も持っているけれど、それがイラク侵攻の大義を問うところまで行かない。あくまでもアメリカ視点の映画。60点。ただ、極限状況が日常化していることが伝わってきたし、一般人の大学教授をテロ犯と誤解し、正義感が空回りしている描写もあるので、前述したように凡作ではない。(追記)アカデミー協会が、『アバター』ではなく本作にオスカーを与えたのはなぜか。アバターの米軍はモロに侵略者だったけれど、この映画では解放軍だった…それもあるけど、もっと切実なものを感じた。ハリウッドの映画人はリベラル派が多く、イラク戦争にも否定的。でも、悪いのはホワイトハウスであって、中東で頑張っている米軍の若者じゃあない。米国人として若い兵士たちにエールを送りたいけど、住民虐殺や捕虜虐待を行う米兵まで認める訳にはいかない。そんな時に登場したのがこの映画。爆発物処理班はイラク人を直接攻撃する部隊じゃないし、米兵だけじゃなく市民の命も爆弾テロから救っている。これなら反イラク戦争の立場でも、心から米兵たちを応援できる。アバターに賞を与えても喜ぶのは関係者のみだけど、本作ならPTSD(心的外傷後ストレス障害)で苦しむ帰還兵など、すべての米兵を励ますことができる、そんな風に考えて作品賞&監督賞がこの映画にいったんじゃないかな。米兵にしてみりゃ、“俺たちはリアルに死んでるのにアカデミー協会は仮想現実のアバターを選ぶのか”ってなるだろうし。(追記2)読者の方から「この映画はイラク戦争だけをテーマにしたわけではない」「戦場の兵士の心情と戦争の恐ろしさを徹底して捉えており、イラク戦争は最近起こった戦争として作品の舞台とするのにふさわしかっただけ」「冒頭に“戦争は麻薬である”とあるように、戦場で戦い続けていく内に戦争を“玩具”として考えるようになった“兵士の心情”がテーマ」という意見を頂きました。確かにそういう視点で見れば、すぐれた心理劇ということになります。勉強になりました。僕は米国人にイラク戦争をそろそろ正面から掘り下げて欲しいという強烈な思いがあるので、一歩距離を置いて観る事が難しくなっているみたいです(汗)。
●『グリーン・ゾーン』…90点!『ハート・ロッカー』と同様にイラク戦争を描いた作品だけど、個人的にはこちらの方が断然上。内容は、米政府を信じて大量破壊兵器の探索部隊を率いる指揮官が、“最初からそんなのもはなかった”ことを突き止めていくサスペンス。傑作アクション『ボーン・アルティメイタム』でCIAの暗部を描いたグリーングラス監督とマット・デイモンが再タッグを組んだということで、公開前から期待していた。終戦後にイラクの石油をアメリカ企業が独占したことや、ブッシュも副大統領チェイニーも石油利権に深くかかわる人間だったことを考えると、この戦争をやりたがっていた勢力が存在していたのは明らか。デイモンはインタビューでこう語っている「僕は決して疑い深い方ではないが、あの頃は、戦争を煽る声があまりにも突然あちこちから聞こえ始めて驚いたものだよ。“ちょっと待てよ、誰もそんな事を言っていなかったのに、どうしてそうなるんだ?”とね。9.11で皆ショックを受け、強い恐怖を覚えた。そんな心理のもとでは人はあらゆる方向に導かれがちだ。だが、僕は、サダム・フセインは9.11と何の関係もないと思っていた。多少でも知識のある人は、皆そう知っていたはずなのに、多くのアメリカ人が彼が関係していると信じたのは、真実と違うメッセージが大量に送られたせいなんだ」(パンフより)。劇中では、開戦へ世論を導く為にデマを流していた国防総省情報局の陰謀に、デイモン扮するミラー隊長が迫っていく。宣伝コピーに「114分間あなたは最前線に送り込まれる」とあるのはマジ。ミラーの部隊は約30人いるんだけど、俳優は2人だけ、他はみんなアフガンやイラクから帰還したばかりのリアル兵士。息を呑む臨場感と共に物語が展開した。でも、あまりヒットしなかった。サスペンスであるにもかかわらず、「大量破壊兵器は存在しない」というオチを皆が知っているため、ドキハラ感に欠けたのが致命的。この高得点はイラク人の心の叫びが描かれていたから。ミラー隊長は純粋に善意から「民主化させてあげよう」としていた。私欲もなく正義のヒーローだ。ところが、そのミラー隊長でさえ自分の傲慢さに気付かされる。あるイラク人にこう言われるんだ「それ(民主化)は私たちが自分でやる。あなたたちに、この国のことは決めさせない」。これは重い。※冒頭はイラク視点で始まる。開戦直前のバグダッドの政府官邸。空襲警報がなり雨のようにミサイルが降り注ぐ。官邸内は逃げ惑う人々で大パニック。僕はニュース映像で何度も官邸が空爆される様子を見たけど、あのとき内部がどうなっていたか考えた事がなかった。そういう意味でもこのファーストシーンはインパクトがあった。
●『パラノーマル・アクティビティ』…150万円という制作費で、150億円というジョークのような興行収入を叩き出し、話題になったホラー映画。確かに怖かったけれど、ストーリーに目新しさはないし、大きな音で観客をビックリさせる古典的手法の繰り返しに怒りすら覚えた。キリスト教圏では悪魔モノが怖がられるんだなぁ…。40点。//NHKが大相撲中継をやめるという、これほどの大事件になっているのに、野球賭博の背景にいる暴力団がまだ逮捕されない。賭博をした人間を処分してるけど、諸悪の根源は暴力団。警察にはほんと頑張って欲しい。格闘技イベント「PRIDE」が潰れたのも暴力団の暗躍だったという記事を読み、なんともやりきれない気持ちに。森下代表の死を無駄にしてはいけない。
 7月20日…仕事&子育てに追われて映画館に足を運ぶ回数が激減するなか、なんとか上半期に鑑賞した9本を4回に分けてレビュー!
●『インビクタス/負けざる者たち』…92点!監督は名匠イーストウッド。南アフリカのネルソン・マンデラの半生を、南アで開催されたラグビー・ワールドカップ(1995)と絡めて描いた傑作。テーマは「赦(ゆる)し」。反人種差別を訴えて27年間も獄中にあったマンデラ。彼が出獄後に大統領となった時、白人たちは報復を恐れた。だが、マンデラが言った言葉は「さあ、共に新しい国づくりを始めよう」。そして白人選手が多数を占める南ア代表チームを、全国民で応援することで、人々の気持ちをひとつにまとめようとした。その期待に応えるかのように南ア代表は奇跡の決勝進出を果たす。敵は日本を“145対17”でねじ伏せた、あの世界最強のニュージーランド・オールブラックス!実話だけに、大きなカタルシスのあるクライマックスだった。本作で忘れられないのは、マンデラが長い年月を過ごした独房の狭さ。差別と戦って27年を獄中で過ごしたマンデラの言葉だから、「報復するな」という言葉に重みがある。最も怒る権利を持つ人が、人々に寛容の精神を説いた。だからこそ皆が耳を傾けたのだろう。※『インビクタス』(Ama)。既にレンタル解禁!
