愛国心と愛政府心は違う
安倍内閣に異議申す〜2014衆院選にあたって
管理人の主張まとめ
2014.12.13



★安倍政権、公約違反・変質のオンパレード

安倍氏がテレビ番組の中で「民主党は公約に書いてないことをやったから政権から落ちた」と分析していた。そう、確かに“議論すらしない”と約束していた消費増税を決めた民主党は叩かれて当然だ。だがしかし!東京新聞がまとめた“安倍自民党が裏切った公約一覧表”を見ると、これでもかというほど公約と真逆の政策を行っており、中には秘密保護法のように「公約になかった」ものを強行可決で成立させた法案もある。しかも秘密保護法は権力者が不都合な情報を指定してずっと隠せるというトンデモ法。秘密を知ろうとした者は罰せられるが、秘密に指定した側はそれが不当と発覚しても罰せられないズルい法。「安倍ファシズム政権」という言葉が尖りすぎなら、「公約“変質”政権」と言わせてもらおう。

●『安倍自民党が裏切った公約一覧表』
【経済】3%成長させる→GDP3%悪化
【集団的自衛権】国家安全保障基本法制定→基本法は制定せず憲法解釈変更でごまかす
【秘密保護法】記述なし→国民の知る権利を奪う法制定
【原発】依存から脱却→再稼働推進
【エネルギー】再生可能エネルギー最大限導入→電力会社が再生エネの買い取り中断
【TPP】聖域ナシなら交渉参加に反対→聖域ナシが前提じゃないから交渉参加
【政治改革】議員定数削減など改革断行→実現せず
【社会保障】弱い立場の人を援助→生活保護費670億円削減
【地方分権】法案提出の後に道州制導入→法案を提出せず
【基地負担】沖縄含め負担軽減を実現→県内の名護市に基地建設推進
  東京新聞より
安倍政権は公約をあまり守ってないと思っていたけど、こうやって一覧表にしてみると凄まじいまでの裏切りっぷり。なんでここまで騙されて、まだこの政権を支持するのか理解できない。

[不祥事で辞任要求リスト12名]※ツイッターより転載
・宮沢大臣 税金でSMバー&東電株問題&外国人企業(パチンコ)から違法献金
・江渡大臣 1,850万円の使途不明金
・麻生大臣 元愛人のサロンに政治資金1,805万円支出
・望月大臣 政治資金規正法違反(新年会費300万円の収入に対し支出不記載)
・山谷大臣 公安監視の在特会と懇ろ関係
・西川大臣 詐欺容疑のあぐら牧場から125万献金&政治資金私物化(親族企業へ100万円支出)
・塩崎大臣 あっせん収賄罪(老人ホーム事業に口利き)
・竹下大臣 親族への利益供与 弟の酒屋で105万円越
・有村大臣 脱税で罰金刑を受けた企業から60万円の献金
・佐藤副大臣 2万×600人のパーティー接待(利益供与)
・御法川副大臣 公選法違反(カレンダー3,000部(71万円分)配布
・片山さつき 政府の答弁資料入手で三権分立違反



★アベノミクスに対する異議

安倍氏は「アベノミクスはうまく行ってる」「この道しかない」と連呼しているが、本日、GDPが年率マイナス1.9%という衝撃的な下方修正が発表された。二期連続のマイナス成長は経済学の常識では“景気後退”。安倍政権は今春の増税後、4〜6月期はマイナス成長になるものの、駆け込み需要の反動が徐々に和らぎ、7〜9月期はプラス成長にV字回復すると言い続けてきた。安倍氏のお友達の経済学者たちも、プラス4〜5%台と予測していた。ところがフタを開けると、プラス5%どころかマイナス1.9%!この悲惨な経済状況を招いたのは、17年ぶりの消費税率引き上げの影響を過小評価した判断ミスであり、安倍内閣の大失政だ。
1997年以降、消費税増税(3%→5%)をしてから日本は経済成長していない。成長ストップは主要国のなかで日本だけ。橋本内閣の時と同じ過ちを再び犯した。2度も同じ過ちをするか?それも同じ政党で。なぜ過去から学ばない?4月に判断を誤ったことによる増税不況の責任をとり、総選挙じゃなくて総辞職するべきだ。
安倍氏は「給料は上がっている」と言うが、それ以上に物価が高騰しているため、労働者の実質賃金は15カ月連続で減少している。企業の経常利益が増えても、一方で雇用者の平均年収や正社員の数は右肩下がりで減り続けている。裏返せば、人件費コストを減らすことによって企業ばかりが潤ってきた(モノを売って利益を出しているのではなく、正社員を派遣に置き換えて人件費で利益を出している)。

金持ち優遇のアベノミクスにより、確かに富裕層は潤った。昨年度の日本の超高額資産家(資産30億円以上)は前年比22%増の230万人に達し、彼らの総資産は1年間で24%も増えて5兆5000億ドル(630兆円!)と急上昇した。日本の資産家の資産増加率はアジア太平洋地域でダントツの1位。発展著しい中国でさえ超高額資産家は75万8000人(韓国は17万6000人)。日本の230万人の突出ぶりが目立つ。
一方、金融資産ゼロの世帯は3割を超えた(単身は4割貯金なし)。昨年、年収200万円以下のワーキングプアが安倍内閣発足1年で30万人増え1120万人になった。このうち年収100万円以下の労働者は421万5000人。ワーキングプアが労働者全体に占める比率は24.1%で、1998年の17.5%から大幅に高まっている。
僕らは学校で「日本は貿易立国」と教えられてきた。そしてトヨタや家電メーカーが日本経済を支えていると思わされてきた。しかし、実際の日本は圧倒的な内需の国!先進国の中でも極めて輸出依存度が低く、GDPに占める貿易額=貿易依存度はわずか約10%だ(1950年代からずっとそう)。これはG20の中で18番目。日本経済は貿易に依存しておらず、中間所得層(年収400〜800万)の消費生活が経済を作ってきた内需型国家。だから、日本経済を立て直すには、GDPの6割を占める個人消費を援護しなきゃならんのに、消費増税をやる一方で物価を上昇させまくり、正社員が解雇されてどんどん非正規に入れ替わっている状況で、GDPが回復する訳がない。
造幣局の輪転機をフル稼働させてお金を刷りまくって、それを市場に流し込めば、どんな政権でも株価を上げることはできる。でも、そんな実体経済が伴わないことをやれば、通貨や国債の暴落に繋がり、いつか破滅的な恐慌になってしまう。「円安、株安、国債暴落」の3重苦に突入したら終わりだ(今年度の国の借金は1143兆円)。だから歴代自民政権は株価を市場に任せてきた。頭で思いついても実際にやってはいけないことがある。この禁じ手をやったのが安倍政権。株価が上がっても株を持ってる人は外国人が多い。海外投資家が資金を引き上げれば地獄が待っている。国民の財産を使って国富を垂れ流しただけだ。

日本の高度経済成長期、消費活動を支えたのは中間層だった。でも、アベノミクスは格差を広げるだけで、中間層は貧困層へ転げ落ちている。安倍内閣は、法人税の減税や残業代ゼロ、派遣労働の増大・固定化につながる法改正には力を入れるが、経済的弱者を救い上げる発想はなきに等しく、個人消費が伸びないのは当たり前。富裕層が増えればおこぼれが庶民にまわる?それは企業経営者にモラルがある国の話だ。他の先進国ではあり得ない、過労死、サービス残業がこれほど問題なっても労働環境改善に動かない経団連を見れば、トリクルダウン(富がしたたり落ちる)などこの国では実現しない。企業では役員報酬ばかりが増え、富の再分配がまともに機能していない。消費税は全額が社会保障に回されるはずなのに、消費税を8%にして、政治家が最初にやったのが国家公務員の給与上げ。国会議員の給料は月額26万円、年間で421万円の引き上げとなった。

〔関連 2年間で正社員42万人減少 非正規167万人(派遣37万人)増加〜正社員採用を減らし非正規に置き換える傾向に歯止めがかからず〕(中日新聞参考)
→非正規雇用が増えた原因の一つは、「団塊の世代」が定年退職し、アルバイトなどに就く人が増えているため。12年7〜9月と14年同時期で比べると、65歳以上の非正規は約60万人増えた。その一方で、同期間に「働き盛り」である25〜44歳男性の正規労働者が約50万人減り、逆に非正規労働者は約20万人増えている。企業が人件費削減のために正社員採用を減らし、非正規に置き換える傾向に歯止めがかかっていないことを物語る。非正規の中でも特に不安定とされる派遣労働者の数は、2年前から37万人増えた。派遣会社と雇用契約を結び、派遣先企業で働く派遣労働者は、派遣先の都合一つで契約を切られる弱い存在。秋の臨時国会では、政府が提出した労働者派遣法改正案が審議された。企業が3年ごとに働き手を交代させれば、ほとんどの仕事を期間の上限なく派遣労働者に任せられるようにする内容。衆院解散に伴い廃案になったが、自民が圧勝して次期国会で成立すれば、派遣労働者はさらに増える。
今年7月の有効求人倍率は1.1倍だけど、正規社員の求人倍率に限れば0.68倍に過ぎず、求人統計を押し上げているのもパートなどの非正規雇用。第2次安倍政権が発足した2012年12月、正規社員数は3330万人いたのに、今や3307万人と20万人以上も減っている。一方、1843万人だった非正規は1939万人と約100万人増えている。

