〜リベラル自滅の愚を避けよ〜
2014衆院選の悲劇:勝てたはずの選挙で
自滅したリベラルよ、目を覚ませ!
2014.12.16
今回の選挙は非常に重要である。もちろん選挙はすべて重要ではある。しかし、そのなかでも群を抜いて重要な選挙とはあるものだ。ひとつは政権交代の可能性が高く、国民が改革の情熱に促されて生き生きとして選挙に臨み、実際に政権交代を成し遂げる選挙である。もうひとつは、重要な選挙ではあるが、国民がそのことに気付いていない。政権交代の可能性が低く、そのため重苦しい雰囲気が、先進的な考えの人たちを覆っている。後になってあの選挙が国を滅ぼした、といわれるような選挙である。今回の選挙は間違いなく後者だ。 (兵頭正俊 2014.12.4) |
はじめに。まずは前回2012年で与野党が得た得票数を見比べて欲しい。 〔2012年の衆院選・小選挙区の結果比較〕 自公…当選246 得票数2653万 野党…当選54 得票数3309万 このように野党側は656万票もトータルで上回っておきながら、小選挙区では1位しか当選できないため、候補者乱立の中でバタバタと共倒れして「54名」しか議員になれなかった。一方、自公は巧みに共闘し、得票数で大幅に負けているにもかかわらず「246議席」も得た。同じやり方で2014年の衆院選に挑めば、また野党が惨敗するのは火を見るより明らかだった。 〔沖縄県知事選 “オール沖縄”翁長氏大勝利〕 2014年衆院選の1カ月前、沖縄県知事選挙において、自民候補で基地移設容認派の仲井真氏を破るため、移設反対派の翁長雄志(おなが たけし)前那覇市長を、共産党・社民党・生活の党・沖縄大衆党・県民ネット・那覇市議会新風会など“オール沖縄”が支援し、10万票の大差で勝利した。翁長氏は辺野古移設に反対しているとはいえ元・自民党沖縄県連幹事長。かつて共産党とは対立関係にあった。いつもの共産党なら「旧敵とは手を結べない」と“独自候補”を擁立していた。だが、今回は候補を立てず翁長氏の応援にまわった。この共闘は大成功し、同日の那覇市長選挙でも翁長の側近の城間元副市長が自民・公明両党の推薦候補を破り初当選を果たした。 衆院選の直前にこのような野党共闘の“良い流れ”が出来たことから、僕は2012年の悪夢を繰り返さぬ為にも、衆院選における野党間の(共倒れを防ぐ)候補者調整に期待した。 そして、安倍氏が投票前に「過半数をとれなければ退陣する」「消費増税は1年半先送りするが、1年半後は景気が悪くても必ず増税する」と断言し、僕はテレビ中継でこれを聞いた瞬間、「勝った!」と思わず叫んだ。実質賃金が下がり続け、ますます国民生活が窮乏している今、「1年半後に100%増税」と宣言する政党を、国民が支持すると思えない。かつて民主の菅氏や野田氏が消費増税を口走って選挙で大敗したように、安倍氏も手痛い審判を受けるだろう。右派だって中国の赤サンゴ密漁船に好き放題やらせた安倍氏に怒っているはず…。 そう思って、明るい気持ちで選挙戦が始まるのを見ていた。 |
★2015.9.27緊急追記! 以下のコラムは前回衆院選で早々と全選挙区に候補者を擁立し、野党共闘に背を向けた共産党への失望を 書いていますが、安保法制の強行可決後、共産党は民主党に選挙協力を主軸とした共闘を呼びかけている! 素晴らしい英断!もしこれを民主党議員が断るのであれば「共産と組むくらいなら安倍内閣が続いた方がマシ、 戦争法も容認した方がマシ、違憲立法もOK」と言っているのと同じ! 共闘せずに勝てるほど自公が弱くないことは、前回、前々回の選挙でイヤと言うほど分かっているハズ!! |