●『カールじいさんの空飛ぶ家』…飛行シーンや老人と少年の交流は良かった。でも、本作を好きな人には本当に申し訳ないんだけど、学界から追放された悲運の冒険家チャールズ・マンツがあまりに気の毒で、とてもじゃないけどハッピーエンドに感じられなかった。エンディングになっても“どうしてピクサーはマンツに救いを与えなかったのだろう”と、そのことばかり考えていた。マンツは根っからの悪党ではない。悲しい過去を持つだけだ。マンツがホラ吹きではないことが証明され、彼の名誉が挽回される展開を期待していたのに…この突き放し感はなんなのだろう。55点。
●『宇宙戦艦ヤマト・復活篇』…アニメ映画なのに劇場は40歳以上の客ばかりで若者も女性もゼロ。これぞオッサン・ホイホイ映画。冒頭で「原案・石原慎太郎」とドデーンと映し出された時から嫌な予感はしていた。始まってすぐに、雪の搭乗艦が攻撃を受け、なぜか爆風で服だけが塵になり、本人は裸同然で行方不明に(マジです)。古代はヤマト艦長になって雪を捜索、その過程で星間連合の力の支配から独立しようとする資源惑星を解放し、「私たちが(植民地状態から)独立できたのはヤマトのおかげ」と感謝される。このあたり、さすが閣下の原案。後半、敵の正体が別宇宙からやってきた異次元人(?)と分かる超設定。ヤマト第1作や“さらば”では「命より尊いものはない」的な事を言ってた古代だけど、本作品では「命より大切なものを守る為に我々は戦うのだ」的なことを吠え、僕は萎えまくり。なんで古代が“命より大切なものがある”って言うかな。それから、ヤマト・シリーズの魅力は、ボロボロになりながら戦い続ける悲壮美とも言えるんだけど、今作は「波動砲を6連発」できるなど無敵状態で緊迫感ゼロ。波動砲は最終決戦兵器であり、一度撃つとしばらく使えないところに値打ちがあったのに。怒りと哀しみの30点。ヤマトの発進シーンと、クラシックを中心としたBGMは良かった(使い方は『銀英伝』が上)。こんな点数だけど続編が公開されたら観に行くと思う。僕の世代にはヤマトは特別な存在なんデス。※予告編(2分)はメチャメチャ盛り上がる。コレ見たらそりゃ劇場に行くって!どうしてこうなった(笑)/ヤマト第1作の古代の名セリフ→「俺たちは小さい時から人と争って勝つことを教えられて育ってきた。学校に入る時も、社会に出てからも、人と競争し勝つことを要求される。しかし、勝つ者がいれば負ける者もいるんだ。負けた者はどうなる?負けた者は幸せになる権利はないというのか。今日まで俺はそれを考えたことはなかった。俺は悲しい、それが悔しい!ガミラスの人々は地球に移住したがっていた。この星(ガミラス)はいずれにせよお仕舞いだったんだ。地球の人もガミラスの人も、幸せに生きたいという気持ちに変わりはない。なのに…我々は戦ってしまった!我々がしなければならなかったことは戦うことじゃない…愛し合うことだった!…勝利か…クソでも食らえッ!」。このオーディオ・クリップ(5分34秒)も泣ける。
 7月19日…日経BP社から20日(火)に発売される『日経ビジネス Associe(アソシエ)8/17号』(Ama)にカラーで10ページの墓マイラー記事が載っています!この中で、僕はなぜ墓巡礼に目覚めたかという話や、心に残るベスト3の墓、巡礼を通して出会った人々の思い出、様々なことを語っています。コンビニにも置いてあるので、よかったら買い物のついでにチラッと見てやってクダサイ。最近、墓巡礼の記事を書く事が増えてきたけれど、その大半が白黒ページ。海外の墓地は緑が豊かなので、“これがカラーならもっと魅力が伝わるのに”と地団駄を踏んでいました。今回は久々のカラーで、しかもたっぷりページがあるので、めっさ嬉しい!※大好きなクリストファー・ノーラン監督のインタビューの次ページというのも感動。ノーラン監督の最新話題作『インセプション』、先行ロードショーで一足先に鑑賞したので、明日、感想を書きますね♪//前々回の龍馬伝の感想で書き忘れていた名シーン。切腹を決めた半平太と、これが最期の会話と悟った弥太郎の会話。「弥太郎、おまんも偉ろうなりや。誰よりも…出世するがじゃぞ!」「当たり前じゃ…墓の…中から見ちょれ…武市さん!」。後に弥太郎は三菱の創業者になるわけだけど、この「墓の中から見ちょれ」という言葉は、相手が他界しても残る“絆”となる、素晴らしい言霊(コトダマ)だと思った!//『自分で作った料理がイマイチな7つの理由』を読み、“鍋に食材を入れすぎる”“フライパンを十分熱しないまま焼き始める”“葉物の野菜を濡れたまま炒める”に心当たりがアリアリだった。葉物がグチャっとなるのは水切り不足だったのか。※以前に紹介した、「冷蔵庫に入れた方が長持ちする&入れない方が長持ちする食材リスト」、便利なので再掲!//『世界のビッグマック価格ランキング』を眺めていて、先進国同士でもこんなに価格差があるのかと驚いた。ロシアは宇宙ロケットを打ち上げる科学力があるし、かつては世界を二分する超大国だったのに、今や中国やより価格が低い155円なのか〜。ちなみに1位のノルウェーは520円。
 7月18日…締切りが迫った仕事が重なると、コーヒーを淹れる時間すら惜しくなる。そういう時は、“眠気止め薬”のトメルミンを服用し、ミント系チューインガムを噛み、マトリックス・リローデッドのサントラ(ド緊迫テクノ、例えばこのTRACK。曲名“モナリザ・オーバードライブ”がクール!)をかけ、足裏のローラーマッサージ機をスイッチ・オン!それでキーボードに向い続ける。でもトメルミンは激安店でも12錠で約千円。ちょっと高価。それにカフェインの固まりだから、毎日飲むと耐性が出来てしまう。何か策がないかと思っていたら、身体に眠気覚ましのツボが2箇所あることを知った。(1)みぞおちから指4本分上を片手でさする(2)息を吐くと同時にヘソの下を両手の指で圧迫×3回(10秒間隔)。昨夜試してみたら、前者は身体が柔らかくなり、後者は後頭部がスッキリした気が。なんでヘソの下を押して後頭部に刺激がいくのかな。人体って不思議ッス。//鉄道の時刻表に、「貨物列車専用」のものがあるって初めて知った。春に発売された創刊30周年記念号は、約2万部が売り切れたというからエライ人気だ。子どもの頃、父にカメラを借りて、よく鉄道を撮影に行ったんだけど、確かにブルートレインだけじゃなく、貨物列車の長〜い貨車に大興奮した思い出がある。たとえ乗車不可能でも、貨物列車の時刻表を買う気持ちは分かるなぁ。//龍馬伝、伊勢谷君の高杉晋作がメッチャ良かった。こうなると、龍馬と出会う前の藩内クーデター(長州)を、回想シーンで良いから描いて欲しいなぁ。//今日、横浜市で雲が虹色に染まる珍しい気象現象“彩雲”が観測されたとのこと。小規模の彩雲なら何度か見た事があるけれど、これほど広範囲の彩雲は写真でも初めて。これはナマで見たかったなぁ!
  見事な彩雲!眼福ッス!
