〜首相がデマを流していいのか?〜
2006.12.13 参議院における吉井英勝議員と
安倍首相の原発事故防止関連の質疑応答

※吉井英勝議員(共産)は京大・原子核工学科卒。原発問題のスペシャリスト 2013.7.12



福島第一原発事故の5年前のやり取り。この時、真剣に対策をとっていれば、あの事故は防げた可能性が高い。


●2006年参院/質疑応答の要約(原文については後述)

吉井英勝議員「海外(スウェーデン)では二重のバックアップ電源を喪失した事故もあるが日本は大丈夫なのか」
安倍首相「海外とは原発の構造が違う。日本の原発で同様の事態が発生するとは考えられない」

吉井議員「冷却系が完全に沈黙した場合の復旧シナリオは考えてあるのか」
安倍首相「そうならないよう万全の態勢を整えている」

吉井議員「冷却に失敗し各燃料棒が焼損した(溶け落ちた)場合の想定をしているのか」
安倍首相「そうならないよう万全の態勢を整えている」

吉井議員「原子炉が破壊し放射性物質が拡散した場合の被害予測を教えて欲しい」
安倍首相「そうならないよう万全の態勢を整えている」

吉井議員「総ての発電設備について、データ偽造が行われた期間と虚偽報告の経過を教えて欲しい」
安倍首相「調査、整理等の作業が膨大なものになることから答えることは困難」

吉井議員「これだけデータ偽造が繰り返されているのに、なぜ国はそうしたことを長期にわたって見逃してきたのか」
安倍首相「質問の意図が分からないので答えることが困難。とにかくそうならないよう万全の態勢を整えている」


福島第一原発事故を引き起こしたのは、全電源喪失という危機対策をさせてこなかった政治家にある。
安倍首相もまた安全神話を信じていた1人だけど、それをことさら非難するつもりは今日までなかった。
なぜなら「専門家が安全と言ってる以上、首相はそれを信用するしかない」と思っていたから。
実際、多くの政治家、著名人が、経産相や電力会社、御用学者が広める安全神話を信じ込まされていた。
誰だって、まさかあれほど大規模に「原子力村」の人々がウソを広めるなんて想像しなかったもの。

だけど、安全神話を信じ込んだ人が、それを反省するどころか、開き直って原発再稼働に猛進するとなると
話は別だ。安倍氏は答弁当時、第一次安倍内閣で首相をしていた。本来なら原発事故のA級戦犯であるのに、
フェイスブックを使った卑怯なやり方で支持者を騙している。
安倍首相は自身のフェイスブックで、上記の吉井議員とのやり取りについてデマを流し、支持者がその捏造を
拡大するので、衆議院のホームページに公開されている答弁記録(吉井議員答弁/安倍首相答弁)から
上記の要約に該当する部分を抜き出し、原文のまま紹介する。

〔予備知識〕答弁があった2006年は9月に小泉政権から安倍政権になっている。吉田議員は小泉政権時代に
国会質問で原発の津波対策の不備を指摘し、5メートルの津波に日本の原発の約8割の原発で、冷却水が
海から取水できなくなることを明らかにし、また、いくつかの原発では、取水不能になるうえ貯水槽もないことを
明らかにした。それを踏まえての後継の安倍首相への質問だ。保守の人は「どうせ共産だから」「アカだから」
という偏見をここでは捨て、原子力技術の専門家の指摘として読んで欲しい。



●巨大地震の発生に伴う安全機能の喪失など原発の危険から国民の安全を守ることに関する質問主意書と答弁
2006年12月13日質問、同年12月22日回答

(吉井議員)政府は、巨大地震に伴って発生する津波被害の中で、引き波による海水水位の低下で原子炉の冷却水も、停止時の核燃料棒の崩壊熱を除去する機器冷却系も取水できなくなる原発が存在することを認めた。巨大な地震の発生によって、原発の機器を作動させる電源が喪失する場合の問題も大きい。さらに新規の原発で始められようとしている核燃料棒が短時間なら膜沸騰に包まれて冷却が不十分な状態が生じる原発でも設置許可しようとする動きが見られる。また安全基準を満たしているかどうかの判断に関わる測定データの相次ぐ偽造や虚偽報告に日本の原発の信頼性が損なわれている。原発が本来的にもっている危険から住民の安全を守るためには、こうしたことの解明が必要である。よって、次のとおり質問する。