2014年末の衆院選の結果は衝撃的だった。安倍政権の勝利が残念というより、野党トップ連中の視野の狭さ、化石思考がショックだった。野党が協力すれば勝てた選挙区がたくさんあったのに、みすみす自民の勝利を許してしまった! 大手メディアは安倍政権に気を遣ってか、「民主と共産が協力してたら合計票が自民を上回っていた選挙区」がどれくらいあったか伝えないので、ならばと自分で計算してみた。その結果、あまりの多さに絶句した。 以下、リストアップ→北海道3、4、7、9、10区、宮城1区、福島1区、福島5区、秋田1区、山形2区、茨城1区、群馬1区、千葉9区、東京1、3、14、18、19、21、22区、神奈川12区、埼玉1区、埼玉3、4、7区、新潟1、2、4区、長野2区、長野4区、石川3区、静岡3区、愛知4、8、9区、滋賀1、2区、京都3、4区、大阪11区、岡山2区、福岡9、10区、長崎1区。その数、なんと『44カ所』!彼らが当選していれば自民は公明を足しても3分の2に達しなかったのに…無念すぎる。 民主党が政権を奪取した09年衆院選では、共産党が候補者を約半数の152選挙区に絞ったことで、民主党の勝利を後押しした。今回もよく話し合って作戦を練るべきだった。ちなみに、民主と維新は候補者がぶつからぬよう話し合っていたけど、調整失敗で2人立ったところは6カ所で合計票が上回っていながら共倒れしているこれも惜しい。 民主と共産のバッティングは実に深刻だ。共産支持者は「安易に他党と妥協しない我が党の正しさは、今回の大躍進(8→21議席)で証明された」と主張するだろう。だが、共産支持者は自分たちがいくつの選挙区で「自民をアシストして勝たせた」か、きちんと計算していないのでは?44カ所と分かれば、自公3分の2を阻止できたと知れば、うかれることなど出来ないはず。おそらく共産支持者は「共産候補がいなければ、民主が勝っていたのは10カ所程度」と考えているのでは。だから安倍政権を倒せなくても共産が躍進したから良いって思っているんじゃないだろうか。 前述したように維新と民主の合計票が自民よりも多かった選挙区は『6カ所』あり調整失敗が悔やまれるが、維新と共産に関しても合計票が自民より多かった選挙区が『15カ所』ある。共産と維新は犬猿の仲だけど、幕末、骨髄まで憎み合ってた薩長が倒幕のため同盟を結んだように、対自民を旗印に民主・維新・共産・社民・生活で候補者を調整できたなら投票状況はさらに変化し、合計票が自民を上回る選挙区が『5カ所』増える。その結果、6+15+5で『26カ所』になり、先述した44カ所と合わせてトータル『70カ所』にも達し、現状の小選挙区「自公232 VS 野党63」が「162 VS 133」まで接近していた。ここまでくれば与野党逆転まであと少し。僅差で負けた選挙区を考察してみよう。 選挙で敗北したものの、民主・共産の合計票が、自民候補に数百〜数千票まで肉薄した小選挙区は『27カ所』あった。数千票の差なら共闘していれば逆転可能だ(対立して足を引っ張り合っている状態が共闘に変わると、勢いが生まれる)。そうなれば70カ所プラス27カ所で『97カ所』もの小選挙区で勝者が入れ替わり、「自公135 VS 野党160」となって大逆転!この両陣営の差は、比例区の当選者(自公94、野党86)を反映しても、「自公229 VS 野党246」となり野党優位は変わらない。 リベラル派はこの手痛い教訓を学び、次の国政選挙に今度こそ活かさねば。リベラル派は「今の民主は第2自民党であり、共産・社民・生活が最も正論を言っている」ことを十分に分かっている。それでも、安倍政権の暴走を止めるために、都知事選や参院選からずっと「民・共・社・生は選挙協力してくれ」と叫び続けていた。一人しか当選できない小選挙区制のもとでは、最も勝てそうな候補者に反安倍票を集中する必要があるんだ。野党候補者が互いに潰し合って一番喜んでいるのは自民。だから、不本意でもワースト1位よりそれ以外を選ぶしかない。 衆院選直前にあった沖縄知事選では、自民支持の知事を倒すため、共産は独自候補を立てず“オール沖縄”の一員となって共闘し、反・辺野古基地移設の候補者を当選させた。今回の衆院選小選挙区でも共闘し、沖縄のリベラル派は自民候補者を全滅させた。しかも、4つの選挙区のうち3つは現職の自民党議員を破っての快挙だ。このように沖縄で出来た野党協力が、全国区でも実現していたらどんなに良かったか…。 共産支持者は「13議席も増えた」「20議席を超えたから単独で法案を提出できる」と喜んでいるけど、本当の目標は安倍政権打倒だろう?