 7月17日…ワールドカップ閉幕を受けて、FIFAが最新のランキングを発表。日本は45位から32位にグーンと上昇。ブラジルは首位から3位に落ち、トップにスペインが輝いた。上位20位は次の通り。1.スペイン、2.オランダ、3.ブラジル、4.ドイツ、5.アルゼンチン、6.ウルグアイ、7.イングランド、8.ポルトガル、9.エジプト、10.チリ、11.イタリア、12.ギリシャ、13.アメリカ、13.セルビア、15.クロアチア、16.パラグアイ、17.ロシア、18.スイス、19.スロベニア、20.オーストラリア。W杯の決勝は両チームともゴールキーパーがスーパーセーブの連続。実に見応えがあった。優勝候補に名を連ねながらずっと悔し涙をのんでいたスペインに、心から祝福を。※リンク先に50位まで掲載されてます。//仕事で追い込まれるとコーヒーをがぶ飲みしてもう一踏ん張りするんだけど、この記事によると、カフェイン摂取量がコーヒー4杯以上になると、カフェインの効果は上がらないという。しかも、10杯になると注意力は下がって逆効果なんだって。飲めばいいってもんじゃないんだね。//10月からタバコが大幅値上げ。セブンスターは440円、マイルドセブンは410円。これでたくさんの喫煙者が禁煙に踏み切れるんじゃないかな。//次の月曜が祝日になるため、ウルトラジャンプ8月号(Ama)がもう発売されています!クライマックスに突入しているスティール・ボール・ラン、今回の戦闘シーンにファン感涙の“あの”名セリフが登場!ジョースターの血統を確認!//先日、新幹線で移動中に、静岡駅の側で実物大ガンダムが車窓から見えました!シャッターチャンスはわずか3秒程度。車掌さんに静岡駅の通過時間を聞いて、5分前からカメラを構えて待機していた。遠目にも巨大さが伝わったので、真近で見られたらド迫力だろうなぁ。


(新幹線から激写)
雨天だったのが残念。
晴れなら白い装甲が
キレイだったろうな
 7月16日…マジックのネタばらし動画は、見てしまうと楽しみが減る恐れがあるので万人にお勧めしないんだけど、このMr.マリックの解説動画(10分41秒)は、タネを知ったことで「そんなの出来る訳ねー!」「ここまで手先を自由に使える為にどれくらい練習を積んできたのだろう!」と、逆にマジシャンへの尊敬の念が強くなった。特に空中から出てくる100円玉、スプーンの空中浮遊、ナイフで出てくるトランプの見せ方は圧巻。単純な仕掛けなのに、巧みな話術やフェ13.2qcvd bイクの動作で、観客をたやすく心理誘導してしまう。マジで感嘆した!/『ゲゲゲの女房』、ついに大手出版社からの仕事が入り、これまで質屋に入れていた膨大な質草を、全部一気に取り戻すシーンに泣けた!これまでが、あまりに苦労の連続だった。劇中の水木先生は43歳。漫画家としては遅咲きの成功もいいところ。だけど、地道に自分の信じる仕事(路線)を続けて、ついに世間に認められたんだ。僕もけっこういい歳なので(恥ずかしながら)、めちゃくちゃ励まされる。最近は努力が必ずしも報われないドライな物語も多いので、こんな風に真面目に頑張っている人に光が当たるのは、それだけでジーンと来る。しかも実話だから、余計に感動がでかい。今後の展開も楽しみ!//最近複数の人から漫画『シャカリキ!』『GIANT KILLING』を薦められ、早く読みたいと思ってマス。//今月の上旬に連続でアップした、過労死問題のコラムで参考にした資料を、特集ページにまとめてアップしました。各国の有給休暇の消化率など、コラムでは触れなかった資料もいろいろ載ってます。日本社会の未来像を考える際の参考に!

初めて見た時、仰天したキヤノン工場
の廊下。床の文字は「急ごう さもない
と会社も地球も滅びてしまう」とある。
この空間を3.6秒で通過しないと警報
が鳴るらしい。ひょえ〜!
 7月15日…参院選、龍馬伝について一気に感想アップ。/まずは参院選。管首相はせっかくV字回復した民主党支持率を、消費税の増税発言で華麗に爆下げ。菅氏は就任時の高い支持率を見て“これなら増税に触れても大丈夫だろう”と気が緩んだのだろう。もうね、アホかと。国民だって財政が深刻なことは分かってるし、頭から増税を拒否している訳じゃない。国民が怒っているのは、無駄金の温床とされる年間約350兆もの特別会計に殆どメスを入れておらず、事業仕分けも極めてごく一部を対象にしただけで、削るべきところがまだ山ほどある状況で、増税の話を始めたからだ。“もうこれ以上は逆立ちしても鼻血が出ない”というほど徹底的に無駄金を削減して、最後の最後に「増税しかない」と全国民に誠意を込めた声明を出すなら、国民だって耳を傾けるし腹をくくる。しかし、非効率な特殊法人、独立行政法人の運営、各省庁の膨大な使途不明金、談合の容認、不自然な独占契約、庶民感覚からかけ離れた官僚・天下り役人の給料・退職金、様々な問題が解決していないのに、このタイミングで増税論を語って支持されるハズがない。“増税の話は打つ手が全てなくなった時にして欲しい”、その国民感情すら分からないのかと、菅氏に失望し、また首相を支える民主ブレーンの浮世離れ感にガッカリ。/とはいえ、自民も自惚れない方が良い。比例区では民主が1800万票、自民が1400万票で、自民は負けているのだ。自民は民主の政策を「バラマキ」と批判しているが、それでは借金が800兆円オーバーになるまで滅茶苦茶な国庫運営をしてきたのは誰なんだ。これほど天文学的な借金を作ったことへの反省の言葉を、自民首脳から一度も聞いたことがない。今回の勝利で、自民が党内改革をやめれば、次の国政選挙で敗北するだろう。/タレント候補は多数が落選。タレントや有名なスポーツ選手だからって当選する訳じゃないことを、今回の選挙はよく表していた。/沖縄では社民と共産が別々に候補者を立てた為に、自民候補者が当選。社民・共産両候補の票を合わせれば、自民を上回っていた。またいつものパターンの繰り返し。メンツにこだわり、狭い視野のために統一候補を出せない社民・共産の、このていたらく。冷戦時代から全然成長していない。脱力。これを書くといつも社民、共産支持の方から“マニフェストが違う以上、統一なんか無理”と批判を受ける。しかし、自公はマニフェストが異なっても実に上手く協力している。社民・共産は、小異、各論にこだわり、勝てないと気付いていても分裂し、結局もっと主張の異なる自公を当選させている。社民・共産は大局を見て、主張が近い者同士で手を結び、ベストよりベターを選ぶ柔軟性が必要。気の毒なのは死票を投じるしかないリベラルな有権者だ。/鳥取や島根では15万票で当選する候補者がいる一方、東京、神奈川、兵庫では50万票を獲っても落選しており、そろそろ本腰で一票の格差をなくすべき。/次の参院選は2013年。ということは衆参ダブル選挙になる可能性が濃厚。