★一【大規模地震時の原発のバックアップ電源について】

1(吉井議員)原発からの高圧送電鉄塔が倒壊すると、原発の負荷電力ゼロになって原子炉停止(スクラムがかかる)だけでなく、停止した原発の機器冷却系を作動させるための外部電源が得られなくなるのではないか。そういう場合でも、外部電源が得られるようにする複数のルートが用意されている原発はあるのか。あれば実例を示されたい。また、実際に日本で、高圧送電鉄塔が倒壊した事故が原発で発生した例があると思うが、その実例と原因を明らかにされたい。

(安倍首相)我が国の実用発電用原子炉に係る原子炉施設(以下「原子炉施設」という。)の外部電源系は、二回線以上の送電線により電力系統に接続された設計となっている。また、重要度の特に高い安全機能を有する構築物、系統及び機器がその機能を達成するために電源を必要とする場合においては、外部電源又は非常用所内電源のいずれからも電力の供給を受けられる設計となっているため、外部電源から電力の供給を受けられなくなった場合でも、非常用所内電源からの電力により、停止した原子炉の冷却が可能である。また、送電鉄塔が一基倒壊した場合においても外部電源から電力の供給を受けられる原子炉施設の例としては、北海道電力株式会社泊発電所一号炉等が挙げられる。
お尋ねの「高圧送電鉄塔が倒壊した事故が原発で発生した例」の意味するところが必ずしも明らかではないが、原子炉施設に接続している送電鉄塔が倒壊した事故としては、平成十七年四月一日に石川県羽咋市において、北陸電力株式会社志賀原子力発電所等に接続している能登幹線の送電鉄塔の一基が、地滑りにより倒壊した例がある。

※質問2及び3は他の内容と重複するので割愛。トップのリンク先に原文あり。

4(吉井議員)スウェーデンのフォルクスマルク原発1号(沸騰水型原発BWRで出力一〇〇・八万kw、運転開始一九八一年七月七日)の事故例を見ると、バックアップ電源が四系列あるなかで二系列で事故があったのではないか。しかも、このバックアップ電源は一系列にディーゼル発電機とバッテリーが一組にして設けられているが、事故のあった二系列では、ディーゼル発電機とバッテリーの両方とも機能しなくなったのではないか

(安倍首相)スウェーデンのフォルスマルク発電所一号炉においては、平成十八年七月二十五日十三時十九分(現地時間)ころに、保守作業中の誤操作により発電機が送電線から切り離され、電力を供給できなくなった後、他の外部電源に切り替えられなかった上、バッテリーの保護装置が誤設定により作動したことから、当該保護装置に接続する四台の非常用ディーゼル発電機のうち二台が自動起動しなかったものと承知している

5(吉井議員)日本の原発の約六割はバックアップ電源が二系列ではないのか。仮に、フォルクスマルク原発1号事故と同じように、二系列で事故が発生すると、機器冷却系の電源が全く取れなくなるのではないか。

(安倍首相)我が国において運転中の五十五の原子炉施設のうち、非常用ディーゼル発電機を二台有するものは三十三であるが、我が国の原子炉施設においては、外部電源に接続される回線、非常用ディーゼル発電機及び蓄電池がそれぞれ複数設けられている。また、我が国の原子炉施設は、フォルスマルク発電所一号炉とは異なる設計となっていることなどから、同発電所一号炉の事案と同様の事態が発生するとは考えられない。

6(吉井議員)大規模地震によって原発が停止した場合、崩壊熱除去のために機器冷却系が働かなくてはならない。津波の引き波で水位が下がるけれども一応冷却水が得られる水位は確保できたとしても、地震で送電鉄塔の倒壊や折損事故で外部電源が得られない状態が生まれ、内部電源もフォルクスマルク原発のようにディーゼル発電機もバッテリーも働かなくなった時、機器冷却系は働かないことになる。この場合、原子炉はどういうことになっていくか。原子力安全委員会では、こうした場合の安全性について、日本の総ての原発一つ一つについて検討を行ってきているか。また原子力・安全保安院では、こうした問題について、一つ一つの原発についてどういう調査を行ってきているか。調査内容を示されたい

(安倍首相)地震、津波等の自然災害への対策を含めた原子炉の安全性については、原子炉の設置又は変更の許可の申請ごとに、「発電用軽水型原子炉施設に関する安全設計審査指針」(平成二年八月三十日原子力安全委員会決定)等に基づき経済産業省が審査し、その審査の妥当性について原子力安全委員会が確認しているものであり、御指摘のような事態が生じないように安全の確保に万全を期しているところである。

7(吉井議員)停止した後の原発では崩壊熱を除去出来なかったら、核燃料棒は焼損(バーン・アウト)するのではないのか。その場合の原発事故がどのような規模の事故になるのかについて、どういう評価を行っているか。