民主は野党第1党の傲慢さを捨てて共産に歩み寄り、共産も「党勢拡大」より「安倍内閣退陣」を最優先させて民主に歩み寄る必要がある。双方が相手に敬意を払い手を結ぶとき。リベラル派同士の共倒れはもうゴメンだ! 〔追記:冷酷な現実/共産党躍進の真実〜自公から票を奪ったのではなく、生活の党の票が流れてきただけ〕 比例区は小選挙区より死票が少ない分、有権者の動向を正確に反映する。共産党21人議席のうち20議席が比例区のものであり、そこだけを見れば日本人にリベラルが増えたように見える。確かに比例区の共産票は前回衆院選369万票から606万票に237万票も増えている。だがしかし!その一方で小沢党は342万票(未来の党)から103万票(生活の党)に239万票減らしている。つまり、共産の増加分237万票=小沢党の減少分239万票であることは歴然(2万票の差は史上最低の投票率を反映)。だから、共産支持者が「この勢いで頑張れば次も躍進できる」と考えるのは、選挙結果を楽観視しすぎ。残念きわまりないことだけど、共産・社民・生活のリベラル3党の比例得票数の合計は、前回853万票→今回841万票と全然増えていない。共産支持者はハリポテの数字で喜んでいる場合じゃない。これが日本国のリベラル有権者の実数であり、これ以上は容易に増えない。その事実を踏まえた戦い方をするべきだ。 共産党に独自カラーや誇りを捨ててまで民主に同化せよと言ってるんじゃない。共産は当選者21人のうち6人が女性で、政党の中では女性当選者の比率が最も高いのも先進的。僕は民主の野田、前原など幹部連中が大嫌いだし、新自由主義(弱肉強食)の維新にも否定的。それでも、書いてて本当に空しくなるんだけど、安倍政権を倒すためには民主・維新と共闘するしかない(維新から少なくとも石原ら極右連中は出て行った)。共産支持者に認識して欲しい。今回の衆院選小選挙区では、共産支持者が民主党候補を45人、維新候補を15人、計60人を落選させ自公候補を助けたことを!安倍政権存続の最大の功労者となった共産党に対し、安倍氏と山口代表は「ありがとう!」と感謝状を贈っていいほどだ。 自公はいつまでも共産に「正しいのは我が党」と唯我独尊路線をとって、野党が共倒れして欲しいと願っている。民主と選挙協力することは、民主に吸収されることじゃない。公明を例に考えて欲しい。公明はどんなに自民と蜜月になっても合体することはない。それでいて上手に選挙協力をして多くの議席を獲得している。共産と民主も自公がやっているように、「小選挙区は民主、比例は共産へ」と協力していれば、大きな変化を起こせる。公明は自民に協力しつつも独立している。共産だって自立しながら協力できるはずだ(民主党議員は09年衆院選で共産が協力してくれた恩を忘れずに!)。 最後に。消費増税、GDPマイナス成長、集団的自衛権(日本が「やられていないけどやりかえす」)、特定秘密保護法、原発再稼働、武器輸出解禁、TPP加盟、移民受入れ、派遣法改悪、残業代ゼロ、解雇規制緩和、カジノ推進、配偶者控除廃止、庶民の実質賃金15カ月連続下落、中国密漁船に赤サンゴを取り尽くされた後で対策本腰など、内政も外交も酷い有様なのに、リベラル同士が対立している場合じゃない。もはや、待ったなしの状況だ。大企業と超富裕層のためのアベノミクス、怒髪天の悪政オンパレードを止めねば。次の参院選は来年7月。もう今回のように「急で準備が間に合わなかった」は言い訳にならない。安倍氏から日本を取り戻すため、知る権利や民主主義を守るため、万全の体勢で挑んで欲しい! |
【民主候補者と共産候補者の合計票が、自民候補者に勝っていた選挙区44!】
※名前は自民当選者。民主・共産が共闘していたら確実にこの自民議員は負けていた。 北海道3区 高木宏寿 北海道4区 中村裕之
北海道7区 伊東良孝
北海道9区 堀井学
北海道10区 稲津久
宮城1区 土井亨(とおる)
福島1区 亀岡偉民(よしたみ)
福島5区 吉野正芳(まさよし)
秋田1区 冨樫博之
山形2区 鈴木憲和(のりかず)
茨城1区 田所嘉徳(よしのり)
群馬1区 佐田玄一郎 千葉9区 秋本真利
東京1区 山田美樹
東京3区 石原宏高