天下分け目の関ヶ原決戦。僕は今の衆参の“ねじれ状態”を、前向きに捉えている。どんなに支持率が高くても、たった2週間で大敗することが分かったことで、政治家たちは緊張感を持って国政にあたるだろう。これまではどこか有権者をナメている部分があったけど、昨年に民主、今年に自民を国民が勝たせたことで、政治家の命運は国民が握っていることを再確認したはず。“ねじれ”で法案が簡単に通らないなら、誠意の込もった熱弁で反対派を説得すればいい。数の力ではなく、言葉で国政を動かす時がきたんだ。これから3年間、よく見極めさせて貰います!//次に『龍馬伝』。半平太が「待ちや!」と叫んで敢行した、伝説の“三文字斬り切腹”に鳥肌。半平太役の大森南朋は頬がコケていて、役作りの為にどんなけ減量したのかと驚いた。罪人として斬首される以蔵の最後の表情にも泣けた。おそらく、龍馬伝のベスト・エピソードの5本の指に入るだろう。でも、以蔵の回想シーンが短すぎるぜよ!第一、思い出すのが女性のことだけって。そこは龍馬のことも思い出そうよ〜。最後の回想シーンに第1話の武市、龍馬、以蔵らがワイワイ楽しそうにしている場面を入れたら、滝泣きは確実だったのに…嗚呼、もったいない!あと、どうして半平太の白装束を奥さんが作った逸話を入れなかったんだろう。ジーンとくる話なのになぁ。次回から第3部・長崎編がスタート。高杉晋作との出会いが楽しみッス。
 7月14日…大阪に帰還!今回の上京では江東区や墨田区の古寺をたくさん訪ねた。多くの寺が関東大震災と東京大空襲で全焼し、元々の場所から移転していた。お墓も火災の高温で割れて砕けたり、煙で黒くなった石が多い。松尾芭蕉の墓も土台を残して粉々になった(芭蕉の墓は関西にもある)。一般的に“お盆”は8月中旬だけど、東京は1ヶ月早く、7/13から入盆。それもあって、どの墓地も花でいっぱいだった。盆や彼岸は様々な花で、墓地がモノクロからカラーになったみたい。やや小ぶりの樋口一葉の墓は、花でいっそう可愛らしく見えた。/今回、『忠臣蔵』の赤穂浪士と吉良上野介を続けて巡礼。赤穂浪士は何度も墓参しているけど、吉良上野介は初めて。若い頃の僕は“ヒーロー”の赤穂浪士だけ訪ねて、敵方の吉良家の墓には行かなかった。でも最近は、人間を単純に善悪で分けるというステレオタイプ的な見方に違和感を覚えだし、“悪”と呼ばれる側も、異なる視点から見れば被害者になり得ると思うようになった(吉良氏は領民からは名君と慕われていた)。吉良家の墓所には赤穂浪士から主君を守る為に討ち死にした家臣38名の合同墓も建っており、そこには15歳、17歳、21歳、22歳といった若者の名前もあった。それは悲しみの光景であり、居た堪れない気持ちになった。/墓巡礼をしていると、いろんなお寺で良い言葉に出合う(山門の側に貼ってあるヤツ)。港区のある古寺で激しく心を揺さぶられ、次の瞬間にはシャッターを切っていた。そこにはこう書かれていた「生きる目的がはっきりしていれば、どんな試練も堪えられる。生き甲斐さえある」。普通、試練というものは辛いもの。でも、苦しみがその先のゴール(目標)に繋がっていると確信できていれば、「この試練は無意味ではない」と生き甲斐すら感じられる。思わず泣きそうになった。/この言葉は誰のものか。僕は“きっと親鸞など歴史上の有名な高僧だろう”と予想しながら寺務所を訪ねた。そして住職に誰の言葉か聞いてみた。その答えが衝撃的だった!「あれはね、ニーチェなんです。正確に言うと、ニーチェの言葉を私がアレンジして書いたんです」。ドッヒャー!まさかお寺でニーチェの名前を耳にするとは!なんにせよ、大雨の中をヘロヘロになって巡礼し、足のマメの激痛もあって精根が尽き果てかけた時にちょうどこの言葉に遭遇し、一気にテンションMAX、巡礼無双といった状態までモチベーションがあがった。言葉のパワーは偉大なり!※住職はこんなこともおっしゃっていた「逆に言えば、いま現在が辛いだけの人は、生きる目的がハッキリしていないからです」。



この言葉に出合えた
おかげで、一気に
疲れが吹き飛んだ!
御住職に感謝ッ!
 7月11日…急遽、仕事で明朝から上京することに。次回の更新は14日(水曜)の夜になります。参院選、W杯、龍馬伝、後日の日記で!番組情報は先にアップしておきますね。//ファール・フライをフェンスぎりぎりまで追ったイチローの動画(1分28秒)が「最高!」とめっさ話題に。イチローの腕がフェンス越しにお客さんの頭と軽く接触。“大丈夫?”とイチローが声をかけた後のお客さん(女性)の反応が超ドラマチック。(1)最初、何が起こったのか分からずにポカーン(2)我に返り「オー・マイ・ゴッド!」(3)ケータイで誰かに報告しようとするが興奮しすぎてメールが打てない(4)オー・マイ・ゴッドのオンパレード(5)ようやくメール開始。彼女のハイテンションに圧倒され、TV中継のカメラマンも圧倒されて撮り続けている感じ。演技じゃない、ナマの人間の歓喜大爆発。なんかこう、見ているだけで幸せになりました(笑)。//昨日が発売日のクルマ雑誌『ベストカー』(講談社)のP.94にて、墓巡礼の魅力について語ってます。//日本列島は大雨が続いてますね。明日から3日間、けっこう東京を歩き回るので、空が大荒れになりませんように…!//追記。民主であろうと自民であろうと、国民をナメると速攻で大敗することを政治家は思い知ったと思う。これでもっと緊張感を持ち、国民の声に耳を傾けてくれるといいが。
 7月10日…明日は参議院選挙があり、ワールドカップの決勝があり、龍馬伝シーズン2の最終回があり、日曜美術館で北斎スペシャルのアンコール放送があるなど、重大イベントが集中!//今回の選挙は、どこに入れるべきか何とも悩ましい。グーグルが非常に気合いの入った選挙専門ページを作っているので、是非ご参考に。世界には国民が自分で代表を選ぶことが出来ない軍事独裁国や王政の国がたくさんあります。先人が苦労して勝ち取ってきた選挙権を無駄にせぬよう、雨天でも必ず投票所に行きましょうね!ビバ・デモクラシー!//W杯の3位決定戦・ドイツVSウルグアイは、NHKも民放も放映権を買っておらず中継ナシ。得点王がかかった試合なのに中継してよ〜!※W杯といえば、先日ドイツ人とイタリア人がサッカーの話題(優勝回数の自慢)で口論になり、ドイツ人がイタリア人を射殺する事件が発生。海外ではサッカーが戦争にたとえられるけど、そう比喩される意味を実感。落ち着いて!//7月24日から静岡で一般公開される実物大ガンダム、もうかなり完成している模様!今回はビームサーベルを持ったバージョン。ぜひ富士山をバックに撮りたいなぁ。また、お台場の時より夜間照明もグレードアップしているとのこと!//龍馬伝、番組情報にも書いていますが、放送時間が19時10分と早くなっているので要注意ッス!今回は前半最大のクライマックスぜよ!