〔東洋経済ON LINE「衝撃のGDPは、過度な円安誘導政策の結果 」より〕
→(米国では富が偏り)2013年の時点で、物価を考慮した実質の最低賃金は1970年代の水準を下回っているというのに、主要企業の業績は最高水準となり、企業トップと従業員の所得格差は1990年代半ばの120倍から270倍へと急拡大しています。「リーマンショック後の景気回復過程での所得増の9割は、上位1%の富裕層が得ている」という試算もあるくらいなのです。カリフォルニア大学バークレー校のエマニュエル・サエズ教授によると、「金融危機以降、上位1%層の所得は31%増えたが、残る99%の所得の伸びは0.4%にとどまった」といいます。毎年の物価上昇率を考慮すると、残り99%は実質賃金がマイナス10%になってしまうほどなのです。過剰な金融緩和と株主資本主義が結び付くと、このように恐ろしい社会が到来することになります。イエレンFRB議長は直近の講演で、「上位5%の富裕層に富の6割以上が集中している」と警鐘を鳴らしていますが、私はこの点だけでもウォール街寄りだったバーナンキ前議長より評価しています。今後の彼女の金融政策の行方に期待したいところです。
日本でも雇用のおよそ7割を中小企業が占めているので、中小企業が豊かになる政策を考えなければならないのです。みずほ銀行産業調査部の推計では、円安が10円進むごとに、上場企業は2兆円の増益になるが、中小企業は1兆3000億円の減益になるということです。安倍政権発足後、30円の円安が進んだところで、日銀の追加緩和によりさらに円安が進んでいるので、大企業と中小企業の格差はいっそう拡大することになるでしょう。(以上)

//アメリカ出身の著名投資家ジム・ロジャーズ氏(72)は、歯に衣着せぬ物言いで知られている。氏は一貫してアベノミクスに警鐘を鳴らしており「投資家としては安倍氏に感謝しているが日本人が心配」と、数度にわたってインタビューで語っている。以下、近年の代表的インタビューを紹介。

〔その1 ジム・ロジャーズ氏「安倍に成績を付けるとすればF(落第)」2013.6
「私が日本株を買ったのは、アベノミクスを評価してのことではありません。日本国民は株価が上がったことでアベノミクスを歓迎しているようですが、巨額の財政出動は、根本的な問題解決ではなく、先送りに過ぎない。長期的に見れば、円安は止められなくなり、通貨の価値は下がり続けるでしょう。日本経済の見通しは、けっして明るくないのです」
「それなのになぜ、私は日本株を買ったのか。私を含め、今、日本株を買っているのはプロの外国人投資家たちです。経験豊富な彼らは、その国がどこであれ、政府が紙幣を刷ると発表すればすぐその国の株に食いつく。金融緩和がなされれば、株価が上がることを経験上知っているからです」
「確かに、株価は急上昇している。潤っている人は多いし、みんな幸せを感じている。でも、これはあくまで短期的な影響なのです。日銀はインフレターゲットを2%としていますが、政府がインフレ率をコントロールすることはまず不可能。歴史的に考えても、インフレを起こしながら通貨の切り下げに成功した国を、私は見たことがない。いずれ、実際の物価上昇率は政府の当初の想定よりも遥かに高くなるでしょう。そして円安が進み、通貨の価値は下がっていく。すると、何が起きるか。今は、アベノミクスによって、円は25%も価値が下がり、輸出関連産業は息を吹き返しました。しかし、日本は食料、石油、銅、綿など、多くのものを輸入に頼っている国家です。円安が止まらなくなれば、それらの輸入価格がどんどん上がっていく。インフレが起こり、物価が上がって日本国民の生活はどんどん苦しくなることは必至です。これまでの歴史を振り返ってみても、無制限に印刷された紙幣が、どれだけ最悪のインフレを起こしてきたか、想像するのも恐ろしい。安倍首相にはそれが見えないのか、あるいは見ないふりをしているのか…。借金とインフレに基づいた経済システムは、いずれ崩壊するでしょう」。

〔その2.ジム・ロジャーズ氏「安倍に成績を付けるとすればF(落第)」2014.3
>アベノミクス2年目をどう思いますか。
「安倍氏は大惨事を起こした人物として歴史に名を残す事になるでしょう。これから20年後に振り返った時に、彼が日本を崩壊させた人物だと皆が気づく事になるでしょう。アベノミクスには3本の矢がありますが、3本目の矢は日本の背中に向かってくる。日本を崩壊させる事になるでしょう。紙幣を刷る事と通貨価値を下げる事で経済を回復させる事は絶対に出来ない。長期的にも、中期的にさえ無理です。ただ借金だけを積み重ねる手法は過去に機能した事はありません」
>株価は上がりました。矛盾していませんか?あなたは、安倍さんは良い仕事をしていないと言いながら…。

「今から20年後に振り返った時に、安倍氏は日本を崩壊させたと気づくと私は言ったのです。現段階では、あれだけの紙幣を刷り、それは株式投資家には素晴ら しい事だ、株式投資家は天国だと思っている
でしょう。刷ったお金はどこかに行き着きますから。一つ、安倍氏が行った良い事は、日本の株式への投資を非課税 にすると言う政策です。それは過去に行ったほとんど全ての国で
うまく機能しています。今後2〜3年の内に、株式市場が上昇する要因は既に多く見られる。そ れは20年後に「彼を日本を崩壊させた」と言うのは次元の違う話です。崩壊
は一晩では起こりません、時間がかかるのです。そして株式市場も一晩では倍にな
りません。それにも時間がかかるのです。
>習近平氏と安倍氏にどんな成績をつけますか。
「安倍氏は、F(落第)ですね。習近平氏は、おそらく現段階ではBですね。この質問は、また5年後に聞いて下さい」

〔その3.ジム・ロジャーズ氏「日本は減税をして消費を増やした方がいい」2014.11
「日本株の上昇はまだしばらく続くと思う。だから、今は売るよりも、まだ買い増しのチャンスを待っている状況だ」
「安部総理は投資家に対してはいい仕事をしてくれている。しかし、長期的な観点から見ると日本の債務は非常に多く人口も減っていく。彼のやっていることは日本を破滅させる方向に導いているようにも見える。子どもたちへは、他の国に移住するよう勧めたい」
「消費増税はするべきではない。逆に減税をして消費を増やした方がいい。カットしなければならないのは政府の支出の方。人口が減る中、無駄な公共投資はやめて債務を減らすべき。」
>歴史的に類を見ない規模の金融緩和が株高を演出してきた世界のマーケット。その結末は、リーマンショックをも超える悲劇だと予言している。
「行く末を考えると恐ろしいし、みんなそのように考えておくべき。最悪の結末が待っている。2017年か、それとも2016年。状況が変化した時、リーマンショック以上の悲劇が起こりうる。生き抜くために、その時に備えておくべき」



★うちでの小づちでもあるのか?…『安倍氏の大盤振る舞いリスト@国民の血税』
安倍政権は「消費税率を10%にしないと子育て支援金が3000億円不足する」とメディアで宣伝する一方、海外には何兆円も援助している。“支援”はカンパ。ODAは贈与と融資がある。円借款は融資。毎年のように債権放棄があり、実際にどれくらい返ってくるのか不明。以下、これまでに分かっている大盤振る舞いリスト。

中国にODA…300億円
モザンビークにODA…700億円
シリアに無償支援…3000億円+59億円
ラオスに円借款…90億円
ASEANにODA…2兆円
インドに円借款…2000億円
ミャンマーに円借款…600億円
ウクライナに無償支援…1500億円
バングラデシュにODA…6000億円
ミャンマー…過去の5千億円もの債権が放棄され、これと別に借款500億円、無償援助500億円の新たな支援表明
ベトナムにODAと円借款…ODA6000億円、円借款960億円。日本企業関係者へのキックバックがバレてベトナム政府と関係悪化、ODA一時停止
アフリカに支援…3兆円
アメリカ国債購入…50兆円
米国にリニア…5000億円+リニア技術(無料)
パプアニューギニアにODA…200億円
世界銀行に拠出…5000億円
オーストラリア…最先端潜水艦技術
キルギスに円借款…120億円
日本国内…消費税10%へ

※日本のODA債権放棄
2003年度 1088億円 (ボリビア、バングラデシュ、タンザニア等7カ国)
2004年度 1699億円 (ガーナ、ニカラグア、バングラデシュ等17カ国)
2005年度 9683億円 (イラク、ナイジェリア、ザンビア等18カ国)
2006年度 1523億円 (タンザニア、マラウィ、バングラデシュ等19カ国)
2007年度 218億円 (バングラデシュ、シエラレオネ、ネパール等9カ国)
2008年度 2860億円 (イラク、バングラデシュ等、ネパール等8カ国)
2009年度 76億円 (ブルンジ、スーダン、アンゴラ等5カ国)
2010年度 164億円 (リベリア、セーシェル)
2011年度 996億円 (コンゴ民、トーゴ)
2012年度 1153億円 (スーダン、ミャンマー)
2013年度 2192億円 (コートジボワール、ミャンマー、ギニア)