(安倍首相)経済産業省としては、お尋ねの評価は行っておらず、原子炉の冷却ができない事態が生じないように安全の確保に万全を期しているところである。

8(吉井議員)原発事故時の緊急連絡網の故障という単純事故さえ二年間放置されていたというのが実情である。ディーゼル発電機の冷却水配管の減肉・破損が発生して発電機が焼きつく事故なども発生した例が幾つも報告されている。一つ一つは単純な事故や点検不十分などのミスであったとしても、原発の安全が保障されないという現実が存在しているのではないか。

(安倍首相)原子炉施設の安全を図る上で重要な設備については、法令に基づく審査、検査等を厳正に行っているところであり、こうした取組を通じ、今後とも原子力の安全確保に万全を期してまいりたい。



★二【沸騰遷移と核燃料棒の安全性について】

1(吉井議員)原発運転中に、膜沸騰状態に覆われて高温下での冷却不十分となると、核燃料棒の焼損(バーン・アウト)が起こる。焼損が発生した場合に、放射能汚染の規模がどのようなものになるのかをどう評価しているか。原子炉内に閉じ込めることができた場合、大気中に放出された場合、さらに原子炉破壊に至る規模の事故になった場合まで、それぞれの事故の規模ごとに、放射能汚染の規模や内容がどうなるかを示されたい。

(安倍首相)経済産業省としては、お尋ねの評価は行っておらず、原子炉の冷却ができない事態が生じないように安全の確保に万全を期しているところである。

※この項目は非常に専門的な話になるので割愛。



★三【データ偽造、虚偽報告の続出について】

1(吉井議員)水力発電設備のダム測定値や、火力・原発の発電設備における冷却用海水の温度測定値に関して測定データの偽造と虚偽報告が電力各社で起こっていたことが明らかになった。総ての発電設備について、データ偽造が何時から何時までの期間、どういう経過で行われたのか明らかにされたい
2(吉井議員)こうしたデータ偽造と虚偽報告は、繰り返し行われてきた。使用済核燃料の輸送キャスクの放射線遮蔽データ偽造、原発の溶接データ偽造、原子炉隔壁の損傷データ偽造とデータ隠し、配管減肉データ偽造、放射線量データ偽造など数多く発生してきた。日本の原子力発電が始まって以来の、こうした原発関連機器の測定データや漏洩放射線量のデータについての偽造や虚偽報告について年次的に明らかにされたい。

(安倍首相)〔1&2について〕お尋ねについては、調査、整理等の作業が膨大なものになることから、お答えすることは困難である。なお、経済産業省においては、現在、一般電気事業者、日本原子力発電株式会社及び電源開発株式会社に対し、水力発電設備、火力発電設備及び原子力発電設備についてデータ改ざん、必要な手続の不備等がないかどうかについて点検を行うことを求めている。

3(吉井議員)原発の危険から住民の安全を守るうえで、国の安全基準や技術基準に適合しているのかを判断する基礎的なデータが偽造されていたことは重大である。そこで国としては、データ偽造が発覚した時点で、データが正確なものか偽造されたものかを見極める為に、国が独自に幾つかのデータを直接測定するなど検査・監視体制を強化することや、データ測定に立ち会って測定が適正かどうかのチェックをすることが必要である。国は、検査・監視体制を強化したのか、またデータ測定を行う時に立ち会ったのか。これだけデータ偽造が繰り返されているのに、何故、国はそうしたことを長期にわたって見逃してきたのか。

(安倍首相)事業者は、保安規定の遵守状況について国が定期に行う検査を受けなければならないとされているところ、平成十五年に、事業者が保安規定において定めるべき事項として、品質保証を法令上明確に位置付けたところである。御指摘の「データ測定」の内容は様々なものがあり、一概にお答えすることは困難であるが、例えば、電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第五十四条に基づく定期検査にあっては、定期検査を受ける者が行う定期事業者検査に電気工作物検査官が立ち会い、又はその定期事業者検査の記録を確認することとされている。御指摘の「長期にわたって見逃してきた」の意味するところが必ずしも明らかではないことから、お答えすることは困難であるが、原子炉施設の安全を図る上で重要な設備については、法令に基づく審査、検査等を厳正に行っているところであり、こうした取組を通じ、今後とも原子力の安全確保に万全を期してまいりたい。