 7月9日…水木しげる先生&奥さんを描いたNHKの連ドラ『ゲゲゲの女房』が、毎回素晴らし過ぎる。南方戦線で片腕を失った先生。いろんな漫画を描くものの、出版社が原稿料を払わずに倒産したり、夜逃されたりで、ずっと貧乏の連続。電力会社に電気を止められた時期もあったし、生活費の為に画風を変えて少女漫画を描いたことも。でも今日の放送で、ついに少年ランド(モデルは講談社・少年マガジン)の編集者が水木家を訪問!「先生の作品を是非当社で」という台詞に鳥肌が立った!とうとう努力が報われる時が来たッ!来週は鬼太郎ブレイクに向けて怒濤の展開になりそう!※水木先生役の向井理(おさむ)が、来年の大河ドラマ『江』のヒロインの夫、徳川秀忠に決定!向井理の「気品」が配役の決め手になったという。他の主な戦国武将役は、織田信長=豊川悦司(こりゃ楽しみ!)、明智光秀=市村正親、石田三成=萩原聖人、徳川家康=北大路欣也、豊臣秀吉=岸谷五朗、浅井長政=時任三郎。//ゆうパックとペリカン便の統合で大規模な遅配が発生。この問題が報じられる前から、すでにネットの“内部告発”スレには、現場の大パニックぶりが伝えられていた。「新規引き受けを速く止めないと、大変なことになるぞマジで」「もうこれ以上大変になりようが無いと思いますがね…w」「知り合いからのメールじゃパンクってレベルじゃないみたい。核爆発レベル。」「お上は営業停止命令出してください…損失は上層部の給料から引いてください…」「コンピュータの限られた情報しか見れないのに最初からマジギレのクレーム受けるなんて…なむあみだぶつ」等々、あまりにリアルな崩壊感。早く状況が落ち着きますように。(詳細リンク)/前回の『龍馬伝』、龍馬が吉田東洋暗殺犯として後藤象二郎の前に現れた。そんな史実は聞いたことがないので面食らっていたら、ネット掲示板に「“こんなエピソードは存在しなかった”という証拠はない」という一言。“うまいこと言うなぁ”と妙に納得してしまい、次回の展開を見守ることに。//ツイッターの読者登録、500名を超えました。フォロワーの方、有り難うございます!※せんとくんの公式ツイート、「平城宮跡にいるけど、寝不足トゥデイ。午後からまた雨っぽいけど、頑張る!」「最近“太った?”ってたまに言われる。ダイエットしたほうがいいんかなぁ」とかシュールなのが多いなぁ。(*^v^*)
 7月8日…(つづき・最終回!今回も2日分同時にアップしています。話が繋がっているので、必ず先に7日から読んで下さいね)最後に。僕は「大企業は悪!」とか、「経営者は敵!」なんて思っていない。社員の幸せを願っている経営者はたくさんいるし、会社が発展すれば労働者の給料も上がる。社員のモチベーションが高ければ生産性も向上する。Win-Winの方向を目指すべきだと思ってる。一方、日本の1人当たりGDPの世界ランキングが、2000年の第3位から、たった8年の間に23位まで落下しているという歴然とした事実がある。国際競争力に至っては、バブル末期の1990年は世界第1位だったのに、今年は27位まで転落している。ここから見えてくるものは何か。もう日本独自のエンドレス・サービス残業は、労働意欲を削ぎ、疲労させるだけで効率も悪く、世界に対してWin-WinどころかLose-Loseになっているということだ。残業がなく夏休みがある他国の企業に対し、過労死を出すほどサービス残業させても負けている日本企業。しかも、国内の自殺者は12年連続で3万人を超え、自殺率は西側先進国でトップ。年収200万円以下が1000万人。貯蓄ゼロの世帯が3割を超え、今やアメリカよりも家計の貯蓄率は低い。日本の経営者も心の中では、従来の精神主義はもう通用しないことに気付いているはず。これからはサービス残業をアテにる経営から方針転換していくだろう。…でも、その時が来るまでに、あと何百人、何千人が、「カロウシ」で世を去るのか。「サビ残は当たり前、有給休暇は甘え、出社は当然30分前」、そんな考え方を経営者じゃなく労働者自身が持っているのも、状況の改善を遅らせている要因。日本人は忍耐強く真面目。これは美徳なんだけど、それがために倒れるまで働いてしまう。この事態は国が法律で「有給は必ず消化せねばならない」「サビ残させたら即実刑」と上から命じるしかない。それくらい日本人は真面目なんだ。他人に仕事を振らずに自分で限界まで背負い込み、優し過ぎて、過労で死んでいく。/日本は四季を通して美しい国土であり、何だかんだ言っても治安は良いし、娯楽の選択肢はたくさんあるし、礼節を重んじ、情のある人が多い。芸術の分野にもオリジナリティ溢れるものがいっぱい。これで「カロウシ」が死語になり、みんなが17時に家路につき、家族団らんや自分の趣味の為にゆったり夜の時間を使えたら、どんなに素晴らしい国になるだろう。//おそらくオランダが成功していなければ、「ワークシェアリングなんて机上の空論さ。ムリムリ」って僕も思っていただろう。また、1ヶ月の夏休みが仏やスペインだけなら、「奴らは旧植民地を持ってるからな」と冷めた目で見ていただろう。でも実際は、ドイツ、イタリア、オーストリア、豪州、その他多くの国で既に月単位の夏休みが実現している。日本は資源がないというけど、欧州の国だって極端に豊かな資源を持ってる訳じゃない。他国の人間に出来て、日本人だけが出来ないとは思えない。「同一労働同一賃金」を基本としたワークシェアリングが日本経済に合うかどうかは分からない。でも、ここまで疲弊したら、試してみる価値はある。今までのやり方ではダメということが分かっているのだから。//長文を最後まで読んで下さり有難うございました。前からずっと書きたいと思っていたことを、やっと書けました。一連のコラムは、どうすれば「過労死」を根絶できるのか、もっと日本は素晴らしい国になれるんじゃないか、この閉塞感が全体主義に突き進むことを回避せねば、そんな風に悩むなかで見つけた、僕なりの答えです。かつての左派の労働運動は右派と対立したけれど、「同一労働同一賃金」「ワークシェアリング」は働けば働くだけリッチになるという資本主義のシステムに合致しているので、右派・左派の関係なく協力して目指せると思うし、そう思いたい。いつの日か、日本が“子どもの幸せ指数”1位になり、もっと大人の笑顔がたくさん溢れる国になるよう皆で力を合わせましょう。p(^^)q ※近日中に、ここ数日間のコラムで参考にしたグラフや表をまとめたページをアップしますね。
 7月7日…(つづき・第5回)今回は未来に希望が湧く一番大事な話。これを最後に伝えたくて書き連ねてきた。/皆さんに是非見て頂きたい短い動画が。先進国で最も労働時間の短い国、オランダのワークシェアリング(10分57秒)を伝えたもの!ワークシェアリングとは、労働者同士で仕事を分け合うこと。たとえば1人が10時間働いて片付ける仕事を、2人で5時間ずつ行うというものデス。/オランダは1983年頃、14%という高い失業率に喘いでいた。それが2001年にはわずか2.4%まで減少した!リーマン・ショック後の世界不況の中、今でもオランダの失業率は2%台だ。ワークシェアリングは仕事を分け合うため収入は少し減るけれど、皆が仕事に就けるし、労働時間が短いから家族・友人と過ごす時間や、趣味に没頭する時間も確保できる。身体もラク。家族団らんの時間がたっぷりあるおかげか、ユニセフ調査の“子どもの幸せ指数”の結果は、オランダが先進国中で1位になった。サッカーも強い(これは関係ないか、笑)。※ワークシェアリング導入で賃金が下がった分、政府は減税で庶民の家計を支援した。/こうした社会が可能になったのも、オランダでは労働法改正により「同一労働同一賃金」(パート労働者もフルタイム労働者も時給が同じ)が実現したからだ。日本の場合、パートと正社員の時給を比較すると、パートは正社員の約半分の時給しかない。オランダ政府は、パートもフルタイムも共に正社員とし、時給、昇進、雇用期間、保険制度などに、格差をつけることを禁じたんだ。