リンク先の筆者は、他国の債務は2兆円以上も放棄するのに、日本人学生の奨学金滞納には厳しく当たっている政府に怒っている。僕も同感。



★安倍氏のヘイト体質に対する異議

(1)11/20夜、20歳の大学生が小4と偽って「どうして解散するんですか?」という名のサイトを開設し政権を批判した。彼の成りすましが発覚すると、安倍氏はフェイスブックに「批判されにくい子供に成りすます最も卑劣な行為だと思います」と怒りをぶちまけた。この大学生は「NPO法人・僕らの一歩が日本を変える」の代表理事であったが、まだ20歳の大学生だ。ちょっと前まで10代であり、その若者を一国の首相が「最も卑劣な行為」と糾弾することの異様。僕が安倍氏なら、最高権力者がそんな批判をすれば若者(既に名前も明らかになっている)が将来にわたってバッシングを受けると考え、気持ちを抑えて諭す書き方をする。国のトップが使う「最も卑劣な行為」という言葉は、テロリストや殺人犯に使うものであり、民間人同然の20歳の若者に軽々しく叩きつける言葉ではない。脳科学者の茂木健一郎氏はツイッターで「若者が、“小学4年生のふり”をして、大コケした、というだけの事件。若者はもともとそういうものだと、僕は思う。若者はやらかす。それ以上でもそれ以下でもない。一方、いろいろ深読みしたり、陰謀史観を唱える大人は、論理的思考や冷静な推論が欠けていて、その方がより深刻な問題かもしれない」と事件を評し、「スティーブ・ジョブズ氏も若い頃いろいろやらかしていた」「日本にはこのような(行動力のある)若者が必要」と擁護した。結局安倍氏はその書き込みを削除したが、次の新たな問題が起きていた。

(2)安倍氏(もしくは秘書官)は“小4成りすまし騒動”のソースとして、いわゆるネトウヨ・ブログの代表格『保守速報』をフェイスブック上でリンク付きでシェアし、その後に批判を受け、慌ててリンクを外した。よりによって『保守速報』!2ちゃんねるから過激な差別書き込みを選択してブログにまとめている『保守速報』は、名誉棄損等で2200万円の損害賠償請求を起こされている。デマのコピペ数やアクセスの多さから最悪のヘイトスピーチ・サイトとされ訴訟中の『保守速報』を、世界第3位の経済大国の首相の公式アカウントがシェアするなど“悲報”以外の何物でもない。2年前に片山さつき議員がツイッターで「(ヘイトブログの)ハム速を守ろう!」と書き込んだときも目眩がしたが、今回は首相公式アカウントということで破壊力は比じゃない。
※そもそも、ネットのデマや誹謗中傷に対し、安倍氏には文句を言う資格はない。なぜなら、「東電原発のメルトダウンは菅氏が海水注入を止めたせい」(注・実際には海水注入は続いていた)と最初にメールマガジンで嘘を流したのは安倍氏であり、菅氏は無関係と真相が判明した今でも安倍氏はメールマガジンを削除していない

(3)そしてこれらの騒動が広がるにつれ、さらなるトホホ案件が発覚した。安倍氏はフェイスブックに反対意見を書き込んだ一般人を次々とブロックし、ネット上で事実上の言論弾圧を行っていたことが判明したのだ。あくまで意見を述べただけなのに、首相が国民の声をブロックするとは何事か。リンク先では次のやり取りが。「安倍晋三のFBのコメント欄には人種差別発言が多いので、“管理人(秘書)は不適切な発言を削除しろ”と書き込んだら俺がブロックされる理不尽」「ぼくも同様に、安倍首相のFBのコメント欄のあまりにもひどい嫌韓嫌中発言について指摘したところ、ブロックされました」(作家の盛田隆二氏)。フェイスブックには昨年6月から『安倍総理のブロックに抗議する会』が存在していることも分かった。
この問題は単なる言論弾圧にとどまらない。なぜなら、これまで安倍氏のフェイスブックに投稿された読者の人種差別的なヘイト発言は、安倍氏サイドが選別して残した=“選ばれた”ということになるからだ。本来ならメディアが大騒ぎしてしかるべきものだが、恐れをなしてこの件を掘り下げる新聞はない。
リンク先に掲載されていた、安倍氏のフェイスブックにアップされた読者投稿→
「(反対勢力は)売国奴以外の何物でもない。きっと在日だよ」「日本国内のとりあえず中華料理屋店 韓国料理屋店、関係店をぶっ潰せ」「野生唐物 北京原人を射殺してくださ
い」「中国朝鮮3国もろとも殲滅でいいきましょう」「北京とソウルに、原爆よりえげつない、核物質搭載(劣化ウラン)イプシロンミサイルを打ち込んでしまえ」
これらを削除せず世界中が閲覧できる状態にしている理由は何なのか。

(4)長年ネット右翼と対峙してきた野間易通氏の秀逸レポート2本
・「もはや首相自体が“ネトウヨ”である…安倍“ヘイト”政権が誕生した日」。2ch等の匿名を利用して伸長した、ネット右翼の15年を俯瞰。その昔、2ちゃんねるでも差別用語を書き込んだ人に対し、注意したり諭す人がいた。それもあって、ヘイト発言は自然と淘汰されていくはずだという「楽観論が支配していた」のを僕も感じていたし、「そうあるべきだと誰もが考えていた」のも同感。それから15年、ネット上はあらゆるSNS上において匿名ユーザーによるヘイトスピーチと悪意が蔓延するディストピアとなった。ネット右翼はこの悪意のシステムを利用して伸長し、「ついに政権中枢にまで影響を及ぼしているのが2010年代の日本なのだ」。
・「安倍首相と在特会元幹部 “ツーショット事件”は偶然ではない」。コリアタウンの鶴橋で拡声器を持ち「劣悪な朝鮮人」とヘイトを垂れ流した在特会元幹部・増木重夫が立ち上げたNPO法人「教育再生・地方議員百人と市民の会」の顧問に、国家公安委員長の山谷えり子、“ヒゲの隊長”佐藤正久、秘密保護法で強行採決の音頭をとった西田昌司、民主党の極右・松原仁らが名を連ねていることを知り衝撃。

(5)最後に、超ヘイトスピーカーの神社宮司と安倍氏の親密な関係について。奈良県吉野山の吉水神社の佐藤宮司はブログの中で「共産支那はゴキブリと蛆虫、朝鮮半島はシラミとダニ。慰安婦だらけの国」「日本人で韓国に観光に行ったり、韓流ドラマや韓国人の歌を聴く者は『馬鹿かアホ・ボケ・カス・スカタン』しかいなくなった」「(中国人が)わが国を食いつぶす日は近いと思います。ダニも最初に退治しないとどんどん増殖します」とおぞましい発言を続け(『サンデー毎日11月23日号』)、これらブログ記事をまとめた佐藤宮司の書籍に、安倍氏は「魂の日記」「戦後失われた日本人の誇りをテーマ」「自分の国は自分達が守らなければならないという強い意志」と推薦文を寄せた。安倍氏と佐藤宮司の親密さが見て取れる。吉水神社は世界遺産に指定されているが、宮司の酷い言動により、ネットでは「世界遺産の資格なし」と糾弾されている。



★赤サンゴ中国密漁船に対する甘さに異議

2014年9月から小笠原諸島周辺に中国のサンゴ密漁船が多数押し寄せている問題で、海上保安庁は全国から複数の巡視船を現場海域に追加派遣し、11/21未明から一斉摘発に乗り出した。これまで外国漁船を領海外に追い出すことを優先していたが、夜間に集中的に操業するなど密漁が悪質化していることから、積極的に漁船を拿捕(だほ)して摘発する方針に切り替えたとのこと。
太田国土交通相は「24時間体制で取り締まるため態勢を強化した。夜間の監視を強めるよう指示した」と述べたが、9月15日は17隻だったのが、10月31日に212隻に膨れあがったのは、安倍内閣がロクに対策を練らないからだ。太田氏は半月前の180隻から既に40隻程度に減っていると言うが、完全に強化策は“遅きに失する”としか言いようがない。
ニュース番組には密漁船に根こそぎ引っかき回され、砂漠のようになった海底が映っていた。生態系が回復するまで膨大な時間がかかり、ヘタをすると環境が変わって以前の状態に戻らない海域もあるという。
この件で安倍政権は呆れるほど無策ぶりを発揮。尖閣のような係争区域ではなく、完全に日本の領海なんだから、それこそ海上保安庁と海自が連携して、初期段階で徹底排除していればこんな事態にならなかった。不思議なのは保守論客。民主党政権の時は尖閣漁船問題で“中国に弱腰”と散々に罵倒していたのに、安倍氏への批判は殆ど聞こえてこない。もし同じことを民主がやっていたら、小笠原海域を守れなかった無能政権として、ネット、週刊誌で、徹底的に糾弾されていただろう。街宣右翼だって、こういう時に政治家に働きかけなくてどうする。尖閣に上陸したみたいに、船をチャーターして密漁阻止に動けば言動一致になるものを。どうするんだよ、ボロボロになった海底…。
※地元漁師たち「中国の漁船が最初20〜30隻ほどだったときに政府が動いてくれれば、こんなことにはならなかったと、みんな怒っていますよ」。