東京14区 松島みどり
東京18区 土屋正忠
東京19区 松本洋平
東京21区 小田原潔
東京22区 伊藤達也
神奈川12区 星野剛士(つよし)
埼玉1区 村井英樹
埼玉3区 黄川田仁志(きかわだ ひとし)
埼玉4区 豊田真由子
埼玉7区 神山佐市(さいち)
新潟1区 石崎徹(とおる)
新潟2区 細田健一※ここは民主&社民でも勝利
新潟4区 金子恵美(めぐみ)
長野2区 務台俊介(むたい しゅんすけ)
長野4区 後藤茂之
石川3区 北村茂男
静岡3区 宮沢博行
愛知4区 工藤彰三(しょうぞう)
愛知8区 伊藤忠彦
愛知9区 長坂康正
滋賀1区 大岡敏孝
滋賀2区 上野賢一郎
京都3区 宮崎謙介
京都4区 田中英之
大阪11区 佐藤ゆかり
岡山2区 山下貴司
福岡9区 三原朝彦
福岡10区 山本幸三
長崎1区 冨岡勉
&兵庫2区(ここだけ相手は公明)
【維新候補者と共産候補者の合計票が、自民候補者に勝っていた選挙区15】 北海道2区 吉川貴盛(たかもり) 青森1区 津島淳(じゅん)
秋田3区 御法川信英(みのりかわ のぶひで)
千葉8区 桜田義孝
東京6区 越智隆雄
埼玉10区 山口泰明(たいめい)
埼玉14区 三ツ林裕巳(ひろみ)
京都1区 伊吹文明(ぶんめい)
大阪2区 左藤章
大阪4区 中山泰秀
大阪7区 渡嘉敷(とかしき)奈緒美
大阪8区 大塚高司
大阪9区 原田憲治
大阪15区 竹本直一(なおかず)
熊本1区 木原稔(みのる)
【民主候補者と維新候補者の合計票が、自民候補者に勝っていた選挙区6】
東京23区 小倉将信(おぐら まさのぶ) 神奈川6区 上田勇
静岡1区 上川陽子
大阪12区 北川知克
兵庫7区 山田賢司
鹿児島1区 保岡興治(やすおか おきはる)
【民主、維新、共産候補者の合計票が、自民候補者に勝っていた選挙区3】
東京2区 辻清人(きよと) 神奈川7区 鈴木馨祐(けいすけ)
兵庫3区 関芳弘(よしひろ)
【民主、共産、社民候補者の合計票が、自民候補者に勝っていた選挙区2】
宮城2区 秋葉賢也 愛知1区 熊田裕通
〔野党共闘失敗、ワースト選挙区BEST5〕
余裕で野党がブッチギリなのに別々で出て共倒れ!まったく! 第1位.大阪11区 73,931 佐藤ゆかり(自民)
61,216 平野博文(民主)
58,321 伊東信久(維新)
20,449 三和智之(共産)
自民7万3931、民主・維新・共産13万9986!野党が66055票も余裕でオーバーしながら敗北した、今回の衆院選を代表する野党アホ自滅・自民大感謝選挙区。
第2位.長野2区
75,718 務台俊介(自民)
63,558 下条みつ(民主)
41,232 百瀬智之(維新)
24,006 清沢達也(共産)
自民7万5718、民主・維新・共産12万8796!野党側は53078票オーバー。
第3位.北海道3区
92,649 高木宏寿(自民)
85,591 荒井聰(民主)
30,271 吉岡弘子(共産)
26,211 小和田康文(維新)
自民9万2649、民主・維新・共産14万2073!野党側は49424票オーバー。
第4位.愛知4区
66,213 工藤彰三(自民)
47,291 牧義夫(維新)
36,285 刀禰勝之(民主)
21,828 高橋祐介(共産)
自民6万6213、民主・維新・共産10万5404!野党側は39191票オーバー。
第5位.滋賀4区
60,460 武藤貴也(自民)
40,993 岩永裕貴(維新)
40,902 徳永久志(民主)
13,687 西沢耕一(共産)
自民6万0460、民主・維新・共産9万5582!野党側は35122票オーバー。※ここは民主と維新の合計票で野党勝利。
【民主・共産の合計票が僅差で自民候補に届かなかった選挙区32!】
一丸となって頑張ってたいら勝算大なり ※自民候補者の名前も記載。4選挙区は「維新・共産の合計票」(表示あり)。
400票差(!) 岩手2区 鈴木 俊一
500票差(!) 愛知14区 今枝宗一郎
1200票差 埼玉8区 柴山昌彦
1500票差 福岡2区 鬼木誠
2000票差 千葉6区 渡辺博道