さらに、労働者がフルタイムとパートタイムの間を自由に移行する権利や、労働者が週の労働時間を自分で決める権利を、法律で保護している。最初は賃金格差があったものの、10年かけて格差を撤廃したとのこと。たくさん稼ぎたい人は複数の仕事をやればいいし、独身であれば週3日働けば十分暮らせるという。 オランダは派遣労働者であっても3年間は失業手当(給与の7割)で保証してくれるし、次の仕事を見つける義務は派遣業者側にある(ウソみたいな話!)。動画に出てくる「長時間働くことよりも、いかに効率的かが重要」が印象的。企業側は人件費が増すものの、失業者が減って社会が安定するし、国民の余暇が増えて経済活動に活気が生まれるため、結果的にプラスに働く。今年発表された“国際競争力”ランキングでは、日本27位に対してオランダは12位だ。08年の1人当たりの国民所得も、日本18位に対してオランダは6位!米英独仏より上だ。//「オランダでワークシェアリングが成功したのは、人口が1360万人しかいないから、国民が一丸となって新しい勤労形態を作ることが出来た。日本はその9倍もいるから無理」という否定的な意見がある。僕は2つの理由でけっこう楽観視している。(1)日本全体の1億3千万人という単位で考えるから難しくなる。オランダの人口は、東京と静岡の合計人口と同じ。これからは地方自治の時代だし、地方レベルでワークシェアリングを導入していけばいい。(2)むしろ日本だからこそ1億人でも実現可能。個人主義が強いとされる欧米人に対し、日本人は“1億総ムラ社会”と言われるほど、他人との親和性を重視する傾向がある。日本人のこの特性は、ひとつの目的を持った時に団結しやすく、皆で「これからはワークシェアリングで行こう!」となった時に、世界が仰天するくらいの速さで導入が進むと思う。 //(追記)第3回で取り上げた労働基準法について補足。合法的に残業を可能にする第36条=サブロク協定に触れていなかったので、第3回の12行目にサブロク協定のことを追記しました。関心のある方は御一読お願いします。//以前、ネット掲示板にこんな意見があった。「サービス残業は会社が労働者から贈与されたものだから、贈与税を適用すればいい。税収上がるのが眼に見えてるから、役所もノリノリで調査するだろう」。贈与税を払うのが嫌ならサビ残をなくさなきゃならない。これはユニーク!//日本国内の失業者数は09年時点で約350万人。公益財団法人・日本生産性本部の推計によると、サービス残業がなくなれば90万人、全ての残業がなくなれば170万人、つまり失業者の半数の雇用が創出可能とのこと。//ワークシェアリングに関してはイギリスでも広がりつつある。これも良い記事。(第6回最終回に続く!)//本日、今夏初めてセミの声を確認。
 7月6日…(つづき・第4回。2日分同時にアップしています。先に5日から読んで下さいね)//
●(3)「欧州は失業率が高い」について
→ユーロ圏の失業率は10%前後で、日本(5%)の倍もある。これは一見高く見えるけど、この数値には2つの注意すべき点がある。まず、日本はハローワークに毎月通わないと失業者認定してもらえないから、5%に働く意志のないニートは入ってない。また、自宅待機の休職者も入っておらず、経済産業省は日本の潜在的な失業率を13.7%と弾き出している。実数はユーロ圏の方がマシということに。次にもっと重要な点。オランダの失業保険給付期間が3年間、ベルギーは無期限(日本は1年だけ)というように、欧州は社会保障が充実しており、人々は無職になることを恐れてはいない。だからこそ、経営者に堂々と労働条件の改善を主張できるし、ストライキをうてるし、足元を見られることもない。日本の労働者はあまりに貧弱な社会保障のため、解雇が怖くて黙ってサービス残業の命令に従うしかない。うーむ!
※“失業率が高くなると自殺が増える”--これって当たり前だと思ってたけど、なんと「KAROSHI(カロウシ)」と同じで、日本特有の現象とのこと。スウェーデンでは1992年の金融危機で失業率が2%から10%に激増したけど、自殺者は減り続けている。手厚い失業給付が人々を絶望に追い込まず、失業を前提にした制度設計があるためという。
●(4)「欧州は消費税(付加価値税)が高い」について
この議論も要注意だ。日本の税率5%に対して、英国17.5%、ドイツ19%、フランス19.6%、北欧諸国25%であり、この数値だけなら日本は低く見える。しかし、多くの国は生活必需品の税率は低いかゼロ。たとえば、英国は食料品、医薬品、水道、公共交通の税率はゼロ。豪州、アイルランドも食料品はゼロ。フランスは医薬品2.1%、食料品・公共交通5.5%、ドイツは食料品・水道が7%。日本のように贅沢品から日用品まで根こそぎ課税してしまうのは国際的にも異例のことだ。さらに!(これを知って驚いたんだけど)他国の税収の内訳を見ると、英国は全税収のうち消費税が占める割合が38.4%になっている。約4割が消費税の税収だ。皆さん、日本の場合、消費税が占める割合は何%と思われますか。英国の消費税が17.5%ということを考えると、日本の消費税は「5%しかない」のだから、僕は1〜2割と思っていた。しかし、実際は英国とほぼ同じの36.3%を占めていた!つまり、5%の消費税でも幅広く課税している為に、割合的には17.5%の英国と同じくらい税収があるということ!オーストラリアと比べてもショックな結果が。豪州は日本の2倍となる10%の消費税だけど、税収全体の26.8%を占めるに留まっており、日本(36.3%)の方がずっと重い負担になっていた。今の税率5%でも、けっして日本人の消費税負担が軽いわけじゃないんだ。表面の数字だけ取り出して「欧州レベルの社会保障実現のために消費税をあげるべし」という、政治家や財務省の意見を鵜呑みにしないように。
(第5回に続く。明日こそ希望がわく話を書きます!あと、ペルー在住の方から、「途上国のペルーでも夏は1カ月休暇制ですよ。時給は日本の半分ですが、サービス残業はあり得ないし、遊びながら仕事してます。今日スーパーに行ったら、みんなワールドカップを見ながら仕事してました(笑)」とメールを頂きました。目からウロコです。海外にお住まいの読者の皆さん、仕事に関するご当地の情報を頂けると助かります!※メール欄
 7月5日…(つづき・第3回)忘れがちだけど、日本にも労働者を保護する為の労働基準法第32条がある。
(1項)休憩時間を除き1週間に40時間を超えて労働させてはならない。
(2項)休憩時間を除き1日に8時間を超えて労働させてはならない。
違反は最高で罰金30万円か6ヶ月以下の懲役。たったの30万!甘ッ!3千万でもいいくらい。この32条が順守されていれば、過労死の悲劇は起きない。でも、国内の企業が約500万社あるのに、労働基準監督官はわずか3千人のみ。3千人で500万社をチェックできる訳がなく、監視の目が全く行き届いていない。(注)第36条では雇用主と労働組合(組合がなければ労働者の代表)との協定によって、1週40時間・1日8時間を超える労働を認めている(36協定、通称サブロク協定)。とはいえ無制限という訳ではなく、1週間15時間以内、1ヶ月45時間以内、年間360時間以内という残業の上限が決められている(詳細リンク)。サブロク協定の有効期限は1年。毎年更新されているので、あまりに労働環境が過酷であれば、労働者側は“もう更新しない”と抵抗できる(現実的には解雇が怖くて、なかなか言えないけど…)。//厚労省は月45時間以上(1日2時間以上)の残業が続くと脳出血や心不全を発症しやすいとしている。それなのに今年4月の労働基準法の改正では「月60時間以上の残業は割増賃金を引き上げます」。なんで月45時間以上は危険領域と言っておきながら、月60時間以上の賃金の話をしているんだ!?そうじゃないだろう!?お金と命のどっちが大切と厚労省は思っているんだ。