★安倍内閣のカルト大臣面々に対する異議

2014年10月末、帰国した僕は新しい安倍改造内閣の顔ぶれを見て絶句した。閣僚19人のうち15人が国内最大の右翼団体、『日本会議』のメンバーだったからだ。日本会議は改憲推進団体で石原慎太郎なども属している。彼らの思想のベースは日本の侵略戦争を「正義の戦争」だったと美化する“靖国派”の歴史観。活動内容や目的は
(1)愛国心教育の強化。日本軍の加害行為の教科書記載を「自虐的」として削除
(2)新憲法の制定
(3)天皇を象徴から国家元首へ
(4)歴代首相に靖国参拝要求、また靖国への「二十万人参拝運動」を展開
(5)国民に「国防の義務」を課す
(6)集団的自衛権の行使支持
(7)靖国神社に代わる無宗教の「国立追悼施設」建設反対
(8)女系天皇に反対
(9)「夫婦別姓法案」に反対(「ストップ!夫婦別姓」集会に女性閣僚の高市、山谷、有村、稲田各氏ら日本会議メンバーが参加して意見表明)
(10)ジェンダーフリー(性差別の廃止)や男女共同参画の動きを「男らしさや女らしさを否定する」ものと批判、等々。
公式WEBには「行きすぎた権利偏重の教育、わが国の歴史を悪しざまに断罪する自虐的な歴史教育、ジェンダーフリー教育の横行は、次代をになう子供達のみずみずしい感性をマヒさせ、国への誇りや責任感を奪っています」と記述。権利偏重の教育?欧州の激しいデモやストに比べれば、日本人はおとなしい羊同然で権利を主張しなさすぎるし、歴史を反省するのは未来に教訓を生かすためだし、先進国では当たり前のジェンダーフリー教育を“横行”と批判しているところに、時代錯誤、前時代の価値観を感じる。

日本会議は1997年に「日本を守る会」と「日本を守る国民会議」という二つの右翼団体が合体して発足した。2013年2月時点で231人の国会議員が加盟しており、自民党議員のほか、民主党の前原誠司、松原仁、長島昭久、原口一博、次世代の西村眞悟、中山成彬、山田宏、中野正志、維新の松浪健太、旧みんなの渡辺喜美などが加盟している。「日本会議地方議員連盟」には約1700人が参加し、地方議会で「憲法改正の早期実現を求める意見書」を採択させる先頭に立っている。議会で過激なタカ派発言をしてニュースになる議員は、僕が見る限りだいたい日本会議所属。個人会員は約3万5千人、全国47の都道府県本部のほか、約230支部があるなど、そこいらの右翼団体など比較にならない一大右翼組織だ。
※残念なのは千利休の子孫、裏千家の前家元15代・千玄室が代表委員になっていること。利休は秀吉の朝鮮出兵に反対して切腹となった気骨のある男。一方、15代は朝鮮を植民地化した大日本帝国を正当化する日本会議に所属…利休が草葉の陰で嘆いている。
※救いがあるとすれば、自民の全議員約400人のうち、日本会議メンバーは約250人であり、まだ約150人ほど残っていること。安倍、麻生という首相、副首相が日本会議メンバーであるだけでなく、内閣19人のうち15人がメンバーとなれば、明らかに日本会議に入った方が党内で出世できるのに、それでもまだメンバーにならない自民議員が半数弱いる。これは希望だ。自民政権なら自民政権で、せめてこの150人から組閣して欲しい。

日本会議についてはリンク先『日本会議を潰さなければ、日本に未来はない』にいろんな意見が出ているので参照されたし。この“てきとう”さんのブログは、青文字が右派、黒&緑文字がリベラルになっている。その中である人が「過去に世界大戦を引き起こした実例があるので破防法の適用もやむなしと思う」と書き込んでいるだけど、“ホント、コレ”って感じ。もちろん当時は日本会議はまだないけれど、70年前に日本を破滅一歩手前までボロボロにし、310万人も国民を死に追いやった連中が持っていた価値観と被る部分があまりに多く、危なっかしいので政権中枢から出て行って欲しい。

【追記】上記の“てきとう”さんのブログについて、一点だけ語句の説明。スレッドに何度か「ネトサポ」という単語が出てくる。これは自民党のネット工作部隊であるネットサポーターズクラブのこと。役員代表は衆院議員で自民党ネットメディア局長の平井卓也(56歳)。平井議員は昨年の参院選でニコ生・党首討論の際、社民党の福島瑞穂党首(当時)が発言した際に「黙れ、ばばあ!」、維新の橋下代表の欠席が伝えられた際には「橋下、逃亡か?」などとスマートフォンで書き込み、安倍氏の発言に対しては「あべぴょん、がんばれ」など肯定的なメッセージを送っていた(東京新聞2013.6.29)。56歳が“あべぴょん”ですか…。


●日本会議所属、カルト系右翼議員の問題点

今年10月、アジア太平洋経済協力会議(APEC)の際の日中首脳会談実現に向けて調整しているさなか、高市早苗総務相、山谷えり子拉致問題担当相(国家公安委員長)、有村治子・女性活躍相の3閣僚が靖国神社の秋季例大祭で参拝した。内閣改造後、例大祭に安倍内閣の閣僚が参拝したのは初めて。この3人は右翼の日本会議に所属し、男性議員も顔負けのタカ派。中にはカルト宗教やネオナチから人気がある議員もいる。どうすればこの3人の暴走を止められるのか…。

〔高市早苗・総務大臣〕
日独の修好通商条約締結150周年を記念し、2011年に自民党執行部は「戦争への反省」に言及した「日独友好決議」案への賛成を決めていた。ところが高市氏は日独友好議連がまとめた原案に「(日独)両国は、侵略行為により、近隣諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与え」と書かれていることに反発。これに続いて他の日本会議メンバーも反対し、「侵略行為により」の文言は「戦争状態に入り」に変更された。それでもまだ衆院本会議では下村博文議員(日本会議)ら40人以上の自民議員が反対・退席を選び、参院に至っては決議案の提出自体が見送られた。この件について日本会議事務総局は、「大災害(震災)の対応に全力を尽くすべきこの時期に、日独両国の歴史を断罪する国会決議の強行に断固反対します」「『友好増進』に名を借りて日独両国を『侵略国』として再定義することが隠されたねらい」と声明を出した。

特筆したいのは一方のドイツの対応。ドイツ連邦議会が同年に可決した「独日外交関係樹立150周年決議」には、「ドイツと日本はそれぞれ侵略と征服のための戦争を遂行し、戦場となった近隣諸国の人々に甚だしい惨禍をもたらした」と明記されている。ほんと、国際社会に対して恥じ入る。反省できない国とできる国の差が、このような違いとなって表面化するとは。
高市氏がナチス・ドイツを崇拝する団体「国家社会主義日本労働者党」の代表・山田一成氏(52)と一緒に写真に納まったのは、この決議案騒動の直後。カギ十字を掲げるネオナチ山田代表のポリシーは「日本民族の優秀性を確認し血の純血を保持」「ホロコースト(ユダヤ人大虐殺)はつくり話」。高市氏とツーショットを撮った日に、安倍氏の側近・稲田朋美議員と、秘密保護法強行可決の旗振り役だった西田昌司参院議員とも記念写真を撮っている。発覚後、高市、稲田、西田の3氏とも「付き合いは全くない、何をしている人物か知らなかった」と弁明したが、問題はどうして722人以上もいる国会議員の中で、ネオナチ山田代表から「この3人と撮りたい」と思われたかだ。なぜ他の719人ではなく、この3人なのか。ネオナチに好まれる言動を3人が行っているからであり、現に山田代表は嬉々として記念写真をHPにアップしている。マスコミはそこを追及すべきなのに問題を掘り下げない。吉田徹・北海道大准教授(欧州比較政治学)いわく「ドイツではナチスを肯定する言説だけで罪になり、フランスでは歴史修正主義を公に発言すると法に抵触する。ナチスの思想信条を是とするような人と写真を撮る現役の政治家はいない」。
高市氏は震災関連死3000人以上にもかかわらず「原発事故で死んだ人間はいない」と言い放ち、発言を撤回・謝罪したが、問われたのは言葉ではなく、弱者の視点になれない政治家としての資質。高市氏は現在、総務大臣。総務省は電波を抑えておりテレビ局は頭が上がらない存在。テレビ局は顔色を伺ってヌルい報道ばかりやっているのか。

〔有村治子・女性活躍相〕
昨年の参院選で“日本会議推薦候補”として当選。夫婦別姓に反対、妊娠中絶に反対、女性宮家の創設に反対、そして女性の社会進出を否定する日本会議系の「日本女性の会」の副会長をつとめ、“子どもを産んだら傍で育てないと発達障害になるから、共働きをせず家にいろ”と強要するトンデモ理論「親学」を推進する親学議員連盟にも所属。国会では「有村大臣はエッセーに『共働きの両親の子供は数十年後におかしくなる』と書いている」と追及された(有村氏は否定)。明らかに育児中の女性の社会進出に否定的な立場なのに、女性活躍大臣とはこれいかに。※参考