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このように、吉田議員は非常時の電源に関してかなり突っ込んだ質問をしている。だが、安倍首相は突っ込んだ質問には全て答えていなくて、「安全確保のために万全を尽していく」としか言っていない。
福島第一原発は鉄塔倒壊で送電がストップして最悪の事態に陥ったけど、送電線の鉄塔倒壊についての質問でも「複数の電源があるから心配ない」と言い切ってる。
つくづく、吉田議員の問題提議がなにひとつ活かされなかったことが悔やまれる。



●安倍首相は2012年10月3日に次のようなデッチアゲの内容をフェイスブックにアップした。
その後、さすがにマズイと思ったのか削除されたが、グーグルキャッシュにはしっかり残ってる
問題は削除後も安倍氏の嘘を真に受けてネットに拡散している保守系ブログの人々。頭が痛い。




(安倍首相)
しかし、吉井議員の質問主意書には「津波で外部電源が得られなくなる」との指摘はなく、
さらにサンデー毎日が吉井議員の質問に回答として引用した政府答弁書の回答部分は
別の質問に対する回答部分であって、まったくのデタラメ捏造記事という他ありません。



これについて大型掲示板である人が明快&コンパクトに反論しており、僕もまったく同意見なので以下に転載します。

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まったくのデタラメは安倍晋三お前だ!

>吉井議員の質問主意書には「津波で外部電源が得られなくなる」との指摘はなく
記事の「地震や津波で送電設備が倒壊」と質問の「巨大地震の発生に伴う安全機能の喪失」は同じだろ
地震に伴う被害を勝手に津波に限定するな


>吉井議員の質問に回答として引用した政府答弁書の回答部分は別の質問に対する回答部分であって
冷却機能が失われ、燃料棒の焼損したくだりがある質問が「一の7と二の1」だから2回も繰り返された
「お尋ねの評価は行っておらず、」の答弁を紹介するのは適切だろ、別の質問って何だ


>昨年テレビ東京が安倍内閣の経産大臣だった甘利代議士に取材した放送で同様の虚偽報道がされたそうです。
甘利が逃げ帰った事実をありのまま放送したことに名誉毀損を訴えてきたんだろ、いうなれば暴露報道だろ
問題の動画(4分53秒)

>質問趣意書には、津波で電源を失う危険性についての記述はないにもかからず
津波じゃなくて巨大地震ね、質問主意書の主意を汲み取れないって馬鹿すぎるだろ、わざとらしい

         ____
       /   u \
      /  \    /\    やばい!「電源喪失無い」発言を責められたら俺は・・・・・・・・
    /  し (>)  (<)\
    | ∪    (__人__)  J |
     \  u   `⌒´   /
    ノ           \
  /´               ヽ
 |    l



         ____
       /      \
      /  rデミ    \   津波指摘されてないからOKだわ
    /     `ー′ /でン \
    |     、   .ゝ    |
     \     ヾニァ'   /
    ノ           \
  /´               ヽ
 |    l



>その危険性があるかのような誤った認識の下、自民党政権の原子力政策に関する報道を行いました
共産党は危険性の認識があったから質問したんだろ、自民党政権がぬるま湯すぎたから・・・泣

>虚偽内容の放送であったことを認め、放送法第4条に基づく訂正放送をしたとのことです。
テレ東の謝罪文に虚偽を認めたとするくだりがあるなら見せてくれ。訂正放送は暴露報道に対する誠意だろ

>まったくのデタラメ捏造記事という他ありません。
デタラメ捏造してるのはお前の方だろ!

>天下のサンデー毎日がすでに訂正放送を行い、謝罪したテレビ局と同じ ねつ造をするとは(笑)
捏造したのはお前!原発の危険性を放置したのもお前!誠意を見せたテレ東を笑いものにするか・・・

「サンデー毎日」記事
>地震や津波で送電設備が倒壊すると外部電源が得られなくなり、非常用のディーゼル発電機やバッテリーも動かなければ、
原発の冷却機能が失われる恐れを指摘。核燃料棒が焼損した場合など想定される原発事故の詳細を説明するよう求めた。
 
安倍氏フェイスブック
>地震や津波で送電設備が倒壊すると外部電源が得られなくなり、非常用のディーゼル発電機やバッテリーも動かなければ
原発の冷却機能が失われる恐れを指摘」し、津波に襲われた福島第1原発を「予言」するような指摘をしたにも関わらず
 