2000票差 石川1区 馳浩
2200票差 岡山4区 橋本岳
2200票差 広島3区 河井克行
3000票差 青森3区 大島 理森(大物)
3000票差 神奈川14区 赤間二郎
3200票差 長崎4区 北村誠吾※生活票も加算
3500票差 千葉13区 白須賀貴樹
4000票差 東京5区 若宮健嗣
4000票差 愛媛3区 白石徹(統一教会ベッタリ)
5000票差 北海道5区 町村信孝(大物)
5000票差 東京8区 石原伸晃(大物)
5000票差 東京16区 大西英男※維新・共産の合計票
5000票差 埼玉12区 野中厚
5000票差 大阪16区 北側一雄(大物/公明)
6000票差 岐阜4区 金子一義※維新・共産の合計票
7000票差 北海道11区 中川 郁子
7000票差 東京9区 菅原一秀※維新・共産の合計票
8000票差 茨城6区 丹羽雄哉
8000票差 奈良3区 奥野信亮※維新・共産の合計票
8200票差 愛知6区 丹羽秀樹
8500票差 新潟6区 高鳥修一
8700票差 埼玉15区 田中良生
8700票差 広島2区 平口洋
8700票差 大分2区 衛藤征士郎※社共のみで肉薄。なぜ民主は戦わない。
9200票差 長崎2区 加藤寛治
9300票差 高知1区 中谷元
9500票差 神奈川10区 田中和徳
9500票差 愛知15区 根本幸典
〔補足〕 1万票差 東京20区 木原誠二※民主・共産合計との差
1万票差 岐阜3区 武藤容治 ※民主・共産合計との差
1万票差 滋賀3区 武村展英 ※民主・共産合計との差
1万票差 神奈川1区 松本純 ※維新・共産合計との差
1万票差 三重1区 川崎二郎 ※維新・共産合計との差
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(衆院選で良かった面)自民より“右”は壊滅 暗いことばかり書いても気持ちが沈むため、選挙結果のプラス面を。失意の中にも一筋の光はあった。侵略戦争を美化し、戦前回帰の発言を繰り返していた極右政党『次世代の党』所属議員が、20名から2名に激減し壊滅したことだ。 自民295→291(−4) 次世代20→2(−18) 民主63→73(+10) 共産8→21(+13) 公明31→35(+4) 維新42→41(−1) 生活5→2(−3) 社民2→2(同じ) 無所属14→8(−6) 次世代の党が担ぎ上げた田母神俊雄副代表は共産党を下回る最下位に終わった。石原慎太郎最高顧問も山田宏幹事長も、中田宏国対委員長、中山成彬氏両院議員総会長、桜内文城政調会長、藤井孝男総務会長も落選。比例では1議席も取れなかった。これは日本人が“自民より右”を明確に拒否したということ。まだバランス感覚は残っていた。当選した2名は75歳の平沼赳夫党首と72歳の園田博之氏だけで、これでは次世代どころか“旧世代”の党だ。 いわゆる“ネトウヨ”といわれる勢力を過小評価するのは誤りだけど、全投票数5200万票のうち、“次世代”は141万票しかなく、得票率は約2.5%しかないことが分かった。ネットでは極右の声が大きいから一大勢力に見えるけど、宗教右翼の幸福実現党を足しても得票率は3%であり、97%の有権者は極右に背中を向けている。 僕は民主党執行部の刷新を求めているので、党首・海江田氏が落選したこともプラス評価。 そして、前述した沖縄がやはりスゴイ。4つの選挙区すべてで自民候補が敗北し、共産候補が小選挙区で“18年ぶり”に勝利したケース(沖縄1区)すらあった。先の知事選でも新基地反対派の知事&那覇市長が誕生しており、沖縄県民は明確に自民政治にノーを突きつけている。もう沖縄に新たに米軍基地を作るのは不可能であり、政府は地元民の意思を尊重し、方針変更に踏み切るべきだ。 安倍氏が圧勝を狙い、奇襲攻撃で解散を企てたにもかかわらず、密かに選挙準備していた自民が4議席を減らし、民主が11議席、共産党が13議席と現有議席を上回る2桁増の結果を出したことは、野党の大健闘といってよく、マスコミが繰り返す「自民圧勝」は“おべっか”であり言い過ぎだ。 |
〔補足2〜この自民候補者は手強い!