〔山谷えり子拉致問題担当相/国家公安委員長〕
山谷氏は2012年、韓国側が「慰安婦」記念碑を設置した米東部を自ら訪問し、現地市長らに記念碑撤去を求めるなど、直接行動を起こしているゴリゴリの右派。そしてまた、山谷氏は霊感商法で問題になっている統一教会から選挙の応援を受ける密接な関係が指摘されている。2010年に民主党の有田芳生議員が公開した統一教会の内部文書には「山谷先生、安倍先生なくして私たちの“み旨”は成就できません」とあった。“み旨”とは教祖の意思を現実にすること。山谷氏と安倍氏という2人の実名があがっていることに僕はブッ飛んだ。

 
有田議員を普段から叩いているネット右翼も、この証拠画像(ツイッターより)に関してはタブーなのかダンマリ。

山谷氏については、今月から秘密保護法が施行されることもあり、肩書きが国家公安委員長だけに他の右派議員とは比較にならぬほど危惧している。
リンク先のブログ記事『山谷えり子をなぜ放置するのか』が、差別主義者・在特会幹部との記念写真事件についてよくまとめているので要点を以下にまとめさせて頂いた。
・山谷えり子はヘイトスピーチ団体「在特会」との密接な関係を暴露されたのだが、その報道に対する姿勢はウソとごまかし、開き直りに満ちたもの。山谷は「週刊文春」で在特会関西支部長だった増木重夫氏と20年来の付き合いがあることを指摘され、一緒に写った写真が誌面に掲載された。ところが「文春」の取材に山谷は「ザイトクカイってなんですか?」と会の存在そのものを知らないふりをし、増木氏についても「在特会の人とは知らなかった。政治家なので写真をといわれれば撮る」と関係を完全否定。
・その後、山谷と増木氏の関係を物語る証拠が次々出てくる。増木氏のHPに別の日に議員会館で山谷と一緒に撮った写真や、親しい関係を物語る日記も存在していた。〈山谷先生の宿泊されているホテルへ押しかけ、少々遅い「夜明けのコーヒー」。諸々の事案を相談。いつものことながら、先生ハイテンション。あのエネルギーはどこから来るのか。「えりこ先生ホの字の会」(勝手応援団)の設立を検討中。〉
・山谷には在特会の関係者から2010年に2回にわたって献金を受け取っていた事実も発覚。
・日本外国特派員協会で行われた山谷の会見で在特会元幹部との関係に質問が集中した際、山谷は様々な証拠が出ているのに「マスキさんという方が在特会の関係者ということは存じ上げておりません」といつもの回答。これに対して、警察組織のトップである山谷が在特会幹部を「知らなかった」と言いはり、文春のインタビューで「在特会そのものを知らない」と発言したのはおかしい、という批判が複数の記者からとんだ。これだけ国連から問題とされているという団体のことを知らなくて、警察行政のトップが務まるのか、と。すると、山谷は一転して「在特会を知らないとはいっていない」「週刊誌のやりとりは事実ではない」と、今度は「文春」の記事を捏造よばわり。
・怒った「週刊文春」は山谷とのやりとりを録音したテープを「週刊文春デジタル」にアップ。そこには、記者が在特会について何度も説明しているのに、「ザイトクカイって何ですか」「私ちょっとよくわかりませんので」と、シラを切り通す山谷の声。つまり「在特会を知らないとはいっていない」というのはウソだった。
・閣僚がこれだけ言を左右し、虚偽をふりまいているだけでも普通なら進退問題。しかもこの会見で山谷はカウンター(アンチ在特会)を引き合いに出して遠回りに在特会をかばった。
・TBSラジオ「荻上チキ・Session-22」のプロデューサー・長谷川裕氏の質問によって、山谷氏が在特会のHPそのまま引用して虚構の「在日特権」を信じていることが判明。
・国家公安委員長が特定のレイシスト団体に明らかにシンパシーをもち、同一の差別思想を会見で口にしたのだ。普通なら、確実に閣僚辞任に発展する話。
・小林よしのり「朝鮮人差別の“在特会”と、朝鮮人・文鮮明教祖の“統一協会”の二股をかけている山谷えり子とは、一体何者だ?」「この山谷を“国家公安委員長”に任命した安倍晋三は、一体何を考えているのか?まったく恐ろしい!日本はカルトに支配されつつあるのではないか?」
同記事は、「朝日問題で、マスコミは完全に安倍政権に対して及び腰になっている。下手に批判したら、自分たちも朝日と同じ目にあう、と。山谷氏や高市氏は安倍氏のお気に入りで、警察やテレビの許認可権をもっているため、ほとんどさわれない」と締めくくっている。

〔もう一人女性閣僚〕稲田朋美・規制改革担当
安倍氏側近の稲田議員は安倍氏の指示を受けた山谷議員からスカウトされて選挙に出馬した。稲田氏は統一教会の関連組織・世界平和連合に関わっていることを自身のサイトで表明している。また、高市議員とツーショットを撮ったネオナチ団体「国家社会主義日本労働者党」の山田代表と、稲田議員もまた記念写真に収まっている。



★公明党が目指す軽減税率(8%据え置き)に失望

「軽減税率、8%が有力=公明代表」…失望。あまりに残念。
選挙演説でも、選挙ポスターでも、公明党の山口那津男代表は「公明党なら軽減税率を実現できます!任せて下ださい!」と自信満々の表情で訴えているから、10%の引き上げにあたって、イギリスや豪州、メキシコのように食品は無税にするなど、生活必需品は大幅な軽減税率を目指してくれるのかと期待していたら、現在の「消費税率8%の据え置きが有力」見通しを示したとのこと。マジなのか。今の不景気は“増税不況”といろんな経済学者が指摘しているし、4月の消費増税が庶民の生活に深刻なダメージを与えていると統計が示している。8%では家計が苦しいままで消費欲は戻らない。“軽減”という言葉を前面に出すのなら、目標を0〜5%にして欲しい。8%なら現状のままだ。



★衆院選候補者:女性の敵ランキング

リベラル系ニュースサイト“LITERA”が、国会議員の女性蔑視発言を集計し、『女性の敵ランキング』を発表。投票の参考になるかと。以下、内容を要約。

・麻生太郎(自民党/福岡8区)
「夜、日比谷公園で女が一人で歩いている。考えられない。しかもそこそこの顔をしているやつでも襲われない。この国はやたら治安が良いんだ」「東京で美濃部革新都政が誕生したのは婦人が美濃部スマイルに投票したのであって、婦人に参政権を与えたのが最大の失敗だった」。失言では済まされない。09年には国会で「私は43で結婚してちゃんと子どもが2人いましたから、一応最低限の義務は果たしたことになるのかもしれない」と、“子どもは2人産むのが義務”と発言。その後撤回したが、「女性は子どもを産む機械」(柳澤伯夫)同様、女は子を産んで当然だと考えていることがありありとわかる。

・平沼赳夫(次世代の党/岡山3区)
10月の衆院本会議で「子どもを産んですぐ保育所に預けて働きに出るというのは、社会に子どもを育ててもらうわけで、そうなると家庭の機能は低下し、乳幼児にとって由々しき問題だ。3歳までは母親との十分なスキンシップが極めて大切である」と発言したが、これは厚労省も「合理的な根拠は認められない」としている“3歳児神話”を論拠にもち出している。次世代の党の政策に「子育て主婦軽視につながる男女共同参画施策をやめます」と明言。

・杉田水脈(次世代の党/兵庫6区)
発言の過激度ではナンバー1、次世代の党で女性局長を務める。今年10月、国会で「男女平等は、絶対に実現しえない反道徳の妄想です」と断言。日本に男女差別は「ない」と言い切り「あるとすれば、それは日本の伝統のなかで培われた男性としての役割、女性としての役割の違いでしょう」「(基本的人権が守られている上に)そこにさらに女性の権利、子供の権利を言い募ると、それは特権と化してしまう」と、絶句するほどの前近代的主張を繰り広げている。夫の稼ぎだけでは一家が賄えない状況や子どもの貧困化といった社会状況を分かっていない。

・下村博文(自民党/東京11区)
女性を家庭に縛り付ける思想の持ち主。06年には「(特にゼロ歳児保育に)税金投入するなら、(母親は)無理に働かなくても、家庭でしっかり子育てをやってもらえるようにシフトしていくことが望ましい」と発言。

・萩生田光一(自民党/東京24区)
読売新聞のインタビューで「“保守政党たる自民党が夜間や休日の保育園を充実することが、本当に子育て世代の応援か”と首相に苦言を呈しましたよ」と発言。子育てと仕事を両立する女性たちが、いかに残業と休日出勤という大きな壁で苦しんでいるかは、想像すれば簡単にわかること。その救済策さえひねり潰そうとしている。