「核燃料棒が焼損」したくだりを省き別の質問であるかのようにミスリード、これが改竄じゃなくてなんなのか




●安倍氏のもうひとつのデマ〜菅元首相に対する濡れ衣

福島原発事故で菅元首相が海水注入を止めたためメルトダウンを引き起こし、福島原発事故がひどくなったというデマが今も広く信じられている。

管元首相は事故時に放射性物質の予測拡散情報を公開せず、国民を無用な被曝に晒したことから、僕は菅氏に対して憤りを感じている。だが、安倍氏は無実の罪を菅氏になすりつけて、自分へ批判が向かないようにしており、その行為はあまりに姑息すぎる。
安倍氏は事故直後の2011年5月20日のメルマガで次のように記している。

「東電はマニュアル通り淡水が切れた後、海水を注入しようと考えており、実行した。しかし、 やっと始まった海水注入を止めたのは、何と菅総理その人だったのです」「菅総理は間違った判断と嘘について国民に謝罪し直ちに辞任すべきです」

だがその後の調査で、実際は福島第一原発・吉田所長の判断で海水注入は中止されてなかったし、菅首相から中止指示があったという指摘についても、国会の原発事故調査委員会において「中止の指示を出したのは総理大臣の菅ではなく、官邸へ派遣された東京電力フェローの武黒一郎によるものだった」ことを武黒本人が認めている。
さらに、当時安倍氏は情報の出所として「(経産省の)柳瀬か(保安院の)寺坂に聞けば分かる」と記者達に吹聴し、多くの記者が柳瀬氏に問い合わせたところ「ありえません」「安倍さんの言っていることは嘘です」と返答したという。

100歩譲って、事故直後は情報の混乱があり、安倍氏が誤った知識を得たのもやむなしとしよう。だが、問題は参院選直前の現時点(2013年7月12日)においても、公式WEBでその文章が削除もされずお詫び訂正もされてないこと

 

それゆえ安倍氏の支持者は今も「自民政権だったら事故は防げた。フクシマの事故はすべて管元首相のせい」とネットに書きまくっている。あまりに悪質すぎる。
菅氏のブログにその苦悩が綴られているので転載したい。
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「ネットを利用した安倍晋三総理の巧妙な名誉毀損」2013年07月11日
ネットを利用し、嘘の情報を流すことで安倍晋三氏は私と民主党に対する重大な名誉毀損行為を行い、訂正の要求に応じないことで今も名誉毀損行為を続けている。
選挙戦を戦っていて、 多くの人の間でいったん定着した誤解を解く事がいかにむつかしいかを痛感している。福島原発事故で、当時の菅総理が海水注入を止めたためメルトダウンを引き起こし、福島原発事故がひどくなったという今も広く信じられている誤解。この嘘の情報を最初にネット上に発表したのが2011年5月20日付けの安倍晋三氏のメルマガ。この総理経験者のメルマガ情報を翌日の読売新聞と産經新聞が大々的に取り上げた。さらに何度も国会で同趣旨の質問を自民党議員が繰り返すことでマスコミに取り上げさせた。そして、6月2日に提出された菅内閣不信任案の理由の一つとされた。敵ながらあっぱれとでもいうべき見事な一連の情報操作だ。
その後海水注入は停止されていなかったことが故吉田所長自らの発言で明らかになったが、そのことは一般の人にまで伝わらず、菅総理が海水注入を止めて、メルトダウンが起きたという誤解だけが広く今日まで残っている。安倍氏と自民党のこうした一連の行為は私個人に対するだけでなく、民主党に対しても重大な名誉毀損に当たる。
誤解を解くためには安倍晋三氏に誤りを認めさせて、謝罪させる必要がある。安倍氏の発表がネット上のメルマガであったので、私もネット上でこれまで何度も誤りを認めて訂正と謝罪をするよう求めてきた。しかし、一切の反応はない。ネット選挙が解禁された中で、ネットを利用して嘘の情報を選挙開始前に流しておいて、それを訂正しないという事は選挙の公平性からも許されない行為だ。しかもそれを行ったのが当時でも総理経験者で今再び総理の座に在る安倍晋三氏本人となればなおさらのことだ。ネット選挙解禁を強力に進めた安倍総理の責任は重い。週明けまで安倍総理から何らかの反応がない場合には名誉毀損を正す他の手段を検討せざるを得ない。
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安倍氏はデマを流したことを、菅氏や民主党だけでなく、原発の耐震性問題(配管が地震に弱い)から目をそらさせたことで、国民に謝罪するべきだ。


元通産(経産)省官僚・古賀茂明氏「福島第一原発の事故が収束せず、事故原因さえ解明されていない状況で、
総理がトップセールスで原発を売り歩くことは倫理的に許されない。まだ新しい安全基準も完全には出来上がって
いないのに各国に原発を売り歩く安倍総理は世界へ原発事故と核拡散の種をばら撒く『死の商人』である」
(2013.6)







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