賃金引き上げを勧告しても、どうせサービス残業でゼロになるんだから、早く帰らせる方向に法整備してくれないと。たとえば「月45時間以上の残業をさせた事業者は殺人未遂罪を適用」とか。“殺人未遂”って大袈裟に聞こえるかも知れないけど、実際、08年は158人が過労死と認定されており、リアルに犯罪だと思う。/一方、労働者保護の勧告に対して、経団連は次のように抗議している「企業の労使自治や国際競争力の強化を阻害しかねないような動きが顕著」。うーん。経団連はふた言目には「国際競争力」「グローバル化」という。日産社長カルロス・ゴーンの年俸8億9千万円に関しても、“グローバル視点では決して高くない”という声が経営サイドから聞かれた。よろしい。他の先進国と同じ土俵に立つというのなら、残業なし、夏休みあり、非正規と正社員の給料は同一、これら欧州と同じルールで勝負しないと。なぜ?日本だけが特別不利な条件で中国や新興国と戦っている訳じゃないからだ。欧米だって同じ条件だ。都合の良い時だけグローバル化を引き合いに出す言説はナシ!※海外のスーパーのレジ係は基本的に椅子に座ってる。考えてみれば立ち続ける必要性はない。そういう小さなところから、待遇を海外並に改善できればいいんだけど。//ところで、欧州に問題点はないのか?次の4点はネットでよく見かける批判だ。これを検討したい。
●(1)欧州には移民という奴隷階層がおり、彼らが一般市民の生活を支えている。年間勤務時間の統計には不法移民・不法労働者の労働時間が入ってない。
→僕は墓巡礼のため、20年前から欧州各地を訪れている。郊外や地方も歩いてきた。確かに移民労働者が肉体労働やキツイ仕事をしている光景を見かける。でも、だからといって、社会を支える“奴隷階層”というほど、不法移民だらけには見えなかった。仏、伊、スペイン、ポルトガル、ギリシャ5カ国の人口は計約2億人。この地域に過去30年で定住した移民は約370万人。2億に比べれば370万なんてごくわずか。「一般市民の生活を支えている」は大袈裟すぎる。不法移民についても、08年以前の欧州は基本的に移民を歓迎していたから、大半は普通に移民してきたんじゃ?ここで強調したいのは、欧州各国は移民層を救済する為に失業扶助制度を設けていること。これは失業保険の加入期間不足で給付を受けられない移民等に、生活費を給付して就職を支援する制度だ。しかも、イギリス、フランス、ドイツなどは“無期限”に支給される。こういうことからも「移民を奴隷のようにこき使う」っていうイメージが僕には湧きにくい。っていうか、日本の労働者はサービス残業という美化された名前の無賃労働をしている点で、(給料をもらえる)不法移民より酷い境遇にいる気が…。※そもそもこの(1)の意見、具体的なソースを探しているんだけど、納得できる資料を見たことがない。
●(2)欧州の豊かさは後進国の犠牲のうえにあるもの。旧植民地・アフリカの農業を壊滅させて自分たちの輸出農作物で市場を独占している。また、アフリカの電気や水道などライフラインも欧米の企業が抑えている。
→欧州をひとまとめにして批判するのは悪意のあるミスリードといえる。「輸出農作物でアフリカの市場独占」は本当のこと。武器もけっこう売りつけてるし、その辺は批判していかなくちゃならない。でも、“そういう国もある”と付け加えるべき。ひとくくりにして叩くのは誤り。北欧諸国は元々アフリカに植民地を持っていないし、アフリカ・マネーに頼らず高い経済力を持つ国の方が多い。このあたり、アフリカと欧州経済の関係を詳しく分析した資料が見つかれば、もっと具体的なことが書けるんだけど…。検索してもなかなか出て来ず参った。
//(3)欧州は失業率が高い&(4)欧州は消費税(付加価値税)が高い、これについてはまた明日の第4回で!
 7月4日…(つづき・第2回※このコラムは欧州礼賛が目的ではなく、日本の未来に希望を見出す為のものデス)墓巡礼で欧州を訪れると、みんな定時で帰宅しており、18時を過ぎるとオフィス街の電気は消えていた。長時間労働、サビ残に慣れきっていた僕にとって、その光景は別世界のようだった。スーパーも19時に閉まってしまう。みんな、ビジネスマンも商店の主も、家族や友人と過ごす時間を大切にしているからだ。北欧では平日の昼間に乳母車を押している男性も多く、長期の育児休暇を父親もとられることを知った。/僕は日本が好きだからこそ、皆がその気になれば、もっと幸せになれることを訴えたい。日本と他の先進国の労働環境の決定的な違いは次の3点!
★海外の先進国は一般的に残業がない
労働者を残業させないと利益を出せないような経営者は無能と見なされる。まして、残業させた上に賃金も払わないなどもってのほか。同様に、残業している労働者は、時間内に業務ができない役立たずと思われ、恥ずべきこととされる。一方、日本ではより長く残業することが真面目=美徳とされる。08年の各国の年間勤務時間は次の通り。
日本…約1800時間(残業なしの場合)、2300時間(2時間残業)、2800時間(4時間残業のケース)
アメリカ…1800時間
イギリス…1650時間
フランス…1550時間
ドイツ…1450時間
オランダ…なんと1390時間!
多くの日本人が2時間程度の残業を普通にしており、年間2300時間労働に該当する。その場合、ドイツ、オランダ人の約1.6倍の1000時間以上も働くことに。1000時間といえば、約42日間に相当する。同じ先進国でこんな差が!
★多くの先進国では会社に月単位の夏休みがある(以下の数値はネット・コピペなので裏付けはまだ。でも海外の知人に話を聞くと、内容は大きく間違っていないと思う)
【海外企業の夏期休暇】
オーストラリア…1ヵ月半
スペイン…1ヶ月
スウェーデン…年齢に応じて25日から32日
オーストリア…35日
フランス…5週間+労働時間が半分になる日が2週間
ポーランド…46日 ※10年以上働いてる人は+10日
ドイツ…最低33日・最大37日
イタリア…最低32日・最大42日
ノルウェー…平日だけで25日
日本…5日(お盆)
これは申請すれば交代で休めるとかじゃなく、会社がまるごと休みになるんだ。大人になっても1ヶ月の夏休みがあるなんて、日本人には夢のよう。これについて「かわりに祝日の数は日本が最多」という意見がある。確かに日本には祝日が15日ある。米国12日、仏11日、伊11日、ドイツ9日、英国8日。だから何だというのだろう。祝日が多いのに年間勤務時間がトップなのは、それだけ過酷な日々を送っていることの証明でしかない。海外は有給休暇もガンガン申請している。「子どもの誕生日だから」「結婚記念日だから」と早退を願うと、却下されるどころか、上司から「おめでとう」と声をかけられる(映画にもそんなシーンがあるよね)。
★欧州では派遣と正社員の給料に差がない
EUは「同一労働同一賃金」の原則を尊重しており、先進国で正規と非正規の賃金格差がこんなに酷い国は日本だけ。また欧州の最低賃金は時給1200〜1400円であり、ヘタをすると日本の倍近い。米国の最低賃金は約820円だけど、これにチップが加算される。日本の場合、全国平均は687円。時給1000円でも年収200万まで行かないのに、行政は賃上げに消極的。。
時給1000円…1000円×8時間×240日=年間192万円
時給1500円…1500円×8時間×240日=年間288万円
時給2000円…2000円×8時間×240日=年間384万円
この様に時給2千円ですら正社員の平均約500万には遠く及ばない。年収200万以下の人間は早急に救われるべきなのに、時給1000円でさえ実現しない。反対している人は時給687円で生活できるのか。どうしてそんな境遇の人がいていいと思うんだ。あと、日本は東京と青森など地域で最低賃金が異なるけれど、イギリス、フランス、オランダ、スペイン、韓国、そして広大な土地のアメリカさえ全国一律だ。//「サービス残業に金を払ったら中小企業が潰れる」「時給1000円にしたら次々倒産する」、そんな声もある。しかし、世の中には残業ゼロで黒字を出している企業がたくさんある。労働者をタダで働かせたり、年間200万以下で雇わなければ黒字を出せないなら、それは経営者がどこかでやり方を間違っていると考えるべきでは?国際競争をしてるのは日本だけじゃない。どうして日本だけ過労死するまでサービス残業しないと立ち行かないんだ?「他の先進国レベルの賃金を払うと会社が潰れる」って、経営者のプライドはどこにいったんだよ…。※追記。欧米における移民の不法就労については後述します。(第3回へ続く)