・西川京子(自民党/九州ブロック比例代表候補)
婚外子相続差別撤廃の民法改正について〈法務部会に乗り込み「日本の結婚制度の意味がなくなる」と猛反対〉。西川氏が出席した自民党の勉強会では「正妻の子と愛人の子を同じ扱いにしていいのか」という声が挙がったという(共同通信)。

・稲田朋美(自民党/福井1区)
「保育所増設の政策などをみていると、『ホントに母乳を飲んでいる赤ちゃんを預けてまで働きたいと思っているかな』と疑問に思います」(「諸君!」06年2月号)とワーキングマザー批判。

・高市早苗(自民党/奈良2区)
「男性に一歩譲ることに快感を覚えることだってわれわれ女性にはあるんですよ」(「諸君!」02年3月号)と勝手に女性を代表して差別を再生産しかねない発言。

・石原慎太郎(東京ブロック比例代表候補)
「文明がもたらしたもっとも悪しき有害なものはババアなんだそうだ。女性が生殖能力を失っても生きてるってのは、無駄で罪ですって」。

・西村眞悟(次世代の党/大阪16区)
「核とは『抑止力』なんですよ。強姦してもなんにも罰せられんのやったら、オレらみんな強姦魔になってるやん」「だからボク、社民党の(集団的自衛権に反対を唱える)女性議員に言うてやった。『オマエが強姦されとってもオレは絶対に救ったらんぞ』と」(「週刊プレイボーイ」99年11月2日号)

ピックアップすることをためらう、おぞましい発言の数々。だが自民は全員当選確実と報じられている。



★特定秘密保護法に対する異議

「何が秘密事項に決定されたのか秘密」「秘密指定から30年以下の文書は首相判断で廃棄可能(証拠隠滅)」「チェック機関は政府内にあり身内が身内をチェック」「情報を不当に隠した政治家や官僚を処罰する規定なし」「秘密指定の是非を国民が判断できるのは60年先」「不当な秘密指定を暴く内部告発であったとしても、秘密そのものを伝えた内部告発者は逮捕」…2014年12月10日、「21世紀の民主国家が考えたなかで最悪の部類に入る法律」(米元政府高官M・ハルペリン/オープン・ソサイエティ財団上級顧問)と批判された特定秘密保護法が施行されるた
安倍氏は先日の『NEWS 23』で「(秘密保護法によって)もし言論の自由が妨げられるなら私は首相を辞めます」と言ってたが、これは安倍氏の辞任で帳消しになるレベルの話ではない。コロコロ変わる総理の首と、「近代民主国家の一丁目一番地」である、「国民の言論の自由」が同じ重さとでも思っているのか。首相辞任と引き換えに許されていい問題じゃない。

同法が秘密対象にしているものは「国民の生命及び身体の保護」「自衛隊の訓練」など抽象的な書きぶりで、何を指しているかが曖昧。解釈の仕方でなんだって秘密になる。政府は「報道・取材の自由、国民の知る権利に十分に配慮する」としているが、新聞記者が情報を漏らすように働きかけると懲役5年の罰則があり、取材する側も、される側の公務員も、罰を恐れて国民に情報が届けられなくなる
米国では市民が直接に政府機関に秘密解除請求できるが、日本では市民に秘密解除の請求権がない。政府が新たに作った「内閣保全監視委員会」「独立公文書管理監」「情報保全監察室」は、どれも強制力がなかったり、政府から完全に独立しておらず、身内が身内を調べる甘いシステムになっている。
結局、強行可決から一年経っても問題が山積したままの法律であり、11/14に共産、社民、無所属の山本太郎、糸数慶子議員(沖縄)が秘密保護法「廃止法案」を提出し、11/18に民主と維新が共同で秘密保護法「施行延期法案」を提出した(いずれも衆院解散で廃案)。

冒頭にも書いたけど、首相が勝手に機密書類を廃棄可能という条文は悪夢そのもの。情報公開を重視する欧米ではありえない。これでは後世の国民が政府の行動の是非を判断しようとしても、歴史検証が不可能になる。都合の悪い秘密は後世の審判を受けることなく葬り去られる。なんでこんな中世のような悪法が現代日本で施行され、国民はノホホンと受け入れているのか
今後、集団的自衛権の行使で自衛隊が海外に出て行くことになっても、根拠となった情報が特定秘密に指定され、国会に開示されない可能性が大きい。政府内の議論の過程が秘密保護法の対象になるため、国民は政府の判断(海外派兵)が正しいのかどうか判断できない。日本の針路を定める決断に際し、誰がどのような情報をもとに決定したのか、国民は過程を知ることなく政策が決まってしまう。
善意の内部通報者を保護する条項がないのも大問題。内部通報者は“これは違法な秘密指定だ”と思った情報をそのまま内部通報窓口に伝えられるわけではない。概要(大筋)を通報しなくてはならない。要約に失敗した場合、過失の漏洩罪刑罰が与えられる。告発者は懲役10年以下の刑罰にとわれるのに、こんな危ない橋を渡って誰が内部通報するというのか。



★安倍氏が進めるカジノ解禁法案に対する異議

刑法が禁じているカジノ賭博を合法化する「カジノ解禁法案」。安倍政権は同法案を成長戦略の目玉の一つと位置づけている。超党派の推進派議員224人でつくる「国際観光産業振興議員連盟」の最高顧問は2014年まで安倍氏だった(国会で問題視され退会を表明)。
『カジノ解禁法案』の危険性については朝日(2014.10/11付)の高橋編集委員のコラムが分かりやすかったので以下に引用&紹介
「カジノ解禁 百害、古今の失敗に学べ」
カジノ解禁をめざす「国際観光産業振興議員連盟」(カジノ議連)の皆さまへ。カジノ解禁は決して日本を幸せにしないと確信し、一筆申し上げます。カジノとは賭博場に他なりません。真っ先に危惧されるのは、ギャンブル依存症の増加です。これは日本人を締め出そうと締め出すまいと必然的に起こります。ギャンブル依存は古くから存在する病気です。古代インドのマハーバーラタにも、ギャンブルで全財産を失ってもやめることができず、自分の妻まで賭けに差し出した王の話が書かれています。これが「恐ろしい病気」だと認識され始めたのは近年と言っていいでしょう。ですが、良い治療法は開発されていません。
韓国の江原ランドは、議連の皆さまが目指すのと同じ複合リゾート施設として2000年にオープンしました。翌年に「江原ランド中毒管理センター」ができましたが、担当者は現地を訪れた大阪府議らに「賭博中毒の問題はどんどん深刻になっている」と報告したそうです。「どんなに徹底的な中毒防止策をとっても、家庭崩壊、自殺、地域共同体の破壊などを根本的に防ぐことはできなかった」という言葉には胸が痛みます。
カジノ議連の最高顧問に就いた安倍晋三首相は、参院予算委員会で青少年の健全育成などへの悪影響を指摘され、最高顧問は辞めると答弁しました。しかし、経済効果があるという考えは変えていません。統合型カジノを導入しても経済が活性化しなかった先例をご存じないのでしょうか。米国は州によって法律が違います。東部のニュージャージー州は1976年、衰退するリゾート地のアトランティックシティーの活性化のため、ここに限りカジノを合法化しました。次々に大型カジノ施設ができ、昨年には12のカジノが営業していましたが、今年に入り閉鎖が相次いでいます。9月までに四つがなくなりました。
人口4万人規模の街は結局、平均所得は増えず、貧困率も改善しませんでした。カジノを誘致すれば税収も雇用も増えるという主張は、少なくともアトランティックシティーでは幻想に過ぎませんでした。こうした先例を謙虚に学べば、カジノ解禁は百害あって一利なしと結論づけられるのではないでしょうか。議連の議員の皆さまには再考を心からお願いする次第です。(以上)
※ウィキペディアにはカジノ議連の役職リストが掲載されている。これも投票の参考に。自民の次に維新が多い。副会長の一人は公明か…。



★安倍氏が進める労働者派遣法改正案に対する異議

安倍政権&厚労省が成立を目指す「労働者派遣法改正案」は庶民にとって「正社員ゼロ・ずっと派遣法」といえる空恐ろしいもの。簡単にいうと、『企業は労働者を3年ごとに入れ替えれば、どんな仕事でも永久に派遣に任せられる』というもの。
経営者にしてみれば、ボーナスも、退職金も、保険も必要ない派遣労働者を雇えば、人件費を大きくコストカットできる。しかも派遣は簡単に解雇できる=待遇が悪くても文句を言ってこないため使いやすい。安倍氏は「アベノミクスのおかげで失業者が減っている」と得意顔で演説しているが、その内訳は正社員がドンドン減って派遣労働者が増えているだけだ。既に派遣は労働者全体の3分の1を超え(38.2%!)、2000万人に達している(2013年時点)。現行法の今でさえそうなのだ。正社員で雇用しなくてOKなら、徹底的に派遣に置き換えるだろう。派遣労働者は「頑張っていればいつかは正社員になれる」という働く希望さえなくなる。また3年で仕事を変わることを迫られ、賃金は新入社員に逆戻り。そして40代になると次がないから無職に…。