戦い方には熟慮が必要〕 ●ダブルスコア勝ち
宮城6区 小野寺五典 (相手は民主・共産)
茨城4区 梶山 弘志 (相手は民主・共産)
東京25区 井上信治 (相手は民主・共産)
島根1区 細田博之 (相手は民主・共産)
広島1区 岸田文雄 (相手は民主・共産)
広島7区 小林史明 (相手は民主・共産)
山口3区 河村建夫 (相手は民主・共産)
青森2区 江渡聡徳 (相手は維新・共産)
福井1区 稲田朋美 (相手は維新・共産)
山口1区 高村正彦 (相手は維新・共産)
愛媛2区 村上誠一郎 (相手は維新・共産)
愛媛4区 山本公一 (相手は維新・共産)
千葉11区 森英介 (相手は生活・共産)
神奈川2区 菅義偉 (相手は生活・共産)
奈良2区 高市早苗 (相手は生活・共産)
富山2区 宮腰光寛 (相手は社民・共産)
島根2区 竹下亘 (相手は社民・共産)
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香川3区 大野敬太郎 (相手は社民・共産)
熊本5区 金子恭之 (相手は社民・共産)
鹿児島4区 小里泰弘 (相手は社民・共産)
福岡11区 武田良太 (相手は社民・共産)
茨城2区 額賀 福志郎 (相手は共産のみ) 栃木5区 茂木敏充 (相手は共産のみ)
群馬4区 福田達夫 (相手は共産のみ)
千葉12区 浜田靖一 (相手は共産のみ)
岐阜2区 棚橋泰文 (相手は共産のみ)
福岡6区 鳩山邦夫 (相手は共産のみ)
福岡7区 藤丸敏 (相手は共産のみ)
福岡8区 麻生太郎 (相手は共産のみ)
長崎3区 谷川弥一 (相手は共産のみ)
熊本4区 園田博之(次世代) (相手は共産のみ)
●トリプルスコア勝ち
静岡7区 城内実 (相手は民主・共産)
群馬5区 小渕優子 (相手は社民・共産)
山口4区 安倍晋三 (相手は生活・共産)
神奈川15区 河野太郎 (相手は共産のみ)
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石川2区 佐々木紀 (相手は共産のみ)
三重4区 田村憲久 (相手は共産のみ)
和歌山3区 二階俊博 (相手は共産のみ)
兵庫9区 西村康稔 (相手は共産のみ)
熊本2区 野田毅 (相手は共産のみ)
熊本3区 坂本哲志 (相手は共産のみ)
宮崎3区 古川禎久 (相手は共産のみ)
鹿児島2区 金子万寿夫 (相手は共産のみ)
岡山5区 加藤勝信 (相手は共産のみ)
徳島2区 山口俊一 (相手は共産のみ)
●4倍差 鳥取1区 石破茂 (相手は共産のみ)
富山3区 橘慶一郎 (相手は共産のみ)
広島4区 中川俊直 (相手は共産のみ)
広島5区 寺田稔 (相手は共産のみ)
宮崎2区 江藤拓 (相手は共産のみ)
鹿児島5区 森山裕 (相手は共産のみ)
●5倍差モンスター
神奈川11区 小泉進次郎 (相手は共産のみ)
※ちなみに、民主党幹部に完勝は少なく、
三重3区の岡田克也が唯一のWスコア勝ち |