 7月3日…僕は経済を専門で学んだ人間じゃないので、経済情勢について的外れなことを書くこともあるだろう。でも、勇気を出して数回に分けて色々書きたい。/
(第1回)ネット掲示板を見ていると、派遣労働者を残業でヘトヘトになった正社員が叩いていたり、サービス残業の長さを競う“不幸自慢大会”と化している場に出合うことがある。本来は立場の弱い労働者同士が団結しなきゃいけないのに…。こういう時、僕はいつも黒人詩人のアミリ・バラカ(旧名リロイ・ジョーンズ)の次の言葉を思い出す。「奴隷は、奴隷の境遇に慣れ過ぎると、驚いた事に自分の足を繋いでいる鎖の自慢をお互いに始める。どっちの鎖が光ってて重そうで高価か、などと。そして鎖に繋がれていない自由人を嘲笑さえする。だが奴隷達を繋いでいるのは実は同じたった1本の鎖に過ぎない。そして奴隷はどこまでも奴隷に過ぎない。過去の奴隷は、自由人が力によって征服され、やむなく奴隷に身を落とした。彼らは、一部の甘やかされた特権者を除けば、奴隷になっても決してその精神の自由までをも譲り渡すことはなかった。その血族の誇り、父祖の文明の偉大さを忘れず、隙あらば逃亡し、あるいは反乱を起こして、労働に鍛え抜かれた肉体によって、肥え太った主人を 血祭りにあげた。現代の奴隷は、自ら進んで奴隷の衣服を着、首に屈辱のヒモを巻き付ける。そして、何より驚くべきことに、現代の奴隷は、自らが奴隷であることに気付いてすらいない。それどころか彼らは、奴隷であることの中に自らの唯一の誇りを見い出しさえしている」。/昨日の日記で、僕は日本語の「過労死」が、海外に同じ意味の言葉が存在しないため、そのまま「KAROSHI(カロウシ)」として世界語になっている異常性を憂いた。日本にいると長時間労働やサービス残業が普通に思え、派遣が低賃金ということも“自己責任”という言葉で片付けられるけれど、これらは世界の常識からかけ離れたことだ。僕も文芸研究家になる前は複数の会社に勤め、ノルマ達成の為の休日出勤(自主出勤で給料なし)や、連日4時間のサビ残をしている時期があった。社長の労基署対策に社員が協力し、全員が17時にいったんタイムカードを押し、それからエンドレスの仕事を続けるという絵に描いたような滅私奉公。過労でノイローゼになった同僚が寮に火を付けるという騒ぎまで起きた。(明日に続く)//5日の朝8時33分頃、福岡のRKB毎日放送ラジオ「中西一清スタミナラジオ」の“情報最前線”コーナーに出ます。10分ほどですが、電話でお墓トークやります!//恐るべきはドイツ!アルゼンチン相手に4点ッ!イングランド相手に4点ッ!9大会連続ベスト8、そして3大会連続ベスト4ッ!ヒョエーッ!!※7日の準決勝スペイン戦は深夜3時キックオフ。
 7月2日…梅雨本番というか、ほんと雨が続きますね。透明感&突き抜け感のある八神純子さんの歌声、『みずいろの雨』(2分48秒)を聞いてカタルシスを味わう今日この頃。//海外には「過労死」に相当する言葉が存在しないので、英語の辞書にそのまま「KAROSHI(カロウシ)」と載っている。全世界で日本だけの異常な労働環境。そして今日、外国人の労働者が過労死と初めて認定された。ついにここまで来たか。今回過労死が認定されたのは、技能実習生として茨城県の金属加工会社「フジ電化工業」で働いていた中国人男性。日本の優れた職人技能を学ぶため、故郷に妻子をのこして来日していた。リンク先の記事にはひと月の残業時間が「100時間」とあるけど、NHKのニュースでは「140時間の時もあった」と伝えていた。そして心臓発作を起こし、31歳の若さで他界した。140時間!毎日6時間以上の残業をしていた計算になる。実習生は働きながら日本語を学べることを期待したが、日本語学習に当てられた日は1日もなかった。この会社が最悪なのは、時給400円で残業させたうえ、長時間労働の証拠隠滅の為にタイムカードをシュレッダーで切り刻み、ニセモノのタイムカードを作り直して遺族に見せていたことだ。あまりに酷すぎる。現在、この男性と同様に実習生として約17万人が来日している。一方、労基署から滅茶苦茶な労働環境を改善するよう指摘された研修先は、昨年だけで実に300社を超えたという。男性の弁護士は「過酷な労働で病死した実習生はたくさんいる。今回のケースは氷山の一角でしかない」と語っていた。/選挙演説を聞いてると、「世界に尊敬される日本」「先進国の中の名誉ある地位」、そういった言葉を好んで使う政治家がいる。それなら、「カロウシ」が世界語になってしまった恥ずべき状況をなんとかしようと本気で頑張って欲しい。世界に類を見ない長時間労働が、高い自殺率(12年連続で3万人突破)の原因のひとつであることは間違いない。そもそも、残業代を組込まないと生活できない社会もおかしい。少なくともサービス残業(これも欧州ではあり得ない)をさせた経営者は、重大な反社会的行為として懲役刑にするくらいじゃないと、カロウシを根絶することはできないと思う。速やかに「過労働致死罪」を立法すべき。この意見は欧州では極論ではないし、これを暴論とか言ってるうちに、また人が死んでいく。//昨日の空手の件に追記。僕の流派は松濤館(しょうとうかん)流。近代空手の祖、沖縄出身の船越義珍先生が開祖。船越先生が「琉球唐手」に禅思想の“空”の概念を取り入れ、“空手”と名づけられた。前から墓参したいと思っているんだけど、いくら調べてもお墓の場所が分からな〜い!ウィキには川崎市に墓があると書かれているけれど、川崎のどこか一向に分からない。鎌倉の円覚寺では毎年4月に「義珍祭」があるけれど、円覚寺に建っているのは「空手に先手なし」と刻まれた石碑であり、墓ではないらしい。もし船越先生の墓所をご存知の方がおられましたら、ご一報を頂けると助かりますーッ!m(_ _)m
 7月1日…本能寺の変で信長が散ったその翌年、後継者の地位をめぐって秀吉と柴田勝家が琵琶湖北部の賤ヶ岳(しずがたけ)で戦った。この『賤ヶ岳の戦い』は秀吉軍の勝利に終わり、戦功のあった7人は“賤ヶ岳の七本槍”と称賛された。その7人の名は、福島正則、加藤清正、加藤嘉明、脇坂安治、平野長泰、糟屋武則、片桐且元。/最近、ローカル番組でオンエアされている戦国パロディー『戦国鍋TV』にハマっており、番組から誕生したアイドル・ユニット「SHICHIHON槍」が歌う“シズガダケの七本槍”(1分44秒)を毎日聴いてマス!戦国武将に興味がない人でも、このシュールな世界は面白いんじゃないかなぁ。今年の紅白に出て欲しいッス(笑)。また、同番組の連続ドラマで、武田と上杉の権力争いを高校生バトルで表現した「川中島学園」も可笑しい。ゲストで出てくる今川義元や足利将軍はかなり存在感があった。こういうアイデア豊かで冒険心のある番組が、大手の民放から出て来ないのが歯がゆい。//私事ですが、空手“1級”の昇級試験に合格しました!2006年に始め、捻挫やギックリ腰と戦いながら、4年がかりで到達した1級。色帯の最終段階。次の試験に合格すれば、夢の黒帯!今の僕の実力では半年後の試験で合格するのは厳しい。回し蹴りや横蹴りの足が肩の高さまで上がらず、ヘタレ感が全開。全く美しくない。日々のストレッチで股関節をもっと柔らかくしなきゃ。1年後を目標に頑張ろう!
   4年間の努力の結晶!








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