正社員の人は「自分は正社員だから無関係」「ウチの経営者は良い人だから大丈夫」なんて言ってられない。ライバル会社が正社員を派遣に入れ替え、削った人件費で商品の値下げ戦争を仕掛けてきたら、真面目に正社員を雇っている会社は敗北してしまう。価格面で対抗するため、善良な経営者も非情になるしかなく、結果、正社員としてあぐらをかいている人も派遣になっていく。たとえ本人が正規でも、孫の世代は非正規の一択になっている。
御用経済学者は「派遣がなくなれば、企業活動が鈍りますます仕事がなくなる」と脅かすが、そもそも小泉・竹中以前は今のような派遣制度がなかったんだよ?たくさん中間層がいたから内需拡大で国が発展した。

派遣になれば正社員の半分以下の給料になり、結婚や子育てを諦める者が増え、少子化はますます進む。また、誠実な経営者ほど競争に負けていくわけで、そんな地獄に日本を変えていこうとする安倍一派は、保守でもなんでもなく、ただの新自由主義者だ。日本の良い部分を破壊していく人間を、保守陣営が担ぎ上げていることが理解できない。
政府は「悪質な業者を排除するため人材派遣業を国の許可制にする」と言っているが、そんなことよりもっと簡単に問題を解決する方法がある。国がハローワークの機能を強化し、ピンハネ率ゼロで直接派遣すればいいのだ。人材派遣は徹底して非営利にする。民間の人材派遣会社のピンハネ率が高すぎることがずっと問題になっているのに、一向に解決しようとしないのは、安倍氏の最大の盟友・竹中平蔵が人材派遣業最大手『パソナ』の取締役会長だからか。
この法案は短期的には日本企業の利益になるかもしれないけど、長期的には必ず衰退を呼びマイナスとなる。その危惧を以下のリンク先がよくまとめている。
〔引用はじめ〕
企業が…
「3年で終わり」とわかっている労働者に、教育訓練をしますか?
「3年で終わり」とわかっている労働者に配慮した安全な作業工程を整えますか?
「3年で終わり」とわかっている労働者の職場の不満に答える努力をしますか?
労働者は…
「3年で終わり」とわかっていて企業に愛社精神を持てますか?
「3年で終わり」とわかっていてその企業のイノベーションを考えられますか?
「3年で終わり」とわかっていて業務に必要なスキルを本気で学ぶでしょうか?
なんとか人を雇い、大切に育て上げようとする誠実な企業は、短期的に大きな利益を上げることはできなくても、日本を長期的に繁栄させる確かな技術を確立し広げてくれるでしょう。しかし、今回の改正はそのような誠実な企業がかけられる時間を奪います。短期的に人を雇用し使い捨てにする企業が、短期的に大きな利益を上げて、誠実な企業を打ち負かすでしょう。技術も身につけられず、景気を循環させるだけの賃金も持ち得ない派遣社員を大量に雇い、次々と使い捨てる。このような企業のあり方を促進する派遣法改正案は結果として、日本の誠実な企業の生き残りを危うくするのではないでしょうか
〔引用終わり〕
この法案は企業が人を育てるという発想がない。愛国者を自認する者ほど、日本を衰退させるこの法案に反対すべきなんだ。集団的自衛権のような国防問題であれば、一般国民の間で各々意見が割れるのも分かる。でも、この“派遣法改悪案”は庶民すべてにとって恐怖の法案なのに、ほとんどの人が大きな危機感を持たず、国会をデモで囲むこともない。それをとても心配していたので、今国会で審議中止になったのなら大いに祝いたい。ただ、政府も厚労省も諦めてはいない。来年の国会でまた出してくるだろう。そのときにはもっと反対の世論を盛り上げていかなくては。



★著名人の勇気に喝采

海外では芸能人もどんどん政治的な発言をするけど、日本の業界人は“長い物には巻かれろ”の精神がこびり付いているのか、安倍政権が憲法や民主主義を軽視しても抗議の声をほとんどあげない。心の中で宮崎監督や元役者仲間・山本太郎の脱原発発言、反秘密保護法に共鳴していても、それをブログやツイッターで拡散するといった具体的行動は起こさない。揉め事になることを極度に恐れている。言い方を変えれば、それほどまでに事務所(芸能プロ)による圧力=言論封じが強烈なのかもしれない。こうした業界体質を、東電原発事故と安倍政権はあぶり出した。それが分かっているだけに、勇気を出して発言する著名人を讃えたい。

・格闘家田延彦さんのツイート
「違憲状態ねえ、 酷いもんだな、議員定数削減などなどホント自分たちには大甘だ、安倍さんはこういう案件にこそ政府得意の閣議決定とやらをドシドシ使いなさいな、秘密保護法や原発再稼働、そして、集団的自衛権問題こそ国民の信を問いなさいな、アベコベだよ」(12/1)
「メディアによると、現政権になってから雇用は100万人増えたが内訳は非正規が120万人増えて、正社員が20万人減ったと、安倍さんが自慢している数字とはコレかな?」(12/1)

  正社員が非正規に…

・吉本芸人たむらけんじさんのツイート
「安倍さん、軽減税率もせなあかんやろうけど、議員の定数削減は公約にせえーへんの? 野田さんと約束してたやん、それが約束で選挙したんやん! 嘘ついたらあかんって教えられたでしょ?そして子供達にもゆうたでしょ? 国民の事アホや思てるんやろな。残念だ」(11/20)

・初代『ゴジラ』で主役を演じた俳優の宝田明さん(80)が12/3にNHKの生放送で反戦メッセージを語り、NHKのアナウンサーが狼狽する場面があったとのこと。記事によると、NHK『ゆうどき』に生出演した宝田さんは、終戦の際に大陸から命がけで帰国。その体験を踏まえ「人間の起こす最も大きな罪は戦争」「戦争を起こしてはいけないというメッセージを発信し続けたい」と戦争反対を主張。「無辜の民が無残に殺されることがあってはいけない。間違った選択をしないよう、国民は選挙を通じて、そうでない方向の人を選ぶ(べき)…」と訴えた。この発言に慌てたNHKの山本哲也アナウンサーは「各自、それぞれが思うことがあるでしょう。いろいろな考え方もありますから…」と遮ったという。
宝田さんは何も変なことを言っていない。戦争にならぬよう有権者は選挙で正しい選択をしようと当たり前のことを主張しただけ。この「正論」にどうして“各自いろんな考え方があるから”と打ち消すようなツッコミが入るのか。元NHK政治部記者の川崎泰資氏いわく「悲しいことだが、安倍政権のメディア介入の“効果”が表れているのでしょう。局内で政権批判自粛のムードが蔓延しているのだと思う。例えば、沖縄の仲井真知事が退任直前に辺野古の工法変更を承認したニュースの扱いを見てもそう思います。本来は民意を裏切る行為であり、トップニュースで扱うべきなのにNHKはマトモに取り上げていない。由々しき事態です」。



★安倍政権のメディア介入に反対〜そしてメディアも簡単に折れるな

自民党が衆議院解散の前日(2014/11/20)、大手テレビ各局に対して、選挙報道の「公平中立」を求める文書を渡したことが波紋を呼んでいる。報道機関に対する政党からの申し入れは珍しいことじゃない。でも、出演者の発言回数・時間や、ゲスト出演者の選定、取り上げるテーマや街頭インタビューの内容など、政権与党が報道の内容にここまで具体的に指示を出した例は前例がない。また、文書を送るという形ではなく、各テレビ局の責任者を個別に呼び出して文書を直接手渡したのも特徴的。
一見、“公平中立を求めるなら良いじゃないか”と思いがちだけど、野党の弱小政党が「巨大与党に有利な報道に偏らないで欲しい」と訴えることと、巨大与党がこのタイミングで「公平・中立」を念押しすることは、意味合いが全く異なってくる。「権力の言うことを聞け」と言えば問題になるため、「公正・中立に」と言い換えているだけだ。与党が報道機関から厳しい目で見られるのは、政策決定権を持っている以上先進国では当たり前。こんな通達を出されては、番組制作者は公平を意識しすぎて政権批判を自主規制せざるを得なくなる。結果的に批判を許さないと言っているに等しい。
自民の「要望書」の内容(写真がリンク先にアップされている)→
・出演者の発言回数及び時間等については公平を期していただきたい
・ゲスト出演者の選定についても公平中立、公正を期していただきたい
・テーマについて特定の立場から特定政党出演者への意見の集中などがないよう、公平中立、公正を期していただきたい
・街角インタビュー、資料映像等で一方的な意見に偏る、あるいは特定の政治的立場が強調されることのないよう、公平中立、公正を期していただきたい
メディア法が専門の田島泰彦上智大学教授「これは、要望という範囲を超えていて“恫喝”という印象を与えかねないもの」「こんな文書を政権与党が報道各社に渡すなんて、欧米の政権とメディアの関係だったらあり得ないです。政権与党に呼びつけられた時点で、(メディア側が)拒絶するのが普通でしょう。時の政権与党がメディアの責任者を呼び出して「恫喝」めいた文章を渡し、テレビ局も、その事実を報道することもなく、黙って従っている。現政権とメディアの関係は、完全な「上下関係」ともいえる段階に来ています。非常に深刻な状況だと思います」(参考リンク)。マスコミは今回の通達に対して抗議キャンペーンを展開し、国民全体に問題提起するくらいの気概が欲しい。

ちなみに、問題の文書を書いたのは自民党総裁特別補佐・萩生田(はぎうだ)光一議員。また超タカ派のこの人か!先日『週刊朝日』はスクープ記事『安倍首相側近らが続々と統一教会詣での“怪”』で、カルト右翼宗教・統一教会主催の10月のイベントで萩生田氏と参院運営委員長・中川雅治議員(秘密保護法を強行採決した委員長)が来賓挨拶を行ったことをスッパ抜いてた。普通は周囲の目を気にして訴訟沙汰になったカルト宗教とは距離を置くもの。萩生田氏は安倍氏の寵愛を受けてもはや怖いものナシなのか、堂々と会場に行っている。現場にいた信者さん「会場には国会議員だけでなく、自民党の近藤充都議なども来賓として出席。信者800人以上が参加していたので超満員でした。国会議員が『今日はこんなにたくさんの方が集まっていただきありがとうございます』『家庭の教育が大事』などと壇上から統一教会に気を使った内容の挨拶をすると、大きな拍手がわき起こりました」(週刊朝日12月5日号)。

メディアへの自民の「要望書」が効いたのか、俳優・菅原文太さんの訃報当日、文太さんが熱心に取り組んでいた「脱原発」「反秘密保護法」「集団的自衛権反対」といった活動を伝えたのは、『報道ステーション』と『NEWS23』のみだった。NHKは夫人のコメントから「日本が再び戦争しないよう声を上げる」というくだりを丸々カットして放送。文太さんに関する自主規制は、翌日のワイドショーでさらに酷いことに。保守路線の日テレ系『スッキリ!!』『情報ライブ ミヤネ屋!』が一切触れないのはともかく、TBS系『ひるおび!』までが映画俳優の足跡だけを特集し、政治活動については全く報道しなかったとのこと

憲法第99条には「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ」とある。どうして文太さんの「護憲」「反戦」がタブーになるのか。改憲を訴える憲法軽視発言がタブーになるのではく、憲法尊重の姿勢がタブーになる異常。安倍氏の再登板からたった2年で、こうも世の中が変わってしまうとは…。
※先日の『朝まで生テレビ!』では、パネリストとして出演予定だったリベラルな評論家・荻上チキさんが直前になってテレ朝から出演を取り消されている。


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日経BP『田原総一朗の政財界「ここだけの話」』から
→(選挙前に自民党からテレビ局に送られた要望書には)出演者の発言回数と時間は公平を期す、出演者の選定には公正中立を期す、特定政党出演者への意見が集中しないようにする、街頭インタビューや資料映像などでも一方的な意見に偏らないようにする、これらが「お願い」する形で書かれていた。これほど具体的な内容は「お願い」ではなく、報道に対する不当な介入ではないか。実際に番組を製作する場合、スケジュールの都合で一部の政党が抜けることもあるだろう。出演時間も発言回数も公平にしようとすればテレビ番組を成立させるのは難しくなる。
実は11月18日夜、安倍首相がTBSの「NEWS23」に出演した際、番組でアベノミクス批判の街頭インタビュー映像を並べたことに対して、安倍首相が強い不快感を示していた。そうした背景があって、20日付で文書がテレビ各局に送られたのかもしれない。朝日新聞が28日付で報じると、日本民間放送労働組合連合会が同日、「政権政党による報道介入に強く抗議する」との連合会委員長の談話を発表した。しかし、在京各局からの抗議が出てこないのは、テレビ各局がすでに萎縮しているせいではないかと懸念せざるを得ない。そうなると、特定秘密保護法の行方が気になる。
「特定秘密」の内容が曖昧であること、法律の運用をチェックできるかどうか不安があることなどが強く指摘されたにもかかわらず、十分な審議を行うこともなく法律は昨年12月に成立した。その後、政府は今年10月に法律の運用基準について閣議決定したが、監視機関の問題一つとってみても、その不安要素は解消されていない。法の運用を監視するために「独立公文書管理監」が置かれるが、同管理監は各省庁の局長よりランクが下の審議官クラスから選ばれる。しかも、内閣府に設置される「情報保全監察室」に属することになり、その独立性が確保できるのか、監視機能が十分に果たせるのか、懸念される。
安倍首相は特定秘密保護法案によって「報道が抑圧されるような例があったら、私は(首相を)辞める」と発言している。しかし、今回のように衆院選報道をめぐり要望書が提出されるような状況を見ると、その言葉を素直には受け取ることはできない。政府は今、メディアに対する規制を強めようとしているのではないか。今回の要望書のようなことが重なると、メディアはどんどん萎縮してしまうだろう。それはとても危険なことである。(元記事



★知られていない民主党の実績

民主党はホント宣伝がヘタ。この実績をもっと大々的にアピールすれば良いのに。→『民主党時代に日本のGDPが成長していたことが判明!「民主党で経済衰退した」はデマ!逆に安倍政権の方が経済弱体化!』(以下リンク先より)
→安倍首相達は何度も「民主党政権では経済が衰退した」と言っていますが、実は民主党政権時代に日本の経済は大幅に成長していました。民主党政権の3年3ヶ月で日本のGDPは5%強も成長したのに対して、安倍政権の2年間で成長したGDPの値は僅かに1.5%だけとなっています。
また、実質賃金に関しても民主党政権はリーマンショック時のマイナス5%から1年でプラス3%に回復させましたこれは東日本大震災の影響も合わせた値で、未だに実質賃金がマイナス状態の自民党政権とは雲泥の差があると言えるでしょう。
しかも、2012年の時に安倍自民党は「円安で貿易を復活させる」とか勇ましい事を言っていたのに、自民党政権になってから28ヶ月連続で貿易赤字を更新しました。自民党は「アベノミクス」をメインに経済政策をあれだけ宣伝していたのに、実際の数字はこのような状況です。
2014年4月には経済を締め付ける消費税増税をしているわけで、誰がどう考えても経済成長なんて無理だと分かります。民主党の行っていた円高政策は物価を過度に上昇させない効果があった上に、その影響で国内経済も安定して成長していました。その逆に進んだ自民党の結果を見れば、失敗は明らかです。総選挙、GDP衰退や超増税、実質賃金低下、物価高騰等がお望みの方は自民党に入れると良いかと私は思います。(以上)

〔追記 大新聞が黙殺している民主党の実績〕
政権交代後、天下り半減!
高校生授業料無償化
非正規労働者221万人に新たに雇用保険の適用拡大
求職者支援法 ※無保険求職者の生活保護者以外の恒久的セーフティネット
非正規労働者の雇用保険への適用条件を緩和
生活保護の母子加算復活
子供手当支給
父子家庭に児童扶養手当支給
医師不足の産婦人科、小児科医などの診療報酬引き上げ
雇用促進税制ー従業員増加で特別税額控除
労働者派遣法改正ー中抜きマージン率などを確認可へ
失業者の国保保険料を大幅に軽減
安倍政権時に暴かれた消えた年金を集中処理で6割解明


2014年4月、アフガニスタンの大統領選にあたって、過激派タリバンは「選挙は茶番であり、我々は認めない。我々こそイスラムに基づく国の
正当な統治者だ」と投票所の襲撃を予告し、実際に死者が250人出た。それでも市民は勇気を出して投票所へ行き、投票率は60%を超えた。
世界には命がけで一票を投じる人がいる。中国のように特定層しか選挙権がない国もある。安全な国にいて棄権なんて、絶対にやめよう。

個人的には秘密保護法と集団的自衛権行使の解釈改憲が最大の争点。“知る権利”は国民主権&民主主義の命綱。
前回の衆院選は若い世代(20代)の投票率は37%しかない。君たちの未来を決める選挙。今回は必ず投票所へ!




(続き)2014衆院選の悲劇:勝てたはずの選挙で自滅したリベラルよ、目を覚ませ!




《時事コラム・コーナー》

★愛国リベラル近代史年表/日本と中国編
★愛国リベラル近代史年表/日本と韓国・朝鮮編
★愛国リベラル近代史年表/日本と台湾編
★愛国リベラル近代史年表/日本とアメリカ編
★愛国リベラル近代史年表/日本と東南アジア編
★昭和天皇かく語りき
★愛国心について僕が思うこと
★日の丸・君が代強制と内心の自由について
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★靖国神社参拝問題@未来志向
★日本のメディアは権力中枢と距離を置け
★なぜ私は原発再稼働に反対するのか
★ヤバ過ぎるぜ!TPP
★日本は平和国家から「死の商人」へ
★残業ゼロが常識になる社会へ
★メディアの闇/記者クラブ、官房機密費、そして電通
★アフガン・伊藤和也さんを悼む
★パレスチナ問題&村上春樹スピーチ
★チベット問題について
★普天間基地を早急に撤去すべし
★イラク海外派兵に思う
★暴力団について
★死刑制度について
★官僚の天下りと地方自治体の闇
★障害者自立法の問題点
★映画『男たちの大和』レビュー
★マジな戦争根絶案



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